JP2021145551A - 麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物及びその製造方法 - Google Patents

麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水に速やかに分散し、使用者に利便性の高い麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物を提供すること及びその造粒物の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物であって、造粒物の比重が0.300〜0.350であり、且つ粒径250μm〜470μmの粒度分布が31%以上、粒径106μm〜250μmの粒度分布が44%以下である麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物である。【選択図】図1

Description

本発明は、麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物及びその製造方法に関する。
麦類若葉は、ビタミンやミネラル等現代の食事で不足がちな栄養素を補給する目的で、いわゆる「青汁」の原料として広く利用されている。麦類若葉の製品は、搾汁乾燥粉末の場合、洗浄・粉砕・搾汁・濃縮・噴霧乾燥・造粒の工程を経て製造されるが、造粒の際に粉末相互の溶解固着により固い粒や粗大粒が形成され易く、水への分散性が悪いという問題点があった。
特許文献1には、可食性緑葉植物に包接性のある環状デキストリンを混合して、水への分散性を向上させた青汁粉末組成物及びその製造方法が記載されている。
特許文献2には、麦若葉加工物にヘミセルロース、難消化性デキストリン、及び難消化性オリゴ糖を添加して造粒することで水への分散性を向上させた造粒物が記載されている。
特許文献3には、粉末茶葉の含有量及び平均粒径を制御して造粒することで水への分散性を向上させた造粒茶葉及びその製造方法が記載されている。
特開平1−281066号公報 特許第3706628号公報 特開2019−41660号公報
特許文献1及び2の発明では、デキストリンを混合することにより、水への均一な分散性は向上したが、完全に分散するまでに時間を要するという問題点があった。特許文献3の発明では、粉末茶葉の含有量及び平均粒径を制御して造粒することで分散性を向上させているが、短時間に水に分散させるには十分なものではなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、水に速やかに分散し、使用者に利便性の高い麦類若葉乾燥粉末造粒物を提供すること及びその造粒物の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は以下の発明を含む。
[発明1]
麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物であって、造粒物の比重が0.300〜0.350であり、且つ粒径250μm〜470μmの粒度分布が31%以上、粒径106μm〜250μmの粒度分布が44%以下である麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物。
[発明2]
麦類若葉乾燥粉末造粒物の比重が0.310〜0.350であって、且つ粒径250μm〜470μmの粒度分布が35%以上、粒径106μm〜250μmの粒度分布が41%以下である発明1に記載の麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物。
[発明3]
麦類若葉乾燥粉末が麦類若葉の搾汁乾燥粉末である発明1又は2に記載の麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物。
[発明4]
発明1乃至3何れか1の発明に記載の飲食品組成物を含有する機能性飲食品。
[発明5]
麦類若葉乾燥粉末造粒物の製造方法であって、
麦類若葉乾燥粉末を流動層造粒する造粒工程と、
麦類若葉乾燥粉末造粒物を乾燥させる乾燥工程と、を備え
麦類若葉乾燥粉末造粒物の比重が0.300〜0.350であり、且つ粒径250μm〜470μmの粒度分布が31%以上、粒径106μm〜250μmの粒度分布が44%以下となるように調製する麦類若葉乾燥粉末造粒物の製造方法。
[発明6]
麦類若葉乾燥粉末を流動層造粒する造粒工程と、
麦類若葉乾燥粉末造粒物を乾燥させる乾燥工程と、を1サイクルとしてサイクルを複数回繰り返す発明5に記載の麦類若葉乾燥粉末造粒物の製造方法。
[発明7]
麦類若葉乾燥粉末が麦類若葉の搾汁乾燥粉末である発明5又は6に記載の麦類若葉乾燥粉末造粒物の製造方法。
[発明8]
麦類若葉乾燥粉末造粒物の比重が0.310〜0.350であって、且つ粒径250μm〜470μmの粒度分布が35%以上、粒径106μm〜250μmの粒度分布が41%以下となるように調製する発明5乃至7何れか1の発明に記載の麦類若葉乾燥粉末造粒物の製造方法。
本発明の麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物は、比重及び特定の粒度分布を一定の数値範囲に調製していることから水に迅速且つ均一に分散するため、飲料などの液状の商品を速やかに消費者に提供することができる。また、本発明の飲食品組成物は、特に飲料用途に用いられる顆粒状の機能性飲食品として利用され得る。
さらに、本発明の麦類若葉乾燥粉末造粒物の製造方法は、麦類若葉乾燥粉末造粒物の比重及び特定の粒度分布を一定の数値範囲に調製することで、水に迅速且つ均一に分散する麦類若葉乾燥粉末造粒物を容易に製造することができる。
図1は大麦若葉搾汁乾燥粉末の造粒工程の実施回数(3〜6サイクル)と粒度分布の変化を示した第1回目の試験のグラフである。 図2は大麦若葉搾汁乾燥粉末の造粒工程の実施回数(3〜6サイクル)と粒度分布の変化を示した第2回目の試験のグラフである。 図3は大麦若葉搾汁乾燥粉末の造粒工程の実施回数と造粒物の粒子状態の違いを示した写真である。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、麦類若葉乾燥粉末造粒物を製造する際に、造粒物の比重及び特定の粒度分布を一定の数値範囲となるように調製することで、水に迅速且つ均一に分散する麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物を容易に得ることができることを見出し、本発明を完成させた。本発明に係る麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物及びその製造方法を、以下詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に記載される構成に限定されることを意図しない。
[麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物]
本実施形態に係る造粒物の飲食品組成物は、麦類若葉乾燥粉末を造粒したものであり、その比重が0.300〜0.350であり、且つ粒径250μm〜470μmの粒度分布が31%以上、粒径106μm〜250μmの粒度分布が44%以下であり、好ましくは、造粒物の比重が0.310〜0.350であって、且つ粒径250μm〜470μmの粒度分布が35%以上、粒径106μm〜250μmの粒度分布が41%以下である。これにより、水に迅速且つ均一に分散することができる麦類若葉乾燥粉末造粒物となる。
麦類若葉乾燥粉末を造粒すると、粉末同士が凝集し、粒子間に空隙が形成され造粒物の粒径が増加する。粉末粒子同士が凝集して、造粒物の粒径が増加すると、水への分散性が低下するようにも思われる。しかしながら、麦類若葉乾燥粉末の造粒物は、実際試験を行ってみると、比較的大きい粒径である250μm〜470μmの粒子が増加するにつれて水への分散性が向上した。これは、造粒を繰り返すことで麦類若葉乾燥粉末の相互間に形成された空隙が造粒により押しつぶされて、逆に造粒物の凝集力が弱まり水へ分散性が向上したと考えられる。つまり、麦類若葉乾燥粉末造粒物の比重の値と特定の粒度分布の値とを一定に保つことにより、麦類若葉乾燥粉末造粒物内の粒子間に形成される空隙を一定の状態に保持することができ、良好な水への分散性を維持することになる。
本実施形態に係る造粒物の飲食品組成物は、必要に応じて、例えば賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、及び調味料の群から選択される少なくとも1種の添加剤を更に添加することができる。例えば、デキストリン、シクロデキストリン、ラクトース、デンブン、マルトース、マルチトール、グルコース、フラクトース等の賦形剤、食品用増量剤を、必要に応じて添加することができる。
本実施形態に係る造粒物の飲食品組成物は、上記の添加剤とは別の調剤用添加剤を含むことができる。この調剤用添加剤としては、例えば、アスコルビン酸、ビオチン、パントテン酸カルシウム、カロテン、ナイアシン、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、パントテン酸ナトリウム、チアミン塩酸塩、トコフェロール、ビタミンA、ビタミンB12、ビタミンD等のビタミン類;メタリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム等のリン酸ナトリウム類;ソルビン酸カルシウム、安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等の保存料;アラビアガム、トラガント、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、マンニット、ソルビトール、ラクトース、可溶性澱粉、アミノ酸類、グルコース、フラクトース、スクロース、ハチミツ、脂肪酸エステル、二酸化ケイ素等が挙げられる。
本実施形態に係る造粒物の飲食品組成物は、食品、加工食品、飲料、医薬品、又は医薬部外品に配合することが可能である。本実施形態に係る造粒物の飲食品組成物は栄養豊かで、食物繊維を多く含むため栄養補助、整腸作用の改善のために用いることが可能である。また、本実施形態に係る造粒物の飲食品組成物は機能性飲食品として提供することも可能である。機能性飲食品には、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、老人用食品、健康補助食品(バランス栄養食、サプリメント)等が挙げられる。
[麦類若葉乾燥粉末造粒物の製造方法]
麦類若葉乾燥粉末には、麦類若葉を乾燥して粉末化した乾燥粉末、麦類若葉を圧縮して得られた搾汁液を乾燥した搾汁乾燥粉末、水または有機溶剤で抽出して得られた抽出エキスを乾燥した抽出エキス粉末等がある。麦類若葉の搾汁乾燥粉末の場合は、麦類若葉の搾汁液を低温濃縮により所定の固形分濃度にまで濃縮し、当該濃縮液を噴霧乾燥または凍結乾燥することで製造される。これは、新鮮な生の麦類若葉の風味と栄養価を保ったまま搾汁乾燥粉末を製造するためである。本発明に用いる麦類若葉としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、えん麦などを挙げることができる。
食品粉末の造粒方法としては、押出造粒、攪拌造粒、流動層造粒等の種々の方法が知られているが、本発明では、流動層造粒が好ましい。流動層造粒は、原料粉体を空中に巻き上げて粉体が流動する状態の層を形成させ、これに液体を噴霧することで、粉体を凝集または被覆により造粒させる方法である。流動層造粒は、複数の原料を均一に造粒物として造粒させることが可能である。
本実施形態に係る流動層造粒としては、麦類若葉搾汁乾燥粉末を流動層造粒機に投入し、これら成分を空気流によって造粒装置内で流動させ混合する。結合剤などの添加剤や、補助剤などを使用する場合は、これら粉体を投入後流動させる。この混合粉末に、造粒液体を噴霧して造粒する造粒工程と、当該造粒した造粒物を乾燥させる乾燥工程とを備えている。造粒時の温度、風量、噴霧スピード、造粒液体の種類、乾燥温度などは適宜設定される。
本実施形態に係る造粒物の製造方法では、造粒物の比重が0.300〜0.350であり、且つ粒径250μm〜470μmの粒度分布が31%以上、粒径106μm〜250μmの粒度分布が44%以下となるように調製する。これにより、水に迅速且つ均一に分散することができる麦類若葉乾燥粉末造粒物を製造することができる。好ましくは、造粒物の比重が0.310〜0.350であって、且つ粒径250μm〜470μmの粒度分布が35%以上、粒径106μm〜250μmの粒度分布が41%以下となるように調製することである。これにより、さらに水に迅速且つ均一に分散することができる麦類若葉乾燥粉末造粒物を製造可能となる。
本実施形態に係る造粒物の製造方法では、造粒工程と、乾燥工程と、を1サイクルとして当該サイクルを複数回繰り返し行う。これにより、造粒物の粒子間の空隙を一定の状態に形成することができるため、水に迅速且つ均一に分散することができる麦類若葉乾燥粉末造粒物を容易に製造することができる。造粒工程と、乾燥工程と、を1サイクルとして当該サイクルを複数回繰り返し行う場合は、好ましくは2〜8回繰り返すことであり、より好ましくは4〜8回であり、さらに好ましくは4〜6回である。これにより、水に迅速、且つ均一に分散することができる麦類若葉乾燥粉末造粒物をさらに容易に製造することができる。
本実施形態に係る造粒物の製造方法では、造粒前に結合剤を配合してもよい。結合剤としては、例えば、デキストリン、プルラン、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ガラクトマンナンなどを挙げることができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[大麦若葉搾汁乾燥粉末造粒物の粒度分布と分散性について]
大麦若葉搾汁乾燥粉末を用いて流動層造粒を行い、水分散性の良いロット(以下「Gロット」と記載)と、水分散性の悪いロット(以下「Bロット」と記載)との粒度分布における水分散性の比較試験を行った。
(造粒方法)
大麦若葉搾汁乾燥粉末は大麦若葉を洗浄、粉砕、搾汁、濃縮、噴霧乾燥したものを400g使用して(日本薬品開発株式会社製)、流動層造粒により造粒を行った。流動層造粒機は、フローコーター(製品番号:FL0−1、フロイント産業株式会社)を用いて行った。造粒装置を予め65℃となるように暖気運転を実施した。大麦若葉搾汁乾燥粉末を、フローコーターの原料容器に入れ本体にセットした後、約10分間予熱乾燥した。フローコーターの運転条件は、吸気温度65℃、噴霧空気圧0.12kg/cmに設定した。造粒工程は、80mlの水を約10分から25分かけて噴霧した後、5分間の乾燥を行った。
(水分散性の測定方法)
水分散性は以下の方法で測定を行った。ロートの下方に100mlの水が入った300mlビーカーを設置した。ロートの出口をスパーテルで塞ぎ各サンプル1gをロートに入れた。次いで、ロートの出口を塞いでいたスパーテルを引き抜き、サンプルをビーカーの中に落下させ、サンプル全体が水に浸漬して水中に分散するまでの時間を測定した。試験はN=3で実施した。表1に結果を示す。本発明の造粒物において、「水への分散性が良い」とは、本試験を行った場合に20秒以内に水中に分散することをいい、好ましくは10秒以内に水中に分散することを言う。
Figure 2021145551
表1は、Gロット及びBロットの水への分散性を示した表である。Gロットは3秒で水に分散し、Bロットは完全に水に分散するまで50〜80秒を要した。分散時間が粒度分布と相関性があるかを確認するために、各サンプルを、75μm、106μm、125μm、180μm、250μm、355μm、425μm、470μm、の篩で篩分けを行い、Gロットの粒度分布をBロットの粒度分布に類似させたサンプルを作製し、水への分散性を測定した。結果は、Bロットの粒度分布に類似させたGロットのサンプルの水への分散速度は、4秒とGロットと同等となり、粒度分布が水への分散性に大きな影響を与えることはなかった。
[大麦若葉搾汁乾燥粉末造粒物の粒径と水分散性について]
GロットとBロットの大麦若葉搾汁乾燥粉末造粒物を用いて、分級した粒度分布別サンプルの水への分散性試験を行った。篩分けは、JIS規格のメッシュサイズで200メッシュ(目開き:75μm)、150メッシュ(目開き:106μm)、120メッシュ(目開き:125μm)、83メッシュ(目開き:180μm)、60メッシュ(目開き:250μm)のステンレス製の篩を用いて行った。Gロット及びBロットの大麦若葉搾汁乾燥粉末の造粒物を上記篩を使用して篩分けを行った。各分級サンプルの水分散性を測定した。水分散性の測定方法は(水分散性の測定方法)の項で説明した方法に従い実施した。表2に結果を示す。
Figure 2021145551
表2は、粒径の差異における水への分散性を示した表である。上記結果から、粒径の差異が大麦若葉搾汁乾燥粉末造粒物の水分散性に影響を及ぼすことは確認できた。しかし、同じ粒径のGロット及びBロットの水分散性に大きな差が認められることから粒径以外の要素も影響していることが明らかとなった。
[大麦若葉搾汁乾燥粉末造粒物の粒子状態の変化と水分散性について]
大麦若葉搾汁乾燥粉末の造粒工程の実施回数の違いにおける造粒物の粒子の状態(水分含量、比重、写真観察)、及び水分散性について評価を行った。同じ試験を2回実施して評価した。以下に、試験の詳細を示す。
(造粒方法とサンプリング)
流動造粒乾燥機(製品番号:FLO−200、フロイント産業株式会社)を用いて所定の手順に従って、運転準備を行った。大麦若葉搾汁乾燥粉末120kgを流動造粒乾燥機の原料容器に投入し、所定の混合後サンプリングを行った。大麦若葉搾汁乾燥粉末の造粒は、所定の手順で水を噴霧して大麦若葉搾汁乾燥粉末を造粒する造粒工程と、噴霧後に造粒物を乾燥させる乾燥工程と、を実施した後、サンプリングを行った。当該造粒工程と乾燥工程とを、大麦若葉搾汁乾燥粉末の造粒の1サイクルとして、6サイクルを実施し、各サイクルのサンプルを採取した。サンプリングは、造粒後の原料容器の同じ位置及び深さから採取量を一定にして16メッシュ(目開き:1000μm)の篩で通過したサンプルを100g分取した。サンプリングした造粒物の水分含量は、3〜4%程度となるように流動造粒乾燥機を制御した。
(サンプルの検査方法)
水分散性の測定方法は(水分散性の測定方法)の項で説明した方法に従い行った。水分含量は、赤外線水分計(製品番号:PM100、メトラー・トレド株式会社)を用いて造粒後の大麦若葉搾汁乾燥粉末造粒物の水分含量を測定した。
比重は、容積20mlのメモリ付き試験管(最小メモリ0.2ml)にサンプル5gを入れ、比容積試験機(株式会社石山科学機器製作所)を用いて20回衝撃を与えた後、測定した。以下に計算式を示す。
比重=5÷(比容積試験機のメモリ)
粒度分布は、受け皿に200メッシュ(目開き:75μm)、150メッシュ(目開き:106μm)、60メッシュ(目開き:250μm)、32メッシュ(目開き:470μm)の篩を順に下から積み重ね、最上段の篩にサンプル10gを載せて蓋をした後、ミクロ形電磁振動ふるい振とう器(型番:M−2型、筒井理化学機器株式会社)を用いて5分間振動させた。次いで、各篩に残った造粒物の重量を測定し、全体量の割合で示した。
大麦若葉搾汁乾燥粉末造粒物の粒子状態の観察は、デジタルマイクロスコープ(製品番号:VHX−900、株式会社キーエンス)を用いて写真撮影で行った。写真撮影は、大麦若葉搾汁乾燥粉末の混合後すぐと、大麦若葉搾汁乾燥粉末の造粒の1サイクル後と、5サイクル後とで行った。以下に、粒子状態の変化と水分散性についての評価を示す。試験はN=2で実施した。
Figure 2021145551
Figure 2021145551
表3及び図1は、2回行った試験のうち1回目の結果を、表4及び図2は、2回行った試験のうち2回目の結果を示している。表3及び表4は、大麦若葉搾汁乾燥粉末の造粒工程の実施回数の違いにおける水分散性、比重、及び粒度分布の割合を示した表であり、図1及び図2は、大麦若葉搾汁乾燥粉末の造粒工程の実施回数(3〜6サイクル)の違いにおける粒度分布の違いを示したグラフである。結果に示されるように、いずれの試験でも比重が一定の範囲となり、且つ大麦若葉搾汁乾燥粉末造粒物の粒径106μm〜250μmの粒子の割合が少なく、造粒物の粒径250μm〜470μmの粒子の割合が多くなっていくほど水への分散性が向上することが確認された。
図3は、2回行った試験のうち1回目の試験(表3及び図1の試験)の大麦若葉搾汁乾燥粉末の造粒工程の実施回数と造粒物の粒子状態の違いを示した写真である。図3の1は大麦若葉搾汁乾燥粉末を原料容器に投入した造粒前の粒子状態の写真であり、図3の2は造粒工程を1サイクル実施した後の粒子状態の写真であり、図3の3は造粒工程を5サイクル実施した後の粒子状態の写真である。
写真に示されるように、大麦若葉搾汁乾燥粉末造粒物は、造粒工程及び乾燥工程の実施サイクル数が0回、1回、5回と増えるにつれて、粒子間の空隙が狭まり、粒子同士が凝集していくことが確認された。一般的に大麦若葉搾汁乾燥粉末粒子が互いに凝集すれば、水への分散性が低下するようにも思える。しかし、大麦若葉搾汁乾燥粉末造粒物に形成された空隙が、造粒工程を繰り返すことで圧し潰されて凝集力が弱まり、逆に水が浸漬しやすくなって水分散性が向上したと考えられる。
[大麦若葉搾汁乾燥粉末造粒物の粒度分布と水分散性について]
大麦若葉搾汁乾燥粉末の造粒工程の実施回数と粒度分布及び水分散性の変化を再度調べた。
大麦若葉搾汁乾燥粉末は、造粒から乾燥の工程を1サイクルとして2サイクル〜5サイクル実施し、サイクル毎に造粒物のサンプリングを行った。造粒方法、サンプリング方法及び試験方法は[大麦若葉搾汁乾燥粉末造粒物の粒子状態の変化と水分散性について]の項で説明した方法に従い実施した。
Figure 2021145551
表5は、大麦若葉搾汁乾燥粉末造粒物の粒度分布と水への分散性との相関性を示した表である。大麦若葉搾汁乾燥粉末造粒物は、その比重を0.300〜0.350に維持した状態で、60メッシュパス150メッシュオン(106μm〜250μm)及び32メッシュパス60メッシュオン(250μm〜470μm)の粒度分布の割合と水分散性との相関性を調べてみると、上記以外の粒度分布には大きな相関性が認められないのに対して、60メッシュパス150メッシュオンの粒度分布の割合が低下し、32メッシュパス60メッシュオンの粒度分布の割合が増加していくのに従って造粒物の水への分散性が向上していくことが明らかとなった。造粒から乾燥工程のサイクルを6〜8サイクルに増加させて実施した場合でも、水分散性が何れも1秒と非常に良好な結果が得られている(データ示さず)。
本発明の麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物及びその製造方法は、食品や健康飲食品等に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物であって、前記造粒物の比重が0.300〜0.350であり、且つ粒径250μm〜470μmの粒度分布が31%以上、粒径106μm〜250μmの粒度分布が44%以下である麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物。
  2. 前記麦類若葉乾燥粉末造粒物の比重が0.310〜0.350であって、且つ粒径250μm〜470μmの粒度分布が35%以上、粒径106μm〜250μmの粒度分布が41%以下である請求項1に記載の麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物。
  3. 前記麦類若葉乾燥粉末が麦類若葉の搾汁乾燥粉末である請求項1又は2に記載の麦類若葉乾燥粉末造粒物の飲食品組成物。
  4. 請求項1乃至3何れか1項に記載の飲食品組成物を含有する機能性飲食品。
  5. 麦類若葉乾燥粉末造粒物の製造方法であって、
    前記麦類若葉乾燥粉末を流動層造粒する造粒工程と、
    前記麦類若葉乾燥粉末造粒物を乾燥させる乾燥工程と、を備え
    前記麦類若葉乾燥粉末造粒物の比重が0.300〜0.350であり、且つ粒径250μm〜470μmの粒度分布が31%以上、粒径106μm〜250μmの粒度分布が44%以下となるように調製する麦類若葉乾燥粉末造粒物の製造方法。
  6. 前記麦類若葉乾燥粉末を流動層造粒する造粒工程と
    前記麦類若葉乾燥粉末造粒物を乾燥させる乾燥工程と、を1サイクルとして該サイクルを複数回繰り返す請求項5に記載の麦類若葉乾燥粉末造粒物の製造方法。
  7. 前記麦類若葉乾燥粉末が麦類若葉の搾汁乾燥粉末である請求項5又は6に記載の麦類若葉乾燥粉末造粒物の製造方法。
  8. 前記麦類若葉乾燥粉末造粒物の比重が0.310〜0.350であって、且つ粒径250μm〜470μmの粒度分布が35%以上、粒径106μm〜250μmの粒度分布が41%以下となるように調製する請求項5乃至7何れか1項に記載の麦類若葉乾燥粉末造粒物の製造方法。
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