JP6985443B2 - エレベータの利用者検知システム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、エレベータの利用者検知システムに関する。
通常、エレベータの乗りかごが乗場に到着して戸開すると、所定時間経過後に戸閉して出発する。その際、エレベータの利用者は乗りかごがいつ戸閉するのか分からないため、乗場から乗りかごに乗車するときに戸閉途中のドアにぶつかることがある。このような乗車時のドアの衝突を回避するため、カメラの撮影画像を用いて乗りかごに乗車する利用者を検知し、その検知結果をドアの開閉制御に反映させるシステムがある。
特許第6092433号公報
上述したシステムでは、利用者の動きによって画像の輝度変化が生じることを利用して、利用者の有無を判断している。ところが、利用者の影などが画像に映り込んでいると、その影の動きを利用者と誤検知することがある。影の誤検知は、輝度変化に対する閾値を変更することで対処できる。つまり、輝度変化に対する閾値を上げておけば、影の動きによる小さな輝度変化を利用者と誤検知することを防げる。
一方、閾値を上げると、背景である床面の明るさによっては、利用者を検知できない状況が生じることがある。例えば、床面が暗く、利用者と床面とのコントラストが低いような場合である。このような場合に閾値を上げると、影の誤検知は抑制できても、本来の検知対象である利用者を検知できなくなる。
本発明が解決しようとする課題は、環境に応じて利用者の未検知または影の誤検知を効果的に抑制することのできるエレベータの利用者検知システムを提供することである。
一実施形態に係るエレベータの利用者検知システムは、乗りかごに設置され、上記乗りかごのドア付近および乗場を撮影するカメラの画像から利用者を検知する。上記エレベータの利用者検知システムは、輝度計測手段と、切り替える処理切替手段と、検知手段と、戸開閉制御手段とを備える。
上記輝度計測手段は、上記カメラによって撮影された上記画像の輝度値を計測する。上記処理切替手段は、上記輝度計測手段によって計測された上記画像の輝度値に基づいて上記利用者の未検知を抑制する第1の処理手段と、上記画像の輝度値に基づいて上記画像に移り映り込んだ影の誤検知を抑制する第2の処理手段とを切り替える。上記検知手段は、上記第1の処理手段または上記第2の処理手段によって得られた上記画像を用いて上記利用者を検知する。上記戸開閉制御手段は、上記検知手段の検知結果に基づいて、上記乗りかごのドアの戸開閉動作を制御する。
図1は第1の実施形態に係るエレベータの利用者検知システムの構成を示す図である。 図2は同実施形態における乗りかご内の出入口周辺部分の構成を示す図である。 図3は同実施形態におけるカメラの撮影画像の一例を示す図である。 図4は同実施形態における利用者検知システムの戸開時の利用者検知処理を示すフローチャートである。 図5は同実施形態における実空間での座標系を説明するための図である。 図6は同実施形態における撮影画像をブロック単位で区切った状態を示す図である。 図7は同実施形態における乗場の床面が明るい場合の撮影画像の一例を示す図である。 図8は同実施形態における乗場の床面が暗い場合の撮影画像の一例を示す図である。 図9は同実施形態における床面が明るい場合に露光調整と輝度補正を行った場合の検証結果の一例を示す図である。 図10は同実施形態における床面が暗い場合に露光調整と輝度補正を行った場合の検証結果の一例を示す図である。 図11は上記図9の検証結果を整理した図である。 図12は上記図10の検証結果を整理した図である。 図13は上記図11の検証結果を「未検知抑制」の効果を基準にして整理した図である。 図14は上記図12の検証結果を「未検知抑制」の効果を基準にして整理した図である。 図15は同実施形態における利用者検知システムの未検知抑制/誤検知抑制の処理動作を示すフローチャートである。 図16は同実施形態における計測エリアの設定方法を説明するための図である。 図17は同実施形態における床面の明るさレベルを説明するための図である。 図18は変形例1におけるリオープン/強制戸開管理テーブルの一例を示す図である。 図19は変形例1における未検知抑制/誤検知抑制の切替え処理を示すフローチャートである。 図20は第2の実施形態における乗りかご内に設定された検知エリアと計測エリアとの関係を示す図である。 図21は変形例2におけるリクローズ/強制戸閉管理テーブルの一例を示す図である。 図22は変形例2における未検知抑制/誤検知抑制の切替え処理を示すフローチャートである。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るエレベータの利用者検知システムの構成を示す図である。なお、ここでは、1台の乗りかごを例にして説明するが、複数台の乗りかごでも同様の構成である。
乗りかご11の出入口上部にカメラ12が設置されている。具体的には、カメラ12は、乗りかご11の出入口上部を覆う幕板11aの中にレンズ部分を直下方向、もしくは、乗場15側あるいは乗りかご11内部側に所定の角度だけ傾けて設置される。
カメラ12は、例えば車載カメラ等の小型の監視用カメラであり、広角レンズもしくは魚眼レンズを有し、1秒間に数コマ(例えば30コマ/秒)の画像を連続的に撮影可能である。カメラ12は、例えば乗りかご11が各階の乗場15に到着したときに起動され、かごドア13付近と乗場15を含めて撮影する。なお、カメラ12は、乗りかご11の運転時に常時動作中であっても良い。
このときの撮影範囲はL1+L2に調整されている(L1≫L2)。L1は乗場側の撮影範囲であり、かごドア13から乗場15に向けて所定の距離を有する。L2はかご側の撮影範囲であり、かごドア13からかご背面に向けて所定の距離を有する。なお、L1,L2は奥行き方向の範囲であり、幅方向(奥行き方向と直交する方向)の範囲については少なくとも乗りかご11の横幅より大きいものとする。
各階の乗場15において、乗りかご11の到着口には乗場ドア14が開閉自在に設置されている。乗場ドア14は、乗りかご11の到着時にかごドア13に係合して開閉動作する。なお、動力源(ドアモータ)は乗りかご11側にあり、乗場ドア14はかごドア13に追従して開閉するだけである。以下の説明においては、かごドア13を戸開している時には乗場ドア14も戸開しており、かごドア13が戸閉している時には乗場ドア14も戸閉しているものとする。
カメラ12によって連続的に撮影された各画像(映像)は、画像処理装置20によってリアルタイムに解析処理される。なお、図1では、便宜的に画像処理装置20を乗りかご11から取り出して示しているが、実際には、画像処理装置20はカメラ12と共に幕板11aの中に収納されている。
画像処理装置20には、記憶部21と検知部22とが備えられている。記憶部21は、例えばRAM等のメモリデバイスからなる。記憶部21は、カメラ12によって撮影された画像を逐次保存すると共に、検知部22の処理に必要なデータを一時的に保存しておくためのバッファエリアを有する。なお、記憶部21には、撮影画像に対する前処理として、歪み補正や拡大縮小、一部切り取り等の処理が施された画像が保存されるとしても良い。
検知部22は、例えばマイクロプロセッサからなり、カメラ12の撮影画像を用いてかごドア13付近にいる利用者を検知する。この検知部22を機能的に分けると、検知エリア設定部22a、検知処理部22b、輝度計測部22c、処理切替部22dで構成される。なお、これらは、ソフトウェアによって実現しても良いし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現しても良いし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現しても良い。
検知エリア設定部22aは、カメラ12から得られる撮影画像上に利用者を検知するための検知エリアを少なくとも1つ以上設定する。本実施形態では、乗場15にいる利用者を検知するための検知エリアE1が設定される。詳しくは、検知エリア設定部22aは、乗りかご11の出入口からシル18,47を含み、乗場15に向けて所定の距離L3を有する検知エリアE1を設定する(図3参照)。
検知処理部22bは、検知エリア設定部22aによって設定された検知エリアE1内の画像を用いて、乗場15に存在する利用者または物を検知する。なお、「物」とは、例えば利用者の衣服や荷物、さらに車椅子等の移動体を含む。以下の説明で、「利用者を検知」と言った場合に、「物」を含んでいるものとする。
輝度計測部22cは、カメラ12から得られる画像の輝度値を計測する。詳しくは、輝度計測部22cは、例えば乗場15の床面16を計測対象とし、画像の中の乗場15の床面16に対応した部分の輝度値を計測する。
処理切替部22dは、第1の処理部23と第2の処理部24とを切り替える。第1の処理部23と第2の処理部24は、撮影画像の輝度を目的別に調整するための処理部である。第1の処理部23は、輝度計測部22cによって計測された画像の輝度値に基づいて、利用者の未検知を抑制するための処理を実行する。第2の処理部24は、輝度計測部22cによって計測された画像の輝度値に基づいて、当該画像に映り込んだ影の誤検知を抑制するための処理を実行する。これらの処理の詳細については、後に図9および図10を用いて説明する。なお、画像処理装置20の一部あるいは全部の機能をエレベータ制御装置30に持たせることでも良い。
エレベータ制御装置30は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータからなる。エレベータ制御装置30は、乗りかご11の運転制御などを行う。また、エレベータ制御装置30は、戸開閉制御部31を備える。
戸開閉制御部31は、乗りかご11が乗場15に到着したときのかごドア13の戸開閉を制御する。詳しくは、戸開閉制御部31は、乗りかご11が乗場15に到着したときにかごドア13を戸開し、所定時間経過後に戸閉する。ただし、かごドア13の戸閉動作中のときに、検知処理部22bによって利用者が検知された場合には、戸開閉制御部31は、かごドア13の戸閉動作を禁止して、かごドア13を全開方向にリオープンして戸開状態を維持する。
図2は乗りかご11内の出入口周辺部分の構成を示す図である。
乗りかご11の出入口にかごドア13が開閉自在に設けられている。図2の例では2枚戸両開きタイプのかごドア13が示されており、かごドア13を構成する2枚のドアパネル13a,13bが間口方向(水平方向)に沿って互いに逆方向に開閉動作する。なお、「間口」とは、乗りかご11の出入口と同じである。
乗りかご11の出入口の両側に正面柱41a,41bが設けられており、幕板11aと共に乗りかご11の出入口を囲っている。「正面柱」は、出入口柱あるいは出入口枠とも言い、裏側にはかごドア13を収納するための戸袋が設けられているのが一般的である。図2の例では、かごドア13が戸開したときに、一方のドアパネル13aが正面柱41aの裏側に設けられた戸袋42aに収納され、他方のドアパネル13bが正面柱41bの裏側に設けられた戸袋42bに収納される。
正面柱41a,41bの一方あるいは両方に表示器43や、行先階ボタン44などが配設された操作盤45、スピーカ46が設置されている。図2の例では、正面柱41aにスピーカ46、正面柱41bに表示器43、操作盤45が設置されている。ここで、乗りかご11の出入口上部の幕板11aの中央部に、広角レンズを有するカメラ12が設置されている。
図3はカメラ12の撮影画像の一例を示す図である。上側は乗場15、下側は乗りかご11内である。図中の16は乗場15の床面、19は乗りかご11の床面を示している。E1は検知エリアを表している。
かごドア13は、かごシル47上を互いに逆方向に移動する2枚のドアパネル13a,13bを有する。乗場ドア14も同様であり、乗場シル18上を互いに逆方向に移動する2枚のドアパネル14a,14bを有する。乗場ドア14のドアパネル14a,14bは、かごドア13のドアパネル13a,13bと共に戸開閉方向に移動する。
カメラ12は乗りかご11の出入口上部に設置されている。したがって、乗りかご11が乗場15で戸開したときに、図1に示したように、乗場側の所定範囲(L1)とかご内の所定範囲(L2)が撮影される。このうち、乗場側の所定範囲(L1)に、乗りかご11に乗車する利用者を検知するための検知エリアE1が設定されている。
実空間において、検知エリアE1は、出入口(間口)の中心から乗場方向に向かってL3の距離を有する(L3≦乗場側の撮影範囲L1)。全開時における検知エリアE1の横幅W1は、出入口(間口)の横幅W0以上の距離に設定されている。検知エリアE1は、図3に斜線で示すように、シル18,47を含み、三方枠17a,17bの死角を除いて設定される。なお、検知エリアE1の横方向(X軸方向)のサイズは、かごドア13の開閉動作に合わせて変更される構成としても良い。また、検知エリアE1の縦方向(Y軸方向)のサイズについても、かごドア13の開閉動作に合わせて変更される構成としても良い。
以下に、本システムの動作について、(a)利用者検知処理、(b)未検知抑制/誤検知抑制の処理に分けて説明する。
(a)利用者検知処理
図4は本システムにおける戸開時の利用者検知処理を示すフローチャートである。
まず、初期設定として、画像処理装置20に備えられた検知部22の検知エリア設定部22aによって検知エリア設定処理が実行される(ステップS10)。この検知エリア設定処理は、例えばカメラ12を設置したとき、あるいは、カメラ12の設置位置を調整したときに、以下のようにして実行される。
すなわち、検知エリア設定部22aは、乗りかご11が全開した状態で、出入口から乗場15に向けて距離L3を有する検知エリアE1を設定する。図3に示したように、検知エリアE1は、シル18,47を含み、三方枠17a,17bの死角を除いて設定される。ここで、乗りかご11が全開した状態では、検知エリアE1の横方向(X軸方向)のサイズはW1であり、出入口(間口)の横幅W0以上の距離を有する。
ここで、乗りかご11が任意の階の乗場15に到着すると(ステップS11のYes)、エレベータ制御装置30は、かごドア13を戸開して乗りかご11に乗車する利用者を待つ(ステップS12)。
このとき、乗りかご11の出入口上部に設置されたカメラ12によって乗場側の所定範囲(L1)とかご内の所定範囲(L2)が所定のフレームレート(例えば30コマ/秒)で撮影される。画像処理装置20は、カメラ12で撮影された画像を時系列で取得し、これらの画像を記憶部21に逐次保存しながら(ステップS13)、以下のような利用者検知処理をリアルタイムで実行する(ステップS14)。なお、撮影画像に対する前処理として、歪み補正や、拡大縮小、画像の一部の切り取りなどを行っても良い。
利用者検知処理は、画像処理装置20に備えられた検知部22の検知処理部22bによって実行される。検知処理部22bは、カメラ12によって時系列で得られる複数の撮影画像から検知エリアE1内の画像を抽出することにより、これらの画像に基づいて利用者または物の有無を検知する。
具体的には、図5に示すように、カメラ12は、乗りかご11の出入口に設けられたかごドア13と水平の方向をX軸、かごドア13の中心から乗場15の方向(かごドア13に対して垂直の方向)をY軸、乗りかご11の高さ方向をZ軸とした画像を撮影する。このカメラ12によって撮影された各画像において、検知エリアE1の部分をブロック単位で比較することで、かごドア13の中心から乗場15の方向、つまりY軸方向に移動中の利用者の足元位置の動きを検知する。
図6に撮影画像を所定のブロック単位でマトリックス状に分割した例を示す。原画像を一辺Wblockの格子状に区切ったものを「ブロック」と呼ぶ。図6の例では、ブロックの縦横の長さが同じであるが、縦と横の長さが異なっていても良い。また、画像全域に渡ってブロックを均一な大きさとしても良いし、例えば画像上部ほど縦(Y軸方向)の長さを短くするなどの不均一な大きさにしても良い。
検知処理部22bは、記憶部21に保持された各画像を時系列順に1枚ずつ読み出し、これらの画像の平均輝度値をブロック毎に算出する。その際、初期値として最初の画像が入力されたときに算出されたブロック毎の平均輝度値を記憶部21内の図示せぬ第1のバッファエリアに保持しておくものとする。
2枚目以降の画像が得られると、検知処理部22bは、現在の画像のブロック毎の平均輝度値と上記第1のバッファエリアに保持された1つ前の画像のブロック毎の平均輝度値とを比較する。その結果、現在の画像の中で予め設定された閾値以上の輝度差を有するブロックが存在した場合には、検知処理部22bは、当該ブロックを動きありのブロックとして判定する。現在の画像に対する動きの有無を判定すると、検知処理部22bは、当該画像のブロック毎の平均輝度値を次の画像との比較用として上記第1のバッファエリアに保持する。以後同様にして、検知処理部22bは、各画像の輝度値を時系列順にブロック単位で比較しながら動きの有無を判定することを繰り返す。
検知処理部22bは、検知エリアE1内の画像に動きありのブロックがあるか否かをチェックする。その結果、検知エリアE1内の画像に動きありのブロックがあれば、検知処理部22bは、検知エリアE1内に利用者または物が存在するものと判断する。
このような方法により、かごドア13の戸開時に検知エリアE1内で利用者または物の存在が検知されると(ステップS15のYes)、画像処理装置20からエレベータ制御装置30に対して利用者検知信号が出力される。エレベータ制御装置30の戸開閉制御部31は、この利用者検知信号を受信することにより、かごドア13の戸閉動作を禁止して戸開状態を維持する(ステップS16)。
詳しくは、かごドア13が全開状態になると、戸開閉制御部31は戸開時間のカウント動作を開始し、所定の時間T(例えば1分)分をカウントした時点で戸閉を行う。この間に利用者が検知され、利用者検知信号が送られてくると、戸開閉制御部31はカウント動作を停止してカウント値をクリアする。これにより、上記時間Tの間、かごドア13の戸開状態が維持されることになる。
なお、この間に新たな利用者が検知されると、再度カウント値がクリアされ、上記時間Tの間、かごドア13の戸開状態が維持されることになる。ただし、上記時間Tの間に何度も利用者が来てしまうと、かごドア13をいつまでも戸閉できない状況が続いてしまうので、許容時間Tx(例えば3分)を設けておき、この許容時間Txを経過した場合にかごドア13を強制的に戸閉することが好ましい。
上記時間T分のカウント動作が終了すると、戸開閉制御部31はかごドア13を戸閉し、乗りかご11を目的階に向けて出発させる(ステップS17)。
なお、図4のフローチャートでは、かごドアの戸開時を想定して説明したが、戸閉時も同様であり、戸閉が開始されて全閉するまでの間(戸閉動作中)に検知エリアE1内で利用者または物が検知された場合に戸閉動作が一時中断される。
(b)未検知抑制/誤検知抑制
上述したように、利用者検知処理は、検知エリアE1の中の画像の輝度変化から利用者の動きを検知する。ところが、例えば照明機器の光や日差しの光などの関係で、撮影画像に利用者やドアなどの影が映り込み、その影の動きが画像上で輝度変化として表れて、利用者として誤検知されることがある。
例えば、図7に示すように、乗場15の床面16が明るい場合には、撮影画像に利用者P1の影S1が強く映るため、誤検知の可能性が高くなる。一方、図8に示すように、乗場15の床面16が暗い場合には、影S2を誤検知する可能性は低くなるが、利用者P2と床面16とのコントラストが下がるので、利用者P2を正しく検知できないことがある。
通常、輝度変化に対する閾値を上げることで影の誤検知を抑制でき、閾値を下げることで利用者の未検知を抑制できる。しかし、誤検知抑制の処理と未検知抑制の処理は相反する関係にあり、どちらか一方の処理を優先して閾値を決めておくしかない。
そこで、本実施形態では、閾値ではなく、露光調整(明露光/暗露光)と輝度補正(白飛ばし/黒つぶし)の技術を用いて、未検知抑制処理と誤検知抑制を実現する。
・露光調整(明露光/暗露光)
「露光調整」とは、カメラ12の露光時間を調整することである。「露光時間」は、カメラ12に備えられた撮像素子がレンズを通して露光される時間のことであり、撮影時におけるシャッターの開放時間に相当する。露光時間が長いほど、明るい画像が得られる。露光時間を長くして明るく撮影することを「明露光」と呼ぶ。露光時間を短くして暗く撮影することを「暗露光」と呼ぶ。
なお、「露光調整」とは別に、「ゲイン」を調整することでも、撮影画像の明るさを変えることができる。「ゲイン」は、カメラ12の出力値を増減するための係数である。ゲインの数値を上げれば、カメラ12の出力値も上がるので、明るい画像が得られる。ゲインの数値を下げれば、カメラ12の出力値も下がるので、暗い画像が得られる。露光時間およびゲインの両方を調整しても良いし、どちら一方を調整しても良い。ただし、ゲインを上げると、画像に含まれるノイズも増幅されるので、画質を考慮すると、露光時間を調整することが好ましい。また、露光時間が長すぎると、動く被写体がぶれて映るので、露光時間は予め定めた値以上にならないように制限することが好ましい。
・輝度補正(白飛ばし/黒つぶし)
「輝度補正」とは、画像の各画素の輝度値を高くする方向または下げる方向に補正する処理のことであり、下記のような白飛ばしの処理と黒つぶしの処理がある。上述した「露光調整」は画像全体の輝度値を変える方法であるのに対し、「輝度補正」は画像全体の輝度値を変えることもできるし、輝度値を部分的に変えることも可能である。つまり、「輝度補正」は、例えば撮影画像に映り込んだ影の領域だけを白飛ばし/黒つぶしできるといったメリットがある。なお、撮影画像上の影領域に対する部分的な輝度補正は、例えば各階で影の発生頻度が高い領域の座標を事前に取得しておくことで実現できる。
・白飛ばしの処理
画像の各画素の輝度値(0(黒)〜255(白))を上げる方向に補正する。その際、白に近い画素(例えば輝度値「220」)は最高値「255」になり、完全な白になる。これを「白飛び」または「白飛ばし」と言う。以下では、画像の各画素の輝度値を高くする方向の輝度補正のことを「白飛ばし」の処理と呼ぶ。
例えば、白の床(輝度値「255」もしくは「255」に近い高輝度値)に薄い影ができると、その影の輝度値は「230」前後である。ここで、影の部分の画素を白飛ばしすると、床と同じ輝度値「255」もしくは床の輝度値と近い高輝度値になって溶け込むので、画像上から影が消える。したがって、影の誤検知がなくなる。
なお、例えば利用者が白いズボン(輝度値「230」くらい)を履いていた場合に、白飛ばしすると、白いズボンが白い床に溶け込み、未検知になりやすくなる。ただし、ズボンが白くても、例えば靴が黒であり、ズボンにできたシワの輝度値が「200」くらいあれば、完全には白飛びしない。したがって、利用者については、部分的には検知できて、未検出にはならないことが多い。
白飛ばしの処理としては、一般的にはガンマ補正で明るく変換することが多い。例えば、ガンマ値γ=2.0(1.0より大きくすると明るくなる)に設定して、画素の色情報であるRGBの各値を下記のように変換する。なお、実際には、輝度値「0〜255」の範囲を、一旦、「0.0〜1.0」に正規化してからガンマ補正を行い、再度、輝度値「0〜255」の範囲に戻す処理を行う。
Figure 0006985443
もしくは、単純に下記のように変換しても良い。
R=min(R×1.5,255)
G=min(G×1.5,255)
B=min(B×1.5,255)
RGBの各値を1.5倍して明るくする。その際に、「255」を上限にして、小さい値を取ることで、変換後の輝度値を「0〜255」の範囲に抑える。
さらに単純に、下記のように変換しても良い。
R=min(R+30,255)
G=min(G+30,255)
B=min(B+30,5,255)
RGBの各値に一定値「30」を加算して明るくする。その際に、「255」を上限にして、小さい値を取ることで、変換後の輝度値を「0〜255」の範囲に抑える。
・黒つぶしの処理
画像の各画素の輝度値(0(黒)〜255(白))を下げる方向に補正する。その際、黒に近い画素(例えば輝度値「30」)は最低値「0」になり、完全な黒になる。これを「黒つぶれ」または「黒つぶし」と言う。以下では、画像の各画素の輝度値を低くする方向の輝度補正のことを「黒つぶし」の処理と呼ぶ。
例えば、黒の床(輝度値「30」)に薄い影ができると、その影の輝度値は「0」もしくは床の輝度値に近い低輝度値になる。ここで、影の部分の画素を黒つぶしすると、輝度値「0」もしくは床と十分に近い低輝度値になって溶け込むので、画像上から影が消える。したがって、影の誤検知がなくなる。
なお、例えば利用者が黒いズボン(輝度値「30」くらい)を履いていた場合に、黒つぶしすると、黒いズボンが黒い床に溶け込み、未検知になりやすくなる。ただし、ズボンが黒くても、例えば靴が灰色であり、ズボンのシワなどにできた反射部分の輝度値が「50」くらいあれば、完全には黒つぶれしない。したがって、利用者については、部分的には検知できて、未検出にはならないことが多い。
黒つぶしの処理としては、一般的にはガンマ補正で暗く変換することが多い。例えば、ガンマ値γ=0.5(1.0より小さくすると暗くなる)に設定して、画素の色情報であるRGBの各値を変換する。変換式については、上記白飛ばしの場合の同じである。
もしくは、単純に下記のように変換しても良い。
R=max(R×0.5,0)
G=max(G×0.5,0)
B=max(B×0.5,0)
RGBの各値を0.5倍して暗くする。その際に、「0」を下限にして、大きい値を取ることで、変換後の輝度値を「0〜255」の範囲に抑える。
さらに単純に、下記のように変換しても良い。
R=max(R−30,0)
G=max(G−30,0)
B=max(B−30,0)
RGBの各値から固定値「30」を減算して暗くする。その際に、「0」を下限にして、大きい値を取ることで、変換後の輝度値を「0〜255」の範囲に抑える。
以下に、上述した露光調整と輝度補正をどのような状況で用いることが最も効果的に未検知抑制あるいは誤検知抑制できるのかについて説明する。
図9は床面が明るい場合に露光調整と輝度補正を行った場合の検証結果の一例を示す図である。「正検知」の項目は、利用者の未検知抑止効果を表している。「〇」の記号は正検知可(未検知抑止効果あり)、「×」の記号は正検知不可(未検知抑止効果なし)、「△」の記号は正検知可の場合もあり、正検知不可の場合もあることを意味する。「影抑制」の項目は、影の誤検知抑制効果を表している。「〇」の記号は影抑制可(誤検知抑制効果あり)、「×」の記号は影抑制不可(誤検知抑制効果なし)、「△」の記号は影抑制可の場合もあり、影抑制不可の場合もあることを意味する。
元画像には、床面101、利用者の足部分102、影103が含まれている。床面101の色は白(例えば輝度値「255」)である。利用者の足部分102の色を白(例えば輝度値「255」)にしたAパターンの元画像、グレイ(例えば輝度値「128」)にしたBパターンの元画像、黒(例えば輝度値「0」)にしたCパターンの元画像を用意する。
これらの3パターンの元画像に対して、明露光あるいは白飛ばしの処理を施すと、影103が消えるので、誤検知を防げる。これは、影103の輝度値が床面101の輝度値と同程度になり、影103が床面101に溶け込むからである。利用者については、足部分102の色が白やグレイであった元画像(AパターンとBパターン)では、足部分102の輝度値が白の床面101に近づいてしまう。このため、利用者を検知できない可能性が高くなる。
一方、3パターンの元画像に対し、暗露光あるいは黒つぶしの処理を施すと、影103が強調されるので、誤検知の可能性が高くなる。利用者については、足部分102の色が白であった元画像(Aパターン)では、足部分102(特に輪郭部分)が強調されるので、検知しやくなる。また、足部分102の色がグレイや黒であった元画像(BパターンとCパターン)では、床面101が元々白であったので、暗露光あるいは黒つぶしの処理を行っても、床面101と足部分102とのコントラストを確保できる。したがって、利用者を検知することができる。
図10は床面が暗い場合に露光調整と輝度補正を行った場合の検証結果の一例を示す図である。図中の「正検知」,「影抑制」の各項目と、「〇」,「×」,「△」の各記号の説明は、図9と同様である。
元画像には、床面201、利用者の足部分202、影203が含まれている。床面201の色は黒(例えば輝度値「0」)である。利用者の足部分202の色を白(例えば輝度値「255」)にしたDパターンの元画像、グレイ(例えば輝度値「128」)にしたEパターンの元画像、黒(例えば輝度値「0」)にしたFパターンの元画像を用意する。
これらの元画像に対して、明露光あるいは白飛ばしを施すと、影203と床201の輝度差が強調されるので、誤検知しやすい。利用者については、足部分202の色が白であった元画像(Dパターン)では、元々、足部分202と床面201との間にコントラストが確保されていたので、明露光あるいは白飛ばしを行っても、利用者を検知することができる。足部分202の色がグレイや黒であった元画像(EパターンとFパターン)では、例えばズボンのしわなどの輝度によって、利用者を検知することができる。
一方、3パターンの元画像に対し、暗露光あるいは黒つぶしすると、影203が消えるので、誤検知を防ぐことができる。利用者については、足部分202の色が白やグレイであった元画像(DパターンとEパターン)では、暗露光あるいは黒つぶしを行っても、足部分202と床面201とのコントラストを確保できるので、利用者を検知できる。ただし、足部分202の色が黒であった元画像(Fパターン)では、足部分202の輝度値が床面201の輝度値と同程度になるため、利用者を検知できない可能性が高くなる。
上述した検証結果を整理すると、図11および図12のようになる。図中の「対象」とは、利用者のことである。ここで、「明るい」とは、例えば輝度値「200」〜「255」の範囲であり、「暗い」とは、例えば輝度値「0」〜「50」の範囲であるとする(図17参照)。
・「明るい床」の場合
「明るい対象」を含む画像に対して、「明露光/白飛ばし」の処理を用いると、「誤検知抑制」の効果が得られる。「明るい対象」を含む画像に対して、「暗露光/黒つぶし」の処理を用いると、「未検知抑制」の効果が得られる。
「暗い対象」を含む画像に対して、「明露光/白飛ばし」の処理を用いると、「誤検知抑制」の効果が得られる。「暗い対象」を含む画像に対して、「暗露光/黒つぶし」の処理を用いると、「未検知抑制」の効果が得られる。
・「暗い床」の場合
「明るい対象」を含む画像に対して、「明露光/白飛ばし」の処理を用いると、「未検知抑制」の効果が得られる。「明るい対象」を含む画像に対して、「暗露光/黒つぶし」の処理を用いると、「誤検知抑制」の効果が得られる。
「暗い対象」を含む画像に対して、「明露光/白飛ばし」の処理を用いると、「未検知抑制」の効果が得られる。「暗い対象」を含む画像に対して、「暗露光/黒つぶし」の処理を用いると、「誤検知抑制」の効果が得られる。
上述した検証結果を「未検知抑制」と「誤検知抑制」の効果を基準にして整理すると、図13および図14のように分けられる。
図13に示すように、対象の明るさには関係なく、「明るい床」を含む画像に対して、「明露光/白飛ばし」の処理を用いると、「誤検知抑制」の効果が得られる。「明るい床」を含む画像に対して、「暗露光/黒つぶし」の処理を用いると、「未検知抑制」の効果が得られる。図14に示すように、対象の明るさには関係なく、「暗い床」を含む画像に対して、「明露光/白飛ばし」の処理を用いると、「未検知抑制」の効果が得られる。「暗い床」を含む画像に対して、「暗露光/黒つぶし」の処理を用いると、「誤検知抑制」の効果が得られる。要するに、「未検知抑制」を重視したい場合と、「誤検知抑制」を重視したい場合とで、下記のように処理を切り替えれば良いことがわかる。
・「未検知抑制」を重視したい場合
「明るい床」であれば、「暗露光/黒つぶし」の処理を行う。
「暗い床」であれば、「明露光/白飛ばし」の処理を行う。
・「誤検知抑制」を重視したい場合
「明るい床」であれば、「明露光/白飛ばし」の処理を行う。
「暗い床」であれば、「暗露光/黒つぶし」の処理を行う。
以下に、未検知抑制と誤検知抑制に関する具体的な処理手順について説明する。
未検知抑制または誤検知抑制の処理は、通常運転中に乗りかご11が各階で停止して戸開したときに実行することが好ましい。具体的には、図4のステップS13において、乗りかご11の戸開に伴い、乗場15の床面16を含む撮影画像が取得されたときに、その撮影画像の輝度値に基づいて未検知抑制の処理または誤検知抑制の処理を実行する。後述するように、未検知抑制と誤検知抑制のどちらを重視して実行するかを予め決めておくことができる。
図15は本システムにおける未検知抑制/誤検知抑制の処理動作を示すフローチャートである。未検知抑制/誤検知抑制の処理は、画像処理装置20に備えられた検知部22の輝度計測部22cと処理切替部22dを通じて以下のような手順で実行される。
図4のステップ13において、撮影画像が得られたときに、輝度計測部22cは、その撮影画像の一部の輝度値を計測する(ステップS21)。「撮影画像の一部」とは、撮影画像の中で利用者を検知する部分であり、本実施形態では乗場15の床面16に対応した部分になる。詳しくは、輝度計測部22cは、下記のいずれかの方法で撮影画像上の乗場15の床面16に計測エリアE11を設定し、その計測エリアE11内の各画素の輝度値の平均値を床面16の明るさとして算出する。
[計測エリアE11の設定方法]
・乗場15の床面16の全体あるいは一部
図16に示すように、乗場15の床面16の全体を計測エリアE11として設定するか、あるいは、床面16の一部を計測エリアE11として設定する。床面16の一部を計測エリアE11として設定する場合には、例えば三方枠17a,17bの近くなど、乗場15にいる利用者によって乗場15の床面16が隠れていない部分が好ましい。撮影画像上で乗場15の床面16が映る領域や、三方枠17a,17bなどのエレベータ構造物が映る領域は、乗りかご11の各構成部の設計値(間口の幅,ドアの高さ等)とカメラ12の設置情報(位置・画角等)に基づいて求められる。これらの領域の座標情報に基づいて計測エリアE11が設定される。
・E1=E11
検知エリアE1を計測エリアE11として用いても良い。検知エリアE1を計測エリアE11として用いた方が、計測エリアE11を別途設定する手間が省ける上に、利用者検知処理に直接関わる床面部分の明るさを計測できるといった利点がある。
[未検知抑制と誤検知抑制の切替え方法]
未検知抑制を重視する場合と誤検知抑制を重視する場合とで処理が切り替えられる。未検知抑制を重視するか、あるいは、誤検知抑制を重視するかは、例えばエレベータの管理者が各階の乗場環境などを考慮して決める。エレベータの管理者は、例えば画像処理装置20に設けられた図示せぬ抑制モードスイッチを操作して、各階毎に未検知抑制モードまたは誤検知抑制モードを設定しておく。
この抑制モードの設定情報は、例えば図1に示した記憶部21のテーブルTBに階床情報と関連付けられて登録される。乗りかご11がかご呼びまたは乗場呼びに応答して任意の階に停止したときに、処理切替部22dは、その停止した階に対応した抑制モードの設定情報をテーブルTBから読み出し、その設定情報に基づいて第1の処理部23または第2の処理部24を切り替える。
図15に戻って、未検知抑制モードが設定されている場合(ステップS22のYes)、処理切替部22dによって第1の処理部23に切り替えられる。第1の処理部23は、上記ステップ21によって計測された輝度値に基づいて未検知抑制処理を実行する。具体的には、図17に示すように、輝度値を256階調で表した場合に、第1の処理部23は、下記の3つのレベルに分けて床面16の明るさを判定する。
・第1のレベル:白に近い明るさであり、例えば輝度値「200〜255」の範囲を有する。
・第2のレベル:黒に近い明るさであり、例えば輝度値「0〜49」の範囲を有する。
・第3のレベル:白と黒の間の中間色(グレー)に近い明るさであり、例えば輝度値「50〜199」の範囲を有する。
各レベルの範囲は任意に変更可能である。例えば、輝度値「200」を閾値TH1、輝度値「50」を閾値TH2としたときに、計測エリアE11内の各画素の輝度値の平均値が閾値TH1以上であれば、第1のレベルの明るさと判定し、閾値TH2未満であれば、第2のレベルの明るさと判定する。また、計測エリアE11内の各画素の輝度値の平均値が閾値TH2以上で、かつ、閾値TH1未満であれば、第3のレベルの明るさと判定する。
[閾値処理以外で明るさを判定する方法]
上述したような閾値を用いずに、例えば処理テーブルあるいは処理関数を用いて明るさを判定することでも良い。
・処理テーブルを用いる方法
例えば、記憶部21に図示せぬ処理テーブルが記憶されている。この処理テーブルには、輝度値に対する明るさのレベルが予め設定されている。具体的には、輝度値「200〜255」:第1のレベル,輝度値「50〜199」:第3のレベル,輝度値「0〜49」:第2のレベルといったように、輝度値と明るさレベルとが関連付けられている。したがって、計測エリアE11内の各画素の輝度値の平均値を入力値として上記処理テーブルを検索すれば、上記入力値に対応した明るさのレベルを出力値として得ることできる。
・処理関数を用いる方法
処理関数とは、計測エリアE11内の各画素の輝度値の平均値から明るさのレベルを算出するための関数式のことである。このような関数式を用いて、明るさのレベルを算出することでも良い。この関数式は、各画素の輝度値In(In: 計測エリア内)を入力とし、計測エリアE11内の画像の明るさを「白に近い」「黒に近い」「中間色(グレー)に近い」の3つのレベルに分類処理して出力する。分類処理として、機械学習を用いても良い。機械学習による分類処理として、例えばk−近傍法、決定木法、サポートベクターマシン(Support Vector Machine:SVM)、ディープラーニングなどの一般的な処理を用いれば良い。
[輝度値の読み取り方法]
撮影画像の輝度値を戸開時に1回だけでなく、連続的あるいは周期的(数秒間隔)に読み取ることが好ましい。利用者を避けて計測エリアE11を設定しても、かごドア13が戸開したときには利用者の乗り降りがあるため、1回だけの読み取りでは正確性に欠けるからである。連続的あるいは周期的(数秒間隔)に輝度値を読み取っていれば、利用者が乗場15からいなくなったときに輝度値が安定するので、その安定した輝度値を用いれば、床面16の明るさを正確に計測できる。
図15に戻って、乗場15の床面16が明るい場合、つまり、撮影画像上の床面16に対応した輝度値が図17に示した最高値「255」を含む第1のレベルの範囲であれば(ステップS23のYes)、第1の処理部23は、「暗露光」または「黒つぶし」の処理を行う(ステップS24)。
具体的には、「暗露光」の処理を行う場合には、カメラ12の露光時間を標準値T1よりも短く設定された目標値Tbに調整する(T1>Tb)。「標準値T1」は、カメラ12に予めデフォルト設定された標準的な露光時間である。「目標値Tb」は、暗く撮影するための露光時間であり、被写体(ここでは乗場15)の環境を考慮して最適な値に設定されている。
「黒つぶし」の処理を行う場合には、例えばガンマ値γ=0.5に設定して、画像の各画素の輝度値を低くする方向に補正すれば良い。このような方法により、乗場15の床面16が明るく、利用者を検知しづらい状況の場合には、画像を強制的に暗くすることで、利用者を検知しやすくする。
また、乗場15の床面16が暗い場合、つまり、撮影画像上の床面16に対応した輝度値が図17に示した最低値「0」を含む第2のレベルの範囲であれば(ステップS23のNo)、第1の処理部23は、「明露光」または「白飛ばし」の処理を行う(ステップS25)。
具体的には、「明露光」の処理を行う場合には、カメラ12の露光時間を標準値T1よりも長く設定された目標値Taに調整する(Ta>T1)。「標準値T1」は、カメラ12に予めデフォルト設定された標準的な露光時間である。「目標値Ta」は、明るく撮影するための露光時間であり、被写体(ここでは乗場15)の環境を考慮して最適な値に設定されている。
「白飛ばし」の処理を行う場合には、上記ステップS25では、例えばガンマ値γ=2.0に設定して、画像の各画素の輝度値を高くする方向に補正すれば良い。このような方法により、乗場15の床面16が暗く、利用者を検知しづらい状況の場合には、画像を強制的に明るくすることで、利用者を検知しやすくする。
このような処理により、乗場15にいる利用者を検知しやすい画像を得ることができる。したがって、戸閉時に乗りかご11の近くまできた利用者を検知したときに、かごドア13を全開方向にリオープンして、利用者がかごドア13にぶつかることを防ぐことができる。
一方、誤検知抑制モードが設定されている場合(ステップS22のNo)、処理切替部22dによって第2の処理部24に切り替えられる。第2の処理部24は、上記ステップ21によって計測された輝度値に基づいて誤検知抑制処理を実行する。ここで、誤検知抑制は、上述した未検知抑制処理とは、床面16の明るさに対する処理が逆になる。
すなわち、乗場15の床面16が明るい場合、つまり、撮影画像上の床面16に対応した輝度値が図17に示した最高値「255」を含む第1のレベルの範囲であれば(ステップS26のYes)、第2の処理部24は、「明露光」または「白飛ばし」の処理を行う(ステップS27)。
「明露光」と「白飛ばし」の具体的な処理は、上記ステップS25と同様である。つまり、乗場15の床面16が明るく、影が強く表れやすい状況の場合には、明露光または白飛ばしの処理によって、画像を強制的にさらに明るくすることで、画像から影を消して、誤検知を防ぐようにする。なお、画像の中で影が表れる領域が分かっていれば、その領域だけを部分的に白飛ばしすることでも良い。
また、乗場15の床面16が暗い場合、つまり、撮影画像上の床面16に対応した輝度値が図17に示した最低値「0」を含む第2のレベルの範囲であれば(ステップS26のNo)、第2の処理部24は、「暗露光」または「黒つぶし」の処理を行う(ステップS28)。
「暗露光」と「黒つぶし」の具体的な処理は、上記ステップS24と同様である。つまり、乗場15の床面16が暗い場合に、暗露光または黒つぶしの処理によって画像を強制的にさらに暗くすることで、画像から影を消して、誤検知を防ぐようにする。なお、画像の中で影が表れる領域が分かっていれば、その領域だけを部分的に黒つぶしすることでも良い。
このような処理により、乗場15に利用者の影が発生していても、その影を軽減した画像を得ることができる。したがって、戸閉時に影を誤検知してかごドア13を誤ってリオープンすることを防げる。
[調整方法]
・プリセット方法
露光調整(明露光/暗露光)に関し、上述した方法は、床面16の明るさに応じて露光時間をプリセットされた目標値に調整する方法である。なお、露光時間とゲインのうちのどちらか一方だけを目標値に調整することでも良い。つまり、露光時間を標準値に固定にして、ゲインを目標値に調整する。露光時間を固定することで被写体のブレを抑制することができる。あるいは、ゲインを標準値に固定にして、露光時間を目標値に調整することで良い。ゲインを固定することで、ノイズを一定量に留めておくことができる。
このように第1の実施形態によれば、カメラ12の撮影画像を用いて乗場15の利用者を検知する場合において、利用者の未検知抑制を重視する処理と影の誤検知抑制を重視する処理を切り替えることができる。したがって、乗場15の環境に応じた処理に切り替えておくことで、利用者の未検知または影の誤検知を効果的に抑制することができる。
(変形例1)
上記第1の実施形態では、エレベータの管理者による明示的な操作によって未検知抑制処理と誤検知抑制処理を切り替える構成としたが、かごドア13の開閉状況から利用者の未検知が多い階と影の誤検知が多い階を判断することで、未検知抑制処理と誤検知抑制処理を切り替えることも可能である。
戸閉動作中のときに、乗場15にいる利用者が検知された場合には、エレベータ制御装置30の戸開閉制御部31は、かごドア13の戸閉動作を禁止して、かごドア13を全開方向にリオープンして戸開状態を維持する。しかし、例えば撮影画像に影などが映り込んでいると、利用者と誤検知してリオープンを繰り返すことがある。つまり、戸閉時にリオープンが多いほど、乗場15に生じる影を誤検知する可能性が高い階であると判断できる。
また、戸閉動作中のときに、乗場15にいる利用者が検知されない場合には、かごドア13はリオープンせずに、戸閉することになる。その際、利用者が乗場ボタンを押すか、あるいは、乗りかご11内にいる利用者が気づいて戸開ボタンを押して、かごドア13を強制戸開することで、乗場15の利用者を乗車させることがある。したがって、この強制戸開の操作が多いほど、乗場15から来る利用者を検知できない可能性が高い階であると判断できる。
そこで、戸開閉制御部31は、各階毎にかごドア13がリオープンした回数と、乗場ボタンあるいは戸開ボタンの操作によって強制戸開した回数を図18に示すようなリオープン/強制戸開管理テーブル32に記録しておく。記録期間は時間単位でも良いし、1日単位、月単位でも良い。
図19のフローチャートに示すように、検知部22に備えられた処理切替部22dは、乗りかご11の停止階で、戸開閉制御部31からリオープン/強制戸開管理テーブル32に記録された当該階のリオープン回数と強制戸開回数を階床情報として取得する(ステップS31)。
ここで、リオープン回数が予め設定された一定回数k1以上であった場合に、処理切替部22dは、影の誤検知が多い階であると判断し(ステップS32のYes)、当該階に対しては誤検知抑制処理を実行するように切り替える(ステップS33)。一方、強制戸開回数が予め設定された一定回数k2以上であった場合に、処理切替部22dは、利用者の未検知が多い階であると判断し(ステップS34のYes)、当該階に対しては未検知抑制処理を実行するように切り替える(ステップS35)。なお、リオープン回数が一定回数k1未満であり、また、強制戸開数も一定回数k2未満であった場合には(ステップS34のNo)、予めデフォルトとして設定された誤検知抑制処理または未検知抑制処理に切り替えられる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態では、乗場15にいる利用者を検知する場合を想定して説明したが、第2の実施形態では、乗りかご11内の利用者を検知する場合を想定している。
以下に、乗りかご11内の利用者を検知する場合の処理について説明する。
図20は第2の実施形態における乗りかご11内に設定された検知エリアE2と計測エリアE21との関係を示す図である。
検知部22に備えられた検知エリア設定部22aによって、乗りかご11内に検知エリアE2が設定される。検知エリアE2は、乗りかご11の床面19に設けられたかごシル47に隣接している。検知エリアE2は、撮影画像上で利用者を検知するためのエリアであり、戸開時にかごドア13の近くにいる利用者の手などが戸袋42a,42bに引き込まれる事故を防止するために用いられる。
検知エリアE2は、出入口と直交する方向(Y軸方向)に所定の幅を有し、かごシル47の長手方向(X軸方向)に沿って帯状に設定される。なお、かごシル47上はかごドア13(ドアパネル13a,13b)が移動するため、エリア設定外とする。つまり、検知エリアE2は、かごシル47上を除き、かごシル47の長手方向の一側辺に隣接させて設定される。これにより、かごドア13の開閉動作に影響されない検知エリアE2を設定することができる。
図20の例では、乗りかご11が戸開した状態を示しているが、検知エリアE2は、戸閉状態で撮影された画像上で設定することが好ましい。撮影画像に乗場15側の背景が映らないので、乗りかご11内の構造物だけを基準にして検知エリアE2を設定できるからである。
輝度計測部22cは、カメラ12の撮影画像を用いて乗りかご11の床面19の明るさを計測する。詳しくは、輝度計測部22cは、下記のいずれかの方法により撮影画像上に計測エリアE21を設定し、その計測エリアE21内の各画素の輝度値の平均値を床面19の明るさとして算出する。
[計測エリアE21の設定方法]
・乗りかご11の床面19の全体あるいは一部
図20に示すように、乗りかご11の床面19の全体を計測エリアE21として設定するか、あるいは、床面19の一部を計測エリアE21として設定する。床面19の一部を計測エリアE21と設定する場合には、例えばかごシル47の近く(つまり出入口付近)が好ましい。乗りかご11の中では利用者が出入口付近に乗車していることは少ないので、戸開する前に利用者に邪魔されずに床面19の明るさを計測できるからである。撮影画像上で乗りかご11の床面19が映る領域や、正面柱41a,41b、かごシル47などのエレベータ構造物が映る領域は、乗りかご11の各構成部の設計値(間口の幅,ドアの高さ等)とカメラ12の設置情報(位置・画角等)に基づいて求められる。これらの領域の座標情報に基づいて計測エリアE21が設定される。
・E2=E21
検知エリアE2を計測エリアE21として用いても良い。検知エリアE2を計測エリアE21として用いた方が、計測エリアE21を設定する手間が省ける上に、利用者検知処理に直接関わる検知エリアE2内の床面19の明るさを計測できるといった利点がある。
ここで、上記第1の実施形態と同様に、未検知抑制を重視する場合と誤検知抑制を重視する場合とで処理が切り替えられる。すなわち、エレベータの管理者は、例えば画像処理装置20に設けられた図示せぬ抑制モードスイッチを操作して、各階毎に未検知抑制モードまたは誤検知抑制モードを設定しておく。乗りかご11に関して、各階毎に抑制モードを設定しておくのは、乗りかご11が各階の乗場15で戸開したときに、その乗場15の照明光などの影響で乗りかご11内の明るさも変わり、利用者を未検知あるいは影を誤検知することがあるからである。
この抑制モードの設定情報は、例えば図1に示した記憶部21のテーブルTBに階床情報と関連付けられて登録される。乗りかご11がかご呼びまたは乗場呼びに応答して任意の階に停止したときに、処理切替部22dは、その停止した階に対応した抑制モードの設定情報をテーブルTBから読み出し、その設定情報に基づいて第1の処理部23または第2の処理部24を切り替える。
[未検知抑制を重視する場合]
乗りかご11の床面19が明るい場合、つまり、撮影画像上の床面19に対応した輝度値が図17に示した最高値「255」を含む第1のレベルの範囲であれば、第1の処理部23は、「暗露光」または「黒つぶし」の処理を行う。乗りかご11の床面19が暗い場合、つまり、撮影画像上の床面19に対応した輝度値が図17に示した最低値「0」を含む第2のレベルの範囲であれば、第1の処理部23は、「明露光」または「白飛ばし」の処理を行う(図15のステップS23〜S25参照)。
このような処理により、かごドア13の近くにいる利用者を検知しやすい画像を得ることができる。したがって、戸開時にかごドア13の近くにいる利用者を検知したときに、かごドア13を全閉方向にリクローズして、利用者の手などが戸袋42a,42bに引き込まれることを防げる。
[誤検知抑制を重視する場合]
乗りかご11の床面19が明るい場合、つまり、撮影画像上の床面19に対応した輝度値が図17に示した最高値「255」を含む第1のレベルの範囲であれば、第2の処理部24は、「明露光」または「白飛ばし」の処理を行う。乗りかご11の床面19が暗い場合、つまり、撮影画像上の床面19に対応した輝度値が図17に示した最低値「0」を含む第2のレベルの範囲であれば、第1の処理部23は、「暗露光」または「黒つぶし」の処理を行う(図15のステップS26〜S28参照)。
このような処理により、かごドア13の近くに利用者の影が発生していても、その影を軽減した画像を得ることができる。したがって、戸開時に影を誤検知してかごドア13を誤ってリクローズすることを防げる。
このように第2の実施形態によれば、カメラ12の撮影画像を用いて乗りかご11内の利用者を検知する場合において、利用者の未検知抑制を重視する処理と影の誤検知抑制を重視する処理を切り替えることができる。したがって、乗りかご11の環境に応じた処理に切り替えておくことで、利用者の未検知または影の誤検知を効果的に抑制することができる。
(変形例2)
上記第2の実施形態では、エレベータの管理者による明示的な操作によって未検知抑制処理と誤検知抑制処理を切り替える構成としたが、かごドア13の開閉状況から利用者の未検知が多い階と影の誤検知が多い階を判断することで、未検知抑制処理と誤検知抑制処理を動的に切り替えることも可能である。
戸開動作中のときに、乗りかご11内のかごドア13の近くにいる利用者が検知された場合には、エレベータ制御装置30の戸開閉制御部31は、かごドア13の戸開動作を禁止して、かごドア13を全閉方向にリクローズして、利用者の手などが戸袋42a,42bに引き込まれる事故を防止している。しかし、例えば撮影画像に影などが映り込んでいると、利用者と誤検知してリクローズを繰り返すことがある。つまり、戸開時にリクローズが多いほど、乗りかご11内に生じる影を誤検知している可能性が高い階であると判断できる。
また、戸開動作中のときに、乗りかご11内のかごドア13の近くにいる利用者が検知されない場合には、かごドア13はリクローズせずに、戸開することになる。その際、乗りかご11内にいる利用者が気づいて戸閉ボタンを押して強制的に戸閉することがある。したがって、この強制戸閉の操作が多いほど、かごドア13の近くにいる利用者を検知できない可能性が高い階であると判断できる。
そこで、戸開閉制御部31は、各階毎にかごドア13がリオープンした回数と、戸閉ボタンの操作によって強制戸閉した回数を図21に示すようなリクローズ/強制戸閉管理テーブル33に記録しておく。記録期間は時間単位でも良いし、1日単位、月単位でも良い。
図22のフローチャートに示すように、検知部22に備えられた処理切替部22dは、乗りかご11の停止階で、戸開閉制御部31からリクローズ/強制戸閉管理テーブル33に記録された当該階のリクローズ回数と強制戸閉回数を階床情報として取得する(ステップS41)。
ここで、リクローズ回数が予め設定された一定回数k3以上であった場合に、処理切替部22dは、影の誤検知が多い階と判断し(ステップS42のYes)、乗りかご11が当該階で戸開するときは誤検知抑制処理を実行するように切り替える(ステップS43)。一方、強制戸閉回数が予め設定された一定回数k4以上であった場合に、処理切替部22dは、利用者の未検知が多い階と判断し(ステップS44のYes)、乗りかご11が当該階で戸開するときは未検知抑制処理を実行するように切り替える(ステップS45)。なお、リクローズ回数が一定回数k3未満であり、また、強制戸閉回数も一定回数k4未満であった場合には(ステップS44のNo)、予めデフォルトとして設定された誤検知抑制処理または未検知抑制処理に切り替えられる。
なお、上記第1の実施形態と上記第2の実施形態と組み合わせて構成することも可能である。この場合、戸開時と戸閉時とで計測対象を切り替え、戸開時に乗場15の床面16の明るさを計測して、戸閉時に乗りかご11の床面19の明るさを計測して、それぞれの明るさに応じて誤検知抑制処理または未検知抑制処理を実行する。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、環境に応じて利用者の未検知または影の誤検知を効果的に抑制することのできるエレベータの利用者検知システムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…乗りかご、11a…幕板、12…カメラ、13…かごドア、13a,13b…ドアパネル、14…乗場ドア、14a,14b…ドアパネル、15…乗場、17a,17b…三方枠、18…乗場シル、47…かごシル、20…画像処理装置、21…記憶部、22…検知部、22a…検知エリア設定部、22b…検知処理部、22c…輝度計測部、22d…処理切替部、23…第1の処理部、24…第2の処理部、30…エレベータ制御装置、31…戸開閉制御部、32…リオープン/強制戸開管理テーブル、33…リクローズ/強制戸閉管理テーブル、E1,E2…検知エリア、E11,E21…計測エリア。

Claims (12)

  1. 乗りかごに設置され、上記乗りかごのドア付近および乗場を撮影するカメラの画像から利用者を検知するエレベータの利用者検知システムにおいて、
    上記カメラによって撮影された上記画像の輝度値を計測する輝度計測手段と、
    この輝度計測手段によって計測された上記画像の輝度値に基づいて上記利用者の未検知を抑制する第1の処理手段と、上記画像の輝度値に基づいて上記画像に移り映り込んだ影の誤検知を抑制する第2の処理手段とを切り替える処理切替手段と、
    上記第1の処理手段または上記第2の処理手段によって得られた上記画像を用いて上記利用者を検知する検知手段と、
    この検知手段の検知結果に基づいて、上記乗りかごのドアの戸開閉動作を制御する戸開閉制御手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータの利用者検知システム。
  2. 上記第1の処理手段および上記第2の処理手段は、
    上記カメラの露光時間を調整する処理または上記画像の輝度値を補正する処理を有することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
  3. 上記第1の処理手段は、
    上記画像の輝度値が最高値を含む第1のレベルの範囲内であれば、上記カメラの露光時間を短くするか、あるいは、上記画像の輝度値を低くする処理を実行し、
    上記画像の輝度値が最低値を含む第2のレベルの範囲内であれば、上記カメラの露光時間を長くするか、あるいは、上記画像の輝度値を高くする処理を実行することを特徴とする請求項2記載のエレベータの利用者検知システム。
  4. 上記第2の処理手段は、
    上記画像の輝度値が最高値を含む第1のレベルの範囲内であれば、上記カメラの露光時間を長くするか、あるいは、上記画像の輝度値を高くする処理を実行し、
    上記画像の輝度値が最低値を含む第2のレベルの範囲内であれば、上記カメラの露光時間を短くするか、あるいは、上記画像の輝度値を低くする処理を実行することを特徴とする請求項2記載のエレベータの利用者検知システム。
  5. 各階毎に任意に設定された未検知抑制モードまたは誤検知抑制モードの設定情報を記憶した記憶手段を有し、
    上記第1の処理手段と上記第2の処理手段は、
    上記記憶手段に記憶された上記設定情報に基づいて、上記乗りかごの停止階毎に切り替えられることを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
  6. 上記第1の処理手段と上記第2の処理手段は、
    上記乗りかごが上記ドアを戸閉するときに上記ドアがリオープンする頻度と上記ドアが強制戸開する頻度とに基づいて切り替えられることを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
  7. 上記第1の処理手段と上記第2の処理手段は、
    上記乗りかごが上記ドアを戸開するときに上記ドアがリクローズする頻度と上記ドアが強制戸閉する頻度とに基づいて切り替えられることを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
  8. 上記輝度計測手段は、
    上記画像の中で上記乗場および上記乗りかごの少なくとも一方の床面に設定された計測エリア内の輝度値を計測することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
  9. 上記計測エリアは、
    上記床面の全体あるいは一部に設定されることを特徴とする請求項8記載のエレベータの利用者検知システム。
  10. 上記計測エリアは、
    上記乗場の三方枠の近くに設定されることを特徴とする請求項8記載のエレベータの利用者検知システム。
  11. 上記計測エリアは、
    上記乗りかごの出入口に設けられたシルに近い部分に設定されることを特徴とする請求項8記載のエレベータの利用者検知システム。
  12. 上記検知手段は、
    上記床面に設定された検知エリア内の上記画像の輝度変化から利用者の動きを検知するものであり、
    上記計測エリアとして上記検知エリアが用いられることを特徴とする請求項8記載のエレベータの利用者検知システム。
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