JP2018003863A - スラスト押圧機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】スラストが発生する軸に対して、温度による使用環境の制限を受け難く、長寿命化が可能な軸支持構造を得る。【解決手段】軸2の端部2Aに押圧部材3を当接させてスラストを押さえるスラスト押圧機構1であって、押圧部材3は、軸2の端部2Aが接触する軸端接触部3pと、軸端接触部3pを囲む低粘度潤滑剤保持部3tを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、スラスト押圧機構、これを用いたリードスクリュー装置、モータ、レンズ駆動装置、カメラに関するものである。
リードスクリューなどのスラストが発生する軸に対しては、軸の一端側に板バネなどの押圧部材を当ててスラストを押さえ、軸の他端側をピボット軸受などで支持する軸支持構造が一般に採用されている(下記特許文献1参照)。
前述した軸支持構造において、軸の端部と押圧部材との接触部にはグリスを介在させて摩擦の低減を図ることがなされている。しかしながら、一般的なグリスは、低温時に粘度が高くなり軸の円滑な回転を阻害する問題があり、高温時には粘度が低くなってグリスが流れてしまい、十分な摩擦低減効果を得ることができなくなる。このため、このような軸支持構造を採用している機器は、正常動作が可能な使用環境が制限されてしまう問題があり、高低温の環境下では、円滑な可動や十分な耐久性が得られない問題があった。
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、スラストが発生する軸に対して、温度による使用環境の制限を受け難く、長寿命化が可能な軸支持構造を得ることなどが、本発明の課題である。
このような課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
軸の端部に押圧部材を当接させてスラストを押さえるスラスト押圧機構であって、前記押圧部材は、前記軸の端部が接触する軸端接触部と、該軸端接触部を囲む低粘度潤滑剤保持部を備えることを特徴とするスラスト押圧機構。
軸の端部に押圧部材を当接させてスラストを押さえるスラスト押圧機構であって、前記押圧部材は、前記軸の端部が接触する軸端接触部と、該軸端接触部を囲む低粘度潤滑剤保持部を備えることを特徴とするスラスト押圧機構。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
図1に示すように、スラスト押圧機構1は、軸2の端部2Aに押圧部材3を当接させてスラストを押さえる機構である。図示の例では、軸2の端部2Aは、軸受4で軸支されており、軸受ハウジング4Aに一端が片持ち支持された板バネ3Aが押圧部材3になっている。軸受ハウジング4Aは、フレーム5に固定されている。板バネ3Aは、スラストに弾性反発して軸2を押圧している。
押圧部材3は、軸2の端部2Aが接触する軸端接触部3pと、軸端接触部3pを囲む低粘度潤滑剤保持部3tを備えている。また、軸2の端部2Aには、潤滑剤を溜める凹み2tを設けている。
このような押圧部材3を備えるスラスト押圧機構1は、低粘度の潤滑剤を用いることで、低温時に潤滑剤の粘度が上昇して軸2の回転抵抗が高まる不具合を解消している。また、低粘度潤滑剤保持部3tが流動しやすい低粘度の潤滑剤を軸端接触部3pの周りに確実に保持するので、高温時にも潤滑剤が流れてしまう不具合を抑止できる。ここで用いられる低粘度潤滑剤は、例えば、40℃での動粘度が1,000mm2/s以下のものである。
図2(a)に示す例では、押圧部材3に設けられる低粘度潤滑剤保持部3tは、軸端接触部3pをリング状に囲む形状を有している。低粘度潤滑剤保持部3tは、図示のような円形状に限らず、楕円形状や矩形状などであってもよく、また、リング状に限らず、C字状に軸端接触部3pを囲むものであってもよい。
図2(b)に示すように、低粘度潤滑剤保持部3tは、押圧部材の表面に形成した凹部3mに多孔質材又は繊維交絡材を埋めて構成することができる。多孔質材としては、多孔質エチレン樹脂、多孔質エポキシ樹脂などを用いることができる。繊維交絡材としては、布材(織布、不織布)、紙材などを用いることができる。
図3は、押圧部材3の他の形態例を示している。図3(a)に示す例では、押圧部材3は、スラストに弾性反発するバネ3Bと軸2の端部2Aが当接する当接板3Cとを備えており、当接板3Cに軸端接触部3pと低粘度潤滑剤保持部3tを設けている。図3(b)に示す例では、押圧部材3は、スラストに磁力反発する磁石3D,3Eと軸2の端部2Aが当接する当接板3Cとを備えている。当接板3Cがガイド3Fに沿って摺動する。このように、押圧部材3は、スラストに対応して軸2の端部2Aに予圧を付与するものであれば、どのような形態であってもよい。
図4は、前述したスラスト押圧機構1を備えたリードスクリュー装置10を示している。リードスクリュー装置10は、リードスクリュー軸11とこれを回転駆動するモータ(ステッピングモータなど)12を備えている。リードスクリュー軸11は、一端側がモータ12のロータ軸12Aに連結されており、他端側がスラスト押圧機構1によって軸支持されている。リードスクリュー軸11には、図示省略した移動体が螺合している。
モータ12は、例えば、ロータ軸12Aに固定されたロータ磁石12B、励磁ステータ12C、ステータコイル12D、ステータヨーク12Eを備えている。図示の例では、ロータ軸12Aのリードスクリュー軸11に連結された側が軸受12Fに軸支され、他端側が軸受(例えば、ピボット軸受)12Gに軸支されている。この例では、リードスクリュー軸11の一端側にスラスト押圧機構1を設けて、リードスクリュー軸11の他端側にモータ12のロータ軸12Aを連結しているが、ロータ軸12Aの一端側にスラスト押圧機構1を設けて、ロータ軸12Aの他端側にリードスクリュー軸11の一端側を連結し、リードスクリュー軸11の他端側をピボット軸受で支持するようにしてもよい。
図5は、前述したリードスクリュー装置10によってレンズ13を移動させるレンズ駆動装置14と、そのレンズ駆動装置14を備えるカメラ20を示している。カメラ20は、レンズ駆動装置14によって移動されるレンズ(フォーカスレンズ)13と固定レンズ15や撮像素子16を備えている。リードスクリュー装置10は、カメラ20内では、レンズ駆動装置14だけでなく、図示省略した絞り装置やミラー駆動装置など、様々な駆動部に用いることができる。
前述したリードスクリュー装置10或いはモータ12において、スラスト押圧機構1を採用すると、低粘度の潤滑剤を低粘度潤滑剤保持部3tで安定保持することができるので、低温或いは高温環境下で動作させる場合にも、円滑にリードスクリュー軸11を回転駆動させることができ、耐久性を向上させることができる。また、このようなリードスクリュー装置10を備えるレンズ駆動装置14或いはカメラ20は、低温環境下でのフォーカシングを速やかに行うことができ、広い温度範囲で正常動作が可能になると共に、装置の長寿命化が可能になる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
1:スラスト押圧機構,2:軸,2A:端部,2t:凹み,
3:押圧部材,3A:板バネ,3p:軸端接触部,3t:低粘度潤滑剤保持部,
3B:バネ,3C:当接板,3D,3E:磁石,3F:ガイド,3m:凹部,
4:軸受,4A:軸受ハウジング,
5:フレーム,10:リードスクリュー装置,11:リードスクリュー軸,
12:モータ,12A:ロータ軸,12B:ロータ磁石,
12C:励磁ステータ,12D:ステータコイル,12E:ステータヨーク,
12F,12G:軸受,13:レンズ,14:レンズ駆動装置,
15:固定レンズ,16:撮像素子,20:カメラ
3:押圧部材,3A:板バネ,3p:軸端接触部,3t:低粘度潤滑剤保持部,
3B:バネ,3C:当接板,3D,3E:磁石,3F:ガイド,3m:凹部,
4:軸受,4A:軸受ハウジング,
5:フレーム,10:リードスクリュー装置,11:リードスクリュー軸,
12:モータ,12A:ロータ軸,12B:ロータ磁石,
12C:励磁ステータ,12D:ステータコイル,12E:ステータヨーク,
12F,12G:軸受,13:レンズ,14:レンズ駆動装置,
15:固定レンズ,16:撮像素子,20:カメラ
Claims (10)
- 軸の端部に押圧部材を当接させてスラストを押さえるスラスト押圧機構であって、
前記押圧部材は、前記軸の端部が接触する軸端接触部と、該軸端接触部を囲む低粘度潤滑剤保持部を備えることを特徴とするスラスト押圧機構。 - 前記低粘度潤滑剤保持部は、前記押圧部材の表面に形成した凹部に多孔質材又は繊維交絡材を埋めて構成したことを特徴とする請求項1記載のスラスト押圧機構。
- 前記軸の端部に潤滑剤を溜める凹みを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のスラスト押圧機構。
- 前記押圧部材は、スラストに弾性反発する板バネであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のスラスト押圧機構。
- 前記押圧部材は、スラストに弾性反発するバネと前記軸の端部が当接する当接板とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のスラスト押圧機構。
- 前記押圧部材は、スラストに磁力反発する磁石と前記軸の端部が当接する当接板とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のスラスト押圧機構。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のスラスト押圧機構をリードスクリュー軸の一端側に備えることを特徴とするリードスクリュー装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のスラスト押圧機構をロータ軸の一端側に備えることを特徴とするモータ。
- 請求項7のリードスクリュー装置によってレンズを移動させることを特徴とするレンズ駆動装置。
- 請求項9のレンズ駆動装置を備えたカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016126926A JP2018003863A (ja) | 2016-06-27 | 2016-06-27 | スラスト押圧機構 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016126926A JP2018003863A (ja) | 2016-06-27 | 2016-06-27 | スラスト押圧機構 |
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JP2018003863A true JP2018003863A (ja) | 2018-01-11 |
Family
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---|---|---|---|
JP2016126926A Pending JP2018003863A (ja) | 2016-06-27 | 2016-06-27 | スラスト押圧機構 |
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JP (1) | JP2018003863A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110873125A (zh) * | 2019-11-25 | 2020-03-10 | 佛山市顺德区美的洗涤电器制造有限公司 | 连接结构、转轴组件、滤网装置及油烟净化设备 |
CN114430223A (zh) * | 2022-04-02 | 2022-05-03 | 新思考电机有限公司 | 透镜驱动用步进电机、方法、透镜驱动装置及摄像设备 |
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2016
- 2016-06-27 JP JP2016126926A patent/JP2018003863A/ja active Pending
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