JP2021147225A - エレベータの利用者検知システム - Google Patents
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Abstract
Description
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
図1は第1の実施形態に係るエレベータの利用者検知システムの構成を示す図である。なお、ここでは、1台の乗りかごを例にして説明するが、複数台の乗りかごでも同様の構成である。
乗りかご11の出入口にかごドア13が開閉自在に設けられている。図2の例では2枚戸両開きタイプのかごドア13が示されており、かごドア13を構成する2枚のドアパネル13a,13bが間口方向(水平方向)に沿って互いに逆方向に開閉動作する。なお、「間口」とは、乗りかご11の出入口と同じである。
図4は本システムにおける戸開時の利用者検知処理を示すフローチャートである。
上述したように、利用者検知処理は、検知エリアE1の中の画像の輝度変化から利用者の動きを検知する。この輝度変化は、画像上で利用者の背景となる乗場15の床面16の明るさによって異なる。
図7に示すように、乗場15の床面16が明るい色(例えば白)であったとする。ここに床面16と同じように明るい色の服を着た利用者P1が来た場合、カメラ12の撮影画像には利用者P1の服のしわなどが映るので、床面16と利用者P1とを区別できる。このような場合、利用者P1の動きに応じて輝度変化が生じ、その輝度変化から利用者P1を検知することができる。
通常運転は、利用者を乗りかご11に乗せて各階を移動する運転のことである。この通常運転の前に、乗りかご11を各階で無人で停止させ、乗場15の床面16の明るさに応じて感度設定を行う。このとき設定された検知感度は、例えば図1に示した記憶部21のテーブルTBに階床情報と関連付けられて登録される。通常運転に移行したときに、乗りかご11がかご呼びまたは乗場呼びに応答して任意の階に停止したときに、その停止した階に対応した検知感度をテーブルTBから読み出し、その検知感度を利用者検知処理に反映させる。
通常運転中において、乗りかご11が任意の階で停止して戸開したときに、乗場15の床面16の明るさに応じて感度設定を行う。ただし、乗りかご11がかご呼びの登録階で停止した場合には、乗りかご11から乗場15に降りた利用者が感度設定の邪魔になることがある。したがって、かご呼びの登録がないときに感度設定を行うことが好ましい。
感度設定処理は、画像処理装置20に備えられた検知部22の明るさ計測部22cと感度設定部22dを通じて以下のような手順で実行される。
・乗場15の床面16の全体あるいは一部
図10に示すように、乗場15の床面16の全体を計測エリアE11として設定するか、あるいは、床面16の一部を計測エリアE11として設定する。床面16の一部を計測エリアE11として設定する場合には、例えば三方枠17a,17bの近くなど、乗場15にいる利用者によって乗場15の床面16が隠れていない部分が好ましい。なお、撮影画像上で乗場15の床面16が映る領域や、三方枠17a,17bなどのエレベータ構造物が映る領域は、乗りかご11の各構成部の設計値(間口の幅,ドアの高さ等)とカメラ12の設置情報(位置・画角等)に基づいて求められる。これらの領域の座標情報に基づいて計測エリアE11が設定される。
検知エリアE1を計測エリアE11として用いても良い。検知エリアE1を計測エリアE11として用いた方が、計測エリアE11を別途設定する手間が省ける上に、利用者検知処理に直接関わる床面部分の明るさを計測できるといった利点がある。
・第2のレベル:黒に近い明るさであり、例えば輝度値「0〜49」の範囲を有する。
・第3のレベル:白と黒の間の中間色(グレー)に近い明るさであり、例えば輝度値「50〜199」の範囲を有する。
上述したような閾値を用いずに、例えば処理テーブルあるいは処理関数を用いて明るさを判定することでも良い。
例えば、記憶部21に図示せぬ処理テーブルが記憶されている。この処理テーブルには、輝度値に対する明るさのレベルが予め設定されている。具体的には、輝度値「200〜255」:第1のレベル,輝度値「50〜199」:第3のレベル,輝度値「0〜49」:第2のレベルといったように、輝度値と明るさレベルとが関連付けられている。したがって、計測エリアE11内の各画素の輝度値の平均値を入力値として上記処理テーブルを検索すれば、上記入力値に対応した明るさのレベルを出力値として得ることできる。
処理関数とは、計測エリアE11内の各画素の輝度値の平均値から明るさのレベルを算出するための関数式のことである。このような関数式を用いて、明るさのレベルを算出することでも良い。この関数式は、各画素の輝度値In(In: 計測エリア内)を入力とし、計測エリアE11内の画像の明るさを「白に近い」「黒に近い」「中間色(グレー)に近い」の3つのレベルに分類処理して出力する。分類処理として、機械学習を用いても良い。機械学習による分類処理として、例えばk−近傍法、決定木法、サポートベクターマシン(Support Vector Machine:SVM)、ディープラーニングなどの一般的な処理を用いれば良い。
撮影画像の輝度値を用いて乗場15の床面16の明るさを判定する場合に、撮影画像の輝度値を戸開時に1回だけでなく、連続的あるいは周期的(数秒間隔)に読み取ることが好ましい。利用者を避けて計測エリアE11を設定しても、かごドア13が戸開したときには利用者の乗り降りがあるため、1回だけの読み取りでは正確性に欠けるからである。連続的あるいは周期的(数秒間隔)に輝度値を読み取っていれば、利用者が乗場15からいなくなったときに輝度値が安定するので、その安定した輝度値を用いれば、床面16の明るさを正確に判定できる。
・明るさの計測値=輝度値
上述したように、撮影画像の各画素の輝度値を用いて床面16の実際の明るさを計測する。
別の方法として、撮影画像の輝度値に加え、カメラ12の設定情報である露光時間とゲインの少なくとも1つを用いて床面16の実際の明るさを計測することでも良い。「露光時間」は、カメラ12に備えられた撮像素子がレンズを通して露光される時間のことであり、撮影時におけるシャッターの開放時間に相当する。露光時間が長いほど、明るい画像が得られる。「ゲイン」は、カメラ12の出力値を増減するための係数である。ゲインの数値を上げれば、カメラ12の出力値も上がるので、明るい画像が得られる。
図中のAは第1のレベルの明るさに対する閾値、Bは第2のレベルの明るさに対する閾値、Cは第3のレベルの明るさに対する閾値を示す。閾値Aは検知感度a、閾値Bは検知感度b、閾値Cは検知感度cに対応している。閾値A,B,Cは、それぞれに乗場環境等を考慮して最適な値に設定されている。なお、閾値A,B,Cの具体的な数値についてはノウハウであるため、開示を省略する。
床面16の明るさが第1のレベルの範囲に含まれる場合には、図12に示すように、検知感度aとして閾値Aが用いられる。閾値Aは、輝度変化に対する判定基準として一般的に用いられる閾値である。図7で説明したように、例えば床面16が白色で明るい場合に、白い服を着た利用者P1であっても、服のしわなどで輝度変化が発生するため、閾値Aでも検知できる。図12の例では、時間t1−t2の間の輝度差が閾値A以上になっているので、この間に利用者の動きありとして判定されることになる。
床面16の明るさが第2のレベルの範囲に含まれる場合には、図13に示すように、検知感度bとして閾値Bが用いられる。閾値Bは、閾値Aよりも低く設定されている(B<A)。図8で説明したように、例えば床面16が黒色で暗い場合に、黒い服を着た利用者P2は床面16の黒色に隠れてしまい、大きな輝度変化が発生しない。そのため、輝度変化に対する閾値を閾値Aよりも下げておく必要がある。図13の例では、時間t3−t4の間の輝度差が閾値B以上になっているので、この間に利用者の動きありとして判定されることになる。
床面16の明るさが第3のレベルの範囲に含まれる場合には、図14に示すように、検知感度cとして閾値Cが設定される。閾値Cは、閾値Aよりも高く設定されている(C>A)。例えば床面16の色が中間値の明るさを有している場合には、利用者と影との区別がつきづらいため、利用者だけを正確に検知するために、輝度変化に対する閾値を上げておくことが好ましい。図14の例では、時間t5−t6の間の輝度差が閾値C以上になっているので、この間に利用者の動きありとして判定されることになる。
次に、第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態では、乗場15にいる利用者を検知する場合を想定して説明したが、第2の実施形態では、乗りかご11内の利用者を検知する場合を想定している。
図15は第2の実施形態における乗りかご11内に設定された検知エリアE2と計測エリアE21との関係を示す図である。
・乗りかご11の床面19の全体あるいは一部
図15に示すように、乗りかご11の床面19の全体を計測エリアE21として設定するか、あるいは、床面19の一部を計測エリアE21として設定する。床面19の一部を計測エリアE21と設定する場合には、例えばかごシル47の近く(つまり出入口付近)が好ましい。乗りかご11の中では利用者が出入口付近に乗車していることは少ないので、戸開する前に利用者に邪魔されずに床面19の明るさを計測できるからである。撮影画像上で乗りかご11の床面19が映る領域や、正面柱41a,41b、かごシル47などのエレベータ構造物が映る領域は、乗りかご11の各構成部の設計値(間口の幅,ドアの高さ等)とカメラ12の設置情報(位置・画角等)に基づいて求められる。これらの領域の座標情報に基づいて計測エリアE21が設定される。
検知エリアE2を計測エリアE21として用いても良い。検知エリアE2を計測エリアE21として用いた方が、計測エリアE21を設定する手間が省ける上に、利用者検知処理に直接関わる検知エリアE2内の床面19の明るさを計測できるといった利点がある。
・誤検知によるリオープンの抑制
戸閉動作中のときに、乗場15にいる利用者が検知された場合には、エレベータ制御装置30の戸開閉制御部31は、かごドア13の戸閉動作を禁止して、かごドア13を全開方向にリオープンして戸開状態を維持する。しかし、例えば撮影画像に影などが映り込んでいると、利用者と誤検知してリオープンを繰り返すことがある。
乗りかご11内で利用者を検知する場合も同様である。すなわち、かごドア13の戸開動作中に、かごドア13の近くにいる利用者が検知された場合には、かごドア13が全閉方向にリクローズする。これにより、利用者の手などが戸袋17a,17bに引き込まれことが防止される。しかし、かごドア13の近くに発生する影などが誤検知されて、リクローズが繰り返されることがある。
上記構成のエレベータの利用者検知システムにおいて、上記感度設定手段は、上記床面が上記利用者を検知不十分な明るさを有する場合には、上記検知感度を上げるように調整することを特徴とする。
Claims (11)
- 乗りかごに設置され、上記乗りかごのドア付近と乗場を撮影するカメラの画像から利用者を検知するエレベータの利用者検知システムにおいて、
上記カメラから得られる上記画像を用いて上記乗場および上記乗りかごの少なくとも一方の床面の明るさを計測する明るさ計測手段と、
この明るさ計測手段によって計測された上記床面の明るさに応じて、上記画像上で上記利用者を検知するときの検知感度を設定する感度設定手段と、
この感度設定手段によって設定された上記検知感度に基づいて、上記画像から上記床面に存在する利用者を検知する検知手段と、
この検知手段の検知結果に基づいて、上記乗りかごのドアの戸開閉動作を制御する戸開閉制御手段と
を具備したことを特徴とするエレベータの利用者検知システム。 - 上記感度設定手段は、
上記床面が上記利用者を検知不十分な明るさを有する場合には、上記検知感度を上げるように調整することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記感度設定手段は、
上記床面の明るさを第1のレベルと第2のレベルに分けて判定し、上記第1のレベルが上記第2のレベルよりも明るいとしたときに、
上記床面の明るさが上記第1のレベルの範囲に含まれる場合には上記検知感度を基準値と同じか、上記基準値よりも下げ、
上記床面の明るさが上記第2のレベルの範囲に含まれる場合に上記検知感度を上記基準値よりも上げることを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記感度設定手段は、
上記床面の明るさを第1のレベルと第2のレベルと第3のレベルに分けて判定し、上記各レベルの中で上記第1のレベルが最も明るく、上記第2のレベルが最も暗く、上記第3のレベルが上記第1のレベルと上記第2のレベルの間の明るさとしたときに、
上記床面の明るさが上記第1のレベルの範囲に含まれる場合には上記検知感度を基準値に設定し、
上記床面の明るさが上記第2のレベルの範囲に含まれる場合に上記検知感度を上記基準値よりも上げ、
上記床面の明るさが上記第3のレベルの範囲に含まれる場合には上記検知感度を上記基準値よりも下げることを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記感度設定手段は、
上記乗りかごのドアがリオープンまたはリクローズする頻度が高い場合に、上記明るさ計測手段の計測結果から得られる上記検知感度を下げるように調整することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記明るさ計測手段は、
上記床面に設定された計測エリア内の上記画像の輝度値に基づいて、上記床面の明るさを計測することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記計測エリアは、
上記床面の全体あるいは一部に設定されることを特徴とする請求項6記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記計測エリアは、
上記乗場の三方枠の近くに設定されることを特徴とする請求項6記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記計測エリアは、
上記乗りかごの出入口に設けられたシルに近い部分に設定されることを特徴とする請求項6記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記検知手段は、
上記床面に設定された検知エリア内の上記画像の輝度変化から利用者の動きを検知するものであり、
上記計測エリアとして上記検知エリアが用いられることを特徴とする請求項6記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記明るさ計測手段は、
上記乗りかごのドアが戸開したときに上記乗場の床面の明るさを計測し、
上記乗りかごのドアが戸閉したときに上記乗りかごの床面の明るさを計測することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
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