JP2021144818A - 全固体リチウムイオン電池 - Google Patents

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明央 利根川
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Abstract

【課題】固体電解質と負極活物質の間の接触が良好で、放電容量とレート特性とサイクル特性とクーロン効率に優れた全固体リチウムイオン電池の提供。【解決手段】本発明にかかる全固体リチウムイオン電池が備える負極合剤層は、負極活物質と固体電解質を含み、上記負極活物質はバナジウム(V)を50〜1000質量ppm含有し、D50が1〜30μm、BET比表面積が1.0〜12.0m2/g、粉末X線回折測定から得られる黒鉛結晶の(002)面の面間隔d002(nm)とc軸方向の大きさLc002(nm)が、0.3362≦d002≦0.3370、および、−23660×d002+8010≦Lc002≦−23660×d002+8025で示される関係を満たす炭素材料からなる。【選択図】なし

Description

本発明は、全固体リチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン電池は、高電圧、高エネルギー密度であり、ノートパソコンやスマートフォンといった電子機器などの電源として広く使用されている。電解質に有機溶媒を使用するリチウムイオン電池においては、電解質の可燃性への対応が避けて通ることのできない課題となる。そのため、リチウムイオン電池の安全性向上のひとつの方策として、有機電解液の代わりに、不燃で、液漏れのない固体電解質を使用する全固体リチウムイオン電池に関する検討が盛んになっている。
例えば、ポリエチレンオキサイドLi塩化合物のような高分子固体電解質を用いる全固体化したリチウムイオン電池が古くから多く検討されてきた。しかしながら、高分子固体電解質の室温でのイオン伝導度は液系電解質に比較して1/100以下と低く、また、伝導度の温度依存性が大きいために低温では伝導度が極端に低下するため、室温や低温で取り出せる電流が小さいこと、充電状態で黒鉛負極と副反応を起こしやすいこと、さらに固体電解質/電極界面の抵抗が高くなることなどの問題がある。
また、無機セラミックス系のリチウムイオン伝導体を固体電解質として用いる全固体化したリチウムイオン電池も古くから検討されている。
このような背景のもとで、近年ではリチウムイオン伝導度が高い硫化物系固体電解質を中心に盛んに固体電解質の研究開発がなされており、常温でもリチウムイオンの伝導率が10−3Scm−1以上を示す硫化物系固体電解質が開発されている。
特許文献1〜4には、負極活物質として用いることができる材料として、In、Al、Si、Sn等の金属系材料、LiTi12等のセラミックス系材料、グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素系材料、粒子表面を炭素層で被覆した材料などが開示されている。
全固体リチウムイオン電池の固体電解質の研究開発が盛んに行われている一方で、多くの開示例では、電解液を用いるリチウムイオン電池で使用されてきた従来の材料が、全固体リチウムイオン電池の負極活物質として用いられている。
全固体リチウムイオン電池の負極活物質として、従来の電解液を用いるリチウムイオン電池で使用されてきた黒鉛系材料、炭素系材料、ケイ素系材料を用いた場合、負極側の電位がLi基準で0V付近まで低下するが、負極の電位が0.3Vより低下すると固体電解質が不安定化するという問題があった。従来は低い電位まで安定した固体電解質が知られていなかったため、これと組み合わせる黒鉛系、炭素系の負極活物質の最適化については十分な検討がなされていなかった。また、ケイ素系材料を負極活物質として用いた場合には、充放電に伴う体積膨張が著しく、そのため容量劣化が速くなるという別の問題があった。
特許文献4には2種類以上の材料を混合した組成物を負極活物質層の形成用組成物として使用することができる旨開示されているが、用いる固体電解質の最適な粒子サイズや材料の物性等については検討されていなかった。
特開2011−181260号公報 特開2013−16423号公報 特開2013−41749号公報 特開2015−191864号公報
よって、放電容量、レート特性、サイクル特性、クーロン効率といった諸特性に優れた全固体リチウムイオン電池を提供するために、全固体リチウムイオン電池に好適な負極活物質のさらなる検討が求められる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、固体電解質と負極活物質の間の接触が良好な、放電容量とレート特性とサイクル特性とクーロン効率に優れた全固体リチウムイオン電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成からなる全固体リチウムイオン電池である。
[1] 負極合剤層、正極合剤層及び固体電解質層を含む全固体リチウムイオン電池であって、前記負極合剤層は負極活物質を31.0質量%以上85.0質量%以下及び固体電解質を15.0質量%以上69.0質量%以下含み、前記固体電解質は酸化物系固体電解質及び硫化物系固体電解質から選ばれる少なくとも1種であり、体積基準累積粒度分布における50%粒子径(D50)が0.10μm以上3.00μm以下の粒子であり、前記負極活物質はバナジウム(V)を50〜1000質量ppm含有し、D50が1〜30μm、BET比表面積が1.0〜12.0m/g、粉末X線回折測定から得られる黒鉛結晶の(002)面の面間隔d002(nm)とc軸方向の大きさLc002(nm)が下記式(1)及び(2):
0.3362≦d002≦0.3370 (1)
−23660×d002+8010≦Lc002≦−23660×d002
+8025 (2)
で示される関係を満たす炭素材料からなる、全固体リチウムイオン電池。
[2] 前記負極合剤層が0.1質量%以上5.0質量%以下の導電助剤を含有する、前項[1]に記載の全固体リチウムイオン電池。
[3] 前記炭素材料に含まれるバナジウムが酸化物及び炭化物から選ばれる少なくとも1種の化合物として存在している、前項[1]または[2]のいずれかに記載の全固体リチウムイオン電池。
[4] 前記炭化物がVC、V及びVCからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前項[3]に記載の全固体リチウムイオン電池。
[5] 前記酸化物がVO、V、V、VO及びV13からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前項[3]または[4]のいずれかに記載の全固体リチウムイオン電池。
[6] バナジウムが前記炭素材料の表面から中心部分まで均一に分散して存在する、前項[1]〜[5]のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
[7] 前記炭素材料は菱面体晶を有さない、前項[1]〜[6]のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
[8] 前記炭素材料の粉末X線回折測定で測定される(004)面のピーク強度に対する(110)面のピーク強度の比(I(110)/I(004))が0.25以上0.80以下であり、ラマン分光スペクトルで観測される1350cm−1付近のピーク強度IDと1580cm−1付近のピーク強度IGの強度比であるR値(ID/IG)が0.10〜0.30である、前項[1]〜[7]のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
[9] 前記炭素材料の表面が低結晶性炭素で被覆されている、前項[1]〜[8]のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
[10] 前記固体電解質が硫化物系固体電解質から選ばれる少なくとも1種である、前項[1]〜[9]のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
[11] 前記固体電解質のD50が前記炭素材料のD50に対して1/3以下である、前項[1]〜[10]のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
[12] 前記導電助剤が粒子状炭素または繊維状炭素である、前項[2]〜[11]のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
[13] 前記正極合剤層は固体電解質を含む、前項[1]〜[12]のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
[14] 前記正極合剤層は、前記負極合剤層に含まれる固体電解質と同種の固体電解質を含む、前項[13]に記載の全固体リチウムイオン電池。
[15] 前記固体電解質層は、前記負極合剤層に含まれる固体電解質と同種の固体電解質を含む、前項[1]〜[14]のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
本発明によれば、固体電解質と負極活物質の間の接触が良好な、放電容量とレート特性とサイクル特性とクーロン効率に優れた全固体リチウムイオン電池を提供することができる。
以下に、本発明にかかる全固体リチウムイオン電池の実施形態を詳細に説明する。
[1]構造
[1−1]概要
本発明の全固体リチウムイオン電池は、負極合剤層、正極合剤層、固体電解質層を少なくとも含む。
負極合剤層は、負極活物質及び固体電解質を少なくとも含み、さらに導電助剤を含むことが好ましい。負極合剤層に含まれる固体電解質は、酸化物系固体電解質及び硫化物系固体電解質から選ばれる少なくとも1種であり、硫化物系固体電解質から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
正極合剤層は正極活物質を少なくとも含み、固体電解質を含むことが好ましい。この固体電解質は、上述の負極合剤層に含まれる固体電解質と同種の固体電解質であることが好ましい。
固体電解質層は固体電解質を少なくとも含み、この固体電解質は、上述の負極合剤層に含まれる固体電解質と同種の固体電解質であることが好ましい。
[1−2]負極合剤層
本発明の一実施態様にかかる負極合剤層は、負極活物質を31.0質量%以上85.0質量%以下含み、固体電解質を15.0質量%以上69.0質量%以下含む。このような配合比とした電極合剤を用いて負極を製造することにより、放電容量、充放電レート特性、サイクル特性が良好となる。
同様の観点から、負極合剤層は負極活物質を35質量%以上含むことが好ましく、45質量%以上含むことがさらに好ましい。また、負極合剤層は負極活物質を80質量%以下含むことが好ましく、75質量%以下含むことがさらに好ましい。負極合剤層は固体電解質を20質量%以上含むことが好ましく、25質量%以上含むことがさらに好ましい。また、負極合剤層は固体電解質を65質量%以下含むことが好ましく、55質量%以下含むことがさらに好ましい。
本発明の一実施態様にかかる負極合剤層は0.1質量%以上の導電助剤を含有することが好ましい。導電助剤の含有量が0.1質量%以上であると、合剤層内の導電性が向上することでレート特性が向上する。同様の観点から0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がさらに好ましい。負極合剤層は5.0質量%以下の導電助剤を含有することが好ましい。5.0質量%以下であると、合剤層内のイオン伝導性が良好でありレート特性が向上する。同様の観点から4.5質量%以下が好ましく、4.0質量%以下がさらに好ましい。以上の理由から、導電助剤の含有量は、例えば、0.1質量%以上で5.0質量%以下とする。
[1−2−1]負極活物質
本発明の一実施態様にかかる負極活物質は、下記に記載の諸特性を有する、バナジウム(V)を含有する炭素材料からなる。
[1−2−2]D50
本発明の一実施態様にかかる炭素材料の体積基準累積粒度分布における50%粒子径D50は1μm以上であり、好ましくは3μm以上である。1μm以上とすることで凝集を抑制し電極塗工時に均一な電極を得やすい。また、D50は30μm以下であり、好ましくは20μm以下である。30μm以下とすることでレート特性を低くできる。よって、本発明の一実施態様にかかる黒鉛粒子では、D50を例えば1〜30μmとする。
[1−2−3]BET比表面積
本発明の一実施態様にかかる炭素材料のBET比表面積は、1.0m/g以上であり、好ましくは2.5m/g以上であり、より好ましくは4.0m/g以上である。1.0m/g以上であると比表面積が高いため、レート特性が高くなりやすい。BET比表面積は、12.0m/g以下であり、好ましくは10.0m/g以下であり、より好ましくは8.0m/g以下である。12.0m/g以下であると電極塗工時に凝集を抑制する他、電池としたときに副反応を抑制するためクーロン効率が高く、高温保存性や高温サイクル特性が優れる。よって、本発明の一実施態様にかかる炭素材料では、BET比表面積を例えば1.0〜12.0m/gとする。
[1−2−4]炭素材料原料の揮発成分
粒径を細かくする粉砕を行う際に、炭素材料原料によって表面の荒れ方が異なり、黒鉛化後に望ましいBET比表面積が得られないことがある。
本発明者らが検討した結果、揮発成分を5質量%以上含むコークスを加熱する際に発生する揮発成分のガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)において、GC−MSのチャートにおけるピレン等のベンゼン環が4個縮合した構造を持つ芳香族炭化水素のピーク面積の和S1と、ベンゼン環が1〜4個が縮合した構造を持つ芳香族炭化水素のピーク面積の和S2との割合S1/S2をαとしたとき、αの値を適切な範囲に設定することで黒鉛化後に望ましいBET比表面積が得られることが分かった。このα値は、0.25〜0.40が好ましく、より好ましくは0.25〜0.35、さらに好ましくは0.30〜0.35である。
コークスの原料としては、例えば、石油ピッチ、石炭ピッチ等及びこれらの混合物を用いることができる。粉砕する手法には特に制限はなくジェットミル、ハンマーミル、ローラーミル、ピンミル、振動ミル等を用いて行うことができる。
[1−2−5]炭素材料の面間隔d002とc軸方向の大きさLc002の関係
粉末X線回折測定で得られる黒鉛結晶の(002)面の面間隔d002(nm)と、c軸方向の大きさLc002(nm)との関係は、炭素材料のクーロン効率、高温保存、高温サイクル特性に関係する。
本発明の一実施態様にかかる炭素材料のd002は0.3362nm以上である。またd002は0.3370nm以下であり、0.3368nm以下であることがより好ましい。
本発明の一実施態様にかかる炭素材料のLc002は、上記d002との関係において、−23660×d002+8010以上であり、−23660×d002+8015以上であることが好ましい。また、このLc002は、−23660×d002+8025以下であり、−23660×d002+8020以下であることが好ましい。
よって、本発明の一実施態様にかかる炭素材料は、電池容量の観点から、黒鉛結晶の面間隔d002(nm)とc軸方向の大きさLc002(nm)が、例えば下記の式(1)及び式(2)で示される関係を満たす炭素材料である。
0.3362≦d002≦0.3370 ・・・ 式(1)
−23660×d002+8010≦Lc002≦−23660×d002
+8025 ・・・ 式(2)
この炭素材料は、好ましくは、下記の式(3)及び式(4)で示される関係を満たす炭素材料である。
0.3362≦d002≦0.3368 ・・・ 式(3)
−23660×d002+8015≦Lc002≦−23660×d002
+8020 ・・・ 式(4)
なお、黒鉛結晶面間隔d002は、学振法(2004年版)により粉末X線回折(XRD)法を用いて測定することができる(野田稲吉、稲垣道夫,日本学術振興会,第117委員会資料,117−71−A−1(1963)、稲垣道夫他,日本学術振興会,第117委員会資料,117−121−C−5(1972)、稲垣道夫,「炭素」,1963,No.36,25−34頁;Iwashita et al.,Carbon vol.42(2004),p.701−714参照)。
[1−2−6]含有バナジウム
本発明の一実施態様にかかる炭素材料は、バナジウム化合物を、バナジウム換算で50質量ppm以上含む。バナジウム化合物を50質量ppm以上含有することでクーロン効率の向上が顕著となる。同様の観点から、バナジウム含有量は100質量ppm以上が好ましく、200質量ppm以上がさらに好ましい。このバナジウム含有量は、1000質量ppm以下である。バナジウム含有量が1000質量ppmを超えると逆にクーロン効率が低下するためである。同様の観点から、バナジウム含有量は750質量ppm以下が好ましく、500質量ppm以下がさらに好ましい。上記理由から、炭素材料中のバナジウム含有量は、例えば50〜1000質量ppmとする。
このような炭素材料は、D50が30μm以下で、上述のα(=S1/S2)の値が0.25〜0.40であるコークスを原料にバナジウム化合物を添加して混合分散させ、黒鉛化することにより得られる。この黒鉛化により表面が不活性化してR値が上昇し、クーロン効率が向上する。なお、バナジウム添加による効果を十分に発現させるためには、炭素材料の表面から中心部分までバナジウムが均一に分散されていることが好ましい。
上記バナジウム化合物には、酸化物及び炭化物から選ばれる少なくとも1種が用いられる。酸化物としては、VO、V、V、VO及びV13などが挙げられ、炭化物としては、VC、V及びVCなどが挙げられる。したがって、炭素材料に含まれるバナジウムは、これらの酸化物及び炭化物から選ばれる少なくとも1種の化合物として存在している。
黒鉛化後のバナジウムの含有量を上記の範囲に存在させるには、炭素材料原料にバナジウム化合物をバナジウム換算で200〜10000質量ppm、好ましくは3000〜8000質量ppm混合分散して黒鉛化を行う。
[1−2−7]黒鉛化の温度
黒鉛化のための処理は、加熱工程を複数含む。例えば、黒鉛化処理が二回の加熱工程を含む場合、二回目の加熱工程が最後の加熱工程となる。また、それぞれの加熱工程の間には、自然冷却による冷却工程を設けることが好ましい。
黒鉛化処理は、最後の加熱工程の温度を例えば3000〜3200℃の範囲とし、それ以外の加熱工程の温度を、上記最後の加熱工程の温度よりも低く設定することが好ましい。最後の加熱工程以外の加熱工程の好ましい温度範囲は、例えば2000〜2400℃であり、より好ましくは2000〜2200℃である。
加熱工程間には、一旦、黒鉛化材料の温度を1300℃以下とする冷却工程を設けることが好ましい。この冷却により、発生したガスがコークス表面に付着し、コーティングと同等の役割を果たし、クーロン効率の向上などの好ましい効果を得ることができる。さらに、黒鉛結晶の(002)面の面間隔d002とc軸方向の大きさLc002の関係に変化が生じるため、コーティングとは異なり、高温での電池特性の低下を引き起こさないという利点がある。
黒鉛化の工程では、残留させるバナジウム化合物の量、及び容量に関係するd002の制御の観点から、最後の加熱処理工程の温度を3000〜3200℃の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは3100〜3200℃の範囲に設定する。最後の加熱処理工程の温度が3200℃より低いと、添加したバナジウム化合物が気化せず、炭素材料中のバナジウム残留量が低下しない。一方、最後の加熱処理工程の温度が3000℃よりも高いと、黒鉛結晶が成長し、リチウムイオンを高容量で蓄えることが可能な電極を得ることできる。
[1−2−8]カルシウム化合物の添加及び再熱処理
上述の炭素材料は、CaO、Ca(OH)、CaCO、Ca(COO)、Ca(CHCOO)、Ca(NOから選ばれる少なくとも1種のカルシウム化合物を黒鉛化後の炭素材料に添加して再度黒鉛化後を行うことにより、BET比表面積を高めることが可能である。各種物性が望ましい範囲に収まっている場合は、本再黒鉛化工程を加えても、本発明で必要とされる炭素材料の特性は維持される。
カルシウム化合物の添加量はカルシウム換算で1〜10000質量ppm、好ましくは100〜5000質量ppm、より好ましくは100〜3000質量ppmであり、カルシウム化合物を黒鉛に混合分散して再度黒鉛化を行う。
この再黒鉛化の温度は3000〜3200℃が好ましく、より好ましくは3100〜3200℃である。再黒鉛化の温度が3000℃未満ではCaが残存してしまい、電池特性に悪影響を及ぼす。電池特性の観点から、再黒鉛化後のカルシウム含有量は50ppm以下であることが好ましく、より好ましくは20ppm以下であり、さらに好ましくは10ppm以下である。
[1−2−9]黒鉛粒子の結晶構造
黒鉛には六方晶黒鉛と菱面体晶黒鉛とがある。六方晶黒鉛は、炭素の六角網平面構造からなる層が、(2/3,1/3)ずつ平行移動して積み重なる、いわゆるAB型積層構造を成している。一方、菱面体晶黒鉛は、炭素の六角網平面構造からなる層が、先ず(2/3,1/3)平行移動し、次いで(1/3,2/3)平行移動して積み重なる、いわゆるABC型積層構造を成している。
X線種としてCu−Kα線を用いた場合、六方晶黒鉛は回折角(2θ)41.7度〜42.7度の範囲及び43.7度〜44.7度の範囲に回折ピーク(六方晶100回折線および六方晶101回折線)が現われ、菱面体晶黒鉛は回折角42.7度〜43.7度の範囲および45.5度〜46.5度の範囲に回折ピーク(菱面体晶101回折線および菱面体晶012回折線)が現われる。回折角42.7度〜43.7度の範囲に回折ピークが存在しない場合、菱面体晶を含まないことが確認できる。また、菱面体晶構造は、六方晶黒鉛を粉砕した際に生じる格子歪みによって形成される。
本発明の一実施態様にかかる炭素材料は、菱面体晶を含まないことが好ましい。菱面体晶を含まない炭素材料は格子歪みが非常に少ないため充放電サイクル特性が優れる傾向にある。結晶構造に関する測定・評価は後述の方法による。
[1−2−10]I(110)/I(004)
粉末X線回折法によって測定される(004)面回折ピークの強度と(110)面回折ピークの強度との比I(110)/I(004)は粒子の配向のしやすさを示すものであり、低い場合は粒子の配向がしやすく、高い場合は配向しにくいことを表す。
本発明の一実施態様にかかる炭素材料のI(110)/I(004)は0.25以上が好ましく、0.30以上がより好ましい。0.25以上であると、過度の配向が抑えられることで高いレート特性が得られる。I(110)/I(004)は0.80以下が好ましく、0.70以下がより好ましい。0.80以下であると、圧縮成形した際に適度に変形し易く、固体電解質に接触する面積が広くなることで、レート特性が向上するためである。同様の観点から、0.25以下がより好ましく、0.30以下がさらに好ましい。上記理由から、炭素材料のI(110)/I(004)は、例えば0.25以上0.80以下とする。
[1−2−11]炭素材料のレーザラマンのピーク強度比(R値)
レーザラマン分光スペクトルで観測される1350cm−1付近のピーク強度IDと1580cm−1付近のピーク強度IGの強度比であるR値(ID/IG)を求めることにより、炭素材料表面の状態(結晶化度)を推測することができる。R値が大きい程、炭素材料の表面の結晶化度が低い。炭素材料の表面の結晶化度が低ければ(すなわちR値が高ければ)、表面での電気抵抗が下がり、低温充放電特性が良好になる傾向がある。そのため、本発明の一実施態様にかかる炭素材料のR値は、0.10以上が好ましく、より好ましくは0.15以上である。R値は0.10以上であるとサイクル特性を高くできる。黒鉛粒子のR値は、0.30以下が好ましく、0.25以下がより好ましい。0.30以下であると表面での電気抵抗が下がり、レート特性が良好になる傾向がある。よって、本発明の一実施態様にかかる黒鉛粒子では、上記R値を例えば0.10〜0.30とする。
[1−2−12]黒鉛粒子の表面構造
本発明の一実施態様にかかる炭素材料は、表面が低結晶性炭素による被覆されていることが好ましい。この場合、炭素材料表面の欠陥が修復されることでクーロン効率が向上し、また低結晶性炭素の特性であるリチウムイオンの挿入脱離に容易にする効果も得られレート特性を向上させることができる。低結晶性炭素はアモルファス炭素がさらに好ましい。
炭素材料の表面が低結晶性炭素で被覆されると様々な方向からのリチウムイオンを素早く受入れ、放出できるメリットがある。従って、炭素材料内部の結晶化度が高い構造と、炭素材料表面の結晶化度が低い構造とが複合化されることでレート特性に優れ、かつ高容量の電池を得ることができる。
炭素材料の表面を低結晶性炭素で被覆する方法の一態様として、有機化合物を炭素材料表面に付着させ、900〜1500℃の温度範囲で不活性ガス雰囲気下にて焼成する方法が挙げられる。このような有機化合物としては、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フラン樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂及びエポキシ樹脂を用いることが好ましく、石油系ピッチまたは石炭系ピッチがさらに好ましい。
有機化合物の添加量は、炭素材料100質量部に対して0.01質量部以上が好ましい。0.01質量部以上であるとクーロン効率が優れる傾向にある。同様の観点から0.10質量部以上がより好ましく、0.50質量部以上がさらに好ましい。また、有機化合物の添加量は5.00質量部以下が好ましい。5.00質量部以下であると固体電解質との混合が優れる傾向にある。同様の観点から4.00質量部以下がより好ましく、2.00質量部以下がさらに好ましい。
手順としては、有機化合物を溶剤と混ぜて液状にして炭素材料と混合及び混練し、その後に溶剤を揮発させ、焼成処理を行うことで炭素材料表面を低結晶性の炭素層で被覆することができる。また、有機化合物と炭素材料を粉体同士で単純に混合し、それを熱処理する方法でも良い。
[1−2−13]炭素材料への他の黒鉛材料の混合
本発明の一実施態様では、負極合剤層に含有させる負極活物質の材料として上述の炭素材料を単独で使用することもできるが、他の黒鉛材料を混合して用いることもできる。例えば、上述した炭素材料100質量部に対して、他の黒鉛材料として、d002が0.3370nm以下の球状の天然黒鉛または人造黒鉛を0.01〜200質量部配合したもの、好ましくは0.01〜100質量部配合したものを使用することができる。あるいは、上述した炭素材料100質量部に対して、他の黒鉛材料として、d002が0.3370nm以下で、アスペクト比が2〜100の天然黒鉛または人造黒鉛を0.01〜120質量部配合したもの、好ましくは0.01〜100質量部配合したものを使用することもできる。
上述した炭素材料に他の黒鉛材料を混合して用いることにより、本発明の好ましい実施態様における炭素材料の優れた特性を維持した状態で、他の黒鉛材料が有する優れた特性も兼ね備えた炭素材料とすることが可能である。これらの混合に際しては、要求される電池特性に応じて適宜、混合材料を選択し、混合量を決定することができる。
[1−2−14]固体電解質
本発明の一実施態様において、負極合剤層に含まれる固体電解質には、酸化物系固体電解質および硫化物系固体電解質から選ばれる少なくとも1種を使用する。
酸化物系固体電解質としては、ガーネット型複合酸化物、ペロブスカイト型複合酸化物、LISICON型複合酸化物、NASICON型複合酸化物、Liアルミナ型複合酸化物、LIPON、酸化物ガラスが挙げられる。これらの酸化物系固体電解質のうち、負極電位が低くても安定的に使用できる酸化物系固体電解質を選択することが好ましい。例えば、La0.51Li0.34TiO2.94、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO43、Li7La3Zr212、50Li4SiO4・50Li3BO3、Li2.9PO3.30.46、Li3.6Si0.60.44、Li1.07Al0.69Ti1.46(PO43、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO43が好適である。
硫化物系固体電解質としては、硫化物ガラス、硫化物ガラスセラミック、Thio−LISICON型硫化物が挙げられる。これらの硫化物系固体電解質のうち、負極電位が低くても安定的に使用できる硫化物系固体電解質を選択することが好ましい。例えば、Li10GeP212、Li3.25Ge0.250.754、30Li2S・26B23・44LiI、63Li2S・36SiS2・1Li3PO4、57Li2S・38SiS2・5Li4SiO4、70Li2S・30P25、50Li2S・50GeS2、Li7311、Li3.250.954、Li3PS4、Li2S・P23・P25が好適である。
負極電位が低くても安定的に使用できる固体電解質を、本発明の負極活物質と組み合わせることで、全固体リチウムイオン電池の電池性能がさらに向上する。上記の固体電解質は1種類で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることも可能である。本発明の一実施態様にかかる固体電解質には、硫化物系固体電解質を使用することがさらに好ましい。
本発明の一実施態様にかかる固体電解質は、体積基準累積粒度分布における50%粒子径(D50)が0.10μm以上の粒子である。0.10μm以上とすると、イオン伝導率が優れるためである。同様の観点から、0.20μm以上が好ましく、0.30μm以上がさらに好ましい。また、D50は3.00μm以下である。3.00μm以下とすることで、充填性が優れるためである。同様の観点から、2.00μm以下が好ましく、1.50μm以下がさらに好ましい。なお、上記D50は、レーザー回折法により求めることができる。上記理由から、D50を、例えば0.10μm以上3.00μm以下とする。
本発明の一実施態様にかかる固体電解質のD50は、上述の炭素材料のD50に対して1/3以下であることが好ましい。これは炭素材料のサイズに対して固体電解質粒子のサイズを一定以下にすることで、黒鉛間の隙間に固体電解質が分散しやすくイオン伝導性が優れるからである。同様の観点から、1/10以下がより好ましい。
[1−2−15]導電助剤
導電助剤としては、粒子状炭素質導電助剤、繊維状炭素質導電助剤を用いることが好ましい。粒子状炭素質導電助剤は、デンカブラック(登録商標)(電気化学工業(株)製)、ケッチェンブラック(登録商標)(ライオン(株)製)、黒鉛微粉SFGシリーズ(Timcal社製)、グラフェン等の粒子状炭素を使用することができる。繊維状炭素質導電助剤は、気相法炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等を使用することができる。サイクル特性に優れることから気相法炭素繊維「VGCF(登録商標)‐H」(昭和電工(株)製)が最も好ましい。
[1−3]固体電解質層
固体電解質層は固体電解質が含まれる層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。固体電解質は、上述した負極合剤層に用いるものと同種のものであることが好ましい。
[1−4]正極合剤層
正極合剤層は正極活物質が含まれる層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。正極合剤層は固体電解質を含むことが好ましい。固体電解質は、上述した負極合剤層に用いるものと同種のものであることがさらに好ましい。
正極活物質には公知の正極活物質が採用可能である。例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Mn1/3Co1/3等の岩塩型層状活物質、LiMn等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCuPO等のオリビン型活物質、LiS等の硫化物活物質等を使用することができる。
正極活物質の体積基準累積粒径分布における50%粒子径(D50)は1μm以上30μm以下が好ましく、3μm以上10μm以下がさらに好ましい。正極活物質の粒子サイズは固体電解質層に含まれる固体電解質粒子に対して10倍以上が好ましい。
[1−5]結着剤
負極、正極の形状を維持するために公知の結着剤を用いることもできる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリブタジエン等を用いることができる。
[2]製造方法
[2−1]固体電解質粒子の製造方法
固体電解質粒子を製造する手段は特に限定されない。例えば乳鉢、遊星ミル、ボールミル、振動ミル、メカノフュージョン(登録商標)等を用いてメカニカルミリング処理を行うことで得られる。
[2−2]固体電解質層の製造方法
固体電解質層の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、上述の固体電解質粒子を圧縮成形する方法などが挙げられる。
[2−3]正極合剤層および正極の製造方法
正極合剤層の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、正極活物質と固体電解質と導電助剤を乳鉢で10分間混合し、さらに遊星型ボールミルを用いて100rpmで1時間ミリング処理することにより均一化し、内径10mmφのポリエチレン製ダイとSUS製のパンチを用いて一軸プレス成形機により400MPaでプレス成形することで、円柱状の正極合剤層を得ることができる。これに正極集電体を密着させることで正極を得ることができる。
[2−4]正極集電体
正極集電体にはアルミ箔またはSUS箔が使用可能であり、カーボンコートまたは酸化物コートした箔を用いることもできる。コートする方法は特に限定されない。また、カーボンコート層に含まれるカーボンも特に限定されないが、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノチューブ、グラフェン、気相法炭素繊維、人造黒鉛微粉末等を用いることができる。集電体には圧延箔、電解箔のいずれも用いることができる。
[2−5]負極合剤層および負極の製造方法
負極合剤層の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばアルゴンガス雰囲気にしたグローブボックス内で負極活物質と固体電解質と必要に応じて導電助剤を乳鉢で混合し、さらに遊星型ボールミルを用いて100rpmで1時間ミリング処理することにより均一化し、内径10mmφのポリエチレン製ダイとSUS製のパンチを用いて一軸プレス成形機により400MPaでプレス成形することで、円柱状の負極合剤層を得ることができる。これに負極集電体を密着させることで負極を得ることができる。
[2−6]負極集電体
負極集電体にはニッケル箔が使用可能であり、カーボンコートまたは酸化物コートしたニッケル箔を用いることもできる。コートする方法は特に限定されない。また、カーボンコート層に含まれるカーボンも特に限定されないが、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノチューブ、グラフェン、気相法炭素繊維、人造黒鉛微粉末等を用いることができる。集電体には圧延箔、電解箔のいずれも用いることができる。
[2−7]全固体リチウムイオン電池の製造方法
全固体リチウムイオン電池の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば上述した負極合剤層、固体電解質層、正極合剤層を、集電体を備えた内径10mmφのポリエチレン製ダイの中に積層し、両側からSUS製のパンチで100MPaの圧力で挟むことで、全固体リチウムイオン電池を得ることができる。
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに制限されるものではない。なお、実施例及び比較例の炭素材料についての形状、組成、物性及びこれを電極に使用した電池の特性の測定方法は以下の通りである。
[A]測定条件
[粉末XRD:d002、Lc]
炭素粉末試料と標準シリコン(NIST製)が9対1の質量比になるように混ぜた混合物をガラス製試料板(試料板窓18×20mm、深さ0.2mm)に充填し、以下のような条件で測定を行った。
XRD装置:株式会社リガク製SmartLab(登録商標)
X線種:Cu−Kα線
Kβ線除去方法:Niフィルター
X線出力:45kV、200mA
測定範囲:24.0〜30.0deg.
スキャンスピード:2.0deg./min.
得られた波形に対し、学振法を適用し面間隔d002及びc軸方向の大きさLc002の値を求めた。
[粉末XRD:菱面体晶回折ピーク]
サンプルガラス製試料板(試料板窓18×20mm、深さ0.2mm)に充填し、以下の条件で測定を行った。
XRD装置:Rigaku製SmartLab(登録商標)
X線種:Cu−Kα線
Kβ線除去方法:Niフィルター
X線出力:45kV、200mA
測定範囲:5.0〜100.0deg.
スキャンスピード:2.0deg./min.
得られた波形に対して、菱面体晶構造の(100)面と(101)面にピークが存在するかを確認した。
(100)面:42.7〜43.7deg.
(101)面:45.5〜46.5deg.
このピークが存在しない場合を菱面体晶が存在しないと判定した。
[粉末XRD:I(110)/I(004)]
上述の菱面体晶回折ピークの存在を確認するために得たスペクトルに基づき、(004)面のピーク強度I(004)と(110)面のピーク強度I(110)から配向性の指標となる強度比I(110)/I(004)を算出した。なお、各面のピークは以下の範囲のうち最大の強度のものをそれぞれのピークとして選択した。
(004)面:54.0〜55.0deg.
(110)面:76.5〜78.0deg.
[体積基準累積粒度分布における50%粒子径(D50)]
体積基準累積粒度分布における50%粒子径(D50)の測定に用いた装置および条件は、下記のとおりである。
粒度測定装置:Marvern Instruments製Mastersizer(登録商標)2000
約5mgのサンプルを容器に入れ、界面活性剤が0.04質量%含まれた水を加えて5分間超音波処理を行った後に測定を行った。
[BET比表面積]
BET比表面積の測定に用いた装置および条件は、下記のとおりである。
BET比表面積測定装置:Quantachrome製NOVA2200e
BETセル(9mm×135mm)に約3gのサンプルを入れ、300℃、真空条件下で1時間乾燥後、測定を行った。BET比表面積測定用のガスはNを用いた。
[バナジウム及びカルシウム含有量]
バナジウム及びカルシウム含有量の測定に用いた装置および条件は、下記のとおりである。
ICP測定装置:SII製SPS3500Series
試料0.1gを石英ビーカーに採取し、硝酸(電子工業用)0.5ml及び硫酸(有害金属測定用)5mlを添加し、480℃に設定したホットプレートにて加熱した。次いで放冷し、これに硝酸0.5mlを添加しさらに過熱した。内容物が目視で見えなくなるまで硝酸添加と加熱を繰り返して試料に含まれる炭素成分を除去し、室温まで冷却した後、超純水でポリプロピレン製容器に移し50mlに定容し、ICP測定装置にてバナジウム及びカルシウムの含有量を定量した。
[ラマン分光分析(R値)]
ラマン分光分析に用いた装置および条件は、下記のとおりである。
ラマン分光装置:日本分光株式会社製NRS−5100
励起波長532.36nm、入射スリット幅200μm、露光時間15秒、積算回数2回、回折格子600本/mmの条件で測定を行い、1300〜1400cm−1の範囲にあるピークの強度(高さ)(ID)と1580〜1620cm−1の範囲にあるピークの強度(高さ)(IG)の強度比をR値(ID/IG)とした。
[GC−MS測定]
GC−MS測定に用いた装置および条件は、下記のとおりである。
熱抽出装置:フロンティア・ラボ株式会社製PY−2010
GC装置:アジレント・テクノロジー株式会社製GC6890
MS装置:日本電子株式会社製AutomassII
コークス100gを200℃から800℃まで20℃/分の速度で昇温し、発生する揮発成分を液体窒素で捕集し、抽出終了後に成分のGC−MS測定を行った。
GC−MSのチャートにおいて、ピレン、テトラセン、トリフェニレン、クリセン、テトラフェンを骨格とするベンゼン環が4個縮合した構造を持つ芳香族炭化水素が示すピークの面積の和をS1、ベンゼン環1〜4個が縮合した構造を持つ芳香族炭化水素のピーク面積の和をS2とし、α=S1/S2として原料となる各コークスのα値を算出した。
[B]電池の作製
[固体電解質層の作製]
アルゴンガス雰囲気下で出発原料のLiS(日本化学(株)製)とP(シグマ アルドリッチ ジャパン合同会社製)を75:25のモル比率で秤量して混合し、遊星型ボールミル(P−5型、フリッチュ・ジャパン(株)製)及びジルコニアボール(10mmφ7個、3mmφ10個)を用いて20時間メカニカルミリング(回転数400rpm)することにより、D50が8μmのLiPS非晶質固体電解質を得た。
内径10mmφのポリエチレン製ダイとSUS製のパンチを用いて、一軸プレス成形機によりプレス成形を行うことで、電池評価試験に用いる厚さ960μmの固体電解質層を得た。
[負極合剤層の作製]
アルゴンガス雰囲気にしたグローブボックス内で負極活物質である炭素材料と固体電解質と必要に応じて導電助剤(デンカブラック(HS−100)またはVGCF−H)を混合し、さらに遊星型ボールミルを用いて100rpmで1時間ミリング処理することにより均一化し、内径10mmφのポリエチレン製ダイとSUS製のパンチを用いて一軸プレス成形機により400MPaでプレス成形することで、電池評価試験に用いる厚さ65μmmである円柱状の負極合剤層を得た。
[正極合剤層の作製]
正極活物質LiCoO(日本化学工業(株)製、D50:10μm)55質量%、固体電解質(LiPS、D50:8μm)40質量%、デンカブラック(HS−100)5質量%を混合し、さらに遊星型ボールミルを用いて100rpmで1時間ミリング処理することにより均一化し、内径10mmφのポリエチレン製ダイとSUS製のパンチを用いて一軸プレス成形機により400MPaでプレス成形することで、電池評価試験に用いる厚さ65μmの正極合剤層を得た。
[電池の組み立て]
正極集電体としてアルミ箔を備えた内径10mmφのポリエチレン製ダイと、負極集電体としてニッケル箔を備えた内径10mmφのポリエチレン製ダイとを1対用意し、上述した負極合剤層、固体電解質層、正極合剤層を上述のポリエチレン製ダイの中に積層し、両側からSUS製のパンチで100MPaの圧力で挟むことで、設計容量45mAhの試験電池を得た。
[C]電池評価
一回目の充電は1.25mA(0.05C)で4.2Vまで定電流充電を行い、続いて4.2Vの一定電圧で40時間の定電圧充電を行った。その後、1.25mA(0.05C)にて2.75Vになるまで定電流放電を行った。初回放電時の容量(mAh)を負極合剤層中の黒鉛粒子の重量で割った値を放電容量(mAh/g)とした。
2.5mA(0.1C)で放電した時の放電容量を100%とし、これに対する75mA(3.0C)で放電した時の放電容量の割合をレート特性(%)とした。また、25℃にて測定した初回の放電容量を100%として、500サイクル後の放電容量をサイクル特性(%)とした。サイクル特性の測定においては、充電は4.2Vになるまで5.0mA(0.2C)の定電流充電を行い、続いて4.2Vの一定電圧で0.05Cまで電流が小さくなるまで定電圧充電を行った。また、放電は25mA(1.0C)の定電流放電で2.75Vになるまで行った。
炭素材料A:
中国遼寧省産原油(比重API28、ワックス含有率17質量%、硫黄含有率0.66質量%)を常圧蒸留し、重質溜分に対して、十分な量のY型ゼオライト触媒を用い、510℃、常圧で流動床接触分解を行った。得られたオイルが澄明となるまで触媒等の固形分を遠心分離し、デカントオイルを得た。このオイルを小型ディレイドコーキングプロセスに投入した。ドラム入り口温度は505℃、ドラム内圧は600kPa(6kgf/cm)に10時間維持した後、水冷して黒色塊を得た。黒色塊を最大5cm程度になるように金槌で粉砕した後、キルンにて200℃で乾燥を行い、コークスを得た。このコークスのα値は0.32であった。
得られたコークスをホソカワミクロン株式会社製バンタムミルで粉砕した。次に、日清エンジニアリング製ターボクラシファイアーTC−15Nで気流分級し、D50=4μmである粉砕されたコークスを得た。この粉砕されたコークスとバナジウム換算で3000質量ppmとなるようV(株式会社高純度化学研究所製:75μm以下)を黒鉛ルツボに充填し、アチソン炉にて最高到達温度が約2100℃となるよう加熱処理を行った。その後止電し、1000℃に下がるまで自然放冷し、再度通電をして最高到達温度が3100℃になるよう加熱処理を行い、炭素材料Aを得た。
炭素材料B:
一回目の加熱工程の最高到達温度を2000℃とし、1000℃に下がるまで自然放冷後、二回目の加熱工程の最高到達温度を2400℃で行い、再度1000℃に自然放冷した後に、三回目の加熱工程の最高到達温度を3100℃とした以外は炭素材料Aと同様の方法で製造し炭素材料Bを得た。
炭素材料C:
添加するVの量をバナジウム換算で200質量ppmとした以外は炭素材料Aと同様の方法で製造し炭素材料Cを得た。
炭素材料D:
添加するVの量をバナジウム換算で10000質量ppmとした以外は炭素材料Aと同様の方法で製造し炭素材料Dを得た。
炭素材料E:
得られたコークスをホソカワミクロン株式会社製バンタムミルで粉砕し、次に、日清エンジニアリング製ターボクラシファイアーTC−15Nで気流分級し、D50=17μmである粉砕されたコークスを得た以外は炭素材料Aと同様の方法で製造し炭素材料Eを得た。
炭素材料F:
得られたコークスをホソカワミクロン株式会社製バンタムミルで粉砕し、次に、日清エンジニアリング製ターボクラシファイアーTC−15Nで気流分級し、D50=17μmである粉砕されたコークスを得た以外は炭素材料Bと同様の方法で製造し炭素材料Fを得た。
炭素材料G:
炭素材料Aにカルシウム換算で1000ppmになるようにCaO(株式会社高純度化学研究所製)を添加し3100℃で再黒鉛化することで炭素材料Gを得た。
炭素材料H:
炭素材料Aにカルシウム換算で1000ppmになるようにCaCO(株式会社高純度化学研究所製)を添加し3100℃で再黒鉛化することで炭素材料Hを得た。
炭素材料I:
炭素材料Aにカルシウム換算で1000ppmになるようにCaCO(株式会社高純度化学研究所製)を添加し3100℃で再黒鉛化することで炭素材料Iを得た。
炭素材料J:
炭素材料A100質量部に対して石油系ピッチ3質量部を添加し、窒素雰囲気にした電気式焼成炉を用いて1000℃で焼成することで炭素材料Jを得た。
炭素材料K:
一回目の加熱工程の最高到達温度を1600℃とした以外は炭素材料Aと同様の方法で製造し炭素材料Kを得た。
炭素材料L:
一回目の加熱工程の最高到達温度を3100℃とし、二回目の熱処理を実施しなかったこと以外は炭素材料Aと同様の方法で製造し炭素材料Lを得た。
炭素材料M:
バナジウム化合物を添加しなかったこと以外は炭素材料Aと同様の方法で製造し炭素材料Mを得た。
炭素材料N:
一回目の加熱工程の最高到達温度を3100℃とし、二回目の熱処理を実施しなかったこと以外は炭素材料Eと同様の方法で製造し炭素材料Nを得た。
炭素材料O:
バナジウム化合物を添加しなかったこと以外は炭素材料Eと同様の方法で製造し炭素材料Mを得た。
得られた炭素材料に対し、バナジウム含有量、カルシウム含有量、D50、BET比表面積、粉末XRD測定による面間隔d002及びc軸方向の大きさLc002の算出、菱面体晶の有無、I(110)/I(004)、ラマン分光分析方法によるR値を測定した。また、得られた炭素材料を用いて全固体リチウムイオン電池の作製を行い、放電容量、クーロン効率、サイクル維持率、を測定した。
炭素材料A〜Oを製造するための諸条件等を表1に、炭素材料A〜Oの炭素材料物性の評価結果を表2に纏めた。また、これら炭素材料を負極活物質とした全固体リチウムイオン電池(実施例1〜15及び比較例1〜9)の評価結果を、表3に示す。
Figure 2021144818
Figure 2021144818
Figure 2021144818
表2に示したように、炭素材料A〜Jはいずれも、バナジウムを50〜1000質量ppm含有しており、D50は1〜30μmの範囲にあり、BET比表面積は1.0〜12.0m/gの範囲にある。また、これらの炭素材料は、粉末X線回折測定から得られる黒鉛結晶の(002)面の面間隔d002(nm)は0.3362≦d002≦0.3370の条件を満たし、このd002(nm)とc軸方向の大きさLc002(nm)は、−23660×d002+8010≦Lc002≦−23660×d002+8025の条件を満たしている。
さらに、これらの炭素材料は、粉末X線回折測定で測定される(004)面のピーク強度に対する(110)面のピーク強度の比(I(110)/I(004))が0.25以上0.80以下の範囲にあり、ラマン分光スペクトルで観測される1350cm−1付近のピーク強度IDと1580cm−1付近のピーク強度IGの強度比であるR値(ID/IG)が0.10〜0.30の範囲にある。
これに対し、炭素材料KおよびLはそれぞれ、Lc002の値が48および46であり、−23660×d002+8010≦Lc002≦−23660×d002+8025の条件を充足していない。また、炭素材料Nは、Lc002の値が44であり上記関係式を充足していないことに加え、上記R値も0.10未満である。
また、炭素材料MおよびOは、バナジウム含有量が50質量ppm未満であることに加え、上記R値も0.10未満である。
このような炭素材料を負極活物質として用いた全固体リチウムイオン電池の特性を纏めた表3から明らかなように、上述の炭素材料A〜Jを用いた電池(実施例1〜15)では、放電容量、クーロン効率、サイクル特性(サイクル維持率)、レート特性のいずれについても、良好な値が得られている。なお、実施例1〜15のものは何れも、負極合剤層が負極活物質を31.0質量%以上85.0質量%以下及び固体電解質を15.0質量%以上69.0質量%以下含み、固体電解質はD50が0.10μm以上3.00μm以下のLiPSの粒子である。
一方、炭素材料Bを用いた比較例1では、サイクル維持率およびレート特性に劣っている。これは、固体電解質のD50値が8.00μmと大きいため、電極の充填性が悪くなった結果であると考えられる。
同じく炭素材料Bを用いた比較例2もサイクル維持率およびレート特性に劣っているが、これは、固体電解質のD50値が0.05μmと小さすぎるため、イオン伝導性に劣るためであると考えられる。
炭素材料Kを用いた比較例3、炭素材料Lを用いた比較例4、炭素材料Nを用いた比較例6はいずれも、放電容量およびサイクル維持率に劣っているが、これは、上述のとおり、炭素材料K、L、Nが、−23660×d002+8010≦Lc002≦−23660×d002+8025の条件を充足していない結果であると考えられる。なお、炭素材料NはR値も0.10未満であることは上述のとおりである。
炭素材料Mを用いた比較例5および炭素材料Oを用いた比較例7はいずれも、クーロン効率に劣っているが、これは、上述のとおり、炭素材料MおよびOは、バナジウム含有量が50質量ppm未満であることに加え、上記R値も0.10未満であることによると考えられる。
比較例8および比較例9はいずれも、炭素材料Bを用いた電池であるが、負極合剤層中の負極活物質の量についてみると、比較例8では25.0質量%と少なすぎるために放電容量で劣り、比較例9では87.0質量%と多すぎるためにサイクル維持率とレート特性において劣るものと考えられる。
本発明によれば、固体電解質と負極活物質の間の接触が良好な、放電容量とレート特性とサイクル特性とクーロン効率に優れた全固体リチウムイオン電池を提供することができる。
本発明にかかる全固体リチウムイオン電池は、種々な分野で使用することができる。例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、携帯電話、無線機、電子手帳、電子辞書、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メータ、電子キー、電子タグ、電力貯蔵装置、電動工具、玩具、デジタルカメラ、デジタルビデオ、AV機器、掃除機などの電気・電子機器;電気自動車、ハイブリッド自動車、電動バイク、ハイブリッドバイク、電動自転車、電動アシスト自転車、鉄道機関、航空機、船舶などの交通機関;太陽光発電システム、風力発電システム、潮力発電システム、地熱発電システム、熱差発電システム、振動発電システムなどの発電システムなどで使用される電池に採用可能である。

Claims (15)

  1. 負極合剤層、正極合剤層及び固体電解質層を含む全固体リチウムイオン電池であって、
    前記負極合剤層は負極活物質を31.0質量%以上85.0質量%以下及び固体電解質を15.0質量%以上69.0質量%以下含み、
    前記固体電解質は酸化物系固体電解質及び硫化物系固体電解質から選ばれる少なくとも1種であり、体積基準累積粒度分布における50%粒子径(D50)が0.10μm以上3.00μm以下の粒子であり、
    前記負極活物質はバナジウム(V)を50〜1000質量ppm含有し、D50が1〜30μm、BET比表面積が1.0〜12.0m/g、粉末X線回折測定から得られる黒鉛結晶の(002)面の面間隔d002(nm)とc軸方向の大きさLc002(nm)が下記式(1)及び(2):
    0.3362≦d002≦0.3370 (1)
    −23660×d002+8010≦Lc002≦−23660×d002
    +8025 (2)
    で示される関係を満たす炭素材料からなる、ことを特徴とする全固体リチウムイオン電池。
  2. 前記負極合剤層が0.1質量%以上5.0質量%以下の導電助剤を含有する、請求項1に記載の全固体リチウムイオン電池。
  3. 前記炭素材料に含まれるバナジウムが酸化物及び炭化物から選ばれる少なくとも1種の化合物として存在している、請求項1または2に記載の全固体リチウムイオン電池。
  4. 前記炭化物がVC、V及びVCからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載の全固体リチウムイオン電池。
  5. 前記酸化物がVO、V、V、VO及びV13からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項3または4のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
  6. バナジウムが前記炭素材料の表面から中心部分まで均一に分散して存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
  7. 前記炭素材料が菱面体晶を有さない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
  8. 前記炭素材料の粉末X線回折測定で測定される(004)面のピーク強度に対する(110)面のピーク強度の比(I(110)/I(004))が0.25以上0.80以下であり、ラマン分光スペクトルで観測される1350cm−1付近のピーク強度IDと1580cm−1付近のピーク強度IGの強度比であるR値(ID/IG)が0.10〜0.30である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
  9. 前記炭素材料の表面が低結晶性炭素で被覆されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
  10. 前記固体電解質が硫化物系固体電解質から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
  11. 前記固体電解質のD50が前記炭素材料のD50に対して1/3以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
  12. 前記導電助剤が粒子状炭素または繊維状炭素である、請求項2〜11のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
  13. 前記正極合剤層は固体電解質を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
  14. 前記正極合剤層は、前記負極合剤層に含まれる固体電解質と同種の固体電解質を含む、請求項13に記載の全固体リチウムイオン電池。
  15. 前記固体電解質層は、前記負極合剤層に含まれる固体電解質と同種の固体電解質を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の全固体リチウムイオン電池。
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