JP7009537B2 - エレベータの利用者検知システム - Google Patents
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Description
上記構成のエレベータの利用者検知システムにおいて、上記カメラ設定調整手段は、上記床面の明るさを第1のレベルと第2のレベルに分けて判定し、上記第1のレベルが上記第2のレベルよりも明るいとしたときに、上記床面の明るさが上記第1のレベルの範囲に含まれる場合には、上記設定情報に含まれる上記カメラの露光時間およびゲインの少なくとも1つを標準値より高くなるように調整して上記床面を明るく撮影することを特徴とする。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
図1は第1の実施形態に係るエレベータの利用者検知システムの構成を示す図である。なお、ここでは、1台の乗りかごを例にして説明するが、複数台の乗りかごでも同様の構成である。
乗りかご11の出入口にかごドア13が開閉自在に設けられている。図2の例では2枚戸両開きタイプのかごドア13が示されており、かごドア13を構成する2枚のドアパネル13a,13bが間口方向(水平方向)に沿って互いに逆方向に開閉動作する。なお、「間口」とは、乗りかご11の出入口と同じである。
図4は本システムにおける戸開時の利用者検知処理を示すフローチャートである。
上述したように、利用者検知処理は、検知エリアE1の中の画像の輝度変化から利用者の動きを検知する。ところが、例えば照明機器の光や日差しの光などの関係で、撮影画像に利用者やドアなどの影が映り込み、その影の動きが画像上で輝度変化として表れて、利用者として誤検知されることがある。特に、乗場15の床面16の色が明るい場合には撮影画像に影が強く映るため、誤検知の可能性が高くなる。
・乗場15の床面16が明るい場合
図7に示すように、乗場15の床面16が明るい色(例えば白)であった場合に、利用者P1の服の色に関係なく、カメラ12の撮影画像には利用者P1の影S1が強く表れる。このような場合には、カメラ12の設定情報を上げて、乗場15の床面16を明るく撮影する。つまり、明るく撮影するように、カメラ12に設定されている露光時間やゲインの数値を上げる。なお、露光時間やゲインの具体的な調整方法については後に説明する。
図9に示すように、乗場15の床面16が中間的な明るさの色(例えばグレー)であったとする。この場合、明るく撮影すると、利用者P1の影S1が強調される可能性がある。したがって、カメラ12の設定情報を下げて、乗場15の床面16を暗く撮影することが好ましい。つまり、カメラ12に設定されている露光時間やゲインの数値を下げて、暗く撮影する。これにより、図10に示すように、撮影画像に映り込んだ影S1と床面16とのコントラストが下がり、影S1の誤検知を防ぐことができる。
図11に示すように、乗場15の床面16が暗い色(例えば黒)であった場合には、利用者P1の影S1は床面16の色に紛れて表れないので、誤検知の可能性は低い。したがって、影S1の誤検知防止目的としては、必ずしもカメラ12の設定情報を調整する必要はない。
通常運転は、利用者を乗りかご11に乗せて各階を移動する運転のことである。この通常運転の前にカメラ設定調整処理を実行し、乗りかご11を各階に無人で停止させて、乗場15の床面16の明るさに応じてカメラ12の設定情報を調整する。調整後の設定情報は、例えば図1に示した記憶部21のテーブルTBに階床情報と関連付けられて登録される。通常運転に移行したときに、乗りかご11がかご呼びまたは乗場呼びに応答して任意の階に停止したときに、その停止した階に対応した設定情報をテーブルTBから読み出し、その設定情報に基づいてカメラ12の撮影動作を制御する。
通常運転中において、乗りかご11が任意の階で停止して戸開したときにカメラ設定調整処理を実行し、乗場15の床面16の明るさに応じてカメラ12の設定情報を調整する。ただし、乗りかご11がかご呼びの登録階で停止した場合には、乗りかご11から乗場15に降りた利用者が邪魔になることがある。したがって、かご呼びの登録がないときにカメラ設定調整処理を行うことが好ましい。
カメラ設定調整処理は、画像処理装置20に備えられた検知部22の明るさ計測部22cとカメラ設定調整部22dを通じて以下のような手順で実行される。
・乗場15の床面16の全体あるいは一部
図14に示すように、乗場15の床面16の全体を計測エリアE11として設定するか、あるいは、床面16の一部を計測エリアE11として設定する。床面16の一部を計測エリアE11として設定する場合には、例えば三方枠17a,17bの近くなど、乗場15にいる利用者によって乗場15の床面16が隠れていない部分が好ましい。撮影画像上で乗場15の床面16が映る領域や、三方枠17a,17bなどのエレベータ構造物が映る領域は、乗りかご11の各構成部の設計値(間口の幅,ドアの高さ等)とカメラ12の設置情報(位置・画角等)に基づいて求められる。これらの領域の座標情報に基づいて計測エリアE11が設定される。
検知エリアE1を計測エリアE11として用いも良い。検知エリアE1を計測エリアE11として用いた方が、計測エリアE11を別途設定する手間が省ける上に、利用者検知処理に直接関わる床面部分の明るさを計測できるといった利点がある。
・第2のレベル:黒に近い明るさであり、例えば輝度値「0~49」の範囲を有する。
・第3のレベル:白と黒の間の中間色(グレー)に近い明るさであり、例えば輝度値「50~199」の範囲を有する。
上述したような閾値を用いずに、例えば処理テーブルあるいは処理関数を用いて明るさを判定することでも良い。
例えば、記憶部21に、処理テーブル23が記憶されている。この処理テーブル23には、画像の輝度値に対する明るさのレベルが予め設定されている。具体的には、輝度値「200~255」:第1のレベル,輝度値「50~199」:第3のレベル,輝度値「0~49」:第2のレベルといったように、輝度値と明るさレベルとが関連付けられている。したがって、計測エリアE11内の各画素の輝度値の平均値を入力値として上記処理テーブル23を検索すれば、上記入力値に対応した明るさのレベルを出力値として得ることできる。
処理関数とは、計測エリアE11内の各画素の輝度値から明るさのレベルを算出するための関数式24のことであり、例えば記憶部21に記憶されている。この関数式24は、各画素の輝度値In(In: 計測エリア内)を入力とし、計測エリアE11内の画像の明るさを「白に近い」「黒に近い」「中間色(グレー)に近い」の3つのレベルに分類処理して出力する。分類処理として、機械学習を用いても良い。機械学習による分類処理として、例えばk-近傍法、決定木法、サポートベクターマシン(Support Vector Machine:SVM)、ディープラーニングなどの一般的な処理を用いれば良い。
撮影画像の輝度値を用いて乗場15の床面16の明るさを計測する場合に、撮影画像の輝度値を戸開時に1回だけでなく、連続的あるいは周期的(数秒間隔)に読み取ることが好ましい。利用者を避けて計測エリアE11を設定しても、かごドア13が戸開したときには利用者の乗り降りがあるため、1回だけの読み取りでは正確性に欠けるからである。連続的あるいは周期的(数秒間隔)に輝度値を読み取っていれば、利用者が乗場15からいなくなったときに輝度値が安定するので、その安定した輝度値を用いれば、床面16の明るさを正確に計測できる。
・明るさの計測値=輝度値
上述したように、撮影画像の輝度値を用いて床面16の実際の明るさを計測する。
別の方法として、撮影画像の輝度値に加え、カメラ12の設定情報に含まれ露光時間およびゲインの少なくとも1つを用いて床面16の実際の明るさを計測することでも良い。つまり、露光時間もゲインも輝度値に比例する値なので、上記式により露光時間とゲインの数値を加味した明るさの計測値を算出できる。例えば、床面16の色が白の場合に、露光時間とゲインの数値とが低く、輝度値は暗め(輝度値「100」など)に映ることもある。このような場合でも、露光時間およびゲインの少なくとも1つを加味することで、正しい明るさ計測値を算出することができる。
・プリセット方法
上述した方法は、床面16の明るさに応じて露光時間とゲインをプリセットされた目標値に調整する方法である。露光時間とゲインのうちのどちらか一方だけを目標値に調整することでも良い。つまり、露光時間を標準値に固定にして、ゲインを目標値に調整する。露光時間を標準値に固定することで被写体のブレを抑制することができる。あるいは、ゲインを標準値に固定にして、露光時間を目標値に調整することでも良い。ゲインを標準値に固定することで、ノイズを一定量に留めておくことができる。
床面16の明るさに応じて露光時間とゲインを目標値に調整する場合に、上述した処理テーブル23を用いても良い。処理テーブル23には、カメラ12の露光時間およびゲインの少なくとも1つに関し、床面16の明るさに対する目標値が定められる。「床面16の明るさ」は、画像の輝度値、あるいは、露光時間・ゲインを考慮した値(輝度値/(露光時間×ゲイン))などで表される。
床面16の明るさに応じて露光時間とゲインを目標値に調整する場合に、上述した関数式24を用いても良い。この関数式24に、カメラ12の露光時間およびゲインの少なくとも1つに関し、床面16の明るさに対する目標値を算出するための計算式を含ませる。上述したように、「床面16の明るさ」は、画像の輝度値、あるいは、露光時間・ゲインを考慮した値(輝度値/(露光時間×ゲイン))などで表される。
次に、第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態では、乗場15にいる利用者を検知する場合を想定して説明したが、第2の実施形態では、乗りかご11内の利用者を検知する場合を想定している。
図16は第2の実施形態における乗りかご11内に設定された検知エリアE2と計測エリアE21との関係を示す図である。
・乗りかご11の床面19の全体あるいは一部
図16に示すように、乗りかご11の床面19の全体を計測エリアE21として設定するか、あるいは、床面19の一部を計測エリアE21として設定する。床面19の一部を計測エリアE21と設定する場合には、例えばかごシル47の近く(つまり出入口付近)が好ましい。乗りかご11の中では利用者が出入口付近に乗車していることは少ないので、戸開する前に利用者に邪魔されずに床面19の明るさを計測できるからである。撮影画像上で乗りかご11の床面19が映る領域や、正面柱41a,41b、かごシル47などのエレベータ構造物が映る領域は、乗りかご11の各構成部の設計値(間口の幅,ドアの高さ等)とカメラ12の設置情報(位置・画角等)に基づいて求められる。これらの領域の座標情報に基づいて計測エリアE21が設定される。
検知エリアE2を計測エリアE21として用いても良い。検知エリアE2を計測エリアE21として用いた方が、計測エリアE21を設定する手間が省ける上に、利用者検知処理に直接関わる検知エリアE2内の床面19の明るさを計測できるといった利点がある。
Claims (13)
- 乗りかごに設置され、上記乗りかごのドア付近と乗場を撮影するカメラの画像から利用者を検知するエレベータの利用者検知システムにおいて、
上記カメラから得られる上記画像を用いて上記乗場および上記乗りかごの少なくとも一方の床面の明るさを計測する明るさ計測手段と、
この明るさ計測手段によって計測された上記床面の明るさに応じて、上記カメラの露光時間およびゲインの少なくとも1つを含む設定情報を調整するカメラ設定調整手段と
このカメラ設定調整手段によって調整された上記カメラの画像から上記床面に存在する利用者を検知する検知手段と、
この検知手段の検知結果に基づいて、上記乗りかごのドアの戸開閉動作を制御する戸開閉制御手段とを具備し、
上記カメラ設定調整手段は、
上記床面の明るさを第1のレベルと第2のレベルに分けて判定し、上記第1のレベルが上記第2のレベルよりも明るいとしたときに、
上記床面の明るさが上記第1のレベルの範囲に含まれる場合には、上記設定情報に含まれる上記カメラの露光時間およびゲインの少なくとも1つを標準値より高くなるように調整して上記床面を明るく撮影することを特徴とするエレベータの利用者検知システム。 - 上記カメラ設定調整手段は、
上記床面の明るさを上記第1のレベルと上記第2のレベルとの中間である第3のレベルを含めて判定し、
上記床面の明るさが上記第3のレベルの範囲に含まれる場合には、上記設定情報に含まれる上記カメラの露光時間およびゲインの少なくとも1つを上記標準値より低くなるように調整して上記床面を暗く撮影することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記カメラ設定調整手段は、
上記床面の明るさを上記第2のレベルの範囲に含まれる場合には、上記設定情報に含まれる上記カメラの露光時間およびゲインの少なくとも1つを上記標準値より高くなるように調整して上記床面を明るく撮影することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記カメラ設定調整手段は、
上記カメラの露光時間およびゲインの少なくとも1つに関し、上記床面の明るさに対する目標値が定められたテーブルを有し、
上記明るさ計測手段の計測結果として得られる上記床面の明るさを入力値として上記テーブルを検索することにより、上記床面の明るさに対応した上記目標値を取得して、上記カメラの露光時間およびゲインの少なくとも1つを上記目標値に調整することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記カメラ設定調整手段は、
上記カメラの露光時間およびゲインの少なくとも1つに関し、上記床面の明るさに対する目標値を算出するための関数式を有し、
上記明るさ計測手段の計測結果として得られる上記床面の明るさを入力値として上記関数式に代入することで、上記床面の明るさに対応した上記目標値を取得して、上記カメラの露光時間およびゲインの少なくとも1つを上記目標値に調整することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記明るさ計測手段は、
上記床面に設定された計測エリア内の上記画像の輝度値に基づいて、上記床面の明るさを計測することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記明るさ計測手段は、
上記設定情報に含まれる上記露光時間および上記ゲインの少なくとも1つを加味して上記床面の明るさを計測することを特徴とする請求項6記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記計測エリアは、
上記乗りかごの各構成部の設計値と上記カメラの設置情報とに基づいて、上記画像の上記床面が映る領域に設定されることを特徴とする請求項6記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記計測エリアは、
上記床面の全体あるいは一部に設定されることを特徴とする請求項6記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記計測エリアは、
上記乗場の三方枠の近くに設定されることを特徴とする請求項6記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記計測エリアは、
上記乗りかごの出入口に設けられたシルに近い部分に設定されることを特徴とする請求項6記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記検知手段は、
上記床面に設定された検知エリア内の上記画像の輝度変化から利用者の動きを検知するものであり、
上記計測エリアとして上記検知エリアが用いられることを特徴とする請求項6記載のエレベータの利用者検知システム。 - 上記明るさ計測手段は、
上記乗りかごのドアが戸開したときに上記乗場の床面の明るさを計測し、上記乗りかごのドアが戸閉したときに上記乗りかごの床面の明るさを計測することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
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