JP2021136746A - 振動型アクチュエータおよび光学機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】摩耗粉を積極的に回収し、その後に解放される摩耗粉を低減することができる振動型アクチュエータを提供する。【解決手段】振動型アクチュエータ100は、振動が励起される振動体102と振動体102に接触する接触体103とが相対移動する。振動体102と接触体103のうち少なくとも一方の材料は磁性体を含む。磁石上に粘着材が配された集塵部材を有する。【選択図】図2
Description
本発明は、振動型アクチュエータおよび光学機器に関する。
振動型アクチュエータ(振動型駆動装置)は、電気機械エネルギ変換素子(圧電素子)等により振動体に振動を励起し、該振動体とこれに加圧接触する接触体とを相対移動させる。振動型アクチュエータでは、振動体と接触体とのうちの一方が他方に対して摺動することにより、摩耗粉塵(摩耗粉)が発生する。特許文献1には、接触体を磁化し、磁性体である摩耗粉塵(摩耗粉)を磁気(磁力)により集塵(集粉)するように構成された振動型アクチュエータが開示されている。また、特許文献2には、振動体と接触体との間の接触部分の近傍に配した、粘着性部材や、着磁または帯電部材に摩耗粉塵(摩耗粉)を付着させるようにした振動型アクチュエータが開示されている。
磁性体は、時間の経過により酸化して磁性体ではなくなりうる。このため、特許文献1や特許文献2に開示されているように磁性体としての摩耗粉塵を着磁した部材に付着させても、摩耗粉塵は磁性体ではなくなると、着磁した部材から解放されうる。また、特許文献2に開示された粘着性部材は、これに接触した摩耗粉塵を付着させるだけであり、これに接触しない摩耗粉塵を付着させることはない。また、特許文献2に開示された帯電部材は、温度や湿度によってクーロン力が低下し、付着した摩耗粉塵が解放されうる。
本発明は、例えば、集塵の点で有利な振動型アクチュエータを提供することを目的とする。
本発明の一側面としての振動型アクチュエータは、振動が励起される振動体と該振動体に接触する接触体とが相対移動する。振動体と接触体のうち少なくとも一方の材料は磁性体を含む。振動型アクチュエータは、磁石上に粘着材が配された集塵部材を有することを特徴とする。なお、上記振動型アクチュエータを備えた光学機器も、本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、例えば、集塵の点で有利な振動型アクチュエータを提供することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1である振動型アクチュエータとしての振動型モータ100を備えた光学機器としてのレンズ装置(交換レンズ)10の断面を示す。レンズ装置10は、光学素子としての焦点調節用のレンズ(フォーカスレンズ)200と、該フォーカスレンズ200を保持するレンズ保持枠300とを有する。なお、レンズ保持枠300が保持するレンズは、変倍用のレンズであってもよい。レンズ保持枠300は振動型モータ100の可動部に連結されており、振動型モータ100の可動部とともに光軸方向(Z方向)に駆動される。
図2は、振動型モータ100の断面を示している。振動型モータ100は、固定部と、該固定部に対して移動する可動部とにより構成されている。可動部は、電気‐機械エネルギ変換素子としての圧電素子101と、該圧電素子101と接合された弾性体としての振動板(振動体)102を有する。さらに可動部は、加圧部材104と、加圧ベース部材105と、圧縮コイルバネ106と、フェルト107を有する。振動板102は、スモールベース部材1022に固定されている。スモールベース部材1022は、図1中のレンズ保持枠材300に連結されるチップホルダ1023と連結されている。
固定部は、接触体としてのスライダ103と、該スライダ103がビス1031により固定される保持部材としてのモータベース部材1032により構成されている。スライダ103を保持するモータベース部材1032は、レンズ装置10の本体(筐体)を構成する部材に固定される。
振動板102に設けられた2つの突起1021は、加圧ベース部材105と加圧部材104とにより挟まれた圧縮コイルバネ106のバネ力(加圧力)により、フェルト107を介してスライダ103の表面に加圧接触する。フェルト107は、2つの突起1021からの加圧力を均一に分散させる役割を有する。
振動板102とスライダ103は、ともに磁性体であるSUS420等を含む合金材料により形成されており、これらの加圧接触により摩擦が生じる。圧電素子101に通電されると、振動板102には、各突起1021の先端を楕円運動させる振動が励起される。この結果、振動板102を含む可動部は、楕円運動する各突起1021の先端とスライダ103の表面との間の摩擦によってスライダ103の長手方向(Z方向)に駆動される。この際、各突起1021がスライダ103の表面に対して摩擦摺動することによって磁性体としての摩耗粉が発生する。なお、振動板102とスライダ103のうち少なくとも一方の材料が磁性体を含めば、磁性体としての摩耗粉(摩耗粉塵)が発生する。
図3は図2中のO方向から見た振動型モータ100を示している。モータベース部材1032におけるスライダ103に沿った領域には、集塵部材としての吸着部材110が固定されている。図4は、吸着部材110の断面を示している。吸着部材110は、磁石112と、該磁石112の表面上(つまりは磁石上)に設けられた粘着剤(粘着材)111とにより構成されている。磁石112の裏面は、両面テープ113によりモータベース部材1032に固定されている。
図3に示すように、吸着部材110は、粘着剤111が振動板102とスライダ103が配置された領域Sに、さらに言えばスライダ103と振動板102(突起1021)が摩擦摺動して摩耗粉が発生する領域に面するようにモータベース部材1032に固定されている。このことは、粘着剤111が磁石112よりも振動板102とスライダ103の近くに配置されていると言い換えることができる。
図5は、実施例1における吸着部材110の摩耗粉の保持メカニズムを示している。前述したように振動板102の2つの突起1021とスライダ103とが摩擦摺動することにより発生する摩耗粉114は磁性体である。吸着部材110の磁石112は、その磁力(矢印で示す)によって磁性体である摩耗粉114を積極的に吸引する。こうして磁力により吸引された摩耗粉115は、該磁力と粘着剤111の粘着力とによって吸着部材110に保持される。
吸着部材110に保持された摩耗粉115は、その後、時間の経過に伴って酸化して磁性を失った摩耗粉116となる。特に振動板102やスライダ103に対して酸化防止膜等によって対酸化処理がなされている場合に発生する摩耗粉は、不動態膜が形成されにくいためにより酸化がし易く、磁性が失われやすい。磁性を失った摩耗粉116に対しては、磁石112による吸引力は失われる。しかし、本実施例では、磁性を失った摩耗粉116に対しても粘着剤111の粘着力があるために、吸着部材110に保持され続ける。
このように本実施例によれば、振動型モータ100内で発生した磁性体としての摩耗粉を磁石112の磁力によって積極的に回収することができ、その後に摩耗粉の磁性が失われても粘着剤111の粘着力により摩耗粉を解放することなく保持し続けることができる。このため、長期にわたって、レンズ装置10内に拡散する摩耗粉を低減することができる。
図6は、本発明の実施例2である振動型モータ400を示している。図7は、振動型モータ400における図6に示したX−X線での断面を示す。本実施例の振動型モータ400の可動部と固定部の構成は実施例1の振動型モータ100と同様である。
本実施例では、吸着部材410を、スライダ403の裏面(振動板402の突起部4021が接触する面とは反対側の面)と平行になるように、すなわちスライダ403に沿うようにモータベース部材4032に貼り付けて固定している。
吸着部材410は、磁石412と、該磁石412のうちスライダ403の裏面側に位置する表面に貼り付けられた粘着部材としての両面テープ413とにより構成されている。吸着部材410は、磁石412の表面上の両面テープ413がスライダ403と振動板402が配置された領域Sに面するように(両面テープ413が磁石412よりもスライダ403と振動板402の近くに配置されるように)モータベース部材4032に固定されている。
本実施例では、両面テープ413は磁石412の表面に貼り付けられた部分だけでなく、両側面および裏面に貼り付けられた部分も有しており、磁石412の裏面に貼り付けられた部分はモータベース部材4032に貼り付けられている。このように本実施例では、吸着部材410をモータベース部材4032に固定するための両面テープ413の一部を粘着部材としても使用している。
本実施例でも、振動型モータ400内で発生した磁性体としての摩耗粉を磁石412の磁力によって積極的に回収することができ、その後に摩耗粉の磁性が失われても両面テープ413の粘着力により摩耗粉を解放することなく保持し続けることができる。このため、長期にわたって、レンズ装置内に拡散する摩耗粉を低減することができる。
図8は、本発明の実施例3である振動型モータ500を示している。本実施例の振動型モータ400の可動部と固定部の構成は実施例1の振動型モータ100と同様である。
本実施例では、可動部において振動板502を保持する保持部材としてのスモールベース部材5022のうち振動板502の周囲(振動板502とスライダ503に沿った領域)に吸着部材510が固定されている。吸着部材510は、磁石と、該磁石の表面上に設けられた粘着剤とにより構成され、粘着剤が振動板502とスライダ503が配置された領域Sに面するように(磁石よりも振動板502とスライダ503の近くに配置されるように)、両面テープによりスモールベース部材5022に固定されている。
可動部のスモールベース部材5022に吸着部材510を固定したことにより、固定部(スライダ503)に対する可動部の移動とともに吸着部材510も移動する。このため、実施例1および実施例2のように固定部のモータベース部材に吸着部材を固定する場合に比べて吸着部材510をZ方向において小型化することができる。
本実施例でも、振動型モータ500内で発生した磁性体としての摩耗粉を吸着部材の磁石の磁力によって積極的に回収することができ、その後に摩耗粉の磁性が失われても粘着剤の粘着力により摩耗粉を解放することなく保持し続けることができる。このため、長期にわたって、レンズ装置内に拡散する摩耗粉を低減することができる。
図9は、本発明の実施例4である振動型モータ600を備えたレンズ装置(交換レンズ)20の断面を示す。レンズ装置20は、光学素子としてのフォーカスレンズ群700と、該フォーカスレンズ群700を保持するレンズ保持枠800とを有する。レンズ保持枠800が保持するレンズ群は、変倍用のレンズ群であってもよい。
レンズ保持枠800に設けられたカムフォロア801は、光軸ОA回りで回転可能なカム環850に設けられたカム溝部851に係合している。カム環850は、振動型モータ600において光軸ОA回りで回転可能な可動部であるロータ603からの回転力が伝達されて回転する。レンズ保持枠800は、ロータ603とともにカム環850が回転することで、カム溝部851のリフトによって光軸方向(Z方向)に駆動される。
図10は、振動型モータ600の断面を示している。図10中の上下方向がZ方向である。振動型モータ600は、圧電素子601が接合されたリング状の振動体としてのステータ602と、接触体としてのロータ603とを有する。ステータ602には、その周方向に複数のスリットが形成されている。ステータ602は、板バネ604のバネ力(加圧力)によりリング状のロータ603に加圧接触している。またステータ602には、該ステータ602の光軸ОA回りでの回転を阻止する回転ストッパ606が係合している。
ロータ603とステータ602は、ともに磁性体材料であるSUS420等により形成されており、これらの加圧接触により摩擦が生じる。圧電素子601に通電されると、ステータ602にはその周方向に進行する振動(進行波)が励起される。この結果、ロータ603は、ステータ602との間の摩擦によって光軸ОA回りで回転駆動される。この際、ロータ603がステータ602に対して摩擦摺動することによって磁性体である摩耗粉が発生する。なお、ロータ603とステータ602のうち少なくとも一方の材料が磁性体材料であれば。磁性体としての摩耗粉が発生する。
このため、図9および図10に示すように、レンズ装置20の鏡筒本体(本体部材、筐体)を構成する固定筒21における振動型モータ600の外周近傍の位置に吸着部材610を固定している。
図11に拡大して示すように、吸着部材610は、固定筒21に両面テープ613により貼り付けられた磁石612と、該磁石612のうち振動型モータ600に面する表面上および両側面上に形成された粘着部材としての粘着膜611とにより構成されている。吸着部材610は、粘着剤611がロータ603とステータ602が配置された領域Sに面するように(磁石612よりもロータ603とステータ602の近くに配置されるように)、固定筒21に固定されている。
粘着膜611は、磁石612の表面に液体状のダストトラップ材を塗布し、その溶剤を揮発させることで成膜されたものである。ダストトラップ材は、溶剤にアクリル樹脂のモノマーと重合開始剤を溶かした液体であり、溶剤が揮発した後に重合開始剤がアクリルモノマーを重合させることで粘着膜611が形成される。
本実施例では、粘着膜611を磁石612の表面上および両側面上だけでなく、固定筒21のうち磁石612の近傍の領域(磁石上とは異なる領域)にも設けられている。これにより、磁石612の表面および両側面のみに粘着膜を設ける場合に比べて、より多くの摩耗粉614を吸着することが可能となる。これと同様に、上述した実施例1〜3において、モータベース部材やスモールベース部材上における磁石の近傍の領域にも粘着部材を設けてもよい。
本実施例では、振動型モータ600内で発生した磁性体としての摩耗粉614をレンズ装置20の固定筒21に固定された吸着部材610の磁石612の磁力によって積極的に回収することができ、吸着された摩耗粉615の磁性がその後に失われても粘着膜611の粘着力により摩耗粉615を解放することなく保持し続けることができる。このため、長期にわたって、レンズ装置20内に拡散する摩耗粉を低減することができる。
なお、上記各実施例では、振動体を含む可動部が接触体を含む固定部に対して移動する場合について説明したが、接触体を含む可動部が振動体を含む固定部に対して移動するようにしてもよい。すなわち、振動体と接触体とが相対移動さればよい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
102 振動板
103 スライダ
1032 モータベース部材
110 吸着部材
1101 磁石
1102 粘着剤
103 スライダ
1032 モータベース部材
110 吸着部材
1101 磁石
1102 粘着剤
Claims (9)
- 振動が励起される振動体と該振動体に接触する接触体とが相対移動する振動型アクチュエータであって、
前記振動体と前記接触体のうち少なくとも一方の材料は磁性体を含み、
磁石上に粘着材が配された集塵部材を有することを特徴とする振動型アクチュエータ。 - 前記集塵部材は、前記振動体と前記接触体とを収容する領域に配されていることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
- 前記接触体と前記集塵部材とを保持する保持部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の振動型アクチュエータ。
- 前記振動体と前記集塵部材とを保持する保持部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の振動型アクチュエータ。
- 前記粘着材は、前記振動体と前記接触体とが接触する領域に面するように配されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の振動型アクチュエータ。
- 前記磁石上とは異なる領域に配された粘着材を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の振動型アクチュエータ。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の振動型アクチュエータと、
該振動型アクチュエータにより駆動される光学素子と、
を有することを特徴とする光学機器。 - 前記集塵部材を保持する本体部材を有することを特徴とする請求項7に記載の光学機器。
- 前記光学素子を介して形成される像を撮像する撮像素子を有することを特徴とする請求項7または8に記載の光学機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020030144A JP2021136746A (ja) | 2020-02-26 | 2020-02-26 | 振動型アクチュエータおよび光学機器 |
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JP2021180988A (ja) * | 2017-07-07 | 2021-11-25 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
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- 2020-02-26 JP JP2020030144A patent/JP2021136746A/ja active Pending
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