JP2021150602A - メモリデバイス及びメモリデバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】デバイスの不良を抑制する。【解決手段】実施形態のメモリデバイスは、基板9の第1のエリアA1内に設けられた第1の積層体300と、基板9の第2のエリアA2内に設けられた第2及び第3の積層体200と、第1の積層体300内に設けられたメモリセルMCと、第2の積層体200内に設けられた第1のマーク部5と、第3の積層体200内に設けられた第2のマーク部5と、2つの積層体200間に設けられた第1の部分3と、を含む。【選択図】図3

Description

実施形態は、メモリデバイス及びメモリデバイスの製造方法に関する。
3次元構造のNAND型フラッシュメモリが、知られている。
米国特許第10026698号明細書
デバイスの不良を抑制する。
実施形態のメモリデバイスは、基板の第1のエリア内に設けられた第1の積層体と、前記基板の第2のエリア内に設けられた第2及び第3の積層体と、前記第1の積層体内に設けられたメモリセルと、前記第2の積層体内に設けられた第1のマーク部と、前記第3の積層体内に設けられた第2のマーク部と、前記第2の積層体と前記第3の積層体との間に設けられた第1の部分と、を含む。
実施形態のメモリデバイスのブロック図。 実施形態のメモリデバイスのメモリセルアレイの等価回路図。 実施形態のメモリデバイスのチップの構造を示す上面図。 実施形態のメモリデバイスの構造例を示す上面図。 実施形態のメモリデバイスの構造例を示す断面図。 実施形態のメモリデバイスの構造例を示す断面図。 実施形態のメモリデバイスのメモリセルの構造の一例を示す図。 実施形態のメモリデバイスの製造方法の一工程を示す断面工程図。 実施形態のメモリデバイスの製造方法の一工程を示す上面図。 実施形態のメモリデバイスの製造方法の一工程を示す断面工程図。 実施形態のメモリデバイスの製造方法の一工程を示す平面図。 実施形態のメモリデバイスの製造方法の一工程を示す断面工程図。 実施形態のメモリデバイスの製造方法の一工程を示す断面工程図。 実施形態のメモリデバイスの製造方法の一工程を示す上面図。 実施形態のメモリデバイスの製造方法の一工程を示す断面工程図。 実施形態のメモリデバイスの製造方法の一工程を示す断面工程図。 実施形態のメモリデバイスの製造方法の一工程を示す断面工程図。 実施形態のメモリデバイスの製造方法の一工程を示す断面工程図。 実施形態のメモリデバイスの製造方法の一工程を示す断面工程図。 実施形態のメモリデバイスの製造方法の一工程を示す断面工程図。 実施形態のメモリデバイスの製造方法の一工程を示す断面工程図。
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。各実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は模式的又は概念的なものであり、各図面の寸法及び比率等は必ずしも実際のものと同一とは限らない。本発明の技術思想は、構成要素の形状、構造、配置等によって特定されるものではない。
[1]実施形態
以下に、図1乃至図21を参照して、実施形態のメモリデバイス及びその製造方法について説明する。
(a)構成例
図1乃至図7を参照して、本実施形態のメモリデバイスの構成例について、説明する。
図1は、本実施形態のメモリデバイスの構成例を示すブロック図である。
図1に示されるように、本実施形態のメモリデバイス1は、メモリコントローラ2に電気的に結合される。
メモリコントローラ2は、コマンドCMD、アドレス情報ADD及び各種の制御信号CNTを本実施形態のメモリデバイス1に送る。
メモリデバイス1は、コマンドCMD、アドレス情報ADD及び各種の制御信号CNTを受ける。データDATは、メモリデバイス1とメモリコントローラ2との間で、転送される。以下において、書き込み動作時に、メモリコントローラ2からメモリデバイス1に転送されるデータDATは、書き込みデータとよばれる。書き込みデータDATは、メモリデバイス1内に書き込まれる。読み出し動作時に、メモリデバイス1からメモリコントローラ2に転送されるデータDATは、読み出しデータとよばれる。読み出しデータDATはメモリデバイス1から読み出される。
本実施形態のメモリデバイス1は、例えば、メモリセルアレイ10、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバ回路14、ロウ制御回路15、並びに、センスアンプ回路16を含む。
メモリセルアレイ10は、データを記憶する。メモリセルアレイ10内に、複数のビット線及び複数のワード線が設けられる。メモリセルアレイ10は、複数のブロックBLK0〜BLKn(nは1以上の整数)を含んでいる。ブロックBLKは、複数のメモリセルの集合であり、例えばデータの消去単位として使用される。各メモリセルは、1つのビット線と1つのワード線とに関連付けられている。メモリセルアレイ10の構成は後述される。
コマンドレジスタ11は、メモリコントローラ2からのコマンドCMDを保持する。コマンドCMDは、例えばシーケンサ13に読み出し動作、書き込み動作、及び消去動作等を実行させるための信号セットである。
アドレスレジスタ12は、メモリコントローラ2からのアドレス情報ADDを保持する。アドレス情報ADDは、例えばブロックアドレス、ページアドレス、及びカラムアドレスを含んでいる。例えば、ブロックアドレス、ページアドレス、及びカラムアドレスは、それぞれブロックBLK、ワード線、及びビット線の選択に使用される。以下において、ブロックアドレスに基づいて選択されたブロックは、選択ブロックとよばれる。ページアドレスに基づいて選択されたワード線は、選択ワード線とよばれる。
シーケンサ13は、メモリデバイス1全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ13は、コマンドレジスタ11内のコマンドCMDに基づいてドライバ回路14を制御する。
ドライバ回路14は、読み出し動作、書き込み動作、消去動作等で使用される電圧を、メモリセルアレイ10に出力する。ドライバ回路14は、アドレスレジスタ12内のページアドレスに基づいて、例えば選択ワード線に対応する配線に所定の電圧を、印加する。
ロウ制御回路15は、メモリセルアレイ10のロウに関する動作を制御する。ロウ制御回路15は、アドレスレジスタ12内のブロックアドレスに基づいて、メモリセルアレイ10内の1つのブロックBLKを選択する。ロウ制御回路15は、例えば選択ワード線に対応する配線に印加された電圧を、選択ブロックBLK内の選択ワード線に転送する。
センスアンプ回路16は、メモリセルアレイ10のカラムに関する動作を制御する。センスアンプ回路16は、書き込み動作において、メモリコントローラ2からの書き込みデータDATに応じて、メモリセルアレイ10内に設けられたビット線のそれぞれに電圧を印加する。センスアンプ回路16は、読み出し動作において、ビット線の電位(又は、電流の発生の有無)に基づいてメモリセルに記憶されたデータを判定する。センスアンプ回路16は、この判定結果に基づいたデータを、読み出しデータDATとしてメモリコントローラ2に転送する。
例えば、メモリデバイス1は、NAND型フラッシュメモリ(以下では、単に、フラッシュメモリともよばれる)である。
この場合において、メモリデバイス1とメモリコントローラ2との間の通信は、例えば、NANDインターフェイス規格によってサポートされている。例えば、メモリデバイス1とメモリコントローラ2との間の通信において、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号WEn、リードイネーブル信号REn、レディビジー信号RBn、及び入出力信号IOが使用される。
コマンドラッチイネーブル信号CLEは、メモリデバイス1が受けた入出力信号IOがコマンドCMDであることを示す信号である。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、メモリデバイス1が受けた信号IOがアドレス情報ADDであることを示す信号である。ライトイネーブル信号WEnは、入出力信号IOの入力をメモリデバイス1に命令する信号である。リードイネーブル信号REnは、入出力信号I/Oの出力をメモリデバイス1に命令する信号である。
レディビジー信号RBnは、メモリデバイス1がメモリコントローラ2からの命令を受け付けるレディ状態であるか、命令を受け付けないビジー状態であるかを、メモリコントローラ2に通知する信号である。入出力信号IOは、例えば8ビット幅の信号であり、コマンドCMD、アドレス情報ADD、データDAT等を含み得る。
メモリデバイス1及びメモリコントローラ2は、それらの組み合わせにより1つの半導体デバイス(メモリシステム又はストレージデバイス)を構成してもよい。このような半導体デバイスは、例えばSDTMカードのようなメモリカードや、SSD(solid state drive)等が挙げられる。
尚、実施形態のNAND型フラッシュメモリ1において、メモリセルアレイ10、ロウ制御回路15及びセンスアンプ回路16を含む構成(制御単位)によって、プレーンとよばれる制御単位が、形成される場合がある。図1において、NAND型フラッシュメモリ1が、1つのプレーンを有する例が示されている。しかし、NAND型フラッシュメモリ1は、2つ以上のプレーンを含んでいても良い。プレーンの構成は上記構成に限定されず、プレーンは少なくともメモリセルアレイ10を含んでいれば良い。
<回路構成>
図2は、実施形態のメモリデバイス(NAND型フラッシュメモリ)1のメモリセルアレイ10の回路構成の一例を示す等価回路図である。図2において、メモリセルアレイ10に含まれた複数のブロックBLKのうち1つのブロックBLKが抽出して示されている。
図2に示されるように、ブロックBLKは、例えば4つのストリングユニットSU0,SU1,SU2,SU3を含む。各ストリングユニットSUは、複数のメモリセルストリング(以下では、NANDストリングとよばれる)NSを含む。複数のNANDストリングNSのそれぞれは、複数のビット線BL0〜BLm(mは1以上の整数)のうち対応する1つに関連付けられている。
NANDストリングNSは、複数のメモリセルMC0〜MC7、及びセレクトトランジスタST1,ST2を含んでいる。
例えば、8つのメモリセルMCが、各NANDストリングNS内に設けられている。NANDストリングNS内のメモリセルMCの数は、8つに限定されない。
例えば、各セレクトトランジスタST1,ST2は、1つ以上のトランジスタを含んでもよい。
メモリセル(以下では、メモリセルトランジスタともよばれる)MCは、電荷蓄積層を含む電界効果トランジスタである。メモリセルMCは、1ビット以上のデータを実質的に不揮発に記憶できる。
セレクトトランジスタST1,ST2のそれぞれは、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。
各NANDストリングNSにおいて、メモリセルMC0〜MC7は、セレクトトランジスタST1のソースとセレクトトランジスタST2のドレインとの間に直列接続される。同一のブロックBLK内のメモリセルMC0〜MC7の制御ゲートは、複数のワード線WL0〜WL7のうち対応する1つに共通接続される。
各NANDストリングNSにおいて、セレクトトランジスタST1のドレインは、対応するビット線BLに接続される。
セレクトトランジスタST1の一端が、直列接続されたメモリセルMC0〜MC7の一端に接続され、セレクトトランジスタST1の他端が、対応するビット線BLに接続される。
セレクトトランジスタST1のゲートは、対応するセレクトゲート線SGDに接続される。
ストリングユニットSU0内のセレクトトランジスタST1のゲートは、セレクトゲート線SGD0に接続される。ストリングユニットSU1内のセレクトトランジスタST1のゲートは、セレクトゲート線SGD1に接続される。ストリングユニットSU2内のセレクトトランジスタST1のゲートは、セレクトゲート線SGD2に接続される。ストリングユニットSU3内のセレクトトランジスタST1のゲートは、セレクトゲート線SGD3にそれぞれ接続される。
同一のブロックBLK内の複数のセレクトトランジスタST2のソースは、ソース線SLに共通に接続される。同一のブロックBLK内の複数のセレクトトランジスタST2のゲートは、セレクトゲート線SGSに共通接続される。
上述のメモリセルアレイ10の回路構成において、複数のブロックBLK間で同一カラムに対応するセレクトトランジスタST1のドレインは、同じビット線BLに接続される。ソース線SLは、例えば、複数のブロックBLK間で共通に接続される。
1つのストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルMCは、例えばセルユニットCUとよばれる。
例えば、1つのセルユニットCUは、メモリセルMCの各々が1ビットのデータを記憶する場合に、1ページデータを記憶することが可能であり、メモリセルMCの各々が2ビットのデータを記憶する場合に2ページデータを記憶することが可能である。「1ページデータ」は、例えば1ビットのデータを記憶するメモリセルMCで構成されたセルユニットCUが記憶するデータの総量で定義される。
尚、実施形態のメモリデバイス1のメモリセルアレイ10の回路構成は、上述の構成に限定されない。例えば、各NANDストリングNS内のメモリセルMC及びセレクトトランジスタST1,ST2の個数は、それぞれ任意の個数に設計され得る。各ブロックBLK内のストリングユニットSUの個数は、任意の個数に設計され得る。
<構造例>
図3乃至図5を用いて、実施形態のメモリデバイス(NAND型フラッシュメモリ)の構造の一例について説明する。
実施形態のNAND型フラッシュメモリ1において、メモリセルアレイ10は、半導体基板の表面(X−Y平面、上面)に対して垂直方向(Z方向)において、半導体基板の表面9の上方に設けられている。
尚、以下で参照される図面において、X方向はワード線WLの延伸方向に対応し、Y方向はビット線BLの延伸方向に対応し、Z方向はフラッシュメモリ1が形成される半導体基板9の上面に対して垂直な方向に対応している。
以下で参照される断面図について、図の視認性及び簡略化のために、絶縁層(層間絶縁膜)、配線、コンタクト等の構成要素が適宜省略されている。
以下において、構成要素の寸法及び構成要素間の寸法比は、図示される寸法及び寸法比に限定されない。構成要素の寸法及び構成要素間の寸法比は、図の視認性及び簡略化のために、拡大及び縮小して、示されている。
(チップの構造)
図3は、実施形態のNAND型フラッシュメモリのチップの平面レイアウトを示す上面図である。
図3に示されるように、NAND型フラッシュメモリのチップ(基板)9は、フラッシュメモリを構成する回路が設けられた領域(以下では、チップエリア又は回路エリアとよばれる)A1と、各種のマークが設けられた領域(以下では、マークエリアとよばれる)A2と、を含む。
チップエリアA1は、チップ(半導体基板、半導体領域)9の中央に設けられている。チップエリアA1内に、フラッシュメモリの回路を構成する複数の素子が、設けられている。例えば、複数の層を含む積層体300が、チップエリアA1内に設けられている。
積層体300は、メモリセルアレイ10を含む。複数のメモリセルMCが、積層体300のメモリセルアレイ10内に設けられている。
基板9の表面に対して平行方向における積層体300の端部に、階段状の構造(以下では、階段構造とよばれる)が設けられている。
複数のマークエリアA2は、チップエリアA1の周囲に設けられている。マークエリアA2は、チップエリアA1とチップ9の端部との間に設けられている。マークエリアA2は、チップ9がウェハから切り出される際のダイシングエリア(ダイシングライン)999内に設けられている。
各マークエリアA2は、1つ以上の積層体200を含む。積層体200は、材料の異なる複数の層を含む。例えば、積層体200の端部に、階段構造が設けられている。
マーク部5が、積層体200内に設けられている。マーク部5は、NAND型フラッシメモリの製造工程中に用いられる各種の計測用のマークである。
各マークエリアA2内において、分離体(以下では、埋め込み部ともよばれる)3が、マーク部5が設けられた領域(以下では、マーク配置領域とよばれる)間に、設けられている。
これによって、複数の積層体200が、マーク部5が設けられた領域ごとに互いに分離されている。
尚、チップ9の四隅の領域AX内において、マーク部5及び積層体200が、設けられてもよい。
図4乃至図6を用いて、本実施形態のNAND型フラッシュメモリの構造例について、説明する。
図4は、本実施形態のフラッシュメモリのチップエリア及びマークエリアの平面構造を説明するための模式的な上面図である。図5は、本実施形態のフラッシュメモリのチップエリア及びマークエリアの断面構造を説明するための模式的な断面図である。図6は、本実施形態のフラッシュメモリのマークエリアの断面構造を説明するための模式的な断面図である。図5は、図4の線Qa−Qaに沿う断面に対応する。図6は、図4の線Qb−Qbに沿う断面に対応する。
図4乃至図6において、本実施形態のフラッシュメモリのチップエリア及びマークエリアの一部が、抽出して示されている。図4乃至図6において、各構成要素の明確化のために、構成要素の寸法及び構成要素間の寸法比が、適宜変更されている。
複数のメモリピラーMPが、メモリセルアレイ10内に設けられている。例えば、複数のメモリピラーMPは、千鳥配列のレイアウトでメモリセルアレイ10内に配列されている。メモリピラーMPは、円柱状(又は楕円柱状)の構造を有する。例えば、1つのメモリピラーMPは、1つのNANDストリングNSに用いられる。
或る領域内の複数のメモリピラーMPの集合が、1つのストリングユニットSUに相当する。
ストリングユニットSUは、X方向に沿って延在している。ストリングユニットSUは、Y方向に配列している。
例えば、フックアップ領域(図示せず)が、積層体300の階段構造8A内に設けられている。フックアップ領域は、複数のコンタクトプラグが設けられる領域である。フックアップ領域内のコンタクトプラグは、NANDストリングNSに接続されたセレクトゲート線SGD,SGS、ワード線WL、及びメモリセルアレイ10に接続される配線を、CMOS回路に電気的に接続する。例えば、CMOS回路は、Z方向においてメモリセルアレイ10と重なる或る領域内、又は、メモリセルアレイと共通のX−Y平面内の或る領域内に設けられている。
例えば、ダミーセルが、メモリセルアレイ10内に設けられてもよい。ダミーセルは、メモリセルと実質的に同じ構造を有する。ダミーセルは、ダミーピラーを用いて形成される。ダミーピラーは、メモリピラーMPと実質的に同じ構造を有する。ダミーセルは、データの記憶に使用されない。
導電層22,23,24が、Z方向における半導体基板9の上方に積層されている。
導電層22が、絶縁層29を介して、基板9上に設けられる。導電層22は、例えばXY平面に沿って広がった板状の構造を有する。導電層22は、セレクトゲート線SGSとして用いられる。導電層22は、例えば、金属層(例えば、タングステン層又はタングステンを含む層)である。
複数の導電層23が、導電層22の上方に設けられている。導電層23と絶縁層29とが、導電層22上に、Z方向において交互に積層される。導電層23は、例えばXY平面に沿って広がった板状の構造を有する。積層された複数の導電層23は、半導体基板9側から順に、ワード線WL0〜WL7としてそれぞれ用いられる。導電層23は、例えば、金属層(タングステン層又はタングステンを含む層)である。
1つ以上の導電層24が、最上層(半導体基板側に対して最も反対側に位置する層)の導電層23の上方に設けられる。導電層24と絶縁層29とが、最上層の導電層23上に、Z方向において交互に積層される。導電層24は、例えば、XY平面に沿って広がった板状の構造を有する。導電層24は、例えば、金属層(タングステン層又はタングステンを含む層)である。
尚、導電層22,23,24は、例えば、導電性ポリシリコン層でもよい。
このように、積層体300は、導電層22,23,24及び絶縁層を含む構造体である。尚、積層体300(及び積層体200)に含まれる層の数(積層数)は、メモリセルアレイ内に含まれるメモリセルの数及びワード線の数に応じて、設定される。
導電層25が、絶縁層(図示せず)を介してZ方向における導電層24の上方に設けられている。導電層25は、例えばY方向に沿って延在する直線状の構造を有する。導電層25は、ビット線BLとして用いられる。複数の導電層25が、X方向(図面の奥行き方向又は手前方向)に配列されている。導電層25は、金属層(例えば、銅(Cu)である。
ソース線コンタクト26は、Z方向に沿って延在した板状(又は柱状)の構造を有する。ソース線コンタクト26は、積層体300を貫通する。ソース線コンタクト26は、基板9内の拡散層(不純物半導体層)27に接触する。ソース線コンタクト26は、メモリセルアレイ10内のある領域内において、ソース線SLに接続される。
絶縁層79が、ソース線コンタクト26と積層体300(層22,23,24,29)との間に設けられている。これによって、ソース線コンタクト26は、導電層22,23,24から分離される。
メモリピラーMPは、Z方向に沿って延在した柱状の構造を有する。メモリピラーMPは、積層体300内(積層された複数の層22,23,24,29)を貫通している。
例えば、Z方向におけるメモリピラーMPの上端は、Z方向に関して導電層24が設けられた領域(高さ)と導電層25が設けられた領域との間の領域に配置されている。
Z方向におけるメモリピラーMPの下端は、基板9(ウェル領域)に接触する。
尚、メモリピラーMPの下端は、メモリピラーのZ方向における半導体基板9側の端部であり、メモリピラーMPの上端は、Z方向においてメモリピラーMPの下端に対向する端部である。
メモリピラーMPの側面(メモリピラーMPのZ方向に沿う面)は、導電層22,23,24(及び絶縁層)に対向する。
メモリピラーMPは、例えば、コア層30、半導体層(導電層)31、及びメモリ層32を含む。
コア層30は、Z方向に沿って延在する柱状の構造を有する。例えば、コア層30の上端は、最上層の導電層24が設けられた領域と導電層25が設けられた領域の間の領域内に、配置されている。コア層30の下端は、半導体層31に接触する。コア層30は、例えば、二酸化シリコン(SiO)等の絶縁体を含む。
半導体層31は、コア層30とメモリ層32との間に設けられている。半導体層31は、コア層30の下端と基板9の上面との間に設けられている。半導体層31は、基板9に直接接触した部分を有する。これによって、半導体層31は、半導体基板9と電気的に接続される。
例えば、半導体層31は、コア層30を覆っている。半導体層31の側面は、メモリ層32によって覆われている。尚、コア層30の上端は、半導体層31に覆われていなくともよい。
半導体層(以下では、導電層ともよばれる)31は、例えば、シリコンを含む層(例えば、ポリシリコン層又はアモルファスシリコン層)である。
メモリ層32は、積層体200と半導体層31との間に設けられている。メモリ層32の側面(Z方向に沿う面)は、導電層22,23,24に対向する。
メモリ層32は、複数の層を含む積層膜である。図7を用いて、メモリ層32の構造を、説明する。
図7は、半導体基板9の上面に平行な断面におけるメモリピラーの断面構造の一例を示している。
図7に示されるように、メモリピラーMPは、円形状(又は楕円形状)の平面形状を有する。
導電層(ワード線)23を含む領域において、コア層30は、メモリピラーMPの中央部に設けられている。半導体層31は、コア層30の側面とメモリ層32との間に設けられている。メモリ層32は、半導体層31の側面と導電層23との間に設けられている。メモリ層32は、例えば、絶縁層321、電荷蓄積層322、及び絶縁層323を含む。
電荷蓄積層322は、2つの絶縁層321,323間に設けられている。電荷蓄積層322は、絶縁層321,323の側面を覆っている。
電荷蓄積層322内に、記憶すべきデータに応じた量の電荷が、格納される。例えば、電荷蓄積層322は、トラップ準位を含む電荷トラップ膜(例えば、窒化シリコン膜)が用いられる。電荷トラップ膜を用いた電荷蓄積層322に関して、電荷は、電荷蓄積層322の内のトラップ準位に捕獲される。電荷蓄積層322内の電荷の量に応じて、メモリセルMCのしきい値電圧の大きさは、変化する。
絶縁層(以下では、ブロック絶縁層ともよばれる)321は、電荷蓄積層322と導電層23との間に設けられている。ブロック絶縁層321は、電荷蓄積層322の側面を覆っている。ブロック絶縁層321は、導電層23に接触する。
ブロック絶縁層321は、ポテンシャル障壁として、電荷蓄積層322と導電層23との間における電子の移動を抑制する。例えば、ブロック絶縁層321は、絶縁性酸化物層(例えば、酸化アルミニウム膜)が用いられる。
絶縁層(以下では、ゲート絶縁層又はトンネル絶縁層ともよばれる)323は、半導体層31と電荷蓄積層322との間に設けられている。ゲート絶縁層323は、半導体層31の側面を覆っている。ゲート絶縁層323は、半導体層31に接触する。
ゲート絶縁層323は、メモリセルMCのゲート絶縁層として、機能する。ゲート絶縁層323は、電荷蓄積層322と半導体層31との間のトンネル障壁として機能する。例えば、ゲート絶縁層323は、絶縁性酸化物層(例えば、酸化シリコン膜)が用いられる。
各層321,322,323は、Z方向における積層体300の上部から底部の間で連続している。各層321,322,323は、積層体300内に形成されたホール内において、積層体300と半導体層31との間に設けられている。
図4乃至図6に戻って、メモリピラーMPとNANDストリングNSとの関係に関して、例えば、メモリピラーMPが導電層22に対向する部分に、セレクトトランジスタST2が設けられている。メモリピラーMPが導電層23に対向する部分に、メモリセルMCが設けられている。メモリピラーMPが導電層24に対向する部分に、セレクトトランジスタST1が設けられている。
メモリピラーMPに含まれた半導体層31は、メモリセルMC及びセレクトトランジスタST1,ST2のそれぞれのチャネル領域として機能する。
コンタクトプラグCHが、メモリピラーMPと導電層25との間に設けられる。コンタクトプラグCHは、例えば、金属層である。コンタクトプラグCHの上端は、1つの導電層25(ビット線BL)に接触する。コンタクトプラグCHの下端は、半導体層31の上端に、接触する。これによって、ビット線BLが、NANDストリングNS(メモリピラーMP)に電気的に接続される。Y方向に隣り合うメモリピラーMPは、互いに異なるビット線BLに接続される。
図4、図5及び図6に示されるように、マークエリアA2内において、複数の積層体200(200a,200b,200c)が、基板9の上面上に設けられている。
図4、図5及び図6の例において、X方向に並ぶ複数の積層体200a,200b,200cが、示されている。但し、基板(チップ)9内において、Y方向に並ぶ複数の積層体200も、設けられている。
複数の積層体200のそれぞれは、複数の第1の層29と複数の第2の層28とを含む。積層体200内において、第1の層29と第2の層28とが、Z方向に交互に積層されている。例えば、第1の層29は、酸化シリコン層であり、第2の層28は、窒化シリコン層である。
例えば、X方向又はY方向における積層体200の端部は、階段構造8Bを有する。複数の積層体200は、階段構造8Bを介して、接続されてもよい。
複数の積層体200は、マークエリア(ダイシングエリア)の延在方向(マークエリアの長手方向)に並んでいる。
積層体200内のそれぞれに、マーク部5が、設けられている。例えば、マーク部5は、積層体200の内部に埋め込まれている。マーク部5は、絶縁層28,29に囲まれている。但し、マーク部5は、Z方向における積層体200の下方の基板(半導体領域)9上、又は、基板9内に設けられてもよい。
マーク部5は、計測マーク、寸法管理マーク、膜厚管理パターン、及びテストエレメントグループなどである。例えば、計測マークは、リソグラフィのためのアライメント計測マーク及び重ね合わせのための検査マークなどである。
例えば、マーク部5は、絶縁体、半導体又は導電体を含む。図6の例では、絶縁体からなるマーク部5が示されている。但し、マーク部5は、導電体又は半導体を用いて、形成されてもよい。
尚、マーク部の構造及びレイアウトは、図4、図5及び図6の例に限定されない。マーク部の構造及びレイアウトは、マーク部の用途及びマーク部間の区別化のために、適宜変更され得る。
複数の分離体3が、複数の積層体200(200A,200B,200C)間に設けられている。
分離体3は、Z方向から見てマークエリアA2の延在方向に交差する方向(マークエリアの方向)に延在する。分離体3は、X方向に並ぶ2つの積層体200間の領域を、Z方向に貫通している。分離体3の下端は、例えば、基板9の上面に達する。例えば、分離体3の上端は、Z方向における積層体200の上端と同じ位置、又は、積層体200の上端より上方の位置に、配置されている。
分離体3は、2つのマーク部5間に設けられていれば、積層体200を完全に分断せずともよい。例えば、分離体3のY方向の端部は、階段構造8Bに接触する。
或るマークエリアA2内に設けられた2つの分離体3間の間隔(ダイシングエリア/積層体の長手方向に沿う分離体3間の寸法、分離体3間の或る1つのマーク配置領域の寸法)L1とZ方向から見た分離体3の長手方向の寸法(ダイシングエリア/積層体の幅方向に沿う分離体3の寸法)W1との比率は、所定の範囲内の値に設定されることが望ましい。
例えば、間隔(図4乃至図6においてX方向の寸法)L1は、マーク部5のサイズに応じて、設定される。例えば、マーク部5の長手方向の寸法(ダイシングエリア/積層体の長手方向に沿うマーク部5の寸法)L2は、例えば、30μmから165μmの範囲内の或る寸法L2を有する。
寸法(図4乃至図6においてY方向の寸法)W1は、ダイシングエリアの幅方向におけるマーク部5の寸法W2より大きいことが好ましい。
例えば、マーク部5の幅方向の寸法(ダイシングライン/積層体の幅方向に沿うマーク部5の寸法)W2は、40μmから60μmの範囲内の或る値を有する。
尚、ウェハのダイシングによって、マーク部5の断片が、マークエリアA2内に残存する場合もある。また、マーク部5が、チップから除去される場合もある。
本実施形態において、マークエリアA2内の複数の積層体200間に、分離体3が設けられている。例えば、或る構造体が、分離体3の配置によって、複数の部分200に分割される。
分離体3は、層30A,31A,32Aを含む。層(以下では、積層膜ともよばれる)32Aの材料は、メモリ層32の材料と同じである。層31Aの材料は、半導体層31の材料と同じである。層30Aの材料は、絶縁層30の材料と同じである。
絶縁層30Aは、Y−Z平面に広がる構造を有する。絶縁層30Aは、例えば、Z方向に延在する複数の柱状部(例えば、円柱部)と、2つの円柱部を接続する1つ以上の接続部と、を有する。
積層膜32Aは、積層体200と絶縁層30Aとの間に設けられている。積層膜32Aは、トレンチ991の内壁に沿って、積層体200の側面上に設けられている。積層膜32は、Z方向から見て円環状の平面形状を有する部分(以下では、円筒部とよばれる)を含む。積層膜32は、複数の円筒部が円筒部の配列方向に沿って接続された構造を有する。
半導体層31Aは、積層膜32Aと絶縁層30Aとの間に設けられる。半導体層31Aは、積層膜32Aと同様に、Z方向から見て円環状の平面形状を有する部分(円筒部)を含む。例えば、半導体層31Aは、複数の円筒部と、円筒部を接続する接続部を有する。
本実施形態において、マークエリアA2内の積層体及びマーク部に発生する応力が、分離体3によって、緩和される。
(b)製造方法
図8乃至図21を参照して、本実施形態のメモリデバイス(例えば、NAND型フラッシュメモリ)の製造方法について、説明する。ここでは、図3乃至図7も、適宜参照される。
<製造方法1>
図8乃至図18を参照して、実施形態のメモリデバイスの製造方法の第1の例について、説明する。
図8は、本実施形態のフラッシュメモリの製造方法における一工程を説明するための模式的な上面図である。図9及び図10は、本実施形態のフラッシュメモリの製造方法における一工程を説明するための模式的な断面図である。図9は、図8の線Q1−Q1に沿う断面を示している。図10は、図8の線Q2−Q2に沿う断面を示している。例えば、線Q1−Q1は、図4乃至図6の線Qa−Qaに平行であり、線Q2−Q2は、図4乃至図6の線Qb−Qbに平行である。
図8乃至図10に示されるように、ウェル領域及び拡散層などの不純物半導体領域(図示せず)が、イオン注入によって、ウェハ(例えば、シリコンウェハ)90内の所定の領域内に、形成される。
積層体200Xが、例えばCVD(Chemical vapor deposition)法によって、ウェハ90上に形成される。
第1の層29及び第2の層28が、Z方向に交互に形成される。これによって、第1の層29及び第2の層28が交互に積層された構造(積層体)200Xが、ウェハ90上に形成される。例えば、絶縁層29は、酸化シリコン層である。絶縁層(以下では、犠牲層ともよばれる)28は、例えば、窒化シリコン層である。尚、2つの層28,29の間に所望のエッチング選択比が確保されていれば、層28,29の材料は、限定されない。
積層体200Xは、ウェハ90のチップエリアA1及びマークエリアA2(ダイシングエリア999)を覆う。
積層体200Xの形成中に、各種のマーク部5(5a,5b,5c)が、ダイシングエリア999のマークエリアA2の所定の領域内に、それぞれ形成される。
例えば、或る積層数の層29及び層28が形成された時、積層体200Xの形成が、中断される。周知の技術によって、マークエリアA2の複数の領域910内に、所定の形状の複数のマーク部5が、それぞれ形成される。マーク部5の形成の後、積層体200の形成が再開される。層28,29が、交互に形成される。
このように、マーク部5が、積層体200の内部に形成されている。
尚、マーク部5は、積層体200Xの形成前に、ウェハ90上又はウェハ90内に形成されてもよい。ダイシングエリア999が交差する領域AX内に、マーク部が設けられてもよい。
図11は、本実施形態のフラッシュメモリの製造方法における一工程を説明するための模式的な上面図である。図12及び図13は、本実施形態のフラッシュメモリの製造方法における一工程を説明するための模式的な断面図である。図12は、図11の線Qa−Qaに沿う断面を示している。図13は、図11の線Qb−Qbに沿う断面を示している。
図11乃至図13に示されるように、或るパターン801,802を有するマスク層(例えば、レジストマスク)80が、フォトリソグラフィ及びエッチングを用いて、積層体200X上に形成される。
ホールパターン(開口部)801,802が、マスク層80内に形成される。ホールパターン801,802は、円形状(又は楕円形状)の平面形状を有している。
例えば、マスク層80をパターニングするためのリソグラフィは、マーク部5を用いたマスクの位置合わせによって、実行される。
チップエリアA1内において、複数のホールパターン801が形成される。複数のホールパターン801は、千鳥格子配列で、チップエリアA1のメモリセルアレイ10の形成領域(以下では、メモリセルアレイ形成領域10ともよばれる)内にレイアウトされる。
ホールパターン801は、ウェハのX−Y平面に対して平行な方向において、寸法(ホール801の径)D1を有する。Y方向に隣り合う2つのホールパターン801の中心間の間隔(ホール801間のピッチ)は、寸法Daに設定されている。例えば、X方向に隣り合う2つのホールパターン801の中心間の間隔は、寸法Daに設定されている。
X方向及びY方向に対して斜め方向に隣り合う2つのホールパターン801の中心間の間隔は、寸法Dbに設定されている。
チップエリアA1内におけるホールパターン801の形成と同時に、ホールパターン802が、マークエリアA2内のレジストマスク80内に、形成される。
例えば、ホールパターン802は、異なるマーク部5a,5b,5cが設けられる領域910間の領域(以下では、分離領域又は境界領域とよばれる)990内に、設けられる。
ホールパターン802は、ウェハのX−Y平面に対して平行な方向において、寸法(ホール802の径)D2を有する。寸法D2は、例えば、寸法D1と同じ大きさである。
各分離領域990内の複数のホールパターン802は、領域910の配列方向に交差する方向(図11乃至図13の例では、Y方向)に並んでいる。
Y方向に隣り合う2つのホールパターン802の中心間の間隔は、寸法Dcに設定されている。寸法Dcは、寸法Da及び寸法Dbより小さい。
図14は、本実施形態のフラッシュメモリの製造方法における一工程を説明するための模式的な上面図である。図15及び図16は、本実施形態のフラッシュメモリの製造方法における一工程を説明するための模式的な断面図である。図15は、図14の線Qa−Qaに沿う断面を示している。図16は、図14の線Qb−Qbに沿う断面を示している。
図14乃至図16に示されるように、レジストマスク80のパターン801,802に基づいて、積層体200に対するエッチングが、実行される。
これによって、メモリセルアレイ形成領域10内の積層体に、ホール(以下では、メモリホールとよばれる)MHが、形成される。メモリホールMHは、積層体200X内をZ方向に延在する。メモリホールMHの底部は、ウェハ90の上面に達する。
マークエリアA2の各分離領域990内において、メモリホールMHの形成と同時に、積層体200が、ホール802のパターンに応じて、エッチングされる。
本実施形態において、例えば、メモリホールMHの形成のためのエッチング条件は、Z方向に対するエッチングだけでなく、ウェハ90の表面(X−Y平面)に対して平行方向に対するエッチングが発生する条件に、設定される。
積層体200Xは、Z方向におけるエッチングに加えて、ウェハ90の表面に対して平行な方向にエッチングされる。
これによって、ホールパターンの寸法D1より大きい寸法D1aのメモリホールMHが、メモリセルアレイ形成領域10内に形成される。
上述のように、マークエリアA2内のホールパターン802のピッチDcは、メモリセルアレイ形成領域10内のホールパターン801のピッチDa,Dbより小さい。
ウェハ90の表面に対して平行方向における積層体200Xのエッチングによって、分離領域990の積層体200X内に形成された複数のホールは、マスク層80のホールパターン802の配列方向に沿って接続される。
この結果として、トレンチ991が、マークエリアA2の分離領域990内に形成される。トレンチ991は、Y方向に延在するパターンを有する。トレンチ991は、マークエリアA2内でX方向(又はY方向)に隣り合うマーク配置領域910間に形成される。
これによって、チップエリアA1内におけるメモリホールMHの形成と同時に、Y方向に並ぶホールパターンに応じたエッチングによって、Y方向に延在するトレンチ991が、マークエリアA2(ダイシングエリア999)内のマーク部5間の領域990内に形成される。
ウェハ90の表面に対する平行方向のエッチングによって、積層体200X内に形成されるホールが連結されるように、分離領域990内に形成されるレジストマスク80のホール802のピッチDbが、設定されることが望ましい。
尚、ウェハ90の表面に対する平行方向に生じるエッチング量を考慮して、メモリホールMHを形成するためのホールパターン801の寸法D1が、設定されることが好ましい。
ホール間を接続するためのエッチングは、メモリホールMHを形成するためのエッチングとは異なる工程で実行されてもよい。
例えば、異方性エッチングによって、或る開口寸法(例えば、寸法D1)を有するホールが、チップエリアA1及びマークエリア(ダイシングエリア)A2内に、それぞれ形成される。この後、ウェハ9表面に対して平行方向に対して積層体の部材28,29がエッチングされる条件を有するエッチング(例えば、ウェットエッチング)が、実行される。これによって、図14乃至図16に示される形状を有するホールMH及びトレンチ991が、積層体200X内に形成される。
図17及び図18は、本実施形態のフラッシュメモリの製造方法における一工程を説明するための模式的な断面図である。図17は、ウェハのY方向に沿う断面を示している。図18は、ウェハのX方向に沿う断面を示している。
図17及び図18に示されるように、メモリ層32が、例えば、CVD法によって、積層体200上に形成される。上述(例えば、図7参照)のように、メモリ層32は、3つの層を含む積層膜である。この場合において、ブロック絶縁層321が形成された後、電荷蓄積層322がブロック絶縁層321上に形成される。電荷蓄積層322の形成の後、ゲート絶縁層323が、電荷蓄積層322上に形成される。
メモリホールMH内において、メモリ層32は、絶縁層28,29の側面上に形成される。これによって、ホールMH内において、ホールMHの形状に対応した各部材28,29の露出部は、メモリ層32に覆われる。
尚、メモリ層32がメモリホールMH内を閉塞しないように、メモリ層32の膜厚が制御されて形成される。
半導体層31が、例えば、CVD法によって、メモリ層32上に形成される。半導体層31は、シリコン層である。尚、半導体層31がホールMH内を閉塞しないように、半導体層31の膜厚が制御されて形成される。
コア層(絶縁層)30が、例えばCVD法によって、半導体層31上に形成される。コア層30の形成によって、メモリホールMH内が閉塞される。
メモリセルアレイ形成領域10内におけるメモリ層32、半導体層31及び絶縁層30の形成と同時に、層32A、半導体層31A及び絶縁層30Aが、分離体3の部材として、マークエリアA2内に形成される。
層(以下では、積層膜ともよばれる)32Aの材料は、メモリ層32の材料と同じである。半導体層31Aの材料は、半導体層31の材料と同じである。絶縁層30Aの材料は、絶縁層30の材料と同じである。
このように、本実施形態において、分離領域990のトレンチ991が、層30A,31A,32Aによって埋め込まれる。
尚、トレンチ991の埋込のために、これらの層30A,31A,32Aに加えて、他の部材(例えば、絶縁層)が、トレンチ991内に形成されてもよい。
例えば、CMP(Chemical mechanical polishing)又はエッチバックが、積層体200Xの上面上の層30、31,32,30A,31A,32Aに対して、積層体200の上面をストッパに用いて施される。コア層30,30A、半導体層31,31A及びメモリ層(積層膜)32,32Aが、積層体200Xの上面上から除去される。
これによって、メモリピラーMPが、メモリセルアレイ形成領域10のメモリホールMH内に形成される。例えば、Z方向におけるメモリピラーMPの上端の位置は、積層体200Xの上面の位置と実質的に一致する。
以上のように、メモリピラーMPの形成と同時に、分離体3が、マークエリアA2の分離領域990内に形成される。これによって、マークエリアA2内の複数のマーク配置領域910は、分離体3によって、マーク部5の配列方向に沿って互いに分離される。
このように、本実施形態において、チップエリア内のホールMHの形成及びホールMH内への部材の形成と同時に、マークエリアA2内の分離体3が、形成される。これによって、本実施形態において、分離体を形成するための別途の工程の増加無しに、積層体及びマーク配置領域が分離され得る。
この後、積層体200Xが、リソグラフィ及びエッチングによって、チップエリアA1(メモリセルアレイ形成領域)内の部分300とマークエリアA2(ダイシングエリア999)内の部分200とに、分離される。
図3乃至図6に示されるように、チップエリアA1内の積層体の端部が、周知の技術によって、階段状に加工される。これによって、チップエリアA1内において、階段構造8Aを有する積層体300が、形成される。
例えば、チップエリアA1内の積層体300の階段構造8Aの形成と同時に、マークエリアA2内の各積層体の端部は、階段状に加工される。これによって、マークエリアA2内に、階段構造8Bを有する積層体200(200a,200b,200c)が、形成される。
チップエリアA1内の積層体300に対して、犠牲層の置換処理が、実行される。
チップエリアA1内の積層体内の犠牲層が、選択的に除去される。導電層22,23,24が、犠牲層の除去によって形成されたスペース内に、形成される。
これによって、積層体内の犠牲層が、導電層22,23,24に置換される。
例えば、絶縁層から導電層22,23,24への置換処理は、マークエリア(ダイシングエリア)内の積層体の層に対して、実行されない。例えば、置換処理の前において、保護膜(例えば、絶縁層)が、積層体200上に形成される。これによって、積層体200は、保護膜に覆われる。
それゆえ、置換処理による導電層の形成後において、マークエリアA2内の積層体200は、絶縁層28と絶縁層29とを含む構造に維持される。
導電層22,23,24を形成するための置換処理は、エリアA1,A2間における積層体200Xの分割前、又は、積層体における階段構造の形成前に、実行されてもよい。
絶縁層(図示せず)が、ウェハ90上に形成される。これによって、チップエリアA1内の積層体300、及び、マークエリアA2内の積層体200は、絶縁層に覆われる。
この後、複数の配線(例えば、ビット線)、複数のプラグ及び複数の絶縁層が、周知の技術を用いて、チップエリアA1内の積層体300の上方に、形成される。
これらの配線及びプラグの形成時において、マークエリアA2内のマークが、マスクの位置合わせなどのために、用いられる。
この後、ウェハ90が、ダイシングエリア(ダイシングライン)999に沿ったダイシングによって、複数のチップ9に分断される。この時、ダイシングエリア99内の各種のマーク部5は、分断されることもある、又は、チップ9から除去されこともある。
以上の工程によって、本実施形態のメモリデバイスが、形成される。
<製造方法2>
図19乃至図21を参照して、実施形態のメモリデバイスの製造方法の第2の例について、説明する。
マークエリア内におけるマーク配置領域の分離及び分離体の形成は、チップエリア内のメモリホール(及びメモリピラー)の形成と異なる工程で実行されてもよい。
図19は、本実施形態のフラッシュメモリの製造方法における一工程を説明するための模式的な断面図である。図19は、チップエリア及びマークエリアのY方向に沿う断面を示している。
図19に示されるように、マークエリアA2内の積層体200Xの分離領域990に対して、選択的なエッチングが、実行される。
例えば、マスク層89が、積層体200Xの上方に形成される。マスク層89は、Z方向において分離領域990と重なる部分にホールパターン802Aを有する。メモリセルアレイ形成領域10及びマーク部5の上方は、マスク層89に覆われている。
エッチングが、マスク層89を用いて、積層体200Xに対して実行される。
これによって、トレンチ991が、積層体200Xの分離領域990内に形成される。
図20に示されるように、マスク層が除去された後、分離体3Xが、例えばCVD法によって、トレンチ991内に形成される。例えば、絶縁体39が、トレンチ991内に埋め込まれる。
図21に示されるように、マスク層88が、積層体200Xの上方に形成される。マスク層88は、メモリホールMHを形成するためのホールパターン801を有する。マスク層88は、マークエリアA2内に、ホールパターンを有さない。
これによって、チップエリアA1内のメモリセルアレイ形成領域10にのみ、メモリホールMHが、積層体200X内に形成される。
この後、上述の図17及び図18の以降の工程が、実行される。
これによって、本実施形態のフラッシュメモリが、形成される。
メモリホール及びメモリピラーの形成の後に、図19及び図20の工程によって、分離体3Xが、マークエリアA2内に形成されてもよい。
図19及び図20の工程は、チップエリアA1内におけるメモリホール以外のホールの形成工程(例えば、コンタクトホールの形成工程)と、同時に実行されてもよい。この場合、分離体3Xの材料は、導電体を含んでもよい。
(c)変形例
上述のマークエリアA2内の積層体200を構成する層の材料は、窒化シリコン層及び酸化シリコン層に限定されない。
例えば、積層体200は、複数の導電層及び複数の絶縁層を含んでもよい。
この場合において、積層体は、導電層と絶縁層とがZ方向に交互に積層された構造を有する。例えば、マークエリアA2内の導電層は、絶縁層28から導電層への置換処理によって、チップエリアA1内の積層体300の導電層と同時に形成される。
積層体200は、複数の半導体層及び複数の絶縁層を含んでもよい。
この場合において、積層体200は、導電層と絶縁層とがZ方向に交互に積層された構造を有する。
(d) まとめ
近年、半導体集積回路の微細化の難易度が上がり、微細化のペースが鈍化している。メモリデバイスは、微細化せずに記憶容量を増大させるために、メモリセルアレイの3次元構造が、推進されている。
3次元構造のメモリデバイスにおいて、積層体の形成時における形成された膜の材料の膜応力の影響に起因して、形成した構造の位置が所望の位置から移動する可能性がある。例えば、材料の異なる層が1つの構造(積層体)内に混在する場合、異なる材料の層の応力差による位置ずれが発生する。積層体の体積が大きくなると、より位置ずれが生じやすくなる。
ウェハのダイシングエリア内において、各工程で形成される構造間の重ね合わせの基準となるマーク部(例えば、重ね合わせ検査のためのマーク)が、配置されている。このマークを含むダイシングライン部の構造体が応力によって移動すると、半導体集積回路の本体部でもZ方向に重なる構造間で位置ずれが発生する可能性がある。
これが原因で、半導体集積回路(例えば、メモリデバイス)に、不良が発生し得る。
本実施形態のメモリデバイスにおいて、ダイシングエリア内の積層体内に、複数のマーク部が、設けられている。本実施形態において、マーク部間の領域内に、分離体が設けられている。これによって、マーク部がそれぞれ設けられた複数の領域(積層体)が、マーク部ごとに分離される。それゆえ、本実施形態によれば、マーク部を含む積層体の体積が、縮小される。
したがって、本実施形態において、積層体に発生する応力は、小さくできる。
この結果として、本実施形態において、デバイスの構成要素の位置ずれを、低減できる。
また、本実施形態のメモリデバイスの製造方法は、メモリデバイスの製造歩留まりを向上できる。
以上のように、本実施形態のメモリデバイス及びその製造方法は、メモリデバイスの不良を低減できる。
(e)その他
実施形態において、NAND型フラッシュメモリが、メモリデバイスとして例示されている。但し、実施形態のメモリデバイスは、NOR型フラッシュメモリ、DRAM,SRAM、磁気メモリ、抵抗変化メモリ及び相変化メモリなどのような、NAND型フラッシュメモリ以外のメモリデバイスでもよい。また、実施形態のデバイスは、システムLSI、パワーMOSデバイス、イメージセンサ及び半導体アナログ回路のような、メモリデバイス以外の半導体デバイスでもよい。
本明細書において“接続”とは、接続される2つの構成要素間に他の構成要素が介することを除外しない。本明細書において“接触”とは、接触する2つの構成要素間に他の構成要素が介在することを除外しない
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1:メモリデバイス、200,300:積層体、3:分離体、5:マーク部、A1:チップエリア、A2:チップエリア。

Claims (11)

  1. 基板の第1のエリア内に設けられた第1の積層体と、
    前記基板の第2のエリア内に設けられた第2及び第3の積層体と、
    前記第1の積層体内に設けられたメモリセルと、
    前記第2の積層体内に設けられた第1のマーク部と、
    前記第3の積層体内に設けられた第2のマーク部と、
    前記第2の積層体と前記第3の積層体との間に設けられた第1の部分と、
    を具備するメモリデバイス。
  2. 前記メモリセルは、第1の部材を含み、
    前記第1の部分は、前記第1の部材を含む、
    請求項1に記載のメモリデバイス。
  3. 前記メモリセルは、
    前記第1の積層体内に設けられ、前記基板の表面に対して垂直な第1の方向に延在する第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層と前記第1の積層体との間のメモリ層と、
    前記第1の絶縁層と前記メモリ層との間の第1の半導体層と、
    を含み、
    前記第1の部分は、
    前記第2の積層体と前記第3の積層体との間に設けられ、前記第1の方向及び前記第1の方向に交差する第2の方向に広がる第2の絶縁層と、
    前記第2の絶縁層と前記第2の積層体との間、及び、前記第2の絶縁層と前記第3の積層体との間に設けられた中間層と、
    前記中間層と前記第2の絶縁層との間に設けられた第2の半導体層と、
    を含み、
    前記第2の絶縁層の材料は、前記第1の絶縁層の材料と同じであり、
    前記中間層の材料は、前記メモリ層の材料と同じであり、
    前記第2の半導体層の材料は、前記第1の半導体層の材料と同じである、
    請求項1又は2に記載のメモリデバイス。
  4. 前記メモリセルは、第1の部材を含み、
    前記第1の部分は、前記第1の部材と異なる第2の部材を含む、
    請求項1に記載のメモリデバイス。
  5. 前記第1の積層体は、第1の層と第2の層とを含み、
    前記第2の積層体が、第3の層と第4の層とを含み、
    前記第3の層の材料は、前記第1の層の材料及び前記第2の層の材料と異なる、
    請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のメモリデバイス。
  6. ウェハ上に、第1のエリアと第1のマーク部及び第2のマーク部を含む第2のエリアとを含む積層体を、形成することと、
    前記第1のエリア内に第1のホールを形成し、前記第2のエリアの前記第1のマーク部と前記第2のマーク部との間の領域にトレンチを形成することと、
    前記第1のホール内に第1の部材を含むメモリセルを形成し、前記トレンチ内に前記第1の部材を含む第1の部分を形成することと、
    を具備するメモリデバイスの製造方法。
  7. 前記メモリセルの前記第1の部材は、
    前記積層体内に設けられ、前記ウェハの表面に対して垂直な第1の方向に延在する第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層と前記積層体との間のメモリ層と、
    前記第1の絶縁層と前記メモリ層との間の第1の半導体層と、
    を含み、
    前記第1の部分の前記第1の部材は、
    前記積層体内の前記トレンチ内に設けられ、前記第1の方向及び前記第1の方向に交差する第2の方向に広がる第2の絶縁層と、
    前記第2の絶縁層と前記積層体との間との間に設けられた中間層と、
    前記中間層と前記第2の絶縁層との間に設けられた第2の半導体層と、
    を含み、
    前記第2の絶縁層の材料は、前記第1の絶縁層の材料と同じであり、
    前記中間層の材料は、前記メモリ層の材料と同じであり、
    前記第2の半導体層の材料は、前記第1の半導体層の材料と同じである、
    請求項6に記載のメモリデバイスの製造方法。
  8. ウェハ上に、第1のエリアと第1のマーク部及び第2のマーク部を含む第2のエリアとを含む積層体を、形成することと、
    前記第2のエリアの第1のマーク部と第2のマーク部との間の領域内に、トレンチを形成することと、
    前記トレンチ内に、第1の部分を形成することと、
    前記第1のエリアの第1のホール内に、メモリセルを形成することと、
    を具備するメモリデバイスの製造方法。
  9. 前記積層体は、第1の層と第2の層とを含み、
    前記第1のエリア内の前記第1の層は、前記第1の層の第1の材料及び前記第2の層の第2の材料と異なる第3の材料の第3の層に置換され、
    前記第2のエリア内の前記第1の層は、前記第3の層に置換されない、
    請求項6乃至8のうちいずれか1項に記載のメモリデバイスの製造方法。
  10. 前記第2のエリアに沿って、前記ウェハからチップをダイシングすること、
    をさらに具備する請求項6乃至9のうちいずれか1項に記載のメモリデバイスの製造方法。
  11. 前記第1のマーク部を用いて、前記第1のホール及び前記トレンチを形成するためのリソグラフィの位置合わせを行う、
    請求項6乃至10のうちいずれか1項に記載のメモリデバイスの製造方法。
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