JP2021132627A - 大豆乳酸菌発酵食品の製造方法 - Google Patents

大豆乳酸菌発酵食品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より短期間に大豆乳酸菌発酵食品を製造することにより、限られた設備を使用して増産可能とすること。さらに、豆乳ヨーグルトをはじめとする大豆乳酸菌発酵食品の多様化、つまり、豆乳ヨーグルトに留まらず、豆乳ヨーグルト飲料、豆乳クリームチーズ等の各種の形態の飲食品が求められ、これまでにない滑らかで口どけのよい大豆乳酸菌発酵食品を得ること。【解決手段】下記の第A1工程及び第A2工程を順に行う大豆乳酸菌発酵食品の製造方法。第A1工程:大豆原料に乳酸菌を添加して、1時間当たりのpH値の低下幅が0.4となるまで発酵する工程第A2工程:第A1工程により得られた大豆原料に酸を添加してpH4.3〜4.7とする工程【選択図】図1

Description

本発明は、大豆乳酸菌発酵食品の製造方法に関する。
特許文献1に記載されているように、生大豆を粒のまま乳酸菌による発酵処理した後、前記処理した乳酸発酵大豆を磨砕処理又は磨砕処理並びに加熱処理して得た豆乳液に、所望の甘味料・調味料を添加すると共に、再度乳酸菌を接種して、1日〜2日かけて二次発酵させて豆乳ヨーグルトを得る方法は公知である。
特許文献2に記載されるように、豆乳のpHが6.5〜7.0の範囲に収まるように調製したマザースターターを得て、このマザースターターを豆乳に添加して発酵を開始し、72時間程度かけて豆乳ヨーグルトを得る方法は公知である。
これらの特許文献の記載によれば、豆乳ヨーグルトは、掛かる時間は様々ではあるものの、少なくとも1日〜2日程度、又はそれ以上の時間をかけて発酵を行うことによって製造していた。
特許文献3に記載の方法は、十分な時間をかけて豆乳を発酵させた後に、さらに酸を添加して呈味を変化させる方法である。
特許文献4には、比較的低い糖濃度で豆乳の乳酸菌発酵を行う際に、有機酸を添加して酸度を調製すると、良好な風味の発酵豆乳が得られることが記載されている。
特開2011−67102号公報 特開2018−186751号公報 特開昭54−52754号公報 特開2001−333692号公報
上記のように、大豆乳酸菌発酵食品である豆乳ヨーグルトを長時間かけて製造する場合、限られた設備での単位期間当たりの製造量が低くなるために、増産することが困難であった。
本発明はより短期間に大豆乳酸菌発酵食品を製造することにより、限られた設備を使用して増産可能とすることを課題とする。
さらに、豆乳ヨーグルトをはじめとする大豆乳酸菌発酵食品の多様化、つまり、豆乳ヨーグルトに留まらず、豆乳ヨーグルト飲料、豆乳クリームチーズ等の各種の形態の飲食品が求められ、これまでにない滑らかで口どけのよい大豆乳酸菌発酵食品を得ることを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、下記の手段を採用することにより上記の課題を解決することを見出した。
1.下記の第A1工程及び第A2工程を順に行う大豆乳酸菌発酵食品の製造方法。
第A1工程:大豆原料に乳酸菌を添加して、1時間当たりのpH値の低下幅が0.4となるまで発酵する工程
第A2工程:第A1工程により得られた大豆原料に酸を添加してpH4.3〜4.7とする工程
2.第A1工程の終了時点である、1時間当たりのpHの低下幅が0.4となるときのpHが5.0〜5.5である1に記載の大豆乳酸菌発酵食品の製造方法。
3.下記の第B1工程及び第B2工程を順に行う大豆乳酸菌発酵食品の製造方法。
第B1工程:大豆原料に酸を添加してpH6.2〜6.7とする工程
第B2工程:第B1工程により得られた大豆原料に乳酸菌を添加してpH4.3〜4.7になるまで発酵する工程
本発明の大豆乳酸菌発酵食品の製造方法によれば、特に短時間で製造できる。加えて、さらに滑らかで口どけのよい大豆乳酸菌発酵食品とすることができる。
製造例1の大豆乳酸菌発酵物を得るまでのpHの変化を示す図 製造例2〜4の大豆乳酸菌発酵物を得るまでのpHの変化を示す図
〔大豆乳酸菌発酵食品の製造方法〕
本発明による大豆乳酸菌発酵食品の製造方法は、以下の第A1工程及び第A2工程を順に行う方法、
第A1工程:大豆原料に乳酸菌を添加して、1時間当たりのpH値の低下幅が0.4となるまで発酵する工程
第A2工程:第A1工程により得られた大豆原料に酸を添加してpH4.3〜4.7とする工程
及び、以下の第B1工程及び第B2工程を順に行う方法である。
第B1工程:大豆原料に酸を添加してpH6.2〜6.7とする工程
第B2工程:第B1工程により得られた大豆原料に乳酸菌を添加してpH4.3〜4.7になるまで発酵する工程
本発明の製造方法には、大豆原料を含む発酵前液を調製する工程(以下、「調製工程」ともいう。)や、第A1工程、第A2工程、第B1工程及び第B2工程のそれぞれの工程の後の段階のうち、1つ以上の時期において、大豆乳酸菌発酵物等に添加物を添加する工程(以下、「添加工程」ともいう。)、大豆乳酸菌発酵食品又はこれに添加物を添加したものを容器に充填する工程(以下、「充填工程」ともいう。)から選択される少なくとも1つの工程を更に備えてもよい。
(調製工程)
調製工程は、大豆原料を含む発酵前液を調製する工程である。調製工程は、大豆原料、及び必要に応じて他の原料を混合して原料混合物を得るステップ(混合ステップ)を少なくとも備える。調製工程は、原料混合物を均質化するステップ(第1の均質化ステップ)、原料混合物、又は均質化した原料混合物を殺菌するステップ(殺菌ステップ)を更に備えていてもよい。
大豆原料は、大豆及び大豆加工物から選択される少なくとも1種であってよい。大豆加工物としては、例えば、豆乳、大豆の磨砕物及び粉砕物、脱皮処理した大豆並びにその磨砕物及び粉砕物、脱脂大豆等が挙げられる。大豆原料としては、豆乳を使用することが好ましい。但し、大豆原料としてオカラ分を含有する豆粉を使用しても良く、使用しなくても良い。
ここで「豆乳」とは、大豆から熱水等によりタンパク質その他の成分を溶出させ、繊維質を除去して得られる乳状の飲料を意味する。「豆乳」としては、大豆固形分の含有量が8質量%以上であるものが好ましい。「豆乳」には、例えば、原豆乳、無調整豆乳等が含まれる。
また、豆乳として、乳酸菌発酵に要する時間の低減の観点から、豆乳を予めペプチド結合加水分解酵素により加水分解させて得た酵素処理豆乳を使用できる。酵素処理豆乳を使用することで、プロテアーゼ分泌の弱い乳酸菌(例えば、ラクトバチラス・ブレビスの一部等)を用いた場合であっても、発酵を促進し、発酵時間を短くすることができ、生産性を向上することもできる。
(混合ステップ)
混合ステップは必要に応じて行うことができる。
原料混合物を得るために添加する他の原料としては、食品原料及び食品添加物として許容可能なものであれば特に制限されない。他の原料の具体例としては、例えば、水、植物油脂、糖(例えば、スクロース、マルトース、フルクトース、グルコース、スタキオース、ラフィノース等)、果汁(例えば、レモン果汁)、pH調整剤(例えば、塩酸、水酸化ナトリウム)、酸味料(例えば、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸)、甘味料(例えば、トレハロース、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム)、食物繊維(例えば、イヌリン、大豆食物繊維)、安定剤(例えば、アルギン酸類、グリセリン脂肪酸エステル)、香料(例えば、ヨーグルトフレーバー)、加工でんぷん、増粘多糖類又はゲル化剤(例えば、ジェランガム、グアガム、ゼラチン、キサンタンガム、ウェランガム、ローカストビーンガム、ペクチン)等が挙げられる。
原料混合物に含まれる大豆原料の量は、原料混合物全量を基準として、固形分濃度で4.9〜8.3重量%であってよい。
(第1の均質化ステップ)
第1の均質化ステップは、必要に応じて行うことができる。
第1の均質化ステップとして、混合ステップで得られた原料混合物を、例えば、市販のホモジナイザー等を用いて均質化する。
(殺菌ステップ)
殺菌ステップは、必要に応じて実施すればよい。原料混合物、又は均質化した原料混合物の殺菌処理は、例えば、80〜150℃、好ましくは80〜120℃に加熱することにより実施することができる。
調製工程で得られた発酵前液は、そのまま第A1工程を行う場合には、乳酸菌を添加する前に乳酸菌による発酵に適した温度(例えば、40〜45℃)になるまで調整するのが好ましい。
[第A1工程及び第B2工程で使用される乳酸菌]
第A1工程及び第B2工程で使用される乳酸菌としては、例えば、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)及びラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)等のラクトバチルス属に属する乳酸菌、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)等のストレプトコッカス属に属する乳酸菌、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)等のラクトコッカス属に属する乳酸菌、並びにビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)等のビフィドバクテリウム属に属する乳酸菌を用いることができる。乳酸菌は、1種を単独で使用してもよく、複数種を併用してもよい。但し、乳酸菌として、ビフィドバクテリウム属に属する乳酸菌のみを使用してもよく、使用しなくても良い。また、乳酸菌としてヘテロ発酵乳酸菌を使用してもよく、使用しなくても良い。
第A1工程及び第B2工程の温度(発酵液の温度)は、使用する乳酸菌の種類等に応じて、適宜設定すればよい。発酵液の温度は、これに限定されるものではないが、例えば、40〜45℃としてよい。
また第A1工程及び第B2工程の時間(発酵時間)は、使用する乳酸菌の種類や目標のpH等に応じて適宜設定できる。発酵液の温度は40〜45℃とするのが好ましい。
また、第A1工程や第B2工程中や工程前に、グルカン、アミノ酸や糖類等を添加しても良く、添加しなくても良い。
第B2工程後(発酵終了後)は、通常固化してハードタイプとなるので、目的に応じて乳酸菌発酵物を攪拌等により崩してソフトタイプやドリンクタイプにする。
[第A2工程及び第B1工程で使用される酸]
第A2工程及び第B1工程で使用される酸としては、乳酸菌により得られる酸、つまり乳酸が味に及ぼす影響の点で好ましい。また、クエン酸、リンゴ酸、リン酸等の酸を用いることができる。但しアスコルビン酸を用いても良いし、用いなくても良い。これらの工程において、酸を目標とするpHとなるように添加する。
[第A1工程の管理]
第A1工程は上記の乳酸菌を、必要に応じて上記の混合ステップ、第1の均質化ステップ、殺菌ステップを終了した豆乳に添加して、撹拌を行なうことにより開始する。40〜45℃に保温しながら、連続して、又は逐次に豆乳のpHを測定しながら、乳酸菌による発酵を進める。
発酵開始直後は誘導期であり、乳酸菌が盛んに増殖する。その後対数期に入り、乳酸の生成が活発になり、豆乳のpHが1時間当たり0.4を超える幅で低下する。継続してpHを測定すると、pHの低下幅が小さくなり、やがて1時間当たりのpHの低下幅が0.4になる時点が到来する。
[第A2工程]
上記第A1工程において、1時間当たりのpHの低下幅が0.4になった時点で、第A2工程として酸を添加してpH4.3〜4.7にする。
この範囲のpHにすることにより、乳酸菌の活動が抑制されて、さらに発酵を継続することが抑制される。
この結果、酸を添加しなければ、いわゆる静止期として長時間をかけて、乳酸菌により緩やかに発酵が進展する工程を経ることがなく、実質的に乳酸菌による発酵工程を終了させることができる。
特に第A2工程では、撹拌しながら酸を添加するので通常は固化していない。仮に固化しても乳酸発酵物を崩し、ゾル化させることができる。ゾル化工程を実施することにより、いわゆるソフトタイプ又はドリンクタイプ(液状)の大豆乳酸菌発酵食品となる。
[第B1工程]
第B1工程は、上記の酸を、必要に応じて上記の混合ステップ、第1の均質化ステップ、殺菌ステップを終了した豆乳に添加して、一気にpH6.2〜6.7とする工程である。この工程により、いわゆる乳酸菌による発酵のうち、誘導期又は誘導期の多くの期間を省略することができる。この工程において、酸の投入条件を調製して、豆乳原料中のタンパク質を酸により変性させることを避ける必要がある。
また第B1工程として酸を添加する際には、撹拌をしながら添加するので、部分的に固化するとしても、液状であることが好ましい。
[第B2工程]
第B2工程は、第B1工程終了後に得られた発酵前液に乳酸菌を添加することにより開始される。乳酸菌による発酵が進展して、豆乳のpHが4.3〜4.7となった時点において終了する。
第B1工程により得られた乳酸添加発酵前液が固化するときがある。このときには固化した発酵前液を崩してゾル化させた後に第B2工程を行うことができ、それにより、いわゆるソフトタイプ又はドリンクタイプ(液状)の大豆乳酸菌発酵食品となる。
(添加工程)
添加工程は、必要に応じて実施すればよい。添加工程は、ゾル化した大豆乳酸菌発酵物に添加物を添加するステップ(添加ステップ)に加え、添加物を添加した後、均質化するステップ(第2の均質化ステップ)を更に含んでいてもよい。
(添加ステップ)
添加物としては、食品原料及び食品添加物として許容可能なものであれば特に制限されない。添加物の具体例としては、例えば、糖(例えば、スクロース、マルトース、フルクトース、グルコース、スタキオース、ラフィノース等)、果汁(例えば、レモン果汁)、pH調整剤(例えば、塩酸、水酸化ナトリウム)、酸味料(例えば、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸)、甘味料(例えば、トレハロース、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム)、食物繊維(例えば、イヌリン、大豆食物繊維)、安定剤(例えば、アルギン酸類、グリセリン脂肪酸エステル)、香料(例えば、ヨーグルトフレーバー)等が挙げられる。タンパク質凝集抑制剤を添加しても良いが、添加しなくても良い。
またペクチン及び大豆多糖類を添加しても良いが、添加しなくても良い。
但し、本発明による効果を毀損しない程度に、上記添加物を添加することが望ましい。
(第2の均質化ステップ)
第2の均質化ステップは、必要に応じて行うことができる。
第2の均質化ステップとして、例えば、市販のホモジナイザー等を用いて均質化することができる。
(充填工程)
充填工程は、ゾル化した大豆乳酸菌発酵物、又はこれに添加物を添加したものを容器に充填する工程であり、必要に応じて行い得る。
その容器は、密閉できるものであればよく、例えば、ガラス容器、プラスチック容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。
本発明の方法は、発酵工程後に殺菌処理を行ってもよいし、殺菌処理を行わないものであってよい。殺菌処理を行わないことで、得られる大豆乳酸菌発酵食品は、生きた乳酸菌を含むものになる。
但し、酸としてはフマール酸を添加しない。
以下、実施例等に基づいて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔大豆乳酸菌発酵食品の製造〕
製造例1
表1に示す配合量で各原料を配合し、ホモジナイザー(イズミフードマシナリ社製)を使用して、60℃及び10MPaの条件下で均質化処理を行った後、殺菌処理(5 ℃で30秒間)を行うことで発酵前液を調製した。発酵前液のpHは7.3であった。
調製した発酵前液に乳酸菌スターターを0.2重量%となるように添加し、表2及び3に示すように43℃でpH5.2になるまで発酵を行ない、発酵液のpHが5.2になった時点で発酵を終了した。得られた大豆乳酸菌発酵物に乳酸を添加してpHを4.6に調整した後、10℃以下に冷却して大豆乳酸菌発酵物(豆乳乳酸菌発酵物)を得た。
大豆乳酸菌発酵物を得るまでのpHの変化を図1に示す。図1に示した従来製造例(酸を添加しない例)と比較して、単位時間当たりのpHの低下の程度が小さい、4時間経過以降の時間を短縮して、より短時間で製造できることがわかる。
製造例2〜4
製造例1と同じように発酵前液を調製した。調製した発酵前液を3つに分けて、それぞれに乳酸を添加して、pH6.5、6.0、5.5に調整した。これらに乳酸菌スターターを0.2重量%となるように添加して、それぞれ43℃でpH4.6になるまで発酵を行った。その後、10℃以下に冷却して大豆乳酸菌発酵物(豆乳乳酸菌発酵物)を得た。
大豆乳酸菌発酵物を得るまでのpHの変化を図2に示す。図2に示した従来製造例(酸を添加しない例)と比較して、発酵開始時のpHを低下させるために、より短時間で製造できることがわかる。
Figure 2021132627
三温糖 :伊藤忠製糖社製
植物油脂:不二製油社製 ユニバー100N
加工澱粉:松谷化学工業社製 リン酸架橋澱粉
発酵乳酸:コービオンジャパン社製
乳酸菌スターター:ストレプトコッカス・サーモフィルス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・アシドフィルス及びビフィドバクテリウム・アニマリスを含むスターター(0.02unit/Kgの製剤を使用)
Figure 2021132627
Figure 2021132627
上記比較例、及び製造例1〜4で得た大豆乳酸菌発酵食品について、訓練され評価にバラツキのない6名の評価者が下記の点で評価した。
滑らかさ:食したときの舌上に感じる口当たりの滑らかさ、異物感がない性質をいう
口どけ :食したときの舌上に感じる広がり感であり、舌にまとわりつかず、口中から適度な時間で消失する性質をいう
これらの点について、比較例によって得られた大豆乳酸菌発酵食品と比べて
かなり悪い −3、悪い −2、やや悪い −1、同じ 0
かなり良い 3 、良い 2 、やや良い 1
の基準で評価を行い、各評価者の結果を平均した。その結果を表4に示す。
Figure 2021132627
比較例である従来製法と比べ、製造例1及び製造例2ともいずれの評価項目においても良いと評価される傾向が認められた。すなわち、従来製法と比べ口当たりの滑らかさや口どけが良い求める食感の大豆乳酸菌発酵食品が得られた。
また、製造例2は、pH調節剤を添加する際に、部分的に酸によるタンパク変性をしないように注意する必要があり、製造方法の簡便性及び口当たりの滑らかさや口どけの良さの観点から製造例1がより望ましい。
また、製造例3によれば発酵に必要な時間が9時間となり、発酵前に酸を添加してpHを調整しない場合に比べて、発酵時間を短縮できなかった。製造例4によれば目的とするpHにすることができなかった。
本発明において、大豆乳酸菌発酵物のpHを乳酸菌発酵のみでなく、酸の添加と併用して目的とするpHにすることで、短時間で大豆乳酸菌発酵食品を製造することができ、大豆乳酸菌発酵食品の食感を改良することができた。

Claims (3)

  1. 下記の第A1工程及び第A2工程を順に行う大豆乳酸菌発酵食品の製造方法。
    第A1工程:大豆原料に乳酸菌を添加して、1時間当たりのpH値の低下幅が0.4となるまで発酵する工程
    第A2工程:第A1工程により得られた大豆原料に酸を添加してpH4.3〜4.7とする工程
  2. 第A1工程の終了時点である、1時間当たりのpHの低下幅が0.4となるときのpHが5.0〜5.5である請求項1に記載の大豆乳酸菌発酵食品の製造方法。
  3. 下記の第B1工程及び第B2工程を順に行う大豆乳酸菌発酵食品の製造方法。
    第B1工程:大豆原料に酸を添加してpH6.2〜6.7とする工程
    第B2工程:第B1工程により得られた大豆原料に乳酸菌を添加してpH4.3〜4.7になるまで発酵する工程
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