実施形態に係る照明装置1について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、特に断りのない限り、図2において矢印で示す前後、左右、上下の向きを照明装置1の前後、左右、上下の向きとみなす。下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態の照明装置1は、高層ビルや大型商業施設などの建物に設置され、当該建物に設置されている非常用電源から電源供給を受けて非常時照明を行う、いわゆる電源別置形非常時用照明器具である。すなわち、照明装置1は、図1に示すように、建物内の天井材A1に設けられた埋込孔A11に一部分を埋め込むようにして天井材A1(天井)に設置される。
照明装置1は、図1~図4に示すように、光源ブロック10と、点灯装置2と、筐体3と、カバー4と、端子ブロック7と、枠83と、一対の支持具82とを備える。
光源ブロック10は、光源であるLED(Light Emitting Diode)11と、LED11を支持するLEDホルダ12と、レンズ13と、レンズ13を支持するレンズホルダ14と、放熱板15とを有している。LED11は、例えば、パッケージ型又はCOB(Chip on Board)型の照明用白色LEDである。ただし、光源は、LEDに限定されず、有機エレクトロルミネセンス素子などのLED以外の固体発光素子であってもかまわない。
LEDホルダ12は、レセプタクルコネクタ120を有する(図2参照)。レセプタクルコネクタ120は、一対のコンタクト(不図示)を備える。一方のコンタクトは、LED11のアノードと電気的に接続される。他方のコンタクトは、LED11のカソードと電気的に接続される。
放熱板15は、例えば、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の板材によって多角形状(例えば、八角形状)に形成されている。
レンズ13は、LED11から放射される光の配光を制御する。レンズ13は、LED11を覆うようにレンズホルダ14によって放熱板15の下面に取り付けられる。レンズホルダ14は、ねじ止めによって放熱板15に固定される。
枠83は、アルミニウムのような金属材料により、中央に円形の窓孔830を有する円板状に形成されている(図1~図3参照)。窓孔830の直径は、レンズ13の大部分を通すことが可能な寸法である。
また、枠83は、二つの取付け部831を有している。各取付け部831は、枠83の上面における窓孔830の左右両側から上向きに突き出ている。各取付け部831には、支持具82が一つずつ取り付けられる(図2参照)。
さらに、枠83の上面において、窓孔830の前方と後方のそれぞれの位置にボス832が一つずつ設けられている(図2参照)。各ボス832の内周面には、ねじ溝(めねじ)が形成されている。
端子ブロック7は、電源端子台70と、固定板71とを有している。電源端子台70は、例えば、ねじなし端子台で構成されている。この種のねじなし端子台(速結端子台とも呼ばれる。)は、直方体形状に形成され、二対の1次側(電源側)の差込孔700と、二対の2次側(負荷側)の差込孔701とを一面(前面)に有している。つまり、電源端子台70は、それぞれの差込孔700、701に導体(例えば、銅製の単線)を差し込むだけで導体との電気的な接続を完了させることができる。電源端子台70の2次側の差込孔701には2次側の2本の電線(不図示)の各導体が1本ずつ差し込まれる。電源端子台70の1次側の二対の差込孔700には、非常用電源からの給電が行われる一対の電線(不図示)の導体と、送り配線用の一対の電線(不図示)の導体とが各々1本ずつ差し込まれる。
固定板71は、前片710と、上片711と、一対の側片712とを有する。前片710、上片711、及び一対の側片712は、亜鉛鋼板のような金属板によって一体に形成されている。
前片710は、長手方向の長さが異なる二つの長方形のそれぞれの長辺同士が繋がった形状に形成されている。前片710には、三つの取付孔713が左右方向に等間隔に並ぶように貫通している。
上片711は、長方形状に形成されている。上片711の一つの辺が、前片710の上端と繋がっている。上片711の右端に固定孔714が貫通している。
一対の側片712の各々は、長方形状に形成されている。各側片712は、前片710の左端及び右端と一つずつ繋がっている。
電源端子台70の後面から突き出た一対の突起702(図4参照)が三つの取付孔713のうちの左右両端の二つの取付孔713にはめ込まれることにより、固定板71の前片710に対して電源端子台70が位置決めされる。そして、前片710の中央の取付孔713に通されるねじ(不図示)が、電源端子台70の後面における一対の突起702の間に設けられたねじ孔703(図4参照)にねじ込まれる。その結果、電源端子台70は、固定板71の前片710の前面にねじ止めされる(図4参照)。
筐体3は、図2及び図3Bに示すように、底壁30と、第1側壁31と、第2側壁32と、第3側壁33とを有する。底壁30は、多角形状(図示例では八角形状)に形成されている。底壁30には長方形の孔300が上下方向に貫通している。また、底壁30には複数のねじ孔301が設けられている。
第1側壁31及び第2側壁32は、それぞれ長方形状に形成されている。第1側壁31は、底壁30の左側の縁から上向きに立ち上がるように底壁30と一体に形成されている。第2側壁32は、底壁30の右側の縁から上向きに立ち上がるように底壁30と一体に形成されている。すなわち、第1側壁31と第2側壁32は、左右方向に対向している。なお、底壁30、第1側壁31及び第2側壁32は、アルミニウム又はアルミニウム合金によって一体に形成されている。
第3側壁33は、平板部330、上板部331、下板部332及び複数(四つ)の側板部333を有している(図2、図3B及び図4参照)。平板部330、上板部331、下板部332及び複数の側板部333は、それぞれ長方形状に形成されている。平板部330の上下方向の長さは、第1側壁31及び第2側壁32の上下方向の長さとほぼ等しい。また、平板部330の左右方向の長さは、底壁30の左右方向の長さとほぼ等しい。
上板部331は、平板部330の上端から前方へ突き出ている(図2及び図3B参照)。上板部331の右端にねじ孔3310が設けられている。
下板部332は、平板部330の下端から後方へ突き出ている(図3B参照)。下板部332の左右方向の中央に孔3320が貫通している。また、下板部332の孔3320の横に孔3321が貫通している。
四つの側板部333は、それぞれ長方形状に形成されている。四つの側板部333のうちの二つの側板部333は、平板部330の左端から前方へ突き出ている。また、四つの側板部333のうちの残り二つの側板部333は、平板部330の右端から前方へ突き出ている(図2及び図3参照)。
第3側壁33の下板部332は、孔3321に挿通されるねじ(不図示)によって底壁30の後端部分にねじ止めされる。つまり、第3側壁33は、底壁30の後端部分から上向きに立ち上がるように底壁30に固定される(図4参照)。なお、第3側壁33は、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成されている。
また、第3側壁33の平板部330の前面に点灯装置2の回路基板26が取り付けられる(図2及び図4参照)。回路基板26は、図5に示すように、長方形状のプリント配線板である。回路基板26の第1実装面261(前面)に挿入部品(第1の回路部品)が実装されている(図5A参照)。回路基板26の第2実装面262(後面)にプリント配線が形成され、かつ、表面実装部品(第2の回路部品)が実装されている(図5B参照)。
ここで、回路基板26の第1実装面261において、第1実装面261の上下方向の二等分線M1より上側の領域を第1領域S1、二等分線M1より下側の領域を第2領域S2とする(図5A参照)。本実施形態における点灯装置2では、第1実装面261に実装されているすべての第1の回路部品のうち、第1領域S1に実装されている第1の回路部品の割合(個数)は、第2領域S2に実装されている第1の回路部品の割合よりも高い(多い)。
回路基板26の左下及び右上の二つの隅のそれぞれに円形の孔263が貫通している。これら二つの孔263のそれぞれに1本ずつねじが通される。そして、これら二本のねじのそれぞれが、第3側壁33の平板部330に設けられているねじ孔(不図示)にねじ込まれる。その結果、回路基板26が第3側壁33の平板部330にねじ止めされる。ただし、第3側壁33と回路基板26の間に、電気絶縁性を有する保護部材27が配置される。保護部材27については後で詳述する。
カバー4は、側板40と、天板41と、固定片42と、一対の突片43とを有している。側板40、天板41、固定片42及び一対の突片43は、亜鉛鋼板などの金属板によって一体に形成されている。
側板40は、長方形状に形成されている。側板40の上下方向の長さは、第1側壁31及び第2側壁32の上下方向の長さとほぼ等しい。また、側板40の左右方向の長さは、底壁30の左右方向の長さとほぼ等しい。側板40の上部に、長方形の開口部400が設けられている。また、開口部400には、矩形の枠状に形成されているケーブル保護部材44がはめ込まれる(図1参照)。
天板41は、長方形状に形成されている。天板41は、側板40の上端から後方へ突き出ている。天板41の右後の隅に円形の孔410が貫通している。
固定片42は、おおむね台形状に形成されている。固定片42は、側板40の下端から前方へ突き出ている。固定片42の左右方向の中央に孔420が貫通している。また、固定片42の孔420の左横にもう一つの孔421が貫通している(図2及び図3B参照)。
カバー4の固定片42は、孔421に挿通されるねじ(不図示)によって底壁30の前端部分にねじ止めされる。つまり、カバー4は、底壁30の前端部分から上向きに立ち上がるように底壁30に固定される(図4参照)。さらに、カバー4の天板41は、第3側壁33の上板部331に固定される。すなわち、天板41の孔410に挿通されるねじ(不図示)が、上板部331のねじ孔3310にねじ込まれることよって、天板41が上板部331にねじ止めされる。カバー4は、底壁30及び上板部331に固定されることにより、筐体3の前面及び上面の開口部を塞いでいる(図3B及び図4参照)。そして、カバー4の側板40の開口部400を通して、電源端子台70の差込孔700が前方へ露出する(図1参照)。
次に、図6の回路図を参照して点灯装置2の回路構成を説明する。点灯装置2は、コンバータ回路20、制御回路21、制御電源回路22、整流回路23、出力コネクタ24、入力コネクタ25などを有している。
入力コネクタ25は、2極の速結式(ねじなし端子式)の端子台である。入力コネクタ25は、プラス極の端子及びマイナス極の端子(不図示)を有する。入力コネクタ25は、回路基板26の第1実装面261に実装される。つまり、入力コネクタ25のプラス極及びマイナス極の各々の端子は、回路基板26の第2実装面262に形成されているプリント配線と電気的に接続される。なお、入力コネクタ25は、複数の電線(不図示)によって電源端子台70と電気的に接続される。
入力コネクタ25のマイナス極の端子に、第1のサージアブソーバZNR1の一端とヒューズF1の一端が電気的に接続されている。ヒューズF1の他端にはコンデンサC1の一端が電気的に接続されている。第1のサージアブソーバZNR1の他端は、入力コネクタ25のプラス極の端子と電気的に接続されている。また、第1のサージアブソーバZNR1の他端とコンデンサC1の他端との間に、ノーマルモードチョークコイルL1が電気的に接続されている。さらに、コンデンサC1と整流回路23の間にコモンモードチョークコイルLF1が電気的に接続されている。
整流回路23は、ダイオードブリッジで構成されている。整流回路23の一対の入力端子は、コモンモードチョークコイルLF1を介してコンデンサC1の両端と電気的に接続されている。整流回路23の一対の出力端子は、コンデンサC2と電気的に接続されている。
コンバータ回路20は、例えば、バック・ブースト・コンバータ(昇降圧チョッパ)回路である。ただし、コンバータ回路20は、昇圧チョッパ回路や降圧チョッパ回路などの昇降圧チョッパ回路以外のコンバータ回路であってもかまわない。コンバータ回路20は、Nチャネル・エンハンスメント形MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)からなるスイッチング素子Q1を有している。コンバータ回路20は、インダクタL2と、ダイオードD1と、出力コンデンサC3とを更に有している。出力コンデンサC3は、例えば、アルミニウ電解コンデンサである。インダクタL2は、コア付きのチョークコイルである。
スイッチング素子Q1のソースはインダクタL2の一端と電気的に接続されている。スイッチング素子Q1のドレインは整流回路23の高電位側の出力端子及びコンデンサC2の接続点と電気的に接続されている。スイッチング素子Q1のゲート・ソース間には抵抗器R14が電気的に接続されている。インダクタL2の他端は、整流回路23の低電位側の出力端子、及び出力コンデンサC3の高電位側の端子と電気的に接続されている。出力コンデンサC3の低電位側の端子はダイオードD1のアノードと電気的に接続されている。ダイオードD1のカソードは、抵抗器R4を介してスイッチング素子Q1のソースと電気的に接続されている。出力コンデンサC3の両端が出力コネクタ24と電気的に接続されている。出力コネクタ24は、二つのコンタクト(不図示)を有している。一方のコンタクトは、出力コンデンサC3の高電位側の端子と電気的に接続されている。他方のコンタクトは、出力コンデンサC3の低電位側の端子と電気的に接続されている。また、各コンタクトは、それぞれ異なる電線60と電気的に接続されている。なお、これら二本の電線60の先端には、プラグコネクタ61が設けられている(図2参照)。
制御回路21は、コンバータ回路20のスイッチング素子Q1をスイッチング制御する。制御回路21は、電源電圧入力端子(VCC)、ゲート駆動出力端子(OUT)、グランド端子(GND)、ゼロ電流検出入力端子(CS)及びエラーアンプ入力端子(FB)を有する。制御回路21は、制御電源回路22より電源電圧入力端子(VCC)に所定の電圧値の制御電源電圧が供給されているときに動作する。制御回路21は、電源電圧入力端子(VCC)に所定の電圧値の制御電源電圧が供給されていないときに停止する。制御回路21では、電源電圧入力端子(VCC)に入力する制御電源電圧が所定の電圧値を超えると、スイッチング素子Q1のスイッチングを開始する。また、電源電圧入力端子(VCC)がグランド端子(GND)と短絡されて、グランドレベルまで落ちると、スイッチング素子Q1のスイッチングを停止する。また、制御回路21は、例えば電流臨界モードでコンバータ回路20のスイッチング素子Q1をスイッチング制御する。電流臨界モードとは、スイッチング素子Q1をオフしているときにインダクタL2から出力コンデンサC3に流れる回生電流がゼロになったときに、スイッチング素子Q1を再びオンとする制御方式である。なお、制御回路21のゼロ電流検出入力端子(CS)には、抵抗器R4の両端電圧が回生電流の検出値として入力されている。ただし、このような電流臨界モードの制御方式については、従来周知であるから詳細な説明は省略する。なお、制御回路21は、汎用の集積回路で構成されることが好ましい。このような集積回路は、例えば、ルネサスエレクトロニクス株式会社製のLED照明用コントロールIC(型番:R2A20134)などが好適である。ただし、このような制御回路21は、従来周知であるから、詳細な回路構成及び動作の図示並びに説明は省略する。
制御電源回路22は、蓄電池などの非常用電源から供給される直流電力により、制御回路21の制御電源電圧を生成する。制御電源回路22は、少なくとも2つのダイオードD2、D3と、3つの抵抗器R1、R2、R3と、電解コンデンサからなるコンデンサC4と、ツェナーダイオ-ドZD1とを有している。ダイオードD2のアノードは、インダクタL1とコンデンサC2の接続点と電気的に接続されている。ダイオードD2のカソードは、抵抗器R1の一端と電気的に接続されている。抵抗器R1の他端は、コンデンサC4の高電位側の端子と電気的に接続されている。コンデンサC4の高電位側の端子は、ツェナーダイオ-ドZD1のカソードと電気的に接続されている。コンデンサC4の低電位側の端子は、ツェナーダイオ-ドZD1のアノードと電気的に接続される。すなわち、ツェナーダイオ-ドZD1は、コンデンサC4に対して、電気的に並列接続されている。ダイオードD3のアノードは出力コンデンサC3の高電位側の端子と電気的に接続されている。ダイオードD3のカソードは抵抗器R3の一端と電気的に接続されている。抵抗器R3の他端はコンデンサC4の高電位側の端子と電気的に接続されている。ツェナーダイオ-ドZD1のアノードは、制御回路21のグランド端子(GND)と電気的に接続されている。ツェナーダイオ-ドZD1のカソードは、制御回路21の電源電圧入力端子(VCC)と電気的に接続されている。
制御電源回路22は、コンバータ回路20の出力電圧が安定するまでの期間は、非常用電源からダイオードD2を介して充電されるコンデンサC4の充電電圧を、ツェナーダイオードZD1で定電圧化して制御電源電圧を生成する。また、制御電源回路22は、コンバータ回路20の出力電圧が安定した後は、コンバータ回路20の出力電圧によってダイオードD3を介して充電されるコンデンサC4の充電電圧を、ツェナーダイオードZD1で定電圧化して制御電源電圧を生成する。
ここで、点灯装置2を構成する様々な回路部品のうち、相対的に背の高い回路部品を第1の回路部品と呼び、第1の回路部品よりも背の低い回路部品を第2の回路部品と呼ぶ場合がある。第2の回路部品は、整流回路23、スイッチング素子Q1、制御回路21、ダイオードD1、D3などを含む(図5B参照)。一方、第1の回路部品は、コンデンサC1、出力コンデンサC3、平滑コンデンサC4を含む。また、第1の回路部品は、コモンモードチョークコイルLF1、インダクタL1、L2、ヒューズF1、サージアブソーバZNR1、ZNR2などを含む。
次に、点灯装置2の保護部材27について説明する。保護部材27は、図2及び図4に示すように、第1保護部271と第2保護部272とを有する。なお、第1保護部271と第2保護部272は、例えば、汎用の放熱シートによって一体に形成されている。このような放熱シートは、ポリカーボネート樹脂などの電気絶縁性及び可撓性を有する合成樹脂製のシート材で形成されることが好ましい。
第1保護部271及び第2保護部272は、おおむね長方形状に形成されている。第2保護部272は、第1保護部271の上端から前方へ突き出し、かつ、鉤形に曲がっている。第1保護部271は、熱伝導シート28を介して第3側壁33の平板部330の前面に配置される。回路基板26は、第1保護部271及び熱伝導シート28を挟んで第1保護部271の前方に配置される(図4参照)。そして、回路基板26の左下及び右上に貫通している二つの孔263のそれぞれに、前方からねじ(不図示)が1本ずつ通される。これら二本のねじは、第1保護部271に設けられている孔(不図示)を通して第3側壁33の平板部330に設けられているねじ孔(図図示)にねじ込まれる。その結果、回路基板26(点灯装置2)が第1保護部271と熱伝導シート28を介して第3側壁33の平板部330に取り付けられる。
第2保護部272は、回路基板26の第1実装面261の一部(第1領域S1)を前方及び上方から覆っている(図2及び図4参照)。つまり、第2保護部272は、回路基板26の第1実装面261に実装されている複数の第1の回路部品の大半を覆っている。
次に、照明装置1の組立て手順を説明する。まず、組立て作業を行う作業者は、光源ブロック10を筐体3に取り付ける。具体的には、作業者は、筐体3の底壁30の下面に光源ブロック10の放熱板15をねじ止めする。このとき、作業者は、LEDホルダ12のレセプタクルコネクタ120を底壁30の孔300に通す。
続いて、作業者は、点灯装置2を取り付けた第3側壁33を筐体3の底壁30に取り付ける。さらに、作業者は、点灯装置2の電線60の先端に設けられているプラグコネクタ61を、底壁30の孔300から突き出たレセプタクルコネクタ120に差し込んで電気的かつ機械的に接続する(図4参照)。
続いて、作業者は、端子ブロック7とカバー4を筐体3(第3側壁33)に取り付ける。まず、作業者は、固定板71の上片711の後端部分を第3側壁33の平板部330の上端に引っ掛けるようにして端子ブロック7を筐体3に仮止めする。さらに、作業者は、カバー4の天板41を固定板71の上片711の上にかぶせ、天板41の孔410と固定板71の上片711の固定孔714にねじ(不図示)を通し、当該ねじを第3側壁33の上板部331のねじ孔3310にねじ込む。それから、作業者は、カバー4の固定片42を筐体3の底壁30にねじ止めし、カバー4を筐体3に取り付ける。
最後に、作業者は、筐体3に枠83を取り付ける。具体的には、作業者は、カバー4の固定片42の孔420及び底壁30の前端部分の孔302に通したねじ(不図示)を枠83の前側のボス832にねじ込む。同様に、作業者は、第3側壁33の下板部332の丸孔3320及び底壁30の後端部分の孔303に通したねじ(不図示)を枠83の後側のボス832にねじ込む。このようにして枠83が筐体3にねじ止めされることにより、照明装置1の組立て作業が完了する。
特許文献1記載の従来例では、点灯装置の点灯回路基板を収容するケースが密閉されているため、点灯装置の発する熱を効率的に放熱することが困難であった。
これに対して本実施形態の照明装置1では、点灯装置2の回路基板26が起立した状態で筐体3内に収容されている。さらに、照明装置1では、導電性を有する筐体3から点灯装置2を電気的に保護するための保護部材27が点灯装置2の回路基板26を部分的に覆っている。言い換えると、回路基板26の第1実装面261に実装されている第1の回路部品の一部は、筐体3内の空気に直接触れている。したがって、照明装置1は、光源ブロック10で発生する熱によって筐体3内に空気の対流が生じ、筐体3内の空気に直接接触している第1の回路部品の放熱を促進させて放熱性の向上を図ることができる。
次に、本実施形態の照明装置1の変形例を説明する。変形例の照明装置1では、保護部材27の一部(第1保護部271)が、電気絶縁性を有する合成樹脂の成形体で形成されている(図7参照)。第1保護部271は、前面が開放された箱状に形成されている。第1保護部271内に回路基板26が収容される。第1保護部271は、第3側壁33の平板部330にねじ止めされる。なお、図示は省略しているが、保護部材27は、シート材で形成される第2保護部を有している。第2保護部は、実施形態の照明装置1における第2保護部272と同様に、回路基板26の第1実装面261の第1領域S1を前方から覆うことが好ましい。
変形例の照明装置1においても、光源ブロック10で発生する熱によって筐体3内に空気の対流が生じ、筐体3内の空気に直接接触している第1の回路部品の放熱を促進させて放熱性の向上を図ることができる。また、変形例の照明装置1は、第1保護部271を合成樹脂成形体で形成することにより、シート材(放熱シート)で形成される場合に比べて、第1保護部271の機械的な強度の向上を図ることができる。ただし、実施形態の照明装置1は、保護部材27を汎用の放熱シートで形成することにより、保護部材27を合成樹脂成形体で形成する場合に比べて、保護部材27の製造コストの削減を図ることができる。
ところで、実施形態の照明装置1において、回路基板26の第1実装面261は、第1領域S1と第2領域S2の二つの領域を有している。複数の第1の回路部品に対して、第1領域S1に実装される第1の回路部品が占める割合(個数)は、第2領域S2に実装される第1の回路部品が占める割合(個数)よりも高い(多い)。さらに、点灯装置2は、底壁30から第1領域S1までの距離を、底壁30から第2領域S2までの距離よりも大きくするように、第3側壁33に取り付けられている。つまり、回路基板26は、第2領域S2よりも第1領域S1が上になるように第3側壁33に取れ付けられている。したがって、第1領域S1の多数の第1の回路部品が発する熱の影響が、第2領域S2の第1の回路部品及び光源ブロック10に及びにくい。その結果、照明装置1は、第1領域S1が第2領域S2の下にある場合に比べて、放熱性の向上を図ることができる。
また、実施形態の照明装置1において、第2保護部272は、回路基板26の厚み方向(前後方向)に沿って、少なくとも第1実装面261の第1領域S1を覆うように形成されている。つまり、出力コンデンサC3などの背の高い第1の回路部品が多く実装されている第1領域S1を第2保護部272で覆うことにより、回路基板26の第1実装面261に実装されている第1の回路部品を電気的に保護しつつ、放熱性の向上を図ることができる。
さらに、筐体3は、第3側壁33と対向する前面が開放されている。実施形態の照明装置1は、筐体3の前面を塞ぐカバー4を有している。カバー4は、筐体3を形成する材料(例えば、アルミニウム)に比べて熱伝導率の低い材料(例えば、鉄)で形成されている。実施形態の照明装置1において、カバー4は筐体3に比べて点灯装置2から遠い位置にあるので、カバー4の熱伝導率が筐体3の熱伝導率と等しい場合に比べて、放熱性の低下を抑制することができる。しかも、実施形態の照明装置1は、カバー4を筐体3と同じ材料で形成する場合に比べて、カバー4の製造コストの削減を図ることができる。
ところで、実施形態の照明装置1では、筐体3の内部において、端子ブロック7の電源端子台70が、回路基板26の第1実装面261と対向するように配置されている。つまり、実施形態の照明装置1は、筐体3の内部において回路基板26の前方の空間に電源端子台70を配置することにより、例えば、電源端子台70を筐体3の外に配置する場合に比べて、照明装置1全体の小型化を図ることができる。
また、実施形態の照明装置1において、電源端子台70は、回路基板26の厚み方向(前後方向)に沿って、差込孔700を筐体3の外に向けるように配置されている(図1参照)。つまり、電源端子台70の差込孔700は、カバー4の開口部400を通して筐体3の外に臨んでいる。仮に、電源端子台70の差込孔700が上を向いていた場合、電源端子台70に接続される電源線を伝って結露水などが電源端子台70の内部に浸入するおそれがある。一方、実施形態の照明装置1では、電源端子台70が、前後方向に沿って差込孔700を筐体3の外に向けるように配置されているため、電源端子台70に接続される電源線を伝って結露水などが電源端子台70の内部に浸入する可能性が低くなる。
上述のように第1の態様に係る照明装置(1)は、光源(LED11)と、光源を点灯させる点灯装置(2)と、光源を支持し、かつ、点灯装置(2)を内部に収容する筐体(3)とを備える。点灯装置(2)は、回路基板(26)と、保護部材(27)とを有する。回路基板(26)は、第1実装面(261)及び第2実装面(262)を有する。回路基板(26)は、第1実装面(261)と第2実装面(262)の各々に一つ以上の回路部品が実装されている。保護部材(27)は、回路基板(26)及び回路部品を電気的に保護する。筐体(3)は、底壁(30)と、底壁(30)から同一方向に立ち上がる複数の側壁(第1側壁31、第2側壁32、第3側壁33)とを有する。光源は、底壁(30)の外側面に取り付けられる。点灯装置(2)は、複数の側壁のうちの一つの側壁(第3側壁33)と第2実装面(262)を対向させるようにして、一つの側壁(第3側壁33)に取り付けられる。保護部材(27)は、第1保護部(271)と第2保護部(272)とを有する。第1保護部(271)は、回路基板(26)の第2実装面(262)と一つの側壁(第3側壁33)の間に配置される。第2保護部(272)は、回路基板(26)の第1実装面(261)の一部を覆う。
第1の態様に係る照明装置(1)は、回路基板(26)の第1実装面(261)に実装されている第1の回路部品の一部を、筐体(3)内の空気に直接触れてさせている。その結果、第1の態様に係る照明装置(1)は、光源で発生する熱によって筐体(3)内に空気の対流が生じ、筐体(3)内の空気に直接接触している第1の回路部品の放熱を促進させて放熱性の向上を図ることができる。
第2の態様に係る照明装置(1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る照明装置(1)において、第1保護部(271)及び第2保護部(272)は、電気絶縁性及び可撓性を有するシート材によって一体に形成されていることが好ましい。
第2の態様に係る照明装置(1)は、第1保護部(271)及び第2保護部(272)の少なくともいずれか一方が合成樹脂成形体で形成される場合に比べて、保護部材(27)の製造コストの削減を図ることができる。
第3の態様に係る照明装置(1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る照明装置(1)において、第1保護部(271)は、電気絶縁性を有する合成樹脂の成形体で形成されていることが好ましい。
第3の態様に係る照明装置(1)は、シート材で形成される場合に比べて、第1保護部(271)の機械的な強度の向上を図ることができる。
第4の態様に係る照明装置(1)は、第1~第3の態様のいずれか一つとの組合せにより実現され得る。第4の態様に係る照明装置(1)において、一つ以上の回路部品(コンバータ回路20など)は、第1の回路部品と第2の回路部品とを含むことが好ましい。第1の回路部品(出力コンデンサC3など)は、回路基板(26)に対して第1実装面(261)から挿入実装されることが好ましい。第2の回路部品(制御回路21など)は、回路基板(26)の第2実装面(262)に表面実装されることが好ましい。回路基板(26)の第1実装面(261)は、第1領域(S1)と第2領域(S2)の二つの領域を有することが好ましい。一つ以上の回路部品に対して、第1領域(S1)に実装される第1の回路部品が占める割合は、第2領域(S2)に実装される第1の回路部品が占める割合よりも高いことが好ましい。点灯装置(2)は、底壁(30)から第1領域(S1)までの距離を、底壁(30)から第2領域(S2)までの距離よりも大きくするように、一つの側壁(第3側壁33)に取り付けられていることが好ましい。
第4の態様に係る照明装置(1)は、第1領域(S1)に実装される第1の回路部品が発する熱の影響が第2領域(S2)に実装される第1の回路部品及び光源に及びにくい。その結果、第4の態様に係る照明装置(1)は、底壁(30)から第1領域(S1)までの距離が、底壁(30)から第2領域(S2)までの距離よりも小さい場合に比べて、放熱性の向上を図ることができる。
第5の態様に係る照明装置(1)は、第4の態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る照明装置(1)において、第2保護部(272)は、回路基板(26)の厚み方向に沿って、少なくとも第1実装面(261)の第1領域(S1)を覆うように形成されていることが好ましい。
第5の態様に係る照明装置(1)は、回路基板(26)の第1実装面(261)に実装されている第1の回路部品を電気的に保護しつつ、放熱性の向上を図ることができる。
第6の態様に係る照明装置(1)は、第1~第5の態様のいずれか一つとの組合せにより実現され得る。第6の態様に係る照明装置(1)において、筐体(3)は、一つの側壁(第3側壁33)と対向する面が開放されていることが好ましい。第6の態様に係る照明装置(1)は、筐体(3)の開放された面を塞ぐカバー(4)を有することが好ましい。カバー(4)は、筐体(3)を形成する材料に比べて熱伝導率の低い材料で形成されていることが好ましい。
第6の態様に係る照明装置(1)は、カバー(4)の熱伝導率が筐体(3)の熱伝導率と等しい場合に比べて、放熱性の低下を抑制することができる。しかも、第6の態様に係る照明装置(1)は、カバー(4)を筐体(3)と同じ材料で形成する場合に比べて、カバー(4)の製造コストの削減を図ることができる。
第7の態様に係る照明装置(1)は、第1~第6の態様のいずれか一つとの組合せにより実現され得る。第7の態様に係る照明装置(1)は、点灯装置(2)を外部電源と電気的に接続する端子台(電源端子台70)を備えることが好ましい。端子台は、筐体(3)の内部において、回路基板(26)の第1実装面(261)と対向するように配置されていることが好ましい。
第7の態様に係る照明装置(1)は、例えば、端子台(電源端子台70)を筐体(3)の外に配置する場合に比べて、照明装置(1)全体の小型化を図ることができる。
第8の態様に係る照明装置(1)は、第7の態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係る照明装置(1)において、端子台(電源端子台70)は、外部電源の給電路となる電線が差し込まれる差込孔(700)を有することが好ましい。筐体(3)は、回路基板(26)の厚み方向に沿って、差込孔(700)を筐体(3)の外に向けるように配置されていることが好ましい。
第8の態様に係る照明装置(1)は、端子台に接続される電源線を伝って結露水などが端子台の内部に浸入する可能性を低くすることができる。