JP2018523098A - センサデバイス - Google Patents

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Abstract

検体を検出するデバイス(1)であって、デバイス(1)は、サンプルを受け取るサンプル入口(10)と、検体に優先的に結合するように選択された親和性プローブ(111)と、検体および/または検体に付加された標識の特徴を検出する変換器(11)と、FET変換器でない変換器と、受け取られたサンプルを脱塩する脱塩ユニット(13)と、を含む。

Description

本発明は、検体を検出するデバイスと、サンプルの中の検体の存在および/または濃度を測定する方法とに関する。特定の実施形態では、本発明は、バイオセンサデバイスに関する。
親和力に基づくセンサは、サンプル中の、例えば液体サンプル中の検体を感知して検出するデバイスである。このようなセンサは、電気的、電気化学的、化学的、光学的、磁気的、電磁気的、機械的、および/または音響的な検出原理に基づいて動作する。サンプル中の検体の検出は、特定の反応物とサンプル中の検体との間の相互作用および反応によって行われる。特に、親和性ベースのバイオセンサにおいて、検出は、少なくとも2つの実体間の、すなわち、検体と、基板の上または中に固定された受容体またはキャプチャプローブとの間の、複合体の形成(ハイブリダイゼーション)に基づく。検体とキャプチャプローブとの間の複合体の形成により、信号測定ユニットによって測定可能な信号が発生する。結合を検出可能にするために、特定の実施形態では、標識要素が検体に付加されてもよい。しかし、代替的な実施形態では、検出は、非標識操作に基づくものであってもよい。
特定のタイプの検体としての生体分子のリアルタイム検出は、例えば、疾患診断または食品安全性などの多くの用途において特に有用である。残念なことに、バイオセンサデバイスの応答時間は遅いことが多い。この応答時間は、検体の濃度、検体の拡散、ハイブリダイゼーション反応の反応速度および得られた複合体の安定性などの膨大な数のパラメータに依存する。バイオセンサでは、応答時間は、数秒から数時間またはそれ以上に変化し得る。ポイントオブケア(POC)またはポイントオブニード用途では、応答時間が約10分を超えてはならないことが一般的に認められている。さらに、様々な培養時間が推奨値未満に低下した場合、既存のバイオセンサの検出限界(LOD)は、より高くなる(悪化する)可能性がある。
したがって、検体の存在の検出および/または濃度の測定において、短い応答時間を有し、かつ、好ましくは、低い検出限界値を有するデバイスを提供する必要は、依然としてある。さらに、検体を検出するためのデバイスに、例えばバイオセンサに、現在実施されている方法は、応答時間を短縮するために、改良される必要がある。
本発明の実施形態の目的は、検体を検出するデバイス、例えばバイオセンサであって、検体の存在の検出についておよび/またはサンプル内の検体の濃度の決定について、素早い応答時間を有するものを提供することである。代わりにまたは追加的に、本発明の実施形態によるデバイスは、変換器の信号を増加させ、それによってより素早い検体の検出および/またはより小さな濃度の検体の検出を可能にする。
また、本発明の目的は、検体の測定用デバイスにおいて、例えばバイオセンサにおいて実施される方法を提供することである。この方法は、検体の存在の検出についておよび/またはサンプル内の検体の濃度の決定について、素早い応答時間を提供する。
第1態様では、本発明は、検体を検出するデバイス、例えばバイオセンサに関する。このデバイスは、少なくとも、
サンプルを、特に例えば液体サンプルを受け取るサンプル入口と、
検体に優先的に結合するように選択された親和性プローブと、
検体および/または検体に付加された標識の特徴を検出し、検体と親和性プローブとの相互作用を読出信号に変換するように構成された、電界効果トランジスタ変換器でない、変換器と、
受け取られたサンプルを脱塩して、親和性プローブと検体との間の結合速度を増加させ、その結果応答時間を低減させおよび/または変換器の信号を増大させる脱塩ユニットと、を含む。
発明者らは、驚くべきことに、検体を検出するデバイス、例えばバイオセンサの中の脱塩ユニットの存在により、デバイスからのより素早い応答を得ることができることを見出した。測定可能な信号(出力信号)は、脱塩ユニットを備えない同様のデバイスに比べてより速く増加する。さらに、検体をセンサするデバイス内の脱塩ユニットを使用することによって、検出限界が減少する(=改善される)。
脱塩ユニットは、希釈手段、濃縮/再分散手段、電気透析手段、または任意の他の適切な手段のいずれであってもよい。
「希釈手段」という用語は、液体、例えば緩衝液を用いた希釈によって、検体を含むサンプルのイオン強度を減少させるのに適した手段を意味する。液体は、提供されたサンプルのイオン強度より低いイオン強度を有する溶液であってもよい。特定の実施形態では、希釈手段は、ミキサおよび/または液体容器、例えば緩衝液容器を含む。希釈手段の使用は、実施が簡単であるとともに動作が速く、したがってサンプル−結果間の時間(sample-to-answer time)を短くすることができるという利点を有するが、サンプルのイオン強度のみが減少するのではなく、検体の濃度も減少するという欠点を有する。とはいえ、センサ装置の全体的な性能が改善される。
「濃縮/再分散手段(concentration/redispersion means)」という用語は、再分散手段に結合された検体濃縮器を意味する。検体濃縮器を使用することによって、検体は、より濃縮された状態になる。再分散手段は、初期状態より低い(例えば、サンプルが生理学的サンプルである場合、生理学的イオン強度より低い)イオン強度を有する溶液中の、濃縮された検体を再分散するのに適したものである。特定の実施形態では、検体濃縮器は、遠心分離機、フィルタ(例えば、紙フィルタ、マイクロピラーフィルタ、ビーズフィルタ)、またはマイクロシーブであってもよい。再分散手段は、磁気スターラ、機械スターラ、超音波スターラ、フロースルーデバイス、またはマイクロ流体デバイスからなるグループから選択されてもよい。組み合わされた濃縮/再分散手段を使用する利点は、再分散中に加えられる液体の量が、濃縮中に除去される液体の量に等しい場合、検体の濃度が影響を受けないままである間に、イオン強度を低下させることができることである。必要に応じて、濃縮ステップで除去された体積に比べて、異なる体積を再分散中に加えることによって、検体の濃度を増減することもできる。
「電気透析手段」という用語は、電気透析を行うのに適した、少なくとも2つのイオン選択膜(イオン交換膜としても知られている)を含む手段を意味する。「イオン選択」という用語は、膜が、膜を横切るチャネル(例えば、細孔または穴)を通して、いくつかのイオンに対して(例えば、陽イオン選択膜では、特に、Li、Na、K、Ca2+およびMg2+、などの陽イオン、好ましくはNaに対して)透過性であり、他のものに対しては(例えば、陽イオン選択膜では、特に、F、Cl、BrおよびHCO などの陰イオン、好ましくはClに対しては)透過性でないことを意味する。イオン選択膜は、検体に対して透過性でないように選択される。電気透析手段は、検出されおよび/または測定されるべき検体を含むサンプルに接触する電極に対して、膜の反対側にある電極を含む。電極が作動され、陽イオン、例えばNaと、より好ましくはより多くの陽イオンとを、Na選択膜または陽イオン選択膜を通して、引き付けるとともに、陰イオン、例えばClと、より好ましくはより多くの陰イオンとを、Cl選択膜または陰イオン選択膜を通して、引き付けてもよい。電気透析手段の利点は、サンプル中の検体濃度を希釈することなく、イオン強度を低下させることができることである。
本発明の実施形態の利点は、生体サンプルを検出するために使用することができるバイオセンサが提供されることである。このような生体サンプルは、例えば、患者から、例えば、血液または血漿サンプル、唾液サンプル、尿サンプルなどから受け取られ(例えば、採取され)てもよい。本発明の実施形態は、生物学的対象の検出に特に適している。本発明の実施形態によるバイオセンサデバイスは、検体の有無および/または濃度を検出するように構成されたセンサである。サンプルが収容される媒体は水性媒体であり、例えば生理学的条件(イオン強度〜150mM)で溶解した塩を含んでもよい。
本発明の実施形態では、脱塩ユニットは、センサデバイスの内部にあり、例えば同一の基板(例えば、半導体基板)上に、または変換器と同一の筐体内に一体化されている。代替的な実施形態では、脱塩ユニットは、センサデバイスの外にあり、例えば同一の基板上に、または変換器と同一の筐体内に一体化されていない。
実施形態では、脱塩ユニットは、受け取られたサンプルに流すための緩衝液を受け取るポートをさらに含んでもよい。
本発明の実施形態では、脱塩ユニットは、緩衝液を収容する緩衝液容器を含んでもよい。緩衝液容器は、脱塩ユニットの一部であってもよく、または脱塩ユニット自体であってもよい(すなわち、脱塩ユニットは、緩衝液容器からなる)。特定の実施形態では、緩衝液容器は、アンプル、シリンジ、ブリスタ、ウェル、2つの液体容器を接続するチューブ、エッペンドルフチューブ、チャネル、およびチップ(例えば半導体チップまたはマイクロ流体チップ)上またはチップ内に設けられたオンボード容器からなるグループから選択されてもよい。ブリスタパック、チャネル、またはオンチップ容器を使用することが有利である。なぜなら、ブリスタパック、チャネル、またはオンチップ容器は、容易に組み込まれるからである。
代替的な実施形態では、緩衝液を収容する緩衝液容器は、脱塩ユニットの外側に配置されてもよい。
本発明の実施形態では、サンプル入口と脱塩ユニットは、サンプル入口から脱塩ユニットへのサンプルの移送に適した移送手段によって、互いに接続されている。
本発明の実施形態では、脱塩ユニットと変換器は、脱塩ユニットから変換器への脱塩されたサンプルの移送に適した移送手段によって、互いに接続されている。
本発明の実施形態では、余分なサンプルおよび/または廃棄物を排出するための出口が設けられてもよい。その上に、または代わりに、余分なサンプルおよび/または廃棄物を貯蔵するための内部容器が設けられてもよい。出口および/または内部容器は、適切な移送手段によって、センサデバイスの他の部分に接続されてもよい。
本発明の実施形態では、移送手段は、毛細管流動に基づく。本発明の実施形態では、移送手段は、開流路の中の毛細管流動に基づく。本発明の代替的な実施形態では、移送手段は、閉流路の中の毛細管流動に基づく。
本発明の実施形態では、脱塩ユニットは、受け取られたサンプルを緩衝液と混ぜるミキサを含む。特定の実施形態では、ミキサは、マイクロ流体ミキサ、ボルテックスミキサ、攪拌器、磁気ミキサ、超音波ミキサ、機械ミキサおよび急速混合装置からなるグループから選択されてもよい。急速混合装置は、2つのシリンジを含んでもよい。その1つは、サンプル入口を通してサンプルを配送するためのものである。もう1つは、緩衝液入口および混合チャンバを通して緩衝液を配送するためのものである。特に有利な実施形態では、受け取られたサンプルを緩衝液と混ぜるミキサは、マイクロ流体ミキサである。マイクロ流体ミキサの利点は、可動部分がないことである。
本発明の実施形態では、変換器は、光学的変換器(すなわち、光信号を電気信号に変換する変換器)であってもよい。光信号は、例えば蛍光の多様性、または屈折率の多様性、または色の多様性などのある、任意の適切なタイプの光信号であってよい。
本発明の実施形態では、脱塩ユニットは、変換器と同一の基板上に配置され、または変換器と同一の筐体内に配置されてもよい。脱塩ユニットは、受け取られたサンプル、緩衝液容器およびミキサに流される緩衝液を受け取るポートを含んでもよい。
第2態様では、本発明は、
検体を検出し、検出信号を発生させる本発明の第1態様の実施形態によるバイオセンサデバイスと、
診断の基礎となる、単独で、または他の因子と組み合わせて使用可能な、バイオセンサデバイスの出力を提供する出力ユニットと、
を含む診断デバイスを提供する。出力デバイスは、検体の存在/不存在または濃度を表す信号を出力するように構成されてもよい。このような診断装置は、疾患またはその後遺症を治癒、緩和、治療または予防するために、健康状態の判定を含む疾患またはその他の状態の診断に使用するためのものである。そのような診断装置またはその一部は、ヒトまたは動物の体から採取されたサンプルの収集、調製および検査に使用するためのものである。
第三態様では、本発明の実施形態は、サンプル内の検体の、典型的には例えば生体分子、タンパク質、抗体、抗原、バイオマーカ、サイトカイン、核酸、小分子(小分子は、典型的には数キロダルトン未満の、例えば10kDa未満、例えば5kDa未満の、例えば2kDa未満の、例えば50Da〜1kDaの分子量を有する)または代謝産物の濃度を測定する方法に関する。この方法は、
i.サンプル(例えば、生体サンプル)を得または受け取るステップと、
ii.サンプルを脱塩し、それによって脱塩されたサンプルを得るステップと、
iii.親和性プローブと、FET変換器でない変換器とに基づいて、親和性ベースのセンサデバイスによって、脱塩されたサンプルの少なくとも1つの信号を測定するステップと、
iv.少なくとも1つの信号を使用して、サンプル内の検体の存在および/または濃度を決定するステップと、を含む。
「サンプルを脱塩する」という表現は、サンプルの、例えば、生理学的塩濃度を有する水性媒体中のサンプルのイオン強度を低下させることを意味する。ステップiiで得られた脱塩されたサンプルは、元のサンプルのイオン強度より低い、例えば生理学的サンプルの場合は生理学的イオン強度より低いイオン強度を有する。しかし、イオン強度がゼロである必要はない。
発明者らは、驚くべきことに、本発明の実施形態による方法のおかげで、応答時間がわずか数分(例えば20分以下、例えば10分以下、好ましくは5分以下、より好ましくは1分以下)まで、更にわずか数秒(30秒以下、好ましくは20秒以下、より好ましくは10秒以下)まで短縮され得ることを見出した。これは、POC用途におけるセンサの使用に特に有利である。
本発明の実施形態では、サンプルを脱塩するステップiiは、サンプルを、10nM〜150mM、好ましくは1mM〜150mM、より好ましくは10mM〜150mMの範囲のイオン強度にするステップを含み、または本質的にこのステップからなり、またはこのステップからなる。
本発明の実施形態では、サンプルを脱塩するステップiiと、脱塩されたサンプルの少なくとも1つの信号を測定するステップiiiとは、連続して実行されてもよい。特定の実施形態では、サンプルは、まず脱塩され、次に親和性プローブと変換器の上に加えられる。代替的な実施形態では、サンプルは、親和性プローブと変換器の上で脱塩され、その後測定が開始される。
代替的な実施形態では、サンプル(例えば生体サンプル)を脱塩するステップiiと、脱塩されたサンプルの少なくとも1つの信号を測定するステップiiiとは、同時に実行されてもよい。言い換えると、この実施形態では、サンプルは、測定中に、親和性プローブと変換器の上で脱塩される。
実施形態では、本発明に係る方法は、少なくとも1つの信号を、標準溶液を用いて得られた参照信号と比較するステップを更に含んでもよい。「標準溶液(standard solution)」という表現は、その中に検体が存在しないサンプル、またはその中に既知の濃度の検体が存在するサンプルを意味する。
本発明の実施形態では、脱塩されたサンプルの少なくとも1つの信号を測定するステップiiiは、繰り返し実行されて測定曲線を得るものであってもよい。特定の実施形態では、脱塩されたサンプルの少なくとも1つの信号を測定するステップiiiは、測定曲線の傾きを決定するステップを含む。この実施形態では、測定は、安定状態になる前に実行される。
本発明の実施形態では、サンプルを脱塩するステップiiは、サンプルを希釈するステップを含み、好ましくは本質的にサンプルを希釈するステップからなり、より好ましくはサンプルを希釈するステップからなる。サンプルを希釈するステップは、検体を希釈するものの、簡単かつ迅速なステップである。特定の実施形態では、希釈するステップにおいて使用される溶媒は、水性緩衝液であってもよい。特定の実施形態では、水性緩衝液は、pH2〜12の範囲、または5〜9の範囲、または約7のpHを有してもよい。
本発明の実施形態では、サンプルを脱塩するステップiiは、電気透析を実行するステップを含み、本質的に電気透析を実行するステップからなり、または電気透析を実行するステップからなる。電気透析の使用に関する利点は、サンプルが希釈されずに脱塩されることである。さらに、脱塩ステップは、測定が開始される前に、または測定中に、親和性プローブと変換器の上で行われてもよい。
実施形態では、本発明に係る方法では、検体は、生体分子、タンパク質、抗体、抗原、バイオマーカ、サイトカイン、核酸、小分子(小分子は、典型的には数キロダルトン未満の、例えば10kDa未満、例えば5kDa未満の、例えば2kDa未満の、例えば50Da〜1kDaの分子量を有する)または代謝産物である。
本発明の特定の好ましい態様は、添付の独立請求項と従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、独立請求項の特徴および他の従属請求項の特徴と適宜組み合わせられてもよく、単に請求項に明示的に記載されているものだけではない。
この分野では、デバイスの一定の改良、変化および進化があった。しかし、本コンセプトは、従来技術からの逸脱を含む実質的な新規でこれまでにない改良を表していると考えられ、その結果、この本質のより高速で、より高感度で、より効率的で、安定した信頼性のあるデバイスを提供する。
本発明の上記のおよび他の特性、特徴および利点は、本発明の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになる。この説明は、単なる例示のために与えられており、本発明の範囲を限定するものではない。以下に引用される参照数字は、添付の図面を参照する。
様々な親和定数Kについての検体濃度[A]に対する、キャプチャプローブの平衡状態における占有率[PA]/[Ptot]のグラフである。 様々な測定時間についての、検体濃度[A]に対するキャプチャプローブの占有率[PA]/[Ptot]のグラフである。 親和性ベースのセンサデバイスの時間に対する、占有されたキャプチャプローブの量[PA]のグラフである。 様々な親和定数Kについての検体濃度[A]に対する、キャプチャプローブの平衡状態における占有率[PA]/[Ptot]のグラフである。 本発明の実施形態に係る、検体を検出するデバイスの模式的な表現である。 本発明の代替的な実施形態に係る、検体を検出するデバイスの模式的な表現である。 本発明に係る、検体を検出するデバイスの他の実施形態の模式図である。 本発明に係る、検体を検出するデバイスの更なる他の実施形態の模式図である。 本発明に係る、検体を検出するデバイスの更なる他の実施形態の模式図である。 本発明に係る、検体を検出するデバイスの更なる他の実施形態の模式図である。 本発明に係る、検体を検出するデバイスの更なる他の実施形態の模式図である。 本発明に係る検体濃度を測定する方法の実施形態の図である。
異なる図において、同一の参照符号は、同一のまたは類似の要素を示す。
本発明は、特定の具体例に関して、特定の図面を参照して説明されるが、本発明はそれらに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。記載されている図は、概略的なものに過ぎず、非限定的なものである。図中では、図示目的のため、要素のいくつかのサイズは誇張され、縮尺通りに描かれていない場合がある。寸法および相対的な寸法は、本発明の実施の実際の縮図に一致しない。
特許請求の範囲の中で使用される「含む(comprising)」という用語は、その後に示される手段に限定されるものと解釈すべきではなく、他の要素や工程を排除するものではない。このように、この用語は、言及された特徴、整数(integers)、工程、または構成要素の存在を明確に述べるものとして解釈されるものであって、1つ以上の他の特徴、整数、工程または構成要素、またはそれらのグループの存在や追加を排除するものではない。したがって、「手段AとBを含むデバイス」の表現の範囲は、構成要素AとBのみを含む装置に限定されるべきではない。本発明では、単にデバイスに関連した構成要素がAとBであることを意味する。
同様に、「結合された(coupled)」という用語は、直接的な接続のみに限定されるものと解釈されるべきではない。「結合された」および「接続された(connected)」という用語は、その派生語と共に使用されてもよい。これらの用語は、互いに同義語として意図されていないことを理解すべきである。したがって、「デバイスBに結合されたデバイスA」という表現は、デバイスAの出力がデバイスBの入力に直接的に接続されているデバイスまたはシステムに限定されるべきではない。これは、Aの出力とBの入力との間に、他のデバイスまたは手段を含む経路であり得る経路が存在することを意味する。「結合された」は、2つ以上の要素が、物理的または電気的に直接接触していること、または2つ以上の要素が、互いに直接接触してはいないが、依然として互いに協働しまたは相互作用していることを意味してもよい。
この明細書を通じて参照される「1つの実施形態(one embodiment)」または「ある実施形態(an embodiment)」は、この実施形態に関係して記載された特定の長所、構造、または特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。このように、この明細書の様々な場所にある「1つの実施形態で(in one embodiment)」または「ある実施形態で(in an embodiment)」の語句の表現は、必ずしも同じ実施形態を表すものではないが、表しても構わない。さらに、特定の長所、構造、または特徴は、この記載から当業者に明らかなように、1つ以上の実施形態において適当な方法で組み合わせられてもよい。
同様に、本発明の例示の記載中において、本発明の様々な長所は、能率的に開示して様々な発明の態様の1つ以上の理解を助ける目的で、時には1つの実施形態、図面、またはそれらの記載の中にまとめられていると評価されるべきである。しかし、この開示の方法は、請求項に記載の発明がそれぞれの請求項に記載されたものより多くの特徴を必要とすることを意図して表されていると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が表すように、発明の態様は、1つの記載された実施形態のすべての長所より少なくなる。したがって、詳細な説明に続く特許請求の範囲は、これにより詳細な説明中に明確に含まれ、それぞれの請求項は、この発明の別々の実施形態としてそれ自身で成立する。
さらに、ここに記載されたいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれる特徴以外のいくつかの特徴を含み、異なった実施形態の長所の組合せは、当業者によって理解されるように、本発明の範囲内に入ることを意味し、異なった実施形態を形成する。例えば、以下の特許請求の範囲では、請求項に記載の実施形態のいくつかは、他の組合せの中でも使用することができる。
さらに、いくつかの実施形態は、本明細書では、例えばマイクロ流体システムなどのコンピュータシステムのプロセッサによって、またはその機能を実行する他の手段によって実施されることができる方法または方法の要素の組み合わせとして説明される。したがって、このような方法または方法の要素を実行するために必要な指示を有するプロセッサ(例えば、バルブ、ミキサ等を作動させるコントローラ)は、方法または方法の要素を実行するための手段を形成する。代わりに、またはその上、混合、親和性プローブおよび変換器への移動などの特定のシーケンスを実行するための液体遅延ラインを備えた毛細管回路も、方法または方法の要素を実行するための手段を形成する。さらに、その機能を実行する手段は、毛細管回路に限定されず、装置の実施形態のここで説明されているあらゆる要素は、本発明を実施する目的で要素によって行われる機能を実行するための手段の一例である。
本明細書で与えられる説明の中で、多くの特別な詳細が示される。しかし、本発明の実施形態は、それらの特別な詳細がなくても実施できるものと理解される。他の例では、公知の方法、構造、および技術は、この説明の理解を不明瞭にしないために、詳細には示されない。
本発明は、本発明のいくつかの実施形態の詳細な説明によって説明される。本発明の他の実施形態は、本発明の真の精神または技術的教示から逸脱することなく、当業者の知識によって構成できることは明らかであり、本発明は、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定される。
ここで使用されるように、別段の定めがない限り、「検体(analyte)」という用語は、説明中ではAによって示されるが、測定される物質を指す。この物質は、生体起源を有しまたは有しない。「生体起源を有する物質(substance having a biological origin)」という表現は、生体内に存在する物質またはその中で製造された物質を意味する。具体的には、その物質は、生体分子であってもよい。例えば、検体は、タンパク質、抗体、抗原、バイオマーカ、サイトカイン、多糖類、脂質、核酸、典型的には数キロダルトン未満の、例えば10kDa未満、例えば5kDa未満の、または2kDa未満の、例えば50Da〜1kDaの分子量を有する小分子、または代謝産物、および天然産物であってもよい。
「生体分子(biomolecule)」という用語は、生体内に存在するあらゆる分子を意味する。この分子は、タンパク質、多糖類、脂質、および核酸などの巨大分子と、小分子とを含む。また、「生体分子」という用語は、同様の特性および/または構造および/または組成を有するが、生体内ではなく人工的に製造された分子をも包含する。
ここで使用されるように、「サンプル(sample)」という用語は、その中で検体の存在および/または濃度を検出することが望まれる液体(例えば水溶液)(コンテナ液体(container liquid)とも呼ばれる)を意味する。このサンプルは、血液、血漿唾液、尿、精液のような元の患者サンプル(original patient sample);脱塩後の(例えば希釈後の)元のサンプル;または、典型的には、アッセイ技術分野の当業者によって、例えば、標識を検体に関連付ける意図で、例えば検体を直接的に標識することによって、検体を標識された種と競合させることによって、または標識を消すことによって、1つ以上のステップが適用された元のもしくは脱塩されたサンプルであることができる。
本明細書においてPによって示される「親和性プローブ」という用語は、検体に対して特定の親和性、例えば、自然な引力(natural attraction)または優先的結合(preferential binding)を有する物質であって、生体起源を有しまたは有さない物質を指す。「生体起源を有する物質」という表現は、生体内に存在する物質または生体内で製造された物質、または類似の特性および/または構造および/または組成を有する物質を意味する。例えば、親和性プローブは、抗体、抗原、酵素、受容体、アプタマ、核酸アプタマ、ペプチドアプタマ、または分子インプリントポリマ(MIP)であってもよい。1つの親和性プローブの例を列挙するが、典型的には、1つより多い親和性プローブ、更には1つよりはるかに多い親和性プローブがシステム中にある。親和性プローブは、溶液中で遊離してもよい。あるいは、親和性プローブは、表面上に固定されてもよい。あるいは、親和性プローブは、3Dマトリクス、例えばゲルまたはデキストランのマトリクスの中に固定されてもよい。
「親和性ベースのセンサデバイス(affinity-based sensing device)」という表現は、親和性プローブと検体との間のハイブリダイゼーション反応に基づくセンサ、例えば親和性ベースのバイオセンサを意味する。
「応答時間(response time)」という表現は、対象の検体の存在および/または濃度の検出を可能にする程度に十分に大きな信号を得るために必要な時間を意味する。実際の応答時間の値は、検体の関連濃度範囲とノイズ源に依存する。ノイズ源によって発生するノイズは、例えば、実行されるアッセイのタイプ、生体ノイズ、変換器のノイズ、データ処理ノイズ、光検出によるノイズなどに依存し得る。
「生理学的条件」という表現は、約7.4に等しいpHと、約0.15Mまたは約150mMに等しいイオン強度とを意味する。
本発明の文脈における「変換器(transducer)」という用語は、検体と親和性プローブとの相互作用を読出信号に変換する手段を指す。変換器は、光学的または電子的なデバイスであってもよいが、そうである必要はない。読出信号は光学的または電子的な信号であってもよいが、そうである必要はない。本発明の実施形態では、親和性プローブは、変換器上にまたは変換器の中に存在してもよく、または、変換器の一部を形成してもよい。特定の実施形態では、変換器は、検体と親和性プローブとの相互作用を、視覚的に識別可能な信号に、例えば、サンプル中に存在する検体の種類に依存する特定の色の色表示に変換する、酵素反応などの手段であってもよい。生成された信号の強度は、親和性プローブに結合した検体の量に関連する(例えば比例し、例えば正比例しまたは反比例する)。
「検体および/または検体に付加された標識の特徴を検出すること」という表現は、検体を検出するデバイスの変換器(例えばバイオセンサ)が、親和性プローブに結合した検体の存在、事象(events)または量の変化を検出し、対応する出力信号を、一般的に電気信号または光信号として、供給することを意味する。例えば、検体の濃度、存在または不存在の測定結果を得ることができる。「検体および/または検体に付加された標識の特徴」は、あらゆる派生したもしくは間接的な特徴、または、サンプルに関連する特定の特徴を生じる工程、作用もしくはアッセイの結果であるあらゆる特徴を含む。時には、特性は、検体自体上で測定できない。そのような場合、検体に結合し、その上で特性を測定することができる標識が提供されてもよい。例えば、特定の場合、検体はそれ自体が蛍光でなくてもよいが、蛍光標識が使用され、そのような標識の蛍光が検出されてもよい。
一般的に、センサは、検体のバルク濃度を出力信号に変換する。本発明では、センサが親和性ベースのセンサである場合、センサは、親和性プローブと変換器とを含む。
親和性ベースの検出デバイスでは、サンプル中の検体の検出は、特定の反応物とサンプル中の検体との間のハイブリダイゼーション反応によって行われてもよい。ハイブリダイゼーション反応は、少なくとも2つの分子間の、例えば少なくとも2つのバイオ分子間の、例えば検体と親和性プローブとの間の、複合体の形成に基づくものである。親和性プローブは、受容体として機能する分子または実体(entity)であり、キャプチャプローブとも呼ばれるものである。親和性プローブは、基板上に固定され、または3Dマトリクスの中に固定され、または溶液中に遊離していてもよい。検体(A)と親和性プローブ(P)との間の複合体の形成は、検出可能な(例えば、信号測定ユニットによって測定可能な、または視覚的に認識可能な)信号を発生させる。
変換器は、親和性プローブ−検体複合体の濃度または密度を、出力信号に変換する。
親和性ベースの検出デバイスの応答は、ハイブリダイゼーション反応の速度によって制限され得る。親和性プローブ(P)(例えば、キャプチャプローブとして機能する抗体(Ab))と検体(A)(例えば、抗原(Ag))との間の複合体形成反応に基づく親和性ベースのセンサの事例では、ハイブリダイゼーション反応は、結合反応である(例えば、化学式(I)に基づく一次結合反応であるが、これに限定されない)。
Figure 2018523098
ここで、Pは、(空の)親和性プローブ(例えば、表面上に固定されたものであるが、これに限定されない)を表す。
Aは、(例えば、液体のバルク中の)検体を表す。
PAは、親和性プローブ−検体複合体(例えば、表面上のものであるが、これに限定されない)を表す。
onは、オンレート定数を表す。これは、結合(または複合体形成)速度定数kとも呼ばれる。
offは、オフレート定数を表す。これは、解離速度定数kとも呼ばれる。
より具体的には、抗体−抗原複合体形成については、次の化学式が適用される。
Figure 2018523098
ここで、Abは、(空の)抗体(例えば、表面上に固定されたものであるが、これに限定されない)を表す。
Agは、(サンプルのバルク中の)抗原を表す。
AbAgは、抗体−抗原複合体(例えば、表面上のものであるが、これに限定されない)を表す。
反応の親和性(または結合定数)Kは、式(II)によって与えられる。
Figure 2018523098
平衡状態では、様々な種類の濃度が式(III)に従う。
Figure 2018523098
ここで、[x]は、xの濃度を表す。
より具体的には、抗体−抗原複合体形成については、次の式が適用される。
Figure 2018523098
本発明の文脈では、反応が液体のバルク内で(例えば、液体のバルク内の親和性プローブで)起こるか、または表面上で(例えば、表面上に固定された親和性プローブで)起こるかのそれぞれに応じて、「濃度」は、バルク濃度または表面濃度のいずれかを意味する。表面濃度は、表面密度と呼ばれることもある。両用語は、同じことを意味する。
平衡状態で、式(III)中のいくつかの項を再構成すると、利用可能な親和性プローブの占有率Fは、式(IV)によって与えられる。
Figure 2018523098
ここで、[Ptot]=[P]+[PA]は、合計の親和性プローブ濃度(自由+占有)を表す。
抗体−抗原複合体形成については、次の式が適用される。
Figure 2018523098
ここで、[Abtot]=[Ab]+[AbAg]は、合計の抗体濃度を表す。
バルク内の検体の濃度[A]、例えばバルク内の抗原の濃度[Ag]が1/Kに等しい場合、平衡状態において、親和性プローブ(例えば抗体)の50%が占有される。これは、図1に示されている。図1は、親和性ベースのセンサの検出限界に対する、親和性Kの直接の影響を示す。同じ変換器について、様々なK値での、様々な生体システム(例えば、親和性プローブと検体(例えば、抗体および抗原)の様々な対)の使用は、様々な検出限界(LOD)につながる。比較的高いK値では、比較的低い検体濃度で、親和性プローブの同一の占有率が得られることがわかる。変換器は、親和性プローブの占有率を出力信号に変換する。したがって、比較的低い検体濃度で、(例えば、全てのシステムノイズを上回るのに十分な)同一の出力信号が既に得られる可能性がある。
図2は、オンレート定数konが10−1−1に等しく、かつ、オフレート定数koffが10−5−1に等しい反応について図示された例における、検体(例えば抗原)の濃度の関数としての、(キャプチャされた検体(例えば抗原)の量を表す)信号の時間依存性のシミュレーションを示している。この例で使用されている親和定数Kが1010−1に固定され、したがって、親和性プローブが「良好な」親和性プローブと考えられるという事実にもかかわらず、平衡反応を構築するには非常に時間がかかる(図示の例では、2日を上回る)。これは、例えば0.4の信号が測定された場合、それから決定できる対応する検体濃度が、複合体形成反応の開始からの時間に依存することを意味する。したがって、これにより短期間で、例えば10〜15分後に平衡に達するように、または、その期間の後に得られた測定信号が、実際の検体濃度を表す測定値をもたらす(終点測定)ように、または、変換器によって生成された測定信号の傾きが急勾配である(傾斜測定)ように、親和性プローブと検体との間の迅速な複合体形成反応を有することが望ましい。
ハイブリダイゼーションが起こる速度は、konによって制限される。10〜数100kDaの範囲内の分子量を有する典型的な高分子検体については、検体(例えば抗原)と親和性プローブ(例えば抗体)の両方が自由分子である場合、言い換えれば、親和性プローブが表面上に固定されていない場合、konは、10〜10−1−1の範囲である。ハイブリダイゼーションの限界は、特に、検体と親和性プローブとの間の拡散遭遇(diffusional encounter)に関連し、ほとんどの場合、これを増加させることは困難である。表面結合した親和性プローブ(例えば、抗体(Ab))の場合、拡散遭遇速度はさらに遅くなる可能性があり、したがって、測定値に基づく検体濃度の決定における誤差は、更に大きくなる可能性がある。例えば、発明者らは、kon=10〜3×10−1−1の範囲内の値を測定した。
化学式(I)の平衡に達するまでの時間発展は、関係式(V)によって与えられる。
Figure 2018523098
ここで、[A]は、検体濃度を表す。
抗体−抗原複合体形成については、次の化学式が適用される。
Figure 2018523098
ここで、[Ag]は、抗原濃度を表す。
関係式(V)では、検体濃度[A](例えば抗原の濃度[Ag])は、親和性プローブ(例えば抗体)の直上(directly above)の濃度、または親和性プローブ(例えば抗体)に直接的に接触している(in contact with)濃度を表す。物質移動が限定された反応の事例では、この濃度は、バルク濃度より低くなる場合がある(検体の枯渇としても知られている)。この場合、親和性プローブの直上の濃度、または親和性プローブ(例えば抗体)に直接的に接触している濃度は、第1次の親和反応の場合に関係式(V)によって与えられる反応速度と、物質移動法則(例えば、拡散による物質移動の場合は、フィックの法則などの拡散方程式、液体流が、当業者が行うことができるナビエ・ストークス方程式に基づくモデルなどの適切な流体力学モデルによって処理される移流による物質移動の場合は、移流拡散方程式)の両方を考慮に入れて、バルク濃度に関連付けられることができる。
例えば、検体(例えば、抗原(Ag))と親和性プローブ(例えば、抗体(Ab))との間の複合体形成のハイブリダイゼーション反応の時間発展は、関係式(VI)によって与えられる。
Figure 2018523098
Figure 2018523098
これにより、時間定数τが導かれる。
Figure 2018523098
抗体−抗原複合体形成については、次の式が適用される。
Figure 2018523098
図4は、様々な親和定数についての、サンプル中の検体濃度[A](例えば、抗原濃度)の関数としての、平衡状態における占有率[PA]/[Ptot](例えば、[AbAg]/[Abtot])のシミュレーションを示している。これは、図1と同じであるが、縦軸がリニアスケールである代わりに、対数スケールである。エリアIは、平衡状態における飽和状況に対応する。ここでは、平衡状況は、検体(例えば抗原Ag)によって、親和性プローブP(例えば抗体Ab)の本質的に100%が複合体化された、言い換えれば、[PA]〜[Atot]である状況である。この状況では、[A]>>1/K(例えば、[Ag]>>1/K)であり、関係式(VIII)によって近似できる時間定数τが導かれる。
Figure 2018523098
抗体−抗原複合体形成については、次の式が適用される。
Figure 2018523098
領域IIは、平衡状態で、親和性プローブP(例えば抗体Ab)の50%未満が検体(例えば抗原Ag)によって複合体化される状況に対応する。この状況では、[A]<<1/K(例えば、[Ag]<<1/K)であり、関係式(IX)によって近似できる時間定数τが導かれる。
Figure 2018523098
したがって、領域Iおよび領域IIは、時間定数について異なる簡略表現を示すことが分かる。
図2および上記の関係から、発明者らは、検体濃度測定に長い測定時間が必要であることを見出した。短い測定時間だけ実施された測定の場合、信号が増大する時間がなく、誤った検体濃度値の決定につながり、または、図2に至る考察を考慮すれば、より小さい信号につながる。これにより、信号対ノイズ比が低くなり、測定結果の精度が低下する。したがって、短い測定時間では、センサの応答は、ハイブリダイゼーション反応(I)の複合体形成速度定数konによって決定される。
したがって、本発明の実施形態によって提供される解決策は、ハイブリダイゼーション反応の結合反応速度(konによって表される)を増加させることと、信号をより迅速に増幅させることと、より低い(=より良い)検出限界に到達させることである。複合体(例えばAbAg)の解離時間は、典型的には、数時間または数日の範囲内(例えば、20分未満、例えば約10分以下)である。したがって、解離反応は、測定の所望の時間スケールに対して無視されることができ、主に複合体形成速度定数konが重要である。
発明者らは、驚くべきことに、いくつかの親和性プローブ−検体(例えば、抗体−抗原)の組合せについては、ハイブリダイゼーション速度が一定でないことと、ハイブリダイゼーションは、検体のイオン強度を低下させることによって非常に高速化することができることとを見出した。発明者らは、1桁の大きさ、例えば100〜10mMのイオン強度の減少により、複合体形成速度定数konが4桁または5桁増加すること、したがって、LODおよび/または応答時間が減少することを見出した。
本発明の実施形態によるイオン強度の低下は、脱塩ユニットを含む検体を検出する装置を使用することによって行われる。
図5は、本発明の実施形態に係る、検体を検出するデバイス(1)の実施形態を示している。検体を検出するデバイス(1)(例えばバイオセンサであるが、これに限定されない)は、少なくとも、サンプルを受け取るサンプル入口(10)と、検体に優先的に結合するように選択された親和性プローブ(111)と、検体および/または検体に付加された標識の特徴を検出する変換器(11)と、脱塩ユニット(13)とを含む。ここで、変換器は、FET変換器ではない。変換器(11)は、検体および/または検体に付加された標識の特徴を検出し、検体と親和性プローブ(111)との相互作用を測定可能な信号(12)に、例えば出力信号に変換するこの出力信号は、例えば、電気信号、光信号、または視覚的信号であってもよい。
脱塩ユニット(13)は、検体を脱塩するのに適切なデバイスであってもよい。例えば、これは、検体を希釈することによって、または検体から塩を抽出することによって行われる。本発明の実施形態では、脱塩ユニット(13)は、ポート(130)と、緩衝液容器(131)とを含んでもよい。緩衝液容器(131)は、例えば、アンプル、シリンジ、ブリスタ、ウェル、チューブ、エッペンドルフチューブ、チャネル、またはオンチップ容器であってもよい。特に有利な実施形態では、緩衝液容器(131)は、ブリスタパック、チャネル、またはオンチップ容器である。
デバイス(1)は、個別の部品で、または集積チップとして、実装されてもよい。後者の場合、脱塩はオフチップまたはオンチップで行われてもよい。
図5に示されているように、サンプル入口(10)で受け取られたサンプルおよびバッファ流体の流れは、共に脱塩ユニット(13)内に流れ、例えば毛細管力によって、変換器(11)に連結された親和性プローブ(111)に導かれてもよい。代わりに、ポンプが設けられ、親和性プローブ(111)および変換器(11)に向かって、サンプルと緩衝液とを共にポンプ輸送してもよい。
代替的な実施形態では、例えば図6に示されているように、サンプル入口(10)で受け取られたサンプルは、緩衝液を含む緩衝液容器(131)を通って導かれ、これによって自動的に希釈が行われてもよい。また、この実施形態では、緩衝液容器(131)を通るサンプル流は、毛細管力によって、または、緩衝液容器(131)に向かってサンプルをポンプ輸送し、かつ、親和性プローブ(111)と変換器(11)とに向かってサンプルと緩衝液の混合物をポンプ輸送するポンプなどの外部駆動手段によって、運ばれてもよい。
本発明の実施形態では、脱塩は、検体が標識に関連付けられた場合に、または検体が標識に関連付けられている間に、実行されてもよい。標識との結合のタイプ(例えば、検体の直接標識、標識された種と競合する検体、または標識を消すことを含む)は、本発明の実施形態とは無関係である。これは、標識されたサンプル混合物に、低イオン強度の緩衝液または溶媒を添加することによって行うことができる。代わりに、これは、低イオン強度で標識溶液を調製し、これをサンプルと適切な比率で混合することによって行うことができる。脱塩ステップの後、本発明に関連するハイブリダイゼーション反応が起こる親和性プローブ上に、低イオン強度の標識されたサンプルが送られてもよい。
本発明の実施形態では、検体の標識付けは、通常の(例えば、生理学的な)イオン強度で行われ、次に、イオン強度を低下させ、その後、親和性プローブ上に標識された検体を送ってもよい。これは、バルク内の予混合の反応速度が、表面上の検体または検体複合体のキャプチャの反応速度よりいくらか良好であるという利点を有する。したがって、バルクの予混合の遅い反応速度は、それほど重大ではない。さらに、オフレート定数koffは、減少したイオン強度の影響を受けにくい。したがって、一度検体−親和性プローブ複合体が形成されると、イオン強度が低下しても安定したままである。
本発明の実施形態では、検体の標識付けは、検体が親和性プローブ上に送られた後に行われてもよい。これは、例えば、キャプチャされた検体と共に、表面上に第2親和性プローブを含む第2溶液を送ることによって行うことができる。第2親和性プローブは標識され、検体に対して親和性を有する。本発明の実施形態では、第2溶液は、生理学的イオン強度であってもよい。第2親和性プローブは、反応速度が速くなるように、高濃度で提供されてもよい。代わりに、この相互作用をも高速化するために、第2溶液は、低イオン強度であってもよい。
特定の実施形態では、脱塩ユニット(13)は、受け取られたサンプルと緩衝液とを混ぜるミキサ(132)を含んでもよい。ミキサは、例えば、マイクロ流体ミキサ、ボルテックスミキサ、攪拌器、磁気ミキサ、超音波ミキサ、機械ミキサまたは急速混合装置のいずれであってもよい。急速混合装置は、2つのシリンジを含んでもよい。その1つは、サンプル入口を通してサンプルを配送するためのものである。もう1つは、緩衝液入口および混合チャンバを通して緩衝液を配送するためのものである。
変換器(11)は、例えば、蛍光変換器、全反射蛍光(TIRF)変換器、エバネッセント場ベースの蛍光変換器、燐光変換器、化学発光変換器、生物発光変換器などの発光変換器;表面プラズモン共鳴(SPR)変換器、バイオレイヤ(Biolayer)干渉/反射干渉分光法(BLI/RIfS)変換器、フォトニックリング共振器、光学干渉計(MZI、Young)などの屈折率変換器;吸光度変換器(比色変換器としても知られている);およびフォトニック結晶である。しかし、本発明はこれらに限定されない。代わりに、変換器は、非光学タイプのものであってもよい。これらの例は、本発明を限定するものではないが、例えば、電流測定変換器、容量性変換器、電気インピーダンス変換器、電気化学変換器、電気触媒変換器などのFET変換器以外の電気的変換器;水晶振動子マイクロバランス(QCM)、マイクロ電気機械システム(MEMS)、ナノ電気機械システム(NEMS)、マイクロカンチレバー、浮遊マイクロチャネル共振器などの機械変換器;磁力計、ホール効果変換器、スピンバルブ、磁気トンネル接合、ダイヤモンド中の窒素空孔(NV)中心に基づく変換器などの磁気変換器;または放射能変換器である。
図7は、本発明の実施形態に係る検体を検出するデバイス(1)を示している。ここでは、脱塩ユニット(13)は、ミキサ(132)を含む。別個の緩衝液容器(131)が設けられ、サンプル入口(10)から得られたサンプルと、容器(131)からの緩衝液とが、例えば毛細管力、またはポンプの影響などによって、ミキサ(132)に導かれる。本発明の実施形態に係る検体を検出するデバイス(1)、例えば、もっともこれに限定されないが、バイオセンサは、脱塩されたサンプルを、ミキサ(132)から親和性プローブ(111)および変換器(11)へ移送することができるサンプル移送手段(133)を含む。この移送は、毛細管力、またはポンプの影響などによって行われてもよい。
図8は、本発明の実施例に係る、検体を検出するデバイス(1)を示している。ここでは、容器(131)およびミキサ(132)は、単一の物として実装されている。すなわち、ミキサは、容器(131)の中に設けられている。サンプル入口(10)から得られたサンプルは、容器(131)へ導かれ、そこで緩衝液と混合される。その後、混合物は親和性プローブ(111)と変換器(11)へ導かれる。(サンプルの入口から容器/ミキサへの)サンプルの移送、および、(容器/ミキサから変換器への)緩衝液と混合されたサンプルの移送は、毛細管力によって行われ、またはポンプなどによって行われる。図8に示された実施形態は、図5に示された実施形態と同様である。しかし、図8の実施形態では、混合手段が容器(131)内に設けられているが、これは図5の実施形態には当てはまらない。混合手段は、能動的混合手段(磁気スターラなどの機械アクチュエータ、ボルテックスミキサまたは他の適切な混合デバイスを含む)または受動的混合手段(可動部分を含まないが、例えば、乱流を生成することによって、層流を変更することによって、滞留時間を増加させることによって、流れを変更して混合効率を高める)であってもよい。
図9は、本発明に係るデバイス(1)の他の実施形態を示している。ここでは、サンプル入口(10)から得られたサンプルと、容器(131)から得られた緩衝液とは、サンプルと緩衝液のより良好な混合のために、混合手段(132)が設けられた場所の上の親和性プローブ(111)および変換器(11)に向かって、共に流される。デバイス(1)を通る液体の移送は、毛細管力によって提供され、または、ポンプもしくは同様のものによって駆動されてもよい。
例えば図10に示されている更に代替的な実施形態では、本質的に図9に示されたものと同一のプロセスが行われるが、サンプルおよび緩衝液の第1の流れと、親和性プローブ(111)および変換器(11)に共に向かうこれらの流れと、の代わりに、この実施形態では、サンプルと緩衝液は、親和性プローブ(111)および変換器(11)に向かって、毛細管力によってそれぞれ別個に流れ、または、ポンプもしくは同様のデバイスによって流される。親和性プローブ(111)および変換器(11)において、これらは、混合手段(132)によって混合される。
図11に示されている更なる他の実施形態では、液体容器(131)は、選択的に液体容器(131)上に設けられたミキサ(132)と共に、親和性プローブ(111)および変換器(11)上に設けられる。サンプル入口(10)から得られたサンプルは、液体容器(131)に向かって流れ、その中に流入する。容器(131)では、サンプルは、親和性プローブ(111)への結合前にまたは結合中に、脱塩され、変換器(11)による測定が行われる。
図12は、本発明の実施形態に係る、検体サンプル中の検体(例えば抗原)の濃度の測定方法の実施形態を図式的に表している。この方法は、
i.サンプルを得るステップ、例えばバイオセンサ内のサンプル(例えば、患者から採取されたサンプル)を受け取るステップと、
ii.サンプルを脱塩し、それによって、オリジナルのサンプル中のイオン強度より低いイオン強度(例えば、10nM〜150mM、より好ましくは1mM〜150mM、より好ましくは10mM〜150mMの範囲内のイオン強度)を有する脱塩されたサンプルを得るステップと、
iii.親和性プローブと、FET変換器でない変換器とに基づいて、親和性ベースのセンサデバイスによって、脱塩されたサンプルの少なくとも1つの信号を測定するステップと、
iv.少なくとも1つの信号を使用して、サンプル内の検体の濃度を決定するステップと、
を含む
本発明の特定の実施形態では、ステップiiは、希釈ステップであってもよい。希釈ステップでは、サンプルは、溶媒(例えば緩衝液)で希釈される。希釈に使用される溶媒は、例えばpH2〜12、または5〜9の範囲の、または約7のpHの、緩衝液ベースの水であってもよい。
本発明の代替的な実施形態では、脱塩ステップは、サンプルが1つ以上の、好ましくは少なくとも2つの半透過性の壁を備える容器内に提供されるステップであってもよい。容器は、NaイオンおよびClイオンが半透過性の壁を通って容器から出る一方で、サンプルの残りが容器内に保持されるように構成される。適切に作動された電極が提供されて、半透過性の壁を通してイオンを引き付けてもよい。このようにして、サンプル内の検体分子の濃度を減少させることなく、サンプルが脱塩される。
特定の実施形態では、脱塩ステップは、サンプル収集の一部であってもよい(例えば、サンプル収集に一体化されてもよい)。代替的な実施形態では、サンプルは、まず収集され、その後に脱塩のみがされてもよい。脱塩は、測定の前に行われてもよい。ここで、脱塩は、サンプルが親和性プローブおよび変換器に到達する前に行われてもよい。または、サンプルの脱塩は、親和性プローブおよび変換器の上で行われてもよい。
特定の実施形態では、脱塩は、例えば、信号測定が行われる筐体から分離された異なる筐体内に設けられた、別個の機器の中で行われてもよい。代わりに、脱塩と測定は、同一の筐体内で行われてもよい。
分析すべきサンプルを脱塩し、そのイオン強度を低下させることによって、ハイブリダイゼーション反応の結合反応速度は、数倍までの有意な因子によって増加され得る。
リアルタイムで測定信号を観察することができ、より高速で大きな信号をリアルタイムで監視して使用し、より迅速に測定を終了することができる。
図3は、時間の関数として測定信号を示している。測定信号は、すなわち親和性プローブ(111)と、関連する変換器(11)とによって生成された信号は、親和性プローブの占有率[PA]に関連する(例えば比例し、例えば正比例しまたは反比例する)。
図3に示されているように、発明者らは、信号の曲線の傾きの測定を行い、短い測定時間(20分未満、例えば10分未満)に関連する誤差を減少させ得ることを見出した。したがって、本発明の実施形態は、変換器の信号を有利に増加させることができ、追加的または代替的に、変換器の応答時間を短縮することができる。曲線の勾配は、センサ表面の直上の検体(例えば抗原)の濃度に依存する:検体が多いほど、検体は対応する親和性プローブに速く結合し、したがって、占有された親和性プローブの量が速く増加し、曲線の傾きが急になる。親和性プローブ上の検体の枯渇を回避し、したがって検体の大量移送に関連する問題を回避するために、攪拌が使用されてもよい。
傾斜測定の利点は次の通りである。伝統的には、特定のレベルが測定される。すなわち、特定の時点(終点と呼ばれる)における測定信号の大きさが測定される。したがって、用量反応関係が仮定される。培養時間が十分長く、平衡に達する(または接近する)場合、用量応答曲線は、図1および図4に示された曲線と同様の、平衡状態における曲線である。この場合、信号は、もはや時間と共に変化しなくなるので、測定が行われる正確な時点は重要ではない。これは図3の右方に示されているものに等しい。しかし、上記の議論は、必要な培養時間がしばしば不合理に長くなり、例えば、1時間以上、2時間以上、更には1日以上など、ポイントオブケア(POC)用途で許容できるものよりもはるかに長い時間がかかることを示している。約20分未満、大抵は約10分未満で結果が望まれるPOCテストでは、システムが平衡に達していない場合に測定が最も頻繁に行われることになる。この場合、用量反応曲線は、図2の曲線になる。すなわち、応答は、検体濃度だけでなく、培養時間にも依存する。結果として、培養時間の変動は、測定上の誤差となる。さらに、培養時間が短いほど、相対誤差は大きくなる。これは、本発明の実施形態による勾配測定を行うことによって解決される主な不確実性である。
結合(複合体形成)反応の初期段階では、時間発展(式VIによって示される)は、一次式で近似することができる。これは、図3の左側に見られるように、傾きは正確な時間とは無関係であり、(式VIに示すように)検体濃度にのみ依存することを意味する。
さらに、信号の時間発展を連続的にたどることによって、時間依存曲線の形状を再現することができ、予想される挙動に合致するかどうかを判定することができる。したがって、式(VI)の線形近似が依然として有効かどうかを確認することができる。有効でない場合は、正確に指数関数的な依存を考慮に入れることができ、直線近似の代わりに、正確な式VIを使用して、濃度を推測することができる。
信号の機能的形状に従うことにより、他の寄生効果を検出(および補正)することも可能になる。例えば、ラテラルフローシステムでは、バッファ流からサンプル流へ切り換えられるとき、それらの間の液体最前部(front)で、いくつかの混合が存在し得る。これは正確な培養時間に誤差を与え、また勾配に誤差を与える(この過渡段階では勾配は小さくなる)。しかし、連続的な測定では、正確な培養時間がわかり、この過渡現象が収束した後に勾配を計算することができる(すなわち、過渡の影響を受ける点を切り捨てることができる)。他の例として、大量移送の限界が現れている場合は、傾斜測定により、これらを検出し、データ解析で補正することができる。
勾配測定の更なる利点は、勾配計算が(ランダムな)測定誤差またはノイズを相殺するのに役立つ多くのデータポイントに基づくことができることである。
勾配測定の更なる利点は、十分な信号が得られるとすぐに(例えば、必要なまたは所望の精度に達するとすぐに)測定を終了できることである。これは、高濃度の特定のバイオマーカを有するサンプルについては非常に速く、濃度がより低い(例えば、LODにより近い)サンプルについては、より長いものとすることができる。これは、全ての可能な条件をカバーするために培養時間が予め設定され、培養時間が特定のサンプルでは不必要に長くなることがある終点測定では不可能である。

Claims (17)

  1. 検体を検出するバイオセンサデバイス(1)であって、少なくとも、
    サンプルを受け取るサンプル入口(10)と、
    検体に優先的に結合するように選択された親和性プローブ(111)と、
    検体および/または検体に付加された標識の特徴を検出し、検体と親和性プローブ(111)との相互作用を読出信号に変換するように構成された、電界効果トランジスタ変換器でない、変換器(11)と、
    受け取られたサンプルを脱塩して、応答時間を低減させおよび/または変換器(11)の信号を増大させる脱塩ユニット(13)と、
    を含むデバイス(1)。
  2. 脱塩ユニットは、受け取られたサンプルに流される緩衝液を受け取るポート(130)を更に含む、請求項1に記載のデバイス(1)。
  3. 脱塩ユニット(13)は、緩衝液を収容する緩衝液容器(131)を含む、請求項1または2に記載のデバイス(1)。
  4. 脱塩ユニット(13)は、受け取られたサンプルと緩衝液とを混ぜるミキサ(132)を含む、請求項2または3に記載のデバイス(1)。
  5. 変換器(11)は、光学的変換器である、請求項1〜4のいずれかに記載のデバイス(1)。
  6. 脱塩ユニット(13)は、変換器(11)と同一の基板の上または中に一体化され、または変換器(11)と同一の筐体内に一体化された、請求項1〜5のいずれかに記載のデバイス(1)。
  7. 脱塩ユニット(13)は、ポート(130)と、緩衝液容器(131)と、ミキサ(132)とを含む、請求項6に記載のデバイス(1)。
  8. 変換器上に親和性プローブを有する、親和性ベースのセンサデバイスである請求項1〜7のいずれかに記載のデバイス(1)。
  9. 検体を検出し、検出信号を発生させる請求項1〜8のいずれかに記載のバイオセンサデバイス(1)と、
    診断の基礎となる、単独で、または他の因子と組み合わせて使用可能な、バイオセンサデバイスの出力を提供する出力ユニットと、
    を含む診断デバイス。
  10. 出力デバイスは、検体の存在/不存在または濃度を表す信号を出力するように構成された、請求項9に記載の診断デバイス。
  11. 生体サンプル内の検体の濃度を測定する方法であって、
    i.生体サンプルを受け取るステップと、
    ii.サンプルを脱塩し、それによって脱塩されたサンプルを得るステップと、
    iii.親和性プローブと、電界効果トランジスタ変換器でない変換器とに基づいて、親和性ベースのセンサデバイスによって、脱塩されたサンプルの少なくとも1つの信号を測定するステップと、
    iv.少なくとも1つの信号を使用して、サンプル内の検体の濃度を決定するステップと、
    を含む方法。
  12. サンプルを脱塩するステップiiは、サンプルを、10nM〜150mM、好ましくは10mM〜150mMの範囲のイオン強度にするステップを含む、請求項11に記載の方法。
  13. サンプルを脱塩するステップiiと、脱塩されたサンプルの少なくとも1つの信号を測定するステップiiiとは、同時にまたは連続して実行される、請求項11または12に記載の方法。
  14. 少なくとも1つの信号を、標準溶液を用いて得られた参照信号と比較するステップを更に含む請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 脱塩されたサンプルの少なくとも1つの信号を測定するステップiiiは、繰り返し実行されて測定曲線を得るものであり、かつ、測定曲線の傾きを決定するステップを含む、請求項11〜14のいずれかに記載の方法。
  16. サンプルを脱塩するステップiiは、サンプルを希釈するステップを含む、請求項11〜15のいずれかに記載の方法。
  17. サンプルを脱塩するステップiiは、電気透析を実行するステップを含む、請求項11〜15のいずれかに記載の方法。
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