JP7151094B2 - イヤホン及びサポータ - Google Patents
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Description
しかしながら、サポータは、柔軟性が高いほど、弾性変形しやすくなり耳介内壁への押圧力が小さくなり、イヤホンの装着性向上が図りにくくなる。
また、サポータは、柔軟性が低いほど、弾性変形しにくくなり耳介内壁への押圧力が高まってイヤホンの装着性は向上する一方、装着に伴い耳介が痛くなる虞がある。
さらに、耳介の形状には個人差があるため、サポータの柔軟性を、使用者の耳介形状によらず適合するよう設定することが難しく、イヤホンの耳介への装着性向上のために何らかの工夫が望まれていた。
1)本体部と、
前記本体部の径方向外方に突出し、前記本体部を耳介の耳甲介腔に装着した装着状態において前記耳介の内壁を当接付勢可能な腕部と、を備え、
前記腕部は、他の部位よりも容易に変形する容易変形部を有し、
前記容易変形部は、他の部位よりも断面積を小さくする溝部であり、前記溝部の開口幅は、前記溝部の深さよりも小さいイヤホンである。
2)イヤホンの本体部に着脱自在であって、
前記本体部に取り付けられ、前記本体部が耳介の耳甲介腔に装着された装着状態で前記耳介の内壁を当接付勢可能な腕部を備え、
前記腕部は、他の部位よりも容易に変形する容易変形部を有し、
前記容易変形部は、他の部位よりも断面積を小さくする溝部であり、前記溝部の開口幅は、前記溝部の深さよりも小さいサポータである。
図1は、実施例1のイヤホンA51を示す斜視図である。イヤホンA51は、いわゆる耳栓型(カナル型)であって左耳用である。
イヤホンA51は、内部にスピーカユニット35を収容した略円筒状の本体部31、及び一端側がスピーカユニット35に接続されブッシング32を介して本体部31から引き出されたコード33を有する。
本体部31の一端側には、本体部31の軸線CL31に対して耳介装着時の顔側に傾いて突出する音筒部31aが形成されている。
音筒部31aの先端には、外耳道に挿入されるイヤーピース34が着脱自在に取り付けられている。
以下の説明において、軸線CL31方向の、音筒部31aが突出している側をIN、反対側をOUTと便宜的に称する(図1参照)。
サポータA1は、本体部31に周知の着脱構造で装着される。例えば、強嵌合式、スナップフィット式、バヨネット式などである。
図2は、本体部31に対するサポータA1及びイヤーピース34の組み付けを示す組立図であり、図3は、サポータA1単体の斜視図であり、図4は、イヤホンA51を耳介60に装着した使用状態を示す図である。
詳しくは、サポータA1を本体部31に取り付けた状態で、腕部A345は、本体部31の径方向に沿って立ち上がる根本部A3と、根本部A3の外方に向かう端部から使用時に顔側となる方向に概ね90°屈曲した中間部A4と、中間部A4の外方に向かう端部からほぼ直状に延びる先端部A5と、を有している。
中間部A4の曲率は、耳介60の対耳輪66に沿うように設定されている。
この例において、溝部A6の深さは、腕部A345において各溝部A6のある部位の厚さの概ね半分程度とされ、開口幅Waは、厚さの1/8程度とされている。
値P以上の範囲は、溝部A6の開口部が閉じて接触している状態であり(開口幅Waがゼロ)、このときの変形角度は、上述のように溝部A6の深さが腕部A345における溝部A6近傍部位の厚さの半分で開口幅Waが厚さの1/8程度の場合、約15°となる。
これにより、根本部A3に設けられたOUT側に開口する溝部A6aについては、中間部A4が根本部A3に対してOUT側に相対変形した場合にこの2段階の振る舞いをする。
一方、中間部A4と先端部A5の境界付近に設けられたIN側に開口する溝部A6bについては、中間部A4に対し先端部A5がIN側に相対変形した場合にこの2段階の振る舞いをする。
図4は、耳介60にイヤホンA51を装着して安定する姿勢とした状態を示している。以下、この状態を装着状態と称する。
イヤホンA51は、耳介60への装着に際し、図2に示されるように、本体部31にはサポータA1を係合装着し、音筒部31aにイヤーピース34を嵌合装着させておく。
イヤーピース34は、図4で不図示の外耳道内に挿入されている。
サポータA1の基部A2は、耳介60の耳甲介腔60Dに収まり、腕部A345は、耳甲介腔60Dから耳輪脚62を超えて上方の耳甲介舟60Cを通り対耳輪下脚65の後側の内壁65aに付勢当接し、先端部A5が耳輪脚62の内側の内壁62aを前方に押すようにして耳介60内に収められる。
図5に示されるように、イヤホンA51の本体部31を装着のために指でIN方向に押し込むと、腕部A345の根本部A3から中間部A4にかけては耳輪脚62によりOUT側に押され変形する(矢印DRa参照)。
しかし、変形量が増加して溝部A6aにおけるP値に達すると、OUT側に開口するよう設けられている溝部A6aの開口が図5に示されるように閉じて接触し、急激に変形抵抗が増し変形が妨げられる。
この変形量が増加して溝部A6bにおけるP値に達すると、IN側に開口するよう設けられている溝部A6bが閉じ、急激に変形抵抗が増し変形が妨げられる。
このように、腕部A345は、装着において、変形量に応じて溝部A6a,A6bが閉じて弾性変形しにくい状態となるため、本体部31を、装着状態でしっかり耳介60から外れないように維持でき、装着性及び装着感が向上する。
溝部A6a,A6bがP値に達するまでは、実質的に軟らかい弾性変形しやすい状態であるから、腕部A345は、種々の耳介形状に適合して耳介内へはめ込まれる。
図6は、実施例2のイヤホンB51を示す斜視図である。イヤホンB51は、いわゆる耳栓型(カナル型)であって左耳用である。
イヤホンB51は、イヤホンA51におけるサポータA1をサポータB1に置き換えたものであり、他の部分はイヤホンA51と同じである。そこで、実施例1と異なるサポータB1について図6~図8を参照して説明する。
OUT及びINは、実施例1と同じであり、図6に示されるように規定する。
腕部B345は、サポータA1から溝部A6を除いたものであって、根本側から順に根本部B3と中間部B4と先端部B5とを有する。
詳しくは、サポータB1を本体部31に取り付けた状態で、腕部B345は、根本側から本体部31から径方向外方に延び出る根本部B3と、根本部B3の外方に向かう端部から使用時に顔側となる方向に概ね90°屈曲した中間部B4と、中間部B4の外方に向かう端部からほぼ直状に延びる先端部B5と、を有している。
中間部B4の曲率は、耳介60の対耳輪66に沿うように設定されている。
溝部B8は、OUT側からIN側に向かって切り込まれており、壁部B7の厚さの概ね2/3の深さを有し、基部B2の周方向に沿って壁部B7の全幅にわたり形成されている。
図9は、耳介60にイヤホンB51を装着して安定する姿勢とした装着状態を示している。
イヤホンB51は、耳介60への装着に際し、図7に示されるように、本体部31にはサポータB1を係合装着し、音筒部31aにイヤーピース34を嵌合装着させておく。サポータB1は、サポータA1と同様に、本体部31に周知の着脱構造で装着される。
この装着において、壁部B7は、対耳珠67を乗り越える際に、図10に示されるように、OUT側に倒されるように変形するが、溝部B8の開口が閉じ、変形抵抗が急増するため、弾性変形しにくい状態となる。
そのため、腕部B345は、上方に押されて対耳輪下脚65の内壁65a(下側の壁)しっかり押圧し、耳介形状によらず良好な収容位置が確保される。
また、壁部B7は、対耳珠67を乗り越えて耳甲介腔60Dに収まった後も、腕部B345に付与される対耳輪下脚65の内壁からの反発力に基づいて下方に押されるが、溝部B8が閉じて弾性変形しにくい状態になるため、安定した姿勢で装着される。
このように、イヤホンB51は、サポータB1が壁部B7を有することにより、種々の形状の耳介に適合して装着性が向上する。
図11は、実施例3のイヤホンC51を示す斜視図である。イヤホンC51は、いわゆる耳栓型(カナル型)であって左耳用である。
イヤホンC51は、イヤホンA51におけるサポータA1をサポータC1に置き換えたものであり、他の部分はイヤホンC51と同じである。そこで、実施例1と異なるサポータC1について図11~図14を参照して説明する。
OUT及びINは、実施例1と同じであり、図11に示されるように規定する。
詳しくは、サポータC1を本体部31に取り付けた状態で、腕部C345は、本体部31から径方向外方に延び出る根本部C3と、根本部C3に接続して使用時に顔側となる方向に緩やかに湾曲する中間部C4と、中間部C4に接続し、先端側が本体部31を向くように逆U字状に屈曲した先端部C5と、を有している。
先端部C5の曲率は、耳介60の耳輪63の内側の壁に沿うように設定されている。
溝の深さは例えば腕部C345の厚さの半分程度である。また、図13に示されるように、開口の幅を開口幅Wcとする。溝部C6の延在方向及び切り込み方向は、この例において、腕部C345における溝部C6が設けられた部位の軸線に直交する方向とされるが、斜交していてもよい。
この例において、溝部C6の深さは、腕部C345における各溝部C6近傍部位の厚さの概ね半分程度とされ、開口幅Wcは、厚さの1/8程度とされている。
イヤホンC51は、耳介60への装着に際し、図12に示されるように、本体部31にはサポータC1を係合装着し、音筒部31aにイヤーピース34を嵌合装着させておく。
イヤーピース34は、図14で不図示であるが、外耳道内に挿入されている。
サポータC1の基部C2は、耳介60の耳甲介腔60Dに収まり、腕部C345は、耳甲介腔60Dから耳輪脚62及び対耳輪66を超えて上方の舟状窩60Aに至り、先端部C5が、耳輪63の内側の内壁63aに沿って湾曲して耳輪脚62に達することで耳介60内に収められる。
これにより、溝部C6aは、変形量がP値に達して開口が閉じ、変形抵抗が増して弾性変形しにくい状態となる。一方、溝部C6cは、先端部C5が耳輪63の内側の壁に沿って湾曲し耳輪脚62に達して踏ん張ることから、開口が閉じる方向に変形し、変形量がP値に達して開口が閉じると、変形抵抗がまして弾性変形しにくい状態となる。
従って、腕部C345は、耳介60への装着において、変形量に応じて弾性変形しにくい状態となり、本体部31を、装着状態でしっかり耳介60から外れないように維持できる。
このように、腕部C345は、装着において、変形量に応じて溝部C6a~C6cが閉じて弾性変形しにくい状態となるため、本体部31を、装着状態でしっかり耳介60から外れないように維持でき、装着性及び装着感が向上する。
溝部C6a~C6cがP値に達するまでは、実質的に軟らかい弾性変形しやすい状態であるから、腕部C345は、種々の耳介形状に適合して耳介内へはめ込まれる。
実施例1~3のように、サポータA1~C1を交換可能とすることで、使用用途や使用者の好みに応じてサポータを選択できるので利便性が向上する。
イヤホンA51~A53は、カナル型に限定されるものではない。音筒部31a及びイヤーピース34を備えずに本体部31のみを耳介60内に収めて使用するいわゆるインナーイヤー型であってもよい。
実施例2の壁部B7は、実施例1及び実施例3に適用してもよい。
容易変形部の例として断面積を他の部位よりも小さくする溝部A6,B6,C6を説明したが、これらに限定されない。例えば、他の部位よりも軟らかい材料で形成した部分としてもよい。
A2 基部、 A345 腕部、 A3 根本部、 A4 中間部
A5 先端部、 A6,A6a,A6b 溝部
A51,B51,C51 イヤホン
B1 サポータ
B2 基部、 B345 腕部、 B3 根本部、 B4 中間部
B5 先端部、 B345 腕部、 B7 壁部、 B8 溝部
C1 サポータ
C2 基部、 C345 腕部、 C3 根本部、 C4 中間部
C5 先端部、 C6,C6a,C6b,C6c溝部
CL31 軸線
Wa,Wc 開口幅
31 本体部、 31a 音筒部
32 ブッシング
33 コード
34 イヤーピース
35 スピーカユニット
60 耳介
60A 舟状窩、 60C 耳甲介舟、 60D 耳甲介腔
60E 珠間切痕
62 耳輪脚、 62a 内壁
63 耳輪、 63a 内壁
65 対耳輪下脚、 65a 内壁
66 対耳輪
67 対耳珠
Claims (4)
- 本体部と、
前記本体部の径方向外方に突出し、前記本体部を耳介の耳甲介腔に装着した装着状態において前記耳介の内壁を当接付勢可能な腕部と、を備え、
前記腕部は、前記本体部の径方向外方に延び出る根本部と、前記根本部に接続して前記装着状態において顔側となる方向に屈曲する中間部と、前記中間部に接続し、直状に延びる又は先端側が前記本体部に向くように屈曲した先端部と、他の部位よりも容易に変形する容易変形部とを有し、
前記容易変形部は、他の部位よりも断面積を小さくする溝部であり、前記溝部の開口幅は、前記溝部の深さよりも小さく、
前記溝部は、前記根本部に形成されて前記装着状態において開口が頭部とは反対側となるように形成された第1の溝部と、前記中間部又は前記中間部と前記先端部との境界位置近傍に形成されて前記第1の溝部よりも前記本体部から離れた位置にある第2の溝部とを含むイヤホン。 - 前記第2の溝部は、前記装着状態において開口が頭部側となるように形成されている請求項1記載のイヤホン。
- イヤホンの本体部に着脱自在であって、
前記本体部に取り付けられ、前記本体部が耳介の耳甲介腔に装着された装着状態で前記耳介の内壁を当接付勢可能な腕部を備え、
前記腕部は、前記本体部の径方向外方に延び出る根本部と、前記根本部に接続して前記装着状態において顔側となる方向に屈曲する中間部と、前記中間部に接続し、直状に延びる又は先端側が前記本体部に向くように屈曲した先端部と、他の部位よりも容易に変形する容易変形部とを有し、
前記容易変形部は、他の部位よりも断面積を小さくする溝部であり、前記溝部の開口幅は、前記溝部の深さよりも小さく、
前記溝部は、前記根本部に形成されて前記装着状態において開口が頭部とは反対側となるように形成された第1の溝部と、前記中間部又は前記中間部と前記先端部との境界位置近傍に形成されて前記第1の溝部よりも前記本体部から離れた位置にある第2の溝部とを含むサポータ。 - 前記第2の溝部は、前記装着状態において開口が頭部側となるように形成されている請求項3記載のサポータ。
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