JP2021151657A - 線材コイルの被膜の均一化方法 - Google Patents

線材コイルの被膜の均一化方法 Download PDF

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JP2021151657A JP2020052506A JP2020052506A JP2021151657A JP 2021151657 A JP2021151657 A JP 2021151657A JP 2020052506 A JP2020052506 A JP 2020052506A JP 2020052506 A JP2020052506 A JP 2020052506A JP 2021151657 A JP2021151657 A JP 2021151657A
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大輔 島田
Daisuke Shimada
大輔 島田
翔太 井上
Shota Inoue
翔太 井上
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Abstract

【課題】線材コイルの表面に形成する被膜が不均一とならないよう局所的な膜厚のムラを減らすこと。【解決手段】コイル状に巻きとられた線材からなる線材コイル1に処理液Lを塗布し、線材コイル1の表面に被膜Fを形成する被膜形成工程と、被膜形成工程の後、線材コイル1の下方位置から線材コイル1の下側中央部分に向けてエアーAを吹き付けるエアー吹付工程を有する。これによって、線材コイルの表面に形成する被膜の膜厚のムラを減らすことができる。【選択図】図2

Description

本発明は、コイル状に巻きとられた線材からなる線材コイルの表面に形成した被膜が均一となるようにするための線材コイルの被膜の均一化方法に関する。
従来、ステンレス鋼等の線材に対し、圧延ないし線引き加工前に潤滑剤等の塗液を線材に塗布するなど、各種処理液で処理することが行われている。このような処理は、コイル状に巻きとられた線材からなる線材をC字型の形状をした吊り具にて吊り下げた状態で、処理液槽に収容された処理液に浸漬することにより行われることがある(例えば、特許文献1を参照)。
特開平8−295481号公報
そして、処理液槽に収容された処理液に浸漬された線材コイルは、吊り上げられて、次の圧延ないし線引き加工等の後工程のために搬送される。しかし、線材コイルは、吊り上げられるため、その下側の中央部分に処理液がまとまっていわゆる液溜まりが発生する。そのため、線材コイルの下側中央部分のみで厚く被膜が形成され、それがそのまま乾いて被膜が不均一となる。これにより、例えば、後続する線引き加工において、線材コイルの下側中央部分が原因で、加工に不具合が生じてしまう。より具体的には、線引き加工の際、被膜が潤滑剤としての役割を果たさず、歩留まりが悪くなるという問題も指摘されていた。
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、線材コイルの表面に形成する被膜が不均一とならないよう局所的な膜厚のムラを減らすことである。
本発明者らは、鋭意検討した結果この課題を解決できることを見い出した。その具体的手段は以下の通りである。
まず、第1の発明は、線材コイルの被膜の均一化方法において、コイル状に巻きとられた線材からなる線材コイルに処理液を塗布し、該線材コイルの表面に被膜を形成する被膜形成工程と、該被膜形成工程の後、前記線材コイルの下方位置から前記線材コイルの下側中央部分に向けてエアーを吹き付けるエアー吹付工程を有することを特徴とする。第1の発明によれば、線材コイルの表面に形成する被膜の膜厚のムラを減らすことができる。
次に、第2の発明は、前記被膜形成工程における塗布は、前記線材コイルを処理液に浸漬することにより行われることを特徴とする。第2の発明によれば、線材コイルの表面により確実かつ満遍なく被膜を形成することができる。
次に、第3の発明は、前記エアー吹付工程は、線材コイルの下側中央部分の斜め下方位置から行われることを特徴とする。第3の発明によれば、線材コイルの表面に形成された被膜をより効率的に均一とすることができる。
次に、第4の発明は、エアー吹付工程の前に、前記線材コイルの下側中央部分の表面をブラシで擦るブラッシング工程を有することを特徴とする。第4の発明によれば、線材コイルの表面に形成された被膜の膜厚のムラをより確実に減らすことができる。
以上より、本発明に係る線材コイルの被膜の均一化方法によれば、線材コイルの表面に被膜が形成されるので、後続する線引き加工工程等において、線材表面の潤滑性が向上し、ダイス等との摩耗が防止される。そして、被膜を形成後、線材コイルの下側中央部分に向けてエアーを吹き付けるため、均一に被膜が形成されると共に膜厚のムラが減り、後続する線引き加工工程等において不具合を生じることがなく、線材コイルを歩留まりよく製造することができる。
実施形態に係る線材コイルの状態を示した正面図である。 実施形態に係る線材コイルの被膜形成工程からエアー吹付工程までの各工程の状態を示した図である。 実施例に係る線材コイル下端部分の表面の状態を示す写真である。 比較例に係る線材コイル下端部分の表面の状態を示す写真である。
本発明の一実施形態に係る線材コイルの被膜の均一化方法について詳細に説明する。図1は、実施形態に係る線材コイルの状態を示した図である。図1の左側に示すように、線材コイル1は、酸洗浴に浸漬してスケールを除去した後、クレーン5の下部につながれた一対の吊り具51に吊られた状態となっている。このクレーン5は、昇降機構5aを有し、この昇降機構5aにより線材コイル1が図1で見て上下方向に可動となる。また、クレーン5は、横移動機構6により、線材コイル1がガイド61に沿って図1で見て左右方向にも可動となる。
<被膜形成工程>
まず、図1の右側に示すように、線材コイル1に処理液を塗布するための処理槽7を準備する。処理槽7の中には、水性アクリル樹脂等の処理液Lが入っている。一方、線材コイル1は、横移動機構6により図1で見て左側から右側に移動し、処理槽7の直上の位置となる。そして、線材コイル1は、昇降機構5aにより下降し、処理槽7の上部にある開口7aから処理槽7の内部に浸漬される。浸漬後、線材コイル7の表面に(溶媒の蒸発により)被膜F(図2を参照)が形成される。
図2の左側の図は、線材コイル1が図2で見て上下方向に可動する状態を示している。なお、図2において、クレーン5、昇降機構5a、横移動機構6は、省略してある。図2の真ん中の図は、線材コイル1が昇降機構5aにより上に引き上げられ、線材コイル1の表面に被膜Fが形成された状態を示している。この状態において、上昇後の線材コイル1の下側中央部分には、液溜まりGが発生する。液溜まりGは、それがそのまま乾燥してしまうと、その部分だけ被膜が厚くなる。つまり、被膜の膜厚にムラが生じてしまう。このため、後続する線引き加工が行われると、被膜が厚くなった部分に傷がつく、加工がスムーズに行われない等の問題が生じ得ることになる。
<ブラッシング工程>
本発明において、前記線材コイルの下側中央部分の表面をブラシで擦るブラッシング工程をさらに設けても良い。ブラッシング工程は、エアー吹付工程の前、同時および後のいずれでもよい。以下、エアー吹付工程の前に行う場合について説明する。
線材コイル1は、後述するエアー吹付工程が行われる場所まで移動する。
この移動は、図2の真ん中の図から右の図へ移る矢印がその状態を示している。この移動の際、線材コイル1の下端にある液溜まりGの部分だけが擦り取ることができるようなブラシ3を設置する。これにより、過剰に付着した線材コイル1の表面にある液溜まりGをより確実に除去できる。なお、ブラシ3は、線材コイル1に傷がつくことを防止するため、ポリプロピレン等の樹脂素材を用いることが好ましい。
なお、ブラッシング工程は、省略することが可能である。また、ブラッシング工程は、エアー吹付工程と同時に行っても良いし、エアー吹付工程の後に行っても良い。このようにすれば、エアー吹付工程によって引き延ばされた被膜が厚すぎる場合が生じたとしても、ブラッシング工程により余分な被膜を除去することができる。
<エアー吹付工程>
図2に示すように、表面に被膜Fが形成された線材コイル1がエアーブローラインALまで搬送される。エアーブローラインALの地面には、線材コイル1が積み重なる方向と同じ方向(紙面の直交方向)にエアーブロー配管(図示省略)が配置されている。エアーブロー配管には、その長手方向にエアーブロー2が等間隔に配置されている。エアーブロー2は、先端に開口2aが形成されている。エアーAは、開口2aから線材コイル7に向けて吹き出される。図2において、各エアーブロー2は、線材コイル1の下側中央部分の斜め下方位置であって、開口2aが線材コイル1の下側中央部を向くように水平方向に対して傾斜して配置されている。開口2aから吹き出されたエアーAは、線材コイル7の下側中央部分にある液溜まりGに当たり、線材コイル7に沿う方向(矢印Xの方向)に被膜F(液溜まりG)が引き延ばされて、線材コイル1の表面には被膜Fが均一となり、膜厚のムラを減らすことができる。エアーブロー2が線材コイル1の下側中央部分の斜め下方位置に配置されることで、線材コイル1の表面に形成された被膜Fをより効率的に均一化することができる。また、線材コイル1の下側中央部分の真下の位置に配置するよりも開口2aへの被膜Fの跳ね返りが少ないため、開口2aの詰まり防止の観点からも好ましい。
本発明の効果を確認するため、実施例及び比較例の試験を行った。実施例及び比較例は、共に、試験材としてオーステナイト系のステンレス鋼(日本工業規格のSUS316)を用いた。また、試験材は、熱間圧延や熱処理で生じた鋼材表面の酸化鉄(スケール)を除去(デスケーリング)したものを使用した。
実施例は、被膜形成工程、エアー吹付工程の順番で被膜を形成させたものである。被膜形成工程は、線材コイルを水性アクリル樹脂の処理液に浸漬することにより行った。また、エアー吹付工程は、線材コイルの下側中央部分の斜め下方位置からエアーを860L/minの流量で60秒間吹き付けた。一方、比較例は、上記実施例において、被膜形成工程のみ行った。実施例及び比較例の両者を被膜形成工程から1時間経過後に、線材コイルの表面を観察することにより、被膜の付着状態を確認した。図3は、実施例に係る線材コイル下端部分の表面の状態、図4は、比較例に係る線材コイル下端部分の表面の状態を示した写真である。
図3に示すように実施例に係る線材コイルは、下端部分の表面には液溜まりが固まった様子が見えない。一方、図4に示すように、比較例に係る線材コイルは、図4の矢印部分にて示すように、下端部分の表面には液溜まりが固まった様子が見える。以上から、実施例に係る線材コイルは、エアー吹付工程によって、被膜Fが過剰となった液溜まりGがなくなって、被膜Fが均一に塗布され、膜厚のムラが低減できている、と言える。このため、次に予定されている線引き加工工程等において、線材コイルの下側中央部分が原因で、加工に不具合等、生じることがない。
以上より、本発明に係る線材コイルの被膜の均一化方法によれば、処理液が塗布された線材コイルを歩留まりよく製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。本発明は、これらの実施形態に特に限定されることなく、種々の改変を行うことが可能である。
1 線材コイル
2 エアーブロー
3 ブラシ
5 クレーン
6 横移動機構
7 処理槽
A エアー
AL エアーブローライン
F 被膜
G 液溜まり
L 処理液

Claims (4)

  1. コイル状に巻きとられた線材からなる線材コイルに処理液を塗布し、該線材コイルの表面に被膜を形成する被膜形成工程と、
    前記被膜形成工程の後、前記線材コイルの下方位置から前記線材コイルの下側中央部分に向けてエアーを吹き付けるエアー吹付工程を有することを特徴とする線材コイルの被膜の均一化方法。
  2. 前記被膜形成工程における塗布は、前記線材コイルを処理液に浸漬することにより行われることを特徴とする請求項1に記載の線材コイルの被膜の均一化方法。
  3. 前記エアー吹付工程は、前記線材コイルの下側中央部分の斜め下方位置から行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の線材コイルの被膜の均一化方法。
  4. 前記エアー吹付工程の前に、前記線材コイルの下側中央部分の表面をブラシで擦るブラッシング工程を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の線材コイルの被膜の均一化方法。
JP2020052506A 2020-03-19 2020-03-24 線材コイルの被膜の均一化方法 Pending JP2021151657A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021191512A (ja) * 2021-02-03 2021-12-16 株式会社三洋物産 遊技機
JP2022136178A (ja) * 2021-03-03 2022-09-15 株式会社三洋物産 遊技機
JP2022141901A (ja) * 2021-02-22 2022-09-29 株式会社三洋物産 遊技機

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