JP2021143708A - ストランドロッド接続方法及びストランドロッド接続構造 - Google Patents

ストランドロッド接続方法及びストランドロッド接続構造 Download PDF

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Abstract

【課題】強固な接続が可能なストランドロッド接続方法及び接続構造を提供することを目的とする。【解決手段】ストランドロッド接続方法は、複数の熱可塑性の素線10を撚り合わせてなるストランドロッド1の2本を長手方向の端部同士で接続するものである。このストランドロッド接続方法は、2本のストランドロッド1の各々において、ロッド端部17を加熱し、軟化した素線10同士を解す第1工程と、2本のストランドロッド1の各々において、ロッド端部17の素線10の断面内での配置を変化させた状態で2本のストランドロッド1の互いの素線10同士を絡ませてロッド端部17同士を接合する第2工程と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、ストランドロッド接続方法及びストランドロッド接続構造に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の接続方法が知られている。この接続方法は、FRP製ロッド2本の端部同士を突き合わせ、双方の端部に亘って突き合わせ部分を囲む筒状部材を設置し、筒状部材の内部に接着材を充填することによりFRP製ロッド同士を接続するものである。
特開平10-30304号公報
この種のストランドロッドを接続する際には、上記特許文献1のような接続方法よりも更に強固な接続方法が望まれる。本発明は、強固な接続が可能なストランドロッド接続方法及び接続構造を提供することを目的とする。
本発明のストランドロッド接続方法は、複数の熱可塑性の素線を撚り合わせてなるストランドロッドの2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続方法であって、2本のストランドロッドの各々において、端部を加熱し、軟化した複数の前記素線を解す第1工程と、2本のストランドロッドの各々において端部の素線の断面内での配置が通常の配置とは異なる状態で、2本のストランドロッドの互いの端部同士を絡ませて接合する第2工程と、を備える。
第2工程においては、2本のストランドロッドの各々において、端部を複数に分割し断面内で一次元的に並ぶ複数の素線で構成される素線束層を複数形成し、2本のストランドロッドの互いの素線束層同士を交互に積層した状態で、端部同士を接合することとしてもよい。
第2工程においては、2本のストランドロッドの各々において、端部の素線のうちの一部の側線を断面内で変位させて端部の断面に凹凸形状部を形成し、2本のストランドロッドの互いの凹凸形状部同士を噛み合わせた状態で、端部同士を接合することとしてもよい。
第2工程においては、2本のストランドロッドの各々において、端部の素線のうちの各側線を断面内で放射状に外周側に変位させ、2本のストランドロッドの互いの側線を断面内で周方向に交互に配列した状態で、端部同士を接合することとしてもよい。
第2工程においては、2本のストランドロッドの各々において、端部の素線のうちの各側線を断面内で放射状に外周側に変位させ、2本のストランドロッドの互いの側線が断面内で周方向に交互に配列した状態になるように2本のストランドロッドの端部同士を配置し、一方のストランドロッドを他方のストランドロッドに対し相対的に捻って、端部同士を接合することとしてもよい。
第2工程においては、2本のストランドロッドの各々において、端部の素線のうちの各側線を断面内で放射状に外周側に変位させ、2本のストランドロッドの互いの側線が断面内で周方向に交互に配列した状態になるように2本のストランドロッドの端部同士を配置し、2本のストランドロッドの各々において、側線の先端を他方のストランドロッドの側線に編み込んだ状態として、端部同士を接合することとしてもよい。
本発明のストランドロッド接続構造は、複数の熱可塑性の素線を撚り合わせてなるストランドロッドの2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続構造であって、2本のストランドロッドの各々において端部の素線の断面内での配置が通常の配置とは異なる状態で、2本のストランドロッドの互いの端部同士が絡んで接合されている。
本発明のストランドロッド接続構造は、複数の熱可塑性の素線を撚り合わせてなるストランドロッドの2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続構造であって、2本の前記ストランドロッドの各々の前記端部は、前記端部が複数に分割されてなり断面内で一次元的に並ぶ複数の素線で構成される素線束層を複数有しており、2本のストランドロッドの互いの素線束層同士が交互に積層した状態で、端部同士が接合されている、ストランドロッド接続構造であってもよい。
本発明のストランドロッド接続構造は、複数の熱可塑性の素線を撚り合わせてなるストランドロッドの2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続構造であって、2本のストランドロッドの各々の端部は、素線のうちの一部の側線が断面内で変位することで端部の断面に形成された凹凸形状部を有しており、2本のストランドロッドの互いの凹凸形状部同士が噛み合った状態で、端部同士が接合されている、ストランドロッド接続構造であってもよい。
本発明のストランドロッド接続構造は、複数の熱可塑性の素線を撚り合わせてなるストランドロッドの2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続構造であって、2本のストランドロッドの素線のうちの互いの側線が断面内で周方向に交互に配列された状態で、端部同士が接合されている、ストランドロッド接続構造であってもよい。
本発明のストランドロッド接続構造は、複数の熱可塑性の素線を撚り合わせてなるストランドロッドの2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続構造であって、2本のストランドロッドの素線のうちの互いの側線が断面内で周方向に交互に配列され、且つ2本のストランドロッドの各々において側線の先端が他方のストランドロッドの側線に編み込まれた状態で、端部同士が接合されている、ストランドロッド接続構造であってもよい。
本発明によれば、強固な接続が可能なストランドロッド接続方法及び接続構造を提供することができる。
本実施形態の接続方法の対象である2本のストランドロッドを示す斜視図である。 (a)は、ストランドロッドの先端部の素線を解した状態を示す図であり、(b)は、先端部の素線が解された状態のストランドロッドを模式的に示す図である。 (a)は、図2(b)における位置P0の断面図であり、(b)は、位置P1の断面図であり、(c)は、位置P2の断面図である。 (a)は、接続前の対向するロッド端部を示す図であり、(b)は、接続領域同士を重ね合わせた状態を示す図であり、(c)は、(b)におけるc-c断面図である。 (a)は変形例を示す断面図、(b)は他の変形例を示す断面図、(c)は更に他の変形例を示す断面図である。 (a)は、第2実施形態におけるストランドロッドの接続領域の断面を示し、(b)〜(d)は、ストランドロッド同士の重ね合わせ部の断面を示す。 (a)は、第3実施形態におけるストランドロッドの接続領域の断面を示し、(b)は、ストランドロッド同士の重ね合わせ部の断面を示す。 第4実施形態の一工程を示す図である。 第5実施形態の一工程における重ね合わせ部の一部を拡大して示す図である。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照しつつ本発明に係るストランドロッド接続方法及び接続方法の第1実施形態について詳細に説明する。本実施形態の接続方法は、図1に示されるように、同じ構成の2本のストランドロッド1の長手方向の一端部同士を接続してストランドロッド接続構造(継手構造)を構築する方法である。ストランドロッド1は、例えば、コンクリートに埋設されて当該コンクリートを補強する用途に用いられるものである。
ストランドロッド1は、同径の複数(本実施形態では7本)の円形断面の素線10を撚り合わせてなるものである。素線10は熱可塑性材料からなり、加熱によって軟化する。例えば、ストランドロッド1の直径は、約8.2〜8.4mmであり、素線の直径は、約2.73〜2.80mmである。例えば、ストランドロッド1の撚りピッチは約210mmである。
例えば、ストランドロッド1は、熱可塑性のFRP(Fiber-ReinforcedPlastics)を含む繊維補強プラスチックロッド材(FRPロッド材)である。より具体的には、素線10の材料は、熱可塑性樹脂と引張抵抗材とを含む。引張抵抗材とは、例えば、樹脂繊維、布繊維、金属繊維等からなるプラスチック強化用の繊維であり、熱可塑性樹脂を間に溶け込ませて一体化し架橋する機能をもつものである。
FRPロッド材としては、例えば、引張抵抗材としての炭素繊維が熱可塑性樹脂により含浸又は被覆された炭素繊維強化プラスチック(CFRP(Carbon-Fiber-ReinforcedPlastics))、引張抵抗材としてのガラス繊維が熱可塑性樹脂により含浸又は被覆されたガラス繊維強化プラスチック(GFRP(Glass-Fiber-Reinforced Plastics))、引張抵抗材としてのバサルト繊維が熱可塑性樹脂により含浸又は被覆されたガラス繊維強化プラスチック(BFRP(Basalt-Fiber-Reinforced Plastics))、及び引張抵抗材としてのボロン繊維が熱可塑性樹脂により含浸又は被覆されたボロン繊維強化プラスチック(BFRP(Boron Fiber-Reinforced Plastics))等、を採用することができる。FRPロッド材は、バサルト繊維が熱可塑性樹脂により含浸又は被覆されたものであってもよい。また、素線10の材料として用いられる上記の熱可塑性樹脂の例としては、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)等が挙げられる。
以下では、本実施形態の接続方法によって接続される2本のストランドロッド1のそれぞれを、ストランドロッド1a、1bと区別して呼ぶ場合がある。また、ストランドロッド1a,1bの中心軸線を軸線Wという。また、ストランドロッド1aを構成する7本の素線10のそれぞれを区別する場合には、各素線をそれぞれ素線k1,k2,…,k7と呼ぶ。素線k1〜k7のうち、素線k1は、断面内中央に位置し軸線W上で直線的に延在する心線であり、これを心線k1と呼ぶ場合がある。また、素線k1〜k7のうち、素線k2〜k7は心線k1の周りで螺旋状に延在する側線であり、これらを側線k2〜k7と呼ぶ場合がある。
同様にして、ストランドロッド1bを構成する7本の素線10のそれぞれを区別する場合には、各素線をそれぞれ順に素線j1,j2,…,j7と呼ぶ。素線j1〜j7のうち、素線j1は、断面内中央に位置し軸線W上で直線的に延在する心線であり、これを心線j1と呼ぶ場合がある。また、素線j1〜j7のうち、素線j2〜j7は心線j1の周りで螺旋状に延在する側線であり、これらを側線j2〜j7と呼ぶ場合がある。
ストランドロッド1aの断面内においては、6本の側線k2〜k7の断面が互いにほぼ外接するピッチで周方向に順に正六角形状に配置され、6本の側線k2〜k7の断面に囲まれて心線k1の断面が配置される(図1参照)。ストランドロッド1の断面内におけるこのような素線10配置を「通常配置」と呼ぶ。理想的には、「通常配置」では、6本の側線k2〜k7の断面が互いに外接し、各側線k2〜k7の各中心が正六角形の各頂点上に配置され、心線k1の断面中心は上記正六角形の中心に位置し、心線k1がすべての側線k2〜k7に外接する。但し、現実のストランドロッド1は必ずしも上記のような理想的な状態にあるとは限らず、素線10同士がわずかな隙間で外接しない箇所等が発生しうる。また、ストランドロッド1bの断面内においても、素線j1〜j7が上記の通常配置の状態にある。
本実施形態の接続方法について説明する。
(第1工程)
2本のストランドロッド1(ストランドロッド1a,1b)について、以下の処理を実行する。図2(a)は、ストランドロッド1の先端部の素線10を解した状態を示す図であり、図2(b)は、先端部の素線10が解された状態のストランドロッド1を模式的に示す図である。
図2に示されるように、ストランドロッド1の先端13から所定距離の位置P0に結束帯15を巻き付けるように装着する。以下、ストランドロッド1のうち、位置P0から先端13までの部位を「ロッド端部17」という。また以下では、ロッド端部17を、先端13側の接続領域33と、基端側の遷移領域34とに二分して考える。接続領域33は、相手方のストランドロッド1と重ね合わせて接合する領域である。遷移領域34は、ストランドロッド1の各素線10が通常配置の状態から接続領域33における状態へ徐々に遷移する領域である。
結束帯15を装着した後、ロッド端部17を加熱して素線10を軟化させる。ここでは、例えば、素線10の材料である熱可塑性樹脂がポリプロリレン,ポリアミド,熱可塑性エポキシなどの熱可塑性樹脂である場合には、素線10の温度を80〜250℃に加熱することが好ましい。そして、図2(a)に示されるように、ロッド端部17の軟化した素線10の撚りを解す。このとき結束帯15は素線10のばらけ止めとして機能し、結束帯15よりも基端側においてはストランドロッド1の素線10の撚りが解れることはない。
(第2工程)
上記第1工程に続く第2工程は次のように実行される。上記のように解されたロッド端部17の各素線10を、ストランドロッド1の長手方向に向けて概ね直線的に延ばすようにした状態で、冷却し再硬化させる。次に、図2(b)に示されるように、遷移領域34と接続領域33との境界位置(以下「位置P1」という)と、先端13の直近の位置(以下「位置P2」という)と、にそれぞれ形状保持スペーサ21が設置される。
図3(a)〜図3(c)は、図2(b)のストランドロッド1の各箇所の断面図であり、図3(a)は、位置P0の断面図、図3(b)は、位置P1の断面図、図3(c)は、位置P2の断面図である。形状保持スペーサ21は、図3(b),(c)に示されるように、素線10を案内するガイド溝27を有している。図3(b),(c)の例の場合、ガイド溝27は、ストランドロッド1の断面内で平行に2列に配列されており、各列においては、それぞれ、3つ又は4つのガイド溝27が直線的に並んでいる。ここでは1列ずつのガイド溝27を含んだ2つのパーツで形状保持スペーサ21が構成されている。
そして、図3(b)及び図3(c)に示されるように、位置P1,P2において形状保持スペーサ21の各ガイド溝27に各素線10が案内される。このとき、各素線10は、遷移領域34(図2)において徐々に螺旋形状が緩くなる(螺旋ピッチが徐々に大きくなる)ように延び、接続領域33(図2)においては直線的に延びている。
続いて、先端13において各素線10にストレッチャー(例えば、バネ、重りなど)を取り付けて各素線10を概ね軸線W方向に引張り、各素線10のそれぞれに対して同じ引張力を付与する。そして、引張力を付与した状態でロッド端部17の各素線10を再加熱し、その後、冷却することにより、各素線10の形状が整えられ弛みが除去される。また、各素線10の接続領域33は、概ね軸線W方向に向いて直線的に延在するようになる。その後、位置P1,P2の形状保持スペーサ21が除去される。
上記形状保持スペーサ21の案内により、接続領域33の断面35においては、素線10の通常配置の状態から、図3(b),図3(c)の配置に変形される。すなわち、接続領域33の7本の素線10が、断面内で直線的に並ぶ3本の素線10からなる層と、これと平行に直線的に並ぶ4本の素線10からなる層と、に2分割される。このように、接続領域33の断面35内で一次元的に並ぶ複数の素線10からなる層を素線束層30と呼ぶ。また、ストランドロッド1aのロッド端部17に形成された2つの素線束層30の一方を素線束層31aと呼び、後者を素線束層32aと呼ぶ。素線束層31aは3本の素線10からなり、素線束層32aは4本の素線10からなる。同様に、ストランドロッド1bのロッド端部17に形成された2つの素線束層30の一方を素線束層31bと呼び、後者を素線束層32bと呼ぶ。素線束層31bは3本の素線10からなり、素線束層32bは4本の素線10からなる。
続いて、図4(a),(b)に示されるように、同軸で対向させたストランドロッド1a、1bの接続領域33同士を重ね合わせる。このように対向する接続領域33同士を重ね合わせるときには、各接続領域33に含まれる素線10同士は、差し違えるように、互いに相手方の素線10同士の隙間に入り込むことになる。本実施形態の場合には、当該重ね合わせ部37においては、ストランドロッド1a,1bの互いの素線束層30同士を交互に積層した状態とする。すなわち、重ね合わせ部37においては、図4(c)に示されるように、4つの素線束層30が、素線束層31b,32a,32b,31aの順に積層される。ここでは、素線束層30同士の各間に、必要に応じて緩衝シートを挟み込んでもよい。緩衝シートとしては、例えばポリウレアシートが用いられる。
その後、上記の重ね合わせ部37に接着剤を含浸させ硬化させることで、ストランドロッド1a,1bの接続領域33同士が接合される。その後、ストランドロッド1a,1bの結束帯15を除去することで、ストランドロッド1a,1bの接続が完了する。
このように完成した本実施形態のストランドロッド接続構造90(図4)は、複数の熱可塑性の素線10を撚り合わせてなるストランドロッド1a,1bの2本を長手方向の端部であるロッド端部17同士で接続するストランドロッド接続構造である。この接続構造では、2本のストランドロッド1の各々のロッド端部17は、当該ロッド端部17が複数に分割されて形成される複数の素線束層30を有している。素線束層30は、断面内で一次元的に並ぶ複数の素線10で構成される。そして、重ね合わせ部37においては、2本のストランドロッド1a,1bの互いの素線束層30同士が交互に積層した状態で、ロッド端部17の接続領域33同士が接合されている。
本実施形態の接続方法及び接続構造によれば、各ストランドロッド1a,1bの互いのロッド端部17の素線10を複数の単純な形状の素線束層30に分割して交互に積層するので、比較的施工性がよい。図4(c)に示されるような、重ね合わせ部37における素線束層31b,32a,32b,31aの断面内での配置は一例であって、適宜変更が可能である。例えば、図4(c)の例では、断面内で各素線10が矩形格子状に配列されるように素線束層31b,32a,32b,31aが配置されているが、図5(a)又は図5(b)に示されるように、一部で各素線10が三角格子状に配列されるように、素線束層31b,32a,32b,31aが配置されてもよい。図5(a)又は図5(b)の配置によれば、図4(c)の配置に比較して、ストランドロッド1aとストランドロッド1bとの接触点の数が増加し接続強度が大きくなる点においいて好ましい。また、図5(a)の配置によれば、図4(c)又は図5(b)の配置に比較して、重ね合わせ部37(すなわちストランドロッド1同士の接続部)の断面がコンパクトであり、重ね合わせ部37の外周が円形に近くなる点において好ましい。
なお、幾何学的に判るように、ストランドロッド1a,1bの互いの素線10同士は、図4(c)の配置によれば10点で接触し、図5(a)の配置によれば16点で接触し、図5(b)の配置によれば17点で接触する。
また、素線束層30内における素線k1〜k7,j1〜j7の配置や並び順についても、図3(b),(c)のものには限定されず、例えば、遷移領域34における各素線10の曲げ半径や曲げ角度を可能なかぎり緩くする、といった観点等から適宜決定されてもよい。例えば、図3の配置に代えて、図5(c)に示されるような素線10の配置が採用されてもよい。図5(c)は、ストランドロッド1aの素線k1〜k7を示しているが、ストランドロッド1bの素線j1〜j7についても同様である。
なお、遷移領域34の長さは、素線10に局所的な曲げを与えないように素線10の曲げ内半径や曲げ角度の許容値を考慮して適切な長さを設定すればよい。遷移領域34の長さは、例えば、ストランドロッド1の撚りピッチと同程度とすればよい。接続領域33の長さは、ストランドロッド1の径の10〜25倍とすればよい。したがって、ロッド端部17の長さは、遷移領域34と接続領域33を考慮して、適切な長さを設定すればよい。
〔第2実施形態〕
続いて、本発明に係るストランドロッド接続方法の第2実施形態について図6を参照しながら説明する。本実施形態の接続方法は、第1実施形態と同様に、2本のストランドロッド1(図1参照)の長手方向の一端部同士を接続してストランドロッド接続構造(継手構造)を構築する方法である。図6(a)は、本実施形態におけるストランドロッド1の接続領域33の断面35を示し、図6(b)〜図6(d)は、ストランドロッド1a,1b同士の重ね合わせ部37の断面を示す。本実施形態の接続方法では、2本のストランドロッド1(ストランドロッド1a,1b)について、前述の第1工程が実行された後、次に説明する第2工程が実行される。
(第2工程)
第1工程で解されたロッド端部17の各素線10を、ストランドロッド1の長手方向に向けて概ね直線的に延ばすようにした状態で、冷却し再硬化させる。次に、ロッド端部17の接続領域33において、図6(a)に示されるように、素線10の通常配置の状態から、側線k2〜k7のうちの1本(ここでは側線k6とする)を、断面内で素線10の直径分だけ変位させ、側線k6と側線k5とが外接した状態とする。なお、「断面内で変位する」とはストランドロッド1の延在方向(軸線W方向)に直交する何れかの方向に変位することを言う。
上記の処理により、接続領域33の断面35には、側線k6が変位したことによる凹凸形状部36が形成される。すなわち、断面35において、側線k6の元の位置には切欠き凹部が生じ、側線k6の変位先には凸部が生じる。ここでは、第1実施形態と同様に、各素線10を断面35の形状に合わせて案内する形状保持スペーサ21が位置P1,P2に取り付けられてもよい。続いて、第1実施形態と同様に、ストレッチャーを用いて各素線10の弛みを除去し、各素線10の接続領域33が概ね軸線W方向に向いて直線的に延在するようにする。
続いて、同軸で対向させたストランドロッド1a、1bの接続領域33同士を重ね合わせ(図4(a),(b)参照)、当該重ね合わせ部37においては、図6(b)に示されるように、ストランドロッド1a,1bの互いの断面35の凹凸形状部36同士を噛み合わせた状態とする。すなわち、素線k6の元の位置の切欠き凹部に素線j6が入り込み、素線j6の元の位置の切欠き凹部に素線k6が入り込んだ状態となる。
その後、第1実施形態と同様に、上記の重ね合わせ部37に接着剤を含浸させ硬化させることで、ストランドロッド1a,1bの接続領域33同士が接合され、結束帯15を除去することで、ストランドロッド1a,1bの接続が完了する。
このように完成した本実施形態のストランドロッド接続構造90(図4)は、複数の熱可塑性の素線10を撚り合わせてなるストランドロッド1a,1bの2本を長手方向の端部であるロッド端部17同士で接続するストランドロッド接続構造である。この接続構造では、2本のストランドロッド1a,1bの各々のロッド端部17は、素線10のうちの一部の側線(例えば側線k6)が断面内で変位することでロッド端部17の接続領域33の断面35に形成された凹凸形状部36を有しており、2本のストランドロッド1a,1bの互いの凹凸形状部36同士が噛み合った状態で、ロッド端部17の接続領域33同士が接合されている。
図6(b)に示されるような、重ね合わせ部37における断面35の形状は一例であって、適宜変更が可能である。例えば、図6(c),(d)に示されるような断面35の形状が採用されてもよい。図6(b)の配置によれば、ストランドロッド1a,1bそれぞれにおいて、一本の素線10を、その直径分だけ断面内で変位させれば済む点において、図6(c),(d)の配置よりも好ましい。また、図6(b),(c)の配置によれば、重ね合わせ部37の断面がコンパクトになる点において、図6(d)の配置よりも好ましい。
なお、幾何学的に判るように、ストランドロッド1a,1bの互いの素線10同士は、図6(b)の配置によれば9点で接触し、図6(c)の配置によれば7点で接触し、図6(d)の配置によれば6点で接触する。
〔第3実施形態〕
続いて、本発明に係るストランドロッド接続方法の第3実施形態について図7を参照しながら説明する。本実施形態の接続方法は、第1実施形態と同様に、2本のストランドロッド1(図1参照)の長手方向の一端部同士を接続してストランドロッド接続構造(継手構造)を構築する方法である。
図7(a)は、本実施形態におけるストランドロッド1の接続領域33の断面35を示し、図7(b)は、ストランドロッド1a,1b同士の重ね合わせ部37の中央の断面を示す。本実施形態の接続方法では、2本のストランドロッド1(ストランドロッド1a,1b)について、前述の第1工程が実行された後、次に説明する第2工程が実行される。
(第2工程)
ストランドロッド1a,1bのそれぞれについて、第1工程で素線10が解された後、第1実施形態と同様にして、ストレッチャーを用いて各素線10の弛みを除去し、各素線10の接続領域33が概ね軸線W方向に向いて直線的に延在するようにする。
続いて、同軸で対向させたストランドロッド1a、1bの接続領域33同士を重ね合わせる(図4(a),(b)参照)。このとき、各ストランドロッド1a,1bの接続領域33においては、図7(a)に示されるように、素線10の通常配置の状態から、各側線k2〜k7,j2〜j7を断面内で放射状に外周側に変位させる。また、心線k1,j1は、中心位置から素線10の半径分だけ断面内で位置をずらす。そして、重ね合わせ部37では、図7(b)に示されるように、ストランドロッド1aの側線k2〜k7とストランドロッド1bの側線j2〜j7とが断面内で周方向に交互に配列された状態とする。すなわち、各側線が、周方向に側線k2,j2,k3,j3,…,k7,j7の順で同一円周上に互いに外接するように配列された状態とする。更に、側線k2〜k7,j2〜j7で囲まれる空間の中心近傍には、ストランドロッド1aの心線k1とストランドロッド1bの心線j1とが互いに外接するように並んで配置される。
その後、第1実施形態と同様に、上記の重ね合わせ部37に接着剤を含浸させ硬化させることで、ストランドロッド1a,1bの接続領域33同士が接合され、結束帯15を除去することで、ストランドロッド1a,1bの接続が完了する。なお、重ね合わせ部37において、側線k2〜k7,j2〜j7で囲まれる空間(心線k1,j1が存在する空間)には、樹脂等が充填されてもよい。
このように完成した本実施形態のストランドロッド接続構造90(図4)は、複数の熱可塑性の素線10を撚り合わせてなるストランドロッド1a,1bの2本を長手方向の端部であるロッド端部17同士で接続するストランドロッド接続構造である。この接続構造では、2本のストランドロッド1a,1bの素線10のうちの互いの側線k1〜k7,j1〜j7が断面内で周方向に交互に配列された状態で、ロッド端部17の接続領域33同士が接合されている。
本実施形態の接続方法によれば、ストランドロッド1a,1bの互いのロッド端部17において側線k2〜k7,j2〜j7の配列順を変えずに放射状に外周側に変位させるので、遷移領域34において各素線10の状態を比較的無理なく遷移することができる。なお、幾何学的に判るように、ストランドロッド1a,1bの互いの素線10同士は13点で接触する。
〔第4実施形態〕
続いて、本発明に係るストランドロッド接続方法の第4実施形態について説明する。本実施形態の接続方法は、第1実施形態と同様に、2本のストランドロッド1(図1参照)の長手方向の一端部同士を接続してストランドロッド接続構造(継手構造)を構築する方法である。本実施形態の接続方法では、2本のストランドロッド1(ストランドロッド1a,1b)について、前述の第1工程が実行された後、次に説明する第2工程が実行される。
(第2工程)
ストランドロッド1a,1bのそれぞれについて、第1工程で素線10が解された後、第1実施形態と同様にして、ストレッチャーを用いて各素線10の弛みを除去し、各素線10の接続領域33が概ね軸線W方向に向いて直線的に延在するようにする。続いて、同軸で対向させたストランドロッド1a、1bの接続領域33同士を重ね合わせる(図4(a),(b)参照)。このとき、接続領域33同士の重ね合わせ方は、第3実施形態と同様である。すなわち、重ね合わせ部37の断面は、図7(b)に示される状態となる。
その後、重ね合わせ部37を80〜250℃に加熱し、ストランドロッドの重ね合わせ部37を軟化させた状態で、図8に示されるように、一方のストランドロッド1aを他方のストランドロッド1bに対して、軸線W周りに相対的に捻る。このときの捻りの方向は、ストランドロッド1a,1bの接続領域33の撚りピッチが縮小される方向(ストランドロッド1a,1bの撚りが締る方向)である。また、捻り角度は、接続領域33の撚りピッチをストランドロッド1の元々の撚りピッチに一致させるような捻り角度とする。或いは、上記捻り角度は、接続領域33の撚りピッチをストランドロッド1の元々の撚りピッチよりも小さくするような捻り角度としてもよい。このような捻り操作は、ストランドロッド1a,1bを接続するための所定の接続装置で実行されてもよい。
上記のようにストランドロッド1同士を相対的に捻ることで、重ね合わせ部37の断面における素線10の配置は、図7(b)の状態が維持されずに各素線10が中央に密集することになる。そして、ストランドロッド1a,1bの軟化した素線10同士が互いに圧着され溶着されることで、ストランドロッド1a,1bの接続領域33同士が接合される。その後、重ね合わせ部37を冷却し、ストランドロッド1a,1bの結束帯15を除去することで、ストランドロッド1a,1bの接続が完了する。
本実施形態の接続方法によれば、素線10同士の溶着と素線10の捻り抵抗力とによってストランドロッド1a,1b同士が接続されるので、強固なストランドロッド1a,1b同士の接続が得られる。また、捻りによって重ね合わせ部37を径方向内側に締め付けるような力が作用するので、例えば、重ね合わせ部37に熱収縮チューブ等の別部材を被せる等の処理も不要である。
なお、上記のように、加熱による素線10同士の溶着によってストランドロッド1a,1bの接続領域33同士を接合させることに代えて、重ね合わせ部37に接着剤を含浸させ硬化させるようにしてもよい。或いは、加熱により素線10同士を溶着させた上で、更に重ね合わせ部37に接着剤を含浸させ硬化させるようにしてもよい。
〔第5実施形態〕
続いて、本発明に係るストランドロッド接続方法の第5実施形態について説明する。本実施形態の接続方法は、第1実施形態と同様に、2本のストランドロッド1(図1参照)の長手方向の一端部同士を接続してストランドロッド接続構造(継手構造)を構築する方法である。本実施形態の接続方法では、2本のストランドロッド1(ストランドロッド1a,1b)について、前述の第1工程が実行された後、次に説明する第2工程が実行される。
(第2工程)
第4実施形態と同様にして、第1工程で素線10が解された後、ストレッチャーを用いて各素線10の弛みを除去し、各素線10の接続領域33が概ね軸線W方向に向いて直線的に延在するようにする。その後、第4実施形態と同様にして、同軸で対向させたストランドロッド1a、1bの接続領域33同士を重ね合わせる(図4(a),(b)参照)。このとき、重ね合わせ部37の断面は、図7(b)に示される状態となる。
その後、重ね合わせ部37を80〜250℃に加熱しながら、図9に示されるように、ストランドロッド1aの各側線k2〜k7を重ね合わせ部37内で他方の側線j2〜j7編み込んだ状態とする。具体的には、例えば、重ね合わせ部37の中央部で側線j2と側線j3との間から径方向外側に延び出した側線k2の先端を、ストランドロッド1bの結束帯15に近い側において、側線j3と側線j4との隙間に挿入し内側に潜り込ませるようにすればよい。なお、側線j3と側線j4との隙間から内側に潜り込んだ側線k2の先端を更に側線j4と側線j5との隙間から外側に引き出してもよく、その引き出された先端を更に側線j5と側線j6との隙間から内側に潜り込ませるようにしてもよい。このような操作を側線k2〜k7について行う。また、同様にして、ストランドロッド1bの各側線j2〜j7も、重ね合わせ部37内で他方の側線k2〜k7編み込んだ状態とする。
次に、重ね合わせ部37の加熱を継続しながら、重ね合わせ部37に径方向の圧縮力を付与する。ここでは例えば、重ね合わせ部37に熱収縮チューブを被せ、熱収縮チューブの収縮力によって重ね合わせ部37に圧縮力を付与するようにしてもよい。上記の圧縮力により、重ね合わせ部37の断面における素線10の配置は、図7(b)の状態が維持されずに各素線10が中央に密集することになる。そして、ストランドロッド1a,1bの軟化した素線10同士が互いに圧着され溶着されることで、ストランドロッド1a,1bの接続領域33同士が接合される。その後、重ね合わせ部37を冷却し、ストランドロッド1a,1bの結束帯15を除去することで、ストランドロッド1a,1bの接続が完了する。
このように完成した本実施形態のストランドロッド接続構造90(図4)は、複数の熱可塑性の素線10を撚り合わせてなるストランドロッド1a,1bの2本を長手方向の端部であるロッド端部17同士で接続するストランドロッド接続構造である。この接続構造では、2本のストランドロッド1a,1bの素線10のうちの互いの側線k1〜k7,j1〜j7が断面内で周方向に交互に配列され、且つ2本のストランドロッド1a,1bの各々において側線の先端が他方のストランドロッドの側線に編み込まれた状態で、ロッド端部17の接続領域33同士が接合されている。
なお、上記の熱収縮チューブは、ストランドロッド1a,1bの接続完了後も重ね合わせ部37に残置させてもよい。このように残置させるための熱収縮チューブにおいては、当該熱収縮チューブの熱収縮チューブの外周面に凹凸加工等が施されていてもよい。この構成によれば、上記熱収縮チューブを含むストランドロッド1の接続部がコンクリートに埋設されるときに、ストランドロッド1とコンクリートとの付着性が向上する。
本実施形態の接続方法によれば、ストランドロッド1a,1bの素線10の編み込みによって、素線10同士の接点が増加することで、更に強固なストランドロッド1a,1b同士の接続が得られる。また、編み込んだ素線10が、相手方のストランドロッド1の素線10に対して機械的に係合する(例えばフックのように引っ掛かる)ことにより、より接続強度が強固される。
なお、本実施形態の接続方法に、第4実施形態の一工程を組み合わせてもよい。すなわち、ストランドロッド1a,1bの各側線k2〜k7,j2〜j7を重ね合わせ部37内で他方の側線j2〜j7,k2〜k7編み込んだ後に、第4実施形態で説明したように、ストランドロッド1aをストランドロッド1bに対し相対的に捻る処理を加えてもよい。その後、重ね合わせ部37に熱収縮チューブを被せ、熱収縮チューブの収縮力によって重ね合わせ部37に圧縮力を付与すればよい。
続いて、上述の第1〜第5実施形態による作用効果について説明する。上述の第1〜第5実施形態に係る接続方法は、複数の熱可塑性の素線10を撚り合わせてなるストランドロッド1の2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続方法であり、次のような第1工程と、第2工程と、を備えている。第1工程では、2本のストランドロッド1の各々において、ロッド端部17を加熱し、軟化した素線10同士を解す。第2工程では、2本のストランドロッド1の各々においてロッド端部17の素線10の断面35内での配置が通常配置とは異なる状態で、2本のストランドロッド1の互いの接続領域33同士を絡ませてロッド端部17同士を接合する。
また、上述の第1〜第5実施形態に係るストランドロッド接続構造90は、複数の熱可塑性の素線10を撚り合わせてなるストランドロッド1の2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続構造である。この接続構造では、2本のストランドロッド1の各々においてロッド端部17の素線10の断面内での配置が通常配置とは異なる状態で、2本の前記ストランドロッド1の互いのロッド端部17同士が絡んで接合されている。
このような接続方法及び接続構造によれば、素線10の断面内での配置が通常配置とは異なる状態で、互いの素線10同士が接することにより、強固なストランドロッド1同士の接続が可能になる。すなわち、例えば、素線10が通常配置されたストランドロッド1の端部同士を径方向に隣接させて接合する場合や、素線10が通常配置されたストランドロッド1の端部端面を軸方向に突き合わせてスリーブを被せて接合する場合に比較して、素線10同士の接点が多くなり、その結果、強固な接続が可能になる。
本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。また、上述した実施形態に記載されている技術的事項を利用して、変形例を構成することも可能である。各実施形態の構成を適宜組み合わせて使用してもよい。
例えば、実施形態では、7本撚りのストランドロッド1の接続方法及び接続構造について説明したが、例えば、19本撚りなどの素線数が異なるストランドロッドの接続方法についても、上述の実施形態に倣って本発明を適用することができる。また、ストランドロッド1a,1bの素線10同士を溶着させる場合には、重ね合わせ部37を加熱することによる溶着に限られず、レーザを用いた溶着、電熱を利用した溶着等を行ってもよい。
また、第1〜第3実施形態において、ストランドロッド1a,1bの接続領域33同士の接合の方法は、前述したような接着剤を用いる方法には限定されない。すなわち、重ね合わせ部37に接着剤を含浸させ硬化させることに代えて、重ね合わせ部37の加熱による素線10同士の溶着によって、ストランドロッド1a,1bの接続領域33同士の接合を図ってもよい。また、第4及び第5実施形態においては、加熱による素線10同士の溶着によってストランドロッド1a,1bの接続領域33同士を接合させることに代えて、重ね合わせ部37に接着剤を含浸させ硬化させるようにしてもよい。或いは、第1〜第5実施形態において、重ね合わせ部37の加熱により素線10同士を溶着させた上で、更に重ね合わせ部37に接着剤を含浸させ硬化させるようにしてもよい。
なお、重ね合わせ部37の加熱による素線10同士の溶着によって、ストランドロッド1a,1bの接続領域33同士の接合を図る場合には、重ね合わせ部37に接着剤を含浸させる処理を省略することにより工期短縮が可能になり、接着材の充填不良のリスク低減によって品質向上が可能になり、また、ストランドロッド1の施工誤差を吸収することができる。
1…ストランドロッド、10,k1〜k7,j1〜j7…素線、k2〜k7,j2〜j7…側線、17…ロッド端部、35…断面、36…凹凸形状部、30,31a,32a,31b,32b…素線束層、90…接続構造。

Claims (7)

  1. 複数の熱可塑性の素線を撚り合わせてなるストランドロッドの2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続方法であって、
    2本の前記ストランドロッドの各々において、前記端部を加熱し、軟化した複数の前記素線を解す第1工程と、
    2本の前記ストランドロッドの各々において前記端部の前記素線の断面内での配置が通常の配置とは異なる状態で、2本の前記ストランドロッドの互いの前記端部同士を絡ませて接合する第2工程と、を備える、ストランドロッド接続方法。
  2. 前記第2工程においては、
    2本の前記ストランドロッドの各々において、前記端部を複数に分割し断面内で一次元的に並ぶ複数の前記素線で構成される素線束層を複数形成し、
    2本の前記ストランドロッドの互いの前記素線束層同士を交互に積層した状態で、前記端部同士を接合する、請求項1に記載のストランドロッド接続方法。
  3. 前記第2工程においては、
    2本の前記ストランドロッドの各々において、前記端部の前記素線のうちの一部の側線を断面内で変位させて前記端部の断面に凹凸形状部を形成し、
    2本の前記ストランドロッドの互いの前記凹凸形状部同士を噛み合わせた状態で、前記端部同士を接合する、請求項1に記載のストランドロッド接続方法。
  4. 前記第2工程においては、
    2本の前記ストランドロッドの各々において、前記端部の前記素線のうちの各側線を断面内で放射状に外周側に変位させ、
    2本の前記ストランドロッドの互いの前記側線を断面内で周方向に交互に配列した状態で、前記端部同士を接合する、請求項1に記載のストランドロッド接続方法。
  5. 前記第2工程においては、
    2本の前記ストランドロッドの各々において、前記端部の前記素線のうちの各側線を断面内で放射状に外周側に変位させ、
    2本の前記ストランドロッドの互いの前記側線が断面内で周方向に交互に配列した状態になるように2本の前記ストランドロッドの前記端部同士を配置し、
    一方の前記ストランドロッドを他方の前記ストランドロッドに対し相対的に捻って、前記端部同士を接合する、請求項1に記載のストランドロッド接続方法。
  6. 前記第2工程においては、
    2本の前記ストランドロッドの各々において、前記端部の前記素線のうちの各側線を断面内で放射状に外周側に変位させ、
    2本の前記ストランドロッドの互いの前記側線が断面内で周方向に交互に配列した状態になるように2本の前記ストランドロッドの前記端部同士を配置し、
    2本の前記ストランドロッドの各々において、前記側線の先端を他方の前記ストランドロッドの前記側線に編み込んだ状態として、前記端部同士を接合する、請求項1に記載のストランドロッド接続方法。
  7. 複数の熱可塑性の素線を撚り合わせてなるストランドロッドの2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続構造であって、
    2本の前記ストランドロッドの各々において前記端部の前記素線の断面内での配置が通常の配置とは異なる状態で、2本の前記ストランドロッドの互いの前記端部同士が絡んで接合されている、ストランドロッド接続構造。
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