JP2021142805A - 自動車用ドア - Google Patents

Abstract

【課題】車両外部のデバイスが発する信号電波を良好に受信することができるとともに、車内のノイズ電波の影響を抑制することができるようにアンテナを配置したドアを提供する。【解決手段】本明細書が開示するドア１０は、窓ガラス１５を囲んでいる窓枠１１と、樹脂製のアウターガーニッシュ１６と、アンテナ１７を備える。窓枠１１は、窓ガラス１５の側縁に沿って延びている縦板１２を有している。アウターガーニッシュ１６は、縦板１２を車両外側から覆っている。アンテナ１７は、縦板１２とアウターガーニッシュ１６の間に配置されている。樹脂製のアウターガーニッシュ１６は電波を通すので、アンテナ１７は車両外部の電波を良好に受信することができる。一方、縦板１２は金属製であり、電波を通し難い。上記のアンテナ配置は、アンテナ１７に対する車内のノイズ電波の影響を抑制することができる。【選択図】図２

Description

本明細書が開示する技術は、自動車用ドアに関する。より詳しくは、アンテナを組み込んだドアに関する。

自動車は、車両外部の電波を受信するアンテナを備える。アンテナは、車両外部の電波を良好に受信できるように、電波を透過するガラスの近傍に配置される。あるいは、アンテナは、ルーフの上に配置される（特許文献１）。アンテナは、車両内部のノイズ電波の影響を受けないことが望ましい。特許文献１には、アンテナにノイズ除去回路を組み合わせ、車両内部のノイズ電波の影響を低減する技術が開示されている。

特開２０１１−１８２２８０号公報

本明細書は、車両外部のデバイスが発する信号電波を良好に受信することができるとともに、車内のノイズ電波の影響を抑制することができるようにアンテナを配置したドアを提供する。

本明細書が開示するドアは、窓ガラスを囲んでいる窓枠と、樹脂製のアウターガーニッシュと、アンテナを備える。窓枠は、窓ガラスの側縁に沿って延びている縦板を有している。アウターガーニッシュは、縦板を自動車外側から覆っている。アンテナは、縦板とアウターガーニッシュの間に配置されている。樹脂製のアウターガーニッシュは電波を通すので、アンテナは車両外部の電波を良好に受信することができる。一方、窓枠の縦板は金属製であり、電波を通し難い。上記のアンテナ配置は、アンテナに対する車内のノイズ電波の影響を抑制することができる。

アンテナは、ドア開閉ヒンジ側の縦板とアウターガーニッシュの間に配置されているとよい。ドア開閉時にアンテナに加わる衝撃を小さくすることができる。アンテナは、縦板の上下方向の中央よりも上側に配置されていてもよい。アンテナが水分の影響を受け難くなる。

本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。

車の側面図である。 図１のII−II線に沿った断面図である。 アウターガーニッシュをドア１０から外した断面図である。

図面を参照して実施例のドア１０を説明する。ドア１０は、自動車２の左後部座席用のドアである。図１に、自動車２の左側面図を示す。図１の下には、範囲Ａの拡大図を示してある。

ドア１０は窓ガラス１５を囲む窓枠１１を備えている。窓枠１１は、窓ガラス１５の上縁に対向する上板１３と、側縁に沿って延びている一対の縦板１２、１４で構成される。上板１３は車両前後方向に延びており、縦板１２、１４は、上下方向に延びている。縦板１２は、ドア１０を開閉するためにヒンジ２９に近い側に位置し、縦板１４はヒンジ２９から遠い側に位置する。縦板１２は、自動車２のセンターピラー（後述）に対向する。

縦板１２は、樹脂製のアウターガーニッシュ１６で覆われている。詳しくは後述するが、アウターガーニッシュ１６と縦板１２の間の空間にアンテナ１７が配置されている。アンテナ１７は、ドアを施錠／開錠するスマートキーの電波を受信するためのアンテナである。図１の直線ＣＬは、縦板１２の上下方向の中央を通っている。アンテナ１７は、縦板１２の上下方向の中央（直線ＣＬ）よりも上に配置されている。図１の符号５０は前席のドアを示している。

図２に、図１のII−II線に沿った断面を示す。図２は、アンテナ１７を通る水平面で縦板１２とアウターガーニッシュ１６をカットした断面である。図２には、センターピラー４の一部と前席用のドア５０の一部も描かれている。窓枠１１の縦板１２は、センターピラー４に対向している。

縦板１２には、サッシュ１８が固定されている。サッシュ１８は上下に延びる溝型の梁であり、窓ガラス１５の側縁に嵌合する。サッシュ１８は、ガラスランと呼ばれることもある。図２では窓ガラス１５を仮想線で描いてある。サッシュ１８の内側にはウエザーストリップが配置されるが、そのウエザーストリップの図示は省略した。

樹脂製のアウターガーニッシュ１６は、金属製の縦板１２とサッシュ１８を車両外側から覆い、それらを隠し、窓ガラスの縁の周辺の外観を良くする。

アウターガーニッシュ１６は裏面にリブ１６ａを有している。「裏面」とは車両内部側を向く面を意味する。リブ１６ａは、サッシュ１８の底板１８ａに接している。アウターガーニッシュ１６は、前端の裏側が両面テープ２２で縦板１２に接着されている。アウターガーニッシュ１６のリブ１６ａの先端と縦板１２とサッシュ１８で囲まれた隙間に封止材１９が充填されている。封止材１９は、サッシュ１８と縦板１２で囲まれた第１空間ＳＰ１から、アンテナ１７が配置されている第２空間ＳＰ２への水の浸入を阻止する。

封止材１９は、ゴム発泡体を主成分としたＦＩＰＧ（Formed In Place Gasket）であり、当初はゲル状である。ＦＩＰＧは、空気に触れると固化し、ガスケットとして機能する。当初ゲル状の封止材１９は接着剤を兼ねており、アウターガーニッシュ１６の後部は、封止材１９により縦板１２とサッシュ１８に固定される。

アウターガーニッシュ１６の前端には、ゴム製のウエザーストリップ２３が取り付けられている。ウエザーストリップ２３は、前席用のドア５０と後席用のドア１０の隙間から車内に水が浸入することを阻止する。

アウターガーニッシュ１６は、裏面にリブ１６ａを有している。リブ１６ａは、上下方向に延びている。リブ１６ａは、次の利点を与える。

図３に、アウターガーニッシュ１６をドア１０から離した断面図を示す。アウターガーニッシュ１６を取り付ける際、両面テープ２２と封止材１９（ゲル状）を縦板１２に取り付けた状態で、図３の太矢印線Ｃが示すように、リブ１６ａをサッシュ１８の底板１８ａに押し当てる。リブ１６ａをサッシュ１８に押し当てることで、アウターガーニッシュ１６の車両前後方向の位置が正確に定まる。アウターガーニッシュ１６をそのまま縦板１２に押し付けると、封止材１９が押しつぶされ、リブ１６ａの先端面とサッシュ１８と縦板１２で囲まれた隙間が封止される。アウターガーニッシュ１６の前側は両面テープ２２で縦板１２に固定される。

リブ１６ａを設けることで、封止材１９が占める隙間（リブ１６ａの先端と縦板１２の間の隙間）が狭められ、その隙間がしっかりと封止される。両面テープ２２と封止材１９によるアウターガーニッシュ１６の固定は、グロメットを用いる固定よりも簡単である。

図２に戻り、アンテナ１７を説明する。先に述べたように、アウターガーニッシュ１６と縦板１２の間の第２空間ＳＰ２にアンテナ１７が配置される。アンテナ１７は、ブラケット２１で縦板１２に固定される。アンテナ１７は、スマートキーの電波を受信するためのアンテナである。図２の太矢印線Ａは、車両外側のスマートキーから発せられる電波を模式的に示している。車両外側とアンテナ１７は、アウターガーニッシュ１６で仕切られているだけである。樹脂製のアウターガーニッシュ１６は電波を良く通す。アウターガーニッシュ１６はアンテナ１７を隠しつつ、車両外側の電波の受信を妨げない。

アンテナ１７は、金属製の縦板１２よりも車両外側に位置する。さらにアンテナ１７は、金属製のセンタ−ピラ−４よりも車両外側に位置する。図２の太い矢印線Ｂは、車内のノイズ電波を模式的に示している。車内のノイズ電波は、金属製のセンターピラー４と縦板１２に遮られる。アンテナ１７は車内のノイズ電波の影響を受け難い。

アンテナ１７が配置された第２空間ＳＰ２は、封止材１９で封止される。封止材１９は、アンテナ１７への水の付着を防止する。図１に示したように、アンテナ１７は、縦板１２の上下方向の中央よりも上に配置される。この特徴も、アンテナ１７を水から保護することに貢献する。

アンテナ１７は、ドア１０を開閉するヒンジ２９（図１参照）に近い側の縦板１２に配置される。ドアを閉めるときにアンテナ１７に加わる衝撃は小さい。

アンテナ１７に接続される電子回路は、スマートキーから送られる電波信号でドアを施錠／開錠する回路であってよい。アンテナ１７に接続される電子回路は、スマートキーが車両外部に位置することを確認する回路であってもよい。アンテナ１７に接続される電子回路は、車両外部から発信されるセキュリティに関する電波信号を処理する回路であってもよい。

以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。

２：自動車、 ４：センターピラー、 １０：ドア、 １１：窓枠、 １２、１４：縦板、 １３：上板、 １５：窓ガラス、 １６：アウターガーニッシュ、 １６ａ：リブ、 １７：アンテナ、 １８：サッシュ、 １８ａ：底板、 １９：封止材、 ２１：ブラケット、 ２２：両面テープ

Claims (3)

1. 自動車用のドアであり、
   窓ガラスを囲んでいる窓枠であって前記窓ガラスの側縁に沿って延びている縦板を有している窓枠と、
   前記縦板を自動車外側から覆っている樹脂製のアウターガーニッシュと、
   前記縦板と前記アウターガーニッシュの間に配置されているアンテナと、
   を備えているドア。
2. 前記アンテナは、ドア開閉ヒンジ側の前記縦板と前記アウターガーニッシュの間に配置されている、請求項１に記載のドア。
3. 前記アンテナは、前記縦板の上下方向の中央よりも上側に配置されている、請求項１または２に記載のドア。

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