JP2021133799A - 電車線の張力診断装置とその張力診断方法 - Google Patents

電車線の張力診断装置とその張力診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】張力調整装置の撮影画像データを利用して電車線の張力を簡単に診断することができる電車線の張力診断装置とその張力診断方法を提供する。【解決手段】張力診断装置19は、架線の張力を調整する張力調整装置を車両の撮影装置18から走行しながら撮影した撮影画像に基づいて、この架線の張力を診断する。変化量計測部19fは、撮影装置18が撮影した撮影画像に基づいて、張力調整装置のヨーク及び滑車の変化量を計測する。張力評価部19jは、変化量計測部19fの計測結果に基づいて、架線の張力を評価する。プロット図生成部19hは、ヨーク及び滑車の変化量と撮影画像の撮影時の気温との関係をプロットしたプロット図を生成する。張力評価部19jは、プロット図の所定範囲内にプロットが存在するか否かに基づいて、架線の張力を評価する。【選択図】図3

Description

この発明は、電車線の張力を調整する張力調整装置を車両の撮影装置から走行しながら撮影した撮影画像に基づいて、この電車線の張力を診断する電車線の張力診断装置とその張力診断方法に関する。
架空電車線は、張力を加えて架設されており、所定の張力を逸脱すると、電車線の静構造の崩れや波動伝搬速度の低下を招き、集電性能の悪化につながるため、適切な張力管理を行うことが重要である。従来は、定期的に人間が目視や手作業で検査することにより張力調整装置の状態を監視していた。しかし、張力調整装置は、鉄道沿線に分布しており、徒歩巡回などで検査を行うための多大な時間労力が必要されている。このため、張力調整装置の高頻度な検査も困難である。
従来の張力異常検出システムは、架空電車線のトロリ線の張力を所定の大きさに調整するガスばね式テンションバランサのガス圧を検出する圧力センサと、支柱に固定されており圧力センサの検出値からトロリ線の状態を演算し表示する解析表示装置と、この解析表示装置に電力を供給する太陽電池と、圧力センサと解析表示装置とを接続するケーブルなどを備えている(例えば、特許文献1参照)。この従来の張力異常検出システムでは、ガスばね式テンションバランサの圧力を圧力センサが検出し、圧力センサの出力信号に基づいて解析表示装置がトロリ線の張力を演算し表示している。
従来の重錘位置検出装置は、トロリ線の張力を所定の大きさに調整する自動張力調整装置を車両とともに走行しながら撮影するラインセンサカメラと、ラインセンサカメラが撮影したラインセンサ画像中の円の位置及び直径を算出する円検出処理部と、ラインセンサ画像中の円から下方に延びる線分の実際の長さを換算する線分検出処理部などを備えている(例えば、特許文献2参照)。この従来の重錘位置検出装置は、円検出処理部が算出した円の直径と実際の自動張力調整装置の滑車の直径とを利用して、滑車から重錘までの距離を演算している。
特開2003-348723号公報
特開2017-100474号公報
従来の張力異常検出システムでは、圧力センサ、解析表示装置及び太陽電池などを沿線の自動調整装置に設置して、これらをケーブルによって接続する必要がある。このため、従来の張力異常検出システムでは、自動調整装置に圧力センサなどを設置するための手間がかかりコストが高くなってしまうとともに、圧力センサなどを定期的に点検しなければならない問題点がある。
従来の重錘位置検出装置では、自動張力調整装置の下部可動部である滑車から重錘までの間をラインセンサカメラが撮影する度に、実際の自動張力調整装置の滑車の直径から円検出処理部が算出した円の直径を換算して、滑車から重錘までの距離を算出する必要がある。このため、従来の重錘位置検出装置では、滑車から重錘までの距離を算出するための演算処理が複雑になってしまう問題点がある。また、従来の重錘位置検出装置では、ラインセンサカメラの撮影範囲が狭いため、屋根上に搭載されたラインセンサカメラによって、自動張力調整装置の滑車から重錘までの間の下部可動部を撮影することができない問題点がある。
この発明の課題は、張力調整装置の撮影画像を利用して電車線の張力を簡単に診断することができる電車線の張力診断装置とその張力診断方法を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図3〜図5、図9、図13及び図17に示すように、電車線(6)の張力を調整する張力調整装置(10A,10B)を車両(2)の撮影装置(18)から走行しながら撮影した撮影画像(PN;PN-1,PN)に基づいて、この電車線の張力を診断する電車線の張力診断装置であって、前記撮影装置が撮影した撮影画像に基づいて、前記張力調整装置の上部可動部(11,13;21)の変化量(θY,θW;S)を計測する変化量計測部(19f)と、前記変化量計測部の計測結果に基づいて、前記電車線の張力を評価する張力評価部(19j)とを備える電車線の張力診断装置(19)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の電車線の張力診断装置において、図6及び図7に示すように、前記張力評価部は、前記張力調整装置の上部可動部の変化量(θYA1,…,θYAN,θWA1,…,θWAN,θYB1,…,θYBN,θWB1,…,θWBN)と前記撮影画像の撮影時の気温(T1,…,TN)とに基づいて、前記電車線の張力を評価することを特徴とする電車線の張力診断装置である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の電車線の張力診断装置において、図3及び図7に示すように、前記張力調整装置の上部可動部の変化量と前記撮影画像の撮影時の気温との関係をプロットしたプロット図を生成するプロット図生成部(19h)を備え、前記張力評価部は、前記プロット図の所定範囲(Th)内にプロットが存在するか否かに基づいて、前記電車線の張力を評価することを特徴とする電車線の張力診断装置である。
請求項4の発明は、請求項1に記載の電車線の張力診断装置において、図9及び図13に示すように、前記張力調整装置の上部可動部の変化量の理論値を演算する理論値演算部(19r)を備え、前記張力評価部は、前記変化量計測部の計測結果と前記理論値演算部の演算結果とに基づいて、前記電車線の張力を評価することを特徴とする電車線の張力診断装置である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の電車線の張力診断装置において、前記理論値演算部は、前記撮影装置が撮影した撮影画像の撮影時の気温に基づいて、前記張力調整装置の上部可動部の変化量の理論値を演算することを特徴とする電車線の張力診断装置である。
請求項6の発明は、請求項4に記載の電車線の張力診断装置において、前記理論値演算部は、前記撮影装置が撮影した電車線の弛み具合(s)に基づいて、前記張力調整装置の上部可動部の変化量の理論値を演算することを特徴とする電車線の張力診断装置である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の電車線の張力診断装置において、図1、図2、図4及び図5に示すように、前記変化量計測部は、前記張力調整装置が滑車式自動張力調整装置であるときに、この滑車式自動張力調整装置の滑車(13)の回転角(θW)及び/又はヨーク(11)の傾斜角(θY)を計測することを特徴とする電車線の張力診断装置である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の電車線の張力診断装置において、図15〜図17に示すように、前記変化量計測部は、前記張力調整装置がばね式自動張力調整装置であるときに、このばね式自動張力調整装置の筒部(21)の伸縮量(S)を計測することを特徴とする電車線の張力診断装置である。
請求項9の発明は、図4、図5、図8、図12、図14及び図17に示すように、電車線(6)の張力を調整する張力調整装置(10A,10B)を車両(2)の撮影装置(18)から走行しながら撮影した撮影画像(PN;PN-1,PN)に基づいて、この電車線の張力を診断する電車線の張力診断方法であって、前記撮影装置が撮影した撮影画像に基づいて、前記張力調整装置の上部可動部(11,13;21)の変化量(θY,θW;S)を計測する変化量計測工程(S300)と、前記変化量計測工程における計測結果に基づいて、前記電車線の張力を評価する張力評価工程(S500)とを含む電車線の張力診断方法である。
この発明によると、張力調整装置の撮影画像を利用して電車線の張力を簡単に診断することができる。
この発明の第1実施形態に係る電車線の張力診断システムを模式的に示す概念図である。 この発明の第1実施形態に係る電車線の張力診断装置によって診断される張力調整装置を概略的に示す模式図である。 この発明の第1実施形態に係る電車線の張力調整システムの構成図である。 この発明の第1実施形態に係る電車線の張力診断装置の変化量計測部による張力調整装置のヨークの傾斜角の変化の計測を説明するための模式図であり、(A)はトロリ線が相対的に長くなったときのヨークの傾斜角の変化を示す模式図であり、(B)はトロリ線が相対的に短くなったときのヨークの傾斜角の変化を示す模式図である。 この発明の第1実施形態に係る電車線の張力診断装置の変化量計測部による張力調整装置の滑車の回転角の変化の計測を説明するための模式図であり、(A)は架線の張力が上昇したときの滑車の回転角の変化を示す模式図であり、(B)は架線の張力が下降したときの滑車の回転角の変化を示す模式図である。 この発明の第1実施形態に係る電車線の張力診断装置の変化量記憶部のデータ構造の模式図である。 この発明の第1実施形態に係る電車線の張力診断装置の張力評価部の評価動作を模式的に説明するためのグラフであり、(A)は張力調整装置のヨークの変化量による評価動作を説明するためのグラフであり、(B)は張力調整装置の滑車の変化量による評価動作を説明するためのグラフである。 この発明の第1実施形態に係る電車線の張力診断方法を説明するためのフローチャートである。 この発明の第2実施形態に係る電車線の張力調整システムを模式的に示す構成図である。 この発明の第2実施形態に係る電車線の張力診断装置の変化量計測部による張力調整装置のヨークの傾斜角の変化の計測を説明するための模式図であり、(A)はトロリ線が相対的に長くなったときのヨークの傾斜角の変化を示す模式図であり、(B)はトロリ線が相対的に短くなったときのヨークの傾斜角の変化を示す模式図である。 この発明の第2実施形態に係る電車線の張力診断装置の変化量計測部による張力調整装置の滑車の回転角の変化の計測を説明するための模式図であり、(A)は架線の張力が上昇したときの滑車の回転角の変化を示す模式図であり、(B)は架線の張力が下降したときの滑車の回転角の変化を示す模式図である。 この発明の第2実施形態に係る電車線の張力診断方法を説明するためのフローチャートである。 この発明の第4実施形態に係る電車線の張力診断システムを模式的に示す構成図である。 この発明の第3実施形態に係る電車線の張力診断方法を説明するためのフローチャートである。 この発明の第4実施形態に係る電車線の張力診断システムを模式的に示す概念図である。 この発明の第4実施形態に係る電車線の張力診断装置によって診断される張力調整装置を概略的に示す模式図である。 この発明の第4実施形態に係る電車線の張力診断装置の変化量計測部による張力調整装置の内筒の伸縮量の変化の計測を説明するための模式図であり、(A)は架線の張力が上昇したときの内筒の伸縮量の変化を示す模式図であり、(B)は架線の張力が下降したときの内筒の伸縮量の変化を示す模式図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1に示す線路1は、車両2が走行する通路(軌道)である。線路1は、車両2の車輪を支持し案内する一対のレールなどを備えている。車両2は、線路1に沿って移動する移動体である。車両2は、線路1上を走行する電気車、気動車、客車又は貨車などの鉄道車両であり、複数又は単数の車両2によって組成されている列車である。車両2は、例えば、旅客若しくは貨物の運輸営業を行うことを目的として組成された営業車両、又は電車線設備の状態を検測する機能を有する電気検測車、架線試験車又は電気軌道総合試験車などの検測車又は試験車である。図1に示す車両2は、線路1の起点に近い側の張力調整装置10Aから、線路1の終点に近い側の張力調整装置10Bに向かってA方向に走行している。車両2は、台車3と、車体4と、集電装置5などを備えている。台車3は、車体4を支持して線路1上を走行する装置である。台車3は、線路1のレールに沿って転動する車輪などを備えている。車体4は、乗員又は貨物を積載して輸送するための構体である。車体4は、車体上面4aを備えている。車体上面4aは、車体4の屋根構え(屋根構体)を構成する外板(屋根板)である。車体上面4aは、車室内を空気調和するための空気調和装置などの屋根上機器が設置される。集電装置5は、トロリ線6aから電力を車両2に導くための装置である。集電装置5は、トロリ線6aと摺動するすり板5aを備えている。
架線6は、線路上空に架設される電車線(架空電車線)である。架線6は、支持点P間の距離(径間長)が所定の長さになるように、所定の間隔をあけて支持構造物7によって支持点Pで支持されている。架線6は、径間が45〜50m程度に設定されており、最大800〜1600m程度の一定区間(引留区間)毎に張力調整装置10A,10Bによってこの架線6の両端部が引き留められている。架線6は、シンプルカテナリ式ちょう架方式の架線であり、トロリ線6aと、ちょう架線6bと、ハンガ6cなどを備えている。トロリ線6aは、集電装置5のすり板5aが摺動する電線である。ちょう架線6bは、トロリ線6aを支持する線条である。ちょう架線6bは、トロリ線6aの重量による弛みが小さくなるようにトロリ線6aを支持する。ハンガ6cは、トロリ線6aをちょう架線6bに吊り下げる部材である。ハンガ6cは、トロリ線高さを一定に保持する。
支持構造物7は、架線6を支持するための電車線支持物である。支持構造物7は、架線6を長さ方向(線路方向)に移動自在に支持する可動ブラケットなどである。支持構造物7は、温度変化による架線6の移動に対応可能なように、支持点Pを中心に水平回転が可能であり、架線6の長さ方向への移動を許容し、上下方向の移動調整も僅かに可能である。支持構造物8A,8Bは、架線6の末端を引き留める電車線支持物である。支持構造物8A,8Bは、線路1の側方に基礎部分が固定されている引留柱である。支持構造物8Aは、張力調整装置10Aを介して架線6の一方の端部を引き留めており、支持構造物8Bは張力調整装置10Bを介して架線6の他方の端部を引き留めている。がいし(碍子)9は、架線6を絶縁して支持する部材である。がいし9は、架線6と張力調整装置10A,10Bとの間を電気的に絶縁する。
図1に示す張力調整装置10A,10Bは、架線6の張力を調整する装置である。張力調整装置10A,10Bは、トロリ線6a及びちょう架線6bの温度変化による伸縮又はトロリ線6aの摩耗によって発生するトロリ線の張力変化を一定に保持するために、架線6の張力を自動的に調整する自動張力調整装置(テンションバランサ)として機能する。図1及び図2に示す張力調整装置10A,10Bは、温度変化などによる架線6の張力変化を釣り合い錘によって一定に保つ滑車式テンションバランサ(Wheel Tension Balancer(WTB))である。張力調整装置10A,10Bは、図1及び図2に示すように、ヨーク11と、引き留め材12と、滑車(ホイール)13と、吊り材14と、重錘15と、支持部16などを備えている。張力調整装置10A,10Bは、いずれも同一構造であり、以下では一方の張力調整装置10Aを中心に説明し、他方の張力調整装置10Bについては張力調整装置10Aと同一の部分に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図1及び図2に示すヨーク11は、トロリ線6aとちょう架線6bとを一括して引き留める部材である。ヨーク11は、例えば、外観が三角形又はひし形の鋼板である。ヨーク11は、張力調整装置10A,10Bの上部可動部を構成する。ヨーク11は、図2に示すように、がいし9を介してトロリ線6aを取り付ける取付部11aと、がいし9を介してちょう架線6bを取り付ける取付部11bと、取付部11aと取付部11bとの間の釣り合い点で引き留め材12を取り付ける取付部11cなどを備えている。ヨーク11は、例えば、トロリ線6a及びちょう架線6bの線膨張係数が相違するために、温度変化による伸縮量が相違するときに、取付部11cを支点として回転自在である。
図1及び図2に示す引き留め材12は、ヨーク11と滑車13とを接続する部材である。引き留め材12は、例えば、引留ワイヤ又は引留チェーンなどの線条である。引き留め材12は、トロリ線6a及びちょう架線6bとは反対方向にヨーク11の取付部11cから引き出されている。引き留め材12は、図2に示すように、一方の端部がヨーク11の取付部11cに取り付けられており、他方の端部が滑車13の小滑車部13aに取り付けられている。
図1及び図2に示す滑車13は、架線6の弛度及び張力の変化に応じて回転する部材である。滑車13は、例えば、温度変化に伴って架線6の弛度及び張力が変化したときに回転する。ここで、弛度とは、トロリ線6aの重力による変形量である。弛度は、図1に示す支持点P間を結ぶ直線の中央部の高さと、重力により垂れ下がるトロリ線6aの高さとの差であり、支持点P間の中央部で最大になり、この差の最大値(最大距離)を意味する。滑車13は、ヨーク11と同様に張力調整装置10A,10Bの上部可動部を構成する。滑車13は、図2に示すように、小滑車部13aと、大滑車部13bと、段差部13cなどを備えている。滑車13は、小滑車部13aの直径と大滑車部13bの直径との比である滑車比が通常1:4程度に設定されている。
図2に示す小滑車部13aは、引き留め材12を巻き掛ける部材である。小滑車部13aは、滑車13の中心軸に相当するハブ部(ボス部)であり、この小滑車部13aの回転中心が滑車13の回転中心と一致しており、滑車13と一体となって回転する。大滑車部13bは、吊り材14を巻き掛ける部材である。大滑車部13bは、滑車13の外周部に相当するリム部であり、小滑車部13aよりも外径が大きく、この大滑車部13bの回転中心が滑車13の回転中心と一致しており、滑車13と一体となって回転する。大滑車部13bは、架線6の流れを防止するために、この大滑車部13bの回転中心からの半径が回転位置に応じて変化するように、外周部が螺旋状(渦巻き状)に形成されている。ここで、流れとは、すり板5aの摺動や線路1の勾配などによって、架線6が長さ方向に移動する現象である。段差部13cは、大滑車部13bの外周部に形成された異形部である。段差部13cは、滑車比が大きくなるように外径が大きく形成されている大径部と、滑車比が小さくなるように外径が小さく形成されている小径部との間に形成されており、滑車13の外観上の特徴的な形態を構成している。
図1及び図2に示す吊り材14は、滑車13と重錘15とを接続する部材である。吊り材14は、例えば、吊りワイヤ又は吊りチェーンなどの線条である。吊り材14は、一方の端部が滑車13の大滑車部13bに取り付けられており、他方の端部が重錘15に取り付けられている。
重錘15は、架線6に張力を付与する部材である。重錘15は、例えば、コンクリート製又は鉄製の板を複数重ね合わせた錘である。重錘15は、支持構造物8Aに取り付けられたガイド部材によって昇降自在にガイドされている。重錘15は、ヨーク11及び滑車13とは異なり、張力調整装置10A,10Bの下部可動部を構成する。支持部16は、滑車13を支持構造物8A,8Bに支持する部分である。支持部16は、滑車13を回転自在に支持した状態で、滑車13を支持構造物8A,8Bに固定する滑車ブラケットである。
次に、この発明の第1実施形態に係る電車線の張力診断装置によって診断される張力調整装置の動作を説明する。
通常、基準温度15℃における張力を標準張力として架線6が架設されているが、トロリ線6a及びちょう架線6bは温度変化により伸縮し、トロリ線6aは摩耗による弾性伸びなどにより伸長する。ちょう架線6bの張力が強くなる冬季には、トロリ線6aが引き上げられた状態になる。一方、ちょう架線6bの張力が弱くなる夏季には、トロリ線6aが垂下し、トロリ線6aだけ張力が減少すると、ハンガ6cを支持点とした弛みが生じる。このため、車両2が走行すると、トロリ線6aからすり板5aが離れる離線の原因となる。図2に示すように、ヨーク11及び滑車13を介して重錘15が一定の荷重を架線6に作用させる。このため、温度変化に伴う架線6の弛度及び張力が変化して架線6が伸縮すると、架線6の伸縮に応じて滑車13が回転して、重錘15が上下動する。大滑車部13bの外周部が螺旋状に形成されており、回転中心からの半径が回転位置に応じて変化する。このため、架線6が緩み小滑車部13aが引き留め材12を巻き取るように回転すると、吊り材14と大滑車部13bとが接触する部分の直径が徐々に小さくなって架線6の張力が徐々に大きくなる。一方、架線6が縮み小滑車部13aが引き留め材12を繰り出すように回転すると、吊り材14と大滑車部13bとが接触する部分の直径が徐々に大きくなって架線6の張力が徐々に小さくなる。その結果、トロリ線6aが水平になるように、張力調整装置10A,10Bが架線6の弛度を是正し、架線6の張力が一定の標準張力に維持される。
図1及び図3に示す張力診断システム17は、架線6の張力を診断するシステムである。張力診断システム17は、撮影装置18と張力診断装置19などを備えている。張力診断システム17は、線路1に沿って走行する車両2の撮影装置18から張力調整装置10A,10Bを撮影し、撮影装置18によって撮影された撮影画像に基づいて張力診断装置19によって架線6の張力を診断するとともに架線6の状態を診断する。
撮影装置18は、張力調整装置10A,10Bを撮影する装置である。撮影装置18は、図1に示すように、車両2の車体上面4aに搭載されており、車両2とともに移動しながら架線6及び張力調整装置10A,10Bなどの電車線設備を連続して撮影する。撮影装置18は、図1及び図2に示すヨーク11及び滑車13などの上部可動部が撮影領域に含まれるように、車両2の上方から両側方まで撮影する。撮影装置18は、例えば、2台のラインセンサカメラによるステレオ計測(三角測量)とレーザ測距とを組み合わせることによって、架線6の状態を車両2から非接触で連続して測定する電車線非接触測定装置を利用可能である。撮影装置18は、図3に示すように、撮影光学系18aと、撮像部18bと、信号処理部18cと、撮影画像記憶部18dと、送信部18eと、制御部18fなどを備えている。
図3に示す撮影光学系18aは、撮像部18bに被写体像を結像させるレンズ群である。撮影光学系18aは、例えば、被写界深度が深く、被写体を歪ませて広範囲で撮影可能な魚眼レンズ(フィッシュアイレンズ)であり、超広角レンズ以上に広範囲を写すために使用される。撮影光学系18aは、この撮影光学系18aを通過する光束を集光して撮像部18bの結像面に結像させる。
撮像部18bは、撮影光学系18a透過した被写体像を撮像する手段である。撮像部18bは、撮影光学系18aを透過した被写体像を画像情報に変換する光電気変換素子(撮像素子)であり、この被写体像が結像する結像面からの撮影画像を電気信号(画像情報)に変換して信号処理部18cに出力する。撮像部18bは、例えば、素子面に結像した被写体像(被写体光)を撮影画像データとして出力するラインセンサカメラ(ラインカメラ)である。撮像部18bは、光を電気信号に変換して出力するCCD(Charge Coupled Device)イメージングセンサ素子又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージング素子のような固体撮像素子などを備えている。撮像部18bは、走査線の方向が車両2の進行方向に対して直交する方向に設定されている。
信号処理部18cは、撮像部18bが出力する電気信号を処理する手段である。信号処理部18cは、撮像部18bが出力するアナログ信号をディジタル信号に変換(A/D変換)するとともに、このディジタル信号を画像処理して制御部18fに出力する電気回路である。信号処理部18cは、例えば、照度むらや感度のばらつきを補正したり、画像の濃度や色を補正したり、撮像部18bの出力信号からノイズ成分を除去したりする。
撮影画像記憶部18dは、撮影装置18に関する種々のデータを記憶する手段である。撮影画像記憶部18dは、撮影装置18が撮影した撮影画像を時系列順に撮影画像データとして記憶する記憶装置である。撮影画像記憶部18dは、撮影画像の撮影時の車両2の走行位置を撮影画像と対応させて走行位置データとして記憶する。ここで、走行位置データは、例えば、車両2の車輪の回転数に応じて速度発電機が出力するパルス信号(距離パルス信号)を積算して、線路1の起点から演算した車両2が移動した距離(走行距離)に関する情報である。
送信部18eは、撮影画像記憶部18dが記憶する種々のデータを張力診断装置19に送信する手段である。送信部18eは、例えば、撮影画像記憶部18dが記憶する撮影画像及び走行位置などに関するデータを張力診断装置19に無線又は有線によって送信する通信装置などである。
制御部18fは、撮影装置18に関する種々の動作を制御する手段(中央処理部(CPU))である。制御部18fは、例えば、撮像部18bが出力する撮影画像データの記憶を撮影画像記憶部18dに指令したり、撮影画像記憶部18dが記憶する種々のデータを読み出して送信部18eに出力したり、撮影画像記憶部18dが記憶する種々のデータを送信部18eに送信させたりする。制御部18fには、信号処理部18c、撮影画像記憶部18d及び送信部18eが相互に通信可能に接続されている。
図1及び図3に示す張力診断装置19は、張力調整装置10A,10Bを車両2の撮影装置18が走行しながら撮影した撮影画像に基づいて、架線6の張力を診断する装置である。張力診断装置19は、張力調整装置10A,10Bの撮影画像に基づいて、ヨーク11又は滑車13の変化量を計測して、架線6の張力を診断するとともに架線6の状態を診断する。張力診断装置19は、図3に示すように、受信部19aと、撮影画像記憶部19bと、撮影画像補正部19cと、テンプレート画像記憶部19dと、探索処理部19eと、変化量計測部19fと、変化量記憶部19gと、プロット図生成部19hと、プロット図記憶部19iと、張力評価部19jと、評価結果記憶部19kと、張力診断プログラム記憶部19mと、表示部19nと、制御部19pなどを備えている。張力診断装置19は、例えば、パーソナルコンピュータなどによって構成されており、張力診断プログラムに従って所定の処理を実行する。
図3に示す受信部19aは、撮影装置18の撮影画像記憶部18dが記憶する種々のデータを撮影装置18から受信する手段である。受信部19aは、例えば、撮影画像記憶部18dが記憶する撮影画像及び走行位置などに関するデータを撮影装置18から無線又は有線によって受信する通信装置などである。受信部19aは、撮影画像データ及び走行位置データを制御部19pに出力する。
撮影画像記憶部19bは、撮影装置18が撮影した撮影画像を記憶する手段である。撮影画像記憶部19bは、張力調整装置10A,10Bの撮影画像を時系列順に撮影画像データとして記憶する記憶装置である。撮影画像記憶部19bは、撮影画像の撮影時の気温を撮影画像及び走行位置と対応させて気温データとして記憶する。ここで、気温データは、架線6の付近の観測地点で温度測定装置によって測定した温度、又は架線6の温度を車両2から温度測定装置によって走行しながら測定した温度に関する情報である。気温データは、例えば、気象庁から提供される架線6の周辺の観測地点における撮影画像の撮影時の気温情報を利用可能である。撮影画像記憶部19bは、撮影画像補正部19cが撮影画像を補正したときには、この補正後の撮影画像を撮影画像データとして記憶する。撮影画像記憶部19bは、探索処理部19eが撮影画像から探索対象を特定したときには、この探索後の撮影画像を撮影画像データとして記憶する。
撮影画像補正部19cは、撮影画像を補正する手段である。撮影画像補正部19cは、魚眼レンズに起因する撮影画像のゆがみを補正する。撮影画像補正部19cは、例えば、画像処理ソフトウェアによって撮影画像を補正し、補正後の撮影画像を撮影画像データとして制御部19pに出力する。
テンプレート画像記憶部19dは、撮影画像から探索対象を検出するためのテンプレート画像を記憶する手段である。テンプレート画像記憶部19dは、張力調整装置10A,10Bの形状及び構造(形式)が製造会社毎に異なるときには、ヨーク11及び滑車13の画像を形式毎にテンプレート画像データ(部分画像データ)として記憶する記憶装置である。テンプレート画像記憶部19dは、例えば、実際のヨーク11及び滑車13の設計図面から作成したテンプレート画像を記憶する。テンプレート画像記憶部19dは、張力調整装置10A,10Bの形式毎にヨーク11及び滑車13のテンプレート画像が予め記憶されている。
探索処理部19eは、テンプレート画像と最も類似する箇所を撮影画像から探索する手段である。探索処理部19eは、図4及び図5に示すように、撮影画像の探索領域内からテンプレート画像と一致する領域を特定する。探索処理部19eは、テンプレート画像記憶部19dが記憶するテンプレート画像の一部分と最も類似する箇所を撮影画像データ中から探索する処理であるテンプレートマッチング(Template matching)処理を実施する。探索処理部19eは、撮影画像からヨーク11及び滑車13を探索し、探索後の撮影画像を撮影画像データとして制御部19pに出力する。
図3に示す変化量計測部19fは、撮影装置18が撮影した撮影画像に基づいて、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量を計測する手段である。変化量計測部19fは、図4及び図5に示すように、探索処理部19eが探索した撮影画像に基づいて、ヨーク11の傾斜角θY及び滑車13の回転角θWを変化量として演算する。変化量計測部19fは、張力調整装置10A,10Bが滑車式自動張力調整装置であるときに、この滑車式自動張力調整装置のヨーク11の傾斜角θY及び滑車13の回転角θWを計測する。
変化量計測部19fは、図4(A)に示すように、ヨーク11が取付部11cを回転中心として反時計回りに回転したときには、テンプレート画像P0と撮影画像PNとを参照して、ヨーク11の傾斜角θYを計測する。一方、変化量計測部19fは、図4(B)に示すように、ヨーク11が取付部11cを回転中心として時計回りに回転したときには、テンプレート画像P0と撮影画像PNとを参照して、ヨーク11の傾斜角θYを計測する。変化量計測部19fは、図5(A)に示すように、架線6の張力が上昇して滑車13が中心部を回転中心として反時計回りに回転したときには、テンプレート画像P0と撮影画像PNとを参照して、滑車13の回転角θWを計測する。一方、変化量計測部19fは、図5(B)に示すように、架線6の張力が下降して滑車13が中心部を回転中心として時計回りに回転したときには、テンプレート画像P0と撮影画像PNとを参照して、滑車13の回転角θWを計測する。
変化量計測部19fは、例えば、図2に示すように、張力調整装置10A側の滑車13の場合であってこの滑車13の滑車比4の箇所を回転角度の基準(原点)L0として、滑車13の回転角θWを計測する。変化量計測部19fは、例えば、図4(A)に示すように、ヨーク11がドラム内側方向(図中反時計回り))に傾斜する場合をマイナス側とし、図4(B)に示すようにドラム外側方向(図中時計回り))に傾斜する場合をプラス側として、ヨーク11の傾斜角θYを計測する。変化量計測部19fは、例えば、図5(A)に示すように、架線6の張力が上がる側に滑車13が回転する方向(ドラム内側方向(図中反時計回り))をマイナス側とし、図5(B)に示すように張力が下がる側に滑車13が回転する方向(ドラム外側方向(図中時計回り))をプラス側として、滑車13の回転角θWを計測する。変化量計測部19fは、例えば、撮像部18bの撮像ピッチ、ヨーク11及び滑車13の寸法を既知として、撮影画像上のヨーク11の傾き及び滑車13の回転角度から、ヨーク11の傾斜角θY及び滑車13の回転角θWを実際の角度に換算する。変化量計測部19fは、計測後のヨーク11の傾斜角θY及び滑車13の回転角θWを変化量データとして制御部19pに出力する。
図3に示す変化量記憶部19gは、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量を記憶する手段である。変化量記憶部19gは、ヨーク11及び滑車13の変化量を撮影画像の撮影時の気温と対応させて、時系列順に変化量データとして記憶する記憶装置である。変化量記憶部19gは、図6に示すように、ドラムID1,…,IDM毎に変化量を記憶する。ここで、ドラムID1,…,IDMは、図1に示す張力調整装置10A,10B間(引留区間内)における一連の電車線であり、保守用の管理番号がそれぞれ付与されている。ドラムID1,…,IDMは、撮影画像記憶部19bが撮影画像データとともに記憶する走行位置データに基づいて特定される。変化量記憶部19gは、例えば、図6に示すように、張力調整装置10A側のヨーク11の傾斜角θYA1,…,θYANと、張力調整装置10A側の滑車13の回転角θWA1,…,θWANと、張力調整装置10B側のヨーク11の傾斜角θYB1,…,θYBNと、張力調整装置10B側の滑車13の回転角θWB1,…,θWWNと、撮影時の気温T1,…,TNとを、撮影日時D1,…,DNの順にドラムID1,…,IDM毎に記憶する。
図3に示すプロット図生成部19hは、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量と撮影画像の撮影時の気温との関係をプロットしたプロット図を生成する手段である。プロット図生成部19hは、図6に示すヨーク11の傾斜角θYA1,…,θYAN,θYB1,…,θYBN及び滑車13の回転角θWA1,…,θWAN,θWB1,…,θWWNと気温T1,…,TNとを対応させてグラフにプロットし、図7に示すように散布図又は分散図のようなプロット図を生成する。プロット図生成部19hは、図7(A)に示すように、ヨーク11の傾斜角θY及び気温Tを変数としてこれらの関係を表すグラフを生成するとともに、図7(B)に示すように滑車13の回転角θW及び気温Tを変数としてこれらの関係を表すグラフを生成する。ここで、図7(A)に示す縦軸は、ヨーク11の傾斜角θYであり、図7(B)に示す縦軸は滑車13の回転角θWであり、図7(A)(B)に示す横軸は気温Tである。プロット図生成部19hは、生成後のプロット図をプロット図データとして制御部19pに出力する。
図3に示すプロット図記憶部19iは、プロット図生成部19hが生成するプロット図を記憶する手段である。プロット図記憶部19iは、図7に示すようなプロット図をドラムID1,…,IDM毎にプロット図データとして記憶する記憶装置である。プロット図記憶部19iは、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量を変化量計測部19fが計測する毎にプロット図を更新して記憶する。
図3に示す張力評価部19jは、変化量計測部19fの計測結果に基づいて、架線6の張力を評価する手段である。張力評価部19jは、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量と撮影画像の撮影時の気温とに基づいて、架線6の張力を評価する。張力評価部19jは、図7に示すように、プロット図の所定範囲Th内にプロットが存在するか否かに基づいて、架線6の張力を評価する。張力評価部19jは、プロット図のプロットが所定範囲Th内に存在するときには架線6の張力が正常であると評価し、プロット図のプロットが所定範囲Th外に存在するときには架線6の張力が異常であると評価する。ここで、所定範囲Thは、架線6の張力の適否を判定するためのしきい値であり、ヨーク11の傾斜角θY及び滑車13の回転角θWと気温Tとの関係から、これらの傾斜角θY及び回転角θWとして通常許容される範囲である。
張力評価部19jは、張力調整装置10A,10Bのヨーク11の傾斜角θY及び滑車13の回転角θWに基づいて、架線6の張力が所定値よりも低下、所定値よりも過大、又は所定値ではあるが不均一などの架線6の状態も評価する。張力評価部19jは、図1に示す張力調整装置10A,10Bの一方のヨーク11の傾斜角θYが大きく、他方のヨーク11の傾斜角θYが小さくなるような双方のヨーク11の傾斜角θYの大きさに相違がある場合や、一方のヨーク11のみが回転している場合などには、架線6の状態が異常であると判定する。張力評価部19jは、図1に示す張力調整装置10A,10Bの一方の滑車13の回転角θWが大きく、他方の滑車13の回転角θWが小さくなるような双方の滑車13の回転角θWの大きさに相違がある場合や、一方の滑車13のみが回転している場合などには、架線6の状態が異常であると判定する。張力評価部19jは、気温が大きく変化したにも関わらず、ヨーク11が傾斜していない場合又は滑車13が回転していない場合には、架線6の状態が異常であると判定する。張力評価部19jは、架線6の張力及び架線6の状態の評価結果を評価結果データとして制御部19pに出力する。
評価結果記憶部19kは、張力評価部19jの評価結果を記憶する手段である。評価結果記憶部19kは、図6に示すドラムID1,…,IDM毎に架線6の張力の評価結果を張力診断結果として時系列順に記憶する記憶装置である。評価結果記憶部19kは、張力評価部19jが架線6の張力を評価する毎に評価結果を更新して記憶する。
張力診断プログラム記憶部19mは、張力調整装置10A,10Bを車両2の撮影装置18が走行しながら撮影した撮影画像に基づいて、架線6の張力を診断するための張力診断プログラムを記憶する手段である。張力診断プログラム記憶部19mは、情報記録媒体から読み取った張力診断プログラム又は電気通信回線を通じて取り込まれた張力診断プログラムを記憶する記憶装置などである。
表示部19nは、張力診断装置19に関する種々の情報を表示する手段である。表示部19nは、種々のデータを画面上に表示する表示装置である。表示部19nは、例えば、図4及び図5に示すような探索後の撮影画像、図6に示すような変化量計測部19fの計測結果、図7に示すようなプロット図、張力評価部19jの評価結果などを表示する。
制御部19pは、張力診断装置19に関する種々の動作を制御する中央処理部(CPU)である。制御部19pは、張力診断プログラム記憶部19mから張力診断プログラムを読み出して、この張力診断プログラムに従って張力診断処理を実行する。制御部19pは、例えば、受信部19aから受信した撮影画像データを撮影画像記憶部19bに出力したり、撮影画像記憶部19bに撮影画像データの記憶を指令したり、撮影画像記憶部19bから撮影画像データを読み出して撮影画像補正部19cに出力したり、撮影画像の補正を撮影画像補正部19cに指令したり、撮影画像補正部19cが補正した撮影画像データを撮影画像記憶部19bに出力したり、補正後の撮影画像データの記憶を撮影画像記憶部19bに指令したり、テンプレート画像データをテンプレート画像記憶部19dから読み出して探索処理部19e及び変化量計測部19fに出力したり、撮影画像からテンプレート画像の探索を探索処理部19eに指令したり、探索処理部19eが探索した撮影画像データを撮影画像記憶部19bに出力したり、探索後の撮影画像データの記憶を撮影画像記憶部19bに指令したり、探索後の撮影画像データを撮影画像記憶部19bから読み出して変化量計測部19fに出力したり、ヨーク11及び滑車13の変化量の計測を変化量計測部19fに指令したり、変化量計測部19fが出力する変化量データを変化量記憶部19gに出力したり、変化量データの記憶を変化量記憶部19gに指令したり、変化量記憶部19gから変化量データを読み出してプロット図生成部19hに出力したり、プロット図の生成をプロット図生成部19hに指令したり、プロット図生成部19hが出力するプロット図データをプロット図記憶部19iに出力したり、プロット図データの記憶をプロット図記憶部19iに指令したり、プロット図記憶部19iからプロット図データを読み出して張力評価部19jに出力したり、架線6の張力の評価を張力評価部19jに指令したり、張力評価部19jが出力する評価結果データを評価結果記憶部19kに出力したり、評価結果データの記憶を評価結果記憶部19kに指令したり、表示部19nに種々のデータの表示を指令したりする。制御部19pには、受信部19a、撮影画像記憶部19b、撮影画像補正部19c、テンプレート画像記憶部19d、探索処理部19e、変化量計測部19f、変化量記憶部19g、プロット図生成部19h、プロット図記憶部19i、張力評価部19j、評価結果記憶部19k、張力診断プログラム記憶部19m及び表示部19nが相互に通信可能に接続されている。
次に、この発明の第1実施形態に係る電車線の張力診断方法について説明する。
以下では、制御部19pの動作を中心に説明する。
図8に示すステップ(以下、Sという)100において、張力診断プログラム記憶部19mから張力診断プログラムを制御部19pが読み込む。その結果、一連の張力診断処理を制御部19pが開始する。
S200において、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の探索処理を探索処理部19eに制御部19pが指令する。撮影画像記憶部19bから撮影画像データを制御部19pが読み出して、この撮影画像データを探索処理部19eに制御部19pが出力するとともに、テンプレート画像記憶部19dからテンプレート画像データを読み出して、このテンプレート画像データを探索処理部19eに制御部19pが出力する。その結果、図4及び図5に示すような探索対象であるヨーク11及び滑車13を撮影画像から検出するために、図4及び図5に示すテンプレート画像P0と一致する領域を、撮影画像から探索処理部19eが探索する。図4及び図5に示すようなヨーク11及び滑車13の探索後の撮影画像PNを探索処理部19eが特定すると、探索後の撮影画像データを探索処理部19eが制御部19pに出力すると、探索後の撮影画像データが撮影画像記憶部19bに記憶される。
S300において、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量の計測を変化量計測部19fに制御部19pが指令する。撮影画像記憶部19bから探索後の撮影画像データを制御部19pが読み出して、この撮影画像データを変化量計測部19fに制御部19pが出力するとともに、テンプレート画像記憶部19dからテンプレート画像データを読み出して、このテンプレート画像データを変化量計測部19fに制御部19pが出力する。その結果、図4に示すように、ヨーク11のテンプレート画像P0と探索後のヨーク11の撮影画像PNとを変化量計測部19fが参照して、ヨーク11の傾斜角θYを変化量計測部19fが計測する。同様に、図5に示すように、滑車13のテンプレート画像P0と探索後の滑車13の撮影画像PNとを変化量計測部19fが参照して、滑車13の回転角θWを変化量計測部19fが計測する。計測後の変化量データを変化量計測部19fが制御部19pに出力すると、図6に示すようにこの計測後の変化量データが変化量記憶部19gに記憶される。
S400において、プロット図の作成をプロット図生成部19hに制御部19pが指令する。変化量記憶部19gから変化量データを制御部19pが読み出して、この変化量データをプロット図生成部19hに制御部19pが出力する。その結果、図7に示すようなヨーク11の傾斜角θY及び滑車13の回転角θWと気温Tとの関係を表すプロット図をプロット図生成部19hが生成する。プロット図データをプロット図生成部19hが制御部19pに出力すると、このプロット図データがプロット図記憶部19iに記憶される。
S500において、架線6の張力の評価を張力評価部19jに制御部19pが指令する。プロット図記憶部19iからプロット図データを制御部19pが読み出して、このプロット図データを張力評価部19jに制御部19pが出力する。その結果、図7に示すように、プロット図のプロットが所定範囲Th内に存在するか否かを張力評価部19jが評価する。プロット図のプロットが所定範囲Th内に存在するときには、架線6の張力が正常であると張力評価部19jが評価し、プロット図のプロットが所定範囲Th外に存在するときには、架線6の張力が異常であると張力評価部19jが評価する。
図4に示すヨーク11の傾斜角θYからトロリ線6aとちょう架線6bの張力比の異常を評価することができる。例えば、ヨーク11がプラス側に大きく傾斜した場合には、ちょう架線6bよりもトロリ線6aの伸びが大きい。この場合には、ちょう架線6bの張力が下がりちょう架線6bの伸びが小さくなった、かつ/または、トロリ線6aの張力が上がりトロリ線6aの伸びが大きくなったという状況が考えられる。図4(A)に示すように、ヨーク11の傾斜角θYがマイナス側に所定値よりも大きく傾斜した場合や、図4(B)に示すヨーク11の傾斜角θYがプラス側に所定値よりも大きく傾斜した場合には、架線6のトロリ線6aとちょう架線6bとの張力比が異常であると張力評価部19jが評価する。図5(A)に示すように、滑車13の回転角θWがマイナス側に所定値よりも大きく回転した場合には、架線6の張力が過大であると張力評価部19jが評価する。一方、図5(B)に示すように、滑車13の回転角θWがプラス側に所定値よりも大きく回転した場合には、架線6の張力が過少であると張力評価部19jが評価する。
図1に示す張力調整装置10A,10Bの双方のヨーク11の傾斜角θYがほぼ同じ程度で同じ方向に傾斜している場合や、張力調整装置10A,10Bの双方の滑車13の回転角θWがほぼ同じ程度で同じ方向に回転している場合には、架線6に流れが発生していると張力評価部19jが評価する。図1に示す張力調整装置10A,10Bの一方のヨーク11の傾斜角θYが他方のヨーク11の傾斜角θYと異なり、双方が同じ方向に傾斜している場合や、張力調整装置10A,10Bの一方の滑車13の回転角θWが他方の滑車13の回転角θWと異なり、双方の滑車13が同じ方向に回転している場合には、図1に示す張力調整装置10A,10Bの分担が不均一であり、架線6に片流れが発生していると張力評価部19jが評価する。評価結果データを張力評価部19jが制御部19pに出力すると、この評価結果データが評価結果記憶部19kに記憶される。
S600において、表示部19nに制御部19pが表示を指令する。その結果、架線6の張力の評価結果などを表示部19nが画面上に表示する。
この発明の第1実施形態に係る電車線の張力診断装置とその張力診断方法には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、撮影装置18が撮影した撮影画像に基づいて、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量を変化量計測部19fが計測し、変化量計測部19fの計測結果に基づいて、架線6の張力を張力評価部19jが評価する。このため、撮影装置18から取得した撮影画像を用いて、ヨーク11及び滑車13の回転量や移動量を計測し、架線6の異常を簡単に検出することができる。その結果、試験車によって定期的に架線6の張力を診断することができるとともに、営業車によって高頻度で架線6の張力を診断して電車線設備の信頼性を向上させることができる。
(2) この第1実施形態では、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量と撮影画像の撮影時の気温とに基づいて、架線6の張力を張力評価部19jが評価する。このため、張力調整装置10A,10Bの撮影画像からヨーク11の傾斜角θY及び滑車13の回転角θWを検出して、ヨーク11及び滑車13の挙動と気温から架線6の異常を簡単に検出することができる。その結果、例えば、架線6の片流れ、張力低下及び張力過大などの集電性能の悪化につながる異常を早期に検出することができる。
(3) この第1実施形態では、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量と撮影画像の撮影時の気温との関係をプロットしたプロット図をプロット図生成部19hが生成し、このプロット図の所定範囲Th内にプロットが存在するか否かに基づいて、架線6の張力を張力評価部19jが評価する。このため、張力調整装置10A,10Bの撮影画像を定期的に取得して、ヨーク11の傾斜角θY及び滑車13の回転角θWと気温Tとの関係をグラフにプロットし、プロットが通常存在する範囲から大きく外れた場合に警告することができる。
(4) この第1実施形態では、張力調整装置10A,10Bが滑車式自動張力調整装置であるときに、この滑車式自動張力調整装置の滑車13の回転角θW及びこの滑車式自動張力調整装置のヨーク11の傾斜角θYを変化量計測部19fが計測する。このため、例えば、従来の重錘位置検出装置では撮影が不可能であった張力調整装置10A,10Bの上部可動部であるヨーク11及び滑車13を、車両2の車体上面4aに搭載した撮影装置18によって線路1上を走行する車両2から確実に撮影することができる。その結果、走行する車両2によって取得したヨーク11及び滑車13の画像から張力調整装置10A,10Bの状態を監視し、傾斜角θY及び滑車13の回転角θWを自動的に計測し、架線6の張力の異常の有無を容易に診断することができる。また、張力調整装置10A,10Bの徒歩巡回による目視検査が不要になり、検査業務を大幅に効率化することができる。
(第2実施形態)
以下では、図1〜図7に示す部分と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図9に示す張力診断装置19は、図3に示す張力診断装置19とは異なり、演算条件記憶部19qと、理論値演算部19rと、理論値記憶部19sなどを備えている。変化量計測部19fは、撮影装置18が撮影した今回の撮影画像と過去の撮影画像とに基づいて、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量を計測する。変化量計測部19fは、図10及び図11に示すように、探索処理部19eが探索した今回の撮影画像PNと前回の撮影画像PN-1とに基づいて、ヨーク11の傾斜角θY及び滑車13の回転角θWを変化量として演算する。
変化量計測部19fは、図10(A)に示すように、ヨーク11が取付部11cを回転中心として反時計回りに回転したときには、前回の撮影画像PN-1と今回の撮影画像PNとを参照して、ヨーク11の傾斜角θYを計測する。一方、変化量計測部19fは、図10(B)に示すように、ヨーク11が取付部11cを回転中心として時計回りに回転したときには、前回の撮影画像PN-1と今回の撮影画像PNとを参照して、ヨーク11の傾斜角θYを計測する。変化量計測部19fは、図11(A)に示すように、架線6の張力が上昇して滑車13が中心部を回転中心として反時計回りに回転したときには、前回の撮影画像PN-1と今回の撮影画像PNとを参照して、滑車13の回転角θWを計測する。一方、変化量計測部19fは、図11(B)に示すように、架線6の張力が下降して滑車13が中心部を回転中心として時計回りに回転したときには、前回の撮影画像PN-1と今回の撮影画像PNとを参照して、滑車13の回転角θWを計測する。
張力評価部19jは、変化量計測部19fの計測結果と理論値演算部19rの演算結果とに基づいて、架線6の張力を評価する。張力評価部19jは、変化量計測部19fが計測したヨーク11及び滑車13の変化量の計測値と、理論値演算部19rが演算したヨーク11及び滑車13の変化量の理論値とを比較して、架線6の張力が正常であるか否かを評価する。張力評価部19jは、例えば、ヨーク11及び滑車13の変化量の計測値と、ヨーク11及び滑車13の変化量の理論値との差が所定範囲Th内であるときには、架線6の張力が正常であると評価する。一方、張力評価部19jは、例えば、ヨーク11及び滑車13の変化量の計測値と、ヨーク11及び滑車13の変化量の理論値との差が所定範囲Th外であるときには、架線6の張力が異常であると評価する。
制御部19pは、例えば、演算条件記憶部19qから演算条件データを読み出して理論値演算部19rに出力したり、ヨーク11及び滑車13の変化量の理論値の演算を理論値演算部19rに指令したり、演算後の理論値データの記憶を理論値記憶部19sに指令したり、理論値記憶部19sから理論値データを読み出して張力評価部19jに出力したりする。制御部19pには、演算条件記憶部19q、理論値演算部19r及び理論値記憶部19sが相互に通信可能に接続されている。
演算条件記憶部19qは、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量の理論値を演算するために必要な条件を記憶する手段である。演算条件記憶部19qは、図10及び図11に示すようなヨーク11の傾斜角θY及び滑車13の回転角θWの理論値を計算するために必要な架線6及び張力調整装置10A,10Bに関する諸元(基礎データ)を演算条件データとして記憶する記憶装置である。演算条件記憶部19qは、例えば、張力調整装置10A,10Bによって両端部が支持される架線6のドラム長さ(引留区間長)、架線6の線条種別、トロリ線6a及びちょう架線6bの線膨張係数、滑車13の直径及び滑車13の滑車比などを演算条件として予め記憶する。
理論値演算部19rは、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量の理論値を演算する手段である。理論値演算部19rは、撮影装置18が撮影した撮影画像の撮影時の気温に基づいて、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量の理論値を演算する。理論値演算部19rは、図10及び図11に示す前回の撮影画像PN-1の撮影時の気温TN-1と、今回の撮影画像PNの撮影時の気温TNとに基づいて、張力調整装置10A,10Bのヨーク11の傾斜角θY及び滑車13の回転角θWの理論値を演算する。理論値演算部19rは、例えば、演算条件記憶部19qが記憶する演算条件と、今回の撮影時と前回の撮影時との気温差とに基づいて、架線6の伸縮量を演算してヨーク11及び滑車13の変化量の理論値を演算する。理論値演算部19rは、演算後のヨーク11の傾斜角θY及び滑車13の回転角θWの理論値を理論値データとして制御部19pに出力する。
理論値記憶部19sは、理論値演算部19rの演算結果を記憶する手段である。理論値記憶部19sは、ヨーク11及び滑車13の変化量の理論値を撮影画像の撮影時の気温と対応させて、時系列順に理論値データとして記憶する記憶装置である。理論値記憶部19sは、変化量の理論値を撮影日時D1,…,DNの順にドラムID1,…,IDM毎に記憶する。
次に、この発明の第2実施形態に係る電車線の張力診断方法について説明する。
以下では、図8に示す手順と同じ手順については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
S410において、理論値の演算を理論値演算部19rに制御部19pが指令する。演算条件記憶部19qから演算条件データを制御部19pが読み出して、この演算条件データを理論値演算部19rに出力する。その結果、前回の撮影時の気温TN-1と今回の撮影時の気温TNと演算条件とに基づいて、ヨーク11の傾斜角θYの理論値と滑車13の回転角θWの理論値とを理論値演算部19rが演算する。演算後の理論値データを理論値演算部19rが制御部19pに出力すると、この演算後の理論値データが理論値記憶部19sに記憶される。
S500において、架線6の張力の評価を張力評価部19jに制御部19pが指令する。変化量記憶部19gから変化量データを制御部19pが読み出して、この変化量データを制御部19pが張力評価部19jに出力するとともに理論値記憶部19sから理論値データを制御部19pが読み出して、この理論値データを制御部19pが張力評価部19jに出力する。その結果、ヨーク11の傾斜角θYの計測値と理論値とを張力評価部19jが比較するとともに、滑車13の回転角θWの計測値と理論値とを張力評価部19jが比較する。例えば、計測値と理論値との差が所定範囲Th内であるとき架線6の張力が正常であると張力評価部19jが評価し、計測値と理論値との差が所定範囲Th外であるとき架線6の張力が異常であると張力評価部19jが評価する。
この発明の第2実施形態に係る電車線の張力診断装置とその張力診断方法には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第2実施形態では、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量の理論値を理論値演算部19rが演算し、変化量計測部19fの計測結果と理論値演算部19rの演算結果とに基づいて、張力評価部19jが架線6の張力を評価する。このため、ヨーク11や滑車13の回転量とこれらの計算値との比較から、支持点Pの構造などに起因する抑制抵抗によりドラム内の架線6の動きが妨げられていないか、調整長さに応じた回転になっているか、片流れしていないかなど、集電性能の悪化につながる異常を検出することができる。
(2) この第2実施形態では、撮影装置18が撮影した撮影画像の撮影時の気温に基づいて、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量の理論値を理論値演算部19rが演算する。このため、例えば、架線6の線条長さの温度変化の理論値を求め、撮影画像による計測値と比較することによって、架線6の異常を検出することができる。
(第3実施形態)
図13に示す張力診断装置19は、図3及び図9に示す張力診断装置19とは異なり、弛み量計測部19tと弛み量記憶部19uなどを備えている。制御部19pは、例えば、演算条件記憶部19qから演算条件データを読み出して理論値演算部19r及び弛み量計測部19tに出力したり、弛み量計測部19tに弛み量の測定を指令したり、弛み量計測部19tが出力する弛み量データを弛み量記憶部19uに出力したり、弛み量記憶部19uに弛み量データの記憶を指令したり、弛み量記憶部から弛み量データを読み出して理論値演算部19rに出力したりする。制御部19pには、弛み量計測部19t及び弛み量記憶部19uが相互に通信可能に接続されている。演算条件記憶部19qは、例えば、図1に示す支持点P間の距離(径間長)、ちょう架線6bの単位長さあたりの重量、断面積及びヤング率などを演算条件として予め記憶する。
理論値演算部19rは、撮影装置18が撮影した架線6の弛み具合に基づいて、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量の理論値を予測する。理論値演算部19rは、弛み量計測部19tの測定結果に基づいて、架線6の張力の理論値を演算するとともに、この架線6の張力の理論値に基づいて、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量の理論値を演算する。理論値演算部19rは、例えば、演算条件記憶部19qが記憶する演算条件と、弛み量計測部19tが演算する架線6のちょう架線6bの弛み量と、変化量計測部19fが計測するヨーク11の傾斜角θYとに基づいて、架線6の張力の理論値(推定値)を演算する。理論値演算部19rは、例えば、演算条件記憶部19qが記憶する演算条件と、架線6の張力の理論値とに基づいて、ヨーク11及び滑車13の変化量の理論値を演算する。
弛み量計測部19tは、撮影装置18が撮影した撮影画像に基づいて、架線6の弛み量を測定する手段である。弛み量計測部19tは、撮影装置18が撮影した三次元の撮影画像に基づいて、図1に示す架線6のちょう架線6bのサグ量sを弛み量として測定する。ここで、サグとは、支持点P間(径間)の中央部におけるちょう架線高さが支持点Pにおけるちょう架線高さよりも低くなっている状態である。サグ量sとは、支持点P間の中央部におけるちょう架線6bの弛み具合である。弛み量計測部19tは、測定後のサグ量sを弛み量データとして制御部19pに出力する。
弛み量記憶部19uは、架線6の弛み量を記憶する手段である。弛み量記憶部19uは、ちょう架線6bの弛み量を撮影画像の撮影日時D1,…,DN及び撮影時の気温T1,…,TNと対応させて、時系列順に弛み量データとして記憶する記憶装置である。変化量記憶部19gは、図6に示すドラムID1,…,IDM毎にちょう架線6bの弛み量を記憶する。
次に、この発明の第3実施形態に係る電車線の張力診断方法について説明する。
以下では、図8に示す手順と同じ手順については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
S310において、弛み量の測定を弛み量計測部19tに制御部19pが指令する。その結果、撮影画像記憶部19bが記憶する三次元の撮影画像と、演算条件記憶部19qが記憶する演算条件とに基づいて、図1に示すサグ量sを弛み量計測部19tが計測する。計測後の弛み量データを弛み量計測部19tが制御部19pに出力すると、この計測後の弛み量データが弛み量記憶部19uに記憶される。
S410において、理論値の演算を理論値演算部19rに制御部19pが指令する。その結果、弛み量記憶部19uが記憶する弛み量と、演算条件記憶部19qが記憶する演算条件とに基づいて、理論値演算部19rがちょう架線6bの張力の理論値を演算する。また、このちょう架線6bの張力の理論値と、演算条件記憶部19qが記憶する演算条件とに基づいてちょう架線6bの伸縮量を理論値演算部19rが演算する。さらに、このちょう架線6bの伸縮量の理論値と、演算条件記憶部19qが記憶する演算条件とに基づいて、ヨーク11の傾斜角θYの理論値と滑車13の回転角θWの理論値とを理論値演算部19rが演算する。
S500において、架線6の張力の評価を張力評価部19jに制御部19pが指令する。その結果、ヨーク11の傾斜角θYの計測値と理論値とを張力評価部19jが比較するとともに、滑車13の回転角θWの計測値と理論値とを張力評価部19jが比較する。例えば、計測値と理論値との差が所定範囲Th内であるとき架線6の張力が正常であると張力評価部19jが評価し、計測値と理論値との差が所定範囲Th外であるとき架線6の張力が異常であると張力評価部19jが評価する。
この発明の第3実施形態に係る電車線の張力診断装置とその張力診断方法には、第1実施形態及び第2実施形態には、以下に記載するような効果がある。
この第3実施形態では、撮影装置18が撮影した架線6の弛み具合に基づいて、張力調整装置10A,10Bのヨーク11及び滑車13の変化量の理論値を理論値演算部19rが演算する。このため、電車線非接触測定装置を利用してちょう架線6bの三次元画像を取得し、ちょう架線6bの三次元形状に基づいてちょう架線6bの張力を推定し、架線6の張力を診断したり架線6の状態を診断したりすることができる。
(第4実施形態)
図15及び図16に示す張力調整装置10A,10Bは、温度変化などによる架線6の張力変化をばねによって一定に保つばね式テンションバランサ(Spring Tension Balancer(STB))である。張力調整装置10A,10Bは、ばねの弾性を利用して架線6の張力を調整するばねバランサである。張力調整装置10A,10Bは、図16に示すように、ヨーク11と、外筒20と、内筒21と、ばね22と、引き留め材23と、支持部24などを備えている。
図16に示す外筒20は、内筒21及びばね22を収容する部材である。外筒20は、この外筒20の内周部にばね22の一端を受けるばね受け部20aを備えている。内筒21は、外筒20の内部に収容された状態で進退自在に動作する部分である。内筒21は、この内筒21の外周部にばね22の他端を受けるばね受け部21aと、内筒21とともに進退動作して外部から視覚によって進退位置を確認することによって架線6の張力の適否を確認するための指標部21bなどを備えている。ばね22は、架線6に張力を付与する部材である。ばね22は、架線6にばね力を常時作用させるコイルばねである。ばね22は、ばね受け部20aとばね受け部21aとの間に挟み込まれた状態で、内筒21の外周部に挿入されている。
引き留め材23は、ヨーク11と内筒21とを接続する部材である。引き留め材23は、例えば、引留ワイヤ又は引留チェーンなどの線条であり、一方の端部がヨーク11の取付部11cに取り付けられており、他方の端部が内筒21の先端部に取り付けられている。支持部24は、外筒20を支持構造物8A,8Bに支持する部分である。支持部24は、外筒20の後端部と支持構造物8A,8Bの外周部とを連結するように支持構造物8A,8Bに着脱自在に取り付けられる固定バンドを備えている。
図3、図9及び図13に示す変化量計測部19fは、撮影装置18が撮影した撮影画像に基づいて、張力調整装置10A,10Bの内筒21の変化量を計測する。変化量計測部19fは、探索処理部19eが探索した撮影画像に基づいて、内筒21の伸縮量(ストローク)Sを変化量として演算する。図3に示す変化量計測部19fは、図17に示すように、テンプレート画像P0と撮影画像PNとを参照して、内筒21の伸縮量Sを計測する。図9及び図13に示す変化量計測部19fは、図17に示すように、前回の撮影画像PN-1と今回の撮影画像PNとを参照して、内筒21の伸縮量Sを計測する。変化量計測部19fは、計測後の内筒21の伸縮量Sを変化量データとして制御部19pに出力する。プロット図生成部19hは、図7に示すプロット図と同様に、張力調整装置10A,10Bの内筒21の伸縮量Sと撮影画像の撮影時の気温Tとの関係をプロットしたプロット図を生成する。
図3に示す張力評価部19jは、張力調整装置10A,10Bの内筒21の変化量と撮影画像の撮影時の気温とに基づいて、架線6の張力を評価する。張力評価部19jは、図7に示すようなプロット図の所定範囲Th内にプロットが存在するか否かに基づいて、架線6の張力を評価する。図9及び図13に示す張力評価部19jは、変化量計測部19fの計測結果と理論値演算部19rの演算結果とに基づいて、架線6の張力を評価する。張力評価部19jは、変化量計測部19fが計測した内筒21の変化量の計測値と、理論値演算部19rが演算した内筒21の変化量の理論値とを比較して、架線6の張力が正常であるか否かを評価する。
図9及び図13に示す演算条件記憶部19qは、張力調整装置10A,10Bの内筒21の変化量の理論値を演算するために必要な条件を記憶する。演算条件記憶部19qは、例えば、ばね22のばね定数などを演算条件として予め記憶する。理論値演算部19rは、張力調整装置10A,10Bの内筒21の変化量の理論値を演算する。理論値演算部19rは、前回の撮影画像PN-1の撮影時の気温TN-1と、今回の撮影画像PNの撮影時の気温TNとに基づいて張力調整装置10A,10Bの内筒21の伸縮量Sの理論値を演算する。
この発明の第3実施形態に係る電車線の張力診断装置とその張力診断方法には、第1実施形態及び第2実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
この第3実施形態では、張力調整装置10A,10Bがばね式自動張力調整装置であるときに、このばね式自動張力調整装置の内筒21の伸縮量Sを変化量計測部19fが計測する。このため、例えば、従来の重錘位置検出装置では撮影が不可能であった張力調整装置10A,10Bの上部可動部である内筒21を、車両2の車体上面4aに搭載した撮影装置18によって線路1上を走行する車両2から確実に撮影することができる。その結果、走行する車両2によって取得した内筒21の画像から張力調整装置10A,10Bの状態を監視し、伸縮量Sを自動的に計測し、架線6の張力の異常の有無を容易に診断することができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、架線6のような架空電車線を例に挙げて説明したが、電線などの支持物に架設された電力分野の電線路のような架空線についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、架線6がシンプルカテナリ式ちょう架方式の架線である場合を例に挙げて説明したが、このような架線方式に限定するものではない。例えば、架線6のトロリ線6aとちょう架線6bとの間に補助ちょう架線を1本架設し、補助ちょう架線にトロリ線6aをハンガ6cによって吊り下げるコンパウンドカテナリ式ちょう架方式の架線についてもこの発明を適用することができる。同様に、シンプルカテナリ式ちょう架方式の架線を所定の間隔をあけて2組平行に架設したツインシンプルカテナリ式ちょう架方式の架線についてもこの発明を適用することができる。
(2) この第1実施形態〜第3実施形態では、ヨーク11及び滑車13の変化量を変化量計測部19fが計測する場合を例に挙げて説明したが、ヨーク11又は滑車13のいずれか一方の変化量を変化量計測部19fが計測する場合についても、この発明を適用することができる。また、この第1実施形態〜第3実施形態では、大滑車部13bの外周部に段差部13cが存在する滑車13を例に挙げて説明したが、大滑車部13bの外周部に段差部13cが存在しない滑車についても、この発明を適用することができる。
(3) この第1実施形態〜第3実施形態では、テンプレート画像P0を基準として滑車13の回転角θWを変化量計測部19fが計測する場合を例に挙げて説明したが、このような計測方法にこの発明を限定するものではない。例えば、滑車13の段差部13cの位置を基準として、変化量計測部19fが回転角θWを計測する場合についても、この発明を適用することができる。この場合には、テンプレート画像P0上の段差部13cの位置から撮影画像PN上の段差部13cの位置がどれだけ回転したかを変化量計測部19fによって計測して、滑車13の回転角θWを計測することができる。また、この第2実施形態及び第3実施形態では、傾斜角θY及び回転角θWの計測値と、傾斜角θY及び回転角θWの理論値とを比較して張力を評価する場合を例に挙げて説明したが、このような評価方法にこの発明を限定するものではない。例えば、ヨーク11の傾斜角θYを架線6の実際の伸縮量に換算するとともに、滑車比を考慮して滑車13の回転角θWを架線6の実際の伸縮量に換算して、計測値と理論値とを比較して張力を評価する場合についても、この発明を適用することができる。さらに、この第3実施形態では、ちょう架線6bのサグ量sに基づいて架線6の張力の理論値を演算し、この張力の理論値に基づいてヨーク11及び滑車13の変化量の理論値を演算する場合を例に挙げて説明したが、このような演算方法にこの発明を限定するものではない。例えば、トロリ線6aのサグ量に基づいて、架線6の張力の理論値を演算したり、トロリ線6a及びちょう架線6bのサグ量に基づいて、架線6の張力の理論値を演算したりする場合についても、この発明を適用することができる。
(4) この第4実施形態では、ちょう架線6bの弛みを具合に基づいて、ヨーク11、滑車13及び内筒21の変化量の理論値を演算する場合を例に挙げて説明したが、ちょう架線6bの弛みを具合にこの発明を限定するものではない。例えば、ちょう架線6以外にトロリ線6aなどの電車線を構成する線条の弛み具合に基づいて、ヨーク11、滑車13及び内筒21の変化量の理論値を演算する場合についても、この発明を適用することができる。また、この第4実施形態では、1つの内筒21が外筒20に進退自在に収容された張力調整装置10A,10Bである場合を例に挙げて説明したが、複数の内筒が進退自在に外筒に収容された張力調整装置である場合についても、この発明を適用することができる。さらに、この第4実施形態では、張力調整装置10A,10Bの内筒21の変化量を変化量計測部19fが計測する場合を例に挙げて説明したが、張力調整装置10A,10Bの指標部21bの変化量を変化量計測部19fが計測する場合についても、この発明を適用することができる。
1 線路
2 車両
5 集電装置
5a すり板
6 架線(電車線)
6a トロリ線
6b ちょう架線
10A,10B 張力調整装置
11 ヨーク(上部可動部)
13 滑車(上部可動部)
15 重錘(下部可動部)
17 張力診断システム
18 撮影装置
19 張力診断装置
19f 変化量計測部
19h プロット図生成部
19j 張力評価部
19r 理論値演算部
20 外筒
21 内筒(筒部(上部可動部))
22 ばね
P 支持点
0 テンプレート画像
N-1 撮影画像(前回の撮影画像)
N 撮影画像(今回の撮影画像)
θY,θYA1,…,θYAN,θYB1,…,θYBN 傾斜角(変化量)
θW,θWA1,…,θWAN,θWB1,…,θWBN 回転角(変化量)
T,T1,…,TN 気温
1,…,DN 撮影日時
ID1,…,IDN ドラム
Th 所定範囲
s サグ量(弛み具合(変化量))
S 伸縮量(変化量)

Claims (9)

  1. 電車線の張力を調整する張力調整装置を車両の撮影装置から走行しながら撮影した撮影画像に基づいて、この電車線の張力を診断する電車線の張力診断装置であって、
    前記撮影装置が撮影した撮影画像に基づいて、前記張力調整装置の上部可動部の変化量を計測する変化量計測部と、
    前記変化量計測部の計測結果に基づいて、前記電車線の張力を評価する張力評価部と、
    を備える電車線の張力診断装置。
  2. 請求項1に記載の電車線の張力診断装置において、
    前記張力評価部は、前記張力調整装置の上部可動部の変化量と前記撮影画像の撮影時の気温とに基づいて、前記電車線の張力を評価すること、
    を特徴とする電車線の張力診断装置。
  3. 請求項2に記載の電車線の張力診断装置において、
    前記張力調整装置の上部可動部の変化量と前記撮影画像の撮影時の気温との関係をプロットしたプロット図を生成するプロット図生成部を備え、
    前記張力評価部は、前記プロット図の所定範囲内にプロットが存在するか否かに基づいて、前記電車線の張力を評価すること、
    を特徴とする電車線の張力診断装置。
  4. 請求項1に記載の電車線の張力診断装置において、
    前記張力調整装置の上部可動部の変化量の理論値を演算する理論値演算部を備え、
    前記張力評価部は、前記変化量計測部の計測結果と前記理論値演算部の演算結果とに基づいて、前記電車線の張力を評価すること、
    を特徴とする電車線の張力診断装置。
  5. 請求項4に記載の電車線の張力診断装置において、
    前記理論値演算部は、前記撮影装置が撮影した撮影画像の撮影時の気温に基づいて、前記張力調整装置の上部可動部の変化量の理論値を演算すること、
    を特徴とする電車線の張力診断装置。
  6. 請求項4に記載の電車線の張力診断装置において、
    前記理論値演算部は、前記撮影装置が撮影した電車線の弛み具合に基づいて、前記張力調整装置の上部可動部の変化量の理論値を演算すること、
    を特徴とする電車線の張力診断装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の電車線の張力診断装置において、
    前記変化量計測部は、前記張力調整装置が滑車式自動張力調整装置であるときに、この滑車式自動張力調整装置の滑車の回転角及び/又はヨークの傾斜角を計測すること、
    を特徴とする電車線の張力診断装置。
  8. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の電車線の張力診断装置において、
    前記変化量計測部は、前記張力調整装置がばね式自動張力調整装置であるときに、このばね式自動張力調整装置の筒部の伸縮量を計測すること、
    を特徴とする電車線の張力診断装置。
  9. 電車線の張力を調整する張力調整装置を車両の撮影装置から走行しながら撮影した撮影画像に基づいて、この電車線の張力を診断する電車線の張力診断方法であって、
    前記撮影装置が撮影した撮影画像に基づいて、前記張力調整装置の上部可動部の変化量を計測する変化量計測工程と、
    前記変化量計測工程における計測結果に基づいて、前記電車線の張力を評価する張力評価工程と、
    を含む電車線の張力診断方法。
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