JP2021148357A - ヘッダ管、熱交換器及びヘッダ管の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ろう材の流入による伝熱管の詰まりを効果的に抑制できるとともに、伝熱管の断面形状と肉厚の制約が小さいヘッダ管、ヘッダ管を備える熱交換器、及びヘッダ管の製造方法を提供する。【解決手段】ヘッダ管2は、熱交換器の上流端あるいは下流端に配置されて、伝熱管4がろう付けによって接合されるとともに、挿管穴6と堰き止め部材7とを備える。挿管穴6には、伝熱管4の端部が挿入される。堰き止め部材7は、ヘッダ管2をヘッダ管2の長手方向に直交する平面で切断した断面形において、ヘッダ管2の内面から、ヘッダ管2の内部に突出する伝熱管4に向かって隆起する。そして、堰き止め部材7は、挿管穴6との間に、伝熱管4をヘッダ管2にろう付けする際に挿管穴6と伝熱管4の間の隙間から漏れて、ヘッダ管2の内部に流入するろう材を滞留させる溶融池8を形成する。【選択図】図4
Description
本開示は、ヘッダ管、前記ヘッダ管を備える熱交換器、及び前記ヘッダ管の製造方法に関する。
熱交換器は、熱媒体と大気との間で熱交換を行う装置であって、外部装置から熱交換前の熱媒体が流入する入口側ヘッダ管と、熱交換後の熱媒体を外部装置に向けて送り返す出口側ヘッダ管と、入口側ヘッダ管と出口側ヘッダ管の間を連絡する複数本の伝熱管とを備えている。外部装置から入口側ヘッダ管に流入した熱媒体は伝熱管を通って出口側ヘッダ管に流れる。伝熱管を流れる間に、熱媒体は大気と間で熱交換を行う。すなわち、熱媒体の温度が大気の温度より高い場合には熱媒体は大気に熱を放出する。その結果、熱媒体の温度が低下する。逆に、熱媒体の温度が大気の温度より低い場合には熱媒体は大気から熱を吸収する。その結果、熱媒体の温度が上昇する。
特許文献1に記載の熱交換器は、左右一対のヘッダ管と、前記一対のヘッダ管の間に配置された多数本の多孔扁平チューブを備えている。多孔扁平チューブの端部はヘッダ管の側面に形成されたチューブ挿入孔に挿入されて、ヘッダ管にろう付けされている。熱媒体は多孔扁平チューブを通って、一方のヘッダ管から他方のヘッダ管に流れる。この熱交換器において、多孔扁平チューブは上記の伝熱管に相当する。
特許文献1に記載の熱交換器では、多孔扁平チューブをヘッダ管にろう付けする際に、溶融したろう材の一部がヘッダ管の外部からチューブ挿入孔と多孔扁平チューブの間の隙間を通じてヘッダ管内に流入し、さらに多孔扁平チューブの端面まで流れ込み、多孔扁平チューブの端面に開口する熱媒体流通孔がろう材によって閉塞されるおそれがある。
特許文献2に開示された技術は、この問題を解決することを目的とするものであって、チューブ(伝熱管)の端部側の外周面にチューブの幅方向に延びる溝を設けたことを特徴としている。
特許文献2に開示された技術によれば、チューブの外周面にろう材流れが生じた場合でも、チューブの外周面に設けた溝にろう材を滞留させることによって、チューブの先端側へのろう材の流れを阻止または抑制することができる。そのため、ろう材がチューブの端面まで流れ込んで熱媒体流通孔を閉塞させることがなく、熱媒体流通孔のろう材詰まりを効果的に防止することができる。
しかしながら、特許文献2に開示された技術においては、溝の深さが伝熱管の肉厚によって、制約されると言う問題がある。そのため、伝熱管の肉厚が薄い場合にはろう材を滞留させるのに必要な溝の深さを得られない。また、必要な溝の深さを得るために、伝熱管の肉厚を厚くすると、伝熱管の内外面間の伝熱抵抗が増加し、伝熱管の伝熱性能が低下してしまう。また、特許文献2に開示された技術においては、伝熱管の断面形状が扁平なものに限定されると言う問題がある。
本開示は、このような背景に基づいてなされたものであり、ろう材の流入による伝熱管の詰まりを効果的に抑制できるとともに、伝熱管の断面形状と肉厚の制約が小さいヘッダ管、ヘッダ管を備える熱交換器、及びヘッダ管の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示に係るヘッダ管は、熱交換器の上流端あるいは下流端に配置されて、伝熱管がろう付けによって接合されるとともに、挿管穴と堰き止め部材とを備えるものである。挿管穴には、伝熱管の端部が挿入される。堰き止め部材は、ヘッダ管をヘッダ管の長手方向に直交する平面で切断した断面形において、ヘッダ管の内面から、ヘッダ管の内部に突出する伝熱管に向かって隆起する。そして、堰き止め部材は、挿管穴との間に、伝熱管をヘッダ管にろう付けする際に挿管穴と伝熱管の間の隙間から漏れて、ヘッダ管の内部に流入するろう材を滞留させる溶融池を形成する。
本開示に係るヘッダ管は、挿管穴と堰き止め部材の間に溶融池が形成されているので、挿管穴と伝熱管の間の隙間からろう材が漏れて、ヘッダ管の内部に流入しても、流入したろう材は溶融池内に滞留して、そこで固化する。そのため、ヘッダ管の内部に流入したろう材が伝熱管の端面に流れて、伝熱管の端面を塞ぐことがない。その結果、本開示によれば、ヘッダ管の内部に流入したろう材による伝熱管の詰まりが効果的に抑制される。
以下、本開示の実施の形態に係るヘッダ管、熱交換器及びヘッダ管の製造方法を、図1〜図11を参照して詳細に説明する。なお、各図面においては、同一または同等の部分に同一の符号を付している。
(第1の実施の形態)
図1(A)は本開示の第1の実施形態に係る熱交換器1の平面図であり、図1(B)は熱交換器1の正面図である。図1(A),(B)に示すように、熱交換器1は、その上流端に金属製の入口側ヘッダ管2を、その下流端に金属製の出口側ヘッダ管3を備えている。そして、入口側ヘッダ管2と出口側ヘッダ管3の間には、複数本の金属製の伝熱管4が配列されていて、両者の間を連絡している。
図1(A)は本開示の第1の実施形態に係る熱交換器1の平面図であり、図1(B)は熱交換器1の正面図である。図1(A),(B)に示すように、熱交換器1は、その上流端に金属製の入口側ヘッダ管2を、その下流端に金属製の出口側ヘッダ管3を備えている。そして、入口側ヘッダ管2と出口側ヘッダ管3の間には、複数本の金属製の伝熱管4が配列されていて、両者の間を連絡している。
入口側ヘッダ管2は、図示しない外部機器から図示しない管路を通って流入する熱交換前の熱媒体を受け入れる管状の容器である。出口側ヘッダ管3は、熱交換後の熱媒体を図示しない外部機器に向けて流出させる管状の容器である。
入口側ヘッダ管2に流入した熱媒体は、複数本の伝熱管4のそれぞれに分配されて、伝熱管4を通って出口側ヘッダ管3に流れる。そして、熱媒体が伝熱管4の中を流れる間に、熱媒体と大気との間で熱交換がなされる。すなわち、熱媒体が大気より高温である場合には、熱媒体が担持する熱が大気中に放出され、熱媒体の温度が低下する。熱媒体が大気より低温である場合には、大気が担持する熱が熱媒体に吸収されて、熱媒体の温度が上昇する。熱交換を終えた熱媒体は出口側ヘッダ管3に流入して、集約される。出口側ヘッダ管3に集約された熱媒体は、図示しない管路を通って図示しない外部機器に帰還する。
また、図1(A),(B)に示すように、熱交換器1は、複数枚の金属製のフィン板5を備えている。フィン板5は伝熱管4の配列と直交する方向に配列された板状の部材である。フィン板5のそれぞれには、全ての伝熱管4が貫通していて、フィン板5は伝熱管4にろう付けされている。そのため、伝熱管4とフィン板5の間では容易に熱が伝導する。そして、フィン板5を備えることによって、熱交換器1の大気に対する接触面積が大きくなるので、熱交換器1は効率良く熱交換を行うことができる。
図2は、入口側ヘッダ管2と複数本の伝熱管4の接続状況を示す斜視図である。図3(A)は熱交換器1の図1(B)において円AAで示す範囲を拡大して示す拡大正面図である。図3(B)は入口側ヘッダ管2を図3(A)において、CC−CC’線で示す平面で切断して示す横断面図である。図3(C)は伝熱管4を図3(A)において、矢印BBで示す方向から視る矢視図である。
図2〜図3(B)に示すように、各伝熱管4の先端は入口側ヘッダ管2に挿入されて、入口側ヘッダ管2の中に突出している。また、図2及び図3(C)に示すように、伝熱管4は扁平な断面形を有し、伝熱管4の内部には複数の管路4aが形成されている。前述したように、入口側ヘッダ管2に流入した熱媒体は、管路4aを通って、出口側ヘッダ管3に流れる。
図2〜図3(B)に示すように、入口側ヘッダ管2には挿管穴6が形成されていて、伝熱管4の端部は挿管穴6を通って、入口側ヘッダ管2の内部に差し込まれる。また、入口側ヘッダ管2の内部の、図2と図3(B)において伝熱管4の下方にある部位には堰き止め部材7が配置されている。堰き止め部材7は入口側ヘッダ管2の内面から伝熱管4に向かって隆起する部材である。そして、図3(B)に示すように、入口側ヘッダ管2と伝熱管4と堰き止め部材7の間には溶融池8が形成されている。溶融池8は、入口側ヘッダ管2に伝熱管4をろう付けする際に、挿管穴6と伝熱管4の間の隙間から入口側ヘッダ管2の内部に流入するろう材の残渣9Bを貯留する空間である。なお、溶融池8の詳細な機能については後述する。
図3(B)に示すように、伝熱管4は、挿管穴6を通って、一端部が入口側ヘッダ管2に挿入された状態で、溶着金属9Aにより、入口側ヘッダ管2にろう付けされ、水密に固定されている。
次に、入口側ヘッダ管2と伝熱管4とをろう付けする方法を説明する。
入口側ヘッダ管2と伝熱管4とをろう付けする際には、まず、入口側ヘッダ管2に挿管穴6から伝熱管4の端部を規定長だけ挿入する。
入口側ヘッダ管2と伝熱管4とをろう付けする際には、まず、入口側ヘッダ管2に挿管穴6から伝熱管4の端部を規定長だけ挿入する。
次に、図4(A)に示す状態で、つまり、堰き止め部材7が伝熱管4の下方に位置する状態で、図示しない治具に固定する。
次に、図4(B)に示すように、伝熱管4と挿管穴6の境界部分に、ろう材9を配置する。
図4(B)に示す状態において、ろう材9に熱を加えて溶融させ、その後、ろう材9を冷却すると、入口側ヘッダ管2と伝熱管4が互いに交叉する部位の外側でろう材9が固化して、図3(B)に示すように、該部位において、溶着金属9Aが形成される。このとき、溶融したろう材9の一部は入口側ヘッダ管2と伝熱管4の間の隙間を通って、入口側ヘッダ管2の内部に流入する。入口側ヘッダ管2の内部に流入したろう材9は重力によって、入口側ヘッダ管2の内面に沿って伝熱管4の下方に流れる。伝熱管4の下方に流れたろう材9は堰き止め部材7によって堰き止められて、溶融池8の中に滞留する。溶融池8の中に滞留したろう材は、そこで固化して残渣9Bを形成する。
このように、本実施の形態に係る熱交換器1においては、伝熱管4を入口側ヘッダ管2にろう付けする際に、伝熱管4の間の隙間を通って入口側ヘッダ管2の内部に流入したろう材9を溶融池8の中に滞留させて、そこで固化させることができる。その結果、入口側ヘッダ管2の内部に流入したろう材9が伝熱管4の先端4bに到達して、伝熱管4を塞ぐことを抑制あるいは防止することができる。
図3(B)及び図4では、伝熱管4の中心軸を入口側ヘッダ管2の中心軸に交差させて、伝熱管4を入口側ヘッダ管2に固定した。しかしながら、この開示は、これには限定されない。例えば、図5に示すように、伝熱管4の中心軸を入口側ヘッダ管2の中心軸に対してオフセットさせて、伝熱管4を入口側ヘッダ管2に固定してもよい。伝熱管4の位置をオフセットし、広い空間側に堰き止め部材7を配置することにより、堰き止め部材7を高くして、溶融池8の容積を大きくすることができる。また、溶融池8に溜まるろう材9の残渣9Bの液面から伝熱管4を遠ざけることができる。その結果、ろう材9による伝熱管4の詰まりがさらに抑制あるいは防止される。
(変形例)
図6(A)及び図6(B)は、図3(B)に倣った断面図であって、第1及び第2の変形例に係る熱交換器1の構成を示す図である。
図6(A)及び図6(B)は、図3(B)に倣った断面図であって、第1及び第2の変形例に係る熱交換器1の構成を示す図である。
第1の変形例に係る入口側ヘッダ管2は、図6(A)に示すように、伝熱管4の両側に堰き止め部材7を備える。このように、伝熱管4の両側に堰き止め部材7を備えれば、必要に応じて、熱交換器1の上下を反転させて、ろう付作業を行うことができる。また、熱交換器1をろう付用の治具に取り付ける際に、熱交換器1の上下を確認する必要がないので、取り付け作業が容易になる。
また、伝熱管4の両側に堰き止め部材7を配置すれば、入口側ヘッダ管2の断面形において、乱流発生の原因となる凹凸が少なくなるので、入口側ヘッダ管2内の流路抵抗が減少する。そのため、熱媒体を循環させるポンプに必要な動力を小さくすることができる。
図6(B)に示すように、第2の変形例に係る熱交換器1は、堰き止め部材7の外側の側面、つまり、堰き止め部材7の挿管穴6から遠い側の側面を、伝熱管4の先端4bに揃えていることを特徴としている。このように、堰き止め部材7の挿管穴6から遠い側の側面を、伝熱管4の先端4bに揃えれば、伝熱管4と挿管穴6の間を通って入口側ヘッダ管2に流入するろう材の保持に必要な溶融池8の容積を確保しながら、入口側ヘッダ管2への伝熱管4の突出量を小さくすることができる。その結果、入口側ヘッダ管2内の流路抵抗を更に減少させることができる。
(堰き止め部材の高さ)
なお、堰き止め部材7の高さは特に限定されない。伝熱管4と挿管穴6の間を通って入口側ヘッダ管2に流入するろう材を滞留させるのに必要な溶融池8の容積に応じて、堰き止め部材7の高さを決定すれば良い。また、入口側ヘッダ管2へ流入するろう材の量が同じであれば、堰き止め部材7に必要とされる高さは堰き止め部材7の位置によって変化する。堰き止め部材7が挿管穴6から近い位置にあるときには、必要な容積を確保するために、堰き止め部材7の高さを高くする必要がある。一方、堰き止め部材7が挿管穴6から遠い位置にあるときには、堰き止め部材7の高さを低くすることができる。
なお、堰き止め部材7の高さは特に限定されない。伝熱管4と挿管穴6の間を通って入口側ヘッダ管2に流入するろう材を滞留させるのに必要な溶融池8の容積に応じて、堰き止め部材7の高さを決定すれば良い。また、入口側ヘッダ管2へ流入するろう材の量が同じであれば、堰き止め部材7に必要とされる高さは堰き止め部材7の位置によって変化する。堰き止め部材7が挿管穴6から近い位置にあるときには、必要な容積を確保するために、堰き止め部材7の高さを高くする必要がある。一方、堰き止め部材7が挿管穴6から遠い位置にあるときには、堰き止め部材7の高さを低くすることができる。
(堰き止め部材と伝熱管の間の隙間)
図6(A)及び図6(B)に示した堰き止め部材7と伝熱管4の隙間Gの大きさは任意に選択できる。隙間Gの大きさを適切に設定すれば、伝熱管4が堰き止め部材7に接触しないので、伝熱管4の入口側ヘッダ管2への取り付けが容易になる。隙間Gの大きさを0にして、伝熱管4が堰き止め部材7に当接させれば、伝熱管4が堰き止め部材7によって支持されるので、伝熱管4を入口側ヘッダ管2にろう付けする際の傾きの発生が抑制される。
図6(A)及び図6(B)に示した堰き止め部材7と伝熱管4の隙間Gの大きさは任意に選択できる。隙間Gの大きさを適切に設定すれば、伝熱管4が堰き止め部材7に接触しないので、伝熱管4の入口側ヘッダ管2への取り付けが容易になる。隙間Gの大きさを0にして、伝熱管4が堰き止め部材7に当接させれば、伝熱管4が堰き止め部材7によって支持されるので、伝熱管4を入口側ヘッダ管2にろう付けする際の傾きの発生が抑制される。
(ヘッダ管の製造方法)
図7及び図8(A)〜(C)は、図6(A)に記載の入口側ヘッダ管2の製造方法の第1の例を示す図である。
図7及び図8(A)〜(C)は、図6(A)に記載の入口側ヘッダ管2の製造方法の第1の例を示す図である。
本例に係る製造方法においては、まず、図7と図8(A)に示すように、第1の加工工程において、金属板に曲げ加工を施して、「C」字形の断面形を有するとともに、当該「C」字形の断面形の両端に堰き止め部材7となる部位を備える本体部10を製造する。なお、「C」字形の断面形の成形と堰き止め部材7となる部位の成形は同時に行っても良いし、順次行っても良い。先に、堰き止め部材7となる部位の成形を行って、その後に「C」字形の断面形の成形を行っても良いし、先に、「C」字形の断面形の成形を行って、その後に堰き止め部材7となる部位の成形を行っても良い。
次に、図7と図8(B)に示すように、第2の加工工程において、別の金属板に曲げ加工と穴あけ加工を施して、「C」字形の断面形を有するとともに、挿管穴6が穿設された蓋部11を製造する。なお「C」字形の断面形の成形と挿管穴6の穿設は同時に行っても良いし、順次、行っても良い。先に、「C」字形の断面形の成形を行って、その後に挿管穴6を穿設しても良いし、先に、挿管穴6を穿設して、その後に「C」字形の断面形の成形を行っても良い。
最後に、図8(C)に示すように、第3の加工工程において、第1の加工工程を経た本体部10と、第2の加工工程を経た蓋部11とを互いに接合し、さらに、本体部10と蓋部11の上下端に図示しない鏡板を接合して上下端を閉塞すれば、挿管穴6と堰き止め部材7とを備える入口側ヘッダ管2が完成する。
上記においては、本体部10に堰き止め部材7となる部位を形成する例を示したが、堰き止め部材7となる部位を蓋部11に形成しても良い。すなわち、図9と図10(A)に示すように、第1の加工工程において、金属板に曲げ加工を施して、「C」字形の断面形を有する本体部10を製造し、図9及び図10(B)に示すように、第2の加工工程において、別の金属板に曲げ加工と穴あけ加工を施して、「C」字形の断面形と、堰き止め部材7となる部位と挿管穴6とを備える蓋部11を製造しても良い。なお、第2の加工工程における、「C」字形の断面形の成形と堰き止め部材7となる部位の成形は同時に行っても良いし、順次行っても良い。
そして、その後に、図10(C)に示すように、第3の加工工程において、第1の加工工程を経た本体部10と、第2の加工工程を経た蓋部11とを互いに接合し、さらに、本体部10と蓋部11の上下端に図示しない鏡板を接合して上下端を閉塞すれば、挿管穴6と堰き止め部材7とを備える入口側ヘッダ管2が完成する。
上記の2例においては、本体部10と蓋部11を別々に製造し、加工を行い、その後に本体部10と蓋部11を接合して、入口側ヘッダ管2を完成させる例を示したが、入口側ヘッダ管2の製造方法はこのようなものには限定されない。図11(A)に示すように、押し出し成形によって、円筒状の本体部10と堰き止め部材7を一体成形して、その後に、本体部10に挿管穴6を穿設して、図11(B)に示すような、挿管穴6と堰き止め部材7とを備える入口側ヘッダ管2を完成させても良い。
なお、上記においては、入口側ヘッダ管2を中心に説明してきたが、出口側ヘッダ管3も入口側ヘッダ管2と同様の機械的構成を備え、同様の工程で伝熱管4とろう付けされ、同様の方法で製造可能である。すなわち、出口側ヘッダ管3も堰き止め部材7を備えていて、挿管穴6と堰き止め部材7の間に溶融池8が形成されている。ただし、熱交換器1において、入口側ヘッダ管2と出口側ヘッダ管3とが同一の構成である必要はない。
(第2の実施の形態)
図12(A),(B)は、本開示の第2の実施の形態に係る熱交換器1の構成を示す外形図であって、図12(A)は熱交換器1の平面図であり、図12(B)は熱交換器1の正面図である。
図12(A),(B)は、本開示の第2の実施の形態に係る熱交換器1の構成を示す外形図であって、図12(A)は熱交換器1の平面図であり、図12(B)は熱交換器1の正面図である。
上記の第1の実施の形態においては、左右に離隔して配置された入口側ヘッダ管2と出口側ヘッダ管3の間に、直線状の伝熱管4を配置した熱交換器1を示したが、熱交換器1はこのようなものには限定されない。第2の実施の形態に係る熱交換器1は、入口側ヘッダ管2と出口側ヘッダ管3が、熱交換器1の左右のいずれか一方の側に配置されていることを特徴としている。
すなわち、第2の実施の形態に係る熱交換器1において、入口側ヘッダ管2と出口側ヘッダ管3は、図12(A),(B)に示すように、いずれも、熱交換器1の左側に配置されている。また、熱交換器1が備える伝熱管4は2本ずつ組にされている。組を構成する伝熱管4は熱交換器1の右端においてU字管12を介して接続されて、全体として、ヘアピン状の管路を構成している。そして、ヘアピン状の管路の一方端は、入口側ヘッダ管2に接続され、他方端は出口側ヘッダ管3に接続されている。そのため、入口側ヘッダ管2から伝熱管4に流入した図示しない熱媒体は、U字管12を通って、別の伝熱管4に流入する。別の伝熱管4に流入した熱媒体は、出口側ヘッダ管3に流入する。
以上、説明したように、上記の実施の形態と変形例に係る熱交換器1においては、入口側ヘッダ管2と出口側ヘッダ管3の内部に、入口側ヘッダ管2あるいは出口側ヘッダ管3の内面から伝熱管4に向かって隆起する堰き止め部材7を備えている。そして堰き止め部材7を備えることによって、挿管穴6と堰き止め部材7の間に溶融池8が形成される。そのため、伝熱管4を入口側ヘッダ管2あるいは出口側ヘッダ管3にろう付けする際に、入口側ヘッダ管2と伝熱管4の間の隙間を通って入口側ヘッダ管2あるいは出口側ヘッダ管3の内部にろう材が流入しても、流入したろう材は溶融池8の中に滞留されて、そこで固化される。その結果、入口側ヘッダ管2あるいは出口側ヘッダ管3の内部に流入したろう材が伝熱管4の先端4bに到達して、伝熱管4を塞ぐことを抑制あるいは防止することができる。
なお、上記の実施の形態と変形例に係る熱交換器1においては、伝熱管4の寸法と形状は制限されない。そのため、伝熱管4の寸法と形状を自由に設計できる。
また、本開示の技術的範囲は、上記の実施の形態と変形例によっては制限されない。本開示は特許請求の範囲に記載の技術的思想の限りにおいて、自由に、応用、変形、あるいは改良して実施することができる。
上記の実施の形態と変形例においては、入口側ヘッダ管2と出口側ヘッダ管3の両方に堰き止め部材7を備えて、挿管穴6と堰き止め部材7の間に溶融池8が形成される例を示した。しかしながら、熱交換器1は、入口側ヘッダ管2あるいは出口側ヘッダ管3のいずれか一方に、堰き止め部材7を備えて、挿管穴6と堰き止め部材7の間に溶融池8が形成されるものであっても良い。
上記の実施の形態と変形例においては、入口側ヘッダ管2と出口側ヘッダ管3が、円管状の断面形を備える例を示したが、入口側ヘッダ管2と出口側ヘッダ管3の断面形は、円管状のものには限定されない。入口側ヘッダ管2と出口側ヘッダ管3の断面形は角管形であっても良いし、その他の形状であっても良い。
堰き止め部材7は、挿管穴6と堰き止め部材7との間に溶融池8を形成できるものであれば十分であり、堰き止め部材7の形状は各図面に図示されたものには限定されない。堰き止め部材7が、挿管穴6と堰き止め部材7との間に溶融池8を形成できるものである限りにおいて、堰き止め部材7の形状は任意に変更できる。
上記の実施の形態と変形例においては、伝熱管4が扁平な断面形と複数個の管路4aを有する例を示したが、伝熱管4は扁平な断面形を有するものには限定されない。伝熱管4の断面形と機械的構成は任意に選択できる。また、伝熱管4は単一の管路を有するものであっても良い。
上記の実施の形態と変形例において、入口側ヘッダ管2と出口側ヘッダ管3と伝熱管4の素材は、互いにろう付けが可能な素材であれば十分であり、特に限定されない。また、入口側ヘッダ管2と出口側ヘッダ管3と伝熱管4は、基材の表面をろう材で被覆したクラッド材で構成されても良い。
熱交換器1の用途、及び熱交換器1が接続される外部装置の種類は限定されない。熱交換器1は放熱器として機能するものであっても良いし、吸熱器として機能するものであっても良い。また、熱媒体の種類も限定されない。
上記の実施の形態と変形例においては、熱交換器1がフィン板5を備える例を示したが、本開示においてフィン板5は任意の構成要素である。熱交換器1はフィン板5を備えないものであっても良い。また、フィン板5の形状と機械的構成も任意に選択できる。上記の実施の形態と変形例においては、1枚のフィン板5に複数本の伝熱管4が貫通する例を示したが、フィン板5は伝熱管4が貫通しないものであっても良い。例えば図1(B)において、上下方向において隣接する2本の伝熱管4の間に複数枚のフィン板5が挿入されても良い。あるいは、上下方向において隣接する2本の伝熱管4の間にコルゲート状に折り曲げられたフィン板5が挿入されても良い。
また、上記の実施の形態と変形例において、入口側ヘッダ管2の及び出口側ヘッダ管3機械的構成と製造方法を例示したが、入口側ヘッダ管2及び出口側ヘッダ管3は、例示された機械的構成を備えるものには限定されない。入口側ヘッダ管2及び出口側ヘッダ管3は、例示された製造方法を経て製造されたものには限定されない。例えば、入口側ヘッダ管2は、本体部10と堰き止め部材7で構成して、本体部10に堰き止め部材7を接合して製造されるものであっても良い。また、入口側ヘッダ管2及び出口側ヘッダ管3は、ダイカスト加工によって製造されるものであっても良い。
また、先に入口側ヘッダ管2を完成させて、その後で、入口側ヘッダ管2に伝熱管4を取り付ける例を示したが、入口側ヘッダ管2の組立と伝熱管4を同時に行っても良い。例えば、本体部10と蓋部11を接合する前に蓋部11の挿管穴6に伝熱管4を挿入して、その後に蓋部11と本体部10を接合して、さらに、その後に伝熱管4を入口側ヘッダ管2にろう付けしても良い。
また、本体部10と蓋部11及び鏡板を相互に接合する手段は、両者を液密あるいは気密に接合で出来る手段であれば十分であり、特に限定されない。該手段は、ろう付け溶接であっても、各種の電気溶接であっても良い。
1 熱交換器、2 入口側ヘッダ管、3 出口側ヘッダ管、4 伝熱管、4a 管路、4b 先端、5 フィン板、6 挿管穴、7 堰き止め部材、8 溶融池、9 ろう材、9A 溶着金属、9B 残渣、10 本体部、11 蓋部、12 U字管、G 隙間。
Claims (9)
- 熱交換器の上流端あるいは下流端に配置されて、伝熱管がろう付けによって接合されるヘッダ管であって、
前記伝熱管の端部が挿入される挿管穴と、
前記ヘッダ管を前記ヘッダ管の長手方向に直交する平面で切断した断面形において、前記ヘッダ管の内面から、前記ヘッダ管の内部に突出する前記伝熱管に向かって隆起し、前記挿管穴との間に、前記伝熱管を前記ヘッダ管にろう付けする際に前記挿管穴と前記伝熱管の間の隙間から漏れて、前記ヘッダ管の内部に流入するろう材を滞留させる溶融池を形成する堰き止め部材と、
を備えるヘッダ管。 - 前記ヘッダ管を前記ヘッダ管の長手方向に直交する平面で切断した断面形において、
前記伝熱管の一方の側に、前記堰き止め部材を備える、
請求項1に記載のヘッダ管。 - 前記ヘッダ管を前記ヘッダ管の長手方向に直交する平面で切断した断面形において、
前記伝熱管を挟んで、前記伝熱管の両側に、それぞれ前記堰き止め部材を備える、
請求項1に記載のヘッダ管。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のヘッダ管と、
ろう付けによって、前記ヘッダ管に接合された前記伝熱管と、
を、備える熱交換器。 - 前記堰き止め部材の先端と前記伝熱管の前記ヘッダ管の内部に突出する部位の間に、間隙が形成されている、
請求項4に記載の熱交換器。 - 前記堰き止め部材の先端が、前記伝熱管の前記ヘッダ管の内部に突出する部位に当接している、
請求項4に記載の熱交換器。 - 「C」字形の断面形を有するとともに、前記「C」字形の断面形の端部に前記堰き止め部材となる部位を備える本体部を製造する第1の加工工程と、
「C」字形の断面形を有するとともに、前記挿管穴が穿設された蓋部を製造する第2の加工工程と、
前記第1の加工工程を経た前記本体部と前記第2の加工工程を経た前記蓋部を互いに接合する第3の加工工程とを有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のヘッダ管の製造方法。 - 「C」字形の断面形を有する本体部を製造する第1の加工工程と、
「C」字形の断面形を有するとともに、前記「C」字形の断面形の端部に前記堰き止め部材となる部位を備え、さらに前記挿管穴が穿設された蓋部を製造する第2の加工工程と、
前記第1の加工工程を経た前記本体部と前記第2の加工工程を経た前記蓋部を互いに接合する第3の加工工程とを有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のヘッダ管の製造方法。 - 押し出し成形によって、前記ヘッダ管の本体部と前記堰き止め部材を一体成形する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のヘッダ管の製造方法
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JP2020048042A JP2021148357A (ja) | 2020-03-18 | 2020-03-18 | ヘッダ管、熱交換器及びヘッダ管の製造方法 |
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JP (1) | JP2021148357A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023238696A1 (ja) * | 2022-06-09 | 2023-12-14 | 株式会社豊田自動織機 | 電池温調システム |
-
2020
- 2020-03-18 JP JP2020048042A patent/JP2021148357A/ja active Pending
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