JP2021138652A - 消毒剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温条件に曝した場合であっても、殺菌力及びウイルス不活化効果に優れる消毒剤組成物を提供すること。【解決手段】 (a)式(1)の構造を有する第4級アンモニウム化合物を0.005〜1.0w/v%、(b)炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸を0.005〜5.0w/v%、及びその塩を0.005〜5.0w/v%含有し、pHが3.0〜6.0であり、1価の低級アルコールを含有しない消毒剤組成物である。下記式(1)において、R1は、炭素数8〜18の置換基である。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、特定の構造を有する(a)第四級アンモニウム化合物、(b)炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸、及びその塩をそれぞれ特定量含有し、pHが規定範囲内である消毒剤組成物に関する。具体的には、高温条件に曝した場合であっても、殺菌力及びウイルス不活化効果に優れる消毒剤組成物に関する。
米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)より「医療現場における手指衛生のためのガイドライン」が発表されたことを受け、近年、手指衛生に対する関心が高まってきた。最近では、インフルエンザを代表とする感染症の拡大が社会問題化されていることを背景に、手指衛生の重要性が更に高まってきており、感染予防の観点から各種の消毒剤が市販されている。消毒剤は、エタノールやイソプロパノールに代表される1価の低級アルコール配合消毒剤のほか、1価の低級アルコールを含まないノンアルコール手指消毒剤がある。1価の低級アルコール配合消毒剤は速乾性に優れる、消毒力に優れること等を特徴としているが、アルコール過敏症患者にとっては、使用が敬遠される傾向がある。一方、ノンアルコール消毒剤は、アルコール過敏症患者においても使用し易いことが特徴である。
ノンアルコール消毒剤の例としては、皮膚への低刺激性が特徴の一つとされるベンザルコニウム塩化物、又はベンゼトニウム塩化物などの第四級アンモニウム化合物を配合した消毒剤が挙げられる。しかしながら、これらの消毒剤は、低級アルコールを配合しないため、殺菌力、又はウイルス不活化効果が十分でない可能性があった。近年、これらの手指消毒剤について、低級アルコール配合消毒剤と同等の消毒効果を有する技術が開発されている。
例えば、特許文献1では、特定の第四級アンモニウム化合物を2種類(ベンザルコニウム塩化物、ジデシルジメチルアンモニウム塩化物)、更にアミノ酸誘導体を配合した組成物が、大腸菌に対して優れた抗菌力を発揮することを開示している。
特許文献2では、特定の第四級アンモニウム化合物、及び硫黄化合物を組み合わせた液体組成物が、ネコカリシウイルスに対して不活化効果を発揮することを開示している。
特許文献1に記載の組成物は細菌に対する効果、また特許文献2に記載の組成物はウイルスに対する効果を有していると記載があるものの、製剤の安定性については言及されていない。製剤の安定性が良好でない場合、配合原料の変性等の影響で白濁し、細菌又はウイルスに対する効果が低下するおそれがある。一般的に、第四級アンモニウム化合物は安定であるとされているが、高温条件に曝した場合、製剤が白濁する可能性がある。例えば、夏季に屋外倉庫で保管する、夏季に空調のない車両で輸送する、冬季に暖房器具の近くに置く、等の状況が想定されるので、高温条件での安定性が担保されていることは重要である。このため、低級アルコールを無配合とし、第四級アンモニウム化合物を配合した消毒剤であって、更に製剤を高温条件に曝した場合であっても殺菌力、及びウイルス不活化効果が持続する消毒剤の技術開発が求められていた。
特表2018−511607号公報 特開2016−141673号公報
本発明の課題は、1価の低級アルコールを含有しない消毒剤組成物であって、高温条件に曝した場合でも殺菌力、及びウイルス不活化効果が持続する消毒剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した。その結果、1価の低級アルコールを含有しない消毒剤組成物であって、特定の構造を有する(a)第四級アンモニウム化合物、(b)炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸とその塩をそれぞれ特定量含有し、更にpHが規定範囲内である消毒剤組成物を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の消毒剤組成物とは以下の通りである。
[1](a)式(1)の構造を有する第四級アンモニウム化合物を0.005〜1.0w/v%、(b)炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸を0.005〜5.0w/v%、及びその塩を0.005〜5.0w/v%含有し、pHが3.0〜6.0であり、1価の低級アルコールを含有しない消毒剤組成物。
Figure 2021138652

(式(1)において、Rは、炭素数8〜18の置換基である)
[2]さらに、式(2)の構造を有するフェノール系化合物を0.01〜5.0w/v%含有する、上記[1]に記載の消毒剤組成物。
Figure 2021138652


(式(2)において、Rは、水素原子、又はエステル骨格を有する炭素数4以下の置換基であり、Rは水素原子、又はヒドロキシル基を有する炭素数4以下の置換基である)
本発明によれば、高温条件に曝した場合でも殺菌力、及びウイルス不活化効果が持続する消毒剤組成物を提供することができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
なお、本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、含有量など)を段階的に記載した場合、各下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10〜100、より好ましくは20〜90」という記載において、「好ましい下限値:10」と「より好ましい上限値:90」とを組み合わせて、「10〜90」とすることができる。
本発明の消毒剤組成物は、(a)式(1)の構造を有する第四級アンモニウム化合物を0.005〜1.0w/v%、(b)炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸を0.005〜5.0w/v%、及びその塩を0.005〜5.0w/v%含有し、pHが3.0〜6.0であり、1価の低級アルコールを含有しない消毒剤組成物である。
以下に本発明の詳細を説明する。
本発明の消毒剤組成物は、1価の低級アルコールを含まないものである。1価の低級アルコールを含まないことにより、皮膚への刺激が少なくなり、アルコール過敏体質の使用者にとって使用しやすい消毒剤組成物となる。ここで、1価の低級アルコールとは、1価の炭素数1〜3のアルコールを意味する。1価の炭素数1〜3のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどが挙げられる。なお、1価の低級アルコールを含まないとは、1価の低級アルコールを意図的に配合しないという意味であり、例えば、消毒剤組成物中に不可避的な不純物として含有されうる1価の低級アルコールは許容される。
<(a)第四級アンモニウム化合物>
本発明の消毒剤組成物は、(a)式(1)の構造を有する第四級アンモニウム化合物(以下、(a)成分ともいう)を含有する。
Figure 2021138652

(式(1)において、Rは、炭素数8〜18の置換基である)
式(1)においてRは、炭素数8〜18の置換基の中でも、炭素数8〜18の炭化水素基、酸素原子を有する炭素数8〜18の基などが好ましい。
上記炭素数8〜18の炭化水素基は、特に限定されないが、炭素数8〜18のアルキル基が好ましい。該炭素数8〜18のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、例えば、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
上記酸素原子を有する炭素数8〜18の基としては、酸素原子を有する炭化水素基などが挙げられ、中でもアルキレンエーテル部位[−(R−O)−:Rは炭素数1〜3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。nは1〜3の整数であり、好ましくは2である]を有する芳香族炭化水素基が好ましい。
式(1)の構造を有する第四級アンモニウム化合物の具体的な種類としては、好ましくは、ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物等を挙げることができる。中でも、身体への適用範囲が広範であることから、ベンザルコニウム塩化物がより好ましい。本発明の消毒剤組成物に含まれる(a)成分は、1種でもよいし、2種以上を組み合わせて含有してもよい。
本発明の消毒剤組成物における(a)成分の含有量は、0.005〜1.0w/v%である。(a)成分の含有量が0.005w/v%未満の場合は、広範な殺菌スペクトルを発揮できない可能性がある。また、(a)成分の含有量が、1.0w/v%より多い場合は、殺菌力の大きな改善が見込めず、費用対効果の関係から好ましくない。
本発明の(a)成分の含有量は、殺菌効果の観点から、好ましくは、0.01w/v%〜0.5w/v%であり、更に好ましくは、0.025w/v%〜0.25w/v%であり、より更に好ましくは、0.05w/v%〜0.2w/v%である。なお、(a)成分の含有量は、(a)成分が2種以上含まれる場合は、(a)成分の合計量を意味する。
<(b)炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸、及びその塩>
本発明の消毒剤組成物は、(b)炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸、及びその塩(以下(b)成分ともいう)を含有する。本発明におけるヒドロキシモノカルボン酸とは、ヒドロキシ基を1以上有し、かつ価数が1(カルボキシル基数が1)であるカルボン酸を指す。
本発明の消毒剤組成物に含まれる(b)成分のうち、炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸は、上記したヒドロキシモノカルボン酸に該当する炭素数2〜6の化合物であれば特に制限されないが、具体的には、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、1−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、パントイン酸、メバロン酸、2,3−ジヒドロキシ−3−メチルペンタン酸等が挙げられる。これら炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸はD体、L体、DL体のいずれであってもよい。
本発明の消毒剤組成物に含まれる炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸は、少なくとも1種を含んでいればよく、2種以上の炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸を組み合わせて含有してもよい。
本発明の消毒剤組成物に含まれる炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸については、殺菌力の観点から、好ましくは乳酸、グルコン酸であり、より好ましくは乳酸である。
本発明の消毒剤組成物に含まれる(b)成分のうち、炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸塩については、炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸の塩であれば特に制限されないが、上記した炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明の消毒剤組成物に含まれる炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸塩は、好ましくは、グリコール酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、パントイン酸カルシウムであり、より好ましくは、乳酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムである。
本発明の消毒剤組成物に含まれる炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸塩については、添加方法は限定されない。例えば、乳酸ナトリウムを直接添加せず、乳酸、及び水酸化ナトリウムを添加することによって、消毒剤組成物中で乳酸ナトリウムを形成させて、乳酸ナトリウムを添加したとみなしてもよい。
(b)成分のうち、炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸の含有量は、0.005〜5.0w/v%である。含有量が0.005w/v%未満の場合は、細菌、真菌、ウイルスに対して十分な殺菌力を発揮できない恐れがある。また、含有量が、5.0w/v%より多い場合、消毒剤組成物のpHは(b)成分のみに依存するわけではないが、高温条件下におけるpHの経時変動を制御することが困難となる場合がある。
本発明の(b)成分のうち、炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸の含有量は、殺菌力担保、及びpHの経時変動抑制のため、好ましくは、0.01〜2.0w/v%であり、更に好ましくは、0.05〜0.5w/v%である。なお、炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸の含有量は、2種以上使用する場合は、その合計量を意味する。
本発明の(b)成分のうち、炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸塩の含有量は、0.005〜5.0w/v%である。含有量が0.005w/v%未満、若しくは5.0w/v%より多い場合、目標とするpHに制御することが困難となり得る。
本発明の(b)成分のうち、炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸塩の含有量は、目標pHへの制御のし易さから、好ましくは0.05〜4.0w/v%であり、より好ましくは0.2〜3.0w/v%であり、更に好ましくは、1.0〜2.5w/v%である。なお、炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸塩の含有量は、2種以上使用する場合は、その合計量を意味する。
<消毒剤組成物のpH>
本発明の消毒剤組成物のpHは、3.0〜6.0である。pHが3.0より低い、若しくは6.0より高い場合、高温条件下における安定性が低下し、細菌、真菌、ウイルスに対して十分な効果が発揮できないおそれがある。
本発明の消毒剤組成物のpHは、安定性、消毒力の観点から好ましくは、3.5〜5.5であり、更に好ましくは4.0〜5.0である。
なお、pHは、第17改正日本薬局方 一般試験法 2.54に従い測定する。
<フェノール系化合物>
本発明の消毒剤組成物は、上記の成分に加えて、式(2)の構造を有するフェノール系化合物(以下、単にフェノール化合物ともいう)を含有してもよい。該フェノール系化合物を使用することにより、消毒剤組成物の殺菌力及びウイルス不活性効果を向上させることが可能となる。
Figure 2021138652

式(2)において、Rは水素原子、又はエステル骨格を有する炭素数4以下の置換基であり、Rは水素原子、又はヒドロキシル基を有する炭素数4以下の置換基である。
におけるエステル骨格を有する炭素数4以下の置換基は、好ましくは以下の式(3)で表される基である。
−C(=O)O−R (3)
式(3)において、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、好ましくはメチル基である。
におけるヒドロキシル基を有する炭素数4以下の置換基は、好ましくは以下の式(4)で表される基である。
−R−OH (4)
式(4)において、Rは炭素数1〜4のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。
式(2)で表されるフェノール系化合物としては、好ましくはフェノキシエタノール、パラオキシ安息香酸メチルである。フェノール系化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の消毒剤組成物におけるフェノール系化合物の含有量は、0.01〜5.0w/v%であることが好ましい。この範囲であれば、細菌、真菌、ウイルスに対する効果を特に高めることができる。フェノール系化合物は、より好ましくは0.1〜1.0w/v%である。フェノール系化合物の含有量は、2種以上使用する場合は、その合計量を意味する。
<その他の成分>
本発明の消毒剤組成物は、本発明の効果を阻害しない限り、上記成分以外にも、必要に応じて一般に消毒剤に用いられる保湿剤、エモリエント剤、増粘剤、可溶化剤、若しくは塩基性成分等のその他の成分を含有してもよい。
保湿剤としては、例えば、MPC共重合体を挙げることが出来る。MPC共重合体は、式(5)で表される構成単位及び(6)で表される構成単位を有する共重合体であり、式(5)と式(6)の共重合比(式(5)で表される構成単位/式(6)で表される構成単位)は、モル比で70/30〜90/10である。また、MPC共重合体の重量平均分子量(Mw)は、50,000〜2,000,000である。重量平均分子量は、GPC(ゲルろ過クロマトグラフィー)測定により、ポリエチレングリコール換算で求められる。
Figure 2021138652

(式(5)において、Rは水素原子又はメチル基である。)
Figure 2021138652

(式(6)において、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2〜6のアルキル基である。)
MPC共重合体以外の保湿剤の例として、グリセリン、ソルビトール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ピロリドンカルボン酸及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、N−ココイル−L−アルギニンエチルエステルDL−ピロリドンカルボン酸塩、尿素等を挙げることができる。保湿剤として、これらの1種類以上を含有することができる。
エモリエント剤としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソブチル、マレイン酸イソブチル等を挙げることができる。エモリエント剤として、これらの1種類以上を含有することができる。
増粘剤としては、例えば、天然多糖類及びその誘導体、具体的にはカルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン、プルラン、マンナン、アミロペクチン、アミロース、デキストラン、ヒドロキシエチルデキストラン、レバン、イヌリン、キチン、キトサン、キシログルカン、アルギン酸、アラビアゴム、グアーガム、トラガントガム、ヘパリン、メチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を挙げることができる。増粘剤として、これら1種類以上を含有することができる。
可溶化剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等を挙げることができる。可溶化剤として、これら1種類以上を含有することができる。
塩基性成分としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール等のアルキルアミン、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。
本発明の消毒剤組成物の製品形態は、特に制限されず、液状、ジェル状、ペースト状等を挙げることができる。中でも、ポンプが付属された容器から吐出することを想定すると、液状が好ましい。本発明の消毒剤組成物の使用方法は特に制限されないが、例えば、適当なポンプフォーマー等に充填し、適量を手に取り、直接的に手指や皮膚等へ適用して殺菌、消毒を行うことが好ましい。
以下、本発明を実施例、比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例で使用した各成分は以下のとおりである。
[消毒剤組成物の各成分]
<成分(a)>
ベンザルコニウム塩化物
ベンゼトニウム塩化物
<成分(b)>
乳酸
グルコン酸
乳酸ナトリウム
グルコン酸ナトリウム
<フェノール系化合物>
フェノキシエタノール
パラオキシ安息香酸メチル
<その他成分>
保湿剤:MPC共重合体 2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とブチルメタクリレート(BMA)の共重合体(モル比 MPC/BMA=80/20)、重量平均分子量60万
共通成分:1,3−ブチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール
(実施例1)
精製水に乳酸(成分(b))、及び乳酸ナトリウム(成分(b))を加え、これらが溶解するまで攪拌し、事前混合液(1)を調製した。次いで、必要に応じて加温しながら、精製水中に、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、事前混合液(1)、ベンザルコニウム塩化物(成分(a))を順に加え、消毒剤組成物を得た。なお各成分の配合量は、後述の表にまとめた。なお、表に示す各成分の数値の単位「g/100mL」は、「w/v%」と等価である。
また、得られた消毒剤組成物について、以下の評価を行い、各評価結果を表に記載した。
(実施例2)
精製水に乳酸(成分(b))、及び乳酸ナトリウム(成分(b))を加え、これらが溶解するまで攪拌し、事前混合液(1)を調製した。次いで、必要に応じて加温しながら、精製水中に、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、MPC共重合体、1,3−ブチレングリコール、事前混合液(1)、ベンザルコニウム塩化物(成分(a))を順に加え、消毒剤組成物を得た。なお各成分の配合量は、後述の表にまとめた。
(実施例3〜4、6〜7)
表1のとおり消毒剤組成物の各成分の種類、及び量を変更して、実施例2に準じて、消毒剤組成物を調製した。
(実施例5)
表1のとおり消毒剤組成物の各成分の種類、及び量を変更して、実施例1に準じて、消毒剤組成物を調製した。
(比較例1〜3)
表2の配合組成により、実施例の方法に準じて、消毒剤組成物を調製した。なお、成分(b)を用いる場合は、実施例と同様に、最初に事前混合液を調製した後、消毒剤組成物を調製した。
[安定性評価]
上記のとおり得られた消毒剤組成物をスクリュー管瓶に50mL分注し、60±2℃の恒温槽に保管した。保管に際しては、蓋を密閉し、正立した状態とした。1週間経過後、消毒剤組成物を恒温槽から取り出し、外観確認、MIC試験(殺菌力の評価)、インフルエンザウイルス不活化試験を実施した。
(外観確認)
外観については、スクリュー管瓶内の消毒剤組成物を目視確認し、無色澄明であるとき「〇」、それ以外の場合は「×」とした。
(MIC試験)
MIC試験は、以下の通り実施した。
<試験菌種>
・大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)
・緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)
・黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC13276)
・カンジダ(Candida albicans NBRC1594)
<試験菌液の調製>
各菌種に対し、滅菌した生理食塩液を用いて、一定濃度(1×10−8CFU/mL)となるよう試験菌液を調製した。なお前記CFUとは、Colony Forming Unitのことであり、コロニーを形成する能力がある単位数のことである。
<MIC(最小発育阻止濃度)試験>
上記のとおり得られた消毒剤組成物を検体として、検体100μLをSCD培地で2倍ずつ段階希釈し、検体最終濃度を0.05%とする希釈系列を作製した。作製した希釈系列に、各試験菌液50μLを添加した後、24時間、37℃で培養した。培養終了後、培地の濁りを肉眼で判定し、菌の発育を認めない最小濃度(μg/mL)をもって、MICとした。なお、本試験においては、MICが7.8以下であるとき「〇」、7.8より大きく、31.3以下であるとき「△」、31.3より大きいとき「×」とした。なお、本試験においては、MICが7.8以下であるとき、対象菌種に対する殺菌力を有すると判断した。
(インフルエンザウイルス不活性化試験)
上記のとおり得られた消毒剤組成物について、消毒剤組成物0.8mLに、MDCK細胞(イヌ腎臓由来細胞)で感染培養したA型インフルエンザウイルスH1N1(A/PR/8/34;TC adapted ATCC VR−1469)の懸濁液0.1mL、さらに汚濁物質(0.03g/L ウシ血清アルブミン)0.1mLを加えた混合液1を調製し、20℃で15秒間放置した。また、この際用いる試験ウイルスの懸濁液、汚濁物質および消毒剤組成物は、あらかじめ試験温度(20±1℃)に調整しておいた。
つづいて、混合液1の0.5mLを薬剤不活性化剤(ウシ胎児血清を10%としたSCDLP培地)4.5mLに加え、混合して混合液2を調製した。混合液2の0.1mLをEMEM(Eagle’s minimal essential medium)0.9mLに加え、混合して混合液3を調製した。この混合液3についてプラーク測定法にてウイルス感染価を測定した。得られたウイルス感染価常用対数平均値(LOG[PFU/mL])をAとした。
消毒剤組成物の代わりに硬水を用いて、同様に調製したものを対照試料とした。対照試料にて、同様にウイルス感染価を測定した。得られたウイルス感染価常用対数平均値(LOG[PFU/mL])をBとした。
インフルエンザウイルスに対する効果を評価する指標として、B−A(以下、ウイルス感染価減少値)の値を計算した。
ウイルス感染価減少値について、4.0より大きいとき「◎」、4.0以下で、2.0より大きいとき「○」、2.0以下であるとき「×」とした。なお、本試験においては、ウイルス感染価減少値が2.0より大きいとき、インフルエンザウイルスに対する不活化効果を有すると判断した。
Figure 2021138652
Figure 2021138652
表1の実施例の結果から明らかなように、本発明の消毒剤組成物は、高温条件に曝した場合であっても、殺菌力及びウイルス不活化効果に優れることが分かった。
これに対して、表2に示すように、成分(a)及び成分(b)のいずれかを含有しないか、又はpHが3.0〜6.0の範囲にない比較例の消毒剤組成物は、殺菌力及びウイルスの不活性効果の少なくともいずれかに劣ることが分かった。

Claims (2)

  1. (a)式(1)の構造を有する第四級アンモニウム化合物を0.005〜1.0w/v%、
    (b)炭素数2〜6のヒドロキシモノカルボン酸を0.005〜5.0w/v%、及びその塩を0.005〜5.0w/v%含有し、
    pHが3.0〜6.0であり、
    1価の低級アルコールを含有しない消毒剤組成物。
    Figure 2021138652

    (式(1)において、Rは、炭素数8〜18の置換基である)
  2. さらに、式(2)の構造を有するフェノール系化合物を0.01〜5.0w/v%含有する、請求項1に記載の消毒剤組成物。
    Figure 2021138652


    (式(2)において、Rは水素原子、又はエステル骨格を有する炭素数4以下の置換基であり、Rは水素原子、又はヒドロキシル基を有する炭素数4以下の置換基である)

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