JP2021151698A - ロボット操作装置 - Google Patents

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Daisuke Kawase
大介 川瀬
章 小川
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Abstract

【課題】安全性を備えつつ表示・操作入力部として携帯可能な操作端末を使用でき、且つ入力操作も容易に行うことができるロボット操作装置を提供する。【解決手段】ロボット操作装置4は、表示・入力のためのタッチパネル部71を有する携帯可能なスマートディバイス7と、蓋部82とそれに対向する辺部とによりスマートディバイス7を着脱可能で且つタッチパネル部71が外部に露出するように配置する配置部81を有するベース部材8とを備え、ベース部材8の端部81a,81bは、スマートディバイス7の対向する2辺に当接可能で、タッチパネル部71がある上面よりも少なくとも一部が延出している。【選択図】図1

Description

本発明は、作業者による入力操作に基づいてロボットを動作させるための動作用信号を出力してロボットコントローラに与えるロボット操作装置に関する。
例えば産業用のロボットシステムにおいては、ロボットを手動により動作させることが可能となっている。このような動作は、例えば教示作業(ティーチング)などを行う際に利用される。この場合、ユーザは、ロボットを制御するロボットコントローラに接続されたペンダント(以下、ティーチングペンダント)などを用いて、手動でロボットの操作を行うことになる。そのため、ロボット操作装置に相当するティーチングペンダントには、タッチ操作入力が可能なタッチパネル部や、手動操作を行うための専用の各種操作キー(機械的スイッチからなるキー)が設けられている(例えば特許文献1)。
ティーチングペンダントを用いてロボットの動作についての教示作業を行うとき、作業者が危険な事態に陥ったりした場合にロボットを緊急に停止する必要がある。これを考慮して、ティーチングペンダントでは、いわゆるイネーブルスイッチ(デッドマンスイッチ)や非常停止スイッチといった機械式の安全入力部を備えることが必須である。
特開2006−142480号公報
ところで、最近、タッチ入力を行い得るスマートフォンなどの安価で携帯可能な操作端末(以下スマートディバイス)が普及しており、ロボットの教示作業時の表示・入力用のディバイスとして用いることが注目されている。この場合、スマートディバイスにロボットを操作するための入出力インターフェースとしてアプリケーションソフトを格納させる。
そして、スマートディバイスのタッチパネル部上で指により直線や曲線の描画線を描く(操作入力)ことに基づいて、ロボットを動作させるための動作用信号を出力し、ロボットコントローラに与える。そしてロボットコントローラは、前記動作用信号に応じてロボットの関節や手先を動作させることを行う。
しかし、ロボット操作装置としては、タッチパネル部で構成される表示・操作入力部の他に上述の機械式の安全入力部が必須であるため、表示・操作入力部に相当するスマートディバイスのみでは、安全性が確保できず、ロボット操作装置としては成立しない。
そこで、図9に示すように、安全入力部として、市販されている非常停止スイッチ付きグリップ型イネーブルスイッチ装置110を用いることが考えられる。このイネーブルスイッチ装置110は、グリップ110aにイネーブルスイッチ110bを設け、グリップ110a上部に非常停止スイッチ110cを設けた構成である。このイネーブルスイッチ装置110において、イネーブルスイッチ110bと共にグリップ110aを軽く握るとイネーブルスイッチ110bがオンとなり、強く握るか離すとオフとなる。
この場合、グリップ型イネーブルスイッチ装置110を用いた教示作業の操作形態としては、次の二つの操作形態が考えられる。
(その1)図10に示すように、一方の手でスマートディバイス111を持ち、他方の手で前記イネーブルスイッチ装置110を握り、スマートディバイス111を持った手の親指で当該スマートディバイス111のタッチ入力操作を行う。
(その2)図11に示すように、一方の手でスマートディバイス111を持ち、他方の手で前記イネーブルスイッチ装置110を握り、当該イネーブルスイッチ装置110を握った手で、スマートディバイス111へのタッチ入力操作を行う形態が考えられる。
しかし、前者(図10)の教示作業の操作形態の場合、スマートディバイス111を持ちながら親指で入力しようとすると、母指球を中心とした親指の回転動作となるため、直線的に動かし難い。この直線的な入力操作ができないと、当該入力操作の操作方向に応じてロボットをX方向やY方向あるはZ方向へ教示動作させることが難しくなる。つまり、入力操作の自由度が低いという問題がある。
又、後者(図11)の教示作業の操作形態の場合、イネーブルスイッチ装置110を握った手で、スマートディバイス111へのタッチ入力操作を行おうとすると、中指、薬指、小指でグリップ110aを軽く握りながら人差し指をスマートディバイス111まで延ばす姿勢となる。このような無理のある姿勢で入力操作をすると、作業者が非常に疲れてしまう問題がある。
上述したように、スマートディバイス111と、市販されている汎用のグリップ型イネーブルスイッチ装置110とを用い、これらスマートディバイス111とグリップ型イネーブルスイッチ装置110とを別々の手で持って教示操作を行う場合には、入力操作の自由度が低い、又は無理な姿勢での入力操作となって入力操作し難いといった問題がある。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示・操作入力部として携帯可能な操作端末を使用するロボット操作装置であって、安全性を確保でき、且つ、入力操作の自由度も高くできると共に入力操作のし難さも解消できるロボット操作装置を提供することにある。
請求項1記載のロボット操作装置は、作業者による入力操作に基づいてロボットを動作させるための動作用信号を出力してロボットコントローラに与えるもので、表示・入力のためのタッチパネル部を有し、当該タッチパネル部を作業者が入力操作することにより動作用信号を出力する携帯可能な外形が矩形である操作端末と、可動する蓋部と、この蓋部に対向する辺部とにより、その操作端末を、タッチパネル部が外部に露出するように着脱可能に連結するベース部材とを備え、蓋部及び辺部には、操作端末を把持する凹部が形成されている。
第1実施形態のロボット操作装置を含むロボットシステムの概略構成図 ロボット操作装置の正面図 スマートディバイスとベース部材とを分離して示す正面図 図2の矢印A−Aに沿う断面図 ロボット操作装置の電気的構成を示すブロック図 第2実施形態のロボット操作装置を示す一部破断の側面図 第3実施形態のロボット操作装置の電気的構成を示すブロック図 第4実施形態のロボット操作装置の正面図 参考例を示し、グリップ型イネーブルスイッチ装置の側面図 グリップ型イネーブルスイッチ装置とスマートディバイスとを用いた場合の使用例(その1)を示す図 グリップ型イネーブルスイッチ装置とスマートディバイスとを用いた場合の使用例(その2)を示す図
以下、本発明の第1実施形態について図1から図5を参照して説明する。図1に示す産業用ロボットシステム1は、ロボット2、ロボットコントローラ3、ロボット操作装置4により構成されている。ロボットコントローラ3はロボット2を制御するものであり、複数の接続線を有する接続ケーブル5を介してロボット2に接続されている。ロボット操作装置4は、複数の接続線を有する接続ケーブル6を介してロボットコントローラ3に接続されている。
ロボット操作装置4は、図2及び図3に示すように、携帯可能な操作端末(以下、スマートディバイスという)7と、ベース部材8と、イネーブルスイッチ9と、非常停止スイッチ10とを備える。スマートディバイス7は、スマートフォンや、タブレット型パソコンなどの、モバイル操作端末から構成されており、矩形状をなしている。このスマートディバイス7は、表示及び入力のためのタッチパネル部71を備える。このタッチパネル部71は、本実施形態では静電容量式としているが、抵抗膜式でも良い。
ベース部材8は、矩形状(薄い矩形箱状)をなし、例えば図2の左右方向の両端部8a、8b間の寸法が当該両端部8a、8bを片手で下から把持できる寸法(例えば15cm以下)に形成されている。このベース部材8には、スマートディバイス7を挿入及び抜脱可能(着脱可能)に収容配置(連結)することが可能な凹状の配置部81(連結手段)が形成されている。この配置部81は、前記タッチパネル部71を外部に露出し得るように開放している。この配置部81の左右両端部には、図4に示すように、スマートディバイス7の左右端部を係止可能な突出縁部81a、81bが形成されている。
又、配置部81は上端部が開口しており、この開口部81cからスマートディバイス7を当該配置部81に挿入可能となっている。さらに、この開口部81cには、当該開口部81cを開閉する蓋部82が回動可能に設けられている。この蓋部82は図示しないロック手段により閉塞状態にロック及びロック解除可能となっている。
配置部81において開口部81cと反対側の部分には、コネクタ部83が設けられており、このコネクタ部83はスマートディバイス7が配置部81に適正に挿入配置された(奥まできちんと挿入配置された)ときにのみ、当該スマートディバイス7のコネクタ部72と機械的及び電気的に接続され、スマートディバイス7が配置部81から取り外されたときには分離されるようになっている。コネクタ部72は、スマートディバイス7自身と他の外部機器との間でデータ通信を行うためにスマートディバイス7に通常備えられている。前記コネクタ部83は接続ケーブル6に接続されている(図5参照)。
上記コネクタ部72とコネクタ部83とで信号伝達手段に相当するコネクタ装置12が構成されている。スマートディバイス7が、配置部81に適正に挿入配置(連結)されることによりコネクタ部72とコネクタ部83とが正常に接続された場合にのみ、スマートディバイス7から出力される後述の動作用信号がロボットコントローラ3に与えられる。
ベース部材8において、両端部8a、8b(片手で下から把持できる部位)には、イネーブルスイッチ9、9が設けられている。各イネーブルスイッチ9は3ポジション型であり、軽く握るとオンし、強く握るとオフし、握ることを解除するとオフする。つまり、作業者が、教示作業中は、ベース部材8を軽く把持することでイネーブルスイッチ9をオンし、突発的に危険や異常を感じると、作業者が驚いて強く把持したり、あるいは手を離したりすることでイネーブルスイッチ9がオフする。このイネーブルスイッチ9のオン信号及びオフ信号はロボットコントローラ3に送信され、ロボットコントローラ3はオン信号の受信中はスマートディバイス7の入力を許容し、オフ信号を受信すると、スマートディバイス7の入力を受け付けないと共にロボット2の挙動を停止する。
又、ベース部材8には、前記スマートディバイス7のタッチパネル部71が露出する側の面に押しボタン型の非常停止スイッチ10が設けられている。この非常停止スイッチ10は接続ケーブル6を介してロボットコントローラ3に接続されており、オン操作されると、ロボット2の挙動を停止する。
さらに、このベース部材8には切り替えスイッチ11が設けられている。この切り替えスイッチ11は、その操作に応じて、ロボット操作装置4での教示操作の機能を有効化し、又、それ以外は安全のために無効化するためのスイッチである。この切り替えスイッチ11も前記接続ケーブル6を介してロボットコントローラ3に接続されている(図5参照)。
上記図5からも判るように、前記イネーブルスイッチ9及び非常停止スイッチ10はスマートディバイス7を介することなく、直接ロボットコントローラ3に接続されているので、イネーブルスイッチ9及び非常停止スイッチ10は、直接ロボットコントローラ3と通信できる。つまり、安全入力部に相当するベース部材8を機能的にスマートディバイス7とは切り離した形態となっている。
ここで、前記スマートディバイス7は、ロボットコントローラ3の表示機器及び入力機器として機能する。つまり、スマートディバイス7には、ロボットコントローラ3に対する入出力インターフェースとしてのアプリケーションソフトが予め格納されている。このアプリケーションソフトが起動されると、タッチパネル部71には、教示作業に必要な各種表示画像を表示させる。この表示画像としては、アイコン(ロボット2において動作させようとする部位(関節や手先)の選択のためのアイコン)や、教示作業を行いやすくするためのロボットの2D画像あるいは3D画像などが含まれる。
そして、作業者がタッチパネル部71上で、ロボット2の関節や手先を選択操作した上で、指により直線や曲線の描画線を描くと(入力操作すると)、その描画線の座標データなどといった動作用信号をロボットコントローラ3に送信する。ロボットコントローラ3では、送信された動作用信号に基づいて、ロボット2の関節や手先を動作させる。さらにロボットコントローラ3では、当該ロボット2に対する教示動作に関係する表示用データをスマートディバイス7に送信する。このような制御は一例である。
又、スマートディバイス7では、スマートディバイス7の向きや傾きさらには動きを検知するためにジャイロセンサや加速度センサなどの、スマートディバイス7の姿勢や動きを検出する挙動検出手段を標準装備している。さらに、スマートディバイス7のタッチパネル部71は、タッチされることにより入力を検出するものであるから、このタッチパネル部71は指が触れたことを検出できるものである。つまり接触検出手段を備えている。
本実施形態では、この挙動検出手段とタッチパネル部71とを利用し、スマートディバイス7がほぼ動かない状態であることが挙動検出手段で検出され且つタッチパネル部71に指が触れていることが検出されたときにイネーブルオン信号を出力し、スマートディバイス7が動いたかあるいはタッチパネル部71から指が離れたときにイネーブルオフ信号を出力するようになっている。
ロボットコントローラ3は、上記イネーブルオン信号を受け取ると、スマートディバイス7からの教示のための入力を受け付け、イネーブルオフ信号を受け取ると入力を受け付けないと共にロボット2の挙動を停止する。つまり、本実施形態では、挙動検出手段とタッチパネル部71とを利用してイネーブルスイッチ9と同様のイネーブル機能を備えている。
上述した本実施形態のロボット操作装置4によれば、スマートディバイス7を配置(連結)するベース部材8に、安全入力部であるイネーブルスイッチ9と非常停止スイッチ10とを設けたので、イネーブルスイッチ9と非常停止スイッチ10とによりロボット操作装置4における安全性を確保しつつ、スマートディバイス7により表示・入力を行うことができる。この結果、スマートディバイス7を用いながらも安全性を確保できるロボット操作装置4を提供できる。そして、このようにロボット操作装置4の表示・操作入力部としてスマートディバイス7を使用できるので、ロボット操作装置4のコストの低廉化に寄与できる。
又、上述のように、片手で把持することが可能なベース部材8にスマートディバイス7、イネーブルスイッチ9及び非常停止スイッチ10を設けたので、ベース部材8を片手で持つと、スマートディバイス7、イネーブルスイッチ9及び非常停止スイッチ10もまとめて片手で保持できる。これによって、もう片方の手はフリーとすることができる。このため、フリー状態の手で、スマートディバイス7を容易に且つ自由にタッチ操作することができる。この結果、入力操作の自由度も高くできると共に入力操作のし難さも解消できる。
又、この実施形態のロボット操作装置4においては、ベース部材8において片手で把持可能な部分にイネーブルスイッチ9を設けたので、把持した手でイネーブルスイッチ9をそのままオン操作することができる。この結果、イネーブルスイッチ9を、突発的な事態において作業者でベース部材8をとっさに強く握ったり離したりことが想定されるイネーブルスイッチとして良好に機能させることができる。
なお、作業者が危険などを感知して意図的に非常停止スイッチ10を操作する場合にはフリー側の手でベース部材8の非常停止スイッチ10を容易に操作できる。
又、本実施形態によれば、イネーブルスイッチ9及び非常停止スイッチ10は、各スイッチ信号を、スマートディバイス7を介さずに、直接ロボットコントローラ3に送信する構成であるから、安全入力部として、イネーブルスイッチ9及び非常停止スイッチ10を備えたベース部材8を機能的にスマートディバイス7とは切り離した形態にできる。従って、スマートディバイス7が、例えば動作不良や故障を起こしたり着脱による接続不良となったりして、制御不良状態となったとしても、イネーブルスイッチ9及び非常停止スイッチ10は機能しており、確実にイネーブルスイッチ9のオンオフ信号、非常停止スイッチ10のオン信号をロボットコントローラ3に入力できる。この結果、入力操作性の改善を達成できると共に、スマートディバイス7操作時における安全性も従前通り達成できる。
そして、このようにベース部材8側で安全性を確保できるので、スマートディバイス7はロボットコントローラ3に対する操作入力機能を担えば良く、汎用のスマートディバイス7の採用が容易となす。
ここで、ロボット(産業用ロボット)や、ロボットコントローラ及びロボット操作装置といった工業設備は、少なくとも例えば10年程度の長い使用寿命が要求される。前記イネーブルスイッチ9及び非常停止スイッチ10を備えたベース部材8は、堅牢に製作できて長い使用寿命とすることができる。これに対してスマートディバイス7は市販されている汎用の操作端末であってライフサイクルも短いため、使用寿命も1〜2年と短い。タッチパネル部とベース部材とが一体化されていた従前のロボット操作装置(ティーチングペンダント)の考え方で、スマートディバイス7をベース部材8に一体化してしまうと、ロボット操作装置自体の使用寿命も短くなってしまう。この点、本実施形態では、スマートディバイス7をベース部材8に対して取り外し可能としたので、スマートディバイスの交換のみで済み、交換必要部品を最小限とすることができて、コスト的に有利である。
又、本実施形態のロボット操作装置4においては、ベース部材8が、矩形状をなし、両端部間8a、8bの寸法が当該両端部8a、8bを片手で下から把持できる寸法に形成されている。そして、イネーブルスイッチ9はベース部材8において片手で把持することが可能な部分である両端部8a、8bに設けられている。
これによれば、スマートディバイス7を配置したベース部材8を、スマートディバイス7と同様な感覚で片手で持つことができる。このため、スマートディバイス7の操作に慣れた人にはベース部材8を違和感なく持って操作することができる。しかもベース部材8を把持する両端部8a、8bにイネーブルスイッチ9を設けているので、作業者が常時無理なくイネーブルスイッチ9を操作できる体勢をとることができる。
又、本実施形態においては、スマートディバイス7がベース部材8に適正に配置されたときにのみ動作用信号を接続ケーブル6を介してロボットコントローラ3に送信可能とする信号伝達手段としてのコネクタ装置12とを備えている。
これによれば、スマートディバイス7がベース部材8に適正に配置(連結)されたときにのみ、スマートディバイス7が出力した動作用信号がロボットコントローラ3に送信可能となるので、スマートディバイス7がベース部材8から分離している状態つまりスマートディバイス7がイネーブルスイッチ9及び非常停止スイッチ10から離れて安全対応に問題がある状態で教示作業をしたとしても動作用信号がロボットコントローラ3に送信されることがなく、安全性が確保されない状態でのロボット2の動作をなくすことができる。
この場合、本実施形態においては、信号伝達手段を、ベース部材8に対するスマートディバイス7の配置及び取り外しに応じて機械的及び電気的に接続及び分離されるコネクタ装置12から構成したので、スマートディバイス7がベース部材8に適正に配置されたときに自ずと、動作用信号をロボットコントローラ3に送信可能とすることができる。
ここで、スマートディバイスの使われ方として、近年、BYOD(Bring your own device:従業員が個人所有のスマートディバイスを職場に持ち込んで業務に使用すること)やInverse-BYOD(企業が従業員に個人利用可能なスマートディバイスを提供すること)という形態がとられることがある。この場合、スマートディバイス7をベース部材8から取り外せる本実施形態のロボット操作装置4によれば、BYODのような業務形態では業務に使用するスマートディバイス7を教示作業でも共通に使用できるようになるため、ユーザはロボット操作装置4の表示・操作入力部のためのスマートディバイス7を新たに購入する必要がなくなり、より安価にロボット操作装置4を提供できる。
又、教示作業は、安全のために教育を受けた作業者が行う必要がある。そこで従来のティーチングペンダントでは、例えばパスワードなどを用いてユーザ認証を行い、ユーザ認証者以外の作業者が動作制御プログラムの編集や、教示点の編集といった作業を制限していることが多い。しかし、パスワードの初期値は共通であることが多く、又、初期値変更も面倒であることもあり、初期値のパスワードをそのまま使用していることが多い。そのため、本来は作業するべきではない作業者も容易に作業できてしまう可能性がある。
その点、前述したようにBYODのような作業形態をとることが可能な本実施形態によれば、スマートディバイス利用者と教示作業者とは一致していると考えることができる。これにより適切な作業者以外の作業者が教示作業を行うリスクを低減できる。なお、個人利用のスマートディバイス7を適切な作業者以外の作業者が借りて教示作業をしまうことが考えられるが、通常は紛失した場合などのセキュリティを考慮して個人的にパスワードをかけておくので、パスワードを教えてまで貸すことには抵抗があるため、このリスクは解消される。
又、本実施形態においては、スマートディバイス7が備えた挙動検出手段によりスマートディバイス7自身がほぼ動かない状態であることが検出され且つタッチパネル部71に指が触れているときにイネーブルオン信号を出力し、前記挙動検出手段によりスマートディバイス7自身が動いたことが検出されるか、前記タッチパネル部71から指が離れたときにイネーブルオフ信号を出力するようにした。
これによれば、スマートディバイス7自体でもイネーブルスイッチの機能を実現することが可能である。
なお、スマートディバイス7がベース部材8に適正に配置(連結)されたことを、検出手段(光センサや磁気センサなど)にて検出するようにしても良く、この検出手段によりスマートディバイス7が適正に配置されたことを検出したことを条件にスマートディバイス7の表示・入力を許可するようにしても良い。
又、ベース部材8の形状や非常停止スイッチ10の配置位置は、適宜変更しても良い。
次に図6は第2実施形態を示している。この第2実施形態においては、スマートディバイス7を着脱可能で且つタッチパネル部71が外部に露出するように配置する配置部20aを有するベース部材20を備えている。このベース部材20の裏面には、片手で把持することが可能なグリップ部21を設けている。そして、このグリップ部21にイネーブルスイッチ22を設けている。又、グリップ部21の下部に非常停止スイッチ23を設けている。
この第2実施形態のロボット操作装置4によれば、スマートディバイス7を配置するベース部材20に、片手で把持することが可能なグリップ部21を備え、このグリップ部21にイネーブルスイッチ22を設け、グリップ部21に非常停止スイッチ23を設けたので、イネーブルスイッチ22と非常停止スイッチ23とによりロボット操作装置4における安全性を確保しつつ、スマートディバイス7により表示・入力を行うことができる。この結果、スマートディバイス7を用いながらも安全性を確保できるロボット操作装置4を提供できる。そして、このようにロボット操作装置4の表示・操作入力部としてスマートディバイス7を使用できるので、ロボット操作装置4のコストの低廉化に寄与できる。
又、この第2実施形態のロボット操作装置4によれば、グリップ部21にイネーブルスイッチ22を設けたので、把持しやすいグリップ部21を把持したときにイネーブルスイッチ22を無理なく操作することができる。又、把持しやすいグリップ部21を把持することでベース部材20ひいてはスマートディバイス7も容易且つ確実に保持できる。
又、グリップ部21を片手で持つと、スマートディバイス7、イネーブルスイッチ22及び非常停止スイッチ23もまとめて片手で保持できるため、もう片方の手はフリーとすることができる。このため、フリー状態の手で、スマートディバイス7を容易にタッチ操作することができる。
又、作業者が危険などを感知して意図的に非常停止スイッチ23を操作する場合にはフリー側の手でグリップ部21に設けた非常停止スイッチ23を操作すれば良い。なお、非常停止スイッチ23の配置位置は、フリー側の手で操作しやすい部位に適宜変更しても良く、ベース部材20に非常停止スイッチ23を設けるようにしても良い。
図7は第3実施形態を示している。第1実施形態では、スマートディバイス7とベース部材8とをコネクタ装置12の直接接続により信号伝達可能としたが、スマートディバイス7とベース部材8との信号伝達手段として、スマートディバイス7とベース部材8とに設けられた無線通信手段13から構成している。この無線通信手段13は、スマートディバイス7に設けた通信部73と、ベース部材8に設けた通信部84とから構成されている。この場合の通信方式は、BLUETOOTHやWi-Fi(いずれも登録商標)あるいはNFC(Near Field Communication:近距離無線通信技術)などの無線通信方式を採用することができる。この場合、無線通信強度を極狭域に設定して、スマートディバイス7がベース部材8に正常に配置された状態でのみ(狭域でのみ)無線通信を行い得るようにしている。
この実施形態によれば、信号伝達手段が無線通信手段13である場合でも、スマートディバイス7がベース部材8に適正に配置されたときにのみ、確実に動作用信号をロボットコントローラ3に送信可能とすることができる。このように、スマートディバイス7がベース部材8に適正に配置されたときにのみ無線通信が行い得るようにすることで、スマートディバイス7とイネーブルスイッチ9及び非常停止スイッチ10とが一体化している状態でのみの教示作業となり、安全性を確保できる。例えばスマートディバイス7の近くに別のロボットコントローラに接続された別のベース部材が近くにあったとしても、この別のベース部材にスマートディバイス7からの無線通信が受信されることがなく、別のロボットが動作する危険を防止できる。
又、イネーブルスイッチ9、非常停止スイッチ10及び切り替えスイッチ11とロボットコントローラ3とは有線(接続ケーブル6)でなく無線で通信可能に接続する構成としても良い。
なお、スマートディバイス7とベース部材8との通信可能距離を少なくとも所定距離例えば1m以内程度の狭域としても良い。つまり、表示・入力部であるスマートディバイス7自体は指による操作入力が可能である。このため、スマートディバイス7と安全入力部であるベース部材8(イネーブルスイッチ9及び非常停止スイッチ10)とを分離してスマートディバイス7だけを持って教示作業するおそれもある。この場合、通信可能距離が長いと、イネーブルスイッチ9及び非常停止スイッチ10を備えたベース部材8が遠く離れた状態でもロボットコントローラ3の操作が可能となる。
上述した使用形態(スマートディバイス7と安全入力部であるベース部材8とを分離した使用形態)は、本実施形態では推奨しない使用形態であるが、しかしどのような使用状況下でも安全を図る必要がある。上述の使用状況の下で、危険な事態が発生した場合に、スマートディバイス7から遠く離れたイネーブルスイッチ9や非常停止スイッチ10を迅速に操作(安全入力操作)することができないおそれがある。
そこで、上述のように、スマートディバイス7とベース部材8との通信可能距離を所定距離例えば1m以内程度の狭域とすることで、スマートディバイス7のロボット操作装置としての実質的な操作入力可能距離が、ベース部材8から1m以内の狭域に限定されるため、スマートディバイス7とベース部材8との距離が1m以上離れて使用されることがなく、常に迅速に安全入力操作することができる。
なお、スマートディバイス7とベース部材8との通信可能距離を所定距離例えば1m以内程度の狭域とする構成としては、無線通信手段11の通信電波強度を1m以上では減衰して通信不可能となるように設定しても良いし、又無線通信手段11が自身の通信電波強度が1m以上相当の電波強度となったときに、これを検出して、通信を遮断する構成としても良い。又、信号伝達手段としては、無線通信でなく例えば1mの接続ケーブル(有線)で構成しても良い。なお、上記所定距離は1mに限定されるものではない。
又、スマートディバイス7、ベース部材8(イネーブルスイッチ9及び非常停止スイッチ10)、ロボットコントローラ3の各間を相互に無線で通信可能としても良く、このようにするといずれかの通信が切断された場合でも、別経路で通信ができるため、故障に対する安全性が向上する。
図8は第4実施形態を示しており、この第4実施形態では次の点が第1実施形態と異なる。ベース部材30はスマートディバイス7の一辺部(図では下辺部)に、ベース部材30が備えたクリップ(連結手段)31、31により機械的に着脱可能に連結されている。このベース部材20にはイネーブルスイッチ9、非常停止スイッチ10、切り替えスイッチ11が設けられている。
この第4実施形態によれば、ベース部材30を小さくできる。
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1はロボットシステム、2はロボット、3はロボットコントローラ、4はロボット操作装置、7はスマートディバイス(操作端末)、71はタッチパネル部、8はベース部材、81は配置部、9はイネーブルスイッチ、10は非常停止スイッチ、12はコネクタ装置(信号伝達手段)、13は無線通信手段(信号伝達手段)、20はベース部材、20aは配置部、21はグリップ部、22はイネーブルスイッチ、23は非常停止スイッチを示す。

Claims (1)

  1. 作業者による入力操作に基づいてロボットを動作させるための動作用信号を出力してロボットコントローラに与える産業用ロボット操作装置であって、
    表示・入力のためのタッチパネル部を有し、当該タッチパネル部を作業者が入力操作することにより前記動作用信号を出力する携帯可能な外形が矩形である操作端末と、
    可動する蓋部とこの蓋部に対向する辺部とにより、前記操作端末を、前記タッチパネル部が外部に露出するように着脱可能に連結するベース部材と、
    前記ベース部材に設けられたイネーブルスイッチとを備え、
    前記蓋部及び前記辺部には、前記操作端末を把持する凹部が形成されている産業用ロボット操作装置。
JP2021107687A 2020-04-27 2021-06-29 ロボット操作装置 Pending JP2021151698A (ja)

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