JP2021141450A - イヤーピース及びイヤホン - Google Patents

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Abstract

【課題】サイズに集約を図りつつ、装着時に良好なフィット感を得ることができるイヤーピース及びイヤホンを提供する。【解決手段】傘部45には、サイズが互いに異なる第1から第3溝部50、55、60が傘部45の周方向に離間して規則的に設けられている。個々の溝部50、55、60は、傘部45の径方向内側に向かって窪んだV字形状を有し、傘部45の後端45aを起点として傘部45の前端45b側に向かって延出している。傘部45は、傘部45の前端45b側の領域であって、第1から第3溝部50、55、60がない第1領域R1と、傘部45の後端45a側の領域であって、第1から第3溝部50、55、60がある第2領域R2と、を備えている。傘部45の第2領域R2には、傘部45の外径が最大となる最大外径部が設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、イヤーピース及びイヤホンに関する。
特許文献1には、大きさが異なる複数の外耳道に対しても、1サイズで対応することできるイヤーピース及びイヤホンが開示されている。このイヤーピースは、円筒形状を有する本体部と、本体部の前端面から後端面側に向かって延長する傘部と、を有している。イヤーピースは、傘部が本体部方向に変形可能なように、傘部に形成された少なくとも1つの切り込み部を備えている。
特開2010−130517号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたイヤーピースは、切り込み部によってイヤーピース全体の強度が不足する。そのため、装着時に良好なフィット感を得ることができなかったり、装着初期のフィット感を持続できなかったりする可能性がある。
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、サイズの集約を図りつつ、良好なフィット感を得ることができるイヤーピース及びイヤホンを提供することにある。
1又はそれ以上の実施形態の第1の態様によれば、前端から後端まで貫通孔が形成された筒形状を有する基部と、基部の前端側に接続され、基部の外周を覆うように、基部の後端側に向かって延出した傘部と、傘部において周方向に離間して規則的に設けられ、サイズが互いに異なる複数の溝部と、を有し、複数の溝部のそれぞれは、傘部の径方向内側に向かって窪んだV字形状を有し、傘部の後端を起点として傘部の前端側に向かって延出し、傘部は、傘部の前端側の領域であって、複数の溝部がない第1領域と、傘部の後端側の領域であって、複数の溝部がある第2領域と、を備え、第2領域には、傘部の外径が最大となる最大外径部が設けられているイヤーピースが提供される。
1又はそれ以上の実施形態の第2の態様によれば、スピーカユニットを収容し、スピーカユニットの音放出面に合わせて音筒部が形成されている本体部と、音筒部に装着される、第1の態様に記載のイヤーピースと、を有するイヤホンが提供される。
本発明によれば、サイズの集約を図りつつ、良好なフィット感を得ることができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係るイヤホンを模式的に示す図である。 図2は、イヤーピースを前端側から眺めた斜視図である。 図3は、イヤーピースを後端側から眺めた斜視図である。 図4は、図1におけるb−b’線に沿ったイヤーピースの断面図である。 図5は、イヤーピースを後端側から眺めた背面図である。 図6は、図5における領域Cを拡大して示す説明図であって、第1溝部から第3溝部の詳細を示す説明図である。 図7は、イヤーピースを後端側から眺めた背面図であって、傘部における変形制御を説明する図である。 図8は、イヤーピースを側面から眺めた側面図であって、傘部における変形制御を説明する図である。 図9は、変形例に係る複数の溝部の形態を示す側面図である。
以下、実施形態に係るイヤーピース及びイヤホンについて説明する。以下の説明において、前後の各方向を、図1などの矢印方向で示す。この前後方向は、使用状態の姿勢における方向とは関係がなく、理解容易のため便宜的に規定したものである。
図1を参照し、イヤホン1を説明する。イヤホン1は、スピーカユニット(図示せず)を内部に収容する本体部2を備えている。本体部2の内部には、スピーカユニットの音放出面の前方側に、内部空間であるキャビティが形成されている。
本体部2には、スピーカユニットの音放出面に合わせて、音筒部3が形成されている。音筒部3は、例えば円筒形状を有している。音筒部3の横断面の外形形状は、円形に限定されず、楕円形又は多角形であってもよい。音筒部3の内部には、貫通孔が形成されており、音筒部3の貫通孔により、本体部2の内部のキャビティと外部空間とが連通される。
音筒部3の外周面には、イヤーピース4が取り付けられている。以下、図2から図6を参照し、イヤーピース4について説明する。
イヤーピース4は、柔軟性を有する材料によって形成されている。イヤーピース4の材料は、例えばエストラマ又はゴムである。イヤーピース4の材料がゴムである場合には、例えばシリコーンゴムを用いることができる。イヤーピース4は、基部40と、傘部45と、第1から第3溝部50、55、60とを有しており、基部40、傘部45及び第1から第3溝部50、55、60は一体に形成されている。
基部40は、前後方向に延在する筒形状を有している。基部40には、基部40の前端40bから基部40の後端40aまで貫通する貫通孔41が設けられている。基部40の軸方向は、前後方向と一致している。
貫通孔41を形成する内周面42は、後端40a側に位置する小径部42aと、前端40b側に位置し、小径部42aよりも内径が大きい大径部42bとで構成されている。小径部42aは、音筒部3と係合する係合孔として機能し、大径部42bは、音筒部3からの音を外部空間に出力する音孔として機能する。
小径部42aの内径は、音筒部3の外周面の外径と同じ、又は音筒部3の外周面の外径よりも僅かに小さく設定されている。このような内径の設定により、イヤーピース4は、音筒部3に係合したときにクリアランスがなく、設定により強嵌合となる。また、小径部42aと音筒部3とが密着し、空気の流通が遮断される。イヤーピース4は柔軟性を有するので、小径部42aが音筒部3に対して着脱自在に係合する。
傘部45は、基部40の前端40bに接続され、基部40の外側を覆うように、基部40の後端40a側に向かって延出している。傘部45は、基部40の前端40bの全周にわたって接続されており、基部40の外周面の全部を覆っている。図2から図6に示す例では、傘部45の前端45bは、基部40の前端40bに接続されているが、基部40の前端40bよりも後方にずれた位置に接続されてもよい。
傘部45は、傘部45の前端45bから傘部45の後端45aにかけて径が拡大する形状を有している。傘部45の後端45aは、傘部45の外径が最大となる最大外径部に対応している。傘部45の肉厚t1は、基部40の肉厚t0よりも薄く形成されている。すなわち、傘部45は、基部40よりも低剛性に構成されている。
図4に示すように、傘部45は、前後方向にかけて、第1領域R1及び第2領域R2の2つの領域で定義される。第1領域R1は、傘部45の前端45b側の領域であり、第1から第3溝部50、55、60がない領域である。第2領域R2は、傘部45の後端45a側の領域であり、第1から第3溝部50、55、60がある領域である。傘部45の外径が最大となる最大外径部は、第2領域R2に設けられている。第1領域R1の後端と第2領域R2の前端とは、シームレスに連続している。
第1領域R1と第2領域R2との境界は、傘部45における前後方向の中央に位置している。ただし、第1領域R1と第2領域R2との境界は、前後方向の中央位置に限定されない。第1領域R1と第2領域R2との境界は、イヤーピース4に求められる剛性度、装着時のフィット感、及び音漏れの抑制などの要素を考慮して決定されればよい。
第1から第3溝部50、55、60は、傘部45において周方向に離間して設けられている。第1から第3溝部50、55、60は、サイズが互いに異なる点において相違するが、基本的な形状は同一である。そこで、まずは第1溝部50の構成を説明し、その後、第2及び第3溝部55、60の構成を説明する。
第1溝部50は、傘部45の径方向内側に向かって窪んだV字形状を有している。周方向に沿って傘部45を観察した場合、第1溝部50が設定される位置では、傘部45に対して、第1溝部50の溝幅Wg1に対応する分断領域が設定される。ただし、第1溝部50は傘部45に対して一体に設けられているため、傘部45は第1溝部50を介して構造的に連続している。これにより、イヤーピース4全体の強度が確保される。
第1溝部50は、傘部45の後端45aを基点として、傘部45の前端45b側に向かって延出している。本実施形態において、第1溝部50は、基部40の軸方向(前後方向)に沿って直線状に延出している。傘部45の後端45aからの距離である第1溝部50の長さL1は、第1溝部50が第2領域R2の範囲内に収まるように設定されている。すなわち、第1溝部50は、第2領域R2内に設けられており、第1溝部50の前端は、第1領域R1には到達していない。
図6に示すように、第1溝部50は、傘部45の後端45aから傘部45の前端45b側に向かって連続する谷線51と、それぞれが谷線51に向かって落ち込んだ一対の溝壁52とで構成されている。一対の溝壁52は、谷線51を境に対称に形成されている。
第1溝部50の深さd1は、第1溝部50の後端から第1溝部50の前端に向かうほど浅くなっている。後端における第1溝部50の深さd1は最も深く、前端における第1溝部50の深さd1はゼロとなる。同様に、第1溝部50の溝幅Wg1は、第1溝部50の後端から第1溝部50の前端に向かうほど狭くなっている。
一対の溝壁52の肉厚t2は、傘部45の肉厚t1よりも薄く形成されている。すなわち、第1溝部50は、傘部45よりも低剛性に構成されている。溝壁52の肉厚t2は、溝壁52の全域において均一となるように設定されている。また、溝壁52は、横断面形状が直線の辺となるように設定されている。
第2及び第3溝部55、60のそれぞれは、基本的な構成において第1溝部50と同様であり、サイズが異なる点において相違する。サイズとは、傘部45の後端45aからの距離である長さ、及び溝の深さである。
第2溝部55は、第1溝部50に対して隣接する位置に配置されている。例えば、傘部45を後端45a側から眺めた状態において、第2溝部55は、例えば第1溝部50から時計回り方向に30°回転した位置に設けられる。図6に示すように、第2溝部55は、傘部45の後端45aから傘部45の前端45b側に向かって連続する谷線56と、それぞれが谷線56に向かって落ち込んだ一対の溝壁57とで構成されている。
傘部45の後端45aから距離である第2溝部55の長さL2は、第1溝部50の長さL1よりも短く設定されている。第2溝部55の長さL2が第1溝部50の長さL1よりも短いので、当然に、第2溝部55も第2領域R2内に存在する。また、溝の深さが最大となる傘部45の後端45aにおいて、第2溝部55の深さd2は、第1溝部50の深さd1よりも浅く設定されている。
第3溝部60は、第2溝部55に対して隣接し、第1溝部50とは逆側となる位置に配置されている。例えば、傘部45を後端45a側から眺めた状態において、第3溝部60は、例えば第2溝部55から時計回り方向に30°だけ回転した位置に設けられる。図6に示すように、第3溝部60は、傘部45の後端45aから傘部45の前端45b側に向かって連続する谷線61と、それぞれが谷線61に向かって落ち込んだ一対の溝壁62とで構成されている。
傘部45の後端45aから距離である第3溝部60の長さL3は、第1溝部50の長さL1及び第2溝部55の長さL2よりも短く設定されている。第3溝部60の長さL3が第1及び第2溝部50、55の長さL1、L2よりも短いので、当然に、第3溝部60も第2領域R2内に存在する。また、溝の深さが最大となる傘部45の後端45aにおいて、第3溝部60の深さd3は、第1及び第2溝部50、55の深さd1、d2よりも浅く設定されている。
サイズが互いに異なる第1から第3溝部50、55、60を1つの溝セットとした場合、傘部45には、90°間隔で4個の溝セットが設けられている。4個の溝セットのうち、傘部45の中心軸を隔てて対向する一対の溝セットは、この傘部45の中心を軸として点対称となるように構成されている。換言すれば、傘部45には、傘部45の中心を軸として点対称となる一対の溝セットが2組設けられている。
このような構成からなる第1から第3溝部50、55、60では、第3溝部60、第2溝部55、第1溝部50の順番で、溝が長くなっている。同様に、第3溝部60、第2溝部55、第1溝部50の順番で、溝が深くなっている。溝が長い程、又は、溝が深い程、溝壁(肉厚の薄い部位)の割合が増えるため、剛性が低くなる。
したがって、第3溝部60よりも第2溝部55の方が低剛性となり、さらには、第2溝部55よりも第1溝部50の方が低剛性となる。換言すれば、第2溝部55は、第1溝部50よりも溝形状(V字形状)を保持する力が強く、第3溝部60は、第2溝部55よりも溝形状を保持する力が強くなる。第1から第3溝部50、55、60の長さL1、L2、L3、及び深さd1、d2、d3は、後述する傘部45の変形制御を実現することができるように、予め設定されている。
また、イヤーピース4において、傘部45に設定される第1から第3溝部50、55、60の各溝幅は、例えば、以下に示す数式で定義される。
(数式1)
Wgm=(Lcn−Lcm)÷N
図5に示すように、数式1において、Wgmは、1つの溝セットに含まれる第1から第3溝部50、55、60のうち、傘部45の最大外径部に対応する溝幅Wg1、Wg2、Wg3の合計値である。Lcnは、外力が作用していない通常状態での傘部45の最大外径部における円周長である。Lcmは、統計などを利用して外耳道の内径が小さいと見做せる基準的なユーザをシミュレーションし、このユーザが良好なフィット感を得ることができる、傘部45の最大外径部における円周長の理想値である。Nは、傘部45に設けられる溝セットの個数である。
このように、傘部45の第2領域R2には、傘部45の周方向にかけて第1から第3溝部50、55、60が設けられている。これにより、イヤーピース4の外耳道内への挿入において、傘部45の変形が適切に制御される。以下、傘部45の変形制御について、図7及び図8を参照して説明する。
図7及び図8において、(a)は内径が大きい外耳道を想定した傘部45の変形制御を示し、(b)は内径が中程度の外耳道を想定した傘部45の変形制御を示し、(c)は内径が小さい外耳道を想定した傘部45の変形制御を示す。
イヤーピース4を外耳道に挿入すると、傘部45の外径よりも外耳道の内径の方が小さいので、傘部45は窄まるように変形する。すなわち、この変形は、傘部45が外耳道の内壁から受ける縮径方向の力によって生じる。傘部45の径は、前端45bから後端45aにかけて拡大しており、傘部45の後端45a側ほど強い力を受ける。
傘部45が縮径方向の力を受けると、傘部45は、径方向内側へと変形する。傘部45が径方向内側へと変形すると、径に比例する傘部45の円周長は実質的に減少するため、傘部45には、周方向への応力が発生する。一方で、傘部45の後端45a側の領域である第2領域R2には、第1から第3溝部50、55、60が設けられている。第1から第3溝部50、55、60は、傘部45に比べて剛性が低いので、周方向への応力を受けると、第1から第3溝部50、55、60が優先的に変形する。
また、第1から第3溝部50、55、60の中では、第1溝部50が溝形状を保持する力が最も弱いので、第1溝部50が、第2及び第3溝部55、60よりも先行して変形する。具体的には、第1溝部50は、溝壁52同士が閉じるように変形する。第1溝部50の底部には谷線51が存在しているために、個々の溝壁52は、谷線51を中心に対称的に変形する。第1溝部50の変形は、各溝セットにおいてはそれぞれ発生する。
第1溝部50が閉じることで、傘部45の円周長の減少を吸収することができる。したがって、傘部45の周方向に撓みを発生させることなく、傘部45は径方向内側へと整然と変形することができる。外耳道の内径が大きい場合、傘部45が外耳道から受ける縮径方向の力は、相対的に弱い。この場合、図7(a)及び図8(a)に示すように、第1から第3溝部50、55、60のうち、第1溝部50だけが閉じた状態となる。
つぎに、外耳道の内径が中程度の場合には、傘部45が外耳道から受ける縮径方向の力は、外耳道の内径が大きい場合よりも相対的に大きくなる。縮径方向の力を受けると、第1溝部50が閉じるように変形するが、縮径方向の力が相対的に大きい場合には、第1溝部50の変形だけでは足りない。第2溝部55が溝形状を保持する力は、第1溝部50に次いで弱いので、第1溝部50に続き第2溝部55が変形する。具体的には、第2溝部55は、溝壁57同士が閉じるように変形する。第2溝部55の底部には谷線56が存在しているために、個々の溝壁57は、谷線56を中心に対称的に変形する。第2溝部55の変形も、各溝セットにおいてそれぞれ発生する。
第1溝部50に次いで第2溝部55が閉じることで、傘部45が径方向内側へと積極的に変形することができる。このため、図7(a)及び図8(a)に示す傘部45の外径と、図7(b)及び図8(b)に示す傘部45の外径には、外径差Δd1が発生する。言い換えると、外径差Δd1は、図7(a)及び図8(a)の傘部45の直径daと、図7(b)及び図8(b)の傘部45の直径dbとの差分になる。
この外径差Δd1により、傘部45の外径が相対的に小さくなるので、外耳道の内径が中程度の場合であっても、イヤーピース4の形状が外耳道の形状に追従することになる。この際、第1及び第2溝部50、55が閉じることで、傘部45の円周長の減少を吸収することができる。このため、傘部45の周方向に撓みなどの不要な変形を発生させることなく、傘部45は、径方向内側へと整然と変形することができる。
さらに、外耳道の内径が小さい場合には、傘部45が外耳道から受ける縮径方向の力は、外耳道の内径が中程度の場合よりも相対的に大きくなる。縮径方向の力を受けると、第1及び第2溝部50、55が閉じるように順番に変形するが、縮径方向の力が相対的に大きい場合には、第1及び第2溝部50、55の変形だけでは足りない。これにより、溝形状を保持する力が最も強い第3溝部60が最後に変形する。具体的には、第3溝部60は、溝壁62同士が閉じるように変形する。第3溝部60の底部には谷線61が存在しているために、個々の溝壁62は、谷線61を中心に対称的に変形する。第3溝部60の変形も、各溝セットにおいてそれぞれ発生する。
第1溝部50及び第2溝部55に次いで第3溝部60が閉じることで、傘部45が径方向内側へと積極的に変形することができる。このため、図7(b)及び図8(b)に示す傘部45の外径と、図7(c)及び図8(c)に示す傘部45の外径には、外径差Δd2が発生する。言い換えると、外径差Δd1は、図7(b)及び図8(b)の傘部45の直径dbと、図7(c)及び図8(c)の傘部45の直径dcの差分になる。
この外径差Δd2により、傘部45の外径が相対的に小さくなるので、外耳道の内径が小さい場合であっても、イヤーピース4の形状が外耳道の形状に追従することになる。この際、第1から第3溝部50、55、60が閉じることで、傘部45の円周長の減少を吸収することができる。このため、傘部45の周方向に撓みなどの不要な変形を発生させることなく、傘部45が径方向内側へと整然と変形することができる。
このように本実施形態において、傘部45には、サイズが互いに異なる第1から第3溝部50、55、60が傘部45の周方向に離間して設けられている。第1から第3溝部50、55、60は、傘部45の径方向内側に向かって窪んだV字形状を有し、傘部45の後端45aを起点として傘部45の前端45b側に向かって延出している。傘部45は、傘部45の前端45b側の領域であって、第1から第3溝部50、55、60がない第1領域R1と、傘部45の後端45a側の領域であって、第1から第3溝部50、55、60がある第2領域R2と、を備えている。傘部45の第2領域R2には、傘部45の外径が最大となる最大外径部が設けられている。
この構成によれば、第1から第3溝部50、55、60により傘部45が周方向にかけて分断されている。イヤーピース4の外耳道への挿入にともない、傘部45に縮径方向の力が作用する。縮径方向の力が作用し、第1から第3溝部50、55、60が閉じることで、傘部45を径方向内側へと整然と変形せることができる。この際、溝形状の保持力が相対的に弱い第1溝部50から溝形状の保持力が相対的に強い第3溝部60にかけて、第1から第3溝部50、55、60が順番に閉じていくことで、傘部45の変形量を柔軟に調整することができる。これにより、傘部45は、ユーザの外耳道の大きさに合わせて径方向内側に柔軟に変形することができる。その結果、イヤーピース4は、ユーザの外耳道のばらつきに対応するために複数のサイズを用意せずに、サイズを集約することができる。
第1から第3溝部50、55、60は、傘部45の前方に向かって延出しているため、第1から第3溝部50、55、60が隙間となり、傘部45よりも前方の空間と傘部よりも後方の空間との間に空気の流れが発生してしまうことがある。この傾向は、サイズの大きな溝部ほど顕著となる。しかしながら、本実施形態によれば、サイズの大きい溝部ほど、溝形状の保持力が相対的に弱くなっている。そのため、傘部45に縮径方向の力が作用した場合、サイズの大きい溝部から優先的に閉じていくこととなる。これにより、空気の流れを発生させる可能性が高い溝部を優先的に閉じることになるので、音漏れの抑制を効果的に実現することができる。
また、第1から第3溝部50、55、60がV字形状を有することから、第1から第3溝部50、55、60は、谷線51、56、61を境に溝幅Wg1、Wg2、Wg3が減少するように変形する。これにより、第1から第3溝部50、55、60が一定の形態で変形することになるので、傘部45が変形するときの形態もコントロールすることができる。加えて、第1から第3溝部50、55、60が閉じることで、傘部45の円周長を吸収することができるので、傘部45の周方向に撓みを発生させることなく、傘部45が径方向内側へと整然と変形することができる。これにより、外耳道に対する傘部45の密着性が上がるので、装着時のフィット感、そして音漏れ抑制を良好に得ることができる。
傘部45が径方向内側に変形した場合、傘部45の弾性によって、傘部45には、径方向外側に戻ろうとする反発力のみならず、第1から第3溝部50、55、60が周方向に沿って開こうとする反発力が働く。これらの反発力により、傘部45は外耳道に対して良好に密着することができる。その結果、装着時のフィット感を良好に得ることができるばかりではなく、装着後の保持力が持続的に担保され、イヤホン1の脱落を抑制することができる。
また、第1から第3溝部50、55、60は、傘部45の第2領域R2の範囲に設けられ、第1領域R1まで到達していない。このため、第1領域R1は、第2領域R2に比べて剛性が高くなる。これにより、イヤーピース4に対して形状的な安定性を付与することができるので、外耳道に対するイヤーピース4の保持力を得ることができる。さらに、外耳道の内径と、傘部45の外径との差が小さい部分、すなわち、第1領域R1が外耳道にしっかりと挿入されることとなり、外耳道に対するイヤーピース4の保持力を確保することができる。
傘部45の第1領域R1のうちの前端側は、外耳道の内壁と接触しない部位となる。外耳道の内壁と接触しない部位まで第1から第3溝部50、55、60が到達していると、第1から第3溝部50、55、60を介して空気の流通が生じ、音漏れの原因となる。しかしながら、本実施形態に係る第1から第3溝部50、55、60は、傘部45の第1領域R1まで到達していない。傘部45のうち、外耳道と密着する範囲に限定して溝部が設けられているので、音漏れを効果的に抑制することができる。
本実施形態において、第1から第3溝部50、55、60の深さd1、d2、d3は、後端から前端に向かうほど浅くなっているので、外耳道の内径と傘部45の外径との差が小さい部分において深さd1、d2、d3が浅くなる。これにより、第1から第3溝部50、55、60を介して空気が流通する事態を抑制することができるので、音漏れの発生を抑制することができる。
本実施形態において、傘部45は、傘部45の前端45bから傘部45の後端45aにかけて径が拡大する形状を有している。外耳道の内径が大きなユーザであっても、外耳道に対する密着性を得ることができるので、イヤーピース4のサイズを集約することができる。
本実施形態において、一対の溝壁52、57、62の肉厚t2は、傘部45の肉厚t1よりも薄く設定されている。第1から第3溝部50、55、60は、傘部45に比べて剛性が低いので、傘部45の変形に先立ち、第1から第3溝部50、55、60が優先的に変形する。この変形により、第1から第3溝部50、55、60が閉じることで、傘部45の円周長の減少を吸収することができる。したがって、傘部45の周方向に撓みなどを発生させることなく、傘部45を径方向内側へと整然と変形させることができる。これにより、外耳道に対する傘部45の密着性が上がるので、装着時及び装着後のフィット感を良好に得ることができる。
なお、上述した実施形態では、第1から第3溝部50、55、60は、径方向内側へと窪んだV字形状に形成され、個々の溝壁52、57、62は、横断面形状が直線となるように設定されている。しかしながら、第1から第3溝部50、55、60のV字形状は、個々の溝壁52、57、62が谷線51、56、61へ向かって落ち込むような形態であればよく、溝壁52、57、62の横断面形状が直線である必要はない。例えば、溝壁52、57、62の横断面形状は、中間部で屈曲するような形状であってもよいし、曲線を含むような形状であってもよく、このような形態であってもV字形状に含むものとする。
また、上述した実施形態では、第1から第3溝部50、55、60の肉厚t1が均一に設定されている。しかしながら、サイズの大きい溝部50、55、60ほど、肉厚t1が薄くなるように設定されてもよい。これにより、サイズの大きい溝部50、55、60ほど剛性が低くなるので、傘部45に縮径方向の力が作用した場合、サイズの大きい溝部50、55、60を優先的に変形させることができる。これにより、サイズが異なる溝部50、55、60を順序よく閉じることができる。
また、上述した実施形態では、外耳道の内径として、大、中、小の3つのモデルを想定し、それぞれのモデルに対応して、第1から第3溝部50、55、60が順番に閉じる形態を説明した。しかしながら、この形態ではあくまでも一つの例であり、第1から第3溝部50、55、60に対するサイズ(深さ及び長さ)の設定により、第1から第3溝部50、55、60が閉じる形態を、様々なバリエーションで実現することができる。例えば、外耳道の内径が大きいときに、第1溝部50が中間まで閉じ、外耳道の内径が中位のときに、第1溝部50が全閉し、かつ、第2溝部55が中間まで閉じる。そして、外耳道の内径が小さいときに、第1から第3溝部50、55、60の全部が閉じるといった形態であってもよい。
上述した実施形態では、サイズが互いに異なる複数の溝部は、基部40の軸方向に沿って直線状に延出している。しかしながら、複数の溝部の形状は、これに限らない。例えば、サイズが互いに異なる複数の溝部は、傘部の前端側に向かうほど周方向に位置がずれるように、螺旋状に延出してもよい。例えば、図9には、第1及び第2溝部70、75を1つの溝セットとするイヤーピース4が例示されている。個々の溝部70、75は、傘部45の後端45aを起点として傘部45の前端45b側に向かい、且つ、傘部45の前端45b側に向かうほど周方向に位置がずれるように螺旋状に設けられている。この場合において、第1溝部70は、第2溝部75よりも長くなるように設定されている。図9には、サイズが異なる形態として溝の長さを例示したが、溝の深さが異なってもよいし、溝の長さ及び深さの両方が異なってもよい。
以上詳述した実施形態は、上述の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形した変形例としてもよい。
上述した実施形態では、傘部の最大外径部は、傘部の第2領域に存在すればよく、傘部の後端に限らない。第2領域の範囲であれば、傘部の後端より前端側に片寄った位置に最大外径部が存在してもよい。縮径方向への変形特性に優れる第2領域に最大外径部が存在することで、イヤーピースのサイズを集約することができる。
上述した実施形態では、溝部のサイズが異なる形態として、溝部の深さ及び溝部の長さの双方が異なる形態を説明した。しかしながら、溝部のサイズが異なる形態は、溝部の深さ及び溝部の長さの一方が異なる形態であってもよい。
上述した実施形態では、1つの溝セットとして、サイズが互いに異なる3つの溝部を例示したが、これに限らない。1つの溝セットは、サイズが互いに異なる複数の溝部を含み、これらの溝部が規則的に配置される構成であってもよい。
また、サイズが互いに異なる複数の溝部とは、ある溝部が、残余の溝部のうち少なくとも1つの溝部に対してサイズが異なっていればよく、全ての溝部においてサイズが異なっている状態のみを指すものではない。したがって、1つの溝セットは、サイズが同一の2つ以上の溝部と、この2つ以上の溝部とはサイズが異なる1つ以上の溝部とを含み、これらの3つ以上の溝部が規則的に配置される構成であってもよい。また、複数の溝部が規則的に設けられるとは、傘部の周方向にかけてサイズが順番に大きくなる又は小さくなるような状態のみならず、傘部の周方向にかけて、特定に規則に従ってサイズが変化するような状態も広く含むものとする。
1 イヤホン
2 本体部
3 音筒部
4 イヤーピース
40 基部
40a 後端
40b 前端
41 貫通孔
42 内周面
42a 小径部
42b 大径部
45 傘部
45a 後端
45b 前端
50 第1溝部
51 谷線
52 溝壁
55 第2溝部
56 谷線
57 溝壁
60 第3溝部
61 谷線
62 溝壁

Claims (10)

  1. 前端から後端まで貫通孔が形成された筒形状を有する基部と、
    前記基部の前端側に接続され、前記基部の外周を覆うように、前記基部の後端側に向かって延出した傘部と、
    前記傘部において周方向に離間して規則的に設けられ、サイズが互いに異なる複数の溝部と、を有し、
    前記複数の溝部のそれぞれは、
    前記傘部の径方向内側に向かって窪んだV字形状を有し、前記傘部の後端を起点として前記傘部の前端側に向かって延出し、
    前記傘部は、
    前記傘部の前端側の領域であって、前記複数の溝部がない第1領域と、
    前記傘部の後端側の領域であって、前記複数の溝部がある第2領域と、を備え、
    前記第2領域には、前記傘部の外径が最大となる最大外径部が設けられている
    イヤーピース。
  2. 前記複数の溝部は、前記サイズとして、溝の深さが互いに異なる
    請求項1記載のイヤーピース。
  3. 前記複数の溝部は、前記サイズとして、前記傘部の後端からの長さが互いに異なる
    請求項1又は2記載のイヤーピース。
  4. 前記複数の溝部のそれぞれは、前記基部の軸方向に沿って直線状に延出する
    請求項1から3のいずれか一項記載のイヤーピース。
  5. 前記複数の溝部のそれぞれは、前記溝部の後端から前記溝部の前端に向かうほど深さが浅くなる
    請求項1から4のいずれか一項記載のイヤーピース。
  6. 前記傘部は、前記傘部の前端から前記傘部の後端にかけて径が拡大する形状を有する
    請求項1から5のいずれか一項記載のイヤーピース。
  7. 前記複数の溝部のそれぞれは、
    前記傘部の後端から前記傘部の前端側に向かって連続する谷線と、
    それぞれが前記谷線に向かって落ち込んだ一対の溝壁と、を有し、
    前記一対の溝壁の肉厚は、前記傘部の肉厚よりも薄い
    請求項1から6のいずれか一項記載のイヤーピース。
  8. 前記サイズが互いに異なる前記複数の溝部を1つの溝セットとした場合、前記溝セットが、前記傘部の周方向に沿って等間隔で複数設けられている
    請求項1から7のいずれか一項記載のイヤーピース。
  9. 前記サイズが互いに異なる前記複数の溝部を1つの溝セットとした場合、前記傘部の中心を軸として点対称となる一対の溝セットが、前記傘部に1組以上設けられている
    請求項1から8のいずれか一項記載のイヤーピース。
  10. スピーカユニットを収容し、前記スピーカユニットの音放出面に合わせて音筒部が形成されている本体部と、
    前記音筒部に装着される、請求項1から9のいずれか一項記載のイヤーピースと、
    を有するイヤホン。
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