JP2021150570A - ヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法 - Google Patents

ヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒートシンク付絶縁回路基板を効果的に矯正し、電子部品搭載後においても反りが元に戻りにくくする。【解決手段】ヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法であって、ヒートシンクは、炭化ケイ素の多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸させてなるAlSiC複合材からなり、絶縁回路基板にヒートシンクを接合してなるヒートシンク−絶縁回路基板接合体を形成する接合工程と、凸面が形成された矯正治具と凹面が矯正された矯正治具とを用い、これら矯正治具の凸面と凹面との間にヒートシンク−絶縁回路基板接合体を挟持してヒートシンク側を凸とする曲面にヒートシンク−絶縁回路基板接合体を変形させた状態に拘束する矯正工程と、を有し、矯正工程では、矯正治具の凸面又は凹面の曲率半径が2000mm以上6000mm以下であり、ヒートシンク−絶縁回路基板接合体を250℃以上350℃以下の温度に加熱する。【選択図】図4

Description

本発明は、電子部品を搭載可能なヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法に関する。
LEDやパワー素子などの電子部品を搭載する絶縁回路基板には、電子部品で生じる熱を放散するためのヒートシンクが設けられる。
この場合、絶縁回路基板としてセラミックス基板を用いたものも知られており、絶縁層となるセラミックス基板の一方の表面に回路層が形成されるとともに、セラミックス基板の他方の表面に放熱層が形成され、その放熱層に熱伝導性に優れたヒートシンクが接合される。そして、回路層上にはんだ材を介して電子部品が搭載される。
特許文献1には、回路層と放熱層(金属層)が、それぞれ二層構造とされた絶縁回路基板(パワーモジュール用基板)が開示されている。回路層は、セラミックス基板の一方の面に接合された第一アルミニウム層と、該第一アルミニウム層に固相拡散接合された第一銅層とを有し、放熱層(金属層)は、セラミックス基板の他方の面に接合された第二アルミニウム層と、第二アルミニウム層に固相拡散接合された第二銅層とを有している。そして、その第二銅層にヒートシンクが接合されている。
このようなヒートシンク付絶縁回路基板において、セラミックス基板を有する絶縁回路基板とヒートシンクとを接合すると、低熱膨張係数のセラミックス基板と金属板(ヒートシンク)との熱膨張差により反りが生じ易い。この反りは、通常、回路層側を凸とする反りになり易い。この反りが生じた状態でヒートシンクを熱伝導性グリースを介して冷却器等に取付けると、その後に環境温度の変化を長期間繰り返し受ける場合には、その温度に応じて反りの大きさが繰り返し変化することによってグリースが外部に排出されるポンプアウト現象が生じ、その結果、放熱性能が低下するおそれがある。このため、接合後に矯正して、反りを低減する、あるいは、ポンプアウト現象が生じにくいヒートシンク側が凸となる形状まで変形させることが行われる。
特許文献2には、基板を撓ませて反りを矯正する技術が開示されている。この特許文献2では、下側部材の凹部を覆うように基板を配置し、その基板の周縁部を下側部材と上側部材とで挟み込み、基板の中心部にガス圧を作用させることにより基板を撓ませている。
特開2015‐211125号公報 特開2014‐195042号公報
しかしながら、このような矯正を行ったとしても、その後に電子部品を搭載すると、反りが元に戻ってしまう問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ヒートシンク付絶縁回路基板を効果的に矯正し、電子部品搭載後においても反りが元に戻りにくいヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法は、セラミックス基板の一方の面に回路層が形成され、他方の面に放熱層が形成されてなる絶縁回路基板と、該絶縁回路基板の前記放熱層に接合されたヒートシンクとを備えるヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法であって、前記ヒートシンクは、炭化ケイ素の多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸させてなるAlSiC複合材からなり、前記絶縁回路基板に前記ヒートシンクを接合してなるヒートシンク−絶縁回路基板接合体を形成する接合工程と、凸面が形成された矯正治具と凹面が矯正された矯正治具とを用い、これら矯正治具の凸面と凹面との間に前記ヒートシンク−絶縁回路基板接合体を挟持して前記ヒートシンク側を凸とする曲面に前記ヒートシンク−絶縁回路基板接合体を変形させた状態に拘束する矯正工程と、を有し、前記矯正工程では、前記矯正治具の前記凸面又は凹面の曲率半径が2000mm以上6000mm以下であり、前記ヒートシンク−絶縁回路基板接合体を250℃以上350℃以下の温度に加熱する。
前述したように、接合工程後にヒートシンク−絶縁回路基板接合体は回路層側を凸とするように反りが生じ易い。このため、矯正工程で矯正治具の凸面と凹面との間にヒートシンク−絶縁回路基板接合体を挟持して、反りとは逆方向のヒートシンク側を凸とする曲面に変形させた状態に拘束する。このとき、矯正治具の凸面又は凹面の曲率半径を2000mm以上6000mm以下とし、ヒートシンク−絶縁回路基板接合体を250℃以上350℃以下の温度に加熱することにより、矯正後のヒートシンク付絶縁回路基板内に応力が残留することが少なくなり、その後の電子部品搭載時等に加熱されたとしても反りが元に戻ることはない。
なお、前記曲率半径は、矯正治具の凸面と凹面の両方とも2000mm以上6000mm以下にしてもよいし、凸面又は凹面の一方を2000mm以上6000mm以下にし、他方をヒートシンク−絶縁回路基板接合体の厚さ分異ならせてもよい。
この場合、曲率半径が2000mm未満であると、矯正時の圧力によりヒートシンクに割れが生じる。曲率半径が6000mmを超えると、反り矯正の効果が小さく、ヒートシンク側を凸とする形状にならない。また、矯正工程時の温度が250℃未満では、ヒートシンク側を凸とする形状に矯正できても、その後の電子部品搭載工程等において反りが元の形状に戻ってしまう。350℃を超えると、回路層や放熱層がアルミニウムにより構成されている場合は軟化し、銅により構成されている場合には酸化する。
また、ヒートシンク−絶縁回路基板接合体を矯正治具間に挟持する簡単な構成であり、特許文献1記載のガス圧を利用した矯正に比べて容易かつ確実に矯正できる。
本発明によれば、ヒートシンク付絶縁回路基板を効果的に矯正し、電子部品搭載後においても反りが元に戻りにくい。
本発明に係る一実施形態のヒートシンク付絶縁回路基板を示す断面図である。 図1に示すヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法中の第一接合工程を(a)から(c)の順に示す断面図である。 図2に示す第一接合工程後の第二接合工程において積層体を加圧している状態を示す断面図である。 図3に示す第二接合工程後の矯正工程においてヒートシンク−絶縁回路基板接合体を矯正治具間に配置した状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[ヒートシンク付絶縁回路基板の構成]
一実施形態のヒートシンク付絶縁回路基板10は、図1に示すように、絶縁回路基板20とヒートシンク30とを有している。
(絶縁回路基板)
絶縁回路基板20は、セラミックス基板21の一方の面に接合された回路層22と、セラミックス基板21の他方の面に接合された放熱層23とを有する。実施形態では、回路層22及び放熱層23は、いずれも2層構造となっている。
セラミックス基板21は、回路層22と放熱層23との間の電気的接続を遮断する絶縁材であって、例えば窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si)等により形成され、その板厚は0.2mm〜1.2mmである。
回路層22は、セラミックス基板21に接合された第1回路層25と第1回路層25の上に接合された第2回路層26とからなる。第1回路層25は、純度99質量%以上の純アルミニウムが用いられ、JIS規格では1000番台の純アルミニウム、特に1N90(純度99.9質量%以上:いわゆる3Nアルミニウム)又は1N99(純度99.99質量%以上:いわゆる4Nアルミニウム)を用いることができる。一方、第2回路層26は、純銅又は銅合金からなり、例えば純度99.96質量%以上の銅(無酸素銅)や純度99.90質量%以上の銅(タフピッチ銅)が好適である。各層の厚さは、例えば、第1回路層25が0.4mm〜1.6mmに形成され、第2回路層26が0.5mm〜1.5mmに形成されている。
放熱層23は、セラミックス基板21に接合された第1放熱層27と第1放熱層27の上に接合された第2放熱層28とからなる。第1放熱層26は、第1回路層25と同様、純度99質量%以上の純アルミニウムが用いられ、JIS規格では1000番台の純アルミニウム、特に1N90(純度99.9質量%以上:いわゆる3Nアルミニウム)又は1N99(純度99.99質量%以上:いわゆる4Nアルミニウム)を用いることができる。一方、第2放熱層28は、純銅又は銅合金からなり、例えば純度99.96質量%以上の銅(無酸素銅)や純度99.90質量%以上の銅(タフピッチ銅)が好適である。各層の厚さは、例えば、第1放熱層27が0.4mm〜1.6mmに形成され、第2放熱層28が0.5mm〜1.5mmに形成されている。
(ヒートシンク)
ヒートシンク30にはAlSiC複合材が用いられている。AlSiC複合材は、炭化ケイ素(SiC)からなる多孔体にアルミニウム又はアルミニウム合金(Al)を主成分とする金属を含浸して形成されたアルミニウムと炭化ケイ素の複合体であり、多孔体の表面にはアルミニウムの被覆層が形成される。このヒートシンク30は、例えば、厚さが3.0mm以上5.0mm以下の板状に形成される。
そして、絶縁回路基板20の第2放熱層28とヒートシンク30とが接合されることにより、ヒートシンク付絶縁回路基板10が構成される。このヒートシンク付絶縁回路基板10には、その回路層22の第2回路層26の上に電子部品55がはんだ付けにより固定される。図1において符号56ははんだ層を示す。
[ヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法]
以上のように構成したヒートシンク付絶縁回路基板10の製造方法は次の通りであり、セラミックス基板21の各面に第1回路層25及び第1放熱層27を形成する第一接合工程と、第一接合工程後に第1回路層25の上に第2回路層26を形成するとともに、第1放熱層27に第2放熱層28を介してヒートシンク30をそれぞれ接合する第二接合工程と、第二接合工程後に反りを矯正する矯正工程とを有する。
以下、工程順に説明する。
(第一接合工程)
図2(a)に示すように、セラミックス基板21の両面に、それぞれろう材40を介して、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる第1回路層用金属板25´及び第2放熱層用金属板27´を積層する。ろう材40としては、Al−Si系、Al−Ge系、Al−Cu系、Al−Mg系又はAl−Mn系等の合金が使用される。
そして、その積層体S1を図2(b)に示すように積層方向に加圧して真空雰囲気下で加熱することにより、両金属板25´,27´をセラミックス基板21に接合して、図2(c)に示すように、セラミックス基板21の一方の面に第1回路層25、他方の面に第1放熱層27をそれぞれ形成する。
このとき、図示略の加圧部材と積層体S1の両面との間にクッションシート50が設けられ、クッションシート50を介して積層体S1が加圧される。クッションシート50は一対のカーボンシート51の間にグラファイトシート52を挟持した構成である。また、加圧力としては、例えば0.1MPa以上3.4MPa以下、接合温度としては600℃以上655℃ 以下、加熱時間としては15分以上120分以下とされる。
(第二接合工程)
図3に示すように、セラミックス基板21に形成された第1回路層25及び第1放熱層27の上にそれぞれ銅又は銅合金からなる第2回路層用金属板26´及び第2放熱層用金属板28´をそれぞれ積層し、第2放熱層用金属板28´にさらにヒートシンク30を積層する。
そして、その積層体S2の両面に第一接合工程のときと同様のクッションシート50を当接した状態で積層体S2を積層方向に加圧し、真空雰囲気下で加熱して、第1回路層25に対して第2回路層用金属板26´、第1放熱層27に対して第2放熱層用金属板28´、第2放熱層用金属板28´に対してヒートシンク30をそれぞれ固相拡散接合することにより、第1回路層25の上に第2回路層26、第1放熱層27の上に第2放熱層28を形成し、この第2放熱層28にヒートシンク30を接合する。この場合の加圧力としては、例えば0.3MPa以上3.5MPa以下、加熱温度としては400℃以上548℃未満とされ、この加圧及び加熱状態を5分以上240分以下保持することにより、第2回路層26及び第2放熱層28がそれぞれ形成され、ヒートシンク30が接合される。
この第二接合工程により、セラミックス基板21の一方の面に第1回路層25と第2回路層26との2層構造の回路層22が形成され、セラミックス基板21の他方の面に第1放熱層27と第2放熱層28との2層構造の放熱層23が形成され、その第2放熱層28にヒートシンク30が接合されたヒートシンク−絶縁回路基板接合体11が形成される。
(矯正工程)
このようにしてヒートシンク−絶縁回路基板接合体11を形成すると、絶縁回路基板20とヒートシンク30との熱膨張差等により、反りが生じる場合がある。この反りは通常は回路層22側を凸とする反りになり易い。矯正工程は、ヒートシンク30側を凸とする形状に変形させる。
この矯正工程では、ヒートシンク−絶縁回路基板接合体11を変形させるためにカーボンからなる一組の矯正治具61,62が用いられる。この矯正治具61,62は、図4に示すように、回路層22の表面を押圧する凸面61aを有する上側矯正治具51と、ヒートシンク30の表面を押圧する凹面62aを有する下側矯正治具52とからなり、これら矯正治具61,62の対向する凸面61aと凹面62aとの間にヒートシンク−絶縁回路基板接合体11を挟持する。上側矯正治具61の凸面61aの曲率半径R1、及び下側矯正治具62の凹面62aの曲率半径R2は、ほぼ同じに形成され、2000mm以上6000mm以下の曲率半径である。上側矯正治具61の凸面61aの曲率半径R1を2000mm以上6000mm以下に形成し、下側矯正治具62の曲率半径R2を上側矯正治具61の曲率半径R1より若干大きく、例えばヒートシンク−絶縁回路基板接合体11の厚さ分、大きく形成してもよい。逆に、下側矯正治具62の凹面62aの曲率半径R2を2000mm以上6000mm以下に形成し、上側矯正治具61の凸面61aの曲率半径R1をヒートシンク−絶縁回路基板接合体11の厚さ分、小さく形成してもよい。
そして、下側矯正治具62の凹面62a上にヒートシンク−絶縁回路基板接合体11のヒートシンク30を載置して、上方から回路層22に上側矯正治具61の凸面61aを当接させ、これら上側矯正治具61と下側矯正治具62との間にヒートシンク−絶縁回路基板接合体11を挟持する。このとき両矯正治具61,62でヒートシンク−絶縁回路基板接合体11を挟持した状態で加熱炉内に配置され、ヒートシンク−絶縁回路基板接合体11を250℃以上350℃以下の温度に加熱する。矯正治具61,62からの熱伝達を利用してヒートシンク−絶縁回路基板接合体11を加熱してもよい。
ヒートシンク−絶縁回路基板接合体11は、この加熱状態で、ヒートシンク30の下面(絶縁回路基板20とは反対側の面)を凸状とする変形を生じさせた状態に拘束される。具体的には、ヒートシンク−絶縁回路基板接合体11の回路層22の表面は上側矯正治具61の凸面61aの形状に合わせた曲面に変形し、ヒートシンク30の下面は下側矯正治具62の凹面62aの形状に合わせた曲面に変形する。したがって、ヒートシンク−絶縁回路基板接合体11は、回路層22の表面が上側矯正治具61の凸面61aの曲率半径R1とほぼ同じ曲率半径となり、ヒートシンク30の下面が下側矯正治具62の凹面62aの曲率半径R2とほぼ同じ曲率半径に変形した状態に拘束される。
そして、この拘束状態で2分以上5分以下保持する。
両矯正治具61,62による拘束状態を解除して得られるヒートシンク付絶縁回路基板10は、ヒートシンク30側を凸とするように変形させられている。
また、このヒートシンク付絶縁回路基板10は、250℃以上350℃以下の温度に加熱された状態で矯正されているため、接合工程によって各部材に生じていた残留応力の大部分が解放され、両矯正治具61,62による加圧を解除した後も反りが元に戻ることはない。
この矯正工程において、矯正治具61,62の曲面の曲率半径R1,R2が2000mm未満であると、矯正時の圧力によりヒートシンク30に割れが生じる。曲率半径R1,R2が6000mmを超えると、反り矯正の効果が小さく、ヒートシンク30側を凸とする形状にならない。また、矯正工程時の温度が250℃未満では、ヒートシンク30側を凸とする形状に矯正できても、その後の電子部品搭載工程等において反りが回路層22側を凸とする形状に戻ってしまう。350℃を超えると、アルミニウムにより構成されている第1回路層25や第1放熱層27が軟化して、矯正時の圧力によってつぶれることから、ヒートシンク付き絶縁回路基板10の総厚が減少する。第2回路層26や第2放熱層28が銅により構成されている場合、銅が酸化し、酸化した銅を除去するために薬液処理すると表面粗さが大きくなり、電子部品実装時のはんだ濡れ性が低下する。
このようにして製造されたヒートシンク付絶縁回路基板10の回路層22に電子部品55がはんだ付けにより搭載される。はんだ材としては、例えばSn−3%Ag−0.5質量%Cuが用いられる。回路層22の表面に、このはんだ材を含むペーストが塗布され、あるいははんだ材を含む箔材が配置され、その上に電子部品55が載置された後、260℃程度に加熱することによりはんだペーストが溶融し、冷却固化されることにより、電子部品55が固定される。
このとき、ヒートシンク付絶縁回路基板10も260℃程度に加熱される。通常の機械加工品は、加熱により残留応力が解放されることから、形状が変化するが、このヒートシンク付絶縁回路基板10の場合は、前述したように矯正工程を250℃以上350℃以下の温度で行っているため、その矯正工程において残留応力の大部分が除去されている。このため、電子部品搭載工程で加熱されても、反りが元に戻ることはない。
このヒートシンク付絶縁回路基板10は、矯正工程において、矯正治具61,62の凸面61aと凹面62aとの間に挟持されて矯正されていることから、回路層22側を凸とする反りはヒートシンク30側を凸とする形状に矯正されている。また、残留応力の大部分が除去されているため、その後の加熱により反りが元(回路層22側を凸とする反り)に戻ることはなく、また、使用時の反り変化量も小さくなることから、寸法安定性に優れており、高温環境下での使用や、環境温度の変化を長期間繰り返し受ける状態での使用であっても、寸法が変化することは少ない。このため、ヒートシンク30がグリースを介して冷却器等に取付けられる場合でも、ポンプアウト現象の発生が抑制され、優れた放熱性を長期に維持することができる。
上記各実施形態では、回路層22として第1回路層25及び第2回路層26を備えることとしたが、これに限らず1層の回路層により構成されていてもよく、その場合、純アルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層、純銅又は銅合金からなる回路層のいずれも可能である。放熱層の場合も同様に1層の放熱層とすることができる。
例えば、セラミックス基板の一方の面に純アルミニウム又はアルミニウム合金からなる1層の回路層が形成され、他方の面に純アルミニウム又はアルミニウム合金からなる1層の放熱層が形成された構成、あるいは、セラミックス基板の一方の面に純銅又は銅合金からなる1層の回路層が形成され、他方の面に純銅又は銅合金からなる1層の放熱層が形成された構成のいずれとすることもできる。
回路層及び放熱層をそれぞれ1層とする場合、セラミックス基板に回路層及び放熱層を形成して絶縁回路基板を作製する第一接合工程の後に、その放熱層にヒートシンクを接合する第二接合工程を経て、矯正工程を実施すればよい。これら1層の回路層及び放熱層の場合、セラミックス基板への接合(第一接合工程)は、セラミックス基板にろう材を介して各金属板を積層し、これらを積層方向に加圧した状態で加熱することにより行われる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
表1に示すように、各種絶縁回路基板とヒートシンクとを組み合わせてヒートシンク−絶縁回路基板接合体を形成し、矯正治具により矯正して、得られたヒートシンク付絶縁回路基板の反りを確認した。
表1において、絶縁回路基板のDBACは上に述べた一実施形態と同様、セラミックス基板の一方の面に純アルミニウムからなる第1回路層、純銅からなる第2回路層の2層構造の回路層が形成され、セラミックス基板の他方の面に純アルミニウムからなる第1放熱層、純銅からなる第2放熱層の2層構造の放熱層が形成された絶縁回路基板である。DBC及びDBAは回路層及び放熱層が1層のものであり、DBCが回路層及び放熱層が純銅からなり、DBAが回路層及び放熱層が純アルミニウムからなる。ここで、純アルミニウムとして4N−Alを、純銅として無酸素銅を用いた。また、ヒートシンクは、一実施形態で述べたAlSiC複合材とした。接合方法は、絶縁回路基板及びヒートシンクの各部材の組み合わせに応じて、実施形態で説明した接合方法を採用した。
矯正治具の曲率半径は上側矯正治具及び下側矯正治具とも同じとした。そして、ヒートシンク−絶縁回路基板接合体が表1に示す矯正温度となるように矯正治具を加熱して矯正した。
矯正後に得られたヒートシンク付絶縁回路基板の反り量と反り形状とを測定し、そのヒートシンク付絶縁回路基板を電子部品搭載時に想定される温度(はんだのリフローに相当する温度)である260℃に3分加熱した後、室温に戻した状態において再び反り量と反り形状を測定した。
反り量はモアレ式三次元形状測定機(Akrometrix社製熱反り・歪み測定機Thermoire PS200)を用いて、ヒートシンク底面の中央(100mm×80mmの範囲)を測定面として測定した。より具体的には、測定面のプロファイルから最小二乗面を求め、その面を基準として最高点と最低点との差(絶対値)を求めて反り量を得た。
反り形状は、測定範囲の中心が、測定範囲の四隅が形成する面よりも回路層側に近い場合および測定範囲の中心が、測定範囲の四隅が形成する面上となる場合は上凸(回路層側に凸)、測定範囲の中心が、測定範囲の四隅が形成する面よりも回路層側から遠い場合は下凸(ヒートシンク側に凸)とした。なお、反り量は、反り形状が上凸、下凸のいずれの場合でも正の値として表記している。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2021150570
矯正の際の矯正治具の曲率半径が2000mm以上6000mm以下で、矯正温度が250℃以上350℃以下の場合に、回路層側を凸(上凸)とする反りに対して、ヒートシンク側に凸(下凸)とする形状に矯正され、その後加熱されても、反りが元に戻ることはなかった。
これに対して、比較例1及び4は矯正時の温度が200℃であったため、矯正後に反りが元の上凸に戻ってしまった。比較例2及び3は、矯正治具の曲率半径が7000mmであったため、矯正されずに、上凸のままであった。
10 ヒートシンク付絶縁回路基板
20 絶縁回路基板
21 セラミックス基板
22 回路層
23 放熱層
25 第1回路層
26 第2回路層
27 第1放熱層
28 第2放熱層
30 ヒートシンク
40 ろう材
50 クッションシート
51 カーボンシート
52 グラファイトシート
55 電子部品
56 はんだ層
61,62 矯正治具
61a 凸面
62a 凹面

Claims (1)

  1. セラミックス基板の一方の面に回路層が形成され、他方の面に放熱層が形成されてなる絶縁回路基板と、該絶縁回路基板の前記放熱層に接合されたヒートシンクとを備えるヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法であって、前記ヒートシンクは、炭化ケイ素の多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸させてなるAlSiC複合材からなり、前記絶縁回路基板に前記ヒートシンクを接合してなるヒートシンク−絶縁回路基板接合体を形成する接合工程と、凸面が形成された矯正治具と凹面が矯正された矯正治具とを用い、これら矯正治具の凸面と凹面との間に前記ヒートシンク−絶縁回路基板接合体を挟持して前記ヒートシンク側を凸とする曲面に前記ヒートシンク−絶縁回路基板接合体を変形させた状態に拘束する矯正工程と、を有し、
    前記矯正工程では、前記矯正治具の前記凸面又は凹面の曲率半径が2000mm以上6000mm以下であり、前記ヒートシンク−絶縁回路基板接合体を250℃以上350℃以下の温度に加熱することを特徴とするヒートシンク付絶縁回路基板の製造方法。
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