JP4184356B2 - センサ、測定装置および測定方法 - Google Patents

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本発明は、試料について多項目の測定を行うためのセンサ、ならびに当該センサを用いる測定装置および測定方法に関する。
従来から臨床検査分野で使用される測定機器としては、主として、大規模自動化機器およびPOCT(Point Of Care Testing)機器がある。
大規模自動化機器は、病院の中央臨床検査部門や臨床検査受託業務を中心とする会社に設置されており、これを用いれば多数の患者の検体を多項目にわたり検査することができる(例えば、特許文献1)。例えば、株式会社日立製作所製の7170型の大型自動化機器は、最大36項目について毎時800テストの検査を完了することができる。したがって、上記大規模自動化機器は、検査の効率化に大きく貢献してきており、多くの被験者を抱える病院向きの装置であるといえる。
一方、POCT機器は、病院の検査室や検査センターを除く医療現場で行われる臨床検査において用いられ、在宅医療において用いられる機器も含まれ(例えば、特許文献2および特許文献3)、例えば血糖センサ、妊娠診断薬、排卵検査薬およびHbA1c・微量アルブミン測定装置(例えば、バイエル社製DCA2000)などが挙げられる。これらのPOCT機器は、大規模自動化機器に比較して汎用性には乏しいが、ある病態に特異的なマーカー物質にフォーカスして、簡易・迅速に測定することができる。そのため、被験者のスクリーニングおよびモニタリングに効果的である。また、POCT機器は小型であるため携帯性に優れ、低コストで導入することができ、さらに、操作性においても特に専門性を必要とせず誰にでも使用することができる。
現在、臨床検査の測定項目は多く存在する。尿などの体液を検体とする場合、測定方式は、主として光学測定方式と電気化学測定方式とに大別される。上記大規模自動化機器およびPOCT機器では、それぞれ光学測定方式および電気化学測定方式のうちのいずれかの測定方式を用いて測定が行われている。
近年、医療費の高騰や生活習慣病患者の増大が医療経済を圧迫してきており、医療費削減や生活習慣病患者増大の抑制が課題となってきている。この課題の抜本的な解決策の一つとして、根拠に基づいた医療(EBM:Evidence Based-Medical)が検討されている。EBMを行うことにより、それぞれの患者に応じて客観的に医療をマネジメントすることが可能となる。そして、EBMに基づいて予防医療を実践することにより、特に生活習慣病患者数の抑制につながることなどが期待されている。
上記EBMの確立および実践のためには、臨床検査による検査情報は欠かせない情報である。EBMにおける検査情報は、検査結果とそれに基づく患者へのソリューションとを含む。ここで、患者へのソリューションとは、食事管理などの生活習慣指導や薬物治療などである。すなわち、EBMにおける検査は、医療を受けようとしている者に対する「課題の設定」と「方針の決定」と位置づけられる。したがって、EBMにおいて、より安心して安全で充実したソリューションを提供するためには、医療を受けようとしている者に対して課題を明確に提示する必要がある。そこで、臨床検査において、互いに関係のある複数の検査項目について、それぞれの検査結果を簡易かつ迅速に知ることが重要になる。
上記のような従来の大規模自動化機器は、汎用性を有し、病態への関連性の有無にかかわらず多くの項目を検査することができる。しかしながら、装置の構成が複雑であるため、専門知識を有する者以外は操作をすることが困難であり、さらに、検査結果が得られるまでに要する時間が長く、被験者に結果をフィードバックするために要する時間が長いという問題がある。また、上記POCT機器は、操作性に優れ、簡易かつ迅速に検査を行うことができるが、特定の病態に関連するマーカーを専用とする測定機器であるため、複数の項目を検査することはできない。
そこで、毛細管作用により試料液が流入するキャビティを備え、生化学または臨床試験に使用されるデバイスであって、試料の電気的特性を測定する電極構造と、キャビティ内に放出可能な抗体や酵素等の試薬とを有し、キャビティ内を光学的に測定できるようにキャビティの壁が透明であるデバイスが提案されている(例えば、特許文献4参照)。その他、本発明に関連し得る文献として特許文献5を挙げることができる。
特開平09−127126号公報 特開平07−248310号公報 特開平03−046566号公報 米国特許第5141868号明細書 特表2004−506178号公報
しかしながら、特許文献4に記載のデバイスの構造では、光学測定のために用いる試薬がキャビティ内に供給された試料に溶解することにより電極構造に到達して、電極構造による電気的特性の測定に悪影響を及ぼすという問題点があった。
そこで、本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、簡易な構成を有し、試料の光学測定および電気化学測定を同時に行うことにより、複数の項目を迅速かつ正確に測定することのできるセンサを提供することを目的とする。また、本発明は、かかるセンサを用い、複数の項目を迅速かつ正確に測定することのできる測定装置および測定方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、上記の課題を解決すべく、抗原からなる第1の被検物質およびイオンからなる第2の被検物質を含む試料を保持するための空間を有する試料保持部と、前記空間に連結し、前記試料保持部に前記試料を供給するための試料供給口と、前記試料保持部内に設けられた電気化学測定を行うための検出部と、前記試料保持部内に設けられ、前記試料保持部に入射光を入射させるための光入射部と、前記試料保持部内に設けられ、前記試料保持部内から前記試料保持部外に出射光を出射させるための光出射部と、前記試料保持部内に設けられた、前記光学測定のための抗体からなる試薬を保持するための試薬保持部と、を備え、前記試料供給口から供給された前記試料が前記試料保持部内を流れる方向において、前記試料供給口、前記検出部および前記試薬保持部の順に配置されているセンサを用いる、被検物質の測定方法であって、
(A)前記試料保持部に前記試料を供給する工程と、
(B)前記検出部に電圧を印加する工程と、
(C)前記検出部からの電気信号を測定する工程と、
(D−1)前記工程(C)において測定された前記電気信号に基づいて前記第2の被検物質を定量する工程と、
(D−2)前記試料に含まれる第1の被検物質と、前記試薬保持部に保持された抗体との間で抗原抗体反応を生じさせる工程と、
(E)前記試料保持部内に保持された前記試料に前記光入射部を通して入射光を照射する工程と、
(F)前記入射光の照射に起因して前記試料保持部内から前記試料保持部外に前記光出射部を通して出射した出射光を測定する工程と、
(G)前記工程(F)において測定された前記出射光と、前記第2の被検物質の定量結果に基づいて前記第1の被検物質を定量する工程と、
を含む被検物質の測定方法を提供する。
また、本発明は、抗原からなる第1の被検物質およびイオンからなる第2の被検物質を含む試料を保持するための空間を有する試料保持部と、前記空間に連結し、前記試料保持部に前記試料を供給するための試料供給口と、前記試料保持部内に設けられ、前記第2の被検物質の電気化学測定を行うための検出部と、前記試料保持部内に設けられ、前記第1の被検物質の光学測定を行うための光学測定部と、前記試料保持部内に設けられた、前記光学測定のための抗体からなる試薬を保持するための試薬保持部と、を備え、前記試料供給口から供給された前記試料が前記試料保持部内を流れる方向において、前記試料供給口、前記検出部および前記試薬保持部の順に配置されているセンサを提供する。
さらに本発明は、上記のセンサを取付けるためのセンサ取付け部と、前記センサの前記光学測定部に入射する入射光を出射するための光源と、前記光学測定部から出射した出射光を受光するための受光部と、前記検出部に電圧を印加するための電圧印加部と、前記検出部からの電気信号を測定するための電気信号測定部と、前記受光部により受光された前記出射光および前記電気信号測定部により測定された前記電気信号に基づき、前記被検物質を定量するための演算部と、を備える測定装置を提供する。
本発明によれば、上記のような簡易な構成を有するセンサによって、試料の光学測定および電気化学測定を同時に行うことができ、複数の項目を迅速かつ正確に測定することができる。特に、通常は光学測定のために用いる試薬が、電気化学測定に悪影響を及ぼすという問題もあるが、上記の構成によれば、かかる問題も解消される。さらに、本発明によれば、前記センサを用いることにより、複数の項目を迅速かつ正確に測定することのできる測定装置および測定方法を実現することができる。
1.センサ
本発明のセンサは、被検物質を含む試料を保持するための試料保持部と、試料保持部に試料を供給するための試料供給口と、試料保持部内に設けられた電気化学測定を行うための検出部と、試料保持部内に設けられた光学測定を行うための光学測定部と、試料保持部内に設けられた、前記光学測定のための試薬を保持するための試薬保持部と、を備え、前記試料供給口から供給された前記試料が前記試薬保持部内を流れる方向において、前記試料供給口、前記検出部および前記試薬保持部の順に配置されている。
このような構成によれば、試料供給口から試料保持部内へ試料を1回供給することにより、1つのセンサを用いて、試料の光学測定および電気化学測定をほぼ同時に行うことが可能であり、複数の項目を簡易かつ迅速に測定することができる。
また、試料供給口から供給された試料がセンサ内を流れる方向において、検出部が試薬保持部よりも上流側に位置するため、光学測定のために用いる試薬が試料保持部内に供給された試料に溶解して検出部に到達することが抑制されるので、光学測定のために用いる試薬が電気化学測定に悪影響を及ぼすという問題を最小限に抑制することができる。
本発明のセンサは、主として、試料保持部と前記試料保持部に試料を供給するための試料供給口とを具備する容器などによって構成することができ、本発明の効果を損なわない範囲で種々の形状を採用することができる。
上記センサを構成する材料に関しては、少なくとも後述する光学測定部が光透過性を有する材料で構成されていればよく、試料保持部などの部分については本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限なく種々の材料を用いて構成することができる。上記光透過性を有する材料としては、例えば石英およびポリスチレンなどが挙げられる。
コスト削減および作製工程の簡易化という観点からは、単一の材料で前記センサ全体を構成するのが好ましい。また、センサを使い捨てにする場合には、コスト削減の観点から、ポリスチレンを用いるのが好ましい。
検出部は、試料保持部内に設けられており、試料保持部に入射した入射光の光路および試料保持部から出射する出射光の光路とは異なる位置に設けられていることが好ましい。このような構成により、検出部が入射光および出射光を遮ることがなく、試料保持部内に供給された試料について良好な光学測定を行うことができる。
例えば、試料保持部が直方体の形状である場合には、直方体の互いに異なるいずれかの面に光入射部と光出射部とをそれぞれ設け、光入射部および光出射部が設けられた面とは異なる面上に検出部を設けてもよい。
ここで、前記試料供給口から供給された前記試料が前記試料保持部内を流れる方向において、前記光学測定部が、前記試薬保持部と略同じ位置かまたは前記試薬保持部よりも下流側に位置することが好ましい。このようにすると、光学測定のために用いる試薬が試料保持部内に供給された試料に溶解した後、その試薬を含む試料が光学測定部に到達するので、試料保持部内を強制的に攪拌しなくても、光学測定を迅速に行うことができる。
試薬保持部は、上記試料保持部内に設けられている。すなわち、本発明のセンサにおいては、試薬保持部に光学測定のために用いられる試薬を備える。試薬は、試料保持部内および/または上記試料導入路内に、乾燥状態で担持させるのが好ましい。このようにすると、試料保持部内および/または試料導入路内に試料が供給された際に、試料によって乾燥担持された試薬を溶解させることができる。
例えば、ガラス繊維または濾紙などで構成された多孔性の担体に、試薬の溶液を含浸させ、乾燥することにより試薬を担持し、当該担体を試料保持部内および/または試料導入路内に配置すればよい。また、試料保持部および/または試料導入路を構成する壁面に、試薬の溶液を直接塗布し、乾燥して担持させてもよい。
前記試薬は、試料中の被検物質と特異的に反応することが好ましい。このようにすると、被検物質に特異的な反応であるため、多数の物質(さらには複数の被検物質)が混在する試料から、特定の被検物質の存在を調べることが容易となる。
試薬と試料中の被検物質との特異的な反応としては、抗体試薬を用いる抗原抗体反応や生化学反応などが挙げられる。ここで、生化学反応としては、例えば尿蛋白の測定に用いられるCBB G−255法およびピロガロールレッド法、ならびに尿糖の測定に用いられるベネディクト法およびニーランデル法などが挙げられる。
被検物質との特異的な反応に用いられる試薬としては、例えば酵素、抗体、ホルモンレセプター、化学発光試薬およびDNAなどが挙げられる。なかでも、多様な被検物質に対して特異的に結合し得る抗体を、公知の方法により産生させることができ、試薬を作製し易いという観点から、抗体を用いるのが有利である。
例えば、アルブミンなどの蛋白またはhCGおよびLHなどのホルモンを抗原として用い、マウスやウサギなどに免疫することにより、前記抗原に対する抗体を得ることができる。抗体としては、尿中に含まれるアルブミンなどの蛋白に対する抗体、ならびに尿中に含まれるhCGおよびLHなどのホルモンに対する抗体などが挙げられる。
光学測定部は、入射光を入射させるための光入射部、および光学測定部内から光学測定部外に出射光を出射させるための光出射部を備えたものとすることが好ましい。
このような構成とすることにより、入射光の光路および出射光の光路を規定することができ、散乱光、透過光および反射光を、容易かつ確実に測定することができる。
本発明のセンサにおいて、検出部を構成する素子としては、例えばガラス電極、銅および白金などの金属で構成された電極、ポリシリコンなどの半導体で構成された電極、電界効果型トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)などのトランジスタなどが挙げられる。
なかでも、検出部は、試料の導電率測定を行なうための少なくとも一対の電極を備えていることが好ましい。このような構成によれば、光学測定に加えて試料の塩濃度測定を容易かつ確実に実施することが可能となる。また、塩濃度により光学測定結果が影響を受ける場合には、光学測定の測定値を補正することも容易となる。
また、本発明のセンサにおいては、前記検出部が、イオン選択性電極(ISFET:Ion Sensitive FET)と、比較電極として機能する参照電極とを含むことが好ましい。イオン選択性電極は、従来公知のものを用いることができるが、例えば電極と当該電極の少なくとも一部を覆うように設けられたイオン選択膜とを備えている。
ここで、イオン選択膜は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、塩化物イオン、アンモニウムイオンおよび水素イオンなどのイオンのうちのいずれかを選択的に透過させる機能を有するものであればよい。
イオン選択膜を構成する化合物は、透過させたいイオンに応じて公知の包接化合物を用いることができる。ナトリウムイオンに対しては、例えばビス[(12−クラウン−4)メチル]2,2−ジベンゾマロネート(Bis[(12−crown−4)methyl]2,2−dibenzomalonate)などが挙げられ、カリウムイオンに対しては、例えばビス[(ベンゾル5−クラウン−5)4−メチル]ピメレート(Bis[(benzo15−crown−5)4−methyl]pimelate)などが挙げられる。
リチウムイオンに対しては、例えばフォスフォドデシル−14−クラウン−4(phosphododecyl−14−crown−4)などが挙げられ、マグネシウムイオンに対しては、例えば4,13−ビス[N−(1−アダマンチル)カルバモイルアセチル]−8−テトラデシル−1,7,10,16−テトラオキサ−4,13−ジアザシクロオクタデカン(4,13−bis[N−(1−adamantyl)carbamoylacetyl]−8−tetradecyl−1,7,10,16−tetraoxa−4,13−diazacyclooctadecane)などが挙げられる。
また、カルシウムイオンに対しては、例えば4,16−ビス(N−オクタデシルカルバモイル)−3−オクトブチリル−1,7,10,13,19−ペンタオクサ−4,16−ジアザシクロヘンイコサン(4,16−bis(N−octadecylcarbamoyl)−3−octbutyryl−1,7,10,13,19−pentaoxa−4,16−diazacyclohenicosane)などが挙げられ、塩化物イオンに対しては、例えば2,7−ジ−t−ブチル−9,9−ジメチル−4,5−ビス(N−n−ブチルチオウレイレン)キサンテン(2,7−Di−tert−butyl−9,9−dimethyl−4,5−bis(N−n−butylthioureylene)xanthene)などが挙げられる。
さらに、アンモニウムイオンに対しては、例えば2,6,13,16,23,26−ヘキサオクサヘプタシクロ[25.4.4.47,12.417,22.01,17.07,12.017,22]トリテトラコンタン(2,6,13,16,23,26−hexaoxaheptacyclo[25.4.4.47,12.417,22.01,17.07,12.017,22]tritetracontane)などを用いることができる。
上記包接化合物は、いずれも市販品として、例えば同仁化学(株)から入手することができる。
電極上にイオン選択膜を形成する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、前記包接化合物と、可塑剤と、アニオン排除剤と、ポリ塩化ビニル(PVC)などの高分子化合物とを有機溶剤に溶解し、得られた混合溶液を、上記電極上に塗布して風乾して、イオン選択膜を形成することができる。
2.測定装置
つぎに、本発明の測定装置は、上記センサを取付けるためのセンサ取付け部と、前記センサの前記光学測定部に入射する入射光を出射するための光源と、前記光学測定部から出射した出射光を受光するための受光部と、前記検出部に電圧を印加するための電圧印加部と、前記検出部からの電気信号を測定するための電気信号測定部と、前記受光部により受光された前記出射光および前記電気信号測定部により測定された前記電気信号のうちの少なくとも一方に基づき、前記被検物質を検出または定量するための演算部と、を備える。
このような構成によれば、上記センサの試料供給口から試料保持部内へ試料を1回供給することにより、1つの測定装置を用いて、試料の光学測定および電気化学測定をほぼ同時に行うことが可能であり、複数の項目を簡易かつ迅速に測定することができる。
また、先に述べたような、試料供給口から供給された試料がセンサ内を流れる方向において、検出部が試薬保持部よりも上流側に位置するセンサを用いるため、光学測定のために用いる試薬が試料保持部内に供給された試料に溶解して検出部に到達することが抑制されるので、光学測定のために用いる試薬が電気化学測定に悪影響を及ぼすという問題を最小限に抑制することができる。
ここで、センサは測定装置に着脱可能な状態で取付けられることが好ましい。また、センサは使い捨てであることが好ましい。
また、本発明の測定装置は、さらに、センサ取付け部に取付けられたセンサの試料保持部内に試料を吸引するための吸引部を備えていることが好ましい。このような構成によれば、センサ取付け部にセンサを取付けた状態で、吸引部を用いて、センサの試料保持部内に容易に試料を供給することができる。吸引部は手動であっても自動であってもよく、例えば、シリンジやディスペンサーなどと同様のピストン機構などが挙げられる。
ピストンを作動させる方法は、手動であっても、自動であっても良いが、自動化することが、作業者の負担を軽減することができるので好ましい。自動化する方法としては、ピストンをモーターで作動させる方法がある。モーターとしては、ステップモーター、直流モーターなどが挙げられる。ステップモーターは入力された1パルス信号あたりに特定の回転角を回転するモーターであり、パルス数で回転角度を決定できるため、位置決めのためのエンコーダーを必要としない。すなわち、入力パルス数により、ピストンの動作距離を制御できる。モーターの回転運動は、歯車機構と、雄ネジと雌ネジを組み合わせた直進機構などを用いて直進運動へ変換することにより、ピストンを作動させる。直流モーターの場合も回転運動を直進運動へ変換する方法は同様であるが、直流モーターの場合は、ピストンの動作距離を制御するために、モーターの回転位置を検出するエンコーダーが必要となる。また、リニア型のステップモーターもあり、このタイプのモーターは、モーター内に雄ネジと雌ネジを組み合わせた直進機構が組み入れられており、入力パルス数に依存して、棒状の可動部が直進運動するように構成されている。このため、この棒に直接ピストンを連結すれば良く、構成が簡単となる。
本発明の測定装置は、演算部において試料中の被検物質を検出または定量した結果を記憶媒体に記録するための記録部を備えていることが好ましい。
このような構成によれば、検出または定量した結果を取り外し可能な記憶媒体に保存することができ、前記結果を測定装置から容易に取り出すことができる。したがって、前記記憶媒体を分析専門業者に持参したり郵送したりして容易に分析を依頼することができる。
また、本発明の測定装置は、演算部において試料中の被検物質を検出または定量した時間を計時するための計時部、および前記演算部において試料中の被検物質を検出または定量した結果を、計時部において計時した検出または定量時間と関連付けて記憶するための記憶部を備えていることが好ましい。
このような構成によれば、試料中の被検物質を検出または定量した結果が、測定した時間とともに記憶部に保存されているため、経時的な分析を行うことができる。
さらに、本発明の測定装置は、演算部において試料中の被検物質を検出または定量した結果を、測定装置外に送信するための送信部を備えていることが好ましい。このような構成によれば、試料中の被検物質を検出または定量した結果を、病院内の分析関連部門または分析関連業者などに送信し、それを前記分析関連部門または分析関連業者等において分析することができる。したがって、測定から分析までの時間を短縮することができる。
加えて、本発明の測定装置は、前記分析関連部門または分析関連業者等において分析した結果を受信するための受信部を備えていることが好ましい。このような構成によれば、分析結果を迅速に被験者にフィードバックすることができる。
3.測定方法
本発明の測定方法は、先に述べた本発明のセンサと、第1の被検物質および第2の被検物質を含む試料の測定方法であって、(A)前記試料保持部に前記試料を供給する工程と、(B)前記検出部に電圧を印加する工程と、(C)前記検出部からの電気信号を測定する工程と、(D)前記工程(C)において測定された前記電気信号に基づいて前記第2の被検物質を検出または定量する工程と、(E)前記試料保持部内に保持された前記試料に前記光入射部を通して入射光を照射する工程と、(F)前記入射光の照射に起因して前記試料保持部内から前記試料保持部外に前記光出射部を通して出射した出射光を測定する工程と、(G)前記工程(F)において測定された前記出射光に基づいて前記第1の被検物質を検出または定量する工程と、を含む。
このような構成によれば、1つのセンサを用いて、試料供給口から試料保持部内へ試料を1回供給することにより、試料の光学測定および電気化学測定をほぼ同時に行うことが可能であり、複数の項目を簡易かつ迅速に測定することができる。
また、試料供給口から供給された試料がセンサ内を流れる方向において、検出部が試薬保持部よりも上流側に位置するため、光学測定のために用いる試薬が試料保持部内に供給された試料に溶解して検出部に到達することが抑制されるので、光学測定のために用いる試薬が電気化学測定に悪影響を及ぼすという問題を最小限に抑制することができる。
ここで、本発明の測定方法は、センサ取付け部に取付けられた前記センサの試料供給口から、吸引部により試料液を吸引する工程、検出部からの電気信号の変化に基づき試料保持部に試料が供給されたことを検知する工程、および前記工程における試料の検知に基づき光源を動作させる工程を含むことが好ましい。
なかでも、前記工程(C)において前記電気信号を検知した際に、前記工程(E)において前記入射光を照射するのが好ましい。このような構成によれば、試料保持部内に試料が供給されたことを自動的に検知すると同時に光学測定の準備をすることができ、電気化学測定および光学測定を行うのに要する時間を短縮することができる。
さらに、第1の被検物質の定量結果および第2の被検物質の定量結果のいずれか一方に基づいて、他方の定量結果を補正する工程を含むことが好ましい。このような構成によれば、互いに関係のある複数の項目について測定を行うことにより、測定結果の精度を向上させることができる。
ここで、本発明における試料としては、尿、血清、血漿および血液などの体液、ならびに培地の上清液などが挙げられる。
在宅での日常の健康管理を目的として本発明のセンサや測定装置を用いる場合、測定は非侵襲であることが好ましいため、試料としては尿が好ましい。
また、第1の被検物質としては、例えばアルブミン、hCG、LH、CRPおよびIgGなどが挙げられる。
第2の被検物質としては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、塩化物イオン、アンモニウムイオンおよび水素イオンなどのうちの少なくとも1種が挙げられる。
健康管理の最初の段階で行われる尿の定性検査では、pH、比重、蛋白、糖、潜血、ケトン体、ビリルビン、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球、アスコルビン酸、アミラーゼおよび食塩の12項目について検査が行われる。また、腎機能を分析するという目的では微量アルブミンが検査され、妊娠検査および排卵検査などのマーカーとしてはhCGおよびLHなどのホルモンが用いられる。
上記の検査項目を大別すると、蛋白、微量アルブミン、hCGおよびLHなどのホルモンの検査には、抗原抗体反応に基づいた光学測定を用いるのが適している。ここで、抗原抗体反応に基づいた光学測定には、例えば免疫比ろう法、免疫比濁法およびラテックス免疫凝集法などを用いることができる。
一方、尿の塩分(ナトリウムイオンおよびカリウムイオンなど)ならびにpHなどは、主として、電気化学測定に基づいて測定される。特に尿の塩分は、食事などの生活習慣を反映するものであり、健康管理に関するソリューションを提案するために重要な情報である。
尿中の塩分およびpHは、日内変動、日外変動および個体差に起因して検体によって差があり、この検体差が光学測定により求められる抗原抗体反応の反応量に影響を与える。特に塩分濃度の変化は、免疫比ろう法、免疫比濁法およびラテックス免疫凝集法における反応結果に与える影響が大きい。例えば、高塩濃度状態における抗原抗体反応は解離性が強く反応量が少なくなる。
したがって、複数の塩分濃度における、抗原濃度と出射光強度との関係を表すデータを検量線として用い、導電率測定(電気化学測定)により求められた塩分値を使って、光学測定により求められた抗原濃度を補正するのが好ましい。これにより、検体差を補正することができる。このようにすると、定量結果の精度を向上させることができる。
さらに、先に述べたようなイオン選択性電極におけるイオン選択膜を用いて尿中塩分の主要成分であるナトリウムイオンおよびカリウムイオンそれぞれの濃度を求めれば、各イオンによる抗原抗体反応に与える影響の違いをも考慮した補正が可能である。
また、水素イオン濃度の測定により、尿のpHを求めれば、pHによる影響をも考慮した補正が可能である。
以下においては、図面を参照しながら、本発明のセンサの構成の実施の形態をより詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
《実施の形態1》
本実施の形態のセンサの構成を、図1〜3を用いて説明する。本実施の形態のセンサは光学測定に散乱光を用いることを意図して構成されている。図1は、本発明のセンサの実施の形態1を示す斜視図であり、図2は、図1における矢印Bの方向からみたセンサの斜視図であり、図3は、図1におけるA−A線断面図である。
図1に示すように、本実施の形態のセンサ1は、ポリスチレンで構成された試料保持部104で構成されている。
試料保持部104は、中空の四角錐と中空で横断面が正方形の四角柱とを組み合わせた形状を有しており、その四角錘の先端に試料供給口101を有している。また、試料供給口101側とは反対側に、開口部102を有している。そして、本実施の形態のセンサは、試料が、試料供給口101から試料保持部104に供給される構造となっている。
試料保持部104を囲む4つの面のうちの第1の面には、図3に示すように、尿中のヒトアルブミンに対する抗体が試薬として乾燥状態で担持されたガラス繊維製の多孔質担体を貼付することによって、試薬保持部108が形成されている。
また、試薬保持部108が形成されている第1の面と異なる面のうち、上記第1の面と隣合う第2の面には、試料供給口101から試薬保持部108までの間に、イオン選択性電極105と参照電極106とを具備する検出部111が設けられている。
すなわち、試料供給口101から供給された試料がセンサ1内を流れる方向(センサ1の長さ方向に略平行な矢印Xの方向)において、試料供給口101、検出部111および試薬保持部108の順に配置されており、試料供給口101から検出部111までの距離D1と、試料供給口101から試薬保持部108までの距離D2とが、関係式:D1<D2を満たしている。
検出部111はシリコン基板を有し、シリコン基板にゲート、ソースおよびドレインを形成し、ゲートを覆うイオン選択膜を設けることによってイオン選択性電極105が構成されている。イオン選択膜は、ナトリウムイオンを特異的に認識する[(12−クラウン−4)メチル]2,2−ジベンゾマロネート(Bis[(12−crown−4)methyl]2,2−dibenzomalonate)で構成されている。
また、上記のシリコン基板上には参照電極106が配置され、参照電極106とイオン選択膜を露出させつつ、他の部分を覆うように絶縁膜113が設けられている。
また、上記のシリコン基板の面のうち、イオン選択性電極105および参照電極106が設けられている面の裏側の面には、イオン選択性電極105のゲート、ソースおよびドレインならびに参照電極106それぞれの端子が設けられている(図示せず)。これらの端子が、試料保持部104の開口部102に設けられた3つの端子107に、絶縁膜によって保護されたリード線112で接続されている。図2に示すように、3つの端子107は、試料保持部104の内壁面から開口部102を経て前記内壁面の裏側の面にまで延びている。なお、ゲートおよびソースは同じ端子に接続され、ドレインと参照電極106とはそれぞれ異なる端子に接続されている。
試料保持部104を構成する4つの面のうち、検出部111が設けられた面および試薬保持部108が設けられた面以外の2つの面が、それぞれ光入射部109および光出射部110として機能する。
《実施の形態2》
本実施の形態のセンサの構成を、図4〜6を用いて説明する。本実施の形態のセンサは光学測定に透過光を用いることを意図して構成されている。図4は、本発明のセンサの実施の形態2を示す斜視図であり、図5は、図4における矢印Bの方向からみたセンサの斜視図であり、図6は、図4におけるA−A線断面図である。
図4に示すように、本実施の形態のセンサ1は、ポリスチレンで構成された試料導入部203と試料保持部204で構成されており、試料導入部203と試料保持部204とは一体的に成形されている。
試料導入部203は、円筒の形状を有しており、先端に試料供給口201を有している。また、試料保持部204は、中空で横断面が正方形の四角柱の形状を有しており、試料供給口201側とは反対側に、開口部202を有している。そして、本実施の形態のセンサは、試料が、試料供給口201から試料導入路203を通って試料保持部204に供給される構造となっている。
試料保持部204を囲む4つの面のうちの第1の面には、図6に示すように、尿中のヒトアルブミンに対する抗体が試薬として乾燥状態で担持されたガラス繊維製の多孔質担体を貼付することによって、試薬保持部208が形成されている。
また、試薬保持部208が形成されている第1の面と異なる面のうち、上記第1の面と対向する第2の面には、試料供給口201から試薬保持部208までの間に、イオン選択性電極205と参照電極206とを具備する検出部211が設けられている。
すなわち、試料供給口201から供給された試料がセンサ1内を流れる方向(センサ1の長さ方向に略平行な矢印Xの方向)において、試料供給口201、検出部211および試薬保持部208の順に配置されており、試料供給口201から検出部211までの距離D1と、試料供給口201から試薬保持部208までの距離D2とが、関係式:D1<D2を満たしている。
検出部211はシリコン基板を有し、シリコン基板にゲート、ソースおよびドレインを形成し、ゲートを覆うイオン選択膜を設けることによってイオン選択性電極205が構成されている。イオン選択膜は、ナトリウムイオンを特異的に認識する[(12−クラウン−4)メチル]2,2−ジベンゾマロネート(Bis[(12−crown−4)methyl]2,2−dibenzomalonate)で構成されている。
また、上記のシリコン基板上には参照電極206が配置され、参照電極206とイオン選択膜を露出させつつ、他の部分を覆うように絶縁膜213が設けられている。
また、上記のシリコン基板の面のうち、イオン選択性電極205および参照電極206が設けられている面の裏側の面には、イオン選択性電極205のゲート、ソースおよびドレインならびに参照電極206それぞれの端子が設けられている(図示せず)。これらの端子が、試料保持部204の開口部202に設けられた3つの端子207に、絶縁膜によって保護されたリード線212で接続されている。図5に示すように、3つの端子207は、試料保持部204の内壁面から開口部202を経て前記内壁面の裏側の面にまで延びている。なお、ゲートおよびソースは同じ端子に接続され、ドレインと参照電極206とはそれぞれ異なる端子に接続されている。
試料保持部204を構成する4つの面のうち、検出部211が設けられた面および試薬保持部208が設けられた面以外の2つの面が、それぞれ光入射部109および光出射部110として機能する。
《実施の形態3》
本実施の形態のセンサの構成を、図7〜9を用いて説明する。本実施の形態のセンサは光学測定に散乱光を用いることを意図して構成されている。図7は、本発明のセンサの実施の形態3を示す斜視図であり、図8は、図7における矢印Bの方向からみたセンサの斜視図であり、図9は、図7におけるA−A線断面図である。
図7に示すように、本実施の形態のセンサ1は、ポリスチレンで構成された試料導入部303と試料保持部304で構成されており、試料導入部303と試料保持部304とは一体的に成形されている。
試料導入部303は、円筒の形状を有しており、先端に試料供給口301を有している。また、試料保持部304は、横断面が正方形で有底中空の四角柱の形状を有しており、4つの面のうちの第1の面の下部には、試料導入路303が設けられている。また、試料保持部304は、試料供給口301側とは反対側に、開口部302を有している。そして、本実施の形態のセンサは、試料が、試料供給口301から試料導入路303を通って試料保持部304に供給される構造となっている。
上記第1の面には、図9に示すように、尿中のヒトアルブミンに対する抗体が試薬として乾燥状態で担持されたガラス繊維製の多孔質担体を貼付することによって、試薬保持部307が形成されている。
また、試薬保持部307が形成されている第1の面と異なる面のうち、上記第1の面と隣り合う第2の面には、試料供給口301から試薬保持部307までの間に、導電率測定を行うための一対の電極305を具備する検出部311が設けられている。
すなわち、試料供給口301から供給された試料がセンサ1内を流れる方向(センサ1の長さ方向に略平行な矢印Xの方向)において、試料供給口301、検出部311および試薬保持部307の順に配置されており、試料供給口301から検出部311までの距離D1と、試料供給口301から試薬保持部307までの距離D2とが、関係式:D1<D2を満たしている。
検出部311を構成する一対の電極305は、従来公知の方法で形成することができる。電極305は、試料保持部304の開口部302に設けられた2つの端子307に、絶縁膜によって保護されたリード線310で接続されている。図8に示すように、2つの端子306は、試料保持部304の内壁面から開口部302を経て前記内壁面の裏側の面にまで延びている。
試料保持部304を構成する4つの面のうち、検出部311が設けられた面および試薬保持部307が設けられた面以外の2つの面が、それぞれ光入射部308および光出射部309として機能する。
《実施の形態4》
本実施の形態の測定装置の構成を、図10〜12を用いて説明する。図10は本実施の形態における測定装置2を示す斜視図であり、図11は、図10に示す測定装置2に上記実施の形態1のセンサ1を取り付けた様子を示す斜視図である。また、図12は、測定装置2の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の測定装置2は、センサ取付け部401、測定結果が表示される表示部402、試料吸引開始ボタン403およびセンサ取外しボタン404を有する。センサ取付け部401には、センサ1の試料供給口101と反対側の開口部102を挿入することにより、測定装置2内にセンサ1を取付けることができる。
つぎに、上記実施の形態1に示した構成のセンサ1および本実施の形態の測定装置2を用いて尿中の被検物質を測定する方法について、図12を参照しながら説明する。
まず、測定装置2のセンサ取付け部401にセンサ1の一部を挿入することにより、測定装置2内に設けられた3つの端子とセンサ1に設けられた3つの端子107とがそれぞれ接触する。このとき、測定装置2内に設けられたマイクロスイッチからなるセンサ挿入検知スイッチ(図示せず)が作動し、制御部として機能するCPU601がセンサ1の挿入を検知し、電圧印加部602によりセンサ1の検出部603に電圧が印加される。
測定装置2内においては、透過光および散乱光を測定することができるように、受光部608が設けられている(図示せず)。より詳細には、透過光を測定することができるように、センサ1の光出射部110から出射する光の直進方向において、センサ1を挟んで光源607と受光部608が設けられている。
また、散乱光を測定することができるように、センサ1の光出射部110から出射する光の直進方向に対して、センサ1を中心として、垂直方向に交わる軸上に別の受光部608が設けられている。
つぎに、便器内または紙コップなどの容器内に排尿された尿に、センサ1の一部を浸漬した状態で、試料吸引開始ボタン403を押す。これにより、測定装置2内に設けられた吸引部であるピストン機構604が作動し、センサ1の試料供給口101から試料保持部104内に所定量の尿が吸引される。
試料保持部104内に供給された尿が検出部603に到達すると、検出部603における電位状態が変化するため、それに起因する電気信号の変化を電気信号測定部605が検知し、CPU601が計時部606による計時を開始させるとともに、電圧印加部602による電圧の印加を遮断する。試料保持部104内に供給された尿は、試薬保持部に担持された乾燥状態の抗体を溶解し、尿中の抗原との免疫反応が進行する。
つぎに、所定時間経過したことを計時部606からの信号によりCPU601が判断すると、CPU601は光源607および電圧印加部602を作動させる。光源607から出射して光入射部109と通して試料保持部内に入射し、尿中で散乱し、光出射部110から出射した光(散乱光)を、測定装置2内に散乱光受光用に設けられた受光部608により受光する。
一方、検出部603からの電気信号を電気信号測定部605で測定する。この電気信号に基づき、記憶部であるメモリ609に保存されている電気信号とナトリウム濃度との関係を表す検量線を参照して、演算部として機能するCPU601が電気信号を尿中のナトリウム濃度に換算する。
測定装置2内のメモリ609には、複数のナトリウム濃度における出射光強度と抗原濃度との関係を表す検量線が保存されている。先に測定されたナトリウム濃度における検量線データを抽出し、前記検量線を参照することにより、演算部として機能するCPU601が出射光強度と電気信号に基づき抗原濃度を算出する。
こうして得られたナトリウム濃度および抗原濃度は、図11に示すように、表示部402に表示される。また、得られたナトリウム濃度および抗原濃度は、計時部606により計時された時刻とともにメモリ609に保存される。
最後に、センサ取外しボタン404を押すことにより、センサ取外し機構610が作動して、試料保持部104内の尿が試料供給口101から排出された後、センサ1が測定装置2から自動的に取り外される。
さらに、得られたナトリウム濃度および抗原濃度は、記録部611によりSDカードなどの記憶媒体に記録することができる。取り外し可能な記憶媒体に保存することにより、測定結果を測定装置2から容易に取り出すことができるので、前記記憶媒体を分析専門業者に持参もしくは郵送して、分析を依頼することができる。
さらに、得られたナトリウム濃度および抗原濃度は、送信部612により測定装置2外に送信することができる。これにより、測定結果を、病院内の分析関連部門または分析関連業者等に送信し、それを前記分析関連部門または分析関連業者などにおいて分析することができるので、測定から分析までの時間を短縮することができる。
さらにまた、前記分析関連部門または分析関連業者などにおいて分析した結果を受信するための受信部613を備えている。これにより、分析結果を迅速に被験者にフィードバックすることができる。
《実施の形態5》
本実施の形態の測定装置の構成を、図13、14および12を用いて説明する。図13は本実施の形態における測定装置2を示す斜視図であり、図14は、図13に示す測定装置2に上記実施の形態3のセンサ1を取り付けた様子を示す斜視図である。また、図12は、測定装置2の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の測定装置2は、センサ取付け部501、測定結果が表示される表示部502、試料吸引開始ボタン503およびセンサ取外しボタン504を有する。センサ取付け部501には、センサ1の試料供給口301と反対側の開口部302を挿入することにより、測定装置2内にセンサ1を取付けることができる。
つぎに、上記実施の形態3に示した構成のセンサ1および本実施の形態の測定装置2を用いて尿中の被検物質を測定する方法について、図12を参照しながら説明する。
まず、測定装置2のセンサ取付け部501にセンサ1の一部を挿入することにより、測定装置2内に設けられた2つの端子とセンサ1に設けられた2つの端子306とがそれぞれ接触する。このとき、測定装置2内に設けられたマイクロスイッチからなるセンサ挿入検知スイッチ(図示せず)が作動し、制御部として機能するCPU601がセンサ1の挿入を検知し、電圧印加部602によりセンサ1の検出部603に電圧が印加される。
測定装置2内においては、透過光および散乱光を測定することができるように、受光部608が設けられている(図示せず)。より詳細には、透過光を測定することができるように、センサ1の光出射部309から出射する光の直進方向において、センサ1を挟んで光源607と受光部608が設けられている。
また、散乱光を測定することができるように、センサ1の光出射部309から出射する光の直進方向に対して、センサ1を中心として、垂直方向に交わる軸上に別の受光部608が設けられている。
つぎに、便器内または紙コップなどの容器内に排尿された尿に、センサ1の一部を浸漬した状態で、試料吸引開始ボタン503を押す。これにより、測定装置2内に設けられた吸引部であるピストン機構604が作動し、センサ1の試料供給口301から試料導入路303を通って試料保持部304内に所定量の尿が吸引される。
試料保持部304内に供給された尿が検出部603に到達すると、検出部603における一対の電極305の間の抵抗値(すなわち導電率)が、試料中の塩分の濃度に依存して変化するため、それに起因する電気信号の変化を電気信号測定部605が検知し、CPU601が計時部606による計時を開始させる。試料保持部304内に供給された尿は、試薬保持部に担持された乾燥状態の抗体を溶解し、尿中の抗原との免疫反応が進行する。
つぎに、所定時間経過したことを計時部606からの信号によりCPU601が判断すると、CPU601は光源607および電圧印加部602を作動させる。光源607から出射して光入射部308を通して試料保持部内に入射し、尿中で散乱し、光出射部309から出射した光(散乱光)を、測定装置2内に散乱光受光用に設けられた受光部608により受光する。
一方、検出部603からの電気信号を電気信号測定部605で測定する。この電気信号に基づき、記憶部であるメモリ609に保存されている電気信号と塩濃度との関係を表す検量線を参照して、演算部として機能するCPU601が電気信号を尿中の塩分濃度に換算する。
測定装置2内のメモリ609には、出射光強度と抗原濃度との関係を表す検量線が保存されている。前記検量線を参照することにより、演算部として機能するCPU601が出射光強度に基づき抗原濃度を算出する。
こうして得られた塩分濃度および抗原濃度は、図14に示すように、表示部502に表示される。また、得られた塩分濃度および抗原濃度は、計時部606により計時された時刻とともにメモリ609に保存される。
最後に、センサ取外しボタン504を押すことにより、センサ取外し機構610が作動して、試料保持部304内の尿が試料供給口301から排出された後、センサ1が測定装置2から自動的に取り外される。
さらに、得られた塩分濃度および抗原濃度は、記録部611によりSDカードなどの記憶媒体に記録することができる。取り外し可能な記憶媒体に保存することにより、測定結果を測定装置2から容易に取り出すことができるので、前記記憶媒体を分析専門業者に持参もしくは郵送して、分析を依頼することができる。
さらに、得られた塩分濃度および抗原濃度は、送信部612により測定装置2外に送信することができる。これにより、測定結果を、病院内の分析関連部門または分析関連業者等に送信し、それを前記分析関連部門または分析関連業者などにおいて分析することができるので、測定から分析までの時間を短縮することができる。
さらにまた、前記分析関連部門または分析関連業者などにおいて分析した結果を受信するための受信部613を備えている。これにより、分析結果を迅速に被験者にフィードバックすることができる。
つぎに、本発明の測定装置の記憶部に記憶させるための検量線を作成するため、抗原抗体反応系へのNaCl、KClおよびCaCl2の添加が及ぼす影響について、免疫比朧法での測定により調べた。
実験においては、各塩が0M、0.050M、0.15Mおよび0.30Mの濃度で反応液に存在した場合の影響について調べた。本実施例における緩衝液などの調製には、Milli−Q SP TOC(Millipore社製)でろ過した純水を使用した。また、特に記載の無い塩および緩衝剤などの試薬としては、和光純薬(株)製のものを使用し、ポリエチレングリコール6000(PEG6000)としては1級試薬を使用し、それ以外の試薬としては特級試薬を使用した。
また、本実施例では、対比のために、抗ヒトアルブミンポリクローナル抗体によるヒトアルブミン測定を行った。抗ヒトアルブミンポリクローナル抗体は、ヒトアルブミンを免疫したウサギ抗血清より、プロテインA(Amersham Pharmacia Biotech社製)カラムクロマトグラフィーにより精製した。カラムの平衡化緩衝液には、1.5M グリシンおよび3.0M NaClを含む混合水溶液(pH8.9)を使用し、溶出緩衝液には、0.1 Mクエン酸(pH4.0)を使用した。
精製した抗体は、分画分子量1万の透析チューブを用い、100倍容量の0.05M 3−(N−Morpholino)propane sulfonic acid(MOPS)、0.15M NaClおよび0.04%(w/v)NaN3を含む緩衝液(pH7.4)で数回透析した。透析緩衝液の0.15M NaClは保存時の抗体による自己凝集防止のために添加した。透析により緩衝液が置換されたものを抗ヒトアルブミンポリクローナル抗体保存溶液とし、280nmの吸光度測定により、その濃度を推定した(3.2mg/ml)。
抗原としたヒトアルブミン(和光純薬(株)製)は、0.05M MOPSおよび0.04% NaN3を含む緩衝液(pH7.4)に溶解し、100mg/dlの保存用溶液を作製した。抗ヒトアルブミンポリクローナル抗体溶液およびヒトアルブミン保存用溶液は、使用時まで4℃で保存した。また、以下の溶液のpH調整はNaOHを使用して行った。
また、本実施例における緩衝剤にはMOPSを使用した。MOPSはGoodらにより考案された種々のアミン化合物からなるGood緩衝剤の1つであり、その特徴の1つとして、双極イオン緩衝液であるため、イオン性の緩衝液に比べ、塩効果が少ない。このため、本実施例での結果の対比がより明確になるとの観点から使用した。MOPSはDojin社製のものを使用した。
各塩の効果を確認するために使用した緩衝液には、各塩のそれぞれの濃度について以下に示すようにPEGを含むものと含まないものの2種類を用意した。
添加塩を含まない緩衝液としては、0.050M MOPS緩衝液(pH7.4)と、0.050M MOPSおよび6%(w/v)PEG6000を含む緩衝液(pH7.4)とを用意した。
また、添加塩としてNaClを含む緩衝液としては、0.050M、0.15Mおよび0.30MのNaClを含む0.050M MOPS緩衝液(pH7.4)と、0.050M MOPSおよび6%(w/v)PEG6000を含む緩衝液(pH7.4)とを用意した。添加塩としてKClを含む緩衝液としては、0.050M、0.15Mおよび0.30MのKClを含む0.050M MOPS緩衝液(pH7.4)と、0.050M MOPSおよび6%(w/v)PEG6000を含む緩衝液(pH7.4)とを用意した。添加塩としてCaCl2を含む緩衝液としては、0.050M、0.15Mおよび0.30MのCaCl2を含む0.050M MOPS緩衝液(pH7.4)と、0.050M MOPSおよび6%(w/v)PEG6000を含む緩衝液(pH7.4)とをそれぞれ用意した。
免疫比朧法による測定には、分光蛍光光度計((株)島津製作所製RF−5300PC)を使用した。分光蛍光光度計の試料室に恒温セルホルダ((株)島津製作所製、型番206−15440)を配置し、低温恒温水槽((株)タイテック製、EL−15)に接続し、温度を25℃に保った水を循環して、測定時の温度を一定に保持した。
分光蛍光光度計の測定条件は、励起波長および蛍光波長を共に660nmとし、励起側のバンド幅を1.5nm、蛍光側のバンド幅を3nm、感度をHighに設定した。
各添加塩が与える影響の測定は、次のようにして行った。すなわち、各添加塩の濃度が0M、0.050M、0.15Mおよび0.30Mの場合を1セットとして測定を行い、濃度が0Mの場合の測定は、各添加塩の影響の測定における測定系に依存した測定値変動のコントロールとした。濃度が0Mの場合の測定には、上記で調製した添加塩を含まない緩衝液を用いた。
また、抗ヒトアルブミンポリクローナル抗体溶液は、上記で作製したPEGを含まず、測定対象とした添加塩およびその濃度が一致する緩衝液で1.0mg/mlの濃度に希釈した。また同じ緩衝液を用いて、ヒトアルブミン保存溶液を希釈して、濃度が0、1、5、10、50、100mg/dlの各ヒトアルブミン溶液を作製した。
反応液の調製は以下のようにして行った。まず、PEGを含み、測定対象とした添加塩およびその濃度が一致する緩衝液を2.0ml、PEGを含まず、測定対象とした添加塩およびその濃度が一致する緩衝液を0.67ml取り、両者を攪拌混合した。
続いてこれに上記で調製した0.3mlの抗ヒトアルブミンポリクローナル抗体溶液を加えて攪拌混合し、更に、上記で調製した0.03mlのヒトアルブミン溶液を加え攪拌混合した。抗ヒトアルブミンポリクローナル抗体およびヒトアルブミンの最終濃度は、抗ヒトアルブミンポリクローナル抗体が約0.10mg/ml、ヒトアルブミンが反応に使用したヒトアルブミン溶液の濃度に0.01を乗じた値である。また、PEG6000の最終濃度は4%(w/v)である。
続いて、上記混合液を蛍光分析用の石英セルに移し、分光蛍光光度計に設置し、T型熱電対(RS Components社製、型番219−4696)をセル内に浸漬し、乾燥防止のためセルを密閉した。ヒトアルブミン混合後2分間経過した時点より、タイムコース測定で、0.08秒間隔で900秒間測定した。測定中のセル内の温度変化はT型熱電対をデジタルマルチサーモメータ((株)アドバンテスト製、TR2114)に接続してモニタした。セルブランク値の測定は、各反応の測定前に純水で行い、測定値より差し引いた。得られた散乱光強度測定値の600〜900秒間の平均値を計算し、これを各測定値とした。
図15〜17は、各平均値より対応する塩および濃度でのヒトアルブミンを含まない場合の平均値を差し引いた値をプロットしたものである。図15はNaClを添加した場合、図16はKClを添加した場合、図17はCaClを添加した場合の結果を示す。
図15〜17に示すように、塩の濃度により抗原抗体反応に差が生じている。この結果から、同じ濃度のヒトアルブミンを持つ検体であっても、検体の塩濃度の差により異なった抗原抗体反応量を示す場合のあることがわかる。上記の結果から、各々の塩について、各塩濃度における抗原濃度と出射光強度との関係を表すデータを得ることができた。これを検量線とし、電気化学測定により求めた塩濃度を用いて、光学測定により測定された出射光強度を補正することにより、試料液中の抗原濃度を高精度に求めることができる。
本発明によれば、上記のような簡易な構成を有するセンサによって、試料の光学測定および電気化学測定を同時に行うことができ、複数の項目を迅速かつ正確に測定することができる。特に、通常は光学測定のために用いる試薬が、電気化学測定に悪影響を及ぼすという問題もあるが、上記の構成によれば、かかる問題も解消される。さらに、本発明によれば、前記センサを用いることにより、複数の項目を迅速かつ正確に測定することのできる測定装置および測定方法を実現することができる。
したがって、本発明は、医療分野および医療関連の検査分野における検査、特に尿の検査に有用である。
本発明のセンサの実施の形態1を示す斜視図である。 図1における矢印Bの方向からみたセンサの斜視図である。 図1におけるA−A線断面図である。 本発明のセンサの実施の形態2を示す斜視図である。 図4における矢印Bの方向からみたセンサの斜視図である。 図4におけるA−A線断面図である。 本発明のセンサの実施の形態3を示す斜視図である。 図7における矢印Bの方向からみたセンサの斜視図である。 図7におけるA−A線断面図である。 本発明の実施の形態4における測定装置2を示す斜視図である。 図10に示す測定装置2に実施の形態1のセンサ1を取り付けた様子を示す斜視図である。 測定装置2の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5における測定装置2を示す斜視図である。 図13に示す測定装置2に実施の形態3のセンサ1を取り付けた様子を示す斜視図である。 実施例において、反応液中にNaClを添加した場合の、各塩濃度における反応液中のヒトアルブミン濃度と散乱光強度との関係を示すグラフである。 実施例において、反応液中にKClを添加した場合の、各塩濃度における反応液中のヒトアルブミン濃度と散乱光強度との関係を示すグラフである。 実施例において、反応液中にCaClを添加した場合の、各塩濃度における反応液中のヒトアルブミン濃度と散乱光強度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 センサ
2 測定装置
101 試料供給口
102 開口部
104 試料保持部
105 イオン選択性電極
106 参照電極
107 端子
108 試薬保持部
109 光入射部
110 光出射部
111 検出部
112 リード線
113 絶縁膜
201 試料供給口
202 開口部
203 試料導入路
204 試料保持部
205 イオン選択性電極
206 参照電極
207 端子
208 試薬保持部
209 光入射部
210 光出射部
211 検出部
212 リード線
213 絶縁膜
301 試料供給口
302 開口部
303 試料導入路
304 試料保持部
305 電極
306 端子
307 試薬保持部
308 光入射部
309 光出射部
310 リード線
311 検出部
401 センサ取付け部
402 表示部
403 試料吸引開始ボタン
404 センサ取外しボタン
501 センサ取付け部
502 表示部
503 試料吸引開始ボタン
504 センサ取外しボタン

Claims (11)

  1. 抗原からなる第1の被検物質およびイオンからなる第2の被検物質を含む試料を保持するための空間を有する試料保持部と、前記空間に連結し、前記試料保持部に前記試料を供給するための試料供給口と、前記試料保持部内に設けられた電気化学測定を行うための検出部と、前記試料保持部内に設けられ、前記試料保持部に入射光を入射させるための光入射部と、前記試料保持部内に設けられ、前記試料保持部内から前記試料保持部外に出射光を出射させるための光出射部と、前記試料保持部内に設けられた、前記光学測定のための抗体からなる試薬を保持するための試薬保持部と、を備え、前記試料供給口から供給された前記試料が前記試料保持部内を流れる方向において、前記試料供給口、前記検出部および前記試薬保持部の順に配置されているセンサを用いる、被検物質の測定方法であって、
    (A)前記試料保持部に前記試料を供給する工程と、
    (B)前記検出部に電圧を印加する工程と、
    (C)前記検出部からの電気信号を測定する工程と、
    (D−1)前記工程(C)において測定された前記電気信号に基づいて前記第2の被検物質を定量する工程と、
    (D−2)前記試料に含まれる第1の被検物質と、前記試薬保持部に保持された抗体との間で抗原抗体反応を生じさせる工程と、
    (E)前記試料保持部内に保持された前記試料に前記光入射部を通して入射光を照射する工程と、
    (F)前記入射光の照射に起因して前記試料保持部内から前記試料保持部外に前記光出射部を通して出射した出射光を測定する工程と、
    (G)前記工程(F)において測定された前記出射光と、前記第2の被検物質の定量結果に基づいて前記第1の被検物質を定量する工程と、
    を含む被検物質の測定方法。
  2. 前記工程(C)において前記電気信号を検知した際に、前記工程(E)において前記入射光を照射する請求項記載の測定方法。
  3. 前記検出部がイオン選択性電極を備えている、請求項1に記載の被検物質の測定方法
  4. 抗原からなる第1の被検物質およびイオンからなる第2の被検物質を含む試料を保持するための空間を有する試料保持部と、
    前記空間に連結し、前記試料保持部に前記試料を供給するための試料供給口と、
    前記試料保持部内に設けられ、前記第2の被検物質の電気化学測定を行うための検出部と、
    前記試料保持部内に設けられ、前記第1の被検物質の光学測定を行うための光学測定部と、
    前記試料保持部内に設けられた、前記光学測定のための抗体からなる試薬を保持するための試薬保持部と、を備え、
    前記試料供給口から供給された前記試料が前記試料保持部内を流れる方向において、前記試料供給口、前記検出部および前記試薬保持部の順に配置されているセンサ。
  5. 前記光学測定部が、入射光を入射させるための光入射部と、前記試料保持部内から前記試料保持部外に出射光を出射させるための光出射部と、を備える請求項記載のセンサ。
  6. 前記試料供給口から供給された前記試料が前記試料保持部内を流れる方向において、前記光学測定部が、前記試薬保持部と略同じ位置かまたは前記試薬保持部よりも下流側に位置する請求項記載のセンサ。
  7. 前記試薬保持部が、前記被検物質と特異的に反応する試薬を備える請求項記載のセンサ。
  8. 前記検出部が、少なくとも一対の電極を備える請求項記載のセンサ。
  9. 前記検出部が、イオン選択性電極を備える請求項記載のセンサ。
  10. 請求項記載のセンサを取付けるためのセンサ取付け部と、
    前記センサの前記光学測定部に入射する入射光を出射するための光源と、
    前記光学測定部から出射した出射光を受光するための受光部と、
    前記検出部に電圧を印加するための電圧印加部と、
    前記検出部からの電気信号を測定するための電気信号測定部と、
    前記受光部により受光された前記出射光および前記電気信号測定部により測定された前記電気信号に基づき、前記被検物質を定量するための演算部と、を備える測定装置。
  11. 前記センサ取付け部に取付けられた前記センサの前記試料保持部内に前記試料を吸引するための吸引部を備える請求項10記載の測定装置。
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