JP2021141212A - 基板保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の着座姿勢にバラツキが生じることを抑制する基板保持装置を提供する。【解決手段】上面に開口する1または複数の通気孔11と、前記通気孔11に連通し下面に開口する溝部12と、を有する平板状の基体10と、前記基体10の上面から上方に突出して形成され、前記基板を支持する複数の上面凸部21と、前記基体10の下面から下方に突出して形成される複数の下面凸部31と、前記溝部12の縁に沿って形成され、前記溝部12を取り囲むように、前記基体10の下面から下方に突出して形成される第1の下面環状凸部33と、前記第1の下面環状凸部33に沿って形成され、前記第1の下面環状凸部33を取り囲む第2の下面環状凸部35と、を備え、前記第1の下面環状凸部33および前記第2の下面環状凸部35の下端面は、前記複数の下面凸部31の下端面よりも前記基体10の下面に近い位置に形成される。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体ウエハなどの基板を基体に吸着保持する基板保持装置に関する。
従来から、半導体製造装置等において、シリコンウエハ、ガラス基板などの基板を支持する基板保持装置が用いられている。
特許文献1は、シリコンウエハ、チャック台、真空チャック、真空ポンプ、真空経路、バルブを備え、チャック台は、真空経路を備え、シリコンウエハの下面、真空チャックの上面および土手部の内周面と、チャック台の上面、真空チャックの下面、土手部の内周面、および土手部の外周面により密閉された空間が形成され、真空ポンプによりこれらの密閉された空間を減圧することで、シリコンウエハおよび真空チャックを保持する基板保持装置が開示されている。
また、特許文献2は、上面に開口する通気孔が形成された平板状の基体に、基体の上面から上方に向って突出する複数の凸部が形成され、下面に開口し通気孔と連通する溝が基体に形成されており、溝に下方に突出する複数の凸部が形成されている、基板保持装置が開示されている。
特開2003−152060号公報 特開2017−212343号公報
特許文献2では、図5および図6に示されるような、溝部に沿って、リブ(下面環状凸部)が1重に形成されている基板保持装置の技術が開示されている。特許文献2では、この溝部に沿ったリブは、基体の下面に形成された多数の凸部と比較して数μm高さを低く形成することが開示されている。これは、設置するステージとの接触面積を減らすことによるパーティクルの噛み込みリスクを低減する目的であるが、ベルヌーイ力の作用によりステージと基体との平坦性を実現する効果もある。
しかしながら、当該リブが低いことにより、本来ステージと基体とを吸着保持するための負圧が溝部に形成された通気孔を通じて基体の上面の一部においても吸引力を発生させる場合があった。この状態から基板を吸着するため基板吸着用の吸引を開始すると、当該部分での吸引力が他の部分より早く吸引作用が働き、基板の着座姿勢にバラつき(撓み、位置ずれ)が発生することがあった。このバラつきはこれまで要求されていた基板の平坦性精度では問題にならなかったが、基板の平坦性精度の要求は年々高くなっており、今後要求される高精度な用途において、問題となる場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、基板の着座姿勢にバラツキが生じることを抑制する基板保持装置を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の基板保持装置は、基板を保持する基板保持装置であって、上面に開口する1または複数の通気孔と、前記通気孔に連通し下面に開口する溝部と、を有する平板状の基体と、前記基体の上面から上方に突出して形成され、前記基板を支持する複数の上面凸部と、前記基体の下面から下方に突出して形成される複数の下面凸部と、前記溝部の縁に沿って形成され、前記溝部を取り囲むように、前記基体の下面から下方に突出して形成される第1の下面環状凸部と、前記第1の下面環状凸部に沿って形成され、前記第1の下面環状凸部を取り囲む第2の下面環状凸部と、を備え、前記第1の下面環状凸部および前記第2の下面環状凸部の下端面は、前記複数の下面凸部の下端面よりも前記基体の下面に近い位置に形成されることを特徴としている。
このように、溝部に沿って2重に下面環状凸部を形成することで、ステージと基体とを吸着保持するための負圧が溝部を通じて基体の上面の一部において発生させる吸引力を低減することができ、基板の着座姿勢の撓み、位置ずれなどのバラツキの発生を抑制することができる。よって、基板の平坦性精度を向上させることができ、従来よりも高精度な用途において好適に使用することができる。
(2)また、本発明の基板保持装置において、前記第1の下面環状凸部および前記第2の下面環状凸部の間に、前記複数の下面凸部の一部が配置されることを特徴としている。これにより、第1の下面環状凸部と第2の下面環状凸部との間でも下面凸部により基体とステージとが接触し支持されるため、基板保持装置の局所的な変形が抑制され、基板の平坦性精度を向上させることができる。
(3)また、本発明の基板保持装置において、前記第1の下面環状凸部の下端外周縁と前記第2の下面環状凸部の下端内周縁の間隔は、1.0mm以上6.0mm以下であることを特徴としている。これにより、負圧が上面側に発生することを十分に抑制することができる。間隔が下限値より小さい場合、下面環状凸部間の間隔が狭すぎるため、2重の下面環状凸部の形成が困難である。一方で上限値より大きい場合、第1の下面環状凸部と第2の下面環状凸部間で気流溜りが発生することがあり、基体が変形する虞がある。
本発明の実施形態に係る基板保持装置の下面の一例を示した模式図である。 図1のII−II線における断面を示した基板保持装置の断面図である。 本発明の実施形態の変形例に係る基板保持装置の下面の一例を示した模式図である。 実施例および比較例の条件、試験結果、および評価を示した表である。 従来の基板保持装置の下面の一例を示した模式図である。 図5のIV−IV線における断面を示した基板保持装置の断面図である。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。なお、構成図において、各構成要素の大きさは概念的に表したものであり、必ずしも実際の寸法比率を表すものではない。
[実施形態]
本発明の実施形態に係る基板保持装置について図1および図2を参照して、説明する。図1は、本発明の実施形態に係る基板保持装置の下面の一例を示した模式図である。また、図2は、図1のII−II線における断面を示した基板保持装置の断面図である。基板保持装置100は、基板(ウエハ)Wを吸着保持するための略平板状の基体10を備えている。基体10は、セラミックス焼結体により略平板状に形成されている。基体10は略円板状のほか、多角形板状または楕円板状などのさまざまな形状であってもよい。
基体10には、基板Wを支持する複数の上面凸部21がその上面から上方に突出して形成される。複数の上面凸部の上端面21a(頂上の面)は、略面一に形成される。これにより、上面凸部の上端面21aと基板Wとが当接し、基板Wが支持される。上面凸部21の形状は、円柱形、角柱形、円錐台形、角錐台形などであってもよいし、下部よりも上部の断面積が小さくなるような段差付き形状となっていてもよい。上面凸部21は、例えば、ブラスト加工、レーザ加工またはこれらの組み合わせにより形成することができる。また、上面凸部21は、高アスペクト比の急峻な円錐台形状であってもよい。
上面凸部21の配置は、三角格子上、正方格子状、同心円状など規則的な配置のほか、局部的に疎密が生じているような不規則的な配置であってもよい。上面凸部21の高さは、50μm以上200μm以下であることが好ましい。なお、上面凸部21の高さとは、上面20から上面凸部の上端面21aまでの距離をいう。また、上面凸部の上端面21aの最大径は、500μm以下であることが好ましい。隣接する上面凸部21の間隔は、中心間の距離が8mm以下であることが好ましい。
基体10には、上面凸部21を取り囲む上面外周凸部27が基体10の上面20から上方に突出して形成される。図1では、上面外周凸部27は、基体10の外側周面から少し中心側に寄って、上方から見たとき円環状に連続して形成される。上面外周凸部の上端面27aは、上面凸部の上端面21aよりも基体10の上面20に近い位置に形成されることが好ましい。すなわち、上面外周凸部27の高さは、上面凸部21の高さより低いことが好ましい。このとき、上面外周凸部27の高さは、上面凸部21の高さより1〜5μm低いことが好ましい。上面外周凸部27の外側に一部の上面凸部21が配置されてもよい。なお、上面外周凸部27が複数の上面凸部21より低い場合、基体10と基板Wとの接触面積が低減されるため、パーティクルの発生および噛み込みによる面精度低下のリスクを低減することができる。また、上面外周凸部27の高さは、上面凸部21の高さと略面一の関係であってもよい。上面外周凸部27が複数の上面凸部21と略面一の場合、負圧空間が密閉状態となるため、吸引力が高まる。そのため反りの大きい基板Wなどを平坦性よく吸着することができる。
基体10には、上面20に開口している1または複数の通気孔11が形成される。通気孔11は、下面30に開口する溝部12と連通する。通気孔11および溝部12は基体10の内部を通る通気路を介して連通してもよい。溝部12はステージ40を介して真空吸引装置(図示略)に接続される。
図1、2では、基体10の上面20に、通気孔11の開口11aが、2個存在し、そのうちの1個が基体10の上面20の中心に位置している。ただし、開口11aの個数および配置はこれに限定されず、基体10の中心に位置するものがなくてもよい。また溝部12は、図1、2では1本となっているが、2本以上でもよく、その配置も、基体10の中心付近から径方向に延びる場合のほか、周方向に延びる場合、およびその組み合わせであってもよい。
溝部12の断面積は、真空引きする際の圧損に応じて定められる。溝部12の深さは、例えば、基体10の厚みが0.8mm以上1.2mm以下であった場合に、0.3mm以上0.8mm以下であることが好ましく、0.5mm以上0.8mm以下であることがより好ましい。また、図1に示す溝部12の幅は、例えば、基体10の厚みが0.8mm以上1.2mm以下であった場合に、0.5mm以上2.0mm以下であることが好ましく、1.2mm以上2.0mm以下であることがより好ましい。また、溝部12の断面積は、0.48mm以上であることが好ましい。通気孔11の幅または径は、0.5mm以上2.0mm以下であることが好ましい。
基体10には、複数の下面凸部31がその下面から下方に突出して形成されている。複数の下面凸部の下端面31a(頂上の面)は、略面一に形成される。これにより、下面凸部の下端面31aが、ステージ40の上面と当接し、基板保持装置100がステージ40上で支持される。下面凸部31の形状は、円柱形、角柱形、円錐台形、角錐台形などであってもよいし、下面30側よりも先端側の断面積が小さくなるような段差付き形状となっていてもよい。下面凸部31は、例えば、ブラスト加工、レーザ加工またはこれらの組み合わせにより形成することができる。また、下面凸部31は、高アスペクト比の急峻な円錐台形状であってもよい。
下面凸部31の配置は、三角格子上、正方格子状、同心円状など規則的な配置のほか、局部的に疎密が生じているような不規則的な配置であってもよい。下面凸部31の高さは、50μm以上200μm以下であることが好ましい。なお、下面凸部31の高さとは、下面30から下面凸部の下端面31aまでの距離をいう。また、下面凸部の下端面31aの最大径は、500μm以下であることが好ましい。隣接する下面凸部31の間隔は、中心間の距離が8mm以下であることが好ましい。
溝部12の内部に、1または複数の溝内下面凸部32が配置されていることが好ましい。このとき、1または複数の溝内下面凸部の下端面32aは、複数の下面凸部の下端面31aと略面一になる高さで形成される。これにより、溝部12の間でも溝内下面凸部32により基体10とステージ40とが当接し支持されるため、基板保持装置100の局所的な変形が抑制され、基板Wの平坦性精度を向上させることができる。
また、溝内下面凸部32は、溝部12内での真空引きの妨げとならないような形状であることが好ましい。例えば、溝内下面凸部32は、底角が70°以上85°以下、好ましくは75°以上80°以下である高アスペクト比の急峻な円錐台形状で形成されることが好ましい。このような溝内下面凸部32はレーザ加工によって形成することができる。ただし、溝内下面凸部32は、円錐台形状に限定されず、円柱、角錐などの形状であってもよい。
基体10には、溝部12の縁に沿って、溝部12を取り囲むように下面30から下方に突出する第1の下面環状凸部33が形成されている。図1では、第1の下面環状凸部33は、溝部12の略矩形状の開口12aの縁に沿って、下方から見たとき角部が丸みを帯びた矩形状となるように環状に連続して形成されている。このように、角部は丸みを帯びていることが好ましい。第1の下面環状凸部33は、基本的には溝部12の縁に沿って形成されるが、溝部12または通気孔11の形状等に応じて、様々な形状で形成することができ、部分的に溝部12の縁に沿っていなくてもよい。例えば、溝部12がステージ40の真空吸引装置に接続される箇所の第1の下面環状凸部33は、ステージ40の真空吸引装置の接続部の形状に合わせた形状に形成してもよい。また、第1の下面環状凸部33の幅は、0.2mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
基体10には、第1の下面環状凸部33に沿って、第1の下面環状凸部33を取り囲むように下面30から下方に突出する第2の下面環状凸部35が形成されている。図1では、第2の下面環状凸部35は、第1の下面環状凸部33の外周を、下方から見たとき角部が丸みを帯びた矩形状となるように環状に連続して形成されている。このように、角部は丸みを帯びていることが好ましい。第2の下面環状凸部35は、基本的には第1の下面環状凸部33に沿って形成されるが、溝部12または第1の下面環状凸部33の形状等に応じて、様々な形状で形成することができ、部分的に第1の下面環状凸部33に沿っていなくてもよい。例えば、溝部12がステージ40の真空吸引装置に接続される箇所の第2の下面環状凸部35は、ステージ40の真空吸引装置の接続部の形状に合わせた形状に形成してもよい。また、第2の下面環状凸部35の幅は、0.2mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
第1の下面環状凸部の下端面33a、および第2の下面環状凸部の下端面35aは、パーティクルの噛み込みによる平面度低下のリスクを低減させる目的から、下面凸部の下端面31aよりも基体10の下面30に近い位置に形成される。すなわち、第1の下面環状凸部33、および第2の下面環状凸部35の高さは、下面凸部31の高さより低い。このとき、第1の下面環状凸部の下端面33a、および第2の下面環状凸部の下端面35aは、下面凸部の下端面31aよりも基体10の下面30に1μm〜5μm近い位置に形成されることが好ましい。
なお、第1の下面環状凸部の下端面33aと、第2の下面環状凸部の下端面35aとは、同一の面を形成してもよいし、異なる面を形成してもよい。すなわち、第1の下面環状凸部の下端面33a、および第2の下面環状凸部の下端面35aは、同一の高さであってもよいし、異なる高さであってもよい。ただし、第1の下面環状凸部の下端面33a、および第2の下面環状凸部の下端面35aは、それぞれ略面一であることが好ましい。
このように、溝部に沿って2重に、下面凸部より低い下面環状凸部を形成することで、ステージと基体とを吸着保持するための負圧が溝部を通じて基体の上面の一部において発生させる吸引力を低減することができ、基板の着座姿勢の撓み、位置ずれなどのバラつきの発生を抑制することができる。よって、基板の平坦性精度を向上させることができ、従来よりも高精度な用途において好適に使用することができる。
第1の下面環状凸部33の下端外周縁と第2の下面環状凸部35の下端内周縁の間隔は、1.0mm以上6.0mm以下であることが好ましい。このような範囲に制御することで、負圧が上面側に発生することを十分に抑制することができる。間隔が1.0mmより小さい場合、第1および第2の下面環状凸部間の間隔が狭すぎるため、2重の下面環状凸部の形成が困難である。また、6.0mmより大きい場合、第1の下面環状凸部33と第2の下面環状凸部35の間で気流溜りが発生することがあり、基体10が変形する虞がある。
なお、第1の下面環状凸部33の下端外周縁とは、基体10の下面30から最も離間する第1の下面環状凸部の下端面33a(頂上の面)を形成する線のうち、外側(第2の下面環状凸部35に近い側)の線である。また、第2の下面環状凸部35の下端内周縁とは、基体10の下面30から最も離間する第2の下面環状凸部の下端面35a(頂上の面)を形成する線のうち、内側(第1の下面環状凸部33に近い側)の線である。
第1の下面環状凸部の下端面33aと第2の下面環状凸部の下端面35aとの間の部分は、図2に示されるように、下面30と略面一となる平面であってもよいが、当該部分が、下面30より第1の下面環状凸部の下端面33aまたは第2の下面環状凸部の下端面35aと近い位置に形成されていてもよい。すなわち、共通する下面環状凸部上に第1の下面環状凸部33および第2の下面環状凸部35を形成してもよい。当該部分が、下面30より近い位置に形成される場合、当該部分の最深部(第1の下面環状凸部の下端面33aまたは第2の下面環状凸部の下端面35aと最も離間している位置)と、第1の下面環状凸部の下端面33aまたは第2の下面環状凸部の下端面35aとの距離は、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
また、基体10には、下面凸部31を取り囲む下面外周凸部37が基体10の下面30から下方に突出して形成されている。図1、2では、下面外周凸部37は、基体10の外側周面から少し中心側に寄って、下方から見たとき円環状に連続して形成されている。下面外周凸部37の下端面37aは、下面凸部の下端面31aよりも基体10の下面30に近い位置に形成されることが好ましい。すなわち、下面外周凸部37の高さは、下面凸部31の高さより低いことが好ましい。このとき、下面外周凸部37の高さは、下面凸部31の高さより1μm〜5μm低いことが好ましい。下面外周凸部37の外側に一部の下面凸部31が配置されてもよい。なお、下面外周凸部37が複数の下面凸部31より低い場合、基体100とステージ40との接触面積が低減されるため、パーティクルの発生および噛み込みによる面精度低下のリスクを低減することができる。また、下面外周凸部37の高さは、下面凸部31の高さと略面一の関係であってもよい。下面外周凸部37が複数の下面凸部31と略面一の場合、負圧空間が密閉状態となるため、吸引力が高まる。そのため反りの大きい基板Wなどを平坦性よく吸着することができる。
図3は、本実施形態の変形例である。図3に示すように、第1の下面環状凸部33、および第2の下面環状凸部35の間に、複数の下面凸部31の一部が配置されることが好ましい。このとき、第1の下面環状凸部33、および第2の下面環状凸部35の間に配置される下面凸部の下端面は、他の複数の下面凸部の下端面31aと略面一になる高さで形成される。これにより、第1の下面環状凸部33と第2の下面環状凸部35との間でも下面凸部31により基体10とステージ40とが接触し支持されるため、基板保持装置100の局所的な変形が抑制され、基板の平坦性精度を向上させることができる。
[基板保持装置の製造方法]
周知の方法により、原料粉末から円板形状の成形体が作成され、この成形体を焼成することによりセラミック焼結体が得られる。本発明の実施形態の基板保持装置はセラミック焼結体により平板状の円板形状からなるが、多角形形状、楕円形状など、どんな形状でもよい。セラミック焼結体としては、炭化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどが用いられる。
セラミック焼結体の上面、下面となる面に複数の凸部、環状凸部、通気孔、外周凸部を形成し、さらに、下面の通気孔を取り囲む溝部を形成する。形成方法としては、ブラスト加工、ミリング加工、レーザ加工等によって形成することが可能である。
複数の凸部の配置、形状、突出高さなどは特に限定されず、既知の形態またはそれに類似する形態であればよく、例えば、配置は、三角格子上、正方格子状、同心円状など規則的な配置のほか、局部的に疎密が生じているような不規則的な配置であってもよい。また、形状は、柱形状、錐形状であればよく、さらに下部よりも上部の断面積が小さくなるような段差付き形状となっていてもよい。また、高さ等は、例えば、突出量は50μm〜200μm、凸部径は500μm以下、凸部間隔は8mm以下の範囲で、吸着する基板等の条件に応じて設計することができる。
下面に形成される溝部は、ステージを介して真空吸引装置に接続されており、基体に開口する少なくとも1つの通気孔と連通している。溝部の幅は0.5mm以上2.0mm以下、深さは0.3mm以上0.8mm以下で、溝部における断面積が0.48mm以上に設計されていることが好ましい。
また溝部の底面から1または複数の溝内下面凸部が形成されることが好ましい。これにより基体の変形による基板の平坦性の悪化が抑制される。その場合、複数の下面凸部と略面一になる高さで形成される。
下面に形成された溝部の周囲には、溝を取り囲む2以上の下面環状凸部が形成される。下面環状凸部は、複数の下面凸部の高さより1μm以上5μm以下低く形成されることが好ましい。また、下面環状凸部の幅は0.2mm以上0.5mm以下で形成されることが好ましい。このようにして、本発明の基板保持装置を製造することができる。
[実施例および比較例]
実施例1の基板保持装置として、炭化珪素の焼結体からなる、径φ310mm、厚さt1.2mmの略円板形状の基体の上面(基板保持面)に複数の突起(上面凸部)および複数の突起を取り囲む略円環状のリブ(上面外周凸部)を形成した。複数の凸部の高さは150μmで、各凸部間の間隔は4.0mmの三角格子上に形成した。複数の突起を取り囲む略円環状のリブは、複数の凸部の高さより3μm低い高さで形成した。
基体の下面も上面同様に複数の突起(下面凸部)および複数の突起を取り囲む略円環状のリブ(下面外周凸部)を形成した。さらに加えて、径方向および周方向に延びる幅1.6mm、深さ0.6mmの溝(溝部)を形成し、溝の底部から複数の下面凸部と略面一となる溝内下面凸部を形成した。溝には底部から基体の上面に貫通する通気孔を複数形成した。
さらに、溝の周囲には溝を取り囲む2本の下面環状凸部(第1の下面環状凸部、第2の下面環状凸部)を形成した。このときの下面環状凸部のそれぞれ幅は0.5mmであり、第1の下面環状凸部と第2の下面環状凸部の間隔は1.6mmとした。このような条件で、実施例1の基板保持装置を作製した。
一方、実施例2から5および比較例1として、図4の表に示す条件で基板保持装置を作製した。これらの実施例および比較例の基板保持装置について、ステージと基板保持装置との間で吸引動作を行ったときの、ステージと基板保持装置間の下面の真空圧、および上面(基板載置面)の真空圧を確認した。このときの真空圧の単位は、大気圧を0(ゼロ)としたゲージ圧とした。真空度の評価の合否は、上面の真空圧が−2.0kPa以上であった場合、リークが抑えられたと判断し合格とした。−2.0kPaより小さかった場合、上面の一部に局所的な負圧が発生し、基板の着座姿勢にバラツキが発生する虞があるとして不合格とした。また、基板の吸引動作を行なったときの基板の平面度を測定した。基板の平面度の測定は、非接触式のレーザ干渉計を用いて、保持された基板の任意の一辺20mmの正方形内の領域のPV値を測定し、このPV値をローカルフラットネス(LF)とした。平面度の評価の合否は、LFが0.1μm以下であった場合、特に良好な平面度を有すると判断し、LFが0.1μmより大きく0.3μm以下であった場合、良好な平面度を有すると判断し、LFが0.3μmより大きかった場合、平面度が悪いと判断した。図4は、実施例および比較例の条件、試験結果、および評価を示した表である。図4の表の真空度評価は、〇が合格、×が不合格を示している。また、平面度評価は、〇が特に良好、△が良好、×が不良を示している。
実施例1は、第1下面環状凸部および第2下面環状凸部の高さを同一で、かつ、複数の下面凸部より3μm低い基板保持装置とした。また、実施例2および実施例3は、第1下面環状凸部および第2下面環状凸部の高さをそれぞれ異ならせ、それ以外は実施例1と同一の構成にした。また、実施例4および実施例5は、それぞれ第1、第2下面環状凸部の高さは実施例1の条件で同様とし、第1下面環状凸部と第2下面環状凸部の間隔を、実施例4では5.5mmとし、実施例5では6.5mmとした。また、比較例1は、第2下面環状凸部を形成しなかった。
図4の表の通り、実施例1から実施例5の基板保持装置によれば、第1下面環状凸部に隣接するように第2下面環状凸部を形成した実施例の基板保持装置では、ステージと基板保持装置との間の吸引動作時において基体上面側の吸引力が抑制されたため、吸引動作での基板の平坦性の悪化を抑えることができた。
一方で比較例1では、第2下面環状凸部を形成しなかったことにより、ステージと基板保持装置との間の吸引動作時において基体上面側で部分的に吸引力が発生したため、基板の平坦性が悪化した。
また、第1下面環状凸部と第2下面環状凸部の間隔を大きくした実施例5は、第2下面環状凸部の形成により、基体上面側への吸引力の発生は抑制されたが、第1下面環状凸部と第2環状凸部の間隔が広すぎたため、当該部分で気流だまりが発生し、基体に少しだけ変形が生じたため、平面度LFが実施例1から4と比較して、若干悪くなった。
以上の結果により、本発明の基板保持装置は、基板の着座姿勢にバラツキが生じることを抑制できることが分かった。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形および均等物に及ぶことはいうまでもない。また、各図面に示された構成要素の構造、形状、数、位置、大きさ等は説明の便宜上のものであり、適宜変更しうる。
10 基体
11 通気孔
11a 開口
12 溝部
12a 開口
20 上面
21 上面凸部
21a 上面凸部の上端面
27 上面外周凸部
27a 上面外周凸部の上端面
30 下面
31 下面凸部
31a 下面凸部の下端面
32 溝内下面凸部
32a 溝内下面凸部の下端面
33 第1の下面環状凸部
33a 第1の下面環状凸部の下端面
35 第2の下面環状凸部
35a 第2の下面環状凸部の下端面
37 下面外周凸部
37a 下面外周凸部の下端面
40 ステージ
100 基板保持装置
W 基板

Claims (3)

  1. 基板を保持する基板保持装置であって、
    上面に開口する1または複数の通気孔と、前記通気孔に連通し下面に開口する溝部と、を有する平板状の基体と、
    前記基体の上面から上方に突出して形成され、前記基板を支持する複数の上面凸部と、
    前記基体の下面から下方に突出して形成される複数の下面凸部と、
    前記溝部の縁に沿って形成され、前記溝部を取り囲むように、前記基体の下面から下方に突出して形成される第1の下面環状凸部と、
    前記第1の下面環状凸部に沿って形成され、前記第1の下面環状凸部を取り囲む第2の下面環状凸部と、を備え、
    前記第1の下面環状凸部および前記第2の下面環状凸部の下端面は、前記複数の下面凸部の下端面よりも前記基体の下面に近い位置に形成されることを特徴とする基板保持装置。
  2. 前記第1の下面環状凸部および前記第2の下面環状凸部の間に、前記複数の下面凸部の一部が配置されることを特徴とする請求項1に記載の基板保持装置。
  3. 前記第1の下面環状凸部の下端外周縁と前記第2の下面環状凸部の下端内周縁の間隔は、1.0mm以上6.0mm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板保持装置。
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