JP2021129389A - 制御装置、及び、断線検出方法 - Google Patents
制御装置、及び、断線検出方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021129389A JP2021129389A JP2020022323A JP2020022323A JP2021129389A JP 2021129389 A JP2021129389 A JP 2021129389A JP 2020022323 A JP2020022323 A JP 2020022323A JP 2020022323 A JP2020022323 A JP 2020022323A JP 2021129389 A JP2021129389 A JP 2021129389A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rotation speed
- disconnection
- value
- unit
- axis current
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000001514 detection method Methods 0.000 title claims description 68
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 claims abstract description 67
- 230000007704 transition Effects 0.000 claims abstract description 46
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 32
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 18
- 230000008569 process Effects 0.000 description 17
- 238000004088 simulation Methods 0.000 description 16
- 230000006870 function Effects 0.000 description 10
- 230000005856 abnormality Effects 0.000 description 9
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 8
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 7
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 7
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 5
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 5
- 238000012795 verification Methods 0.000 description 5
- 230000001360 synchronised effect Effects 0.000 description 4
- 230000004907 flux Effects 0.000 description 3
- 238000012549 training Methods 0.000 description 3
- 238000004590 computer program Methods 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 238000013508 migration Methods 0.000 description 2
- 230000005012 migration Effects 0.000 description 2
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 2
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 1
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 1
- 230000008859 change Effects 0.000 description 1
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 1
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 1
- 238000005094 computer simulation Methods 0.000 description 1
- 230000005284 excitation Effects 0.000 description 1
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 1
- 238000012544 monitoring process Methods 0.000 description 1
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 1
- 238000005070 sampling Methods 0.000 description 1
- 230000009466 transformation Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
- Control Of Electric Motors In General (AREA)
- Control Of Ac Motors In General (AREA)
Abstract
Description
本発明の一見地に係る制御装置は、電動機を制御する制御装置である。制御装置は、回転速度センサーと、電力制御部と、座標変換部と、モード移行部と、断線判定部と、を備える。回転速度センサーは、電動機の回転速度を測定する。電力制御部は、電動機の回転速度指令値と実測回転速度とに基づいて、電動機に供給する電力量を制御する。実測回転速度は、回転速度センサーから取得した電動機の実際の回転速度である。
座標変換部は、電動機に供給される電流量を座標変換してd軸電流値を算出する。モード移行部は、回転速度指令値が0でなく、かつ、実測回転速度が所定の回転速度以下であれば、断線判定モードに移行する。断線判定モードは、回転速度センサーに断線が生じたか否かを判定するモードである。断線判定部は、モード移行部が断線判定モードに移行した後にd軸電流値が所定の閾値を超えた場合に、回転速度センサーに断線が生じたと判定する。
回転速度指令値が0でなくかつ実測回転速度が所定の回転速度以下となる場合は、回転速度センサーに異常が発生している可能性が高い場合であるので、回転速度指令値が0でなくかつ実測回転速度が所定の回転数以下となった後に回転速度センサーの断線の判定をすることで、回転速度センサーの断線の誤検出が発生することを抑制できる。
また、回転速度センサーの断線を、d軸電流値が所定の閾値を超えたかどうか、すなわち、d軸電流値の大小で判定することにより、回転速度センサーの断線判定を複雑な演算により実行する必要がなくなるので、制御装置に過大な負荷をかけることなく高速に回転速度センサーの断線を判定できる。
◎回転速度センサーから実測回転速度を取得するステップ。
◎電動機に供給される電流量を座標変換してd軸電流値を算出するステップ。
◎回転速度指令値が0でなく、かつ、実測回転速度が所定の回転速度以下であれば、回転速度センサーに断線が生じたか否かを判定する断線判定モードに移行するステップ。
◎断線判定モードに移行した後にd軸電流値が所定の閾値を超えた場合に、回転速度センサーに断線が生じたと判定するステップ。
回転速度指令値が0でなくかつ実測回転速度が所定の回転速度以下となる場合は、回転速度センサーに異常が発生している可能性が高い場合であるので、回転速度指令値が0でなくかつ実測回転速度が所定の回転速度以下となった後に回転速度センサーの断線の判定をすることで、回転速度センサーの断線の誤検出が発生することを抑制できる。
また、回転速度センサーの断線を、d軸電流値が所定の閾値を超えたかどうか、すなわち、d軸電流値の大小で判定することにより、回転速度センサーの断線判定を複雑な演算により実行する必要がなくなるので、制御装置に過大な負荷をかけることなく高速に回転速度センサーの断線を判定できる。
(1)制御装置の概略
以下、第1実施形態に係る制御装置53a、53b(図2)を説明する。第1実施形態に係る制御装置53a、53bは、「ベクトル制御」により、永久磁石同期モータなどの三相交流により動作する電動機33a、33bを制御する装置である。ベクトル制御を採用する制御装置53a、53bは、「d軸電流」及び「q軸電流」とのd−q座標に定義される直流電流を座標変換して、電動機33a、33bを駆動する三相交流を制御する。すなわち、ベクトル制御を採用する制御装置53a、53bは、直流電流であるd軸電流及びq軸電流を調整することにより、電動機33a、33bを動作させる三相交流電力を制御する。
以下、図1を用いて、制御装置53a、53bは、が使用される走行台車100の構成を説明する。図1は、走行台車の構成を示す図である。走行台車100は、本体1と、一対の走行部3a、3bと、制御部5と、を備える。
本体1は、走行台車100の本体を構成する筐体である。図1に示す走行台車100の本体1は、円柱形状を有している。しかし、これに限られず、本体1の形状は任意とできる。なお、本体1には、走行台車100を操作する操作装置(図示せず)が設けられてもよい。
制御部5による上記の制御機能の一部又は全部は、記憶装置に記憶された所定のプログラムを実行することで実現されてもよいし、SoC(System on Chip)などのハードウェアによっても実現されてもよい。制御部5の具体的な構成については、後ほど詳しく説明する。
次に、図2を用いて、制御部5の具体的構成を説明する。図2は、制御部の具体的構成を示す図である。上記のように、制御部5は、走行台車100の走行を制御する機能を有している。この機能を実現するために、制御部5は、上位コントローラ51と、制御装置53a、53bと、を有している。
なお、本実施形態において、制御部5において、上位コントローラ51及び制御装置53a、53bは、それぞれ、個別のコンピュータシステムにより構成される。しかし、これに限られず、以下に説明する上位コントローラ51及び制御装置53a、53bの機能を、1つのコンピュータシステムで実現してもよい。
(4−1)全体構成
次に、図3を用いて、第1実施形態に係る制御装置53a、53bの具体的構成を説明する。まずは、制御装置53a、53bの全体構成を説明する。図3は、制御装置の全体構成を示す図である。なお、制御装置53a、53bは同一の構成を有するので、以下の説明では、制御装置53aを例にとって制御装置53a、53bの構成を説明する。
図3に示すように、制御装置53aは、電力制御部531と、第1座標変換部533(座標変換部の一例)と、断線検出部535と、を有する。
本実施形態において、電力制御部531は、ベクトル制御を用いて電動機33aに供給する電力量を算出する。電力制御部531のより具体的な構成は、後ほど説明する。
第1座標変換部533は、上記の座標変換を実行するために、角度変換部531iから電動機33aの回転子(出力回転軸)の回転角度θを入力する。
また、三相電流のうちw相電流iwは、iu+iv+iw=0との式から算出できる。
その他、電動機33aに回転を停止させるブレーキが設けられている場合には、断線検出部535は、電力制御部531の速度制御部531bに対して、電動機33aの励磁を停止し(サーボオフ)、当該ブレーキを用いて減速するよう指令してもよい。
次に、図3を用いて、電動機33aに供給する電力量をベクトル制御により制御する電力制御部531の具体的構成を説明する。なお、以下に説明する電力制御部531の構成の一部は、制御部5(制御装置53a)の記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムにより実現され、他の一部はハードウェアにより実現される。具体的には、例えば、電力制御部531の駆動部531hはハードウェアにより実現される一方、電力制御部531の他の構成はコンピュータプログラムにより実現される。
電力制御部531は、速度制御部531bを有する。速度制御部531bは、第1差分算出部531aにて算出された差分ω*−ωに基づいて、q軸電流指示値iq *を算出する。q軸電流指示値iq *は、電動機33aの出力回転軸が出力するトルクを制御する指示値である。また、差分ω*−ωに基づいて算出されるので、q軸電流指示値iq *は、電動機33aの回転速度を回転速度指令値ω*に近づけるための指示値である。
電力制御部531は、第3差分算出部531dを有する。第3差分算出部531dは、d軸電流指示値id *と、第1座標変換部533から入力したd軸電流値idと、の差分id *−idを算出する。d軸電流指示値id *は、電動機33aに供給する三相電流の位相と電動機33aの回転子の位相との位相差に関する指示値である。本実施形態では、d軸電流指示値id *は0に設定される。
第2座標変換部531gは、上記の座標変換を実行するために、角度変換部531iから電動機33aの回転子(出力回転軸)の回転角度θを入力する。
具体的には、駆動部531hは、三相交流電圧の指示値(u相電圧指示値Vu *、v相電圧指示値Vv *、w相電圧指示値Vw *)に基づいて、三相交流電圧(u相電圧指示値Vu、v相電圧指示値Vv、w相電圧指示値Vw)を発生させ、電動機33aに出力する。
回転速度センサー35aがインクリメンタル型のエンコーダである場合、角度変換部531iは、例えば、回転速度センサー35aから出力されたパルス数と、電動機33aの回転子(出力回転軸)の1回転あたりのパルス数と、に基づいて回転角度θを算出できる。一方、例えば、回転速度センサー35aから単位時間あたりに出力されたパルス数に基づいて、実測回転速度ωを算出できる。
次に、図4を用いて、断線検出部535の具体的な機能ブロック構成を説明する。図4は、断線検出部の機能ブロック構成を示す図である。なお、以下に示す断線検出部535の各機能ブロックにより実現される機能の一部又は全部は、制御部5(制御装置53a)を構成するコンピュータシステムの記憶装置に記憶され、当該コンピュータシステムで実行されるプログラムにより実現されてもよいし、ハードウェア的に実現されてもよい。
図4に示すように、断線検出部535は、モード移行部535aと、断線判定部535bと、を機能ブロックとして有する。
本実施形態において、モード移行部535aは、回転速度指令値ω*が0でなく(すなわち、上位コントローラ51から電動機33aの回転停止が指令されておらず)、かつ、実測回転速度ωが所定の回転速度以下である場合に、断線判定モードに移行する。
具体的には、「所定の回転速度」は、例えば、回転速度センサー35aにて検出できる実測回転速度ωの下限値と、上位コントローラ51から指令される回転速度指令値ω*の下限値の間の値として設定されるのが好ましい。
従って、回転速度指令値ω*が0でなく、かつ、実測回転速度ωが所定の回転速度以下となって回転速度センサー35aに異常が発生している可能性が高い場合に断線判定モードに移行して、その移行後に回転速度センサー35aの断線の判定をすることで、回転速度センサー35aの断線の誤検出が発生することを抑制できる。
これにより、自身又は他方の回転速度センサー35bで断線が発生した場合に、速やかに制御装置53aが制御する電動機33aの回転を停止できる。
後述するように、回転速度センサー35aが断線する直前の回転速度指令値ω*と、回転速度センサー35aが断線したときのd軸電流値idとの間には相関関係があることが判明している。従って、閾値決定部535dが、現在の回転速度指令値ω*(断線直前の回転速度指令値ω*)に基づいて、回転速度センサー35aの断線判定に用いる所定の閾値を決定することで、回転速度センサー35aの断線を適切に判定できる。
なお、最適閾値情報TIが上記のテーブルで表される場合には、当該テーブルに存在しない回転速度指令値ω*に対する最適閾値は、例えば、当該回転速度指令値ω*に近い2つの回転速度指令値ω*とそれに対応する2つの最適閾値とをテーブルから選択し、2つの回転速度指令値ω*とそれに対応する2つの最適閾値とを用いた線形補間により算出できる。
最適閾値情報TIの具体的な例については、後ほど詳しく説明する。
(5−1)d軸電流値の挙動
第1実施形態に係る回転速度センサー35a、35bの断線判定の原理と効果を確認するために、上記の構成を有する走行台車100及び制御装置53a、53bをモデル化したシミュレーションと、実際の走行台車100及び制御装置53a、53bを用いた検証実験を行った。以下、そのシミュレーションと検証実験の結果を説明する。
回転速度センサー35a、35bの断線が発生した場合、回転速度センサー35a、35bから信号が即時に出力されなくなるので、角度変換部531iは0である実測回転速度ωを即時に算出する。断線以外に、実測回転速度ωが即時に0となる場合としては、走行台車100が段差に差し掛かり、走行車輪31a、31bがその段差を乗り越え始める場合(段差衝突の発生)がある。また、上記のように実測回転速度ωが即時に0となる場合においては、d軸電流値idに変化が発生する可能性が考えられる。
一方、実証実験では、走行台車100の走行車輪31a、31bを実際に回転させて急激に走行車輪31a、31bの回転を停止させて段差に衝突した状況を実現した。また、回転速度センサー35a、35bの断線の発生を、回転速度センサー35a、35bと制御装置53a、53b(角度変換部531i)との間の配線を実際に切断して通信不可能とすることで実現した。d軸電流値idは、第1座標変換部533から出力されるd軸電流値idを実測して得た。
まず、図5Aを用いて、走行車輪31a、31bが段差に衝突した際のd軸電流値idの挙動のシミュレーション結果を説明する。図5Aは、段差衝突の際のd軸電流値の挙動のシミュレーション結果を示す図である。図5Aにおいて、d軸電流値idの変動は実線で表され、回転速度指令値ω*の変動は二点鎖線で表され、実測回転速度ωの変動は一点鎖線で表されている。
図5Aに示すように、段差に衝突した場合、d軸電流値idは、段差衝突が発生した後も大きく変動することなく、最終的には0近傍に収束する。なお、段差衝突が発生する前の期間にd軸電流値idが周期的に変動しているが、これは、電動機33a、33bの回転子の回転の位相と、電動機33a、33bに供給する三相交流の位相とが実際には若干ずれていることに起因する。
図5Bに示すように、回転速度センサー35a、35bに断線が生じた場合のd軸電流値idの挙動は、段差衝突が発生した場合とは大きく異なることが分かる。すなわち、回転速度センサー35a、35bに断線が生じた場合、d軸電流値idは、実測回転速度ωが0になった直後から大きく振動し、所定の時間の経過後に0近傍に収束する。言い換えると、回転速度センサー35a、35bに断線が生じた直後のd軸電流値idは、段差衝突の直後のd軸電流値idよりも顕著に大きくなる。
図5Aに示すように、段差衝突が発生した場合、段差衝突の発生直後に実測回転速度ωは即時に0とならず、また、走行車輪31a、31bも走行面との滑りにより若干回転する。なぜなら、回転速度センサー35a、35bに断線が生じていない限り電動機33a、33bの回転子の位相を把握することができ(回転角度θを出力できる)、第1座標変換部533及び第2座標変換部531gが座標変換機能を実現できるので、電動機33a、33bに対して適切な三相交流を生成することができるからである。
また、段差衝突によるd軸電流値idの挙動と回転速度センサー35a、35bの断線によるd軸電流値idの挙動が異なる現象の電動機33a、33bの回転速度に対する依存性について検証した。その結果を図6に示す。図6では、段差衝突または断線が発生する直前の回転速度指令値ω*と、段差衝突または断線が発生したときのd軸電流値idの大きさと、の関係を示している。図6は、回転速度指令値とd軸電流値との関係を示す図である。
図6に示すように、回転速度センサー35a、35bの断線によるd軸電流値idの大きさが段差衝突によるd軸電流値idよりも大きくなる現象は、いずれの回転速度指令値ω*においても見られる。
従って、複数の回転速度指令値ω*と、複数の回転速度指令値ω*のそれぞれに対する最適閾値と、を関連付けて最適閾値情報TIとして記録することで、最適閾値情報TIと上位コントローラ51から出力される現在の回転速度指令値ω*とに基づいて、任意の回転速度指令値ω*に対する最適閾値を決定できる。
次に、d軸電流値idの大小の比較による本実施形態に係る断線判定方法と、従来技術における断線判定方法との比較をシミュレーションにより実行した。以下のシミュレーションでは、tan−1(Vq */Vd *)(Vq *:q軸電圧指示値、Vd *:d軸電圧指示値)との式から算出される従来の断線判定方法で用いられる基準値(断線判定基準値と呼ぶ)の挙動と、d軸電流値idの挙動とを比較した。
図7Aに、電動機33a、33bの回転開始から回転速度センサー35a、35bが断線して所定の時間経過後までの従来の断線判定基準値の挙動を示し、図7Bに、電動機33a、33bの回転開始から回転速度センサー35a、35bが断線して所定の時間経過後までのd軸電流値の挙動を示す。図7A及び図7Bでは、上図が実測回転速度ωの変動を示し、下図が断線判定基準値の変動(図7A)又はd軸電流値idの変動(図7B)を示す。
以下、図8を用いて、第1実施形態の制御装置53a、53bで実行される回転速度センサー35a、35bの断線検出方法(断線検出プロセス)を説明する。図8は、回転速度センサーの断線検出方法を示すフローチャートである。以下では、制御装置53aにおいて実行される回転速度センサー35aの断線検出方法の例を説明する。制御装置53bにおいても同様の断線検出方法が実行される。
なお、図8に示す回転速度センサーの断線検出プロセスは、制御装置53aにおいて電動機33aの制御が実行されているときに、電動機33aの制御プロセスと並列して実行されてもよいし、制御プロセスの所定のタイミングで実行されてもよい。
具体的には、ステップS1において、モード移行部535aが、上位コントローラ51から回転速度指令値ω*を取得する。また、ステップS2において、モード移行部535aが、角度変換部531iから実測回転速度ωを取得する。
回転速度指令値ω*が0であるか、又は、実測回転速度ωが所定の回転速度よりも大きい回転速度である場合(ステップS3で「No」)、モード移行部535aは、取得した回転速度指令値ω*及び実測回転速度ωが断線判定モードへの移行条件を満たしていないと判定する。この場合、断線検出プロセスはステップS1に戻り、回転速度指令値ω*及び実測回転速度ωが断線判定モードへの移行条件を満たすまで待機する。
具体的には、ステップS4において、閾値決定部535dが、記憶部535eに記憶されている最適閾値情報TIと、ステップS1で取得した現在の回転速度指令値ω*とに基づいて、上記にて説明した閾値の決定方法により、現在の回転速度指令値ω*に対して最適な閾値を決定する。
閾値を決定後、ステップS5において、断線判定部535bが、第1座標変換部533から現在のd軸電流値idを取得する。その後、ステップS6において、断線判定部535bが、ステップS5にて取得したd軸電流値idがステップS4で決定した閾値を超えているか否かを判定する。
一方、d軸電流値idが閾値以下である場合(ステップS6で「No」)、断線判定部535bは、回転速度センサー35aに断線が発生していないと判定する。この場合、断線検出プロセスは、ステップS9に進む。
その結果、ステップS8において、他方の制御装置53bの断線検出部535が回転停止指令を出力し、当該他方の制御装置53bにより制御されている電動機33bが回転を停止する。その後、断線検出プロセスは、ステップS11に進み断線判定モードを終了し、回転速度センサー35aの断線検出を終了する。
一方、ステップS4を実行してから第2時間が経過した場合(ステップS9で「Yes」)、ステップS10において、断線判定モードに移行してから第1時間が経過したか否かを判定する。
上記のようにして、断線判定部535bは、断線判定モードに移行後第1時間が経過していない時間内に、第2時間毎にd軸電流値idが閾値を超えているか否かを判定できる。その結果、高速に回転速度センサー35aの断線を検知できる。
断線判定モードに移行してから第1時間内において、回転速度指令値ω*及び実測回転速度ωが断線判定モードに移行できる条件を満たさなくなった場合には、当該条件を満たさなくなった時点で、d軸電流値idが閾値を超えているか否かの判定が停止される。
上記のようにして、モード移行部535aは、断線判定モードに移行してから第1時間が経過した場合には、当該断線判定モードを終了できる。その結果、回転速度センサー35aの断線の誤検知を抑制できる。
また、回転速度センサー35aの断線が発生した後に、当該回転速度センサー35aの交換等がなされて上記断線状態が解消した後に、再度、断線検出プロセスが起動されて、上記のステップS1〜S11の実行が開始されてもよい。
回転速度指令値ω*が0でなくかつ実測回転速度ωが所定の回転速度以下となる場合は、回転速度センサー35a、35bに異常が発生している可能性が高い場合であるので、回転速度指令値ω*が0でなくかつ実測回転速度ωが所定の回転速度以下となった後に回転速度センサーの断線の判定をすることで、回転速度センサー35a、35bの断線の誤検出が発生することを抑制できる。
また、回転速度センサー35a、35bの断線を、d軸電流値idが所定の閾値を超えたかどうか、すなわち、d軸電流値idの大小で判定することにより、回転速度センサー35a、35bの断線判定を複雑な演算により実行する必要がなくなるので、制御装置53a、53bに過大な負荷をかけることなく高速に回転速度センサー35a、35bの断線を判定できる。
上記の実施形態においては、電動機33a、33b毎にそれぞれ制御装置53a、53bが設けられ、これら2つの制御装置53a、53bが互いに通信して互いの回転速度センサー35a、35bの状態をやりとりしていた。これに限られず、変形例として、図9に示すように、1つの制御装置53’により2つの電動機33a、33bを制御してもよい。図9は、制御部の構成の変形例を示す図である。
この制御装置53’は、例えば、第1実施形態の各制御装置53a、53bに備わっていた駆動部531hを電動機33a、33b毎に2つ有し、他の構成要素を2つの電動機33a、33bで共有する。この場合、制御装置53’には、一方の電動機の制御指令が上位コントローラ51から送信された後に、他方の電動機の制御指令が上位コントローラ51から送信される。
また、共通の角度変換部531iが各電動機33a、33bの回転角度θ及び実測回転速度ωを算出し、共通の第1座標変換部533が各電動機の交流電流の座標変換を実行する。
具体的には、共通の断線検出部535が、2つの電動機33a、33bの断線を判断して、一方の電動機の回転速度センサーで断線が発生したときには即座に他方の電動機を停止させる等の処理を実行できる。
第1実施形態は下記のようにも説明できる。
制御装置(例えば、制御装置53a、53b)は、回転速度センサー(例えば、35a、35b)と、電力制御部(例えば、電力制御部531)と、座標変換部(例えば、第1座標変換部533)と、モード移行部(例えば、モード移行部535a)と、断線判定部(例えば、断線判定部535b)と、を備える。回転速度センサーは、電動機(例えば、電動機33a、33b)の回転速度を測定する。電力制御部は、電動機の回転速度指令値(例えば、回転速度指令値ω*)と実測回転速度(例えば、実測回転速度ω)とに基づいて、電動機に供給する電力量を制御する。
回転速度指令値が0でなくかつ実測回転速度が所定の回転速度以下となる場合は、回転速度センサーに異常が発生している可能性が高い場合であるので、回転速度指令値が0でなくかつ実測回転速度が所定の回転数以下となった後に回転速度センサーの断線の判定をすることで、回転速度センサーの断線の誤検出が発生することを抑制できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)上記の第1実施形態にて説明した図8に示すフローチャートの各ステップの順序及び/又は処理内容は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更できる。
(B)上記の第1実施形態で説明した断線検出技術は、電動機33a、33bが三相同期モータであれば、上記のSPMモータ以外を用いた場合にも適用できる。例えば、IPM(Interior Permanent Magnet)モータを電動機33a、33bとした場合にも、上記の断線検出技術を適用できる。
1 本体
3a、3b 走行部
31a、31b 走行車輪
33a、33b電動機
35a、35b回転速度センサー
5 制御部
51 上位コントローラ
53a、53b制御装置
53’ 制御装置
531 電力制御部
531a 第1差分算出部
531b 速度制御部
531c 第2差分算出部
531d 第3差分算出部
531e q軸電流制御部
531f d軸電流制御部
531g 第2座標変換部
531h 駆動部
531i 角度変換部
533 第1座標変換部
533a 電流検出器
535 断線検出部
535a モード移行部
535b 断線判定部
535c 回転停止指令部
535d 閾値決定部
535e 記憶部
55 各種センサー
7 補助輪
TI 最適閾値情報
θ 回転角度
ω 実測回転速度
ω* 回転速度指令値
Claims (10)
- 電動機を制御する制御装置であって、
前記電動機の回転速度を測定する回転速度センサーと、
前記電動機の回転速度指令値と前記回転速度センサーから取得した前記電動機の実際の回転速度である実測回転速度とに基づいて、前記電動機に供給する電力量を制御する電力制御部と、
前記電動機に供給される電流量を座標変換してd軸電流値を算出する座標変換部と、
前記回転速度指令値が0でなく、かつ、前記実測回転速度が所定の回転速度以下であれば、前記回転速度センサーに断線が生じたか否かを判定する断線判定モードに移行するモード移行部と、
前記モード移行部が前記断線判定モードに移行した後に前記d軸電流値が所定の閾値を超えた場合に、前記回転速度センサーに断線が生じたと判定する断線判定部と、
を備える制御装置。 - 前記モード移行部は、前記断線判定モードに移行してから第1時間が経過した場合に、当該断線判定モードを終了する、請求項1に記載の制御装置。
- 前記断線判定部は、前記モード移行部が前記断線判定モードに移行後は第2時間毎に前記d軸電流値が所定の閾値を超えているか否かを判定する、請求項1又は2に記載の制御装置。
- 前記回転速度指令値に基づいて前記閾値を決定する閾値決定部をさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載の制御装置。
- 前記閾値決定部は、前記回転速度指令値と前記閾値の最適値との関係を表す情報と、現在の回転速度指令値と、に基づいて前記閾値を決定する、請求項4に記載の制御装置。
- 電動機の回転速度を測定する回転速度センサーと、前記電動機の回転速度指令値と前記回転速度センサーから取得した前記電動機の実際の回転速度である実測回転速度とに基づいて、前記電動機に供給する電力量を制御する電力制御部と、を有する制御装置における前記回転速度センサーの断線検出方法であって、
前記回転速度センサーから前記実測回転速度を取得するステップと、
前記電動機に供給される電流量を座標変換してd軸電流値を算出するステップと、
前記回転速度指令値が0でなく、かつ、前記実測回転速度が所定の回転速度以下であれば、前記回転速度センサーに断線が生じたか否かを判定する断線判定モードに移行するステップと、
前記断線判定モードに移行した後に前記d軸電流値が所定の閾値を超えた場合に、前記回転速度センサーに断線が生じたと判定するステップと、
を備える断線検出方法。 - 前記断線判定モードに移行してから第1時間が経過した場合に、当該断線判定モードを終了するステップをさらに備える、請求項6に記載の断線検出方法。
- 前記判定するステップは、前記断線判定モードに移行後は第2時間毎に前記d軸電流値が所定の閾値を超えているか否かを判定するステップを含む、請求項6又は7に記載の断線検出方法。
- 前記回転速度指令値に基づいて前記閾値を決定するステップをさらに備える、請求項6〜8のいずれかに記載の断線検出方法。
- 前記閾値を決定するステップは、前記回転速度指令値と前記閾値の最適値との関係を表す情報と、現在の前記回転速度指令値と、に基づいて前記閾値を決定するステップを含む、請求項9に記載の断線検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020022323A JP7392503B2 (ja) | 2020-02-13 | 2020-02-13 | 制御装置、及び、断線検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020022323A JP7392503B2 (ja) | 2020-02-13 | 2020-02-13 | 制御装置、及び、断線検出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021129389A true JP2021129389A (ja) | 2021-09-02 |
JP7392503B2 JP7392503B2 (ja) | 2023-12-06 |
Family
ID=77489116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020022323A Active JP7392503B2 (ja) | 2020-02-13 | 2020-02-13 | 制御装置、及び、断線検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7392503B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7485750B2 (ja) | 2021-12-03 | 2024-05-16 | ザ マスワークス, インク | 実行可能なシミュレーションモデルを縮尺変更するためのシステム及び方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4143908B2 (ja) | 2002-10-31 | 2008-09-03 | 株式会社安川電機 | 電動機制御装置 |
JP4498730B2 (ja) | 2003-12-11 | 2010-07-07 | 三菱電機株式会社 | エレベータの異常振動検出装置 |
-
2020
- 2020-02-13 JP JP2020022323A patent/JP7392503B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7485750B2 (ja) | 2021-12-03 | 2024-05-16 | ザ マスワークス, インク | 実行可能なシミュレーションモデルを縮尺変更するためのシステム及び方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7392503B2 (ja) | 2023-12-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6801287B2 (ja) | モータ制御装置 | |
RU2664782C1 (ru) | Устройство управления для вращающейся машины переменного тока | |
US9846434B2 (en) | Autonomous travel vehicle and reproduction travel method | |
JP6068554B2 (ja) | センサレスで制御停止を行う機能を有するサーボ制御装置 | |
JP6311596B2 (ja) | モータ駆動システム | |
JP2013510555A (ja) | 電気機械のトルクの妥当性検査の方法、および同方法を実行し、電気機械を制御する機械制御器 | |
JP2010110067A (ja) | モータ制御装置 | |
JP6589492B2 (ja) | インバータ制御装置 | |
JP6939800B2 (ja) | モータ制御方法、モータ制御システムおよび電動パワーステアリングシステム | |
JP7392503B2 (ja) | 制御装置、及び、断線検出方法 | |
JP2010041868A (ja) | 同期電動機のロータ回転監視装置および制御システム | |
JP5515885B2 (ja) | 電気車制御装置 | |
JP6261396B2 (ja) | 永久磁石式同期モータのベクトル制御装置及び磁石磁束推定装置 | |
JP5580360B2 (ja) | 誘導電動機の制御装置、及び駆動装置 | |
JP6433387B2 (ja) | 交流回転機の制御装置及び交流回転機の慣性モーメント演算方法 | |
CN105814790A (zh) | 电力转换装置 | |
JP2013183532A (ja) | モータ制御装置及びその制御方法 | |
JP2003319682A (ja) | 永久磁石型同期電動機の制御装置 | |
JPWO2011064846A1 (ja) | 電気車の電力変換装置 | |
JP6537461B2 (ja) | 回転機の制御装置 | |
JP7417899B2 (ja) | 電動工具システム、制御方法、及びプログラム | |
JP2019037030A (ja) | モータ制御装置 | |
JP2007116768A (ja) | 電動機付ターボチャージャ用回転検出装置 | |
JP4457040B2 (ja) | モータ制御装置 | |
JP5445933B2 (ja) | 誘導電動機の制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20221221 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20231010 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20231024 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20231106 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7392503 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |