JP2019055527A - 2層複合型パネル材および床下点検口用蓋材 - Google Patents

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Abstract

【課題】住宅に使用される耐水性を備えた床下点検口用蓋材に使用される樹脂材料と木質材料の2層複合型パネル材において、温度および湿度変化によるねじれおよび反りを抑制することが可能な2層複合型パネル材を提供することを課題とする。【解決手段】樹脂基材層と木質基材層からなる2層複合型パネル材であって、樹脂基材層は、熱可塑性樹脂を30〜90質量%含んでおり、且つJIS K 7171に準拠して測定した樹脂基材層の曲げ弾性率αと、JAS 合板規格 別記3の(11)のアに準拠して測定した木質基材層の曲げ弾性率βが、α/β=0.5〜1.5であることを特徴とする2層複合型パネル材。【選択図】図1

Description

本発明は、住宅の床下点検口用蓋材およびそれに使用するパネル材に関する。
近年、住宅は様々な構造の部材の組合せで構成されており、床・壁・天井等それぞれの部材のパネル化が行われている。
床材として使用される部材の多様化に伴い、床下点検口の蓋材として用いられるパネル材には、各々の床材に合わせた仕様を設定する必要性が生じている。床の意匠性の統一のため、これらの蓋材は床材として用いられる部材を加工して作製することが好ましいが、床下点検口は洗面所や浴前室等に設置されることが多いため、耐水性を付与する目的で樹脂材料との複合材を用いることが増えて来ている。
その様な複合材の欠点は、組み合わせる材料毎に、温度や湿度に対する膨張率の違いがあることから、製品のねじれや反りが発生し易いことである。
複合パネル材の反りを防ぐ方法については、すでに幾つかの先行技術が開示されている。例えば特許文献1には、湿度変化による化粧板の反りを防ぐため、水蒸気透過度を抑制する技術が開示されている。また、特許文献2には、室内外の気温差が大きくなる冬季において建築用パネルの反りを防止するため、表面材および裏面材の間に反りを防ぐための抗張材と断熱材を挿入した構成の建築用パネルが開示されている。
建築用の複合パネル材に使用される化粧板は、一般に、合板、中密度繊維板(MDF)、ベニア板、ボード材、その他の多層構造の木質系基材の表面に、隠蔽性を与えるためのベタ印刷層や意匠性を向上させるための絵柄摸様層を印刷した化粧シートを貼り合わせて構成されるが、この様な化粧板に耐湿性や耐水性を付与するために、樹脂材料が積層された構成が考えられる。
しかしながら、樹脂材料と木質材料の2層複合型パネル材について、温度変化による反りを抑制する技術を見出すことはできなかった。
特開2017−80909号公報 特開2013−67973号公報
上記の事情に鑑み、本発明は、住宅に使用される耐水性を備えた床下点検口用蓋材に使用される樹脂材料と木質材料の2層複合型パネル材において、温度および湿度変化によるねじれおよび反りを抑制することが可能な2層複合型パネル材を提供することを課題とする。
上記の課題を解決する手段として、本発明の第一の態様は、樹脂基材層と木質基材層からなる2層複合型パネル材であって、
樹脂基材層は、熱可塑性樹脂を30〜90質量%含んでおり、且つJIS K 7171に準拠して測定した樹脂基材層の曲げ弾性率αと、JAS 合板規格 別記3の(11)のアに準拠して測定した木質基材層の曲げ弾性率βが、α/β=0.5〜1.5であることを特徴とする2層複合型パネル材である。
また、第二の態様は、前記樹脂基材層が異方性材料からなり、且つJIS K 7171に準拠して測定した前記樹脂基材層の曲げ弾性率αの最大値αmaxが0.8〜3.0GPaであることを特徴とする第一の態様に記載の2層複合型パネル材である。
また、第三の態様は、前記木質基材層が異方性材料からなり、且つ、前記木質基材層において測定した曲げ弾性率βの最大値βmaxが得られる方向Dβと、前記樹脂基材層の曲げ弾性率の最大値αmaxが得られる方向Dαと、が一致することを特徴とする請求項2に記載の2層複合型パネル材である。
また、第四の態様は、前記木質基材層の前記Dβに沿って測定した前記樹脂基材層の線膨張係数Eが1.0〜10.0×10−5/Kであることを特徴とする第三の態様に記載の2層複合型パネル材である。
また、第五の態様は、前記木質基材層の厚みTwと前記樹脂基材層の厚みTpの比Tw/Tpが1.0〜2.0であり、且つ厚みの合計値(Tp+Tw)が10.0〜18.0mmであることを特徴とする第一の態様〜第四の態様のいずれかに記載の2層複合型パネル材である。
また、第六の態様は、第一の態様〜第五の態様のいずれかに記載の2層複合型パネル材を使用したことを特徴とする床下点検口用蓋材である。
本発明の床下点検口用蓋材に使用される樹脂機材層と木質基材層を積層した2層複合型パネル材は、JIS K 7171に準拠して測定した樹脂基材層の曲げ弾性率αと、JAS 合板規格 別記3の(11)のアに準拠して測定した木質基材層の曲げ弾性率βが、α/β=0.5〜1.5であるため、温度および湿度変化によるねじれおよび反りを抑制することが可能である。
本発明の2層複合型パネル材の層構成を例示する断面図。 本発明の2層複合型パネル材を使用した床下点検用蓋材における周囲の床材と係合する係合突起の例を示した断面図。 実施例2における木質基材層と樹脂基材層とを貼り合せる際の向きを示す俯瞰図。 反りの測定方法を例示するための概念図。
本発明の床下点検口用蓋材について説明する。
本発明の2層複合型パネル材は、樹脂基材層と木質基材層からなる2層複合型パネル材である。
本発明の2層複合型パネル材は、例えば図1に例示した様に、木質基材層4と樹脂基材層2とを接着層3を介して積層したものである。樹脂基材層2の表面には化粧層1を備えている。
樹脂基材層2は、熱可塑性樹脂を30〜90質量%含んでおり、且つJIS K 7171に準拠して測定した樹脂基材層の曲げ弾性率αと、JAS 合板規格 別記3の(11)のアに準拠して測定した木質基材層4の曲げ弾性率βが、α/β=0.5〜1.5を満たす事が特徴である。
樹脂基材層2が、異方性材料からなり、且つJIS K 7171に準拠して測定した前記曲げ弾性率αの最大値αmaxが0.8〜3.0GPaであっても良い。
また、前記木質基材層が異方性材料からなり、且つ、前記木質基材層において測定した曲げ弾性率βの最大値βmaxが得られる方向をDβとしたとき、Dβと、前記樹脂基材層の曲げ弾性率の最大値αmaxが得られる方向Dαと、が一致することを特徴とする請求項2に記載の2層複合型パネル材であっても良い。
また、木質基材層4のDβに沿って測定した樹脂基材層2の線膨張係数Eが1.0〜10.0×10−5/Kであっても良い。
次に、樹脂基材層2、化粧層1、木質基材層4および接着層3について順次説明する。
[樹脂基材層]
本実施形態に係る樹脂基材層2は、熱可塑性樹脂と、充填材と、添加剤とを含む。熱可塑性樹脂は30〜90質量%の熱可塑性樹脂を含有している。
(熱可塑性樹脂)
本実施形態に係る熱可塑性樹脂は、燃焼時にダイオキシン等の有毒ガスの発生を防ぐ観点から、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のうち少なくとも一種を含む熱可塑性樹脂であることが好ましい。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
中でも、本実施形態に係る熱可塑性樹脂は、無極性であることが好ましい。このような無極性の熱可塑性樹脂を用いることで、上述した充填剤を添加した際の増粘効果を最小限に抑えることができ、基材を安定して生産することができる。
エチレン単独重合体としては、例えば、高圧法で合成された低密度ポリエチレン、中低圧法で合成されたコモノマーを含まない高密度ポリエチレン等が挙げられる。中でも、低密度ポリエチレンが好ましい。
低密度ポリエチレンとしては、例えば、ノバテックLD LC802A、ノバテックLD LC604(以上、日本ポリエチレン製)、宇部ポリエチレン J2516(宇部丸善ポリエチレン製)等の市販品を用いることができる。
ポリプロピレンおよびプロピレン−αオレフィン共重合体は、例えば、ホモポリプロピレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ないしはプロピレンと1−ブテンや1-オクテン等のα−オレフィン共重合体等が挙げられ、これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
熱可塑性樹脂分の含有量は、樹脂基材層の30〜90質量%であることが好ましく、40〜75質量%であることがより好ましく、45〜60質量%であることが更に好ましい。なお、この場合、樹脂分は架橋されていてもよい。また適宜添加剤として発泡剤を加えることで、樹脂を発泡させてもよい。
前記熱可塑性樹脂の物理特性は特に規定されるものではないが、望ましくは成形後の樹脂基材のJIS K 7171に規定の方法で測定した曲げ弾性率が0.8〜3.0GPaであることが望ましい。床用基材として必要な耐熱性、耐荷重性、剛性等の確保、及び前項で述べたような発泡処理を加える際には溶融張力の高いポリプロピレンを用いることが特に好ましい。
また、成形基材について測定した線膨張係数のうち最も大きな値が1.0〜10.0×10−5/Kであることがさらに好ましい。
溶融張力の高いポリプロピレンとしては、JIS K7210に準拠して測定した230℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1〜10.0であるようなポリプロピレンが好ましい。具体的にはE111G、E200GP(株式会社プライムポリマー製)FY6H、EA9(日本ポリプロ株式会社製)等があげられる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、必要に応じて顔料等を添加して着色してもよい。顔料の添加による着色は、透明であってもよいし、半透明であってもよいし、不透明であってもよい。顔料としては、例えば、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料、又はアニリンブラック、フタロシアニンブルー等の有機顔料などを挙げることができる。
(充填材)
本実施形態における充填剤としては、無機充填剤及び有機充填剤が挙げられる。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられ、これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。有機充填剤としては、例えば、メラミンシアヌレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、木粉、セルロース及びその誘導体が挙げられ、これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
充填剤の含有量は、熱可塑性樹脂成分の所定の含有量を犯さない限り特に制限されないが、その合計量が、樹脂基材層2の10〜50質量%であることが好ましい。充填剤を添加する理由としては、基材の線膨張率の調整、単位面積当たりの燃焼カロリーの低減、嵩増しによる製造コストの低減等が挙げられるが、充填剤(特には無機充填剤)の含有量が基材の20〜40質量%であると、適度に基材の線膨張率を低減しながら、製造コストの手頃な基材を製造することができる。
顔料の添加量としては、樹脂組成物全量を基準として、好ましくは5〜15重量部である。
(添加剤)
また、樹脂組成物には、必要に応じて、難燃剤、安定剤、滑剤、改質剤、発泡剤等の周知の添加剤を用いることができる。
難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属酸化物系難燃剤、リン酸エステル系等のリン系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA等の臭素系難燃剤などが挙げられる。
安定剤としては、例えば、フェノール/アミン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤等のラジカル補足剤、リン系、イオウ系等の過酸化物分解剤、ベンゾトリアゾール系ヒドロキシフェニルトリアジン系、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられる。
滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド系、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、オクチル酸亜鉛等の脂肪酸金属塩系、テトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))とα−オレフィンとの共重合体であるエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)及びそれらをアクリル変性させたもの等の滑剤などが挙げられる。
発泡剤としては、熱分解型発泡剤、もしくは物理発泡剤を用いることができる。熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)/亜鉛金属石鹸系等のア
ゾ系発泡剤や炭酸水素ナトリウム(重曹)/クエン酸系等の炭酸塩系発泡剤などが挙げられる。また、物理発泡剤としてはカプセル内に揮発性の炭化水素を封入したマイクロカプセル型発泡剤や超臨界状態にした窒素や二酸化炭素を混連中の樹脂内に送り込む方法等があげられる。これらの中でも、材料単価が安く取り扱いの容易で適用範囲の広い炭酸水素ナトリウム/クエン酸系発泡剤が好ましい。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
[樹脂基材層の形成方法]
樹脂基材層2の形成方法は特に限定されるものではない。たとえば射出成形、押出成形、圧縮成形等の方法が挙げられるが、生産性等を鑑みるに押出成形による連続生産が特に好ましい。
基材成形の材料は、各成分を押出機で溶融・混練・分散させた後に、適宜ペレット化したものを用いることができる。押出機は単軸押出機でも2軸押出機でもよいが、生産性や品質への影響を考慮した場合、2軸押出機が望ましい。
基材成形の条件としては、押出温度180℃〜220℃、押出圧力4.0MPa〜40.0MPaが挙げられる。また、押出安定性の観点から、押出圧力は、4.0MPa〜20.0MPaがより好ましい。
樹脂基材層2の材料となる樹脂は、必要に応じて架橋処理が施されていてもよい。架橋処理としては、電子線照射処理、過酸化物添加とそれに続く熱処理による熱架橋処理、水架橋型樹脂の添加とそれに続く過熱蒸気処理等の加熱処理による水架橋処理が挙げられる。樹脂組成物が上記シラン架橋性樹脂を含む場合には、過熱蒸気処理、水架橋処理を行うことができる。
樹脂基材層2の架橋処理は、樹脂組成物を成形したものに施してもよく、基材成形工程中にあわせて行っても良い。
樹脂基材層2の形状については特に限定されるものではない。床下点検口用蓋材は単独で運用される商品ではなく、基本的に周囲に施工される床材の材質や意匠に合わせて選択される。周囲に用いられる床材がタイルやパネル等の一枚ものの床材ないしはクッションフロア等の目地のない床材であれば無地の平板状基材を好適に用いることが可能であり、サニタリー用の木質床材や樹脂製の床材で目地部の意匠を持つものであればそれらに合わせた間隔の目地状の意匠をもつ基材が好適に用いられる。この目地は樹脂基材層の成形後に切削等によって設けても良いし、目地間隔に合わせて長方形の基材を成形し、並べて貼り合せることで設けても良い。その際成形基材の側面部には便宜のために係合突起を設けることが好ましい。この係合突起は、前記樹脂基材層2の成形時に同時に設けても良いし、成形後の基材に対して切削加工を行うことで設けても良い。また係合突起部と矩形基材部を別々に成形し、それらを熱融着ないしは接着剤等を用いた接着処理によって結合することで形成しても良い。
また前記係合突起の形状は特に限定されるものではないが、前記係合突起が係合された状態において、係合突起内部に樹脂基材層2の温度による伸縮を許容できる空間が設けられてなることが好ましい(図2参照)。具体的には図2のような形状においてはd1>d2>d3>d4であることが好ましい。またd3−d4の値は樹脂基材層2の0℃〜40℃における線膨長の長さに応じて適宜定めることが好ましく、たとえば樹脂基材層2の材料がポリオレフィンを60重量%程度含む材料で成形され、その線膨張係数が、木質基材層4において測定した曲げ弾性率の最大値が得られる方向をDβとしたとき、木質基材層4のDβに沿って測定した樹脂基材層2の線膨張係数Eが1.0〜10.0×10−5/K程
度であるとすれば、d3−d4の値は0.3〜0.5mmであることが好ましい。
[化粧層]
本実施形態に係る樹脂基材層2は、化粧層1を設けてもよい。化粧層1は、公知の材料を使用して適宜設けることができる。本発明の目的が達成できるのであれば、化粧層1は設けなくともよい。化粧層1は、インクジェット、グラビアコーティング等の印刷技術を用いて設けても良いし、市販の化粧フィルム等を、接着剤を用いて貼り付けることで設けても良い。
[木質基材層]
本実施形態に係る木質基材層4は、JIS K 7171に準拠して測定した樹脂基材層2の曲げ弾性率αと、JAS 合板規格 別記3の(11)のアに準拠して測定した木質基材層4の曲げ弾性率βが、α/β=0.5〜1.5を満たすものであれば特に限定されるものではない。合板(コンパネ)・パーティクルボード・中密度繊維板(MDF)等の公知の材料を使用して適宜設けることができるが、実使用条件下における耐水性や耐湿性、剛性等の要素を鑑みると日本農林規格(JAS)規定の普通合板もしくは構造用合板を用いることが望ましい。
本実施形態に係る木質基材層4に用いられる木材の材種については特に限定されるものではない。本案パネル材の使用環境等に応じて適宜選択することができる。調達コストを鑑みれば、ラワン材やセラヤ材などの外材が好適に用いられ、また、寸法安定性や高品位な質感を求めるのであれば国産のブナ材やナラ材等が好適に用いられる。また、熱帯雨林の保護等の環境影響を鑑みるならばスギ材等の針葉樹合板を用いても良い。
本実施形態にかかる木質基材層4に合板(コンパネ)を用いる際の単板の積層枚数(PLY数)については、特に規定されるものではない。一般的に同一の材種で比較する場合、積層枚数が多くなればなるほど合板の曲げ弾性率や曲げ強さは強くなる傾向にある。表層に積層する樹脂基材の曲げ強さとパネル材の使用状況に合せて、好適な曲げ強さが得られるように適宜積層数を選択して良い。目安として、一般住宅の床下点検口用のパネル材であれば、PLY数が3〜7のものが好適に用いられる。
また、本実施形態にかかる木質基材層の裏面側には、補強のための支持体や防湿シートおよび断熱材等の構造体を設けても良い。これらの構造・材質等については特に規定されるものではないが、本願発明の請求範囲を逸脱しないものであれば使用環境の要請によって適宜追加を行っても良い。
[接着層]
本実施形態に係る接着層3は、木質に材層4と樹脂基材層2を適宜接着できるものであれば特に限定されるものではない。ウレタン系樹脂・変性シリコン系樹脂・エポキシ樹脂等の接着剤やポリエステル系樹脂等に代表される粘着剤等公知の材料を使用して適宜設けることができる。
以下、実施例1〜4及び比較例1〜2を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例1〜4に限定されるものではない。
<実施例1>
[樹脂基材層の作製]
樹脂基材層として、表1と表2の実施例1に示す材料を200℃にて加熱溶融混合し、厚み5.0mm、幅150mmの短手方向の両端に、本実施形状を持つ金型を、押出機の先端に取り付けて発泡倍率1.6倍で押し出した。その後、冷却水を循環させた、前記金
型と同型の冷却金型に引き込み、冷却固化した後、長さ900mmに切断した。作製した板状基材を堆積し、80℃のオーブンで12時間加熱した後に外気冷却を行い、樹脂基材層を作製した。
[化粧層の作製]
厚さ0.070mmのポリプロピレン系着色シート表面にコロナ放電処理を施した後、グラビア印刷機により2液型ウレタンインキを用いて絵柄模様層を印刷し、設けた印刷層上に90μmの透明ポリプロピレン樹脂層を押出ラミネートして表面保護層を設けた。さらに、表面保護層上に2μmのツヤ調整用コート層を設けて、化粧シートを得た。得られた化粧シートを湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルトを用いて前記樹脂基材層と貼り合せ、化粧層を樹脂基材層の上に設けた。
[パネル材の作製]
化粧層を設けた樹脂基材層の化粧面の反対側にコロナ処理を施し、エポキシ系2液硬化型接着剤を100g/mで塗布し、接着層を形成した。接着層を表2に示す木質基材層に対して図1に示すように貼り付けた後、積み重ねて12時間圧締し接着層を硬化させることで、2層複合型のパネル材を得た。
なお、実施例1〜4及び比較例1〜2の作製には以下の材料を用いた。
[熱可塑性樹脂]
表2の熱可塑性樹脂欄に記載したE111GとUE320は、下記のプライムポリプロ
E111GおよびノバテックLL UE320である。
プライムポリプロ E111G(株式会社プライムポリマー製、MFR=0.5)
ノバテックLL UE320(日本ポリエチレン株式会社製、MFR=0.6)
[タルク]
MS−K(日本タルク株式会社製)
[接着剤]
湿気硬化型ホットメルト :タイフォース FH−315(DIC株式会社製)
エポキシ系接着剤 :SA−7446 A/B(サンユレック株式会社製、主剤/硬化剤)
<実施例2>
樹脂基材層として表1と表2の実施例2に示す材料を使用し、樹脂基材層を木質基材層に貼り付ける際の向きを図3に例示した様に、木質基材層の曲げ弾性率の最大値βmaxが得られる方向Dβと、樹脂基材層の曲げ弾性率の最大値αmaxが得られる方向Dαと、を同じ方向に揃えたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の2層複合型のパネル材を得た。
<実施例3>
樹脂基材層として表1と表2の実施例3に示す材料を使用したこと以外は実施例1と同様にして実施例3の2層複合型のパネル材を得た。
<実施例4>
樹脂基材層として表1と表2の実施例4に示す材料を使用したことおよび木質基材層として実施例4に示す材料を使用したこと以外は実施例1と同様にして実施例4の2層複合型のパネル材を得た。
<比較例1>
樹脂基材層として表1と表2の比較例1に示す材料を使用したことおよび木質基材層として比較例1に示す材料を使用したこと以外は実施例1と同様にして比較例1の2層複合型のパネル材を得た。
<比較例2>
樹脂基材層として表1と表2の比較例2に示す材料を使用したこと以外は実施例1と同様にして比較例2の2層複合型のパネル材を得た。
[パネル材の評価]
作製したパネル材について、下記の方法に従い環境変化による形状安定性を評価した。結果を表3に示す。
(寒熱温度変化)
900mm×600mmのサイズにカットしたパネル材を23.0±2.0℃の環境下において18時間養生した後、反り(量)を測定した。
反りの測定は、図4に例示した様に、床面5の上にパネル材10を載置し、床面5の表面から最も高い距離を反りとして測定した。
その後パネル材を0.0±2.0℃の環境下に置き、18時間養生した後、再度、同様にして反りを測定した。23℃から0℃へ温度変化をさせた際の反りの変化量の最大値を算出し、記録した。
反りについては、変化量3.0mm以下を◎、5.0mm以下を○、それを超える場合を×、として評価した。
評価結果は表3に示した様に、寒熱温度変化に対する反りの変化量については、実施例1と2においては、5.0mm以下で○、特に実施例3と4においては3.0mm以下の◎であった。一方比較例1と2においては、いずれも5.0mmを超えており、×となった。
(乾湿湿度変化)
900mm×600mmのサイズにカットしたパネル材を40℃相対湿度90%の環境下において18時間養生した後、反りを測定した。その後相対湿度を30%にした後18時間養生し、再度反りを測定した。相対湿度90%から30%へ湿度変化をさせた際の木質基材層の含水率と反りの変化量の最大値を算出し記録した。
反りについては変化量2.0mm以下を○、それ以上を×、として評価した。
評価結果は表3に示した様に、乾湿湿度変化に対する反りの変化量は、実施例1〜実施例4においては、すべて2.0mm以下で○であった。一方、比較例1と2においては、いずれも2.0mmを超えており、×となった。
含水率変化については、実施例1〜4および比較例1、2において差は認められなかった。
1・・・化粧層
2・・・樹脂基材層
3・・・接着層
4・・・木質基材層
5・・・床面
10・・・2層複合型パネル
α・・・樹脂基材層において測定した曲げ弾性率αの最大値αmaxが得られる方向
β・・・木質基材層において測定した曲げ弾性率βの最大値βmaxが得られる方向

Claims (6)

  1. 樹脂基材層と木質基材層とを備えてなる2層複合型パネル材であって、
    樹脂基材層は、熱可塑性樹脂を30〜90質量%含んでおり、且つJIS K 7171に準拠して測定した樹脂基材層の曲げ弾性率αと、JAS 合板規格 別記3の(11)のアに準拠して測定した木質基材層の曲げ弾性率βが、α/β=0.5〜1.5であることを特徴とする2層複合型パネル材。
  2. 前記樹脂基材層が異方性材料からなり、且つJIS K 7171に準拠して測定した前記樹脂基材層の曲げ弾性率αの最大値αmaxが0.8〜3.0GPaであることを特徴とする請求項1に記載の2層複合型パネル材。
  3. 前記木質基材層が異方性材料からなり、且つ、前記木質基材層において測定した曲げ弾性率βの最大値βmaxが得られる方向Dβと、前記樹脂基材層の曲げ弾性率の最大値αmaxが得られる方向Dαと、が一致することを特徴とする請求項2に記載の2層複合型パネル材。
  4. 前記木質基材層の前記Dβに沿って測定した前記樹脂基材層の線膨張係数Eが1.0〜10.0×10−5/Kであることを特徴とする請求項3に記載の2層複合型パネル材。
  5. 前記木質基材層の厚みTwと前記樹脂基材層の厚みTpの比Tw/Tpが1.0〜2.0であり、且つ厚みの合計値(Tp+Tw)が10.0〜18.0mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の2層複合型パネル材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の2層複合型パネル材を使用したことを特徴とする床下点検口用蓋材。
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