JP2022185525A - 消毒剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温条件下でビグアニド化合物であるクロルヘキシジンの分解が抑制され、殺菌効果が低下しないビグアニド化合物配合アルコール消毒剤を提供すること。【解決手段】(a)クロルヘキシジン又はその塩を0.01~2.0w/v%、(b)炭素数1~3の1価アルコールを40~80w/v%、(c)炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸を0.005~1.0w/v%、及びその塩を0.001~0.5w/v%含有し、pHが4.5~6.5である消毒剤。【選択図】なし

Description

本発明は、高温条件下でも安定性に優れ、殺菌効果が持続する消毒剤に関する。
米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)より「医療現場における手指衛生のためのガイドライン」が発表されたことを受け、近年、手指衛生に対する関心が高まってきた。最近では、新型コロナウイルスを代表とする感染症の拡大が社会問題化されていることを背景に、手指衛生の重要性が更に高まってきており、感染予防の観点から各種の消毒剤が市販されている。消毒剤は、エタノールやイソプロパノールに代表される1価の低級アルコール配合消毒剤、塩化ベンザルコニウムに代表される界面活性剤配合消毒剤、グルコン酸クロルヘキシジンに代表されるビグアニド配合消毒剤、の3種類に大別される。各製剤の特徴として、低級アルコール配合消毒剤は速乾性があること、界面活性剤配合消毒剤は身体への適用範囲が広範であること、ビグアニド配合消毒剤は、特に真菌類などの微生物種に対する抗菌効果に優れることが一例として挙げられる。
さらに、近年では、速乾性、かつ優れた殺菌効果を有する消毒剤として、低級アルコール、およびビグアニド化合物を配合した消毒剤〔以下、ビグアニド化合物配合アルコール消毒剤〕が開発されている。ビグアニド化合物配合アルコール消毒剤は、例えば手術時などの高頻度で消毒剤を使用する場面において、必要不可欠なものである。ビグアニド化合物配合アルコール消毒剤に関し、以下のような技術が開発されている。
特許文献1では、ビグアニド化合物(グルコン酸クロルヘキシジン)、低級アルコール、増粘剤、湿潤剤を配合した殺菌消毒用組成物が、手指消毒評価法による評価方法において、持続的な殺菌効果を有することを開示している。
特許文献2では、ビグアニド化合物(グルコン酸クロルヘキシジン)、低級アルコール、セルロース系の疎水性高分子化合物を配合した粘稠な速乾性殺菌消毒剤が、持続的な殺菌効果、更にヨレやヌメリが生じることなく耐水性に優れることを開示している。
国際公開第2007/061028号 特許第3592080号公報
特許文献1及び2に記載のビグアニド化合物配合アルコール消毒剤は、殺菌効果に関する記載があるものの、製剤の安定性については言及されていない。製剤の安定性が良好でない場合、ビグアニド化合物の分解が起こり、殺菌効果が低下するおそれがある。一般的に、ビグアニド化合物は安定であるとされているが、例えば60℃程度の高温条件に曝した場合、ビグアニド化合物の分解が発生する可能性がある。例えば、夏季に屋外倉庫で保管する、夏季に空調のない車両で輸送する、冬季に暖房器具の近くに置く、等の状況が想定されるので、高温条件での安定性が担保されていることは重要である。このため、ビグアニド化合物配合アルコール消毒剤であって、更に製剤を高温条件に曝した場合であってもビグアニド化合物の分解が抑制され、殺菌効果が低下しない製剤の技術開発が求められていた。
本発明の課題は、製剤の安定性を向上させることで、高温条件下でビグアニド化合物の分解が抑制され、殺菌効果が低下しないビグアニド化合物配合アルコール消毒剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、(a)クロルヘキシジン又はその塩、(b)炭素数1~3の1価アルコール、(c)炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸とその塩をそれぞれ特定量含有し、更にpHが規定範囲内である消毒剤を用いることで、高温条件下でビグアニド化合物の分解が抑制され、殺菌効果が低下しないビグアニド化合物配合アルコール消毒剤に関する技術を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の消毒剤とは以下の通りである。
(a)クロルヘキシジン又はその塩を0.01~2.0w/v%、(b)炭素数1~3の1価アルコールを40~80w/v%、(c)炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸を0.005~1.0w/v%、及びその塩を0.001~0.5w/v%含有し、pHが4.5~6.5である消毒剤。
本発明によれば、高温条件下でビグアニド化合物の分解が抑制され、殺菌効果が低下しないビグアニド化合物配合アルコール消毒剤を提供することができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
なお、本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、含有量など)を段階的に記載した場合、各下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10~100、より好ましくは20~90」という記載において、「好ましい下限値:10」と「より好ましい上限値:90」とを組み合わせて、「10~90」とすることができる。
本発明の消毒剤は、(a)クロルヘキシジン又はその塩を0.01~2.0w/v%、(b)炭素数1~3の1価アルコールを40~80w/v%、(c)炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸を0.005~1.0w/v%、及びその塩を0.001~0.5w/v%含有し、pHが4.5~6.5である消毒剤である。
以下に本発明の詳細を説明する。
<(a)クロルヘキシジン、又はその塩>
本発明の消毒剤は、(a)クロルヘキシジン、又はその塩(以下(a)成分ともいう)を含有する。
成分(a)としては、例えば、グルコン酸クロルヘキシジン、パルミチン酸クロルヘキシジン、ホスファニル酸クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、塩化クロルヘキシジン、ヨウ化水素酸クロルヘキシジン、過塩素酸クロルヘキシジン、硝酸クロルヘキシジン、硫酸クロルヘキシジン、亜硫酸クロルヘキシジン、チオ硫酸クロルヘキシジン、リン酸水素クロルヘキシジン、フルオロリン酸クロルヘキシジン、ギ酸クロルヘキシジン、プロピオン酸クロルヘキシジン、ヨード酪酸クロルヘキシジン、n-バレリアン酸クロルヘキシジン、カプロン酸クロルヘキシジン、マロン酸クロルヘキシジン、コハク酸クロルヘキシジン、リンゴ酸クロルヘキシジン、酒石酸クロルヘキシジン、モノグリコール酸クロルヘキシジン、ジグリコール酸クロルヘキシジン、乳酸クロルヘキシジン、α-ヒドロキシイソ酪酸クロルヘキシジン、グルコヘプトン酸クロルヘキシジン、イソチオン酸クロルヘキシジン、安息香酸クロルヘキシジン、ケイ皮酸クロルヘキシジン、マンデル酸クロルヘキシジン、イソフタル酸クロルヘキシジン、2-ヒドロキシナフトエ酸クロルヘキシジン等が挙げられる。これらの中でも、グルコン酸クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジンが好ましく、グルコン酸クロルヘキシジンがより好ましい。
本発明の消毒剤に含まれる(a)成分は、少なくとも1種を含んでいればよく、2種以上のクロルヘキシジン、又はその塩を組み合わせて含有してもよい。
本発明の(a)成分の含有量の合計は、0.01~2.0w/v%である。含有量の合計が0.01w/v%未満の場合は、殺菌効果が発揮できない可能性がある。また、含有量の合計が、2.0w/v%より多い場合は、殺菌効果の大きな改善が見込めず、費用対効果の関係から好ましくない。
本発明の(a)成分の含有量の合計は、0.01~2.0w/v%であり、殺菌効果の観点から、好ましくは、0.05w/v%~1.5w/v%であり、更に好ましくは、0.2w/v%~1.25w/v%であり、より更に好ましくは、0.5w/v%~1.0w/v%である。
<(b)炭素数1~3の1価アルコール>
本発明の消毒剤は、炭素数1~3の1価アルコールを含有する。本発明における炭素数1~3の1価アルコールとは、炭素数1~3、ヒドロキシ基数1の化合物を指す。以下、炭素数1~3の1価アルコールのことを(b)成分と記載することもある。
(b)成分としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノールが挙げられる。これらの中でも、エタノール、イソプロパノールが好ましい。
本発明の消毒剤に含まれる(b)成分は、少なくとも1種を含んでいればよく、2種以上を組み合わせて含有してもよい。
本発明の(b)成分の含有量の合計は、40~80w/v%である。含有量の合計が40w/v%未満の場合は、本消毒剤の速乾性が損なわれるがある。また、含有量の合計が、80w/v%より多い場合は、速乾性や殺菌効果について大きな改善が見込めず、費用対効果の関係から好ましくない。
本発明の(b)成分の含有量の合計は、40~80w/v%であり、速乾性や殺菌効果の観点から、好ましくは、50w/v%~75w/v%であり、更に好ましくは、60w/v%~70w/v%である。
<(c)炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸、及びその塩>
本発明の消毒剤は、(c)炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸、及びその塩を含有する(以下(c)成分ともいう)。
本発明におけるヒドロキシモノカルボン酸とは、ヒドロキシ基を1以上有し、かつ価数が1(カルボキシル基数が1)であるカルボン酸を指す。
本発明の消毒剤に含まれる(c)成分のうち、炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸について、炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸であれば特に制限されないが、具体的には、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、3-ヒドロキシプロピオン酸、1-ヒドロキシ酪酸、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、パントイン酸、メバロン酸、2,3-ジヒドロキシ-3-メチルペンタン酸等が挙げられる。これら炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸はD体、L体、DL体のいずれであってもよい。
本発明の消毒剤に含まれる炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸は、少なくとも1種を含んでいればよく、2種以上の炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸を組み合わせて含有してもよい。
本発明の消毒剤に含まれる炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸については、殺菌力の観点から好ましくは、乳酸、グルコン酸であり、更に好ましくは乳酸である。
本発明の消毒剤に含まれる(c)成分のうち、炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸塩については、炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸の塩であれば特に制限されないが、上記の酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明の消毒剤に含まれる炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸塩は、好ましくは、グリコール酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、パントイン酸カルシウムであり、より好ましくは、乳酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムである。
本発明の消毒剤に含まれる炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸塩については、添加方法は限定されない。例えば、乳酸ナトリウムを直接添加せず、乳酸、及び水酸化ナトリウムを添加することによって、消毒剤中に乳酸ナトリウムを添加したとみなしてもよい。
本発明の(c)成分のうち、炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸の合計含有量は、0.005~1.0w/v%である。含有量の合計が0.005w/v%未満の場合は、殺菌効果が低減される恐れがある。また、含有量の合計が、1.0w/v%より多い場合、消毒剤のpHは(c)成分のみに依存するわけではないが、高温条件下におけるpHの経時変動を制御することが困難となる場合がある。
本発明の(c)成分のうち、炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸の合計含有量は、0.005~1.0w/v%であり、殺菌力担保、及びpHの経時変動抑制のため、好ましくは、0.01w/v%~0.5w/v%であり、更に好ましくは、0.05w/v%~0.3w/v%である。
本発明の(c)成分のうち、炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸塩の合計含有量は、0.001~0.5w/v%である。含有量の合計が0.001w/v%未満、若しくは0.5w/v%より多い場合、目標とするpHに制御することが困難となり得る。
本発明の(c)成分のうち、炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸塩の合計含有量は、0.001~0.5w/v%であり、目標pHへの制御のし易さから、好ましくは、0.005w/v%~0.25w/v%であり、更に好ましくは、0.01w/v%~0.1w/v%である。
<pH>
本発明の消毒剤のpHは、4.5~6.5である。pHが4.5より低い、若しくは6.5より高い場合、高温条件下における安定性が低下し、殺菌効果が低下する恐れがある。
本発明の消毒剤のpHは、安定性、消毒力の観点から好ましくは、5.0~6.0であり、更に好ましくは5.3~5.7である。
なお、pHは、測定温度は25℃とし、第17改正日本薬局方 一般試験法 2.54に従い測定する。
<その他の成分>
本発明の消毒剤は、本発明の効果を阻害しない限り、上記成分以外にも、必要に応じて一般に消毒剤に用いられる保湿剤、エモリエント剤、増粘剤、可溶化剤、若しくは塩基性成分等を含有してもよい。
保湿剤としては、例えば、MPC共重合体を挙げることが出来る。MPC共重合体は、下記式(1)で表される構成単位及び下記(2)で示される構成単位を含む共重合体(以下、MPC共重合体A)であり、式(1)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位の含有量の比は、モル比で70/30~90/10である。また、その重量平均分子量(Mw)は、50,000~2,000,000である。
Figure 2022185525000001

(式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
Figure 2022185525000002

(式(2)において、Rは水素原子又はメチル基を示す。Rは炭素数1~22の直鎖または分岐を有していてもよいアルキル基を示す。)
MPC共重合体以外の保湿剤の例として、濃グリセリン、グリセリン、ソルビトール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ピロリドンカルボン酸及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、N-ココイル-L-アルギニンエチルエステルDL-ピロリドンカルボン酸塩、尿素等を挙げることができる。これらの1種類以上を含有することができる。
エモリエント剤としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソブチル、マレイン酸イソブチル等を挙げることができる。これらの1種類以上を含有することができる。
増粘剤としては、例えば、天然多糖類及びその誘導体、具体的にはカルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン、プルラン、マンナン、アミロペクチン、アミロース、デキストラン、ヒドロキシエチルデキストラン、レバン、イヌリン、キチン、キトサン、キシログルカン、アルギン酸、アラビアゴム、グアーガム、トラガントガム、ヘパリン、メチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を挙げることができる。これら1種類以上を含有することができる。
可溶化剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等を挙げることができる。これら1種類以上を含有することができる。
塩基性成分としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール等のアルキルアミン、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。
本発明の消毒剤の製品形態は、特に制限されず、液状、ジェル状、ペースト状等を挙げることができる。中でも、ポンプが付属された容器から吐出することを想定すると、液状が好ましい。本発明の消毒剤の使用方法は特に制限されないが、例えば、適当なスプレー容器等に充填し、適量を手に取り、直接的に手指や皮膚、その他の手術部位等へ適用して殺菌、消毒を行う方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例及び比較例で使用した各成分は以下のとおりである。
[消毒剤の各成分(*)]
<成分(a)>
グルコン酸クロルヘキシジン
<成分(b)>
エタノール
イソプロパノール
<成分(c)>
ヒドロキシモノカルボン酸:乳酸、グルコン酸
ヒドロキシモノカルボン酸塩:乳酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム
<その他成分>
MPC共重合体A(式(1)/式(2)のモル比=80/20、重量平均分子量(Mw)=600,000)、濃グリセリン、ミリスチン酸イソプロピル
(*)上記成分の残部は精製水を配合する。
(実施例1)
エタノール(成分(b))をガラスビーカーに量り取り、攪拌を開始し、ミリスチン酸イソプロピル、濃グリセリン、精製水、乳酸(成分(c))、乳酸ナトリウム(成分(c))、MPC共重合体A、グルコン酸クロルヘキシジン(成分(a))を順に加えて消毒剤を得た。なお各成分の配合量は、後述の表にまとめた。
また、得られた消毒剤について以下の評価を行ったので、各評価結果を表に記載した。なお、表に示す各成分の数値の単位「g/100mL」は、「w/v%」と等価である。
(実施例2~7、比較例1~3)
各成分の種類及び配合量を表1のとおりとして、実施例1と同様にして消毒剤を得た。
また、得られた消毒剤について、以下の評価を行い、各評価結果を表に記載した。
[評価]
作製した消毒剤については、以下の通り評価を実施した。
上記のとおり得られた消毒剤をスクリュー管瓶に50mL分注し、60±2℃の恒温槽に保管した。保管に際しては、蓋を密閉し、正立した状態とした。1週間経過後、消毒剤を恒温槽から取り出し、pH測定、グルコン酸クロルヘキシジン含量測定、殺菌効果試験を実施した。
続いて、グルコン酸クロルヘキシジン含量測定、殺菌効果試験の試験方法について記載する。
1.グルコン酸クロルヘキシジン含量測定
各製剤において、上記条件での保管前後でグルコン酸クロルヘキシジン含量(g/100mL)を測定し、保管前に対する保管後の含量相対値(%)を算出した。
グルコン酸クロルヘキシジン含量(g/100mL)の具体的な測定方法については、以下の通りである。
<測定機器>
高速液体クロマトグラフィー
<各試料の調製方法>
・内標準溶液の調製
アセナフテン0.050gを精密に量り、移動相を加えて正確に100mLとし、内標準溶液とした。
・グルコン酸クロルヘキシジン標準溶液の調製
日局グルコン酸クロルヘキシジン液1.0gを精密に量り、移動相に溶かし、正確に100mLとした。本溶解液2mLを正確に量り、内標準溶液10mLを正確に加え、更に移動相を加えて正確に50mLとし、標準溶液とした。
・試料溶液の調製
消毒剤2mLを正確に量り、内標準溶液10mLを正確に加え、更に移動相を加えて正確に50mLとし、試料溶液とした。
<高速液体クロマトグラフィー測定条件>
・移動相:イオンペアクロマトグラフ用ドデシル硫酸ナトリウム1.0gと液体クロマトグラフ用酢酸1.0gを精密に量り、ミリQ水を加えて500mLとした。この液400mLに液体クロマトグラフィー用アセトニトリル400mL及び液体クロマトグラフィー用テトラヒドロフラン200mLを加えた。
・カラムオーブン:40℃付近の一定温度
・流量:グルコン酸クロルヘキシジンの保持時間が約7分になるように調整した。
・検出器:紫外吸光度検出器 (検出波長 263nm)
・カラム:長さ150mm,内径4.6mm,粒子経5um,固定相:オクタデシルシリル化ゲル、又は同等の性能を有するもの
・注入量:20uL
<含量の計算方法>
高速液体クロマトグラフィーでの測定結果を参照し、以下のQTa,QSaを算出した。このとき、ATa,ATs,ASa,ASsは整数値を代入しQTa,QSaを算出した。QTa,QSaは小数点以下第5位を四捨五入して小数点以下4桁とした。
グルコン酸クロルヘキシジンの含量(g/100mL)
=M × QTa/QSa× 1/5 ×100
式中の記号は以下の通りである。
Ta=ATa/ATs
Sa=ASa/ASs
:日局グルコン酸クロルヘキシジン液の秤取量(mg)
Ta:試料溶液に含まれるグルコン酸クロルヘキシジンのピーク面積値
Ts:試料溶液に含まれる内標準物質のピーク面積値
Sa:標準溶液に含まれるグルコン酸クロルヘキシジンのピーク面積値
Ss:標準溶液に含まれる内標準物質のピーク面積値
Ta:試料溶液に含まれるグルコン酸クロルヘキシジンのピーク面積値を内標準物質のピーク面積値で割った値
Sa:標準溶液に含まれるグルコン酸クロルヘキシジンのピーク面積値を内標準物質のピーク面積値で割った値
<グルコン酸クロルヘキシジン含量相対値(%)の評価>
上記の計算でグルコン酸クロルヘキシジン含量を算出し、保管前に対する保管後の含量相対値(%)を算出した。含量相対値は少数第1桁を四捨五入した値とした。
グルコン酸クロルヘキシジン含量相対値について、98%以上であるとき「◎」、97%以下かつ95%以上であるとき「○」、94%以下かつ90%以上であるとき「△」、89%以下であるとき「×」とした。本試験においては、グルコン酸クロルヘキシジン含量相対値が95%以上であるとき、グルコン酸クロルヘキシジンの分解が抑制されていると判断した。
2.殺菌効果
以下の通り、本殺菌効果試験は、ASTM E1115-11を参考に試験方法を設計した。
<概要>
以下のI~VIIIの順で行った。
(I)抗菌剤無配合石鹸、流水による手指洗浄
(II)滅菌済手袋を装着
(III)サンプリング(ベースライン測定)
(IV)製剤(各実施例及び比較例の消毒剤)を3mL手の平に滴下し、手指全体に塗擦
(V)滅菌済手袋を装着
(VI)手袋を装着したまま6時間放置
(VII)サンプリング(消毒6時間後測定)
(VIII)細菌の培養、及び計測
<抗菌剤無配合石鹸、流水による手指洗浄方法>
(1)水道水に手及び前腕を約10秒間さらした。
(2)抗菌剤無配合石鹸*を1プッシュ分手に取り、約30秒間流水すると共に手指を洗浄した。
(3)滅菌クロスにて余剰水分を拭き取った。
*抗菌剤無配合石鹸:ジェントルクレンザー ハンドソープ<泡タイプ、リピジュア無配合>(製造販売元:(株)アリエ)
<サンプリング手順>
(1)手指に装着した滅菌済手袋*内に、サンプリング液75mLを無菌的に加えた。
(2)1分間もみ洗いした。
(3)手袋内の液5mLを無菌的に採取し、先に分取した「滅菌済み中和剤入りリン酸緩衝液」5mLに加えた。ここで得られた液を「中和後サンプリング液」とした。
*手袋:オカモト手術用手袋 (パウダーフリー)8.0号
<サンプリング液作製方法>
(1)KHPO 0.4g, NaHPO 10.1g, Triton X-100 1.0g, をはかり取り、全量が1Lとなるよう精製水に溶解した。
(2)1mol/L塩酸で、pHを7.7~7.9に調整した。
(3)オートクレーブで滅菌した(121℃,20min)。
<滅菌済中和剤入りリン酸緩衝液作製方法>
(1)レシチン 5.84g, Tween80 10g, KHPO 0.84g, KHPO 0.026g, Triton X-100 0.5gをはかり取り、全量が500mLとなるよう滅菌済リン酸緩衝液に溶解した。
(2)1mol/L塩酸で、pHを7.1~7.3に調整した。
(3)オートクレーブで滅菌した(121℃, 20min)。
<滅菌済リン酸緩衝液作製方法>
(1)KHPO 3.4g, 精製水500gを混合し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で、pHを7.1~7.3に調整した。
(2)全量が1Lとなるよう適量の精製水を加えた。
(3)オートクレーブで滅菌した(121℃, 20min)。
<細菌の培養、及び計測方法>
(1)中和後サンプリング液を滅菌済リン酸緩衝液で希釈し、100倍希釈液、10000倍希釈液を作製した。
(2)中和後サンプリング液(原液)、及び(1)で作製した各希釈液を1mLはかり、シャーレに滴下した。
(3)シャーレ中に加温したトリプトンソイ寒天培地15mLを加えた。
(4)ただちにシャーレを静かに振動し、培地に混合したことを確認した。
(5)30℃,48hの条件で培養した。
(6)培養後、各希釈液について、目視でシャーレ中のコロニー数をカウントした。
(7)以下の方法で生存菌数(CFU/mL)を算出した。
・中和後サンプリング液(原液)を滴下したシャーレにおけるコロニー数が500個以下であるとき、中和後サンプリング液(原液)のコロニー数を生存菌数とした。
・中和後サンプリング液(原液)を滴下したシャーレにおけるコロニー数が500個より多い、かつ100倍希釈液を滴下したシャーレにおけるコロニー数が500個以下であるとき、100倍希釈液のコロニー数×100を生存菌数とした。
・中和後サンプリング液(原液)を滴下したシャーレ、100倍希釈液を滴下したシャーレにおけるコロニー数がいずれも500個より多いとき、10000倍希釈液のコロニー数×10000を生存菌数とした。
<殺菌効果の評価方法>
(1)以下の式で菌減少率を算出した。
菌減少率 = 消毒6時間後測定時の生存菌数(CFU/mL)/ベースライン測定時の生存菌数(CFU/mL)
(2)菌減少率について、0.01より小さいとき「A」、0.01以上、かつ0.1より小さいとき「B」、0.1以上であるとき「C」とした。菌減少率が0.1より小さいとき殺菌効果を有すると判断した。
Figure 2022185525000003

Figure 2022185525000004
各実施例で用いた本発明の消毒剤は、高温条件下でも安定性に優れ、殺菌効果が持続することが分かった。
これに対して、成分(a)、(b)、(c)のいずれかを含有していない、又はpHが規定範囲外である比較例に示す消毒剤は、高温条件下で1週間保管した場合、殺菌効果が劣る結果となった。

Claims (1)

  1. (a)クロルヘキシジン又はその塩を0.01~2.0w/v%、
    (b)炭素数1~3の1価アルコールを40~80w/v%、
    (c)炭素数2~6のヒドロキシモノカルボン酸を0.005~1.0w/v%、及びその塩を0.001~0.5w/v%含有し、
    pHが4.5~6.5である消毒剤。

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