JP2021151946A - フロートガラス製造装置、及びフロートガラス製造方法 - Google Patents

フロートガラス製造装置、及びフロートガラス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】浴槽の上方空間に設けられるヒータの耐クリープ性を改善する、技術を提供する。【解決手段】フロートガラス製造装置は、浴槽と、スパウトリップと、トップロールと、カーボンヒータと、を備える。前記浴槽は、溶融金属を収容する。前記スパウトリップは、前記溶融金属の上に溶融ガラスを供給する。前記トップロールは、前記溶融金属の上で前記溶融ガラスを所定方向に流動させながら帯板状のガラスリボンに成形する。前記カーボンヒータは、前記浴槽の上方空間に配置されるカーボン製の発熱部と、前記発熱部を支持する電極部と、を含む。前記発熱部の近傍の雰囲気は、露点が−35℃以下、且つ酸素濃度が100体積ppm以下である。【選択図】図5

Description

本開示は、フロートガラス製造装置、及びフロートガラス製造方法に関する。
フロートガラス製造装置は、浴槽内の溶融金属の上に溶融ガラスを連続的に供給し、溶融金属の上で溶融ガラスを流動させながら帯板状のガラスリボンに成形する。浴槽の上方空間は、仕切壁によって上流側のスパウト空間と、下流側のメイン空間とに仕切られる。メイン空間は、スパウト空間よりも十分に大きく、溶融金属の酸化を防止すべく、還元性ガスで満たされる。
スパウト空間には、溶融ガラスの流動性を高めるべく、炭化珪素(SiC)ヒータが設けられる(例えば特許文献1参照)。また、メイン空間には、ガラスリボンの温度分布を制御すべく、炭化珪素ヒータが設けられる(例えば特許文献2参照)。特許文献2の炭化珪素ヒータは、メイン空間の上方から吊り下げられる。
特開2015−134691号公報 特開2006−219341号公報
従来、浴槽の上方空間には、炭化珪素ヒータが設けられていた。炭化珪素ヒータは、高温下でクリープ変形しやすいという問題があった。
本開示の一態様は、浴槽の上方空間に設けられるヒータの耐クリープ性を改善する、技術を提供する。
本開示の一態様に係るフロートガラス製造装置は、浴槽と、スパウトリップと、トップロールと、カーボンヒータと、を備える。前記浴槽は、溶融金属を収容する。前記スパウトリップは、前記溶融金属の上に溶融ガラスを供給する。前記トップロールは、前記溶融金属の上で前記溶融ガラスを所定方向に流動させながら帯板状のガラスリボンに成形する。前記カーボンヒータは、前記浴槽の上方空間に配置されるカーボン製の発熱部と、前記発熱部を支持する電極部と、を含む。前記発熱部の近傍の雰囲気は、露点が−35℃以下、且つ酸素濃度が100体積ppm以下である。
本開示の一態様によれば、浴槽の上方空間に設けられるヒータの耐クリープ性を改善できる。
図1は、一実施形態に係るフロートガラス製造装置を示す断面図である。 図2は、図1のII−II線に沿ったフロートガラス製造装置の断面図である。 図3は、スパウト空間におけるカーボンヒータの配置の一例を示す平面図である。 図4は、スパウト空間及びメイン空間におけるカーボンヒータの配置の一例を示す平面図である。 図5は、図4のV−V線に沿ったフロートガラス製造装置の断面図である。 図6は、変形例に係るカーボンヒータの平面図である。 図7は、変形例に係るカーボンヒータをY軸方向から見た図である。 図8は、変形例に係るフロートガラス製造装置の断面図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。各図面において、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は互いに垂直な方向であって、X軸方向及びY軸方向は水平方向、Z軸方向は鉛直方向である。X軸方向が溶融ガラスG及びガラスリボンGRの流動方向、Y軸方向が溶融ガラスG及びガラスリボンGRの幅方向である。明細書中、数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
図1に示すように、フロートガラス製造装置1は、浴槽10内の溶融金属Mの上に溶融ガラスGを連続的に供給し、溶融金属Mの上で溶融ガラスGを所定方向(X軸方向)に流動させながら帯板状のガラスリボンGRに成形する。ガラスリボンGRは、浴槽10の下流域において溶融金属Mから引き上げられた後、不図示の徐冷装置で徐冷され、不図示の加工装置で所定の寸法に切断される。加工装置は、ガラスリボンGRのY軸方向両端部を切除する。加工装置でガラスリボンGRを加工することで、製品であるフロートガラスが得られる。
フロートガラスのガラスの種類としては、例えば無アルカリガラス、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラス又はソーダライムガラスなどが挙げられる。無アルカリガラスとは、Na2O、K2O等のアルカリ金属酸化物を実質的に含有しないガラスを意味する。ここで、アルカリ金属酸化物を実質的に含有しないとは、アルカリ金属酸化物の含有量の合量が0.1質量%以下を意味する。
フロートガラスの用途は、特に限定されないが、例えば液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)であり、例えばFPDのガラス基板である。フロートガラスの用途がFPDのガラス基板である場合、フロートガラスのガラスの種類は無アルカリガラスである。
フロートガラスは、酸化物基準の質量%表示で、SiO:54%〜66%、Al:10%〜23%、B:6%〜12%、MgO+CaO+SrO+BaO:8%〜26%を含有する無アルカリガラス基板であることが好ましい。
フロートガラスは、高歪点とするには、酸化物基準の質量%表示で、SiO:54%〜68%、Al:10%〜25%、B:0.1%〜5.5%、MgO+CaO+SrO+BaO:8%〜26%を含有する無アルカリガラス基板であることが好ましい。
フロートガラスの厚みは、フロートガラスの用途に応じて選択される。フロートガラスの用途がFPDのガラス基板である場合、フロートガラスの厚みは好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下、さらにより好ましくは0.2mm以下、特に好ましくは0.1mm以下である。
フロートガラスの厚みは、ガラスリボンGRのY軸方向端部を切除した後に、ガラスリボンGRのY軸方向全域にて測定する。
図1に示すように、フロートガラス製造装置1は、浴槽10を備える。浴槽10は、溶融金属Mを収容する。溶融金属Mとしては、例えば溶融スズが用いられる。溶融スズの他に、溶融スズ合金なども使用可能であり、溶融金属Mは溶融ガラスGを浮かばせることができるものであればよい。
浴槽10は、上方に開放された箱状のボトムケーシング11と、ボトムケーシング11の側壁を溶融金属Mから保護するサイドレンガ12と、ボトムケーシング11の底壁を溶融金属Mから保護するボトムレンガ13と、を有する。
フロートガラス製造装置1は、スパウトリップ14を備える。スパウトリップ14は、浴槽10内の溶融金属Mの上に溶融ガラスGを供給する。図2に示すように、サイドジャム16、17は、スパウトリップ14をY軸方向に挟み、スパウトリップ14の上を流れる溶融ガラスGがY軸方向にこぼれるのを防止する。
図1に示すように、フロートガラス製造装置1は、ツイール18を備える。ツイール18は、スパウトリップ14に対して上下に移動自在であり、スパウトリップ14の上を流れる溶融ガラスGの流量を調整する。ツイール18とスパウトリップ14との間隔が狭くなるほど、スパウトリップ14の上を流れる溶融ガラスGの流量が少なくなる。
ツイール18は、耐火物で構成される。ツイール18には、ツイール18と溶融ガラスGとの接触を防止する保護膜19が形成されてよい。保護膜19は、例えば白金又は白金合金で形成される。
フロートガラス製造装置1は、タイル20を備える。タイル20は、スパウトリップ14の下方に配設され、溶融金属Mの上の溶融ガラスGと接触する。タイル20は、図3に示すように、溶融ガラスGの上流端に接触するウェットバックタイル22と、ウェットバックタイル22から下流に向けて延びるリストリクタータイル24、25と、を有する。リストリクタータイル24、25は、ウェットバックタイル22から下流に向けて斜めに延び、下流に向けて拡開する。
溶融ガラスGは、溶融金属Mの上に供給された後、X軸正方向に流れる本流F1と、ウェットバックタイル22に向けてX軸負方向に逆流する支流F2とを形成する。支流F2は、ウェットバックタイル22に達すると、ウェットバックタイル22に沿って左右に分かれて流れた後、左右のリストリクタータイル24、25に沿って流れ、本流F1のY軸方向端部に合流する。それゆえ、スパウトリップ14及びタイル20と、溶融ガラスGとの接触によって発生した異質成分は、ガラスリボンGRのY軸方向両端部に集まる。ガラスリボンGRのY軸方向両端部は、徐冷後に切除され、製品の一部にはならないので、品質の良いフロートガラスが得られる。
図1に示すように、フロートガラス製造装置1は、浴槽10の上方空間Sを備える。側壁26(図5参照)が、浴槽10の上方空間の側面を形成する。また、天井27が、浴槽10の上方空間Sの上面を形成する。更に、仕切壁28が、浴槽10の上方空間Sを上流側のスパウト空間S1と下流側のメイン空間S2とに仕切る。仕切壁28は、フロントリンテルとも呼ばれる。
スパウト空間S1での溶融ガラスGの温度範囲は、溶融ガラスGの粘度換算で例えば103.8dPa・s〜104.65dPa・sに相当する範囲であり、好ましくは溶融ガラスGの粘度換算で104.1dPa・s〜104.3dPa・sに相当する範囲である。
メイン空間S2は、スパウト空間S1よりも十分に大きい。メイン空間S2は、溶融金属Mの酸化を防止するため、還元性ガスで満たされる。還元性ガスは、例えば窒素ガスと水素ガスとの混合ガスであり、窒素ガスを85体積%〜98.5体積%、水素ガスを1.5体積%〜15体積%含んでいる。還元性ガスは、天井27のレンガ同士の目地及び天井27の孔から供給される。
図4に示すように、フロートガラス製造装置1は、トップロール30を備える。トップロール30は、溶融金属Mの上で溶融ガラスGをX軸方向に流動させながら帯板状のガラスリボンGRに成形する。トップロール30は、ガラスリボンGRのY軸方向端部を押さえながら回転し、X軸方向にガラスリボンGRを送り出す。ガラスリボンGRは、X軸方向に移動しながら、徐々に冷却され、固くなる。
一対のトップロール30は、Y軸方向に間隔をおいて設けられ、ガラスリボンGRのY軸方向の収縮を抑制する。ガラスリボンGRの厚みを平衡厚みよりも薄くできる。一対のトップロール30は、X軸方向に間隔をおいて複数設けられる。これにより、複数対のトップロール30が設けられる。
トップロール30は、少なくとも成形域A1にてガラスリボンGRのY軸方向端部を押さえる。成形域A1は、ガラスリボンGRの粘度が104.5dPa・s〜107.5dPa・sの領域である。成形域A1において、ガラスリボンGRはトップロール30によって所定の厚みに成形される。なお、ガラスリボンGRの粘度は、ガラスリボンGRのY軸方向中心にて測定した温度を粘度換算した値である。
トップロール30は、成形域A1と低温域A2の両方にてガラスリボンGRのY軸方向端部を押さえてもよい。低温域A2は、成形域A1よりも低温の領域であり、ガラスリボンGRの粘度が107.5dPa・s超〜107.65dPa・sの領域である。低温域A2でもガラスリボンGRのY軸方向の収縮を抑制できる。
トップロール30は、更に、徐冷域A3にてガラスリボンGRのY軸方向端部を押さえてもよい。徐冷域A3は、ガラスリボンGRの粘度が107.65dPa・s超の領域である。この場合、ガラスリボンGRのY軸方向端部は、後述するカーボンヒータ50によって局所的に加熱される。それゆえ、徐冷域A3にて、トップロール30がガラスリボンGRをグリップすることが可能である。
トップロール30は、回転部材31と、回転軸32と、を有する。回転部材31は、例えば円盤状であって、その外周にて、ガラスリボンGRのY軸方向端部を押さえ、ガラスリボンGRのX軸方向にガラスリボンGRを送り出す。回転軸32は、不図示の駆動装置によって回転駆動され、回転部材31を回転させる。回転軸32は金属で形成され、金属の耐熱性は低いので、回転軸32の内部に冷媒流路が形成される。
図3に示すように、フロートガラス製造装置1は、カーボンヒータ50を備える。カーボンヒータ50は、浴槽10の上方空間Sに配置されるカーボン製の発熱部51と、発熱部51を支持する電極部52、53と、を含む。電極部52、53の材質は、本実施形態ではカーボンである。電極部52、53の断面積は発熱部51の断面積よりも大きいので、電極部52、53の電気抵抗は発熱部51の電気抵抗よりも低い。そのため、電極部52、53はほとんど発熱しない。ここで、断面積は、電流の流れに直交する断面の面積である。
なお、電極部52、53の材質は、耐クリープ性に優れるモリブデンやタングステンであってもよい。また、電極部52、53は、本実施形態では一対であるが、複数対であってもよい。
浴槽10の上方空間Sは、上記の通り、溶融金属Mの酸化を防止するため、還元性ガスで満たされる。但し、浴槽10の上方空間Sには、サイドレンガ12と側壁26との空間を塞ぐシール部から、大気が侵入する。それゆえ、浴槽10の上方空間Sは、酸素ガスを含む。酸素ガスと水素ガスとが反応すると、水蒸気が生成する。酸素ガス及び水蒸気は、カーボンを酸化させてしまう。カーボンが酸化されると、二酸化炭素ガスが生成され、カーボンの重量が減少してしまう。それゆえ、従来、浴槽10の上方空間Sで、カーボンヒータ50を使用することは考えられなかった。
本発明者は、カーボンヒータ50の使用可能な条件を検討し、カーボンヒータ50の発熱部51の近傍の雰囲気に着目した。発熱部51の近傍とは、発熱部51からの距離が10cm以下の領域を意味する。本発明者は、後述する実験等によって、下記の条件を見出した。見出した発熱部51の近傍の雰囲気は、露点が−35℃以下であって、且つ酸素濃度が100体積ppm以下である。露点は、雰囲気の水蒸気濃度を把握する上での指標になる。露点が低いほど、水蒸気濃度が低い。
露点が−35℃以下であって、且つ酸素濃度が100体積ppm以下であれば、水蒸気濃度及び酸素濃度が低いので、発熱部51の重量減少が小さく、発熱部51の交換頻度が通常のメンテナンスの頻度程度、例えば3か月に1回程度で済む。従って、カーボンヒータ50の使用が可能である。
発熱部51の近傍の雰囲気の露点は、発熱部51の耐久性の観点から、好ましくは−45℃以下、より好ましくは−50℃以下である。また、発熱部51の近傍の雰囲気の露点は、露点の制御性の観点から、好ましくは−100℃以上である。
また、発熱部51の近傍の雰囲気の酸素濃度は、発熱部51の耐久性の観点から、好ましくは60体積ppm以下、より好ましくは50体積ppm以下である。また、発熱部51の近傍の雰囲気の酸素濃度は、酸素濃度の制御性の観点から、好ましくは5体積ppm以上である。
カーボンヒータ50は、従来のSiCヒータに比べ、比剛性(剛性/密度)が高いので、重力によるクリープ変形が小さい。それゆえ、耐クリープ性を改善できる。また、カーボンヒータ50は、従来のSiCヒータに比べて、最高使用温度が高く、例えば1300℃以上での使用が可能である。
発熱部51は、例えば、互いに平行に並ぶ複数の直線部51aと、隣り合う直線部51aを接続するU字状の折返部51bと、を含むことが好ましい。直線部51a及び折返部51bは、水平に配置される。折返部51bによって、平面視で単位面積当たりの発熱面積を大きくできる。また、折返部51bによって、電流経路の全長を長くでき、電気抵抗を大きくできる。
発熱部51の材質は、CIP材又はC/Cコンポジット材であることが好ましい。CIP材は、CIP(Cold Isostatic Pressing)法によって得られる。CIP法では、ゴム型にカーボン原料を入れ、ゴム型全体に圧力をかけて成形する。CIP材は、C/Cコンポジット材に比べて、電気伝導率が高い。
一方、C/Cコンポジット材は、炭素繊維と炭素又は黒鉛との複合材料であり、含浸法又はCVD法によって得られる。含浸法では、炭素繊維を基材に樹脂あるいはピッチを含浸させ、焼成して炭素化又は黒鉛化する。CVD(Chemical Vapor Deposition)法では、炭素繊維基材に炭化水素を熱分解して得られる炭素を沈着させる。C/Cコンポジット材は、CIP材に比べて、電気抵抗率が高く、強度が高い。
発熱部51の材質は、本実施形態では、電気抵抗率の高いC/Cコンポジット材である。
電極部52、53は、発熱部51の両端部に電圧を印可し、発熱部51に電流を流す。電極部52、53は、例えば棒状であって、水平に配置される。電極部52、53の材質は、発熱部51の材質と同様に、CIP材又はC/Cコンポジット材であることが好ましい。電極部52、53は発熱部51の片持ち梁であるので、電極部52、53の材質は本実施形態では強度の高いC/Cコンポジット材である。
図3に示すように、発熱部51は、平面視で、一対のリストリクタータイル24、25の間に配置され、溶融ガラスGに重なるように配置される。一対のリストリクタータイル24、25の間の温度領域は、溶融ガラスGの失透が生じうる温度領域である。失透とは、結晶が析出し、透明度が低下する現象である。発熱部51によって溶融ガラスGを局所的に加熱すれば、結晶の析出を抑制でき、失透を抑制できる。
溶融ガラスGの失透は、溶融ガラスGの流れの停滞部位に生じやすく、リストリクタータイル24、25の下流端の近傍にて生じやすい。リストリクタータイル24、25の下流端近傍とは、その下流端からの距離が10cm以内の領域を意味する。
そこで、発熱部51は、平面視で、一対のリストリクタータイル24、25の下流端近傍に配置され、溶融ガラスGに重なるように配置されることが好ましい。これにより、溶融ガラスGの失透をより抑制できる。
また、図4に示すように、発熱部51は、平面視で、ガラスリボンGRのY軸方向端部に重なるように配置されることが好ましい。この配置は、少なくとも成形域A1において採用され、低温域A2又は徐冷域A3において採用されてもよい。
この配置により、ガラスリボンGRのY軸方向端部は、発熱部51によって局所的に加熱され、柔らかくなる。それゆえ、ガラスリボンGRに対するトップロール30のグリップ性を向上できる。その結果、ガラスリボンGRの成形性を向上できるとともに、フロートガラスの平坦性を向上できる。
また、上記配置を徐冷域A3において採用すると、ガラスリボンGRのY軸方向端部の加熱不足が解消されるため、フロートガラス製造装置1の出口(浴槽10の上方空間Sの出口)でガラスリボンGRが割れるトラブルの発生を防止できる。なお、発熱部51は、平面視で、ガラスリボンGRのY軸方向端部の内側に重なるように配置されてもよい。
発熱部51は、平面視で、X軸方向に隣り合うトップロール30の間に配置されることが好ましい。ガラスリボンGRのY軸方向端部をトップロール30によって押さえる直前に加熱でき、ガラスリボンGRに対するトップロール30のグリップ性をより向上できる。
カーボンヒータ50は、一対の電極部52、53と発熱部51とを連結する一対の連結部54、55を有することが好ましい。一の連結部54は一の電極部52と発熱部51とを連結し、別の連結部55は別の電極部53と発熱部51とを連結する。これにより、一対の電極部52、53と発熱部51とを別々に製造でき、これらの製造コストを低減できる。
図5に示すように、連結部54は、例えばL字状に形成され、電極部52の一端が連結される鉛直部54aと、発熱部51の一端が連結される水平部54bと、を含む。別の連結部55も、同様にL字状に形成される。連結部54、55の材質は、CIP材又はC/Cコンポジット材である。連結部54、55の材質は、本実施形態では電気伝導率の高いCIP材である。
カーボンヒータ50は、電極部52と連結部54とを締結する第1ボルト56を更に含む。第1ボルト56は、連結部54の鉛直部54aの貫通穴を通り、電極部52のねじ穴にねじ込まれることが好ましい。第1ボルト56を緩めれば、連結部54ひいては発熱部51の交換が可能である。発熱部51の交換は、発熱部51の消耗時に行われる。発熱部51の交換後、第1ボルト56が再び締められる。なお、カーボンヒータ50は、電極部53と連結部55とを連結する不図示の第1ボルトをも更に含む。
カーボンヒータ50は、発熱部51と連結部54とを締結する第2ボルト58を更に含む。第2ボルト58は、連結部54の水平部54bの貫通穴を通り、発熱部51のねじ穴にねじ込まれることが好ましい。第2ボルト58を緩めれば、発熱部51の交換が可能である。発熱部51の交換は、発熱部51の消耗時に行われる。発熱部51の交換後、第2ボルト58が再び締められる。なお、カーボンヒータ50は、発熱部51と連結部55とを連結する不図示の第2ボルトをも更に含む。
図5に示すように、カーボンヒータ50の電極部52、53は、側壁26の開口部26aに配置されることが好ましい。これにより、作業者は、側壁26の外側に立って、カーボンヒータ50の取り付け、及び取り外しを実施できる。従って、カーボンヒータ50の追加設置、位置変更及び交換などが容易である。
フロートガラス製造装置1は、金属ケーシング60と、第1シール部材70と、第2シール部材71と、を備えることが好ましい。金属ケーシング60は、側壁26の開口部26aに配置される筒部61と、側壁26の外側にて筒部61の開口部を塞ぐ蓋部62と、蓋部62の電極部52が挿通される貫通穴63と、を含む。一の電極部52が挿通される貫通穴63と、別の電極部53が挿通される不図示の貫通穴とは、別々に、蓋部62に設けられる。金属ケーシング60と、カーボンヒータ50の電極部52、53とは、絶縁される。
第1シール部材70は、金属ケーシング60の筒部61と、側壁26との隙間をシールする。第1シール部材70として、例えばモルタルが用いられる。
第2シール部材71は、金属ケーシング60の蓋部62と、電極部52との間をシールする。第2シール部材71として、例えばOリングが用いられる。一の電極部52を囲むOリングと、別の電極部53を囲むOリングとは、別々に用意される。Oリング材質は、耐熱性の観点から、例えばフッ素ゴムが用いられる。第2シール部材71は、絶縁性を有する。
金属ケーシング60と、第1シール部材70と、第2シール部材71とは、側壁26の開口部26aから浴槽10の上方空間S(図5ではメイン空間S2)への大気の侵入を抑制し、カーボンヒータ50の発熱部51の酸化消耗を抑制する。
金属ケーシング60は、蓋部62に、金属ケーシング60の内部空間ISに不活性ガスを導入する導入ポート64を有することが好ましい。不活性ガスは、例えば窒素ガス又はアルゴンガス等である。金属ケーシング60の内部空間ISに不活性ガスが充てんされるので、浴槽10の上方空間Sの酸素ガス及び水蒸気から電極部52、53を保護できる。
金属ケーシング60は、浴槽10の上方空間Sに向けて開口部を有する。金属ケーシング60の内部空間ISには、金属ケーシング60の内部空間ISと、浴槽10の上方空間Sとを区画する断熱部材80が設けられる。断熱部材80は、絶縁性を有することが好ましい。断熱部材80の貫通穴に、カーボンヒータ50の電極部52、53が挿通されることが好ましい。断熱部材80には、一の電極部52が挿通される貫通穴81と、別の電極部53が挿通される不図示の貫通穴とが形成される。断熱部材80は、耐熱性の観点から、レンガ、セラミックボード、石英ガラスブロック等が用いられる。これにより、発熱部51からの輻射熱を遮ることができ、金属ケーシング60の加熱を抑制できる。レンガは、例えばアルミナ系耐火物が用いられる。
断熱部材80の貫通穴81は、導入ポート64によって金属ケーシング60の内部空間ISに導入された不活性ガスを、浴槽10の上方空間Sに供給する。その結果、カーボンヒータ50の発熱部51の近傍に不活性ガスを供給でき、発熱部51の酸化消耗をより抑制できる。
フロートガラス製造方法は、浴槽10内の溶融金属Mの上に溶融ガラスGを連続的に供給することと、溶融金属Mの上で溶融ガラスGをX軸方向に流動させながら帯板状のガラスリボンGRに成形することと、カーボンヒータ50で溶融ガラスG又はガラスリボンGRを加熱することと、を含む。
カーボンヒータ50で溶融ガラスGを加熱すれば、溶融ガラスGの失透を抑制できる。また、カーボンヒータ50でガラスリボンGRを加熱すれば、ガラスリボンGRに対するトップロール30のグリップ性を向上できる。その結果、ガラスリボンGRの成形性を向上できるとともに、フロートガラスの平坦性を向上できる。
次に、図6及び図7を参照して、変形例に係るカーボンヒータ50について説明する。カーボンヒータ50は、発熱部51を含む。発熱部51は、互いに平行に並ぶ3本以上(図6では4本)の直線部51aと、隣り合う直線部51aを接続するU字状の折返部51bと、を含む。直線部51a及び折返部51bは、水平に配置される。直線部51aの数は、特に限定されないが、例えば3〜20である。折返部51bの数は、直線部51aの数よりも1つ少ない。
発熱部51は、ガラスリボンGR又は溶融ガラスGを上方から加熱する。ガラスリボンGR又は溶融ガラスGが加熱されると、その上の雰囲気も加熱される。その結果、図7に示すように、発熱部51の下で上昇気流が発生する。隣り合う直線部51a同士の隙間は狭く、その隙間を上昇気流が抜けにくい。そのため、上昇気流は、発熱部51を避けるように流れる。従って、発熱部51の外縁において、上昇気流の流速が高くなりやすく、酸化消耗が進みやすい。発熱部51の外縁は、例えば、両端の直線部51aと、折返部51bと、を含む。
図6に示すように、上方から見て、両端の直線部51aの幅W1が、中央の直線部51aの幅W2よりも大きくてもよい。幅W1、幅W2は、電流の経路に直交する方向の寸法である。幅W1が幅W2よりも大きい場合、両端の直線部51aでの酸化消耗による断線を抑制でき、発熱部51の耐用寿命を延ばすことができる。幅W1は、好ましくは幅W2の1.1倍以上、より好ましくは幅W2の2倍以上、更に好ましくは幅W2の3倍以上である。なお、幅W1は、幅W2の10倍以下であってもよい。
また、両端の直線部51aの幅W1が中央の直線部51aの幅W2よりも大きければ、両端の直線部51aの電気抵抗が中央の直線部51aの電気抵抗よりも低くなる。その結果、両端の直線部51aの発熱温度T1を、中央の直線部51aの発熱温度T2に比べて30℃以上低くできる。よって、両端の直線部51aでの酸化消耗による断線を抑制できる。発熱温度T1と発熱温度T2の温度差は、好ましくは100℃以上、より好ましくは200℃以上である。なお、発熱温度T1と発熱温度T2の温度差は、400℃以下であってもよい。
図6に示すように、上方から見て、折返部51bの幅W3が、中央の直線部51aの幅W2よりも大きくてもよい。幅W3は、電流の経路に直交する方向の寸法である。幅W3が幅W2よりも大きい場合、折返部51bでの酸化消耗による断線を抑制でき、発熱部51の耐用寿命を延ばすことができる。幅W3は、好ましくは幅W2の1.1倍以上、より好ましくは幅W2の1.4倍以上、更に好ましくは幅W2の2倍以上である。なお、幅W3は、幅W2の5倍以下であってもよい。
上方から見て、隣り合う直線部51aの間隔G1は、例えば5mm以下である。間隔G1が5mm以下であれば、隣り合う直線部51aの隙間が狭く、その隙間を上昇気流が通り抜けにくくなるため、直線部51aの酸化消耗を抑制できる。間隔G1は、好ましくは4mm以下、より好ましくは3mm以下である。また、間隔G1は、0.5mm以上であってもよい。
カーボンヒータ50は、図6に示すように上方から見て発熱部51を挟み、図7に示すように発熱部51の下で発生する上昇気流を発熱部51の外に逸らす一対の風除け部41、42を含んでもよい。一対の風除け部41、42は、発熱部51と間隔をおいて配置され、例えば発熱部51の直線部51aに対して平行に配置される。
図6に示すように、一対の風除け部41、42は、例えば一対の連結部54、55に連結される。風除け部41は連結部54の鉛直部54aに連結され、風除け部42は連結部55の鉛直部55aに連結される。上方から見て一対の連結部54、55の間には、上昇気流を遮るように、発熱部51の折返部51bが配置される。
一対の風除け部41、42は、発熱部51と同様に、カーボン製であってもよい。風除け部41、42の材質は、好ましくはCIP材又はC/Cコンポジット材であり、より好ましくはCIP材である。風除け部41、42の電気抵抗は発熱部51の電気抵抗に比べて低く、風除け部41、42はほとんど発熱しない。
風除け部41、42は、発熱部51の外に上昇気流を逸らすことにより、発熱部51の酸化消耗を抑制する。また、風除け部41、42は、発熱部51とは異なりほとんど発熱しないので、発熱部51に比べて低温である。従って、風除け部41、42の酸化消耗をも抑制できる。
上方から見て、風除け部41、42と発熱部51との間隔G2は、例えば5mm以下である。間隔G2が5mm以下であれば、風除け部41、42と発熱部51との隙間が狭く、その隙間を上昇気流が通り抜けにくくなるため、発熱部51の酸化消耗を抑制できる。間隔G2は、好ましくは4mm以下、より好ましくは3mm以下である。また、間隔G2は、0.5mm以上であってもよい。
上方から見て、風除け部41、42の幅W4は、中央の直線部51aの幅W2の1.0倍以上であることが好ましく、幅W2の3倍以上であることがより好ましい。なお、幅W4は、幅W2の10倍以下であってもよい。
次に、図8を参照して、変形例に係るフロートガラス製造装置1について説明する。フロートガラス製造装置1は、金属ケーシング60と、第1シール部材70と、第2シール部材71と、を備えることが好ましい。金属ケーシング60と、第1シール部材70と、第2シール部材71とは、側壁26の開口部26aから浴槽10の上方空間S(図8ではメイン空間S2)への大気の侵入を抑制し、カーボンヒータ50の発熱部51の酸化消耗を抑制する。
フロートガラス製造装置1は、金属ケーシング60の内部空間ISから浴槽10の上方空間S(図8ではメイン空間S2)に突き出し、カーボンヒータ50の一部を収容するカーボンボックス90を備えることが好ましい。カーボンボックス90は、外部から内部への酸素ガス及び水蒸気の侵入を抑制し、カーボンヒータ50の酸化消耗を抑制する。カーボンボックス90は、CIP材又はC/Cコンポジット材であることが好ましい。
金属ケーシング60は、カーボンボックス90の内部空間に不活性ガスを導入する導入ポート64を有することが好ましい。不活性ガスは、例えば窒素ガス又はアルゴンガス等である。カーボンボックス90の内部空間に不活性ガスが充てんされるので、浴槽10の上方空間Sの酸素ガス及び水蒸気から発熱部51及び電極部52、53を保護できる。
カーボンボックス90の下壁には、開口部91が形成される。下方から見て、開口部91の大きさは、カーボンヒータ50の発熱部51の大きさよりも大きい。開口部91の開口縁には、下方に突出する不図示のカーボンノズルが設けられてもよい。カーボンノズルは、筒状であり、発熱部51を取り囲む。なお、カーボンノズルが発熱部51を取り囲む場合、風除け部41、42は不要である。
カーボンボックス90の内部空間に供給された不活性ガスは、カーボンボックス90の開口部91を通り、カーボンヒータ50の発熱部51の下方に噴き出す。そのため、発熱部51の下方に上昇気流が発生するのを抑制できる。不活性ガスが発熱部51の下方に均等に噴き出すように、開口部91の開口縁と発熱部51との間隔G3は、発熱部51の直線部51a同士の間隔G1の90%〜110%であることが好ましい。間隔G3は、例えば5mm以下である。間隔G3が5mm以下であれば、カーボンボックス90の外部から内部へのガスの逆流を抑制できる。間隔G3は、好ましくは4mm以下、より好ましくは3mm以下である。また、間隔G3は、0.5mm以上であってもよい。
カーボンヒータ50の発熱部51とガラスリボンGR(又は溶融ガラスG)との間隔G4は、例えば50mm以下である。間隔G4が50mm以下であれば、カーボンボックス90の外部から内部へのガスの逆流を抑制できるとともに、ガラスリボンGR(又は溶融ガラスG)を効率良く加熱できる。間隔G4は、好ましくは30mm以下、より好ましくは10mm以下である。また、間隔G4は、0.5mm以上であってもよい。
下記の実験では、カーボン試験片の酸化消耗速度と、その周辺雰囲気との関係を調べた。カーボン試験片としては、C/Cコンポジット材を用いた。カーボン試験片のサイズは、50mm×50mm×厚み10mmである。カーボン試験片の酸化消耗速度は、試験前のカーボン試験片の質量を100%としたときの、試験前後のカーボン試験片の質量の減少量(単位:%)で求めた。
試験では、まず、容器の内部にカーボン試験片を設置した。そして、酸素濃度が3体積ppm以下であって露点が−75℃以下の窒素ガスを容器の内部に流しながら、容器の内部に設置したカーボン試験片に電流を流し、容器の内部を1400℃まで300℃/hの昇温速度で加熱した。ここで、酸素濃度計は、株式会社テクネ計測の微量酸素計測ユニットTKZ005AUを用いた。また、露点計は、株式会社テクネ計測のTK−100露点トランスミッターを用いた。
次いで、酸素濃度と露点が表1に示す値になるように制御した窒素ガスと酸素ガスと水蒸気との混合ガスを容器の内部に供給しながら、容器の内部に設置したカーボン試験片に電流を流し、容器の内部を1400℃で24時間加熱した。
最後に、酸素濃度が3体積ppm以下であって露点が−75℃以下の窒素ガスを容器の内部に流しながら、容器の内部を室温まで冷却し、容器の内部からカーボン試験片を取り出した。
表1に試験の結果を示す。
Figure 2021151946
表1から明らかなように、露点が−35℃以下であって、且つ酸素濃度が100体積ppm以下であれば、カーボン試験片の酸化消耗速度が0.3質量%/h以下であった。酸化消耗速度が0.3質量%/h以下であれば、3か月に1回程度の交換頻度で、カーボンヒータを使用できる。
以上、本開示に係るフロートガラス製造装置、及びフロートガラス製造方法について説明したが、本開示は上記実施形態等に限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
10 浴槽
14 スパウトリップ
30 トップロール
50 カーボンヒータ
51 発熱部
52、53 電極部
M 溶融金属
G 溶融ガラス
GR ガラスリボン

Claims (26)

  1. 溶融金属を収容する浴槽と、
    前記溶融金属の上に溶融ガラスを供給するスパウトリップと、
    前記溶融金属の上で前記溶融ガラスを所定方向に流動させながら帯板状のガラスリボンに成形するトップロールと、
    前記浴槽の上方空間に配置されるカーボン製の発熱部と、前記発熱部を支持する電極部と、を含むカーボンヒータと、
    を備え、
    前記発熱部の近傍の雰囲気は、露点が−35℃以下であって、且つ酸素濃度が100体積ppm以下である、フロートガラス製造装置。
  2. 前記浴槽の上方空間の側面を形成する側壁を備え、
    前記カーボンヒータの前記電極部は、前記側壁の開口部に配置される、請求項1に記載のフロートガラス製造装置。
  3. 前記側壁の開口部に配置される筒部と、前記側壁の外側にて前記筒部の開口部を塞ぐ蓋部と、前記蓋部の前記電極部が挿通される貫通穴と、を含む金属ケーシングと、
    前記金属ケーシングの前記筒部と前記側壁との隙間をシールする第1シール部材と、
    前記金属ケーシングの前記蓋部と前記電極部との隙間をシールする第2シール部材と、を備える、請求項2に記載のフロートガラス製造装置。
  4. 前記金属ケーシングは、前記蓋部に、前記金属ケーシングの内部空間に不活性ガスを導入する導入ポートを有する、請求項3に記載のフロートガラス製造装置。
  5. 前記金属ケーシングは、前記浴槽の前記上方空間に向けて開口部を有し、
    前記金属ケーシングの内部空間に配置され、前記金属ケーシングの内部空間と、前記浴槽の前記上方空間とを区画する断熱部材を備え、
    前記断熱部材の貫通穴に、前記カーボンヒータの前記電極部が挿通される、請求項3又は4に記載のフロートガラス製造装置。
  6. 前記金属ケーシングの内部空間から前記浴槽の前記上方空間に突き出し、前記カーボンヒータの一部を収容するカーボンボックスを備える、請求項3又は4に記載のフロートガラス製造装置。
  7. 前記カーボンヒータの前記発熱部は、前記溶融金属の上にある前記溶融ガラス又は前記ガラスリボンとの間隔が50mm以下となるように配置される、請求項6に記載のフロートガラス製造装置。
  8. 前記スパウトリップの下方に、前記溶融金属の上の前記溶融ガラスと接触するタイルを備え、
    前記タイルは、前記溶融ガラスの上流端に接触するウェットバックタイルと、前記ウェットバックタイルから下流に向けて延びる一対のリストリクタータイルと、を有し、
    前記カーボンヒータの前記発熱部は、平面視で、一対の前記リストリクタータイルの間に配置され、前記溶融ガラスに重なるように配置される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のフロートガラス製造装置。
  9. 前記カーボンヒータの前記発熱部は、平面視で、前記リストリクタータイルの下流端近傍に配置され、前記溶融ガラスに重なるように配置される、請求項8に記載のフロートガラス製造装置。
  10. 前記カーボンヒータの前記発熱部は、平面視で前記ガラスリボンの幅方向端部に重なるように配置される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のフロートガラス製造装置。
  11. 前記トップロールは、前記ガラスリボンの幅方向端部を押さえながら回転し、前記所定方向に前記ガラスリボンを送り出し、
    前記カーボンヒータの前記発熱部は、平面視で前記所定方向に隣り合う前記トップロールの間に配置される、請求項10に記載のフロートガラス製造装置。
  12. 前記カーボンヒータの前記発熱部の材質は、CIP材又はC/Cコンポジット材である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のフロートガラス製造装置。
  13. 前記カーボンヒータの前記電極部の材質は、CIP材又はC/Cコンポジット材である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のフロートガラス製造装置。
  14. 前記カーボンヒータの前記発熱部は、互いに平行に並ぶ複数の直線部と、隣り合う前記直線部を接続するU字状の折返部と、を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のフロートガラス製造装置。
  15. 前記カーボンヒータの前記発熱部は、互いに平行に並ぶ3本以上の前記直線部を含み、
    上方から見て、両端の前記直線部の幅が、中央の前記直線部の幅よりも大きい、請求項14に記載のフロートガラス製造装置。
  16. 前記カーボンヒータの前記発熱部は、互いに平行に並ぶ3本以上の前記直線部を含み、
    上方から見て、前記折返部の幅が、中央の前記直線部の幅よりも大きい、請求項14又は15に記載のフロートガラス製造装置。
  17. 前記カーボンヒータは、一対の前記電極部と前記発熱部とを連結する一対の連結部を有する、請求項1〜16のいずれか1項に記載のフロートガラス製造装置。
  18. 前記カーボンヒータは、前記電極部と前記連結部とを締結する第1ボルトを更に含み、
    前記第1ボルトは、前記連結部の貫通穴を通り、前記電極部のねじ穴にねじ込まれる、請求項17に記載のフロートガラス製造装置。
  19. 前記カーボンヒータは、前記発熱部と前記連結部とを締結する第2ボルトを更に含み、
    前記第2ボルトは、前記連結部の貫通穴を通り、前記発熱部のねじ穴にねじ込まれる、請求項17又は18に記載のフロートガラス製造装置。
  20. 前記カーボンヒータは、上方から見て前記発熱部を挟み、前記発熱部の下で発生する上昇気流を前記発熱部の外に逸らす一対の風除け部を含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載のフロートガラス製造装置。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載のフロートガラス製造装置を用いる、フロートガラス製造方法であって、
    前記スパウトリップの上を流れる前記溶融ガラスを前記浴槽内の前記溶融金属の上に連続的に供給することと、
    前記溶融金属の上で前記溶融ガラスを前記所定方向に流動させながら帯板状の前記ガラスリボンに成形することと、
    前記カーボンヒータの前記発熱部で、前記溶融ガラス又は前記ガラスリボンを加熱することと、
    を有するフロートガラス製造方法。
  22. 請求項14〜16のいずれか1項に記載のフロートガラス製造装置を用いる、フロートガラス製造方法であって、
    前記スパウトリップの上を流れる前記溶融ガラスを前記浴槽内の前記溶融金属の上に連続的に供給することと、
    前記溶融金属の上で前記溶融ガラスを前記所定方向に流動させながら帯板状の前記ガラスリボンに成形することと、
    前記カーボンヒータの前記発熱部で、前記溶融ガラス又は前記ガラスリボンを加熱することと、
    を有し、
    両端の前記直線部の発熱温度が、中央の前記直線部の発熱温度に比べて30℃以上低い、フロートガラス製造方法。
  23. 前記発熱部の近傍の雰囲気は、露点が−45℃以下である、請求項21又は22に記載のフロートガラス製造方法。
  24. 前記発熱部の近傍の雰囲気は、酸素濃度が60体積ppm以下である、請求項21〜23のいずれか1項に記載のフロートガラス製造方法。
  25. フロートガラスは、酸化物基準の質量%表示で、SiO:54%〜66%、Al:10%〜23%、B:6%〜12%、MgO+CaO+SrO+BaO:8%〜26%を含有する無アルカリガラス基板である、請求項21〜24のいずれか1項に記載のフロートガラス製造方法。
  26. フロートガラスは、酸化物基準の質量%表示で、SiO:54%〜68%、Al:10%〜25%、B:0.1%〜5.5%、MgO+CaO+SrO+BaO:8%〜26%を含有する無アルカリガラス基板である、請求項21〜24のいずれか1項に記載のフロートガラス製造方法。
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