JP2021143909A - 分析チップ - Google Patents

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Abstract

【課題】被検物質を高い選択性と高感度で、かつ操作が簡便に分析することができる分析チップを提供する。【解決手段】本発明の分析チップ100は、被検物質を含む液体を流すための、平均孔径が15μm以上1000μm以下の多数の孔を有する多孔体流路10と、多孔体流路10の内部に配置する、作用電極21、参照電極22及び対極23を有する検出部20と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、分析チップに関する。
生体物質の検出は、医療、ヘルスケア、環境などの分野において行われている。そして、複数の生体物質から測定対象の生体物質を、選択的に高感度かつ簡便な操作性で定量することができる分析方法の開発が望まれている。
液体中の微量な生体物質を選択的に高感度で測定することができる方法の1つとして、免疫測定法が知られている。免疫測定法とは、測定対象の生体物質(抗原、ハプテン等)と、その抗原と結合する物質(抗体)との反応(抗原抗体反応)を利用して、抗原を定量する方法である。
抗原を定量する方法としては、サンドイッチ法が知られている。サンドイッチ法とは、一次抗体が固定された固体と、二次抗体が固定された標識とで、抗原を挟む(サンドイッチする)方法である。すなわち、サンドイッチ法は、抗原を一次抗体で補足し、その補足した抗原と二次抗体とを結合させ、その抗原と結合した二次抗体に固定されている標識を定量する方法である。
また、抗原を定量する方法としては、競合法も知られている。競合法とは、分析対象となる溶液中に含まれる被験物質である抗原と、標識が固定された抗体とを抗原抗体反応させ、次いでこのとき発生した未反応の標識が固定された抗体を定量する方法である。
標識を定量する方法として、ELISA法の他、標識として金属粒子を用い、その金属粒子の量を、電気化学的手法を用いて定量する方法が知られている。
特許文献1には、コロイド金属粒子で標識した少なくとも1つの試薬と、少なくとも1つの電極、及び、前記コロイド金属粒子を化学的に溶解するための試薬を含むイムノアッセイ法が開示されている。この特許文献1に開示されているイムノアッセイ法では、標識であるコロイド金属粒子を化学的に溶解し、次いでその金属の溶液を電極に移して還元して、還元した金属を電極に堆積させた後、その電極の表面に堆積した金属を電気的に再溶解させ、その再溶解後に現れるボルタンメトリーピークを解析することによって、その金属の量を測定する。
ELISA法よりもさらに迅速で容易に診断できる手段としてイムノクロマト法が開発された。イムノクロマト法では、ニトロセルロースが試料液を一定の流動方向に流動(毛細管現象によるクロマト展開)させる多孔質坦体として使用されるが、ニトロセルロース自体の孔径は約10μm程度である(特許文献2参照)。
一方、マイクロ流体デバイスは、医療、環境モニタリング、食品安全、及び他の用途における幅広い使用に高い可能性を有する。具体的には、少量の液体を処理するマイクロ流体システムの能力により、それらは、多くの生物学的分析用途によく適している。
例えば、非特許文献1には、DNA解析のための集積マイクロ流路チップが示されている。その製法には半導体用の微細加工プロセスを用いる。送液では機械ポンプを用いる。
特表2004−512496号公報 特許第5529065号公報 特許第6295182号公報
Burns、et.al.,Science、282(1998)484
多くの利点を有するにも関わらず、いくつかの技術的困難により、多くの用途に対するマイクロ流体デバイスの幅広い採用が阻まれている。例えば、ほとんどのマイクロ流体デバイスが、デバイス内部で流体の流動を制御するために、デバイス外部にある大型で高価な機械ポンプに依存する。かかる機械ポンプは、典型的に、流体流動の正確な制御により多くの用途に利点がもたらされるため必要とされる。例えば、流体流動を慎重に制御/最適化することで、試験(例えば、免疫アッセイ)の感度を上昇させ、分析用に細胞培養から産生物を移し、バイオセンサ中に固定した認識分子を標的とする結合を制限する枯渇領域の影響を最低限に抑えることができる。しかしながら、機械ポンプなどの複雑かつ/又は高価な外部設備を必要とすることにより、ポイントオブケア診断、食品及び水の試験、並びに特に資源の少ない環境における環境モニタリングのためのマイクロ流体試験の使用可能性が劇的に限定される。これらのマイクロ流体デバイスを簡単に使用できるようにし、より安価にし、動作の信頼性を高めるため、改善されたデバイス、及びマイクロ流体デバイス内で流体流動を制御するための方法が必要である。
従来の抗原抗体反応を用いた被検物質の検出方法は、操作が煩雑なため、医療現場での臨床検査や環境物質測定などの現場その場測定においてはその導入は困難である。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検物質を高い選択性と高感度で、かつ操作が簡便に分析することができる分析チップを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかる分析キットは、被検物質を含む液体を流すための、平均孔径が15μm以上1000μm以下の多数の孔を有する多孔体流路と、前記多孔体流路の内部又は表面に配置する、作用電極、参照電極及び対極を有する検出部と、を備える。
(2)上記態様にかかる分析キットにおいて、前記多孔体流路の内部又は表面に、前記被検物質を含む液体が前記検出部を通過した後に、前記被検物質を含む液体を保持できる液だめ部を備えてもよい。
(3)上記態様にかかる分析キットにおいて、前記液だめ部と外気の間に撥水性通気膜を備えてもよい。
(4)上記態様にかかる分析キットにおいて、前記多孔体流路及び前記検出部を挟み込むように配置する、第1基板及び第2基板を備えてもよい。
(5)上記態様にかかる分析キットにおいて、前記第1基板及び前記第2基板の一方又は両方に溝が形成され、前記第1基板及び前記第2基板が貼り合わせて前記溝からなる保持路に前記多孔体流路が形成されていてもよい。
(6)上記態様にかかる分析キットにおいて、酸化還元が可能あるいは酸化還元反応を促進する標識が固定されていると共に被検物質に特異的に結合する抗体が、前記前記多孔体流路の内部又は表面に配置されていてもよい。
(7)上記態様にかかる分析キットにおいて、前記酸化還元が可能あるいは酸化還元反応を促進する標識が、酵素、金属錯体および金属ナノ粒子からなる群より選ばれる少なくとも一つであってもよい。
(8)上記態様にかかる分析キットにおいて、前記作用電極に、被検物質と特異的に結合する抗体が固定されていてもよい。
(9)上記態様にかかる分析キットにおいて、前記作用電極に、被検物質が固定されていてもよい。
(10)上記態様にかかる分析キットにおいて、前記作用電極が、カーボン電極、貴金属電極、導電性ダイヤモンド電極または導電性ダイヤモンド様炭素電極であってもよい。
本発明の分析チップによれば、被検物質を高い選択性と高感度で、かつ操作が簡便に分析することができる分析チップを提供できる。
第1実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における断面模式図である。 第2実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における断面模式図である。 第3実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における断面模式図である。 第4実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における断面模式図である。 第5実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における断面模式図であり、(c)は、(a)のY−Y線における断面模式図である。 第6実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における断面模式図である。 第7実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における断面模式図である。 第8実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における断面模式図である。 実施例1におけるNo.1〜No.6の各抗原分析用試料の抗原濃度と、作用電極と対極との間に流れた電流量とをプロットしたグラフである。 実施例2におけるNo.1〜No.6の各抗原分析用試料の抗原濃度と、作用電極と対極との間に流れた電流量とをプロットしたグラフである。 実施例3におけるNo.1〜No.6の各抗原分析用試料の抗原濃度と、作用電極と対極との間に流れた電流量とをプロットしたグラフである。
以下、本発明の分析チップについて、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における断面模式図である。以下において、平面模式図は、基板の面直方向から平面視したときの模式図である。図1(a)において、位置関係をわかりやすくするために、隠れていて見えない部分も点線で描いている。
図1に示す分析チップ100は、被検物質を含む液体を流すための、平均孔径が15μm以上1000μm以下の多数の孔を有する多孔体流路10と、多孔体流路10の内部(より具体的には、多孔体流路10の表面の10aの反対側の主面10b)に配置する、作用電極21、参照電極22及び対極23を有する検出部20と、を備える。
図1に示す分析チップ100は、作用電極21、参照電極22及び対極23を支持する支持体として、多孔体流路10の表面の10aの反対側の主面10bに基板11を備える例である。
図1において、矢印Aは、分析チップ100に流す被検物質を含む液体の流れを示す。
図1に示す分析チップ100においては、多孔体流路10の左端(第1端)10Aが被検物質を含む液体を導入する導入口である。また、検出部20を挟んで左端(第1端)10Aとは反対側の右端(第2端)10Bを出口とすることができる。
従来、マイクロ流路デバイスでは、試料液を移動させるためにデバイスの外部にポンプ等の動力が必要であったが、本発明の分析チップでは上記の特徴を有する多孔体流路を備えるため、動力は不要である。
ELISA等では操作が複雑であるが、本発明の分析チップは操作が簡単である。
図1に示す分析チップ100はさらに、多孔体流路10の表面10aに、被検物質を含む液体が検出部20を通過した後に保持される液溜め部30を備える。
<多孔体流路>
多孔体流路10は、平均孔径が15μm以上1000μm以下の多数の孔を有する多孔体材料からなる。
本発明もおける多孔体流路はそれ自体、単独で流路なるものでもよいし、溝を形成した基板同士を貼り合わせる等して形成した流路に多孔体材料を詰め込んで多孔体流路を形成してもよい。
多孔体流路10を構成する多孔体材料は、その平均孔径が20μm以上1000μm以下であることが好ましく、平均孔径が30μm以上800μm以下であることがより好ましく、平均孔径が40μm以上600μm以下であるとさらに好ましい。
かかる平均孔径を有する多孔体材料であれば、不織布、スポンジ、繊維などを用いることができる。
ここで、本明細書において、「平均孔径」とは、バブルポイント法により得られた平均孔径を意味する。バブルポイント法により平均孔径を得る方法は例えば、特許文献3に記載されている。このバブルポイント法を用いると、まず、測定対象となる多孔体流路の膜をよく濡らす液体(例えば、イソプロピルアルコール)を予めその膜の細孔内に吸収させておき、特許文献3の図1に示されているような器具に設置し、その膜の裏側から空気圧をかけて、その膜の表面に気泡の発生が観察できる最小圧力(バブルポイント)を測定し、液体の表面張力とバブルポイントとの関係式(1)、
孔径=4γcosθ/ΔP (1)
から孔径分布を推算する。
なお、関係式(1)において、γは液体の表面張力を表し、θは多孔体流路材料上の液体の接触角を表し、ΔPはバブルポイント圧を表す。
次に孔径分布のグラフから平均孔径を算出する。
多孔体流路10を構成する多孔体としては、親水性の多孔体であることが好ましい。
親水性の多孔体とは、親水性をもつ高分子の不織布、スポンジ、繊維などである。親水性は、高分子に保有される水酸基、カルボキシル基、エーテル基、アミノ基、アミン基、ペプチド基、イソシアネート基、メルカプト基などの親水性の官能基によりもたらされる。親水性をもつ高分子の不織布、スポンジ、繊維などは、特に限定されないが、例えば、レーヨン不織布、アクリル不織布、ポリビニルアルコール不織布、ポリアミド不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、ポリウレタン不織布、カルボキシメチルセルロース不織布、発砲ウレタン樹脂、レーヨン繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリウレタン繊維、カルボキシメチルセルロース繊維、ポリアクリル酸塩樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリヒドロキシアルカノエート樹脂、ポリグリコール酸樹脂、セルロース繊維、などが挙げられる。中でもリビニルアルコール不織布、アセタール化して水不溶化されたポリビニルアルコール不織布、デンプン−アクリロニトリル系グラフト重合樹脂を用いた繊維や不織布、デンプン−アクリル酸系グラフト重合樹脂を用いた繊維や不織布、ビニルアルコール−アクリル酸共重合体を用いた繊維や不織布など、が好ましい。
例えば、レーヨン不織布(エフスリー社製ホワイトシーツなど)を用いることができる。
<検出部>
検出部20は、作用電極21、参照電極22及び対極23を有する。図1に示す分析チップ100では、検出部20は多孔体流路10の内部に配置するが、多孔体流路10の表面10aに備えてもよい。
図1に示す分析チップ100では、作用電極21、参照電極22及び対極23にそれぞれ接続されるリード線21a、22a及び23aを備える。リード線21a、22a及び23aをポテンシオスタットに接続し、ボルタンメトリー法を用いて、作用電極21と対極23との間に電圧を印加しながら、作用電極21と対極23との間に流れる電流量を測定することができる。リード線21a、22a及び23aは支持体60に支持されている。支持体60としては、基板11と同じ材料のものを用いることができる。
作用電極21は、カーボン電極、貴金属電極、導電性ダイヤモンド電極または導電性ダイヤモンド様炭素電極(DLC電極)であることが好ましい。金属電極としては銅電極、金電極、白金電極、パラジウム電極等を用いることができる。金属電極は、耐食性の観点から貴金属電極が好ましい。カーボン電極は、グラファイト等の導電性をもつ炭素の電極であり、例えば黒鉛を主体としたペーストで印刷したカーボン印刷電極を用いることができる。導電性ダイヤモンド電極としては、ホウ素をドープしたホウ素ドープダイヤモンド電極を用いることができる。導電性ダイヤモンド電極は、sp結合を有するダイヤモンド構造を有する結晶質炭素電極である。導電性DLC電極は、主として炭素及び水素から構成され、sp結合およびsp結合が混在する非晶質炭素電極である。導電性DLC電極としては、窒素、リン、ヒ素、アンチモン及びビスマスからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素をドープしたn型半導体のDLC電極と、ホウ素、ガリウム及びインジウムからなる群から選ばれる元素をドープしたp型半導体のDLC電極のいずれも用いることができる。
sp結合の炭素を主体とする導電性ダイヤモンド電極およびDLC電極は、電気化学反応によって酸化または還元される化学物質が吸着する過程が極めて少ない。このため、例えば水に起因する水素や水酸化物やそれらのイオンによる電極への吸着を経る内圏酸化還元反応が極めて起こりにくい。その結果、残余電流と言われるノイズ電流が極端に小さくなるので、検出対象である被検物質の電気化学的反応を高SN比で検出することが可能である。
作用電極21は、表面(図1(b)において上側の面)に、一次抗体が固定されていてもよい。一次抗体は、測定対象の被検物質(抗原)に合せて適宜、選択して使用する。一次抗体としては、測定対象の被検物質に対して高い親和性を有し、被検物質(抗原)と結合するものであれば特に制限なく使用することができる。
対極23は、電気化学計測用のセンサにおいて通常用いられる電極用の導電性材料から構成される。対極23としては、例えば、カーボン電極、白金電極及び金電極などの貴金属電極、導電性ダイヤモンド電極、導電性DLC電極を用いることができる。
参照電極22としては、例えば、銀−塩化銀電極または水銀−塩化水銀電極を用いることができる。参照電極22は、好ましくは銀−塩化銀電極である。
<液溜め部>
液溜め部30は、多孔体流路10の表面10aに、被検物質を含む液体が検出部20を通過した後に、被検物質を含む液体を保持できる液溜め部30を備える。
図1に示す分析チップ100では、液溜め部30は多孔体流路10の表面10aに備えるが、多孔体流路10の内部に備えてもよい。
液溜め部30は、試料液を吸いとる作用が強い材料を備えることが好ましい。
そのような材料としては例えば、アクリル酸ナトリウムに代表される高吸収ポリマーや、前記多抗体に用いた不織布やスポンジなどが挙げられる。
<基板>
基板11は、作用電極12、対極13及び参照電極14を支持する支持体である。
基板11は、分析チップとしての使用に耐え得る物理的強度を有し、被検物質を含む液体により物理的・化学的損傷を受けなければよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ樹脂、ポリエチレンオキシド、テフロン(登録商標)などの一般的な高分子が好ましい。環境調和の面からは、ポリ乳酸樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリヒドロキシアルカノエート樹脂、ポリグリコール酸樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂などの生分解プラスチックでも、上記条件を備えれば用いることができる。
電極支持体60は、基板11と同様の材料を用いることができる。
図1の構成において、後述する酸化還元が可能あるいは酸化還元反応を促進する標識が固定されていると共に被検物質に特異的に結合する抗体が配置された標識抗体配置部40を、多孔体流路10の内部及び表面に設けてもよい。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における断面模式図である。図2(a)において、位置関係をわかりやすくするために、隠れていて見えない部分も点線で描いている。
第1実施形態と同じ符号を用いた部材は同じ構成を有するものであり、説明を省略する。また、第1実施形態と符号が異なっていても機能が同じ部材については説明を省略する場合がある。
第2実施形態にかかる分析チップは、第1実施形態にかかる分析チップと比べると、多孔体流路の被検物質を含む液体の導入口と検査部との間に、多孔体流路の内部又は表面に、酸化還元が可能あるいは酸化還元反応を促進する標識が固定されていると共に被検物質に特異的に結合する抗体が配置されている点、及び、平面視して、検出部を支持する支持体である基板が多孔体流路よりも幅広である点が主に異なる。
具体的には、図2に示す分析チップ200は、多孔体流路10の内部及び表面に、酸化還元が可能あるいは酸化還元反応を促進する標識が固定されていると共に被検物質に特異的に結合する抗体が配置された標識抗体配置部40を備えており、また、平面視して、作用電極12、対極13及び参照電極14を支持する支持体である基板111が多孔体流路10よりも幅広である。
<標識>
本実施形態において、酸化還元が可能あるいは酸化還元反応を促進する標識は、電子を放出することで酸化が可能であるか、電子を受容することで還元が可能であるか、どちらかあるいは両方が可能か、他の酸化還元物質の酸化還元を促進する酵素や触媒であり、かつ二次抗体に固定されている化学物質を意味する。二次抗体と酸化還元が可能あるいは酸化還元反応を促進する標識とを固定化させる方法としては、特に制限はなく、物理吸着、化学吸着、水素結合、イオン結合、共有結合等を用いることができる。酸化還元が可能あるいは酸化還元反応を促進する標識は、酵素、金属錯体および金属ナノ粒子からなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
本実施形態で標識として用いる酵素としては、例えば、西洋ワサビペルオキシターゼ、アルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコースアミラーゼが挙げられる。グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)としては、ピロロキノリンキノン(PQQ)を補酵素とするもの(PQQ−GDH)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)を補酵素とするもの(FAD−GDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)あるいはニコチンアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)を補酵素とするもの(NAD(P)−GDH)の3種類に大きく大別される。GDHは、グルコース以外のマルトースやガラクトースを基質としないアスペルギルス・オリゼのFAD−GDH、アスペルギルス・オリゼの野生型FAD−GDH及びその改変体などが好ましい。また、補酵素として、フラビンアデニンジヌクレオチド、ピロロキノリンキノン等を追加しても良い。また、メディエータとしてフェリシアン化イオン、フェロセン、ルテニウム化合物、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸イオン、ビス(2,2’−ビピリジン)ジクロロルテニウム、ビス(2,2’−ビピリジン)ジクロロオスミウム、ヨウ素等を追加しても良い。
本実施形態で標識として用いる金属錯体としては、鉄錯体、銅錯体、イリジウム錯体、ルテニウム錯体、およびオスミウム錯体、例えば、フェリシアン化イオン、フェロセン、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸イオン、ビス(2,2’−ビピリジン)ジクロロルテニウム、ルテノセン、ビス(2,2’−ビピリジン)ジクロロルテニウム、ビス(2,2’−ビピリジン)ジクロロルテニウム、ビス(2,2’−ビピリジン)ジクロロオスミウムなどが挙げられる。
本実施形態で標識として用いる金属ナノ粒子は、金、白金、銀、銅、ロジウム、パラジウム、鉄、コバルトおよびニッケルからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を含むことが好ましい。金属は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を組合せた合金として使用してもよい。特に、金ナノ粒子、銀ナノ粒子であることが好ましい。これらの金属ナノ粒子は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を組合せて使用してもよい。
金属ナノ粒子は、平均粒子径が1nm以上100nm以下の範囲にあることが好ましく、10nm以上50nm以下の範囲にあることがさらに好ましい。金属ナノ粒子は、溶媒に分散させることが好ましい。溶媒としては、水系溶媒、有機系溶媒およびこれらの混合液を用いることができる。水系溶媒の例としては、水、緩衝液を挙げることができる。緩衝液としては、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いることができる。有機系溶媒の例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどの1価アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトンを挙げることができる。
金属ナノ粒子は、表面に二次抗体が固定されている。二次抗体は、測定対象の被検物質(抗原)に合せて適宜、選択して使用する。二次抗体としては、測定対象の被検物質に対して高い親和性を有し、被検物質(抗原)と結合するものであれば特に制限なく使用することができる。
金属ナノ粒子は、硫黄を含有していてもよい。硫黄は金属粒子ナノ粒子の表面に付着してもよいし、金属原子間に挿入されていてもよい。硫黄は、金属ナノ粒子の酸化を抑制する効果ある。金属ナノ粒子の硫黄の含有量は、0.001質量%以上0.5質量%以下の範囲にあることが好ましい。
金属ナノ粒子が分散されている分散液は、さらに、増粘剤、界面活性剤、分散剤、酸化防止剤などを含有していてもよい。
二次抗体は、測定対象の被検物質(抗原)に合せて適宜、選択して使用する。二次抗体としては、測定対象の被検物質に対して高い親和性を有し、抗原と結合するものであれば特に制限なく使用することができる。
(第3実施形態)
図3は、第3実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における断面模式図である。図3(a)において、位置関係をわかりやすくするために、隠れていて見えない部分も点線で描いている。
第1実施形態又は第2実施形態と同じ符号を用いた部材は同じ構成を有するものであり、説明を省略する。また、第1実施形態又は第2実施形態と符号が異なっていても機能が同じ部材については説明を省略する場合がある。
第3実施形態にかかる分析チップは、第2実施形態にかかる分析チップが多孔体流路の一方の主面にのみ基板を備えるのに対して、多孔体流路を挟み込むように両方の主面に配置する第1基板及び第2基板を備える点、及び、液だめ部30と外気との間に撥水性通気膜を備える点が主に異なる。
また、図示しないが、第1基板には多孔体流路が配設される溝が形成されており、多孔体流路の少なくとも一部は溝内に配設されている。
具体的には、図3に示す分析チップ300は、多孔体流路10を挟み込むように両方の主面10a、10bに第1基板111A及び第1基板112を備える。
第1基板111Aには、多孔体流路10が配設される溝を備える以外は、図2に示した基板11と同様の材料の基板を用いることができる。
また第1基板112についても、図2に示した基板11と同様の材料の基板を用いることができる。
図3に示す分析チップ300では、第1基板111Aにのみ、多孔体流路10が配設される溝を備える構成としたが、第1基板112も第1基板111Aと共に、多孔体流路10が配設される溝を備える構成としてもよい。
第1基板111Aと第1基板112とは、多孔体流路10を挟まない部分同士を接着剤によって接着してもよい。
また、第1基板と第2基板の間に流路を形成するための第3基板を挟んだものとしてもよい。
<撥水性通気膜>
撥水性通気膜50は、多孔体流路10内にある空気を、液だめ部30を介して外部へ放出するためのものである。
撥水性通気膜50としては、水(液体)を通さず、気体だけを通過する膜であれば特に限定されることなく使用できる。撥水性を持つ有機ポリマーの多孔質膜、特に延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜、あるいは例えばポリプロピレンやポリエチレンなどの多孔質膜、またこのような多孔質膜を多孔質高分子基材としてその骨格を撥水性有機ポリマーで被覆した連続多孔質膜などを用いることができる。
ここで、撥水性通気膜における撥水性とは、水滴が膜に接する際に、その接する膜上で濡れ広がらないことを意味し、膜の撥水性の高低は、その膜材料表面の液滴(純水)の接触角を測定することにより判定することができる。撥水性通気膜50構成する材料の撥水性は、液だめ部30を構成する材料の撥水性よりも高い。
第3実施形態にかかる分析チップにおいて、第1基板及び第2基板によって形成された溝からなる保持路に、上記した多孔体流路に用いる多孔体材料を詰め込んで多孔体流路としてもよい。
(第4実施形態)
図4は、第4実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における断面模式図である。図4(a)において、位置関係をわかりやすくするために、隠れていて見えない部分も点線で描いている。
第1実施形態〜第3実施形態と同じ符号を用いた部材は同じ構成を有するものであり、説明を省略する。また、第1実施形態〜第3実施形態と符号が異なっていても機能が同じ部材については説明を省略する場合がある。
第4実施形態にかかる分析チップは、第3実施形態にかかる分析チップと比べて、検出部が液だめ部と同様に、多孔体流路の主面側に備えられている点が主に異なる。
具体的には、図4に示す分析チップ400は、作用電極121、参照電極122及び対極123を有する検出部120が液だめ部30と同じように、多孔体流路10の主面10a上に形成されている。作用電極121、参照電極122及び対極123にそれぞれ接続されるリード線121a、122a及び123aを備える。
(第5実施形態)
図5は、第5実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における断面模式図であり、(c)は、(a)のY−Y線における断面模式図である。図5(a)において、位置関係をわかりやすくするために、隠れていて見えない部分も点線で描いている。
第1実施形態〜第4実施形態と同じ符号を用いた部材は同じ構成を有するものであり、説明を省略する。また、第1実施形態〜第4実施形態と符号が異なっていても機能が同じ部材については説明を省略する場合がある。
第5実施形態にかかる分析チップは、第3実施形態にかかる分析チップと比べて、第1基板と第2基板の間に多孔体流路を側部から挟むように配置する第3基板を備える点、及び、第1基板には多孔体流路が配設される溝が形成されていない点が主に異なる。
具体的には、図5に示す分析チップ500は、第1基板111と第1基板112の間に多孔体流路10を側部から挟むように第3基板13を備える。第3基板13は、第1基板111と第1基板112の間において、多孔体流路10を備えない位置に配置する。
第3基板13は、図2に示した基板11と同様の材料の基板を用いることができる。
第5実施形態にかかる分析チップにおいて、第1基板、第2基板及び第3基板によって形成された溝からなる保持路に、上記した多孔体流路に用いる多孔体材料を詰め込んで多孔体流路としてもよい。
(第6実施形態)
図6は、第6実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は、多孔体流路とその上に形成された検出部及びリード線とを平面視した平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における分析チップの断面模式図である。
第1実施形態〜第5実施形態と同じ符号を用いた部材は同じ構成を有するものであり、説明を省略する。また、第1実施形態〜第5実施形態と符号が異なっていても機能が同じ部材については説明を省略する場合がある。
図6に示す分析チップ600は、被検物質を含む液体を流すための、平均孔径が15μm以上1000μm以下の多数の孔を有する多孔体流路10と、多孔体流路10の表面の10aに配置する、作用電極221、参照電極222及び対極223を有する検出部220と、多孔体流路10及び検出部220を挟み込むように配置する第1基板111及び第2基板112とを備え、作用電極221、参照電極222及び対極223のそれぞれ接続されるリード線221a、222a、223aが多孔体流路10の表面の10aにおいて、被検物質を含む液体が流れる方向に沿って延在している。
また、多孔体流路10の表面10aの反対側の面10bに、被検物質を含む液体が検出部20を通過した後に保持される液溜め部130を備える。
また、多孔体流路10の第2端10B側に、リード線221a、222a、223aを支持すると共にコネクタと接触する支持体140を備える。支持体140の材料としては、基板11と同様の材料のものを用いることができる。
第3基板13は、図2に示した基板11と同様の材料の基板を用いることができる。
(第7実施形態)
図7は、第7実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は、多孔体流路とその上に形成された検出部及びリード線とを平面視した平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における分析チップの断面模式図である。
第1実施形態〜第6実施形態と同じ符号を用いた部材は同じ構成を有するものであり、説明を省略する。また、第1実施形態〜第6実施形態と符号が異なっていても機能が同じ部材については説明を省略する場合がある。
第7実施形態にかかる分析チップは、第6実施形態にかかる分析チップと比べて、第1基板と第2基板の間に多孔体流路を側部から挟むように配置する第3基板を備える点が主に異なる。
具体的には、図7に示す分析チップ700は、第1基板111と第1基板112の間に多孔体流路10を側部か挟むように配置する第3基板13を備える。第3基板13は、第1基板111と第1基板112の間において、多孔体流路10を備えない位置に配置する。
第7実施形態にかかる分析チップにおいて、第1基板、第2基板及び第3基板によって形成された溝からなる保持路に、上記した多孔体流路に用いる多孔体材料を詰め込んで多孔体流路としてもよい。
(第8実施形態)
図8は、第8実施形態にかかる分析チップの模式図であり、(a)は、多孔体流路とその上に形成された検出部及びリード線とを平面視した平面模式図であり、(b)は、(a)のX−X線における分析チップの断面模式図である。
第1実施形態〜第7実施形態と同じ符号を用いた部材は同じ構成を有するものであり、説明を省略する。また、第1実施形態〜第7実施形態と符号が異なっていても機能が同じ部材については説明を省略する場合がある。
第8実施形態にかかる分析チップは、第7実施形態にかかる分析チップと比べて、多孔体流路が2つに分かれている点が主に異なる。
具体的には、図8に示す分析チップ800は、多孔体流路10が分離部Sを境として、第1多孔体流路10−1と第2多孔体流路10−2とに分かれており、第1多孔体流路10−1に、標識抗体配置部40と、作用電極221、参照電極222及び対極223とを設置し、第2多孔体流路10−2をこれらの電極近傍に配置した。
以上、種々の実施形態を示したが、一の実施形態において説明した特徴を他の実施形態に適用してもよい。
(本発明の分析チップを用いた分析方法の例)
本発明における複数の分析方法の例を以下に示す。
第一の分析方法では次の様になる。本発明の分析チップにおける導入口に被検物質を含む液体を接触させる。すると、外部からポンプ等の動力を必要とすることなく、被検物質を含む液体は多孔体流路を備える流路に導入される。次に、予めその流路内に設置された酸化還元が可能あるいは酸化還元反応を促進する標識が固定されている被検物質に特異的に結合する二次抗体(抗体−標識)に、被検物質を含む液体が達すると、被検物質とその抗体は抗原抗体反応を起こし、被検物質−抗体−標識の複合体を形成する。ここでは、全ての抗体が被検物質と抗原抗体反応するわけではなく、未反応の二次抗体−標識も共存する。更に、被検物質を含む液体は当該流路を進み、当該流路内に作用電極と参照電極と対極を有する検出機構を有する検出部に達する。検出部においては、作用電極表面に予め一次抗体が固定されている。この一次抗体と当該被検物質−抗体−標識の複合体が抗原抗体反応し、作用電極−一次抗体−被検物質−二次抗体−標識の複合体(いわゆるサンドイッチ法)を形成して作用電極に固定される。未反応の二次抗体−標識はそのまま被検物質を含む液体によって移動し、ついには流路を移動した後に液だめ部に保持され、作用電極表面からは除かれる。ここで液だめ部には外気の間に撥水性多孔膜(撥水性通気膜)があるため、予め多孔体を含む流路内にある空気は流路内から外部へ放出される。最後に、作用電極−一次抗体−被検物質−二次抗体−標識の複合体が固定された作用電極に電位操作を行い、標識を電気化学的に酸化あるいは酸化の後に電気化学的に還元し、そのとき作用電極と対極間に流れる酸化電流値あるいは還元電流値を計測する。この電流値は、被検物質の濃度に正の相関がある。
第二の分析方法では次の様になる。本発明の分析チップにおける導入口に被検物質を含む液体を接触させる。すると、外部からポンプ等の動力を必要とすることなく、被検物質を含む液体は多孔体流路を備える流路に導入される。次に、予めその流路内に設置された酸化還元が可能あるいは酸化還元反応を促進する標識が固定されている被検物質に特異的に結合する抗体(抗体−標識)に、被検物質を含む液体が達すると、被検物質とその抗体は抗原抗体反応を起こし、被検物質−抗体−標識の複合体を形成する。ここでは、全ての当該抗体は被検物質と抗原抗体反応するわけではなく、未反応の当該抗体−標識も共存する。更に、被検物質を含む液体は当該流路を進み、当該流路内に作用電極と参照電極と対極を有する検出機構を有する検出部に達する。検出部においては、作用電極表面に予め抗原である被検物質が固定されている。この作用電極に固定された被検物質と未反応の当該抗体−標識が抗原抗体反応し、作用電極−被検物質−抗体−標識の複合体を形成して作用電極に固定される。被検物質−抗体−標識の複合体はそのまま被検物質を含む液体によって移動し、ついには流路を移動した後に液だめ部に保持され、作用電極表面からは除かれる(いわゆる競合法)。ここで液だめ部には外気の間に撥水性多孔膜(撥水性通気膜)があるため、予め多孔体を含む流路内にある空気は流路内から外部へ放出される。最後に、作用電極−一次抗体−被検物質−抗体−標識の複合体が固定された作用電極に電位操作を行い、標識を電気化学的に酸化あるいは酸化の後に電気化学的に還元し、そのとき作用電極と対極間に流れる酸化電流値あるいは還元電流値を計測する。この電流値は、被検物質の濃度に負の相関がある。
以下、具体的実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
[実施例1]
(1)分析チップの作製
図7に示すような分析チップを作製した。第1基板、第2基板及び第3基板としては、ポリスチレン製のものを用いた。多孔体流路としてはレーヨン不織布(エフスリー社製ホワイトシーツ)を幅8mm、長さ100mmに切り出して用いた。検出部と多孔体流路の第2端との間の、多孔体流路の検出部を備える主面の反対側の主面に、ポリエステル不織布(セイワ・プロ社製カラーフェルト白)を幅8mm、長さ50mmに切り出して液だめ部として備えた。液だめ部と外気の間に撥水性通気膜として、孔径5μmのフッ素樹脂多孔膜(ポアフロン、住友電工社製)を備える。
作用電極、対極とリード線にカーボンペーストのスクリーン印刷により作成したカーボン膜、参照電極にペースト化したAg/AgClのスクリーン印刷により作成したAg/AgCl膜を用いたセンサチップを用意した。このセンサチップの作用電極(電極面積S=0.0962cm2)に、一次抗体として未標識の抗ヤギIgG抗体を固定して、作用電極の表面に一次抗体が固定されている一次抗体付き分析チップを作製した。
(2)金ナノ粒子標識抗体の作製
田中貴金属株式会社製の平均粒子径18nmの金ナノ粒子分散液を用いた。この金ナノ粒子と、オボアルブミン(OA、グレードIII)と、抗ヤギIgG抗体と、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)と、ポリエチレングリコールソルビタンモノラウラート(Tween20、非イオン系界面活性剤)を混合し、金ナノ粒子の表面に、抗ヤギIgG抗体(二次抗体)を固定した二次抗体付き金ナノ粒子分散液を作製した。二次抗体付き金ナノ粒子分散液の金ナノ粒子の濃度は0.007質量%とした。抗ヤギIgG抗体としては、Jackson Immunoresearch Laboratories社から市販されているポリクローナル抗体を使用した。
上記で作成した金ナノ粒子標識抗体を、図7に示すような、多孔体流路の被検物質を含む液体の導入口と検査部との間の導入口から10mmの位置に10μL設置した。
(3)抗原分析用試料
抗原分析用試料として、下記に示すように抗原濃度がそれぞれ異なるNo.1〜No.6を用意した。下記のNo.1〜No.6は、0.1%のTween20を含むPBS緩衝液と、ヤギIgG(抗原)とを抗原濃度が下記の濃度となるように混合することによって調製した。
No.1:抗原濃度=0.001ng/mL
No.2:抗原濃度=0.01ng/mL
No.3:抗原濃度=0.1ng/mL
No.4:抗原濃度=1ng/mL
No.5:抗原濃度=10ng/mL
No.6:抗原濃度=100ng/mL
(4)抗原の分析
分析チップの多孔体流路の導入口を、被検物質を含む液体である抗原分析用試料に接触させると、試料は多孔体流路に吸収されて移動し、予め設置された金ナノ粒子標識抗体と混合した。このとき、試料に含まれる被検物質である抗原と、金ナノ粒子標識抗体の間では抗原抗体反応が行われた。その後、試料は分析チップ内の多孔体流路に吸収され続けて移動し、抗体を固定した作用電極に達した。このとき、金ナノ粒子標識抗体−抗原の複合体は、作用電極に固定された抗体と、抗原抗体反応して、作用電極−抗体−抗原−抗体−金ナノ粒子の複合体を形成した。更に、試料は分析チップ内の多孔体流路に吸収され続けて移動し、ついに多孔体流路を移動した後に保持される液だめ部に達した。この時、作用電極上では作用電極−抗体−抗原−抗体−金ナノ粒子の複合体として作用電極に固定されなかった抗原−抗体−金ナノ粒子複合体や抗原と反応しなかった金ナノ粒子標識抗体などは、試料によって移動させられる。この結果、作用電極上には、作用電極−抗体−抗原−抗体−金ナノ粒子の複合体が残留した。
なお、分析チップ内の流路に設置された多孔体流路は、被検物質を含む液体である抗原分析用試料を毛細管現象によって吸収した。また、液だめ部と外気の間に設置された撥水性通気膜を通じて、分析チップ流路内の空気は流路外に出されるため、試料は分析チップ内の流路に設置された多孔体流路に吸収され続けて移動した。
次に、ポテンシオスタットを用いて、作用電極と対極との間に電圧を印加して、作用電極−抗体−抗原−抗体−金ナノ粒子の金ナノ粒子を電気化学的に酸化した。更に、イオン化した金ナノ粒子を電気化学的に還元し、作用電極と対極との間に流れる電流量を計測した(電流量計測工程)。
図9に、No.1〜No.6の各抗原分析用試料の抗原濃度と、作用電極と対極との間に流れた電流量(すなわちイオン化された金ナノ粒子を還元させるのに要した電流量)とをプロットしたグラフを示す。図9のグラフから電流値と、抗原分析用試料の抗原濃度との間には正の相関関係があることが確認された。従って、既知量の抗原(被検物質)を含む試料を用いて検量線(電流値−抗原濃度曲線)を作成することによって、被検物質溶液に含まれる抗原(被検物質)を正確に定量することが可能となることが確認された。
[実施例2]
(1)分析チップの作製
センサチップの作用電極(電極面積S=0.0962cm)に、被検物質である抗原として8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OHdG)―BSAコンジュゲートを固定して、作用電極の表面に抗原が固定した以外は、実施例1と同様にして、抗原付き分析チップを作製した。
(2)二次抗体付き金ナノ粒子分散液
平均粒子径は40nmの田中貴金属株式会社製の金ナノ粒子を用意した。金ナノ粒子と、オボアルブミン(OA、グレードIII)と、抗8−ヒドロキシデオキシグアノシン(抗8−OHdG)抗体と、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)と、ポリエチレングリコールソルビタンモノラウラート(Tween20、非イオン系界面活性剤)を混合し、金ナノ粒子の表面に、抗8−OHdG抗体(二次抗体)を固定した二次抗体付き金ナノ粒子分散液を作製した。二次抗体付き金ナノ粒子分散液の金ナノ粒子の濃度は0.007質量%とした。抗8−OHdG抗体としては、IMMUNDIAGNOSTIK GMBH社から市販されているモノクローナル抗体AA1005.1を使用した。実施例1と同様にして、多孔体流路の図1に示す位置に10μL設置した。
(3)抗原分析用試料
抗原分析用試料として、下記に示すように抗原濃度がそれぞれ異なるNo.1〜No.6を用意した。下記のNo.1〜No.6は、0.1%のTween20を含むPBS緩衝液と、8−OHdG(抗原)とを抗原濃度が下記の濃度となるように混合することによって調製した。
No.1:抗原濃度=0.01ng/mL
No.2:抗原濃度=0.1ng/mL
No.3:抗原濃度=1ng/mL
No.4:抗原濃度=10ng/mL
No.5:抗原濃度=100ng/mL
No.6:抗原濃度=1000ng/mL
(4)抗原の分析
分析チップの多孔体流路の導入口を、被検物質を含む液体である抗原分析用試料に接触させると、試料は多孔体流路に吸収されて移動し、金ナノ粒子標識抗体と混合した。このとき、試料に含まれる抗原と、金ナノ粒子標識抗体の間では抗原抗体反応が行われた。その後、試料は分析チップ内の多孔体流路に吸収され続けて移動し、抗原を固定した作用電極に達した。このとき、抗原と抗原抗体反応をしなかった金ナノ粒子標識抗体は、作用電極に固定された抗体と、抗原抗体反応して、作用電極−抗原−抗体−金ナノ粒子の複合体を形成した。更に、試料は分析チップ内の多孔体流路に吸収され続けて移動し、ついに流路を移動した後に保持される液だめ部に達した。この時、作用電極上では作用電極−抗原−抗体−金ナノ粒子の複合体として作用電極に固定されなかった抗原−抗体−金ナノ粒子複合体や金ナノ粒子標識抗体と抗原抗体反応しなかった試料に含有される抗原などは、試料によって移動させられる。この結果、作用電極上には、作用電極−抗体−抗原−抗体−金ナノ粒子の複合体が残留した。
なお、分析チップ内の流路に設置された多孔体流路は、被検物質を含む液体である抗原分析用試料を毛細管現象によって吸収した。また、液だめ部と外気の間に設置された撥水性通気膜を通じて、分析チップ流路内の空気は流路外に出されるため、試料は分析チップ内の流路に設置された多孔体流路に吸収され続けて移動した。
次に、ポテンシオスタットを用いて、作用電極と対極との間に電圧を印加して、作用電極−抗体−抗原−抗体−金ナノ粒子の金ナノ粒子を電気化学的に酸化した。更に、イオン化した金ナノ粒子を電気化学的に還元し、作用電極と対極との間に流れる電流量を計測した(電流量計測工程)。
図10に、No.1〜No.6の各抗原分析用試料の抗原濃度と、作用電極と対極との間に流れた電流量(すなわちイオン化された金ナノ粒子を還元させるのに要した電流量)とをプロットしたグラフを示す。図10のグラフから電流値と、抗原分析用試料の抗原濃度との間には負の相関関係があることが確認された。従って、既知量の抗原(被検物質)を含む試料を用いて検量線(電流値−抗原濃度曲線)を作成することによって、被検物質溶液に含まれる抗原(被検物質)を正確に定量することが可能となることが確認された。
[実施例3]
(1)分析チップの作製
図8に示すような分析チップを作製した。第1基板、第2基板及び第3基板としては、ポリスチレン製のものを用いた。多孔体流路としてはポリエステル不織布を用いた。その他は、実施例1の部材と同様の部材を用いた。
作用電極、対極とリード線に導電性DLC膜、参照電極にペースト化したAg/AgClのスクリーン印刷により作成したAg/AgCl膜を用いたセンサチップを用意した。このセンサチップの作用電極(電極面積S=0.0962cm)に、一次抗体として未標識の抗ヤギIgG抗体を固定して、作用電極の表面に一次抗体が固定されている一次抗体付き分析チップを作製した。
(2)金ナノ粒子標識抗体の作製
田中貴金属株式会社製の平均粒子径18nmの金ナノ粒子分散液を用いた。この金ナノ粒子と、オボアルブミン(OA、グレードIII)と、抗ヤギIgG抗体と、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)と、ポリエチレングリコールソルビタンモノラウラート(Tween20、非イオン系界面活性剤)を混合し、金ナノ粒子の表面に、抗ヤギIgG抗体(二次抗体)を固定した二次抗体付き金ナノ粒子分散液を作製した。二次抗体付き金ナノ粒子分散液の金ナノ粒子の濃度は0.007質量%とした。抗ヤギIgG抗体としては、Jackson Immunoresearch Laboratories社から市販されているポリクローナル抗体を使用した。
上記で作成した金ナノ粒子標識抗体を10μL染み込ませた多抗体ブロックを、図8に示すような、多孔体流路の被検物質を含む液体の導入口と検査部との間の導入口寄りの10mmの位置に設置した。
(3)抗原分析用試料
抗原分析用試料として、下記に示すように抗原濃度がそれぞれ異なるNo.1〜No.6を用意した。下記のNo.1〜No.6は、0.1%のTween20を含むPBS緩衝液と、ヤギIgG(抗原)とを抗原濃度が下記の濃度となるように混合することによって調製した。
No.1:抗原濃度=0.001ng/mL
No.2:抗原濃度=0.01ng/mL
No.3:抗原濃度=0.1ng/mL
No.4:抗原濃度=1ng/mL
No.5:抗原濃度=10ng/mL
No.6:抗原濃度=100ng/mL
(4)抗原の分析
分析チップの導入口を、被検物質を含む液体である抗原分析用試料に接触させると、試料は多孔体流路に吸収されて移動し、予め設置された金ナノ粒子標識抗体と混合した。このとき、試料に含まれる被検物質である抗原と、金ナノ粒子標識抗体の間では抗原抗体反応が行われた。その後、試料は分析チップ内の多孔体流路に吸収され続けて移動し、抗体を固定した作用電極に達した。このとき、金ナノ粒子標識抗体−抗原の複合体は、作用電極に固定された抗体と、抗原抗体反応して、作用電極−抗体−抗原−抗体−金ナノ粒子の複合体を形成した。更に、試料は分析チップ内の多孔体流路に吸収され続けて移動し、ついに流路を移動した後に保持される液だめ部に達した。この時、作用電極上では作用電極−抗体−抗原−抗体−金ナノ粒子の複合体として作用電極に固定されなかった抗原−抗体−金ナノ粒子複合体や抗原と反応しなかった金ナノ粒子標識抗体などは、試料によって移動した。この結果、作用電極上には、作用電極−抗体−抗原−抗体−金ナノ粒子の複合体が残留した。
ここで試料溶液は第1多孔体流路の端部に至り、その移動は停止した。従って、作用電極上で抗原抗体反応時間を調整することができる。ここでは30分間の抗原抗体反応時間を確保し、次いで、第2多孔体流路を第1多孔体流路に接続すると試料溶液は第2多孔体流路に移動し、液だめ部に達した。その間、未反応の金ナノ粒子標識抗体は作用電極表面から離れるため、あたかも作用電極表面は試料溶液によって洗浄された。
なお、分析チップ内の流路に設置された多孔体流路は、被検物質を含む液体である抗原分析用試料を毛細管現象によって吸収した。また、液だめ部と外気の間に設置された撥水性通気膜を通じて、分析チップ流路内の空気は流路外に出されるため、試料は分析チップ内の流路に設置された多孔体流路に吸収され続けて移動した。
次に、ポテンシオスタットを用いて、作用電極と対極との間に電圧を印加して、作用電極−抗体−抗原−抗体−金ナノ粒子の金ナノ粒子を電気化学的に酸化した。更に、イオン化した金ナノ粒子を電気化学的に還元し、作用電極と対極との間に流れる電流量を計測した(電流量計測工程)。
図11に、No.1〜No.6の各抗原分析用試料の抗原濃度と、作用電極と対極との間に流れた電流量(すなわちイオン化された金ナノ粒子を還元させるのに要した電流量)とをプロットしたグラフを示す。図11のグラフから電流値と、抗原分析用試料の抗原濃度との間には正の相関関係があることが確認された。従って、既知量の抗原(被検物質)を含む試料を用いて検量線(電流値−抗原濃度曲線)を作成することによって、被検物質溶液に含まれる抗原(被検物質)を正確に定量することが可能となることが確認された。
[比較例]
流路に、GEヘルスケア社製ニトロセルロースFF80HPを用いて実施例1と同様の方法で試料中の被検物質の電気化学的検出を試みたが、ピーク電流を観測することができなかった。
流路を流れる被検物質を含む液体の液量が少なく、また、金ナノ粒子標識抗体の移動も非常に遅いため、未反応の抗体−標識などが十分に除くことができなかったためと考えられた。
また、イムノクロマトグラフィーでは、被検物質を含む液体は少量が用いられるが、本発明の分析チップでは、継続的に被検物質を含む液体を導入口から供給することができ、その点においても異なる。
10 多孔体流路
20、120、220 検出部
21、121、221 作用電極
22、122、222 参照電極
23、123、223 対極
30 液だめ部
40 標識抗体配置部
50 撥水性通気膜
100、200、300、400、500、600、700、800 分析チップ

Claims (11)

  1. 被検物質を含む液体を流すための、平均孔径が15μm以上1000μm以下の多数の孔を有する多孔体流路と、
    前記多孔体流路の内部又は表面に配置する、作用電極、参照電極及び対極を有する検出部と、を備える、分析チップ。
  2. 前記多孔体流路の内部又は表面に、前記被検物質を含む液体が前記検出部を通過した後に、前記被検物質を含む液体を保持できる液だめ部を備える、請求項1に記載の分析チップ。
  3. 前記液だめ部と外気の間に撥水性通気膜を備える、請求項1又は2のいずれかに記載の分析チップ。
  4. 前記多孔体流路及び前記検出部を挟み込むように配置する、第1基板及び第2基板を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分析チップ。
  5. 前記第1基板及び前記第2基板の一方又は両方に溝が形成され、前記第1基板及び前記第2基板が貼り合わせて前記溝からなる保持路に前記多孔体流路が配設されている、請求項4に記載の分析チップ。
  6. 酸化還元が可能あるいは酸化還元反応を促進する標識が固定されていると共に被検物質に特異的に結合する抗体が、前記前記多孔体流路の内部又は表面に配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の分析チップ。
  7. 前記酸化還元が可能あるいは酸化還元反応を促進する標識が、酵素、金属錯体および金属ナノ粒子からなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項6の分析チップ。
  8. 前記作用電極に、被検物質と特異的に結合する抗体が固定されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の分析チップ。
  9. 前記作用電極に、被検物質が固定されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の分析チップ。
  10. 前記作用電極が、カーボン電極、貴金属電極、導電性ダイヤモンド電極または導電性ダイヤモンド様炭素電極であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の分析チップ。
  11. 前記作用電極、前記対極、前記参照電極がその端部に設置された第1多孔体流路と、第1多抗体と接触しない第2多孔体流路とを備え、前記作用電極上で抗原抗体反応時間を調整した後、前記第2多孔体流路を前記第1多孔体流路に接続させることができる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の分析チップ。
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