JP2021134724A - 大気圧推測検知装置 - Google Patents

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圭一 水村
Keiichi MIZUMURA
圭一 水村
泰弘 野崎
Yasuhiro Nozaki
泰弘 野崎
英樹 植松
Hideki Uematsu
英樹 植松
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Abstract

【課題】吸気圧センサの出力値に基づいて大気圧を正確に推測検知することができる大気圧推測検知装置を提供する。【解決手段】エンジン(E)の吸気管(80)に生じる吸気圧(PB)を検出する吸気圧センサ(60)と、エンジン(E)の吸気量を調整するスロットルバルブ(82)のスロットル開度(Th)を検出するスロットル開度センサ(61)と、エンジン(E)のエンジン回転数(Ne)を検出するエンジン回転数センサ(63)と、吸気圧(PB)に基づいて大気圧(PA)を推測検知する制御部(70)とを有する大気圧推測検知装置において、制御部(70)が、大気圧(PA)を推測検知するために適用する吸気圧(PB)の所定範囲(A,B,C,D,E)を、スロットル開度(Th)および前記エンジン回転数(Ne)に基づいて選択する。【選択図】図4

Description

本発明は、大気圧推測検知装置に係り、特に、大気圧センサを用いずに大気圧を推測検知することができる大気圧推測検知装置に関する。
従来から、大気圧センサを用いずに、エンジンの吸気管に生じる吸気圧を検出する吸気圧センサの出力値に基づいて大気圧を推測検知する大気圧推測検知装置が知られている。
特許文献1には、吸気管圧力の変動が小さい排気行程を含む期間を用いると共に、スロットル開度の変動幅が小さい場合にのみ、吸気圧に基づいて大気圧を推測検知するようにした構成が開示されている。
特開2008−19742号公報
しかし、特許文献1の構成では、吸気管圧力の変動が小さい排気行程を含む期間を用いるものの、大気圧を推測検知するために適用する吸気圧の範囲を、エンジン回転数およびスロットル開度によって変更することは検討されていなかった。また、大気圧を推測検知する際にアイドルエアコントロールバルブ(以下、IACV)の開度が影響することも考慮されていなかった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、吸気圧センサの出力値に基づいて大気圧を正確に推測検知することができる大気圧推測検知装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、エンジン(E)の吸気管(80)に生じる吸気圧(PB)を検出する吸気圧センサ(60)と、前記エンジン(E)の吸気量を調整するスロットルバルブ(82)のスロットル開度(Th)を検出するスロットル開度センサ(61)と、前記エンジン(E)のエンジン回転数(Ne)を検出するエンジン回転数センサ(63)と、前記吸気圧(PB)に基づいて大気圧(PA)を推測検知する制御部(70)とを有する大気圧推測検知装置において、前記制御部(70)が、前記大気圧(PA)を推測検知するために適用する前記吸気圧(PB)の所定範囲(A,B,C,D,E)を、前記スロットル開度(Th)および前記エンジン回転数(Ne)に基づいて選択する点に第1の特徴がある。
また、前記所定範囲(A,B,C,D,E)は、前記エンジン回転数(Ne)が大きいほど狭い点に第2の特徴がある。
また、前記所定範囲(A)は、前記エンジン回転数(Ne)が中回転かつ前記スロットル開度(Th)が10度以上のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)を含む爆発行程と排気行程とに跨る範囲に設定される点に第3の特徴がある。
また、前記所定範囲(B)は、前記エンジン回転数(Ne)が低回転かつ前記スロットル開度(Th)が10度以上のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)を含まない圧縮行程と爆発行程と排気行程とに跨る範囲に設定される点に第4の特徴がある。
また、前記所定範囲(C)は、前記エンジン回転数(Ne)が高回転かつ前記スロットル開度(Th)が高開度のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)を含まない爆発行程および排気行程に跨る範囲に設定される点に第5の特徴がある。
また、前記所定範囲(D)は、前記エンジン回転数(Ne)が高回転かつ前記スロットル開度(Th)が中開度のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)および終了点(F)を含む爆発行程と排気行程と吸気行程とに跨る範囲に設定される点に第6の特徴がある。
また、前記所定範囲(E)は、前記エンジン回転数(Ne)が高回転かつ前記スロットル開度(Th)が10度付近のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)を含む排気行程の範囲に設定される点に第7の特徴がある。
また、前記吸気管(80)に設けられるバイパス通路(83)の流量を調整するアイドルエアコントロールバルブとしてのIACV(84)を有し、前記大気圧(PA)を推測検知する際に用いられるスロットル開度(Th)が、前記IACV(84)の開度に応じて補正される点に第8の特徴がある。
また、前記スロットル開度(Th)をTh、補正係数をk、IACVの開度を示すステップ数をNとしたときに、前記スロットル開度(Th)に代えて用いられる補正後スロットル開度(Thα)が、以下の演算式 Thα=Th+k×N によって求められる点に第9の特徴がある。
また、前記補正係数としてのkが、前記吸気圧(PB)が大きいほど大きくなる点に第10の特徴がある。
また、所定の前記スロットル開度(Th)および前記エンジン回転数(Ne)のエンジン運転状態で測定される吸気圧(PB)を、前記大気圧(PA)から減算してなるオフセット値が予め定められており、前記制御部(70)が、所定のスロットル開度(Th)およびエンジン回転数(Ne)のエンジン運転状態で測定される吸気圧(PB)に前記オフセット値を加算することで、前記大気圧(PA)を算出する点に第11の特徴がある。
第1の特徴によれば、エンジン(E)の吸気管(80)に生じる吸気圧(PB)を検出する吸気圧センサ(60)と、前記エンジン(E)の吸気量を調整するスロットルバルブ(82)のスロットル開度(Th)を検出するスロットル開度センサ(61)と、前記エンジン(E)のエンジン回転数(Ne)を検出するエンジン回転数センサ(63)と、前記吸気圧(PB)に基づいて大気圧(PA)を推測検知する制御部(70)とを有する大気圧推測検知装置において、前記制御部(70)が、前記大気圧(PA)を推測検知するために適用する前記吸気圧(PB)の所定範囲(A,B,C,D,E)を、前記スロットル開度(Th)および前記エンジン回転数(Ne)に基づいて選択するので、スロットル開度およびエンジン回転数が変化した場合でも大気圧の推測検知を正確に実行することが可能となる。これにより、信頼性の高い所定範囲において大気圧の推測検知を行い、エンジン制御の精度が高められる。
第2の特徴によれば、前記所定範囲(A,B,C,D,E)は、前記エンジン回転数(Ne)が大きいほど狭いので、エンジン回転数が大きくなるにつれて大気圧の推測検知に使用する吸気圧の値に上下の振れが大きくなることに対応して、大気圧を推測検知に適用する吸気圧の範囲を小さくして、大気圧の推測検知を正確に実行することが可能となる。
第3の特徴によれば、前記所定範囲(A)は、前記エンジン回転数(Ne)が中回転かつ前記スロットル開度(Th)が10度以上のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)を含む爆発行程と排気行程とに跨る範囲に設定されるので、信頼性の高い所定範囲において大気圧の推測検知を行い、エンジン制御の精度が高められる。
第4の特徴によれば、前記所定範囲(B)は、前記エンジン回転数(Ne)が低回転かつ前記スロットル開度(Th)が10度以上のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)を含まない圧縮行程と爆発行程と排気行程とに跨る範囲に設定されるので、信頼性の高い所定範囲において大気圧の推測検知を行い、エンジン制御の精度が高められる。
第5の特徴によれば、前記所定範囲(C)は、前記エンジン回転数(Ne)が高回転かつ前記スロットル開度(Th)が高開度のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)を含まない爆発行程および排気行程に跨る範囲に設定されるので、信頼性の高い所定範囲において大気圧の推測検知を行い、エンジン制御の精度が高められる。
第6の特徴によれば、前記所定範囲(D)は、前記エンジン回転数(Ne)が高回転かつ前記スロットル開度(Th)が中開度のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)および終了点(F)を含む爆発行程と排気行程と吸気行程とに跨る範囲に設定されるので、信頼性の高い所定範囲において大気圧の推測検知を行い、エンジン制御の精度が高められる。
第7の特徴によれば、前記所定範囲(E)は、前記エンジン回転数(Ne)が高回転かつ前記スロットル開度(Th)が10度付近のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)を含む排気行程の範囲に設定されるので、信頼性の高い所定範囲において大気圧の推測検知を行い、エンジン制御の精度が高められる。
第8の特徴によれば、前記吸気管(80)に設けられるバイパス通路(83)の流量を調整するアイドルエアコントロールバルブとしてのIACV(84)を有し、前記大気圧(PA)を推測検知する際に用いられるスロットル開度(Th)が、前記IACV(84)の開度に応じて補正されるので、スロットル開度が小さくなるにつれてIACV開度の差が吸気圧に与える影響が大きくなることに対応して、大気圧の推測検知を正確に実行することが可能となる。
第9の特徴によれば、前記スロットル開度(Th)をTh、補正係数をk、IACVの開度を示すステップ数をNとしたときに、前記スロットル開度(Th)に代えて用いられる補正後スロットル開度(Thα)が、以下の演算式 Thα=Th+k×N によって求められるので、簡単な演算式によってスロットル開度の補正値を算出することが可能となる。
第10の特徴によれば、前記補正係数としてのkが、前記吸気圧(PB)が大きいほど大きくなるので、吸気圧が大きいほど吸気圧の計測値に与える影響が大きくなることに対応して、大気圧の推測検知を正確に行うことが可能となる。
第11の特徴によれば、所定の前記スロットル開度(Th)および前記エンジン回転数(Ne)のエンジン運転状態で測定される吸気圧(PB)を、前記大気圧(PA)から減算してなるオフセット値が予め定められており、前記制御部(70)が、所定のスロットル開度(Th)およびエンジン回転数(Ne)のエンジン運転状態で測定される吸気圧(PB)に前記オフセット値を加算することで、前記大気圧(PA)を算出するので、予め定められたオフセット値を用いることで、大気圧を推測検知できる領域を大幅に広げることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両としての自動二輪車1の左側面図である。 スロットルボディとして構成される吸気管の構成を示す模式図である。 本実施形態に係る大気圧推測検知装置の全体構造を示すブロック図である。 エンジン回転数が中回転の際に実測される吸気圧を示すグラフである。 エンジン回転数が低回転の際に実測される吸気圧を示すグラフである。 エンジン回転数が高回転の際に実測される吸気圧を示すグラフである。 実測される吸気圧に対するIACVの影響を示すグラフである。 吸気圧の実測値を大気圧の推定値として適用できる範囲を示すデータマップである。 吸気圧を大気圧に代替えするためのオフセットマップの一例である。 補正後スロットル開度を求めるための3次元のテーブルである。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両としての自動二輪車1の左側面図である。自動二輪車1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ44から車体後方に延出して下方に湾曲する車幅方向中央のメインフレーム3を有する。メインフレーム3の下端部には、スイングアーム21を揺動自在に軸支するピボット56が設けられている。
ヘッドパイプ44には、不図示のステアリングステムが回転自在に軸支されており、ステアリングステムの上下には、左右一対のフロントフォーク16を支持するトップブリッジ10およびボトムブリッジ45が固定されている。トップブリッジ10には、左右対称形状のハンドルバー7を有する操向ハンドル5が固定されており、操向ハンドル5には、左右一対のバックミラー6が取り付けられている。フロントフォーク16の下端部には、前輪WFが回転自在に軸支されており、フロントフォーク16の中間位置には、前輪WFの上方を覆うフロントフェンダ15が配設されている。
メインフレーム3の後方上部には、左右一対の上側シートフレーム28および下側シートフレーム29が取り付けられている。メインフレーム3の下部には、単気筒4サイクルのエンジンEと変速機とを一体に構成したパワーユニットPが取り付けられている。ピボット56に揺動自在に軸支されるスイングアーム21は、左右一対のリヤクッション22によって下側シートフレーム29に吊り下げられている。
パワーユニットPの回転駆動力は、チェーンカバー20に覆われる不図示のドライブチェーンを介して後輪WRに伝達される。パワーユニットPの背面側にはスロットルバルブおよび燃料噴射装置90を含むスロットルボディ48が取り付けられており、パワーユニットPの燃焼ガスは、排気管17を介して車体後方のマフラに導かれる。メインフレーム3の下端部にはサイドスタンド18およびセンタスタンド19が揺動自在に軸支されている。
ヘッドパイプ44の前方には、防風スクリーン9およびヘッドライト12を支持するフロントカウル8が取り付けられている。フロントカウル8の車幅方向外側には、左右一対の前側フラッシャランプ11が配設されている。
メインフレーム3の上部には、燃料タンク43が配設されている。燃料タンク43の前前方寄りの位置には、左右一対のサイドシュラウド4が取り付けられており、燃料タンク43の後方には、前席と後席とを一体に形成したシート54が配設されている。燃料タンク43の下方には、スロットルボディ48の後方に連結されるエアクリーナボックス(不図示)の車幅方向両側を覆う左右一対のサイドカバー55が配設されている。サイドカバー55の後方には、上側シートフレーム28および下側シートフレーム29を覆うリヤカウル57が配設されている。
リヤカウル57の後方上部にはグラブバー27が配設されており、リヤカウル57の後端部にはテールライト26が取り付けられている。リヤカウル57の下部には、左右一対の後側フラッシャランプ25および後側ライセンスプレート23を支持するリヤフェンダ24が固定されている。
スロットルボディ48には、吸気管に生じる圧力を検知する吸気管圧力センサ(PBセンサ)60と、スロットルバルブの開度を検知するスロットル開度センサ61とが配設されている。パワーユニットPには、クランク軸の回転位置(クランクステージ)を検知するクランク角センサ62およびエンジン回転数センサ(NEセンサ)63が配設されている。後輪WRの車軸の近傍には、車速センサ64が配設されている。
図2は、スロットルボディ48として構成される吸気管80の構成を示す模式図である。吸気管80は、エンジンEの吸気ポートに連結される。クランク軸の回転に伴って吸気バルブ81が開くと、エアクリーナボックスで浄化された空気と燃料との混合気が吸気ポートに吸入される。吸気管80には、吸気量を制御するスロットルバルブ82が配設されている。一方、吸気管80には、スロットル開度が低開度の際にも所定の吸気量を確保するためのバイパス通路83が形成されており、バイパス通路83には、吸気量を調整するアイドルエアコントロールバルブ(IACV)84が配設されている。アイドルエアコントロールバルブ84は、バイパス通路83に対してねじが螺合するように係合しており、ステッピングモータのステップ数によってバルブ開度が管理されている。バイパス通路83の出口近傍の吸気管80の内周部には、PBセンサ60が配設されている。
図3は、本実施形態に係る大気圧推測検知装置の全体構造を示すブロック図である。大気圧推測検知装置は、主に制御部としてのECU70によって構成されている。ECU70には、大気圧推測検知部71と、燃料噴射装置駆動部72と、点火装置駆動部73と、IACV駆動部74とが含まれる。
大気圧推測検知部71には、吸気圧実測部90と、読み取り範囲設定部91と、IACV補正部92と、オフセットマップ93とが含まれる。吸気圧実測部90は、PBセンサ60のセンサ出力に基づいて吸気圧PBを検知する。読み取り範囲設定部91は、大気圧PAとして代替え適用できる吸気圧PBが読み取れるエンジン回転数NEおよびスロットル開度Thの所定範囲を設定する。これにより、PBセンサ60の出力値を用いて、大気圧PAの値を精度よく推測検知することが可能となる。
IACV補正部は、IACV84の開度が大気圧PAの推測検知に与える影響を低減するため、読み取り範囲設定部91が参照するスロットル開度Thの補正を行う。
また、オフセットマップ93は、大気圧PAとして代替え適用できる吸気圧PBが読み取れない、換言すれば、大気圧PAと大きく離れた吸気圧PBが実測される、例えば、エンジン回転数Neが高くかつスロットル開度Thが小さい範囲に対して、大気圧PAからのオフセット値(乖離値)を予め設定しておくものである。これにより、大気圧PAと大きく離れた吸気圧PBが実測される範囲内においても、オフセット値を加算することにより、吸気圧PBに基づいて大気圧PAを推測検知することが可能となる。
大気圧推測検知部71には、PBセンサ60、NEセンサ63、Thセンサ(スロットル開度センサ)61およびクランク角センサ62のセンサ信号が入力される。ECU70には、車速センサ64、水温センサ65のセンサ信号が入力される。
ECU70は、主にPBセンサ60のセンサ出力に基づいて大気圧推測検知部71によって大気圧を推測検知すると共に、各種センサ出力に基づいて燃料噴射装置66、点火装置67およびIACV84を駆動制御する。
図4は、エンジン回転数Neが中回転の際に実測される吸気圧PBを示すグラフである。エンジンEの運転中、PBセンサ60のセンサ出力は、吸気、圧縮、爆発、排気の4サイクルに応じて大きく上下に変動する。この点、所定の範囲においては、吸気圧PBが大気圧PAに近づくため、吸気圧PBの値を大気圧PAとして代替え適用することができる。本発明では、大気圧PAを推測検知するために適用する吸気圧PBの所定範囲を、スロットル開度Thおよびエンジン回転数Neに基づいて選択する点に特徴がある。
このグラフは、エンジン回転数Neが4000rpm、スロットル開度Thが0〜76°(全閉〜全開)の10パターンにおける吸気圧PBの推移を示す。この場合、吸気圧PBを大気圧PAとして代替え適用できる所定範囲A(図示グレー着色部)は、スロットル開度Thが10°以上で、かつ爆発行程と排気行程とに跨る範囲となる。所定範囲Aは、吸気バルブと排気バルブが両方とも開くバルブオーバーラップの開始点Sを含む。所定範囲Aで実測される吸気圧PBは、大気圧PAとして代替え適用することができる。
図5は、エンジン回転数Neが低回転の際に実測される吸気圧PBを示すグラフである。
このグラフは、エンジン回転数Neが2500rpm、スロットル開度Thが0〜76°(全閉〜全開)の10パターンにおける吸気圧PBの推移を示す。この場合、吸気圧PBを大気圧PAとして代替え適用できる所定範囲B(図示グレー着色部)は、スロットル開度Thが10°以上で、かつ圧縮行程と爆発行程と排気行程とに跨る範囲となる。所定範囲Bは、バルブオーバーラップの開始点Sを含まない。
図6は、エンジン回転数Neが高回転の際に実測される吸気圧PBを示すグラフである。
このグラフは、エンジン回転数Neが6500rpm、スロットル開度Thが0〜76°(全閉〜全開)の10パターンにおける吸気圧PBの推移を示す。この場合、吸気圧PBを大気圧PAとして代替え適用できる所定範囲は、C,D,Eの3つに分けられる。これは、エンジンEが高回転に至ると吸気圧PBにハンチングが生じることに対応して、ハンチング部分を避けつつ可能な限り広い範囲で大気圧PAを推測検知するためである。
まず、スロットル開度Thが高開度(例えば、50°以上)の場合は、所定範囲C(図示グレー着色部)となる。所定範囲Cは、爆発行程と排気行程とに跨る範囲となり、バルブオーバーラップの開始点Sを含まない。
次に、スロットル開度Thが中開度(例えば、20〜50°)の場合は、所定範囲D(図示カコミ部)となる。所定範囲Dは、所定範囲Cより広く爆発行程と排気行程と吸気行程とを含む範囲となり、バルブオーバーラップの開始点Sだけでなくバルブオーバーラップの終了点Fをも含む。そして、スロットル開度Thが10°付近の場合は、所定範囲E(図示カコミ部)となる。所定範囲Eは、バルブオーバーラップの開始点Sを含む排気行程のみにかかる。
上記したように、本発明に係る大気圧推測検知装置によれば、大気圧PAを推測検知するために適用する吸気圧PBの所定範囲を、スロットル開度Thおよびエンジン回転数Neに基づいて選択するので、スロットル開度Thおよびエンジン回転数Neが変化した場合でも大気圧PAの推測検知を正確に実行することが可能となる。これにより、信頼性の高い所定範囲において大気圧PAの推測検知を行い、エンジン制御の精度が高められる。
図7は、実測される吸気圧PBに対するIACV84の影響を示すグラフである。このグラフは、エンジン回転数Neが2000rpm、IACV開度の4パターン(75ステップ、100ステップ、125ステップ、150ステップ)における吸気圧PBの推移を示す。IACV開度は、ステップ数が大きいほど開度が大きくなる、すなわち、吸気量が増えるように設定されている。
グラフに示されるように、IACV開度が吸気圧PBに与える影響は、スロットル開度Thが小さくなるほど大きくなる。また、IACV開度による吸気圧PBへの影響は、エンジン回転数Neが低くなるほど影響が大きくなる。その結果、このグラフに示すように、エンジン回転数Neが2000rpmでスロットル開度Thがゼロの場合は、IACV開度が75ステップと150ステップのときで、例えば、最大25kPa以上の差が生じてしまい、図7に示した所定範囲Bに適合する場合でも、吸気圧PBをそのまま大気圧PAとして適用することが難しくなる。
そこで、本発明者は、IACV開度をスロットル開度Thに換算することでスロットル開度Thを補正し、この補正値を用いて所定範囲の設定を行うようにした。具体的には、図7の例では、スロットル開度がゼロの場合、IACV開度が75ステップであれば吸気圧PB1であるところ、150ステップでは25kPa以上高い吸気圧PB2が実測されてしまう。そこで、75ステップで吸気圧PB2が実測されるスロットル開度Th1を求め、この値をステップ数の75(150−75)で除すことで、1ステップあたりのスロットル開度の補正値を求めることとした。
すなわち、実スロットル開度をTh、補正係数をk、IACVの開度を示すステップ数をNとしたときに、補正後スロットル開度Thαが、Thα=Th+k×N の演算式で求められる。補正係数kは、例えば、75ステップでスロットル開度Thに1.3°の影響を与える場合は、1.3÷75=0.017となる「1ステップあたりのスロットル開度相当値」であり、この補正係数kは吸気圧PBが大きいほど大きくなる。
図10は、補正後スロットル開度Thαを求めるための3次元のテーブルである。より正確な補正後スロットル開度Thαを求めるために、図10のような実スロットル開度Th、エンジン回転数NeおよびIACV開度を示すステップ数Nの3つを変数とした3次元テーブルを用意することも可能である。
図8は、吸気圧PBの実測値を大気圧PAの推定値として適用できる範囲を示すデータマップである。このデータマップでは、1900rpm、5000rpm、8000rpmの3種で、8パターンのスロットル開度で実測される吸気圧PBを示している。データマップ中のグレー着色部が、大気圧PAとして代替えして読み取ることができる範囲である。大気圧PAとして代替えできる所定範囲は、エンジン回転数が高くなるほど少なくなり、かつスロットル開度が小さくほど少なくなる。
図9は、吸気圧PBを大気圧PAに代替えするためのオフセットマップの一例である。図示上段が吸気圧の実測マップで、下段がオフセットマップとなる。前記したように、各エンジン回転数Neおよび各スロットル開度Thで実測される吸気圧PBは、所定範囲A,B,C,D,E,F(図4,5,6参照)にあるものに限り大気圧PAと代替えすることができる。そこで、本発明者は、所定範囲を外れるもの、すなわち、大気圧PAと代替えできない吸気圧PBを実測する範囲に対して、予め定められたオフセット値を設定し、オフセット値と合算することで、大気圧PAに代替えできる範囲を全方位的に広げることを可能とした。
例えば、スロットル開度Thがゼロでエンジン回転数Neが3000rpmで実測される吸気圧PBは47.5kPaであり、このままでは大気圧PAとして代替えできない。そこで、この領域にオフセット値として52.8kPaを設定しておき、吸気圧PBと合算することで大気圧PAに代替えできるようにした。オフセット値は、所定範囲を外れるものに対して、予め実験で求められた値がそれぞれ設定される。
なお、自動二輪車やエンジンの形態、吸気管やバイパス通路の形状や構造、PBセンサの形状や構造、アイドルエアコントロールバルブの形状や構造等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。本発明に係る大気圧推測検知装置は、自動二輪車に限られず、鞍乗型の三輪車や四輪車等に適用することが可能である。
1…自動二輪車、60…吸気圧センサ、61…スロットル開度センサ、63…回転数センサ、70…ECU(制御部)、80…吸気管、82…スロットルバルブ、83…バイパス通路、84…IACV(アイドルエアコントロールバルブ)、E…エンジン、PA…大気圧、PB…吸気圧、Th…スロットル開度、Ne…エンジン回転数、A,B,C,D,E…吸気圧の所定範囲、S…バルブオーバーラップの開始点、F…バルブオーバーラップの終了点、k…補正係数、N…ステップ数、Thα…補正後スロットル開度

Claims (11)

  1. エンジン(E)の吸気管(80)に生じる吸気圧(PB)を検出する吸気圧センサ(60)と、前記エンジン(E)の吸気量を調整するスロットルバルブ(82)のスロットル開度(Th)を検出するスロットル開度センサ(61)と、前記エンジン(E)のエンジン回転数(Ne)を検出するエンジン回転数センサ(63)と、前記吸気圧(PB)に基づいて大気圧(PA)を推測検知する制御部(70)とを有する大気圧推測検知装置において、
    前記制御部(70)が、前記大気圧(PA)を推測検知するために適用する前記吸気圧(PB)の所定範囲(A,B,C,D,E)を、前記スロットル開度(Th)および前記エンジン回転数(Ne)に基づいて選択することを特徴とする大気圧推測検知装置。
  2. 前記所定範囲(A,B,C,D,E)は、前記エンジン回転数(Ne)が大きいほど狭いことを特徴とする請求項1に記載の大気圧推測検知装置。
  3. 前記所定範囲(A)は、前記エンジン回転数(Ne)が中回転かつ前記スロットル開度(Th)が10度以上のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)を含む爆発行程と排気行程とに跨る範囲に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の大気圧推測検知装置。
  4. 前記所定範囲(B)は、前記エンジン回転数(Ne)が低回転かつ前記スロットル開度(Th)が10度以上のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)を含まない圧縮行程と爆発行程と排気行程とに跨る範囲に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の大気圧推測検知装置。
  5. 前記所定範囲(C)は、前記エンジン回転数(Ne)が高回転かつ前記スロットル開度(Th)が高開度のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)を含まない爆発行程および排気行程に跨る範囲に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の大気圧推測検知装置。
  6. 前記所定範囲(D)は、前記エンジン回転数(Ne)が高回転かつ前記スロットル開度(Th)が中開度のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)および終了点(F)を含む爆発行程と排気行程と吸気行程とに跨る範囲に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の大気圧推測検知装置。
  7. 前記所定範囲(E)は、前記エンジン回転数(Ne)が高回転かつ前記スロットル開度(Th)が10度付近のとき、バルブオーバーラップの開始点(S)を含む排気行程の範囲に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の大気圧推測検知装置。
  8. 前記吸気管(80)に設けられるバイパス通路(83)の流量を調整するアイドルエアコントロールバルブとしてのIACV(84)を有し、
    前記大気圧(PA)を推測検知する際に用いられるスロットル開度(Th)が、前記IACV(84)の開度に応じて補正されることを特徴とする請求項2に記載の大気圧推測検知装置。
  9. 前記スロットル開度(Th)をTh、補正係数をk、IACVの開度を示すステップ数をNとしたときに、前記スロットル開度(Th)に代えて用いられる補正後スロットル開度(Thα)が、以下の演算式
    Thα=Th+k×N
    によって求められることを特徴とする請求項3に記載の大気圧推測検知装置。
  10. 前記補正係数としてのkが、前記吸気圧(PB)が大きいほど大きくなることを特徴とする請求項9に記載の大気圧推測検知装置。
  11. 所定の前記スロットル開度(Th)および前記エンジン回転数(Ne)のエンジン運転状態で測定される吸気圧(PB)を、前記大気圧(PA)から減算してなるオフセット値が予め定められており、
    前記制御部(70)が、所定のスロットル開度(Th)およびエンジン回転数(Ne)のエンジン運転状態で測定される吸気圧(PB)に前記オフセット値を加算することで、前記大気圧(PA)を算出することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の大気圧推測検知装置。
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