JP7337009B2 - ストランドロッド接続方法及びストランドロッド接続構造 - Google Patents

ストランドロッド接続方法及びストランドロッド接続構造 Download PDF

Info

Publication number
JP7337009B2
JP7337009B2 JP2020042370A JP2020042370A JP7337009B2 JP 7337009 B2 JP7337009 B2 JP 7337009B2 JP 2020042370 A JP2020042370 A JP 2020042370A JP 2020042370 A JP2020042370 A JP 2020042370A JP 7337009 B2 JP7337009 B2 JP 7337009B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strand
strands
rods
wires
rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020042370A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021143707A (ja
Inventor
慎一 山野辺
直樹 曽我部
周斗 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2020042370A priority Critical patent/JP7337009B2/ja
Publication of JP2021143707A publication Critical patent/JP2021143707A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7337009B2 publication Critical patent/JP7337009B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Reinforcement Elements For Buildings (AREA)
  • Standing Axle, Rod, Or Tube Structures Coupled By Welding, Adhesion, Or Deposition (AREA)

Description

本発明は、ストランドロッド接続方法及びストランドロッド接続構造に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の接続方法が知られている。この接続方法は、FRP製ロッド2本の端部同士を突き合わせ、双方の端部に亘って突き合わせ部分を囲む筒状部材を設置し、筒状部材の内部に接着材を充填することによりFRP製ロッド同士を接続するものである。
特開平10-030304号公報
この種の接続方法においては、接続部の耐久性を高めることが望まれる。上記特許文献1のように筒状部材を用いる接続方法では、筒状部材の材料によっては筒状部材の劣化により接続部の十分な耐久性が発揮されない可能性もある。本発明は、耐久性に優れる接続部が得られるストランドロッド接続方法及び接続構造を提供することを目的とする。
本発明のストランドロッド接続方法は、複数の素線を撚り合わせてなるストランドロッドの2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続方法であって、2本のストランドロッドの各々の端部において、複数の素線を解す第1工程と、2本のストランドロッドの互いの端部同士を重ね合わせ、当該端部同士の重ね合わせ部に、各素線を保持する保持部材を各素線の弾性的な反発に逆らって設置することで素線同士の位置関係を保持させ、端部同士を接合する第2工程と、を備える。
第2工程においては、2本のストランドロッドの素線のうちの互いの各側線を断面内で周方向に交互に配列した状態で、素線同士の位置関係を保持することとしてもよい。第2工程においては、2本のストランドロッドの素線のうちの各心線が、互いに外接し、周方向に交互に配列した側線で囲まれる空間内を通過した状態で、素線同士の位置関係を保持することとしてもよい。
本発明のストランドロッド接続構造は、複数の素線を撚り合わせてなるストランドロッドの2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続構造であって、2本のストランドロッドの互いの端部同士は、素線が解された状態で重ね合わされて接着されており、当該端部同士の重ね合わせ部の両端部に素線同士の位置関係を保持する保持部材が設置されている。
重ね合わせ部では、2本のストランドロッドの素線のうちの互いの各側線が断面内で周方向に交互に配列した状態で、素線同士の位置関係が保持されていることとしてもよい。重ね合わせ部では、2本のストランドロッドの素線のうちの各心線が、互いに外接し、周方向に交互に配列した側線で囲まれる空間内を通過した状態で、素線同士の位置関係が保持されていることとしてもよい。
本発明によれば、耐久性に優れる接続部が得られるストランドロッド接続方法及び接続構造を提供することができる。
本実施形態の接続方法の対象である2本のストランドロッドを示す斜視図である。 (a)は、ストランドロッドの先端部の素線を解した状態を示す図であり、(b)は、先端部の素線が解された状態のストランドロッドを模式的に示す図である。 (a)は、形状保持スペーサ21の斜視図であり、(b)は、形状保持スペーサ22の斜視図である。 (a)は、図2(b)における位置P0の断面図であり、(b)は、位置P1の断面図であり、(c)は、位置P2の断面図である。 (a)は、接続前の対向するロッド端部を示す図であり、(b)は、接続領域同士を重ね合わせた状態を示す図である。 (a)は、図5(b)におけるa-a断面図及びc-c断面図であり、(b)は、図5(b)におけるb-b断面図である。 (a),(b)は、それぞれ、重ね合わせ部における断面を示す変形例である。 (a),(b)は、それぞれ、重ね合わせ部における断面を示す他の変形例である。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照しつつ本発明に係るストランドロッド接続方法及び接続構造の第1実施形態について詳細に説明する。本実施形態の接続方法は、図1に示されるように、同じ構成の2本のストランドロッド1の長手方向の一端部同士を接続してストランドロッド接続構造(継手構造)を構築する方法である。ストランドロッド1は、例えば、コンクリートに埋設されて当該コンクリートを補強する用途に用いられるものである。
ストランドロッド1は、同径の複数(本実施形態では7本)の円形断面の素線10を撚り合わせてなるものである。素線10は熱硬化性材料からなり、再加熱によって軟化させることはできない。例えば、ストランドロッド1の直径は、約8.2~8.4mmであり、素線の直径は、約2.73~2.80mmである。例えば、ストランドロッド1の撚りピッチは約210mmである。
例えば、ストランドロッド1は、熱硬化性のFRP(Fiber-ReinforcedPlastics)を含む繊維補強プラスチックロッド材(FRPロッド材)である。より具体的には、素線10の材料は、熱硬化性樹脂と引張抵抗材とを含む。引張抵抗材とは、例えば、樹脂繊維、布繊維、金属繊維等からなるプラスチック強化用の繊維であり、熱硬化性樹脂を間に溶け込ませて一体化し架橋する機能をもつものである。
FRPロッド材としては、例えば、引張抵抗材としての炭素繊維が熱硬化性樹脂により含浸又は被覆された炭素繊維強化プラスチック(CFRP(Carbon-Fiber-ReinforcedPlastics))、引張抵抗材としてのガラス繊維が熱硬化性樹脂により含浸又は被覆されたガラス繊維強化プラスチック(GFRP(Glass-Fiber-Reinforced Plastics))、引張抵抗材としてのバサルト繊維が熱可塑性樹脂により含浸又は被覆されたガラス繊維強化プラスチック(BFRP(Basalt-Fiber-Reinforced Plastics))、及び引張抵抗材としてのボロン繊維が熱硬化性樹脂により含浸又は被覆されたボロン繊維強化プラスチック(BFRP(Boron Fiber-Reinforced Plastics))等、を採用することができる。FRPロッド材は、バサルト繊維が熱硬化性樹脂により含浸又は被覆されたものであってもよい。また、素線10の材料として用いられる上記の熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ系樹脂,フェノール樹脂等が挙げられる。
以下では、本実施形態の接続方法によって接続される2本のストランドロッド1のそれぞれを、ストランドロッド1a,1bと区別して呼ぶ場合がある。また、ストランドロッド1a,1bの中心軸線を軸線Wという。また、ストランドロッド1aを構成する7本の素線10のそれぞれを区別する場合には、各素線をそれぞれ素線k1,k2,…,k7と呼ぶ。素線k1~k7のうち、素線k1は、断面内中央に位置し軸線W上で直線的に延在する心線であり、これを心線k1と呼ぶ場合がある。また、素線k1~k7のうち、素線k2~k7は心線k1の周りで螺旋状に延在する側線であり、これらを側線k2~k7と呼ぶ場合がある。
同様にして、ストランドロッド1bを構成する7本の素線10のそれぞれを区別する場合には、各素線をそれぞれ順に素線j1,j2,…,j7と呼ぶ。素線j1~j7のうち、素線j1は、断面内中央に位置し軸線W上で直線的に延在する心線であり、これを心線j1と呼ぶ場合がある。また、素線j1~j7のうち、素線j2~j7は心線j1の周りで螺旋状に延在する側線であり、これらを側線j2~j7と呼ぶ場合がある。
ストランドロッド1aの断面内においては、6本の側線k2~k7の断面が互いにほぼ外接するピッチで周方向に順に正六角形状に配置され、6本の側線k2~k7の断面に囲まれて心線k1の断面が配置される(図1参照)。ストランドロッド1の断面内におけるこのような素線10配置を「通常配置」と呼ぶ。理想的には、「通常配置」では、6本の側線k2~k7の断面が互いに外接し、各側線k2~k7の各中心が正六角形の各頂点上に配置され、心線k1の断面中心は上記正六角形の中心に位置し、心線k1がすべての側線k2~k7に外接する。但し、現実のストランドロッド1は必ずしも上記のような理想的な状態にあるとは限らず、素線10同士がわずかな隙間で外接しない箇所等が発生しうる。また、ストランドロッド1bの断面内においても、素線j1~j7が上記の通常配置の状態にある。
本実施形態の接続方法について説明する。
(第1工程)
2本のストランドロッド1(ストランドロッド1a,1b)について、以下の処理を実行する。図2(a)は、ストランドロッド1の先端部の素線10を解した状態を示す図であり、図2(b)は、先端部の素線10が解された状態のストランドロッド1を模式的に示す図である。
図2に示されるように、ストランドロッド1の先端13から所定距離の位置P0に結束帯15を巻き付けるように装着する。以下、ストランドロッド1のうち、位置P0から先端13までの部位を「ロッド端部17」という。また以下では、ロッド端部17を、先端13側の接続領域33と、基端側の遷移領域34とに二分して考える。接続領域33は、相手方のストランドロッド1と重ね合わせて接合する領域である。遷移領域34は、ストランドロッド1の各素線10が通常配置の状態から接続領域33における状態へ徐々に遷移する領域である。
結束帯15を装着した後、図2(a)に示されるように、ロッド端部17の素線10の撚りを解す。なお、各素線10はある程度弾性的に変形する材料であるので、ここでは、ロッド端部17の各素線10を、その弾性的な反発に逆らって撓ませながら解すようにする。このとき結束帯15は素線10のばらけ止めとして機能し、結束帯15よりも基端側においてはストランドロッド1の素線10の撚りが解れることはない。
(第2工程)
次に、図2(b)に示されるように、遷移領域34と接続領域33との境界位置(以下「位置P1」という)に、形状保持スペーサ21(保持部材)を設置し、先端13の直近の位置(以下「位置P2」という)に、形状保持スペーサ22(保持部材)を設置する。図3(a)は形状保持スペーサ21の斜視図であり、図3(b)は形状保持スペーサ22の斜視図である。図4(a)~図4(c)は、図2(b)のストランドロッド1aの各箇所の断面図であり、図4(a)は、位置P0の断面図、図4(b)は、位置P1の断面図、図4(c)は、位置P2の断面図である。
図3(a)及び図4(b)に示されるように、形状保持スペーサ21は円環形状の部材であり、形状保持スペーサ21の外周面には、周方向に等間隔に12個のガイド溝27が形成されている。ガイド溝27は素線10が嵌り込む円弧形状をなしている。また、図3(b)及び図4(c)に示されるように、形状保持スペーサ22も円環形状の部材であり、形状保持スペーサ22の内周面には、周方向に等間隔に12個のガイド溝28が形成されている。ガイド溝28は、素線10が嵌り込む円弧形状をなしている。図3に示されるように、形状保持スペーサ21,22は、ロッド端部17への着脱を容易にするために半割り構造(円環形状の一つの直径を境界として二分割可能な構造)をなしている。形状保持スペーサ21,22は、例えば樹脂材料からなる。
位置P1に形状保持スペーサ21を装着する際には、各素線10の弾性的な反発に逆らいながら、各素線10同士の間に形状保持スペーサ21を挿入する。そして、図4(b)に示されるように、12個のガイド溝27のうち1個ずつ間隔を空けた6個のガイド溝27に、それぞれ、側線k2~k7を嵌め込む。また、形状保持スペーサ21の円環中央穴には、心線k1を通過させるようにする。位置P1においては、各側線k2~k7は径方向内側に戻ろうとする反発力を有するが、この反発力によって各側線k2~k7がガイド溝27に嵌まった状態で安定する。またこのとき、形状保持スペーサ21が挿入されたことにより、各側線k2~k7は、位置P0から位置P2に向けてラッパ状に外周側に広がるように延びる。
続いて、位置P2においては、各素線10の弾性的な反発に逆らいながら、7本の素線10を囲むように形状保持スペーサ22を装着する。このとき、図4(c)に示されるように、12個のガイド溝28のうち1個ずつ間隔を空けた6個のガイド溝28に、それぞれ、側線k2~k7を嵌め込む。上述のようにラッパ状に広がろうとする側線k2~k7の反発力によって、各側線k2~k7はガイド溝28に嵌まった状態で安定する。
上記のように形状保持スペーサ21,22が装着されることにより、ロッド端部17の各素線10は形状保持スペーサ21,22のガイド溝27,28に案内され保持され、解された素線10同士の位置関係が保持される。このとき、各側線k2~k7には前述の弾性的な反発力が残留した状態となる。また、形状保持スペーサ21,22が装着された接続領域33では、各側線k2~k7の解される前の元々の螺旋形状が残存しているので、各側線k2~k7は、軸線Wを中心とする螺旋状に延びる。
なお、ここでは、図4にストランドロッド1aにおける断面を示しつつ、ストランドロッド1aのロッド端部17の加工を説明したが、ストランドロッド1bの加工についても同様であるので、重複する説明を省略する。
続いて、図5(a),(b)に示されるように、同軸で対向させたストランドロッド1a、1bの接続領域33同士を重ね合わせる。このように対向する接続領域33同士を重ね合わせるときには、各接続領域33に含まれる素線10同士は、差し違えるように、互いに相手方の素線10同士の隙間に入り込むことになる。接続領域33同士の重ね合わせ部37では、軸線Wを中心とする螺旋形状をなす側線k2~k7と側線j2~j7とを互いに交互に隣接するように並べながら接続領域33同士を重ね合わせる。
またここでは、一方のストランドロッド1の形状保持スペーサ22と、他方のストランドロッド1bの形状保持スペーサ22とが干渉しないように、これらの形状保持スペーサ22,22を一時的に取り外してもよい。或いは、各ストランドロッド1に形状保持スペーサ21のみを装着した状態で、各ストランドロッド1の接続領域33同士を重ね合わせ、その後に、形状保持スペーサ22,22が重ね合わせ部37の両端に装着されるようにしてもよい。
図6(a),(b)は、ストランドロッド1a、1bの接続領域33同士の重ね合わせ部37の断面図である。図6(a)は、図5(b)におけるa-a断面図及びc-c断面図である(a-a断面とc-c断面とは同様の構成をなす)。図6(b)は、図5(b)におけるb-b断面図である。図6(a)に示されるように、重ね合わせ部37では、ストランドロッド1aの位置P1に装着された形状保持スペーサ21が、ストランドロッド1bの位置P2に装着された形状保持スペーサ22の円環中央穴内に入り込む。そして、ストランドロッド1aで空いていた6個のガイド溝27(図4(b)参照)には、ストランドロッド1bの形状保持スペーサ22に保持されている側線j2~j7がそれぞれ挿入される。同様にして、ストランドロッド1bの位置P1に装着された形状保持スペーサ21が、ストランドロッド1aの位置P2に装着された形状保持スペーサ22の円環中央穴内に入り込む。そして、ストランドロッド1bで空いていた6個のガイド溝27には、ストランドロッド1aの形状保持スペーサ22に保持されている側線k2~k7がそれぞれ挿入される。
その結果、図6(a),(b)に示されるように、重ね合わせ部37の断面では、ストランドロッド1aの側線k2~k7とストランドロッド1bの側線j2~j7とが断面内で周方向に交互に配列された状態となる。すなわち、各側線が、周方向に側線k2,j2,k3,j3,…,k7,j7の順で同一円周上に互いに外接するように配列された状態となる。重ね合わせ部37の両端では、各側線k2~k7,j2~j7は、それぞれ、ガイド溝27とガイド溝28との間に嵌り込んで安定的に保持される。更に、形状保持スペーサ21の円環中央穴内であり側線k2~k7,j2~j7で囲まれる空間の中心近傍には、ストランドロッド1aの心線k1とストランドロッド1bの心線j1とが互いに外接するように並んで配置される。
このように、形状保持スペーサ21,22は、各素線10の反発力に逆らって、重ね合わせ部37に存在する合計14本の素線10の上記のような位置関係を保持する。各素線10には弾性的な反発力が残留した状態となる。またこのとき、各側線k2~k7,j2~j7には、前述したように解される前の元々の螺旋形状が残存しているので、重ね合わせ部37において、各側線k2~k7,j2~j7は軸線Wを中心とする螺旋状に延びる。
その後、上記の重ね合わせ部37に接着剤を含浸させ硬化させることで、ストランドロッド1a,1bの接続領域33同士が接合される。そして、結束帯15を除去することで、ストランドロッド1a,1bの接続が完了する。ここでは、形状保持スペーサ21,22は、上記接着剤に埋め殺しにされ、重ね合わせ部37に存在する素線10と共に含浸接着剤に埋込まれる。なお、形状保持スペーサ21,22を埋め殺しにすることは必須ではなく、例えば、重ね合わせ部37に接着剤を含浸させる前に形状保持スペーサ21,22を除去してもよい。また、重ね合わせ部37において、側線k2~k7,j2~j7で囲まれる空間(心線k1,j1が存在する空間)には、樹脂等が充填されてもよい。
なお、上記の接着剤含浸の前に、重ね合わせ部37の素線10にポリウレア等を塗布して緩衝層を形成してもよい。また、上記の接着剤含浸の後、重ね合わせ部37にテーピングを施してもよい。また、上記の接着剤含浸の後、重ね合わせ部37の素線10を拘束するために、重ね合わせ部37に炭素繊維のファイバーシートを巻き付けてもよい。
このように完成した本実施形態のストランドロッド接続構造90(図5)では、2本のストランドロッド1a,1bの互いのロッド端部17同士が、素線10が解された状態で重ね合わされて接着剤含浸によって互いに接着されており、当該ロッド端部17同士の重ね合わせ部37の両端部(位置P1,P2)には、素線10同士の位置関係を保持する形状保持スペーサ21,22(保持部材)が設置されている。そして、重ね合わせ部37では、2本のストランドロッド1a,1bの互いの各側線k2~k7,j2~j7が断面内で周方向に交互に配列した状態で、素線10同士の位置関係が保持されている。また、重ね合わせ部37では、2本のストランドロッド1a,1bの各心線k1,j1が、互いに外接し、周方向に交互に配列した側線k2,j2,…,k7,j7で囲まれる空間内を通過した状態で、素線10同士の位置関係が保持されている。
また、図6(a)に示されるように、同心円状に二重に重ねられた円環形状の2つの形状保持スペーサ21,22によって一つの形状保持スペーサ23が構成されていると考えることもできる。この形状保持スペーサ23は、内側の円環部材である形状保持スペーサ21と外側の円環部材である形状保持スペーサ22との間の径方向の隙間に、側線k2,j2,…,k7,j7を挟み込み、且つ、形状保持スペーサ21の円環中央穴に心線k1,j1を通過させることで、重ね合わせ部37に存在する合計14本の素線10の位置関係を保持している。
なお、遷移領域34の長さは、素線10に局所的な曲げを与えないように素線10の曲げ内半径や曲げ角度の許容値を考慮して適切な長さを設定すればよい。遷移領域34の長さは、例えば、ストランドロッド1の撚りピッチと同程度とすればよい。接続領域33の長さは、例えば、ストランドロッド1の径の10~25倍とすればよい。したがって、ロッド端部17の長さは、遷移領域34と接続領域33の長さを考慮して適切な長さとしてよい。
本実施形態の接続方法及び接続構造によれば、互いの素線10同士が多数の接点で接することにより、強固なストランドロッド1同士の接続が可能になる。すなわち、例えば、素線10が通常配置されたストランドロッド1の端部同士を径方向に隣接させて接合する場合や、素線10が通常配置されたストランドロッド1の端部端面を軸方向に突き合わせてスリーブを被せて接合する場合に比較して、素線10同士の接点が多くなり、その結果、強固な接続が可能になる。
このように、ストランドロッド1のロッド端部17同士が、素線10同士を接触させることで接着され強固に接続されるので、例えば錆に弱い金属部材のような耐久性が比較的低い他の部材を接続部に用いる必要性が低く、その結果、ストランドロッド1同士の接続部の耐久性が向上する。
本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。また、上述した実施形態に記載されている技術的事項を利用して、変形例を構成することも可能である。各実施形態の構成を適宜組み合わせて使用してもよい。
例えば、重ね合わせ部37における断面内での各素線k1~k7,j1~j7の配置は、実施形態のもの(図6(b)参照)には限られず、例えば、図7(a)に示されるものであってもよい。図7(a)の配置では、互いに外接する心線k1,j1を囲むように、円周C1上に等間隔に側線j2~j7が配列されている。このうち側線j3は心線k1に外接し、側線j6は心線j1に外接しており、素線j6,j1,k1及びj3は円周C1の直径に沿ってこの順で同一直線上に並んでいる。更に円周C1よりも大径の円周C2上に等間隔に側線k2~k7が配列されており、側線k2~k7はそれぞれ、側線j2~j7のうちの互いに隣接する2つに外接している。具体的には、側線k2は側線j7,j2に外接し、側線k3は側線j2,j3に外接し、…、側線k7は側線j6,j7に外接している。このような図7(a)の配置は、図6(b)の配置に比較して、重ね合わせ部37の断面がコンパクトになる点において好ましい。なお、幾何学的に判るように、ストランドロッド1a,1bの互いの素線10同士は、図6(b)の配置によれば13点で接触し、図7(a)の配置によれば15点で接触する。
このような図7(a)の配置が採用される場合には、当該配置に対応した構成の形状保持スペーサ21,22が適宜準備されればよい。
また例えば、実施形態では、7本撚りのストランドロッド1の接続方法及び接続構造について説明したが、例えば、19本撚りなどの素線数が異なるストランドロッド1の接続方法についても、上述の実施形態に倣って本発明を適用することができる。19本撚りのストランドロッド1の場合、重ね合わせ部37における各素線k1~k19,j1~j19の配置は、例えば、図7(b)のようなものとしてもよい。
図7(b)の配置では、断面内で図6(b)と同様に配置された素線k1~k7,j1~j7を更に囲む円周C3上に、側線k8~k19,j8~j19が配置されている。当該円周C3上では、側線k8~k19と側線j8~j19とが断面内で周方向に交互に配列された状態である。すなわち、各側線は、周方向に側線j8,k8,j9,k9,…,j19,kj19の順で同一円周上(円周C3上)に互いに外接するように配列されている。
更に、各素線k1~k19,j1~j19の配置は、図8(a),図8(b)のようなものであってもよい。図8(a)の配置では、断面内で図6(b)と同様に配置された素線k1~k7,j1~j7を更に囲むように、円周C4上に等間隔に側線k8~k19が配列されている。側線k8~k19はそれぞれ、側線k2,j2,…,k7,j7のうちの互いに隣接する2つに外接している。具体的には、側線k8は側線k2,j2に外接し、側線k9は側線j2,k3に外接し、…、側線k19は側線j7,k2に外接している。更に、円周C4よりも大径の円周C5上に等間隔に側線j8~j19が配列されており、側線j8~j19はそれぞれ、側線k8~k19のうちの互いに隣接する2つに外接している。具体的には、側線j8は側線k19,k8に外接し、側線j9は側線k8,k9に外接し、…、側線j19は側線k18,k19に外接している。
図8(b)の配置では、断面内で図7(a)と同様に配置された素線k1~k7,j1~j7を更に囲むように、円周C6上に等間隔に側線j8~j19が配列されている。側線k2~k7はそれぞれ、円周C6上の側線j8~k19のうちの互いに隣接する2つに外接している。具体的には、側線k2は、側線j19,j8に外接し、側線k3は、側線j9,j10に外接し、…、側線k7は、側線j17,j18に外接している。更に、円周C6よりも大径の円周C7上に等間隔に側線k8~k19が配列されており、側線k8~k19はそれぞれ、側線j8~j19のうちの互いに隣接する2つに外接している。具体的には、側線k8は側線j19,j8に外接し、側線k9は側線j8,j9に外接し、…、側線k19は側線j18,j19に外接している。このような図8(a)及び図8(b)の配置は、図7(b)の配置に比較して、重ね合わせ部37の断面がコンパクトになる点において好ましい。
このような図7(b)、図8(a)、又は図8(b)の配置が採用される場合には、それぞれの配置に対応した構成の形状保持スペーサ21,22が適宜準備されればよい。
また、実施形態では、ストランドロッド1の素線10の樹脂材料が熱硬化性樹脂である場合の例を説明したが、実施形態に係るストランドロッド1の素線10の樹脂材料は、熱可塑性樹脂であってもよい。このような熱可塑性の素線10からなるストランドロッド1同士を、素線10を加熱・軟化させずに実施形態の接続方法によって接続してもよい。
この場合、例えば、ストランドロッド1は、熱可塑性のFRP(Fiber-ReinforcedPlastics)を含む繊維補強プラスチックロッド材(FRPロッド材)である。より具体的には、素線10の材料は、熱可塑性樹脂と引張抵抗材とを含む。引張抵抗材とは、例えば、樹脂繊維、布繊維、金属繊維等からなるプラスチック強化用の繊維であり、熱可塑性樹脂を間に溶け込ませて一体化し架橋する機能をもつものである。
FRPロッド材としては、例えば、引張抵抗材としての炭素繊維が熱可塑性樹脂により含浸又は被覆された炭素繊維強化プラスチック(CFRP(Carbon-Fiber-ReinforcedPlastics))、引張抵抗材としてのガラス繊維が熱可塑性樹脂により含浸又は被覆されたガラス繊維強化プラスチック(GFRP(Glass-Fiber-Reinforced Plastics))及び引張抵抗材としてのボロン繊維が熱可塑性樹脂により含浸又は被覆されたボロン繊維強化プラスチック(BFRP(Boron Fiber-Reinforced Plastics))等、を採用することができる。FRPロッド材は、バサルト繊維が熱可塑性樹脂により含浸又は被覆されたものであってもよい。また、素線10の材料として用いられる上記の熱可塑性樹脂の例としては、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)等が挙げられる。
1,1a,1b…ストランドロッド、10,k1~k19,j1~j19…素線、k1,j1…心線、k2~k19,j2~j19…側線、17…ロッド端部、21,22,23…形状保持スペーサ(保持部材)、90…接続構造。

Claims (6)

  1. 複数の素線を撚り合わせてなるストランドロッドの2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続方法であって、
    2本の前記ストランドロッドの各々の端部において、複数の前記素線を解す第1工程と、
    2本の前記ストランドロッドの互いの前記端部同士を重ね合わせ、当該端部同士の重ね合わせ部に、各前記素線を保持する保持部材を各前記素線の弾性的な反発に逆らって設置することで前記素線同士の位置関係を保持させ、前記端部同士を接合する第2工程と、を備え
    前記第2工程においては、前記保持部材は、
    一方の前記ストランドロッドの前記素線と、他方の前記ストランドロッドの前記素線と、を合わせたすべての前記素線同士の位置関係を保持するように設置される、ストランドロッド接続方法。
  2. 複数の素線を撚り合わせてなるストランドロッドの2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続方法であって、
    2本の前記ストランドロッドの各々の端部において、複数の前記素線を解す第1工程と、
    2本の前記ストランドロッドの互いの前記端部同士を重ね合わせ、当該端部同士の重ね合わせ部に、各前記素線を保持する保持部材を各前記素線の弾性的な反発に逆らって設置することで前記素線同士の位置関係を保持させ、前記端部同士を接合する第2工程と、を備え、
    前記第2工程においては、
    2本の前記ストランドロッドの前記素線のうちの互いの各側線を断面内で周方向に交互に配列した状態で、前記素線同士の位置関係を保持する、ストランドロッド接続方法。
  3. 前記第2工程においては、
    2本の前記ストランドロッドの前記素線のうちの各心線が、互いに外接し、周方向に交互に配列した前記側線で囲まれる空間内を通過した状態で、前記素線同士の位置関係を保持する、請求項2に記載のストランドロッド接続方法。
  4. 複数の素線を撚り合わせてなるストランドロッドの2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続構造であって、
    2本の前記ストランドロッドの互いの前記端部同士は、前記素線が解された状態で重ね合わされて接着されており、
    当該端部同士の重ね合わせ部に、一方の前記ストランドロッドの前記素線と、他方の前記ストランドロッドの前記素線と、を合わせたすべての前記素線同士の位置関係を保持する保持部材が設置されている、ストランドロッド接続構造。
  5. 複数の素線を撚り合わせてなるストランドロッドの2本を長手方向の端部同士で接続するストランドロッド接続構造であって、
    2本の前記ストランドロッドの互いの前記端部同士は、前記素線が解された状態で重ね合わされて接着されており、
    当該端部同士の重ね合わせ部の両端部に前記素線同士の位置関係を保持する保持部材が設置されており、
    前記重ね合わせ部では、2本の前記ストランドロッドの前記素線のうちの互いの各側線が断面内で周方向に交互に配列した状態で、前記素線同士の位置関係が保持されている、ストランドロッド接続構造。
  6. 前記重ね合わせ部では、2本の前記ストランドロッドの前記素線のうちの各心線が、互いに外接し、周方向に交互に配列した前記側線で囲まれる空間内を通過した状態で、前記素線同士の位置関係が保持されている、請求項5に記載のストランドロッド接続構造。
JP2020042370A 2020-03-11 2020-03-11 ストランドロッド接続方法及びストランドロッド接続構造 Active JP7337009B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020042370A JP7337009B2 (ja) 2020-03-11 2020-03-11 ストランドロッド接続方法及びストランドロッド接続構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020042370A JP7337009B2 (ja) 2020-03-11 2020-03-11 ストランドロッド接続方法及びストランドロッド接続構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021143707A JP2021143707A (ja) 2021-09-24
JP7337009B2 true JP7337009B2 (ja) 2023-09-01

Family

ID=77766281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020042370A Active JP7337009B2 (ja) 2020-03-11 2020-03-11 ストランドロッド接続方法及びストランドロッド接続構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7337009B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6392856A (ja) * 1986-10-06 1988-04-23 Meito Denki Koji Kk ロ−プの連結部の構造
JPH06322893A (ja) * 1993-05-18 1994-11-22 Nippon Steel Corp 連続繊維補強プラスチック製撚り線の固定方法及びその装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021143707A (ja) 2021-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7307859B2 (ja) 光ファイバケーブル
JP5224403B2 (ja) 光ファイバユニット及び光ファイバケーブル
WO2015052951A1 (ja) 光ファイバユニット、光ファイバ分岐方法、及び、光ファイバケーブル
JP7337009B2 (ja) ストランドロッド接続方法及びストランドロッド接続構造
JP5808598B2 (ja) 木製部材の接合部構造
JP4253118B2 (ja) 管及び該管から形成された柄を有するゴルフクラブ
JP2017097089A (ja) 光ファイバケーブル
JP5158893B2 (ja) 光ファイバユニット及び光ファイバケーブル
CN105994205A (zh) 卷线器脚固定装置
JP2018189962A (ja) 光ファイバケーブルおよび光ファイバケーブルの製造方法
JP2017078267A (ja) 繊維強化樹脂ロッド及びその製造方法
JPH04341133A (ja) 中通し竿及びその製造方法
JP2015041037A (ja) 光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの中間後分岐方法
JP2017227059A (ja) 接合構造体
JP7337010B2 (ja) ストランドロッド接続方法及びストランドロッド接続構造
JP2017201090A (ja) 耐震補強材
CN110088654B (zh) 光纤单元、光纤电缆以及光纤单元的制造方法
WO2019059251A1 (ja) 光ファイバケーブル
US11435543B2 (en) Optical fiber unit and optical fiber cable
JP6854373B1 (ja) 光ファイバケーブル
JP6462507B2 (ja) 光ファイバケーブル、光ファイバケーブルの製造方法
JP6005351B2 (ja) プロテクター、複合筒状体、コントロールケーブル、車両用ホースおよびプロテクターの製造方法
JP5468889B2 (ja) 光ファイバケーブル、光ファイバケーブルの製造方法
JP7280214B2 (ja) ストランドロッド接続方法及びストランドロッド接続構造
US20230175202A1 (en) Fiber-reinforced composite cable with tow and power transmission line

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220720

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230815

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7337009

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150