JP2021139318A - エンジン点火装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源装置からイグナイタへ電力を供給するワイヤーハーネスに不具合が生じた場合であっても、エンジンを継続的に動作させることができるエンジン点火装置を提供する。【解決手段】エンジン点火装置は、供給された電力を所定のイグナイタ電力PIに変換して出力する電気部品が実装された電気回路装置、及び前記電気部品の熱を放散させる金属製のヒートシンクを備えた電源装置10と、それとは別体に、電源装置10から出力されたイグナイタ電力をエンジン点火プラグ用のプラグ電力PPに変換して、前記エンジン点火プラグに供給するイグナイタ30と、電気回路装置からイグナイタ30へイグナイタ電力PIを供給するワイヤーハーネス20と、を備える。イグナイタ電力の供給ラインのうちの負極側が、ヒートシンクを介して接地される。イグナイタ30は、電力受給ラインを備え、前記電力受給ラインの負極側が接地される。【選択図】図5
Description
本発明は、エンジン点火装置に関する。
例えば、下記特許文献1には、空気調和装置の室外機が記載されている。この室外機は、コンプレッサ、ガスエンジン及びエンジン点火装置、並びに上記の装置を収容する筐体を備える。コンプレッサは、吸入口及び吐出口を備える。コンプレッサは、冷媒循環路(パイプ)の中間部に配置されている。コンプレッサは、その吸入口から冷媒を吸入して圧縮し、圧縮した冷媒を吐出口から吐出する。ガスエンジンは、コンプレッサを駆動する。エンジン点火装置は、商用電力(交流電力)を直流電力に変換して出力する電源装置、前記電源装置から出力された直流電力を、ガスエンジンの点火プラグ用の電力に変換するイグナイタ、及び点火タイミングを制御する制御装置を含む。
(発明が解決しようとする課題)
前記電源装置から出力された直流電力が、ワイヤーハーネスを介してイグナイタに供給されるように構成される場合が多い。この場合、コンプレッサ及びガスエンジンの駆動時に生じた振動により、前記ワイヤーハーネスに不具合が生じ、ガスエンジンの動作に支障を来たす虞がある。
前記電源装置から出力された直流電力が、ワイヤーハーネスを介してイグナイタに供給されるように構成される場合が多い。この場合、コンプレッサ及びガスエンジンの駆動時に生じた振動により、前記ワイヤーハーネスに不具合が生じ、ガスエンジンの動作に支障を来たす虞がある。
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、電源装置からイグナイタへ電力を供給するワイヤーハーネスに不具合が生じた場合であっても、エンジンを継続的に動作させることができるエンジン点火装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段)
上記目的を達成するために、本発明に係るエンジン点火装置は、供給された電力を所定の直流電力に変換して出力する電気部品が実装された電気回路装置、及び前記電気部品の熱を放散させる金属製のヒートシンクを備えた電源装置と、前記電源装置とは別体として設けられ、前記電源装置から出力された前記直流電力をエンジン点火プラグ用のプラグ電力に変換して、前記エンジン点火プラグに供給するイグナイタと、前記電気回路装置から前記イグナイタへ前記直流電力を供給するワイヤーハーネスと、を備えたエンジン点火装置であって、前記電気回路装置の前記直流電力の供給ラインのうちの負極側が、前記ヒートシンクを介して接地され、前記イグナイタは、前記電源装置から前記直流電力を受給する電力受給ラインを備え、前記電力受給ラインの負極側が接地される。
上記目的を達成するために、本発明に係るエンジン点火装置は、供給された電力を所定の直流電力に変換して出力する電気部品が実装された電気回路装置、及び前記電気部品の熱を放散させる金属製のヒートシンクを備えた電源装置と、前記電源装置とは別体として設けられ、前記電源装置から出力された前記直流電力をエンジン点火プラグ用のプラグ電力に変換して、前記エンジン点火プラグに供給するイグナイタと、前記電気回路装置から前記イグナイタへ前記直流電力を供給するワイヤーハーネスと、を備えたエンジン点火装置であって、前記電気回路装置の前記直流電力の供給ラインのうちの負極側が、前記ヒートシンクを介して接地され、前記イグナイタは、前記電源装置から前記直流電力を受給する電力受給ラインを備え、前記電力受給ラインの負極側が接地される。
本発明の一態様に係るエンジン点火装置において、前記ヒートシンク及び前記イグナイタの前記電力受給ラインのうちの負極側が、金属製の筐体を介して接地される。
上記のように、本発明に係るエンジン点火装置において、電気回路装置からイグナイタへ前記直流電力が、ワイヤーハーネスを介して供給される。そして、電源装置において、前記直流電力の供給ラインの負極側が接地され、且つイグナイタにおいて、前記直流電力の受給ラインの負極側が接地されている。したがって、例えば、エンジンが駆動されて生じた振動に起因して、ワイヤーハーネスのうちの前記直流電力の負極側に対応するワイヤーに不具合が生じたとしても、前記直流電力の負極側の電流経路(図5における矢印の経路)が確保されているため、エンジンを継続的に駆動させることができる。
以下、本発明の一実施形態に係るエンジン点火装置1について説明する。このエンジン点火装置1は、例えば、ガスエンジン駆動式空気調和装置の室外機EUに適用される(図1参照)。まず、エンジン点火装置1が適用された室外機EUの概略構成について説明しておく。室外機EUは、コンプレッサC、ガスエンジンG、エンジン点火装置1などを備える。さらに、室外機EUは、図示しない室外熱交換器、送風機、各種バルブを備える。
コンプレッサCは、吸入口C1及び吐出口C2を備える。室外機EUと図示しない室内機との間で冷媒を循環させる経路としての冷媒循環路R(パイプ)の中間部に、コンプレッサCが配置されている。コンプレッサCは、その吸入口C1から冷媒を吸入して圧縮し、圧縮した冷媒を吐出口C2から吐出する。これにより、冷媒が、冷媒循環路Rを循環する。ガスエンジンGは、コンプレッサCを駆動する。エンジン点火装置1は、ガスエンジンGの点火プラグに、所定のタイミングにて、電力を供給して、ガスエンジンGの燃焼室内のガス燃料に点火させる。さらに、室外機EUは、上記のコンプレッサC、ガスエンジンG、エンジン点火装置1などを収容する金属製の箱状の筐体FRを備える。筐体FRは、接地されている。
つぎに、エンジン点火装置1の具体的構成について説明する。エンジン点火装置1は、電源装置10、ワイヤーハーネス20、イグナイタ30及び制御装置40を含む。
電源装置10は、交流電力(商用電力)を直流電力に変換して出力する。具体的には、電源装置10は、電気回路装置11及びヒートシンク12を備える(図2、図3A及び図3B参照)。電気回路装置11は、商用電力(又はトランスを用いて変圧(低圧化)された交流電力)を整流する整流回路11a、整流回路11aから出力された直流電力を、電圧の異なる複数種類の直流電力に変換するレギュレーター11bを備える。レギュレーター11bは、周知のスイッチングレギュレーター、及びリニアレギュレーターから構成されている。上記の整流回路11a及びレギュレーター11bは、抵抗素子、コンデンサ素子、トランジスタ、トランスなどの電気部品と、それらが実装されるプリント配線基板11cに形成された銅箔からなる配線パターン(電力供給ライン)から構成される。上記の複数種類の直流電力のうちの1つが、後述するイグナイタ30に供給されるイグナイタ電力PIである。また、上記の複数種類の直流電力のうち、イグナイタ電力PIを除く電力の1つが、後述する制御装置40に供給される制御装置電力である。
ヒートシンク12は、複数の放熱フィンを備える。ヒートシンク12は、電気回路装置11の整流回路11a及びレギュレーター11bを構成する電気部品のうち、発熱量の比較的大きい部品(ブリッジダイオード、トランジスタなど)に、熱的に接続されている(図3A参照)。ヒートシンク12とプリント配線基板11cとが、金属製のネジSを用いて締結される。プリント配線基板11cを構成する配線パターンのうちの所定のラインであって、イグナイタ電力PIの供給ラインを構成する2つのライン(正極ラインLAPI及び負極ラインLBPI(図2参照))のうちの負極ラインLBPIが、ネジSを介して、ヒートシンク12に電気的に接続されている(図4及び図5参照)。すなわち、プリント配線基板11cに貫通孔THが設けられ、その周囲にランドLが設けられている。ランドLは、負極ラインLBPIに接続されている。貫通孔THにネジSが挿入されて、その先端がヒートシンク12に締結されるとともに、ネジSのヘッド部がワッシャーを介してランドLに接触する。このようにして、負極ラインLBPIがヒートシンク12に、電気的に接続される。なお、正極ラインLAPI及び負極ラインLBPIが本発明の電力供給ラインに相当する。
上記のイグナイタ電力PIは、電源装置10から、ワイヤーハーネス20を介して、次に説明するイグナイタ30に供給される(図1及び図5参照)。すなわち、ワイヤーハーネス20は、イグナイタ電力PIの正極に対応した正極ワイヤー21と、イグナイタ電力PIの負極に対応した負極ワイヤー22とから構成されている。
イグナイタ30は、ガスエンジンGの近傍に配置されている。イグナイタ30は、電源装置10から供給されたイグナイタ電力PIを、ガスエンジンGの点火プラグ用のプラグ電力PPに変換して、点火プラグに供給する。具体的には、イグナイタ30は、昇圧回路31を備える。昇圧回路31は、点火コイル31a(トランス)、スイッチング回路31b(トランジスタ)、及びこれらの部品が実装されるプリント配線基板31cに形成された配線パターンから構成される。
プリント配線基板31cには、イグナイタ電力PIの正極及び負極にそれぞれ対応した、正極ラインLCPI及び負極ラインLDPIが形成されている。正極ラインLCPIに、点火コイル31aの1次側の巻き線の一端が電気的に接続されている。負極ラインLDPIに、点火コイル31aの1次側の巻き線の他端が、スイッチング回路31bを介して、電気的に接続されている。なお、正極ラインLCPI及び負極ラインLDPIが本発明の電力受給ラインに相当する。
また、点火コイル31aの2次側の巻き線が、ガスエンジンGの点火プラグGaに電気的に接続されている。なお、点火プラグGaの負極端子が接地されている。
ワイヤーハーネス20の正極ワイヤー21の一端及び他端が、電源装置10の正極ラインLAPI及びイグナイタ30の正極ラインLCPIに電気的にそれぞれ接続されている。また、ワイヤーハーネス20の負極ワイヤー22の一端及び他端が、電源装置10の負極ラインLBPI及びイグナイタ30の負極ラインLDPIに電気的にそれぞれ接続されている。
スイッチング回路31bにより、点火コイル31aの1次側の巻き線にイグナイタ電力PIが印加された状態と、印加されない状態とが切り替えられる。点火コイル31aの1次側の巻き線にイグナイタ電力PIが印加された状態から印加されない状態に切り替えられたとき、点火コイル31aの2次側の巻き線に高圧のプラグ電力PPが誘導されて、そのプラグ電力PPが点火プラグに供給される。上記のスイッチング回路31bの動作(つまり、点火タイミング(トランジスタのオン・オフタイミング))が、次に説明する制御装置40によって制御される。
制御装置40は、ガスエンジンGの点火タイミングを制御する。具体的には、制御装置40は、演算装置、記憶装置、タイマーなどを備えたコンピュータ装置を含む。制御装置40は、記憶装置に記憶されたプログラムに従って、図示しない各種センサー(例えば、温度センサー、湿度センサー、イグナイタ電力監視センサーなど)及び通信装置を用いて、各種データを収集し、そのデータに基づいて、イグナイタ30のスイッチング回路31bのオン・オフ状態を切り替える。このようにして、制御装置40は、ガスエンジンGの点火タイミングを制御する。なお、制御装置40は、ガスエンジンGの点火タイミングのみならず、送風機、各種バルブなどを制御する。
エンジン点火装置1は、さらに、金属製のケース50を含む。上記の電源装置10及び制御装置40が、ケース50に収容されて固定されている。電源装置10のヒートシンク12が、図示しない金属製のブラケットを介して、ケース50に固定されている。また、制御装置40は、図示しない柱状部材(長ナット)を介して、ケース50に固定されている。そして、ケース50が、筐体FRに固定されている。このように、電源装置10の負極ラインLBPIが、ヒートシンク12、ブラケット、ケース50及び筐体FRを介して接地されている。なお、ケース50には、開口部が設けられており、この開口部から、ヒートシンク12のフィンが、ケース50の外側へ突出している。また、イグナイタ30は、ケース50の外側に配置されている。ワイヤーハーネス20の一端が、ケース50内において、電源装置10の正極ラインLAPI及び負極ラインLBPIに接続され、ワイヤーハーネス20の他端側が、ケース50の外側へ引き出されて、イグナイタ30の正極ラインLCPI及び負極ラインLDPIに接続されている。また、イグナイタ30の負極ラインLDPIが、図示しない金属製の締結部材を介して、ガスエンジンGのボディに固定されている。そのガスエンジンGは、筐体FRに固定されている。すなわち、イグナイタ30の負極ラインLDPIは、ガスエンジンG及び筐体FRを介して接地されている。
上記のように、電源装置10の負極ラインLBPIとイグナイタ30の負極ラインLDPIとが、負極ワイヤー22を介して電気的に接続され、且つ負極ラインLBPI及び負極ラインLDPIが接地されている。したがって、例えば、ガスエンジンG及びコンプレッサCが駆動されて生じた振動に起因して、負極ワイヤー22に不具合が生じたとしても、イグナイタ電力PIの負極側の電流経路(図5における矢印の経路)が確保されているため、ガスエンジンGを継続的に駆動させることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、負極ラインLBPIがネジSを介して、ヒートシンク12に電気的に接続されている。これに代えて、例えば、負極ラインLBPIのランドLとヒートシンク12とを弾性変形可能な金属製部材(バネ)を介して、電気的に接続してもよい。すなわち、バネを弾性変形させた状態で、その一端を負極ラインLBPIに当接させ、他端をヒートシンク12に当接させるとよい。
また、上記実施形態では、正極ラインLAPI、負極ラインLBPI、正極ラインLAPI、及び負極ラインLBPIはプリント配線基板に形成された銅箔からなるパターンであるが、これに代えて、これらのラインのうちのいずれか又は全てが、バスバーから構成されていてもよい。
また、上記の例は、エンジン点火装置1をガスエンジン駆動式空気調和装置ACの室外機EUに適用した例であるが、エンジン点火装置1は、他のエンジン駆動式の装置にも適用可能である。
1…エンジン点火装置、10…電源装置、11…電気回路装置、11a…整流回路、11b…レギュレーター、11c…プリント配線基板、12…ヒートシンク、20…ワイヤーハーネス、21…正極ワイヤー、22…負極ワイヤー、30…イグナイタ、31…昇圧回路、31a…点火コイル、31b…スイッチング回路、31c…プリント配線基板、40…制御装置、50…ケース、C…コンプレッサ、EU…室外機、FR…筐体、G…ガスエンジン、LAPI…正極ライン、LAPP…正極ライン、LBPI…負極ライン、LBPP…負極ライン、LCPI…正極ライン、LDPI…負極ライン、OP…開口部、PI…イグナイタ電力、PP…プラグ電力
Claims (2)
- 供給された電力を所定の直流電力に変換して出力する電気部品が実装された電気回路装置、及び前記電気部品の熱を放散させる金属製のヒートシンクを備えた電源装置と、
前記電源装置とは別体として設けられ、前記電源装置から出力された前記直流電力をエンジン点火プラグ用のプラグ電力に変換して、前記エンジン点火プラグに供給するイグナイタと、
前記電気回路装置から前記イグナイタへ前記直流電力を供給するワイヤーハーネスと、
を備えたエンジン点火装置であって、
前記電気回路装置の前記直流電力の供給ラインのうちの負極側が、前記ヒートシンクを介して接地され、
前記イグナイタは、前記電源装置から前記直流電力を受給する電力受給ラインを備え、前記電力受給ラインの負極側が接地される、エンジン点火装置。 - 請求項1に記載のエンジン点火装置において、
前記ヒートシンク及び前記イグナイタの前記電力受給ラインのうちの負極側が、金属製の筐体を介して接地される、エンジン点火装置。
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