JP2012220228A - 電気化学測定デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】測定デバイスにおいて、未反応液の混入による誤測定の発生を防ぐことを目的とする。
【解決手段】試料を保持するための第一の試料保持部10、第二の試料保持部9、第一の空気孔2、第二の空気孔3、第一の試料保持部10内に試料を供給するための試料導入口4、第一のカバー保持部5、第二のカバー保持部6、本体101の外周に沿って移動可能であるカバー1、を備えた測定デバイス102。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料中に含まれる被検物質の測定を行うための電気化学測定デバイス及び測定装置に関するものである。
従来、電極及び試薬が同じキャビティ内に存在し、毛細管現象を利用して試料を導入することにより、その試料中に含まれる被検物質を測定する測定デバイスがあった(例えば特許文献1)。
特開平10−273331号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の測定デバイスでは、試薬と試料が十分に反応する前に、電極上に反応試料が到達し、その結果誤測定を生じさせるという問題を有していた。
そこで、本発明は、上記のような従来の問題を解決し、十分に試薬と試料が反応した反応溶液のみを電極上に誘導し、誤測定を防ぐことができる測定デバイスを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の測定デバイスは、試料を導入するための導入口と、試料を保持するための第一の試料保持部と、試料を保持するための第二の試料保持部と、前記第一の試料保持部に連結した第一空気孔と、前記第二の試料保持部に連結した第二の空気孔と、第二の試料保持部内に設けられた電極と、第一の試料保持部内に設けられた試薬と、前記第一の試料保持部及び第二の試料保持部の外周に沿って移動可能に設けられ、前記第一及び第二の空気孔を塞ぐためのカバー、によって構成される。
このような構成によれば、カバーによって第一、第二の空気孔を塞ぐことができ、カバーの位置を移動させることで、試薬と十分に反応した反応液のみを電極上に誘導させることができるため、誤測定を防止することができる。
本発明の測定デバイスは、前記第一の空気孔を露出し、前記第二の空気孔を塞ぐ位置に前記カバーを保持するための第一のカバー保持部をさらに備える。
このようにすることで、カバーの位置を所定の位置に固定することができ、前記第二の試料保持部まで、未反応の試料が誘導されることを防ぐことができる。
本発明の測定デバイスは、前記第一の空気孔を塞ぎ、前記第二の空気孔を露出する位置に前記カバーを保持するための第二のカバー保持部をさらに備える。このようにすることで、カバーの位置を所定の位置に固定することができるため、前記試料保持部内により正確に反応液を誘導させることができる。
本発明の測定デバイスは、一対の電極を備える。このようにすることで、測定中に含まれる被検物質の濃度を電気化学反応に基づき測定することができる。
本発明の測定デバイスは、試薬が抗体または酵素を含むことを特徴とする。このようにすることで、検体中に含まれる披検物質をより特異的に検出することができる。
本発明の測定装置は、
測定デバイスを取り付けるための測定デバイス取り付け部と、
電極に電圧を印加するための電圧印加部と、
電極からの電気信号を測定するための電気信号測定部と
試料に含まれる披検物質を定量するための演算部と
測定デバイスのカバーを移動させるためのカバー移動機構と
測定デバイスのカバー保持部を垂直方向に持ち上げるためのカバー持ち上げ部とを備える。
このようにすることで、試料を第一の試料保持部内に供給させ、試薬と反応した試料を、次に第二の試料保持部に供給することができるため、試薬と十分に反応した反応液のみを電極上に誘導させることができるため、誤測定を防止することができる。
本発明の測定デバイスによれば、十分に試薬と反応した試料を電極上に誘導させることができるため、誤測定を防止することができる。
本発明の測定デバイスの実施の形態1の構成を示す斜視図 図1に示す測定デバイス1のA−A線部分の断面図 図1に示す測定デバイス102のカバー1を設置させた状態を示す斜視図 図1に示す測定デバイス102のカバー1を移動させた状態を示す斜視図 実施の形態1に係る測定デバイス102の分解斜視図 実施の形態1に係る測定デバイス102を用いた測定装置80を示す斜視図 図6に示す測定装置80の構成を示すブロック図 図6に示す測定装置80の測定デバイス取り付け開口部81の断面図 図6に示す測定装置80の断面図を示す図 図9に示す測定装置80に測定デバイス102を取り付けた第一の状態を示 す図 図9に示す測定装置80に測定デバイス102を取り付けた第二の状態を示 す図 本発明の測定デバイス102及び測定装置80を用いて試料中の被検物質を 測定する工程を説明するための模式図 本発明の測定デバイス102及び測定装置80を用いて試料中の被検物質を 測定するうちのさらに他の工程を説明するための模式図 本発明の測定デバイス102及び測定装置80を用いて試料中の被検物質を測定する工程のうちのさらに他の工程を説明するための模式図 本発明の測定デバイス102及び測定装置80を用いて試料中の被検物質を測定する工程のうちのさらに他の工程を説明するための模式図
本発明の測定デバイスは、試料を導入するための導入口と、試料を保持するための第一の試料保持部と、試料を保持するための第二の試料保持部と、前記第一の試料保持部に連結した第一空気孔と、前記第二の試料保持部に連結した第二の空気孔と、第二の試料保持部内に設けられた電極と、第一の試料保持部内に設けられた試薬と、前記第一の試料保持部及び第二の試料保持部の外周に沿って移動可能に設けられ、前記第一及び第二の空気孔を塞ぐためのカバー、から構成される。
本発明の測定デバイスは、前記第一の空気孔を露出し、前記第二の空気孔を塞ぐ位置に前記カバーを保持するための第一のカバー保持部をさらに備えていてもよい。
本発明の測定デバイスは、前記第一の空気孔を塞ぎ、前記第二の空気孔を露出する位置に前記カバーを保持するための第二のカバー保持部をさらに備えていてもよい。
本発明の測定デバイスは、前記電極が一対の電極であってもよい。
本発明の測定デバイスは、試薬が抗体、または酵素を含んでいてもよい。
本発明の測定装置は、試料中に含まれる披検物質の濃度を測定するための測定装置であって、
前記測定デバイスを取り付けるための測定デバイス取り付け部と、
前記電極に電圧を印加するための電圧印加部と、
前記電極からの電気信号を測定するための電気信号測定部と
試料に含まれる披検物質を定量するための演算部と
前記測定デバイスのカバーを移動させるためのカバー移動機構と
前記測定デバイスのカバー保持部を垂直方向に持ち上げるためのカバー持ち上げ部と
を備える。
(実施の形態1)
本発明の測定デバイスは、空気孔を塞ぐためのカバーを備えている点に特徴を有する。以下、図面を参照しながら本発明の測定デバイスの好適な実施の形態について詳細に説明する。
1.測定デバイスについて
図1〜4を用いて本発明の実施の形態に係る測定デバイスの構成を説明する。図1は、本発明の測定デバイスの実施の形態1の構成を示す斜視図、図2は、図1に示す測定セル1のA−A線部分の断面図、図3は、図1に示す測定デバイス101のカバー1を設置させ、第一の空気孔2を塞いだ状態を示す斜視図、図4は、図1に示す測定デバイス101のカバー1を移動させ、第二の空気孔3を塞いだ状態を示す斜視図である。
図1〜図4に示すように、実施の形態1に係る測定デバイス102は、主として、上部に開口を有する本体101と、カバー1との2つの部材で構成されている。
本体101には、本体101の内部の中空部分によって構成されかつ試料を保持するための第一の試料保持部10、第一の試料保持部1に連通しておりかつ第一の試料保持部10の内部に試料を供給するための開口部4、第一の試料保持部1の内部に設置され、試料と反応するための試薬7、第一の試料保持部に連通しており、かつ第一の試料保持部10の内部に毛細管現象により試料を供給するための第一の空気孔3、
また、第一の試料保持部と連通し、試料を保持するための第二の試料保持部9、第二の試料保持部9に連通しており、かつ第二の試料保持部9の内部に第二の試料保持部9に前記試薬と反応した試料を供給するための第二の空気孔2、第二の試料保持部内に設置され第二の試料保持部に保持された試料を測定するための一対の電極8から構成される。
カバー1は、本体101の外周に沿って移動することが可能なように本体101の外周側面に配置されており、第一の空気孔3及び、第二の空気孔2を塞ぐことが可能である。
また、第一の空気孔及び第二の空気孔を塞ぐ際の密封性を高めるために、カバー内側にゴム状の物質を設けていても良い。ゴム状の部材としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム及びテフロンゴムなどの合成ゴム等が挙げられる。
そして、本体101には、第二の空気孔2を塞ぎかつ第一の空気孔3を露出する位置にカバー1を保持するための第1のカバー保持部5が設けられ、第1の空気孔3を塞ぎかつ第二の空気孔2を露出する位置にカバー1を保持するための第2のカバー保持部6が設けられている。測定を行う前の状態では、カバー1は、第1のカバー保持部5により、第二の空気孔2を塞ぎかつ第一の空気孔3を露出する位置に保持されている。
このカバー1は、本体101の外周側面に沿って矢印Xの方向に移動させることが可能である。第一の試料保持部に試料を供給させ、試料と試薬7を反応させる際には、図3に示す位置にカバー1を設置させ、毛細管現象を利用し、開口部104から第一の試料保持部に試薬を導入させる。この際、第二の空気孔2がカバー1により塞がれているため、試料は第一の試料保持部10にのみ供給される。次に、試薬と試料を所望の時間反応させ、測定を行う際には、第1のカバー保持部5を越えてカバー1を、第一の空気孔3を塞ぎ、第二の空気孔2を露出する位置に移動させる。そうすることで、本体101が垂直方向にしなり、重力によって第一の試料保持部10内に保持されていた試薬7と反応した試料が、第二の試料保持部9に供給される。第一の空気孔3が塞がれていることにより、第一の資料保持部内の試料は、すべて第二の試料保持部内に供給される。このようにすることで、試薬7と所望の時間反応させた試料を一対の電極8の設置された第二の試料保持部9に供給することができ、誤測定を防ぐことができる。
ここで、測定デバイス102における電極8の材料としては、金、白金、パラジウムあるいはそれらの合金または混合物、及びカーボンのいずれかを少なくとも含むものが好ましい。あるいは透明電極としてインジウムティンオキサイド(ITO)が好ましい。これらの材料は化学的、電気化学的に安定であり、安定した測定を実現することができる。第1のカバー保持部5及び第二のカバー保持部6は、測定デバイス102に試料を供給する際に第二の空気孔2を塞ぎ、かつ第一の空気孔3を露出する位置にカバー1を配置することができ、かつ、測定時に第一の空気孔3を塞ぎ、第二の空気孔2を露出させることができる構成を有していればよい。例えば図1〜4に示すように、本体101の側面と側面とが結ぶ4つの角部に設けた突起(突起状の部材)で、第1のカバー保持部5及び第二のカバー保持部6を構成すればよい。
かかる第1のカバー保持部5及び第二のカバー保持部6を構成する突起は、当該突起が変形してカバー1が移動することを許容し得るように、弾力性を有する材料で形成するのが好ましい。例えば、天然ゴム、イソプレンゴム及びテフロンゴムなどの合成ゴム等が挙げられる。これらのうちのいずれかの材料を用いれば、カバー1及び本体101の少なくともいずれかに対して、第1のカバー保持部5及び第二のカバー保持部6を構成する突起を変形することができる力を加え、カバー1をスライドさせることにより、カバー1を矢印Xの方向に移動させることができる。
また、本発明においては、上記突起を本体101の側面の一部に設けて第1のカバー保持部5としてもよい。
さらに、カバー1と本体101との間に、シート又は層(シート状又は層状の部材)を挿入し、これを第1のカバー保持部5としても構わない。このとき、上記シート又は層は、例えば水添石油樹脂、ロジンエステル、特殊ロジンエステル、アルキルフェノール系樹脂、水溶性ポリマー及びエマルジョン系樹脂などの粘着性樹脂を、カバー1の内周面又は本体101の外表面に薄く塗布して乾燥することにより形成することができる。
このようなシート又は層で構成された第1のカバー保持部5を用いると、粘着性樹脂の有する粘着力により、第1のカバー保持部5はカバー101を保持することができる。この場合、カバー1及び本体101の少なくともいずれかに対して粘着性樹脂の有する粘着力を超える力を加え、カバー1をスライドさせることにより、カバー1を矢印Xの方向に移動させることができる。
さらに別の態様として、本体101のうち少なくともカバー1と接触する部分に、弾力性を有する材料で構成した弾力性部分を形成し、当該弾力性部分を第1のカバー保持部5とすることもできる。このようにすると、カバー1及び本体101の少なくともいずれかに対して、上記弾力性部分を変形させることができる力を加え、カバー1をスライドさせることにより、カバー1を矢印Xの方向に移動させることができる。
また、第1のカバー保持部5は、逆止弁又は板バネなどの形状を有する部材で構成してもよく、また、上述した材料以外の材料で構成することも可能である。
本体101と突起とを一体成形によって形成して第1のカバー保持部5を構成することもできる。この場合は、本体101と第1のカバー保持部5とが同じ材料で構成されることとなり、突起が弾力性や粘着性を有しない材料で構成されないこととなるが、突起を折ることによってカバー1を矢印Xの方向に移動させることができる。
第2のカバー保持部6としては、第1のカバー保持部5と同様の構成を有していればよいが、異なる構成であっても構わない。ただし、第1のカバー保持部5と同様に、突起の形状を有する部材で第2のカバー保持部6を構成するのが好ましい。
本発明の測定デバイスは、さらに試料中の被検物質と特異的に反応する試薬を備えている。試薬は、第一の試料保持部内に乾燥状態で備えられ、試料保持部内に試料が供給されたときに、試料に溶解するように配置されていることが好ましい。例えば、ガラス繊維や濾紙等からなる多孔性の担体に試薬の溶液を含浸させた後乾燥させることにより試薬を担持させ、その多孔性の担体を試料保持部内に設ければよい。また、第一の試料保持部を構成する壁面に、試薬の溶液を直接塗布した後乾燥することにより試薬を配置してもよい。
試薬としては、例えば、酵素、抗体、ホルモンレセプター、化学発光試薬、DNA等が挙げられる。特に抗体は、公知の方法により産生することができるので、試薬を作製しやすいという点で有利である。例えば、トロポニンIなどの蛋白や、hCG、LHなどのホルモンを抗原として、マウス・ウサギ等に免疫することにより、前記抗原に対する抗体を得ることができる。抗体としては、トロポニンI等の血中に含まれる蛋白に対する抗体等が挙げられる。
本発明における試料としては、尿、血清、血漿、血液等の体液及び培地の上清液等の液体の試料が挙げられる。
被検物質としては、トロポニンI、hCG、LH、CRP、IgG等が挙げられる。
また、試薬に用いる抗体には、Ferrocene-CONH-CH2CH2O-(CH2)2-CO-NHS(NHS:N-Hydroxysuccinimide)で表されるフェロセン化合物を抗体のリシン残基に結合させた抗体であって、抗トロポニンIフェロセン修飾抗体を用いることが好ましい。また、電極8近傍には、トロポニンIと結合したフェロセン修飾抗体のみを補足するために、抗トロポニンIフェロセン修飾抗体とは異なるエピトープに結合する抗トロポニンI抗体を設置していることが好ましい。
測定デバイス102は、長さが30〜50mm程度、幅が8〜15mm程度で構成される。また、測定デバイス102は、第一の試料保持部10内に試料を供給するための開口部4及び第一の試料保持部10内に毛細管現象により血液を導入するための第一の空気孔3を備えており、また、第一の試料保持部10と連通した第二の試料保持部9と第二の試料保持部に毛細管現象により血液を導入するための第二の空気孔2を備えている。
また、第一の試料保持部10内には、血液中のトロポニンIと特異的に反応し、フェロセン化合物が共有結合された抗トロポニンIフェロセン修飾抗体及び緩衝液を含んだ試薬が設置され、第二の試料保持部9内には、抗トロポニンIフェロセン修飾抗体のフェロセン化合物と反応するための一対の電極8が設置されている。また、一対の電極8の近傍には、トロポニンIと結合した抗トロポニンIフェロセン修飾抗体を補足するために、抗トロポニンIフェロセン修飾抗体とは異なるエピトープに結合する抗トロポニンI抗体を設置している。
本体101には、第一の空気孔3を露出し、かつ第二の空気孔2を塞ぐ位置にカバー1を保持するための第1のカバー保持部5並びに第一の空気孔3を塞ぎ、かつ第二の空気孔2を露出する位置にカバー1を保持するための第2のカバー保持部6が設けられている。
図5に示すようにカバー1は、第1のカバー部材103及び第2のカバー部材104を組み合わせることにより構成されている。
第1の測定デバイス部材105、第2の測定デバイス部材106、第3の測定デバイス部材107、第一のカバー部材103、第2のカバー部材104はポリスチレン製である。
図3に示すように、試料の供給を行う前の状態では、カバー1は、第1のカバー保持部5により、本体101の第二の空気孔2を塞ぐ位置に保持されている。また、このカバー1は、本体101の外周側面に沿って矢印Xの方向に移動させることが可能である。
次に、測定デバイス102の作製方法について、図5を用いて説明する。図5は実施の形態1に係る測定デバイス1の分解斜視図である。
第1の測定デバイス部材105、第2の測定デバイス部材106、第3の測定デバイス部材107、第一のカバー部材103及び第二のカバー部材104はポリスチレン製であり、金型を用いた成形によって得ることができる。成型には、公知の樹脂成型技術を用いればよい。一方、第3の測定デバイス部材107の面上には、一対の導電部を配置する。例えば一対の導電部と同様の形状の空隙を有するアクリル樹脂性のマスクを第3の測定デバイス部材107上に配置し、それを介して金をスパッタした後、マスクを除去することにより一対の導電部を形成することができる。スパッタに代えて、蒸着でも同様の手順で形成することができる。 一対の導電部の寸法は特に制限されないが、例えば、それぞれ幅2mm程度、長さ14mm程度、厚み5μm程度であればよい。導電部、電極、接続部の材料、面積、厚さ、形状及び位置等は、必要とするデバイスの特性などに応じて適宜・適切に選択することが好ましい。
次に、第1の測定デバイス部材105、第2の測定デバイス部材106及び第3の測定デバイス部材107で構成される測定デバイス101の内面は、親水性処理しておくのが好ましい。
例えば、第1、第2、第3の測定デバイス部材の表面全体に、0.1%レシチン/トルエン溶液を0.05mL滴下し、塗布する。2〜3分間大気中に静置し、トルエン溶媒を蒸発させることにより、上記表面全体に親水性を付与することができる。
また、レチシン溶液の代わりに、エチレングリコールアルキルエーテル(TritonX−100)などの界面活性剤の水溶液を用いても、同様の親水性処理を行うことができる。
第1の測定セル部材105には、第1のカバー保持部5として機能する2つの突起及び第2のカバー保持部106として機能する2つの突起がそれぞれ設けられている。
次に、第1の測定デバイス部材107の底面に試薬7を形成する。反応試薬となる抗体の水溶液を、例えばマイクロシリンジなどを用いて第1の測定デバイス部材107の凹部の底面に一定量滴下することにより塗布し、これを室温〜30℃程度の環境に静置して水分を蒸発させることにより、乾燥状態で試薬を担持することができる。
塗布する試薬を含む水溶液の濃度及び量は、必要とする測定デバイスの特性や第1の測定デバイス部材107における形成位置の空間的な制限に応じて適切に調整すればよい。また、第1の測定デバイス部材107における試薬7の位置や面積は、試薬の試料に対する溶解性などを鑑みて適宜適切に調整すればよい。
なお、トロポニンIに対する抗体は従来公知の方法により得ることができる。例えば、トロポニンIを免疫したウサギ抗血清を、プロテインAカラムクロマトグラフィーにより精製した後、透析チューブを用いて透析することにより、抗トロポニンI抗体が得られる。
第1のカバー部材103及び第2のカバー部材104は、ポリスチレン製の板状の部材であり、金型を用いた成形によって得ることができる。また、それに代えて、樹脂製の板状体を所望の形状に切削することによっても作製することができる。
上記のようにして得られる第1の測定デバイス部材107、第2の測定デバイス部材106及び第3の測定デバイス部材105、第一のカバー部材103及び第二のカバー部材104を、図5に記した破線で示す位置関係をもって接合し、本体を組み立てる。各部材の接合部に例えばエポキシ樹脂などの接着剤を塗布した後、各部材を張り合わせ静置し、接合部を乾燥させることにより組み立てる。また、それに代えて、各部材を接合した後、例えば市販の溶着機を用いて接合部分を熱または超音波によって溶着させてもよい。
2.測定装置について
次に本発明の測定セルを用いた測定装置について、図6〜8を参照しながら、説明する。図6は、上記実施の形態1に係る測定デバイス102を用いた測定装置80を示す斜視図であり、図8は測定装置2における測定デバイス取り付け部を示す断面図であり、図7は測定装置80の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、本実施の形態に係る測定装置80は、測定デバイス102を着脱可能に取付けるための測定デバイス取付け開口部81、及び測定結果を表示するための表示部207である液晶ディスプレイを備えている。ここで、測定セル取付け開口部81の開口部は、測定デバイス本体を挿入することができる大きさであって、カバー1を挿入することができない大きさに設定されている。また、測定デバイス取り付け開口部81内には、測定デバイス102のカバー1を垂直方向に持ち上げるための、カバー持ち上げ部32が設けられている。
また、図9に示すように、測定装置80はプランジャー209を動かすためのモーター208から構成されるカバー移動機構31を有する。
測定装置80におけるカバー移動機構31は、プランジャー209をリニア型のステップモーターであるモーター208により作動させる構成となっている。
ステップモーターは入力された1パルス信号あたりに特定の回転角を回転するモーターであり、パルス数で回転角度を決定できるため、位置決めのためのエンコーダーを必要としない。すなわち、入力パルス数により、プランジャーの動作距離を制御できる。モーターの回転運動は、歯車機構と、雄ネジと雌ネジを組み合わせた直進機構等を用いて直進運動へ変換することにより、プランジャーを作動させる。リニア型のステップモーターは、モーター内に雄ネジと雌ネジを組み合わせた直進機構が組み入れられており、入力パルス数に依存して、棒状の可動部であるプランジャージョイントが直進運動するように構成されている。このため、このプランジャージョイントに直接プランジャーを連結すればよく、構成が簡単となる。
図7に示すように、測定装置80は、電圧印加部302、電気信号測定部304、制御部306、計時部308、及び記憶部310を備えている。
電圧印加部302は、測定デバイス取付け部82に取付けられた測定デバイス102の電極8とそれぞれ電気的に接続された端子を介して、測定デバイス102の電極8に電位を印加する機能を有する。
電気信号測定部304は、電極8からの電気信号を検出測定する機能を有する。記憶部310には、トロポニンIの濃度と電気信号測定部304により検出される電気信号との相関を表す検量線に相当する相関データが格納されている。記憶部310としては、例えば、RAM、ROM等のメモリを用いることができる。
制御部306は、上記相関データを参照して、電気信号検出測定部304により検出定された電気信号をトロポニンI濃度に換算する機能を有する。制御部306は、本発明における演算部に相当する。制御部306としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータを用いることができる。
3.測定デバイス及び測定装置を用いた測定方法
次に、測定デバイス102及び測定装置80を用いた、本実施の形態に係るトロポニンI測定方法について説明する。
まず、使用者が測定デバイス102のカバー1が図3に示す位置に設置されている状態で測定デバイス102の電極側を測定装置80の測定デバイス取り付け開口部81を通じ、測定デバイス取付け部82に挿入する。これにより、測定デバイス102の電極8と、測定デバイス取付け部208内部に設けられている第1の端子及び第2の端子とがそれぞれ接触することにより電気的に導通する。図10は、測定デバイス102が測定デバイス取り付け部82に取り付けられた際の断面図を示す。測定デバイス取付け部82に測定デバイス102が挿入されると、測定デバイス取付け部82内に設けられたマイクロスイッチからなる測定デバイス挿入検知スイッチが作動して、制御部306に信号を出力する。測定デバイス挿入検知スイッチからの出力信号により制御部306が測定デバイス102の挿入を検知すると、制御部306は電圧印加部302を制御して、一対の電極8間に電圧(例えば0.2V)が印加される。
次に、使用者が、測定デバイス102の試料導入口4に、試料を接触させる。この接触により、試料導入口4を通って測定デバイス102の第一の試料保持部に、試料が毛管現象により吸引され、第一の試料保持部内が試料によって充填される。この際、図13に示すように、第一の空気孔は露出された状態であり、第二の空気孔はカバー1により塞がれている状態であるため、試料が第二の試料保持部まで毛管現象により供給されることが防がれる。
次に、所望の反応時間が経過した後(例えば5分)、制御部306がカバー移動機構31を作動させる。具体的には、測定装置80内のモーター208が駆動し、プランジャー209を介して、引き下げられることにより、測定デイバス102のカバー1が第二のカバー保持部まで移動させられ、図11及び14に示すように第一の空気孔3が塞がれ、第二の空気孔2が露出された状態となる。さらに、カバー1を移動させると、カバー1とカバー持ち上げ部が接触することにより、測定デバイス101が図15に示すように変形する。この際、第一の試料保持部10に保持されていた試料が第二の試料保持部9に供給される。カバー1により第一の空気孔3が塞がれているため、試料にエアセグメントが形成することを防ぐことができる。第二の試料保持部に供給された試料に含まれるトロポニンIと結合した抗トロポニンIフェロセン修飾抗体は、電極8近傍に設置された抗トロポニン抗体に補足される。試料が電極8に接触すると、試料を介して電極間に電流が流れるようになるため、それに起因する電気信号の変化を電気信号測定部304が検出する。電気信号測定部304からの出力信号により、第二の試料保持部に試料が導入されたことを制御部306が検知すると、制御部306は電圧印加部302を制御して、電圧印加部302による印加電圧を異なる電圧(例えば0Vまたは開回路)に切り替える。また、試料導入の検知に伴い、制御部306がタイマーである計時部308による計時を開始させる。
計時部308からの信号によって、所定時間(例えば、60秒)経過したことを制御部306が判断すると、制御部306は電圧印加部302を制御して、電極8に再度異なる電圧を印加する。このように電圧を印加してから一定時間(例えば5秒)後、一対の電極8間で流れる電流等の電気信号を電気信号測定部304において測定する。このとき、電極8ではフェロセンが酸化される。電気信号検出部304において測定される電気信号は、試料中に含まれるトロポニンI濃度に依存する。
制御部306は記憶部310に格納されている電気信号とトロポニンI濃度との相関を表す相関データを読み出し、それを参照することにより電気信号測定部304において検出された電気信号を試料中のトロポニンI濃度に換算する。
得られたトロポニンI濃度はディスプレイ207に表示される。ディスプレイ207にトロポニンI濃度が表示されることにより、ユーザはトロポニンI濃度測定が完了したことがわかる。得られたトロポニンI濃度は、計時部308により計時された時刻とともに記憶部310に保存されることが好ましい。
本発明の測定デバイスによれば、十分に試薬と試料が反応した反応溶液のみを電極上に誘導し、誤測定を防ぐことができるため、分析・検査分野において有用である。
1 カバー
2 第一の空気孔
3 第二の空気孔
4 試料導入口
5 第一のカバー保持部
6 第二のカバー保持部
7 試薬
8 電極
9 第二の試料保持部
10 第一の試料保持部
11 試料
31 カバー移動機構
32 カバー持ち上げ部
80 測定装置
81 測定デバイス取り付け開口部
82 測定デバイス取り付け部
101 測定デバイス102の本体
102 測定デバイス
103 第一のカバー部材
104 第二のカバー部材
105 第一の測定デバイス部材
106 第二の測定デバイス部材
107 第三の測定デバイス部材
108 第3の保護カバー保持部
207 表示部
208 モーター
209 プランジャー
306 制御部
308 計時部
310 記憶部
304 電気信号測定部
302 電圧印加部

Claims (6)

  1. 試料を導入するための導入口と、試料を保持するための第一の試料保持部と、試料を保持するための第二の試料保持部と、前記第一の試料保持部に連結した第一空気孔と、前記第二の試料保持部に連結した第二の空気孔と、第二の試料保持部内に設けられた電極と、第一の試料保持部内に設けられた試薬と、前記第一の試料保持部及び第二の試料保持部の外周に沿って移動可能に設けられ、前記第一及び第二の空気孔を塞ぐためのカバー、
    から構成されることを特徴とする測定デバイス。
  2. 前記第一の空気孔を露出し、前記第二の空気孔を塞ぐ位置に前記カバーを保持するための第一のカバー保持部をさらに備える請求項1記載の測定デバイス。
  3. 前記第一の空気孔を塞ぎ、前記第二の空気孔を露出する位置に前記カバーを保持するための第二のカバー保持部をさらに備える請求項1または2記載の測定デバイス。
  4. 前記電極が一対の電極である請求項1〜3に記載の測定デバイス。
  5. 前記試薬が抗体、または酵素を含む、請求項1〜3に記載の測定デバイス。
  6. 前記請求項1〜5に記載の測定デバイスを用い、試料中に含まれる披検物質の濃度を測定するための測定装置であって、
    前記測定デバイスを取り付けるための測定デバイス取り付け部と、
    前記電極に電圧を印加するための電圧印加部と、
    前記電極からの電気信号を測定するための電気信号測定部と
    試料に含まれる披検物質を定量するための演算部と
    前記測定デバイスのカバーを移動させるためのカバー移動機構と
    前記測定デバイスのカバー保持部を垂直方向に持ち上げるためのカバー持ち上げ部と
    を備える測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021143909A (ja) * 2020-03-11 2021-09-24 Tdk株式会社 分析チップ

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