JP2021131016A - 床材 - Google Patents

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Abstract

【課題】嵌合して敷設し湿度、温度の影響を受け、収縮した際に床材同士の目地部における隙間が目立ち難く、また嵌合が外れ難く突上げや段差の発生のし難い嵌合形状を有する床材を提供する。【解決手段】略矩形平面部材の相対する一方の端部に、裏面側が切除された線状の係合凹溝部223を備え、上記一方の端部の先端は表面側が斜めに切除された第1突起部221を備え、相対する他方の端部の表面側が切除された線状の係合凹溝部223と嵌合する線状の係合凹溝部234を備え、上記係合凹溝部234の内面に上記一方の端部の先端の第1突起部221と接合するように下側が斜めに切除された第2突起部231を備えてなる嵌合構造を有し、基材層のJIS K 7181に準拠して測定した圧縮弾性率を0.098〜0.163MPaとし、緩衝層のJIS K 7181に準拠して測定した圧縮弾性率を0.015〜0.030MPaとする床材である。【選択図】図4

Description

本発明は、屋内や屋外の建造物床面に敷設して用いる床材に関するものであって、例えば、居室、廊下、洗面室、トイレ等の床に敷設して使用する床材(床用パネル材)に関し、特には突上げや段差の発生のし難い嵌合形状を有する床材に関する。
一般的な床材の接合方法として、パネル材の端部に凹部形状を、反対側の端部に凸部形状を有した本実や合決り等の嵌合形状を持ち、隣接する床材同士を互いに嵌合させ、敷設することが多い(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2007−224523号公報 特許第4492324号公報
ところで、床材に用いられる材料としては、合板やMDF、パーチクルボード等の木質系材料やポリプロピレンやポリエチレン、PVC等の樹脂を使った樹脂系材料等が挙げられる。木質系材料であると、湿度により含水率が変化し膨張、収縮を繰り返すことがあり、また、樹脂系材料であると温度により膨張、収縮を繰り返すことがある。こうした収縮により目地部では隙間が広がってしまうことがあり、意匠的に好ましくないことがあった。特に、床材の嵌合構造が本実形状であると、水平方向に噛み合せがないため、引っ掛かりがなく過度に目地が開いてしまうことがあった。また、床材が合決りのように垂直方向に噛み合っていない嵌合形状であると、垂直方向に過度な荷重が掛かると裏面の不陸吸収層が潰れ嵌合が外れやすいことがあり、改善の余地があった。
本発明はこのような点に着目してなされたものであり、すなわちその目的とするところは、嵌合して敷設し、湿度、温度の影響を受け、収縮した際に床材同士の目地部における隙間が目立ち難く、また嵌合が外れ難く突上げや段差の発生のし難い嵌合形状を有する床材を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の床材は、基材層と、その基材層の下面に設けられた緩衝層とを有し、
前記基材層は、平板形状をなす本体部と、その本体部の端部には第1係合部及び第2係合部の少なくとも何れか一方を有し、
第1係合部は、前記本体部から延設され、前記延設された方向に直交する方向に沿って下面に形成された突条をなす係合凸部と、先端部に向かって俯角をなす第1傾斜部とが形成された第1突起部を有し、
第2係合部は、他の床材に設けられた第1係合部に係合可能であり、前記本体部から上下に並んで延設された第2突起部及び第3突起部を有し、第2突起部には先端部に向かって仰角をなす第2傾斜部が形成され、第3突起部の上面には、前記延設された方向に直交する方向に沿って係合凹溝部が形成され、
前記基材層のJIS K 7181に準拠して測定した圧縮弾性率が0.098〜0.163MPaであり、
前記緩衝層のJIS K 7181に準拠して測定した圧縮弾性率が0.015〜0.030MPaである。
すなわち、本発明の一態様の床材の基材層は、例えば、略矩形をなす平面部材(平板形状の部材)の相対する一方の端部に第1係合部が設けられ、相対する他方の端部に第2係合部が設けられたとすると、第1係合部は、上記本体部と上記係合凸部との間に、裏面(下面)側が切除された線状の裏面凹溝部を備えている。また、第1係合部の先端は表面(上面)側が俯角をなすように斜めに切除された突起部(第1突起部)を備えている。また、第2係合部には、その表面側が切除された上記線状の裏面凹溝部と嵌合する形状をなす線状の表面凹溝部(上記係合凹溝部)を備えている。また、上記表面凹溝部の内面には、上記第1係合部の先端の突起部と接合するように下側が俯角をなすように斜めに切除された突起部(第2突起部及び第2傾斜部)を備えてなる嵌合構造を有する。また、上記基材層のJIS K 7181に準拠して測定した圧縮弾性率は、0.098〜0.163MPaであり、上記基材層の下面に設けられた一層以上の緩衝層のJIS K 7181に準拠して測定した圧縮弾性率は、0.015〜0.030MPaである。
本発明の一態様によれば、嵌合して敷設し、湿度、温度の影響を受け、収縮した際に床材同士の目地部における隙間が目立ち難く、また嵌合が外れ難く突上げや段差の発生のし難い嵌合形状を有する床材を提供することができる。
床材の一実施形態の構成を示す断面図である。 床材の一実施形態の構成を示す図であり、(a)は基材層の構造を示す斜視図、(b)は複数の床材を組み合わせた態様を示す斜視図である。 第1係合部及び第2係合部の構造を示す図であり、(a)は床材のある態様における第1係合部の構造を示す断面図、(b)は床材の他の態様における第1係合部の構造を示す断面図、(c)は床材のある態様における第2係合部の構造を示す断面図である。 床材の一実施形態における嵌合構造を示す断面図である。 床材の他の実施形態における嵌合構造を示す断面図である。 従来の合決り形状の嵌合部分の構造を示す断面図である。 従来の本実形状の嵌合部分の構造を示す断面図である。
次に、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の床材1は、少なくとも、基材層2と、その基材層2の下面に設けられた緩衝層3とを有する。なお、基材層2の上面には化粧層(化粧シート)5が設けられてもよい。本実施形態の床材1の説明としては、基材層2と緩衝層3とが第1接着剤層4で貼り合わされ、基材層2と化粧層5とが第2接着剤層6で貼り合わせてなる構成について以下に説明する。すなわち、本実施形態の床材1は、緩衝層3、第1接着剤層4、基材層2、第2接着剤層6、化粧層5の順で積層されて構成されている。
ここで、以下の説明では、基材層2を基準として、床材1を設置する床面側の向きを「下側、下方」とし、その反対側の向きを「上側、上方」として説明する。すなわち、基材層2を基準として、緩衝層3が設けられる(積層される)側の基材層2の面を「下面(裏面)」とし、その反対側の面を「上面(おもて面)」として説明する。
<基材層>
図2(a)に示すように、基材層2は、平板形状をなす本体部21と、その本体部21の長手方向の一方の端部に設けられた第1係合部22と、本体部21の長手方向の一方の端部に設けられた第2係合部23とを有する。
ここで、本発明の一態様の床材を構成する基材層2は、平板形状をなす本体部21と、その本体部21の端部に設けられた第1係合部22及び第2係合部23の少なくとも何れか一方を有する。すなわち、基材層2は、第1係合部22だけ設けられてもよいし、第2係合部23だけ設けられてもよいし、第1係合部22及び第2係合部23が設けられてもよい。そして、本体部21の4つの端部に第1係合部22及び第2係合部23の少なくとも何れかがいくつ、いかなる配置で設けられるかは、本実施形態の床材を設置する状況に応じて適宜設定される。
[第1係合部]
図3(a)に示すように、本体部21の長手方向の一方の端部に設けられた第1係合部22は、本体部21からその長手方向に沿って延設された第1突起部221を有する。この第1突起部221は、その厚みが本体部21の厚みより薄く、本体部21の長手方向の一方の端部の厚み方向における上部に設けられている。すなわち、第1突起部221の上面と本体部21の上面とは面一であり、第1突起部221の下面は、本体部21の下面よりも上方に位置している。
第1突起部221の下面には、その先端部と本体部21との基端部のそれぞれから離間して係合凸部222が形成されている。この係合凸部222は、第1突起部221が本体部21から延設された方向(以下、第1突起部221の延設方向ということがある)に直交する方向に沿って形成された突条の態様をなす。ここで、係合凸部222と本体部21と第1突起部221の下面とによって凹溝部223が形成されている。また、第1突起部221の先端部は、本体部21の長手方向に対して(第1突起部221の延設方向に対して)俯角をなす第1傾斜部224が形成されている。
ここで、第1係合部22の他の態様として、図3(b)に示すように、第1突起部221の先端部、特に、第1傾斜部224と、第1突起部221の下面との連結部分が曲線状の断面形状をなす曲面部分225をなしてもよい。この断面形状は、第1突起部221の延設方向と上下方向とを含む面における断面形状である。この曲面部分225が設けられることによって第1傾斜部224の第1突起部221の延設方向に沿う寸法が若干短くなる。この曲面部分225が設けられることによって、第1係合部22を第2係合部23に嵌合させる際にスムーズに設置作業をすることができる。
[第2係合部]
図3(c)に示すように、本体部21の長手方向の他方の端部に設けられた第2係合部23は、他の床材に設けられた第1係合部22と係合可能な形状を有する。具体的には、本体部21から床材1の長手方向に沿って延設された第2突起部231及び第3突起部232を有する。第2突起部231及び第3突起部232は、上下に並んで設けられる。第2突起部231の先端部には、本体部21の長手方向に対して(第2係合部23が本体部21から延設される方向に対して)仰角をなす第2傾斜部233が形成されている。以下、第2係合部23が本体部21から延設される方向を、第2係合部23の延設方向ということがある。また、第3突起部232の上面には、その先端部と本体部21との基端部のそれぞれから離間して係合凹溝部234が形成されている。この係合凹溝部234は、第2係合部23の延設方向に直交する方向に沿って形成された凹溝の態様をなす。
ここで、係合凹溝部234の「第2係合部23の延設方向に沿う寸法」は、係合凸部222の「第1係合部22の延設方向に沿う寸法」よりも小さく設定され、若干小さく設定されることが好ましい。
また、第1傾斜部224の「第1突起部221の延設方向に対する俯角」と、第2傾斜部233の「第2係合部23の延設方向に対する仰角」とはほぼ同じであることが好ましい。
また、第2突起部231の先端部が切り欠かれていてもよい。すなわち第2突起部231の上面から第2傾斜部233にかけて、第2突起部231としての機能を損なわない程度に切断されてもよい。
[基材層の嵌合構造]
次に、基材層の嵌合構造について図4(a)〜(c)を参照して説明する。なお、本実施形態では、説明の便宜上、本体部21の長手方向の両端部にそれぞれ第1係合部22及び第2係合部23が設けられた基材層2を備えた2つの床材1A,1Bを例にして説明する。すなわち、図2(a)における床材1Aと床材1Bとの嵌合構造を例にして説明する。以下、床材1Aを構成する基材層2及び本体部21をそれぞれ、「基材層2A」及び「本体部21A」とし、床材1Bを構成する基材層2及び本体部21をそれぞれ、「基材層2B」及び「本体部21B」として説明する。
図4(a)に示すように、2つの床材1A,1Bのそれぞれの基材層2A,2Bの嵌合構造は、図の右側が矩形平面部材の相対する一方の端部であり、裏面側が切除された線状の裏面凹溝部(係合凹溝部223)を備え、上記一方の端部の先端は、表面側が斜めに切除された突起部(第1突起部221)を備える。図の左側が矩形平面部材の相対する他方の端部であり、表面側が切除された上記線状の裏面凹溝部(係合凹溝部223)と嵌合する線状の表面凹溝部(係合凹溝部234)を備え、上記表面凹溝部(係合凹溝部234)の内面に上記一方の端部の先端の突起部(第1突起部221)と接合するように下側が斜めに切除された突起部(第2突起部231)を設けてなる。
ここで、床材1Bに設けられた第2係合部23に、床材1Aに設けられた第1係合部22を嵌合させる手順としては、まず、第1突起部221を、床面に配置した床材1Bに対して、第1傾斜部224の俯角が若干大きくなる向きに床材1Aを傾けて、第2傾斜部233及び第3突起部232の上面で形成された空間内に挿入する。そして、係合凸部222が係合凹部234の上方に位置したときに、第1傾斜部224の俯角が小さくなる向き、すなわち第1突起部221の延設方向と第2突起部231の延設方向とがほぼ同じになる向きに床材1Aを傾ける。このようにすることで、第1傾斜部224と第2傾斜部233とが接合すると共に、係合凹部234に係合凸部222が係合して、第1係合部22と第2係合部との嵌合がなされる。
次に、図4、図6、図7のそれぞれの通常状態(a)において、床材が左右に収縮した状態について、図4、図6、図7のそれぞれの(b)を参照して説明する。
図4(b)では収縮において目地が開いても隙間が目立たない。また、図4(b)の点線円中の箇所で裏面側が切除された線状の裏面凹溝部(凹溝部223)と表面側が切除された線状の表面凹溝部(係合凹溝部234)とが水性方向にかみ合っているので、開きすぎることがない。しかしながら、図6(b)でも、係合部1001と係合部2001とにおいて、突起1002と突起2002との隙間が開きすぎることはないが、隙間が目立つものとなる。図7(c)では嵌合部3001と嵌合部4001とにおいて、凸部3002と凹部4002との突起1002と突起2002との隙間が目立ち、かつ水平方向に引っかかりがないので、目地が開きすぎてしまう。
図4、図6、図7のそれぞれの通常状態(a)において、垂直方向に荷重がかかった状態について、図4、図6、図7のそれぞれの(c)を参照して説明する。
図4(c)の点線円中の箇所で表面側が斜めに切除された第1突起部221と下側が斜めに切除された第2突起部231とが垂直方向にかみ合っているので、嵌合が外れ難いものとなっている。しかしながら、図6(c)では係合部1001と係合部2001とにおいて、突起1002と突起2002との嵌合が外れやすい。また、図7(c)では嵌合部3001と嵌合部4001とにおいて、凸部3002と凹部4002との嵌合は外れ難い。
[基材層の材質]
基材層2の材質は特に限定されるものではなく、例えば木質系、金属系、合成樹脂系等、従来の床材における基材(層)と同様の材質を任意に採用可能である。但し、嵌合構造部分において容易に着脱可能であると共に、嵌合後や脱着後には容易に解消して原形を回復・維持でき、無応力状態で自然に嵌合が解除されて床材が外れることがない様に、適度な柔軟性と弾性(曲げ応力)、復元性のある材質が求められる。係る観点から基材層2は、木質系や金属系よりも熱可塑性樹脂系の材質が適していると言える。
―熱可塑性樹脂―
上記熱可塑性樹脂の中でも、ポリスチレン系樹脂やポリエステル系樹脂等の樹脂では、変形させるために大きな力を要し、また嵌合・脱着時の変形に耐えられずに亀裂を発生し易いので、変形性、耐亀裂性、復元性等の所謂ヒンジ性に優れたポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を使用することが望ましい。また、これら樹脂に木粉等の木質系充填剤を適宜量配合することにより、永久変形を防ぐ復元性を高めると共に、柔軟性(変形性)と弾性(曲げ応力)とのバランスを取り、嵌合・脱着の容易性と、使用中に自然に脱着しない安定性とを両立した樹脂物性を得ることもできる。
例えば、基材層2は、基材100重量部のうち30〜90重量部がポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のうち少なくとも一種を含む熱可塑性樹脂であって、熱可塑性樹脂と、充填材と、添加剤とを含むことが好ましい。
上記充填剤としては、無機充填剤及び有機充填剤が挙げられる。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられ、これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。上記有機充填剤としては、例えば、メラミンシアヌレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、木粉、セルロース及びその誘導体が挙げられ、これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
上記充填剤の含有量は、熱可塑性樹脂成分の所定の含有量を犯さない限り特に制限されないが、その合計量が、基材100重量部を基準として10〜50重量%であることが好ましい。充填剤を添加する理由としては、基材の線膨張率の調整、単位面積当たりの燃焼カロリーの低減、嵩増しによる製造コストの低減等が挙げられるが、充填剤(特には無機充填剤)の含有量が基材100重量部を基準として20〜40重量%であると、適度に基材の線膨張率を低減しながら、製造コストの手頃な基材を製造することができる。
上記熱可塑性樹脂は、燃焼時にダイオキシン等の有毒ガスの発生を防ぐ観点から、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のうち少なくとも一種を含む熱可塑性樹脂であることが好ましい。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
中でも、上記熱可塑性樹脂は、無極性であることが好ましい。このような無極性の熱可塑性樹脂を用いることで、上述した充填剤を添加した際の増粘効果を最小限に抑えることができ、基材を安定して生産することができる。
エチレン単独重合体としては、例えば、高圧法で合成された低密度ポリエチレン、中低圧法で合成されたコモノマーを含まない高密度ポリエチレン等が挙げられる。中でも、低密度ポリエチレンが好ましい。
低密度ポリエチレンとしては、例えば、ノバテックLD LC802A、ノバテックLD LC604(以上、日本ポリエチレン製)、宇部ポリエチレン J2516(宇部丸善ポリエチレン製)等の市販品を用いることができる。
ポリプロピレン及びプロピレン−αオレフィン共重合体は、例えば、ホモポリプロピレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、又はプロピレンと1−ブテンや1−オクテン等のα−オレフィン共重合体等が挙げられ、これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
熱可塑性樹脂分の含有量は、基材重量100重量部を基準として、30〜90重量部であることが好ましく、40〜75重量%であることがより好ましく、45〜60重量%であることが更に好ましい。なお、この場合、樹脂分は架橋されていてもよい。また適宜添加剤として発泡剤を加えることで、樹脂を発泡させてもよい。
上記熱可塑性樹脂の物理特性は、成形後の基材層2の表面のアスカーC硬度が55〜75であることを満足するものであれば特に限定されるものではないが、床用基材として必要な耐熱性、耐荷重性、剛性等の確保、及び前項で述べたような発泡処理を加える際には溶融張力の高いポリプロピレンを用いることが特に好ましい。
溶融張力の高いポリプロピレンとしては、JIS K7210に準拠して測定した230℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1〜10.0であるようなポリプロピレンが好ましい。具体的には E111G、E200GP(株式会社プライムポリマー製)FY6H、EA9(日本ポリプロ株式会社製)等が挙げられる。
また、上記樹脂組成物には、必要に応じて顔料等を添加して着色してもよい。顔料の添加による着色は、透明であってもよいし、半透明であってもよいし、不透明であってもよい。顔料としては、例えば、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料、又はアニリンブラック、フタロシアニンブルー等の有機顔料などを挙げることができる。
―顔料―
上記顔料の添加量としては、樹脂組成物全量を基準として、好ましくは5〜15重量部である。
また、上記樹脂組成物には、必要に応じて、難燃剤、安定剤、滑剤、改質剤、発泡剤等の周知の添加剤を用いることができる。
―難燃剤―
上記難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属酸化物系難燃剤、リン酸エステル系等のリン系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA等の臭素系難燃剤などが挙げられる。
―安定剤―
上記安定剤としては、例えば、フェノール/アミン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤等のラジカル補足剤、リン系、イオウ系等の過酸化物分解剤、ベンゾトリアゾール系ヒドロキシフェニルトリアジン系、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられる。
―滑剤―
上記滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド系、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、オクチル酸亜鉛等の脂肪酸金属塩系、テトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))とα−オレフィンとの共重合体であるエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)及びそれらをアクリル変性させたもの等の滑剤などが挙げられる。
―発泡剤―
上記発泡剤としては、熱分解型発泡剤、もしくは物理発泡剤を用いることができる。熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)/亜鉛金属石鹸系等のアゾ系発泡剤や炭酸水素ナトリウム(重曹)/クエン酸系等の炭酸塩系発泡剤などが挙げられる。また、物理発泡剤としてはカプセル内に揮発性の炭化水素を封入したマイクロカプセル型発泡剤や超臨界状態にした窒素や二酸化炭素を混連中の樹脂内に送り込む方法等があげられる。これらの中でも、材料単価が安く取り扱いの容易で適用範囲の広い炭酸水素ナトリウム/クエン酸系発泡剤が好ましい。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
基材成形の方法は特に限定されるものではない。たとえば射出成形、押出成形、圧縮成形等の方法が挙げられるが、生産性等を鑑みるに押出成形による連続生産が特に好ましい。
基材成形の材料は、各成分を押出機で溶融・混練・分散させた後に、適宜ペレット化したものを用いることができる。押出機は単軸押出機でも2軸押出機でもよいが、生産性や品質への影響を考慮した場合、2軸押出機が望ましい。
基材成形の条件としては、押出温度180℃〜220℃、押出圧力4.0MPa〜40.0MPaが挙げられる。また、押出安定性の観点から、押出圧力は、4.0MPa〜20.0MPaがより好ましい。
基材層2の厚みは、用途に応じて適宜設定することができるが、後述の緩衝層の合計厚みを越えてはならない。例えば、緩衝層の厚みの合計が7.0mmであれば基材層2の厚みは7.0mmを超えてはならない。
基材層2の材料となる樹脂は、必要に応じて架橋処理が施されていてもよい。架橋処理としては、電子線照射処理、過酸化物添加とそれに続く熱処理による熱架橋処理、水架橋型樹脂の添加とそれに続く過熱蒸気処理等の加熱処理による水架橋処理が挙げられる。樹脂組成物が上記シラン架橋性樹脂を含む場合には、過熱蒸気処理、水架橋処理を行うことができる。
基材層2の架橋処理は、樹脂組成物を成形したものに施してもよく、基材成形工程中にあわせて行っても良い。
[係合部の他の実施形態]
係合部の他の実施形態として、基材層2の側面部には施工時の便宜のために、図5に示すような互いに嵌合する形状をなす係合突起24,25を設けてもよい。この係合突起24,25は、例えば、図1に示すように、第1係合部22及び第2係合部23を長手方向の両端部(短辺側)に設け、係合突起を短手方向の両端部(長辺側)に設けてもよい。すなわち、図2(b)における床材1A(床材1B)と床材1Cとの設置態様である。
具体的に、係合突起24は、床面に設置し、本体部24Aから延出して上方にせり上がる断面形状をなす第1凸部241と、第1凸部241の延出方向の端部に凹部をなして形成された第2凹部242と、第1凸部241の先端部に形成され、第1凸部241が延出する向きとは逆の向きに突出して設けられた第2突出部243とを有する。一方、係合突起25は、本体部25Aから延出して下方に下がり、第2突出部243と係合する断面形状をなす第1突出部251と、第2凹部242に係合する第2凸部252と、第1凸部241における第2突出部243の反対側を収容する第1凹部253とを有する。
なお、図5において、係合突起24,25をそれぞれ延出方向にスライドさせて生じる吸収スペース(例えば図中の吸収スペースS等)は、温度変化によって発生する床材1の膨張及び収縮を吸収するための空間である。
この係合突起24,25は、基材層2の成形時に同時に設けても良いし、成形後の基材層2に対して切削加工を行うことで設けても良い。また係合突起24,25と矩形の本体部21を別々に成形し、それらを熱融着ないしは接着剤等を用いた接着処理によって結合することで形成しても良い。
また、係合突起24,25の形状は特に限定されるものではないが、図5に示すように、係合突起24,25が係合された状態において、係合突起24,25内部に基材層2の温度による伸縮を許容できる空間が設けられてなることが好ましい。
具体的には、図5のような形状においては、d1>d2>d3>d4であることが好ましい。また、d3−d4の値は基材層2の0℃〜40℃における線膨張長さに応じて適宜定めることが好ましく、例えば、基材層2の材料がポリオレフィン60重量部程度を含む材料で成形され、その線膨張係数が8.0×10−5程度であるとすれば、d3−d4の値は0.3〜0.5mmであることが好ましい。
また、係合突起24,25の形状は、図5に示すように、嵌め合わせ後に垂直方向にかみ合っていることが好ましい。図6のように垂直方向のかみ合わせ部が存在しない場合、係合部付近に局部的な荷重がかかった場合に下側の係合部が荷重に追随して沈み込んでしまうために段差や目隙が生じてしまう可能性があるが、図5のように垂直方向にかみ合っている形状であれば荷重による沈み込みに対してかみ合わせ部が干渉することで局所荷重による沈み込みを押さえ、耐荷重性を向上させることができる。
[基材層の圧縮弾性率]
基材層2としては、JIS K 7181に準拠して測定した圧縮弾性率が0.098〜0.163MPaのものを用いてもよい。この値の範囲内であれば、緩衝層3との組み合わせにより、十分な衝撃吸収性を有する床材とすることが可能となる。本発明者らはこの条件設定を見出すために試行錯誤したが、条件設定が決まっていれば、あとは従来公知の材料や製造技術により所望のものを調整して得ることは可能である。具体的には、厚み3〜9mmでポリオレフィン系樹脂100重量部に木粉10〜30重量部とタルク5〜15重量部とを配合し溶融押出成形した木質樹脂基材からなるものが好適に用いられる。ポリオレフィン系樹脂としては緩衝層3で用いたものと同様のものが使用可能である。また、基材層2としては、厚み3〜9mmで発泡倍率が6〜12倍のポリエチレン系樹脂シートからなるものも好適に用いられる。また、圧縮弾性率が上記範囲内に収まる範囲であれば、発泡剤を添加して1〜2倍程度の発泡を行っても良い。さらにはマイカ、熱安定剤、これらの相溶化剤などを適宜添加しても良い。
<緩衝層>
緩衝層3としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリウレタン、クロロプレン等のゴムなどが一般的であり、用途に合わせて適宜選択すればよい。さらに気泡を構成材料の中に持つことが望ましく、特に独立気泡を設けた構成が好ましいが無気泡のゴム状弾性体でも圧縮硬さによっては使用できる。緩衝層3の圧縮硬さ(JIS−K6767による)は0.02Mpa〜1Mpa程度が好適である。緩衝層3の厚みとしては、1mm〜5mm程度が好適である。
緩衝層3としてはJIS K 7181に準拠して測定した圧縮弾性率が0.015〜0.030MPaのものを用いてもよい。この値の範囲内であれば、基材層2との組み合わせにより、十分な衝撃吸収性を有する床材とすることが可能となる。本発明者らはこの条件設定を見出すために試行錯誤したが、条件設定が決まっていれば、あとは従来公知の材料や製造技術により所望のものを調整して得ることは可能である。具体的には厚み3〜9mmで発泡倍率が5〜10倍のポリオレフィン系樹脂シートからなるものが好適に用いられる。ポリオレフィン系樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレンビニルアルコール、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、これら数種のうちの2種以上の混合体などが挙げられる。また、緩衝層としては、上記数値範囲を満たし、厚み3〜9mmで発泡倍率が16〜20倍のウレタン系樹脂シートを用いることも好ましい。
上述のように、基材層の圧縮弾性と、緩衝層の圧縮弾性率とを規定することによって、しっかりした歩行感と表面の耐傷性を有しつつ、十分な衝撃吸収性を有する床材を提供することが可能となるという効果を奏する。
緩衝層3は、一層からなってもよいし、連続気泡構造体からなる層(以下、連続気泡層)と独立気泡構造体からなる層(以下、独立気泡層)とを含む二層以上からなってもよい。緩衝層3が一層からなる場合は、上記連続気泡層又は上記独立気泡層からなるものでもよい。また、その厚みの合計は基材層2よりも大きいことが好ましい。
緩衝層3は、連続気泡層と独立気泡層とを2層以上積層することによって形成されることが好ましい。その順序は特に限定されないが、基材層2、独立気泡層、連続気泡層の順で積層されたものが特に好適に用いられる。この順で積層することによって基材層2側から順に材質を軟質なものとすることができ、より衝撃吸収性能と水滴音の軽減性能とを高く保つことができる。
[独立気泡層]
上記独立気泡層は、後述する連続気泡構造体からなる層の厚みの1〜1.43(10/7)倍の厚みを持つことが好ましい。
上記独立気泡層の物理特性は特に限定されるものではないが、JIS K6767に準拠して測定した24時間後の圧縮永久ひずみが3.0〜7.0であることがより好ましい。圧縮永久ひずみの値が7.0以上である場合、特にトイレでの使用を想定した際に、便器配管のボルトの締め付けや便座の荷重によって生じた緩衝材のひずみが復元せず、不自然な隙間ができたり、周囲の床材との段差が生じてしまい、外観に齟齬をきたす可能性が高まる。また、24時間後の圧縮永久ひずみが3.0以下であると、独立気泡構造体からなる層が硬質になりすぎてしまい、衝撃吸収性能が低下してしまう。
上記独立気泡層の材質は特に限定されるものではないが、その材質はポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のうち少なくとも一種を含む熱可塑性樹脂を発泡させて得られる発泡体によって形成され、かつその発泡倍率が5〜12倍であることが好ましい。また、これら熱可塑性樹脂は基材層と同様に必要に応じて架橋処理がなされていても良く、また、発泡性能、材料費の低減、難燃性の付与等の種々の性能の付与のために基材層と同様の充填材、添加剤、難燃剤等を含んでいても良い。これらの材質及び発泡倍率を満たす限り、十分な衝撃吸収性と耐荷重性を両立することができる。
[連続気泡層]
上記連続気泡層は、独立気泡層からなる層の厚みの0.7〜1倍の厚みを持つことが好ましい。
上記連続気泡層の物理特性は特に限定されるものではないが、JIS K6767に準拠して測定した24時間後の圧縮永久ひずみを独立気泡構造体からなる層におけるJIS K 6767に準拠して測定した24時間後の圧縮永久ひずみで除した値が0.8〜2.0であることがより好ましい。圧縮永久ひずみの比が0.8以下である場合独立気泡層と連続気泡層の固さの差が小さくなりすぎるために硬さの大きく異なる層を通過させることによる水滴音の軽減効果がうまく発揮されない。また、圧縮永久ひずみの比が3.0以上であると、連続気泡層が圧縮ひずみに対して弱くなりすぎるためにトイレでの使用を想定した際に、便器配管のボルトの締め付けや便座の荷重によって生じた緩衝材のひずみが復元せず、不自然な隙間ができたり、周囲の床材との段差が生じてしまう可能性が高まる。
上記連続気泡層の材質は特に限定されるものではないが、その材質はポリウレタンフォームによって形成され、かつその見かけ密度が30〜70kg/m2であり、かつその発泡倍率が12〜30倍であることが好ましい。また、上記連続気泡層は基材層と同様に必要に応じて架橋処理がなされていても良く、また、発泡性能、材料費の低減、難燃性の付与等の種々の性能の付与のために基材層と同様の充填材、添加剤、難燃剤等を含んでいても良い。また所望の性能を満たすために熱処理による圧縮等を行っても良い。これらの材質及び発泡倍率を満たす限り、十分な水滴音の軽減効果と耐荷重性を両立することができる。
このように、基材層2の材料と硬度を規定し、緩衝層3の構造を規定することにより、トイレ・洗面所等の水廻りに用いることができるだけの耐荷重性と耐水性を保ちつつ、衝撃吸収性能と水滴音の隣室への伝達を防止することができる床材を提供することができる。
<化粧層>
基材層の表面には、意匠効果を高めるために適宜、化粧層5(以下、表面化粧材、又は化粧シートということがある)を貼着しても良い。但し、本発明の目的が達成できるのであれば、化粧層5は設けなくともよい。
ここで、化粧層5としては、基材層2上に意匠性を付与する絵柄模様層、床材表面の耐傷性や各種物性を付与する表面保護層等からなる公知のものであれば適宜使用可能であり、特に限定しない。
また、化粧層5は、インクジェット、グラビアコーティング等の印刷技術を用いて設けても良いし、市販の化粧フィルム等を、接着剤を用いて貼り付けることで設けても良い。
化粧層5としては、例えば天然木を薄く切削した突板や、紙に木目模様等を印刷した化粧紙、合成樹脂シートに木目模様等を印刷したり木目導管模様状等のエンボスを施したりした化粧シート等があり、本実施形態の床材にはそのいずれをも使用することができる。但し、床材のリサイクル適性を考慮すると、化粧層5として床材と同一又は類似の材質からなるものを使用することが望ましい。例えば、床材、特に基材層2がポリオレフィン系樹脂を主成分として構成されている時には、化粧層5としてはポリオレフィン系樹脂を主成分とする化粧シートを使用することが望ましい。ポリオレフィン系樹脂としては緩衝層3で用いたものと同様のものが使用可能である。
<第1接着剤層>
第1接着剤層4は、基材層2と緩衝層3とを接着するために適宜使用され、接着可能となるものであれば特に限定されるものではない。第1接着剤層4の材料としては、2液ウレタン水性接着剤や1液酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤などが挙げられる。第1接着剤層4の材料としては、具体的には上記のポリオレフィン系樹脂シートと後述するポリオレフィン系樹脂に木粉とタルクを配合した木質樹脂基材とが接着対象であれば、湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤が好適に用いられる。厚みとしては乾燥後で10〜100μm程度が好適である。
<第2接着剤層>
第2接着剤層6は、基材層2と化粧層5とを接着するために適宜使用され、接着可能となるものであれば特に限定されるものではない。第2接着剤層6の材料としては、2液ウレタン水性接着剤や1液酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤などが挙げられる。第2接着剤層6の材料としては、具体的には上記のポリオレフィン系樹脂に木粉とタルクを配合した木質樹脂基材と後述するポリオレフィン系樹脂シートを基材とする化粧層とが接着対象であれば、湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤が好適に用いられる。厚みとしては乾燥後で10〜100μm程度が好適である。
<床材のGs値>
本実施形態の床材としては、その転倒衝突時の床のかたさ試験(JIS A 6519)におけるGs値が50〜100のものが好適である。この試験は体育館用鋼製床下地構成材に関するものであり、100が体育館床、60が柔道用畳床の規格範囲となっているが、本実施形態の床材としては、上記Gs値が50〜100のものが好適であり、60〜100のものが施工適性として好ましい。なお、上記Gs値が100を超えるものであると硬すぎて十分な衝撃吸収性があるものとはいえなくなる。
(実施例1)
プライラワン合板を使った幅150mm、長さ900mm、厚み12mmの板材を用い、図3(a)に示す第1係合部、及び図3(c)に示す第2係合部を本体部の長手方向の両端部に設けた基材層を切削加工により施した。このように切削加工を施した基材層の裏面に、緩衝層として、厚みが3.5mmの8倍発泡ポリエチレン樹脂からなるクッション材と、厚みが3.0mmの18倍ウレタン樹脂とを貼り合せ、床材を得た。
<比較例1>
基材層の本体部の長手方向の両端部に設ける各係合部の切削加工の形状を図6に示すような合決りとした以外は実施例1と同様にして比較例1の床材を得た。
<比較例2>
基材層の本体部の長手方向の両端部に設ける各係合部の切削加工の形状を図7に示すような本実に変えた以外は実施例と同様にして比較例2の床材を得た。
<比較試験1>
ラワン構造用合板上に実施例1、比較例1、比較例2の床材を用いて、長辺側の目地を嵌合させ24枚敷設した。実施例1、比較例1、比較例2の床材は敷設する前に予め25℃90%の雰囲気下で48時間養生し、敷設後も25℃90%で3日間放置した。その後、雰囲気の温湿度を40℃30%に変化させ、同様に3日間放置した。放置後に発生した目地部の隙間の目立ちやすさ、過度な目地開きがないかを確認した。
<比較試験2>
実施例1、比較例1、比較例2で作製した床材を用いてそれぞれ長辺側の係合部を3枚接合させ、接合部から10mm離れた部分に直径50mmの板部材に80kgの荷重をかけ、300mmストロークで移動させ10万回往復させた。試験後に係合部の外れがないかを確認した。結果を表1に示す。
Figure 2021131016
以上説明したように、本発明によれば、上記の嵌合構造により、パネル材が温度、湿度の影響による収縮して、目地が開いたとしても、表面側が斜めに切除された第1突起部を備える第1係合部と、下側が斜めに切除された第2突起部を備える第2係合部が水平方向に接合しているため、隙間が目立つことがない。さらに、垂直方向に荷重がかかっても、上記表面側が斜めに切除された第1突起部を備える第1係合部と、下側が斜めに切除された第2突起部を備える第2係合部が垂直方向にも接合しているため、嵌合が外れ難いものとなるという効果を奏する。
本発明の床材は、屋内や屋外の建造物床面に敷設して用いる床材として利用可能であり、特には居住用のフローリング材として、居室、廊下、洗面室、トイレ等の床に敷設して使用することが可能である。
1 床材
2 基材層
3 緩衝層
4 第1接着剤層
5 化粧層
6 第2接着剤層
21 本体部
22 第1係合部
221 第1突起部(表面側が斜めに切除された突起部)
222 係合凸部
223 係合凹溝部(裏面側が切除された線状の裏面凹溝部)
224 第1傾斜部
23 第2係合部
231 第2突起部(下側が斜めに切除された突起部)
232 第3突起部
233 第2傾斜部
234 係合凹溝部(表面側が切除された線状の表面凹溝部)

Claims (14)

  1. 基材層と、その基材層の下面に設けられた一層以上の緩衝層とを有し、
    前記基材層は、平板形状をなす本体部と、その本体部の端部には第1係合部及び第2係合部の少なくとも何れか一方を有し、
    第1係合部は、前記本体部から延設され、前記延設された方向に直交する方向に沿って下面に形成された突条をなす係合凸部と、先端部に向かって俯角をなす第1傾斜部とが形成された第1突起部を有し、
    第2係合部は、他の床材に設けられた第1係合部に係合可能であり、前記本体部から上下に並んで延設された第2突起部及び第3突起部を有し、第2突起部には先端部に向かって仰角をなす第2傾斜部が形成され、第3突起部の上面には、前記延設された方向に直交する方向に沿って係合凹溝部が形成され、
    前記基材層のJIS K 7181に準拠して測定した圧縮弾性率が0.098〜0.163MPaであり、
    前記緩衝層のJIS K 7181に準拠して測定した圧縮弾性率が0.015〜0.030MPaであることを特徴とする床材。
  2. 前記基材層が、厚み3〜9mmでポリオレフィン系樹脂100重量部に木粉10〜30重量部とタルク5〜15重量部とを配合し溶融押出成形した木質樹脂基材からなる請求項1に記載の床材。
  3. 前記基材層が、厚み3〜9mmで発泡倍率が6〜12倍のポリエチレン系樹脂シートからなる請求項1又は2に記載の床材。
  4. 前記緩衝層が、厚み3〜9mmで、発泡倍率が5〜10倍のポリオレフィン系樹脂シート、又は発泡倍率が16〜20倍のウレタン系樹脂シートからなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の床材。
  5. JIS A 6519に定めるGs値が50〜100である請求項1〜4のいずれか一項に記載の床材。
  6. 前記本体部の一方の端部に第1係合部が設けられ、前記本体部の他方の端部に第2係合部が設けられた請求項1〜5のいずれか一項に記載の床材。
  7. 第1突起部の延設方向と上下方向とを含む面における第1突起部の先端部の断面形状が曲線状である請求項1〜6のいずれか一項に記載の床材。
  8. 前記基材層の上面に、ポリオレフィン系樹脂シートを基材とする化粧層が設けられた請求項1〜7のいずれか一項に記載の床材。
  9. 前記基材層を構成する材料100重量部のうち30〜90重量部がポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のうち少なくとも一種を含む熱可塑性樹脂であり、かつ前記基材層のアスカーC硬度が55〜75であり、
    前記緩衝層が少なくとも連続気泡構造体からなる層と独立気泡構造体からなる層からなる少なくとも2層以上の積層体であり、かつ前記連続気泡構造体からなる層の厚みが独立気泡構造体からなる層の厚みの1.0〜0.5倍であり、かつ前記緩衝層の全ての層の厚みの合計が前記基材層の厚みよりも大きい請求項1〜8の何れか一項に記載の床材。
  10. 前記基材層の厚みが3〜9mmであり、かつ前記基材層のJIS K 7171に準拠して測定した曲げ弾性率が1000〜6000MPaである請求項9に記載の床材。
  11. 前記緩衝層における独立気泡構造体からなる層が連続気泡構造体からなる層と基材層との間に位置しており、かつ連続気泡構造体からなる層におけるJIS K 6767に準拠して測定した24時間後の圧縮永久ひずみを独立気泡構造体からなる層におけるJIS K 6767に準拠して測定した24時間後の圧縮永久ひずみで除した値が0.8〜2.0であり、かつ独立気泡構造体からなる層におけるJIS K 6767に準拠して測定した24時間後の圧縮永久ひずみが3.0〜7.0である請求項9又は10に記載の床材。
  12. 前記連続気泡構造体からなる層がポリウレタンフォームによって形成され、かつその見かけ密度が30〜70kg/m2であり、かつその発泡倍率が12〜30倍である請求項9〜11のいずれか一項に記載の床材。
  13. 前記独立気泡構造体からなる層がポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のうち少なくとも一種を含む熱可塑性樹脂を発泡させて得られる発泡体によって形成され、かつその発泡倍率が5〜12倍である請求項9〜12のいずれか一項に記載の床材。
  14. 前記基材層の上面に化粧層が設けられ、前記化粧層、前記基材層、前記緩衝層のそれぞれの厚みの合計値が10.0〜15.0mmである請求項9〜13のいずれか一項に記載の床材。
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