JP2021127339A - 医薬組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミニウム含有ケイ素化合物を含むことによって一定時間シャクヤクの固結を防止することが可能なシャクヤク含有医薬組成物およびその製造方法を提供すること。【解決手段】シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物とを含む医薬組成物であって、前記アルミニウム含有ケイ素化合物は、体積平均径が60μm以下であり、前記アルミニウム含有ケイ素化合物は、見掛け比容積が4mL/g以上であり、前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して3質量%以上の前記アルミニウム含有ケイ素化合物を含む、医薬組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、医薬組成物およびその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、シャクヤクおよび一定時間のシャクヤクの固結を防止する固結調整剤を含む医薬組成物、並びに固結調整剤を含むことによって一定時間のシャクヤクの固結を防止することが可能な医薬組成物の製造方法に関する。
日本薬局方記載の生薬としての芍薬は、シャクヤク(Paeonia lactiflora Pallas)の根であり、細根やコルク層を削り取った根を乾燥して調製され、換算した生薬の乾燥物に対してペオニフロリン2%以上含むことが規定されている。
芍薬は、主として漢方処方用薬として用いられ、鎮痛鎮痙薬、婦人薬、冷え症用薬、かぜ薬、皮膚疾患用薬、消炎排膿薬としてみなされる処方及びその他の処方に高頻度で配合されている。例えば、当帰芍薬散、四物湯、桂枝茯苓丸、芍薬甘草湯、十全大補湯など数多くの漢方薬に処方されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、医薬品の分野においては、制酸剤として、例えば、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、ボレイなどが用いられることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4203170号
第十七改正日本薬局方解説書(廣川書店)
シャクヤクを含む医薬組成物を製造する際に、シャクヤクが固結してしまうことに起因して、シャクヤクを含む医薬組成物の製造が困難となることがあった。
発明者らが鋭意検討したところ、添加剤として一定の特性を有するアルミニウム含有ケイ素化合物をシャクヤクに接触させることによってシャクヤクの固結を防止することが可能であることが明らかになった。
すなわち、本発明の課題は、添加剤のシャクヤクの固結防止に及ぼす影響は如何なるものかを明らかにすることである。
また、本発明は、医薬組成物の製造の際に、アルミニウム含有ケイ素化合物を含むことによって一定時間シャクヤクの固結を防止することが可能なシャクヤクを含む医薬組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、一定の体積粒子径および一定の見掛け比容積を有するアルミニウム含有ケイ素化合物をシャクヤクに加えることによって、医薬組成物の製造の際におけるシャクヤクの固結を防止でき、かつ、シャクヤクを含む医薬組成物を容易に製造することができるという結果を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の態様は、以下に示す通りである。
(1) シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物とを含む医薬組成物であって、
前記アルミニウム含有ケイ素化合物は、体積平均径が60μm以下であり、
前記アルミニウム含有ケイ素化合物は、見掛け比容積が4mL/g以上であり、
前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して3質量%以上の前記アルミニウム含有ケイ素化合物を含む、
医薬組成物。
(2) 前記アルミニウム含有ケイ素化合物が、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよび合成ケイ酸アルミニウムのうち少なくとも1つを含む、(1)に記載の医薬組成物。
(3) 前記アルミニウム含有ケイ素化合物の体積平均径が、30μm以下である、(1)又は(2)に記載の医薬組成物。
(4) 前記アルミニウム含有ケイ素化合物の体積平均径が、0.01μm〜20μmである、(3)に記載の医薬組成物。
(5) 前記アルミニウム含有ケイ素化合物の見掛け比容積が8mL/g以上である、(1)から(4)のいずれか一に記載の医薬組成物。
(6) 前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物とが混合された構成を有する、(1)から(5)のいずれか一に記載の医薬組成物。
(7) 前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して5質量%以上85質量%以下の前記アルミニウム含有ケイ素化合物を含む、(1)から(6)のいずれか一に記載の医薬組成物。
(8) 錠剤、細粒剤、又はカプセル剤である、(1)から(7)のいずれか一に記載の医薬組成物。
(9) シャクヤクと、体積平均径が60μm以下であるとともに見掛け比容積が4mL/g以上であるアルミニウム含有ケイ素化合物と、を準備する準備工程と、
前記シャクヤクと、前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して3質量%以上の前記アルミニウム含有ケイ素化合物とを接触させる接触工程と、
を含む、医薬組成物の製造方法。
(10) 前記アルミニウム含有ケイ素化合物が、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよび合成ケイ酸アルミニウムのうち少なくとも1つを含む、(9)に記載の医薬組成物の製造方法。
(11) 前記アルミニウム含有ケイ素化合物の体積平均径が、30μm以下である、(9)又は(10)に記載の医薬組成物の製造方法。
(12) 前記アルミニウム含有ケイ素化合物の見掛け比容積が8mL/g以上である、(9)から(11)のいずれか一に記載の医薬組成物の製造方法。
(13) 前記接触工程において、前記シャクヤクと、前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して5質量%以上85質量%以下の前記アルミニウム含有ケイ素化合物とを接触させる、(9)から(12)のいずれか一に記載の医薬組成物の製造方法。
(14) (9)から(13)のいずれか一に記載の医薬組成物の製造方法により製造される、医薬組成物。
本発明の医薬組成物およびその製造方法によれば、医薬組成物の製造の際におけるシャクヤクの固結が一定時間防止可能なシャクヤク含有医薬組成物が得られるとともに、シャクヤク含有医薬組成物を容易に製造できる。
本発明の医薬組成物は、シャクヤクと、アルミニウム含有ケイ素化合物とを含み、前記アルミニウム含有ケイ素化合物の体積平均径が60μm以下であり、前記アルミニウム含有ケイ素化合物の見掛け比容積が4mL/g以上であり、前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して3質量%以上の前記アルミニウム含有ケイ素化合物を含む。
本発明の医薬組成物の製造方法は、シャクヤクと、体積平均径が60μm以下であるとともに見掛け比容積が4mL/g以上であるアルミニウム含有ケイ素化合物と、を準備する準備工程と、前記シャクヤクと、前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して3質量%以上の前記アルミニウム含有ケイ素化合物とを接触させる接触工程と、を含む。
<シャクヤク(芍薬)>
「シャクヤク(芍薬)」とは、シャクヤク(Paeonia lactiflora Pallas)の根であり、細根やコルク層を削り取った根を乾燥して調製され、換算した生薬の乾燥物に対してペオニフロリン2%以上含むことが規定されている。
「シャクヤク(芍薬)」は、第十七改正日本薬局方に収載されている。なお、シャクヤクは、生薬名(日本薬局方)でもあるとともに植物名でもある。
シャクヤクとしては、好適には、第十七改正日本薬局方に掲載されているものを使用することができる。
シャクヤクとしては、上記以外のシャクヤクも市販されているので、容易に入手できる。
シャクヤクは、古来単味又は漢方方剤として薬用に用いられてきたものであり、それぞれ慣用された方法に従って得られる生薬末又は抽出成分をそのまま用いることができる。
生薬末又は抽出成分の形態も、通常の市販品又はその加工品を使用することができる。生薬末としては、例えば、乾燥刻み加工品をさらに細かく粉砕した粉末状(微粉末状)の乾燥末として使用してもよい。
また、生薬からの抽出成分の形態は特に制限されるものではなく、例えば乾燥エキス、エキス末、軟エキス、流エキス、エタノール又はエタノールと水を含むチンキなどいずれの形態でも使用できる。
好ましい生薬には、製剤化の自由度の高い抽出成分、例えば乾燥エキス末などが含まれる。抽出成分は、慣用の方法、例えば、抽出溶媒により前記生薬から抗菌作用を有する活性成分を抽出することにより得ることができる。抽出溶媒としては、例えば水、エタノール等の親水性溶媒又はこれらの混合溶媒を使用してよい。
なお、本発明において、シャクヤクとしては、「シャクヤク乾燥エキス(原生薬換算比7:1(シャクヤクを7倍濃縮したもの))」を用いた場合を例示している。
換言すれば、「前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して3質量%以上の前記アルミニウム含有ケイ素化合物を含む」とは、「前記シャクヤク乾燥エキスと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して3質量%以上の前記アルミニウム含有ケイ素化合物を含む」ということを意味している。
例えば、シャクヤク乾燥エキスの量から原生薬換算量におけるシャクヤク量に変換する際には、エキスの濃縮倍率に応じて係数を乗じればよい。
例えば、シャクヤク乾燥エキスがシャクヤクを7倍濃縮したものに相当する場合には、シャクヤク乾燥エキスの量を7倍した量がシャクヤクの原生薬換算量に相当する。
なお、シャクヤクとして、シャクヤク乾燥エキスを用いた例を示したが、上述したような生薬末又は抽出成分を用いてもよく、例えば、シャクヤク軟エキスを用いてもよい。
シャクヤクとして、シャクヤク乾燥エキスとは異なる生薬末又は抽出成分を用いた場合には、シャクヤクの固結を防止できるように適宜条件等(例えば、シャクヤクの原生薬換算濃度に応じて、シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物との比率を変更するなど)を設定すればよく、本発明におけるシャクヤクは、「シャクヤク乾燥エキス」に限定されない。
なお、本明細書において、「原生薬換算量」とは、その成分量を得るために必要な原生薬の質量(乾燥質量)である。
シャクヤク自体の場合であれば配合するシャクヤクの質量が原生薬換算量になり、シャクヤクエキス(シャクヤク乾燥エキス、シャクヤク軟エキスなど)の場合であれば、配合されるシャクヤクエキスの量を得るために必要な原生薬(シャクヤク)の乾燥質量が原生薬換算量になる。
なお、シャクヤク乾燥エキスは特に限定されないが、市販のシャクヤク乾燥エキスとしては、例えば、日本粉末薬品株式会社製シャクヤク乾燥エキス(商品名:シャクヤク乾燥エキス−Q、抽出溶媒:水、原生薬換算比7:1(シャクヤクを7倍濃縮したもの))、アルプス薬品工業株式会社製シャクヤク乾燥エキス(抽出溶媒:水、原生薬換算比5:1(シャクヤクを5倍濃縮したもの))などが挙げられる。
また、シャクヤク軟エキスは特に限定されないが、市販のシャクヤク軟エキスとしては、例えば、日本粉末薬品株式会社製シャクヤク軟エキス(商品名:シャクヤク乾燥エキス−A、抽出溶媒:水、原生薬換算比4:1(シャクヤクを4倍濃縮したもの))、アルプス薬品工業株式会社製シャクヤクエキス(抽出溶媒:水、原生薬換算比4:1(シャクヤクを4倍濃縮したもの))などが挙げられる。
<アルミニウム含有ケイ素化合物>
本発明におけるアルミニウム含有ケイ素化合物とは、アルミニウムとケイ素とを含む化合物である。
本発明におけるアルミニウム含有ケイ素化合物としては、例えば、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ベントナイトを用いてもよい。
本発明におけるアルミニウム含有ケイ素化合物は、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよび合成ケイ酸アルミニウムのうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
本発明におけるアルミニウム含有ケイ素化合物は、体積平均径が60μm以下であるとともに見掛け比容積が4mL/g以上である。
本発明においては、上記した「体積平均径が60μm以下であるとともに見掛け比容積が4mL/g以上であるアルミニウム含有ケイ素化合物」を固結調整剤として用いることにより、シャクヤク含有医薬組成物の製造過程において、一定時間シャクヤクの固結を防止することが可能であり、例えば、錠剤など医薬品を作成した際には、安定な医薬品を得ることができる。
なお、本発明におけるアルミニウム含有ケイ素化合物は、医薬組成物において、添加剤として用いてもよく、後述するように制酸剤(第一の制酸剤)として用いてもよい。
なお、本発明における固結調整剤は、「体積平均径が60μm以下であるとともに見掛け比容積が4mL/g以上であるアルミニウム含有ケイ素化合物」のことをいい、例えば、シャクヤク含有医薬組成物の製造過程において、一定時間シャクヤクの固結を防止することが可能である。
また、アルミニウム含有ケイ素化合物は、少なくとも1種類が上記特性「体積平均径が60μm以下であるとともに見掛け比容積が4mL/g以上である」に当てはまればよい。すなわち、アルミニウム含有ケイ素化合物が医薬組成物中に複数種類存在する場合にも、少なくとも1種類が上記特性「体積平均径が60μm以下であるとともに見掛け比容積が4mL/g以上である」を満たせばよい。
[平均粒子径(体積平均径)]
本明細書における平均粒子径は、レーザー回折・散乱法による測定結果であり、体積平均径として定義される。
具体的に、以下に示す実施例の項にて記載するように、本明細書で記載した体積平均径は、マイクロトラック・ベル株式会社製のMT3300EXIIを使用し、乾式測定にて評価した値である。
なお、本明細書における平均粒子径(体積平均径)は、一例として、レーザー回折・散乱法により得られる値を示しているが、公知のその他の粒子径測定方法、粒子径測定装置によって測定される値であってもよい。
[見掛け比容積(静的比容積)]
本明細書における見掛け比容積は、100mLのメスシリンダーに、90〜100mLの容量となるようにロートで試料を入れ試料の表面を平らにしたときの容積(VmL)と試料の質量(Wg)をV/Wとすることにより求めた値である。
固結調整剤としてのアルミニウム含有ケイ素化合物は、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよび合成ケイ酸アルミニウムのうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
換言すれば、固結調整剤としてのアルミニウム含有ケイ素化合物は、体積平均径が60μm以下であるとともに見掛け比容積が4mL/g以上であることを満たす、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよび合成ケイ酸アルミニウムのうち少なくとも1つを含んでいることが好ましい。
固結調整剤としては、体積平均径が60μm以下であるとともに見掛け比容積が4mL/g以上であるメタケイ酸アルミン酸マグネシウムがより好ましい。
固結調製剤として、体積平均径が60μm以下であるとともに見掛け比容積が4mL/g以上であるメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを用いた場合には、合成ケイ酸アルミニウムよりもシャクヤクの固結を防止できる時間が長くなる。
また、本発明の医薬組成物において、アルミニウム含有ケイ素化合物の体積平均径は、60μm以下であり、30μm以下であることが好ましく、0.01μm〜20μmであることがより好ましく、1μm〜15μmであることがさらに好ましい。
アルミニウム含有ケイ素化合物の体積平均径が60μm以下であれば、シャクヤクの粒子表面にアルミニウム含有ケイ素化合物が均一に付着し、シャクヤク粒子同士の接触が抑えられる。
本発明においては、アルミニウム含有ケイ素化合物の見掛け比容積は、4mL/g以上であり、8mL/g以上であることが好ましく、8mL/g〜30mL/gであることがより好ましい。
アルミニウム含有ケイ素化合物が見掛け比容積4mL/g以上のかさ高さであれば、アルミニウム含有ケイ素化合物とシャクヤクとを混合した際に、シャクヤク粒子同士の接触が抑制される。
なお、アルミニウム含有ケイ素化合物は、表面が中性処理されたものであることが好ましい。
アルミニウム含有ケイ素化合物の表面が中性処理されたものである場合には、例えば、アルミニウム含有ケイ素化合物のスラリー(例えば、アルミニウム含有ケイ素化合物の4%スラリー)を調整した際に中性(例えば、pH6〜8)を示す。
アルミニウム含有ケイ素化合物の表面が中性処理されたものであれば、アルミニウム含有ケイ素化合物とシャクヤクとを混合した際にシャクヤクの固結防止効果が好適に得られる。
なお、アルミニウム含有ケイ素化合物は、比表面積(BET比表面積)が250m/gより大きいことが好ましく、280m/g以上であることがより好ましく、280〜700m/gであることがさらに好ましい。
アルミニウム含有ケイ素化合物は、比表面積(BET比表面積)が250m/gより大きい場合には、アルミニウム含有ケイ素化合物とシャクヤクとを混合した際にシャクヤクの固結防止効果が好適に得られる。
また、アルミニウム含有ケイ素化合物は、水分値が12wt%以下であることが好ましく、10wt%以下であることがより好ましく、8wt%以下であることがさらに好ましく、7wt%以下であることが特に好ましい。
アルミニウム含有ケイ素化合物の水分値が12wt%以下であれば、アルミニウム含有ケイ素化合物とシャクヤクとを混合した際にシャクヤクの固結防止効果が好適に得られる。
<シャクヤク含有医薬組成物、および、シャクヤク含有医薬組成物の製造方法>
本発明の医薬組成物は、シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物とを含み、アルミニウム含有ケイ素化合物は体積平均径が60μm以下であり、アルミニウム含有ケイ素化合物は見掛け比容積が4mL/g以上であり、前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して3質量%以上の前記アルミニウム含有ケイ素化合物を含む。
また、本発明の医薬組成物の製造方法は、シャクヤクと、体積平均径が60μm以下であるとともに見掛け比容積が4mL/g以上であるアルミニウム含有ケイ素化合物と、を準備する準備工程と、前記シャクヤクと、前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して3質量%以上の前記アルミニウム含有ケイ素化合物とを接触させる接触工程と、を含む。
なお、シャクヤクとしては、シャクヤク乾燥エキスを用いた場合を例示している。
換言すれば、本発明においては、「前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して3質量%以上の前記アルミニウム含有ケイ素化合物を含む」とは、「前記シャクヤク乾燥エキスと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して3質量%以上の前記アルミニウム含有ケイ素化合物を含む」ということを意味している。
上記構成を有する医薬組成物、および、医薬組成物の製造方法によれば、シャクヤク含有医薬組成物の製造の際に、シャクヤクの固結を一定時間防止することができる。
具体的に、シャクヤク(例えば、シャクヤク乾燥エキス)を大気中に暴露した状態で放置すると、空気中の水分の吸湿等の理由により、およそ1.5時間より短い時間でシャクヤクは固結してしまう。
シャクヤクが固結してしまうと、シャクヤクを原料として用いた医薬品等の製造の際に、シャクヤクが塊となってしまい、医薬品中におけるシャクヤクの分布が不均一となってしまう。
さらに、医薬品中のシャクヤク含有量にばらつきが生じることから、実質的に目的とする医薬品が得られなくなってしまう。
一方、本発明においては、シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して3質量%以上の「体積平均径が60μm以下であり、かつ、見掛け比容積が4mL/g以上であるアルミニウム含有ケイ素化合物」を含むように医薬組成物を調製することにより、シャクヤクの固結が防止される。
具体的には、本発明においては、「特性(1):アルミニウム含有ケイ素化合物の体積平均径が60μm以下であり」、および、「特性(2):アルミニウム含有ケイ素化合物の見掛け比容積が4mL/g以上である」を満たすことによって、アルミニウム含有ケイ素化合物の粒度が細かく、アルミニウム含有ケイ素化合物とシャクヤクとの混合物がかさ高くなりやすく、かつ、アルミニウム含有ケイ素化合物の粒度が細かくシャクヤクへの付着数が多くなり、シャクヤク同士の接触面積が減少する。これによって、本発明の医薬組成物によれば、「特性(1)」、および、「特性(2)」の両方を満たすことによって、好適なシャクヤクの固結抑制効果が得られる。
具体的に、本発明におけるシャクヤクと固結調製剤とを含む医薬組成物によれば、大気中に暴露した際に1.5時間以上シャクヤクの固結を防止することが可能である。
また、本発明の医薬組成物によれば、1.5時間以上シャクヤクの固結を防止することが可能であることから、医薬品製造において必要な時間を十分に確保できるとともに、シャクヤクが目的とする薬剤・医薬品において不均一に分布することを防止でき、シャクヤク含有医薬組成物を原料として用いたさらなる医薬組成物、医薬品などの製造が容易となる。
また、本発明においては、シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物の少なくとも一部とが接するように構成されてよく、シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物とが混合された構成を有することが好ましい。
換言すれば、シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物とを含む医薬組成物を製造する際には、シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物とを混合するように、医薬組成物を調製することが好ましい。
シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物とが混合された構成を有することにより、シャクヤク粒子表面にアルミニウム含有ケイ素化合物が均一に付着し、好適にシャクヤクの固結が防止される。
本発明においては、シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して5質量%以上85質量%以下のアルミニウム含有ケイ素化合物を含むことが好ましく、シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して5質量%以上80質量%以下のアルミニウム含有ケイ素化合物を含むことがより好ましく、シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して5質量%以上70質量%以下のアルミニウム含有ケイ素化合物を含んでいてもよく、シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して5質量%以上60質量%以下のアルミニウム含有ケイ素化合物を含んでいてもよく、シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して5質量%以上50質量%以下のアルミニウム含有ケイ素化合物を含んでいてもよい。
シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して5質量%以上85質量%以下のアルミニウム含有ケイ素化合物を含むことにより、シャクヤクの固結が防止され、シャクヤクを含む医薬組成物を用いた医薬品を製造する際に、例えば、2時間以上など、より十分な時間を確保できる。
また、シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して5質量%以上85質量%以下のアルミニウム含有ケイ素化合物を含む医薬組成物によれば、例えば、医薬組成物を用いて錠剤などの医薬品を製造した際には、好適に錠剤が形成される。
換言すれば、本発明によれば、医薬組成物の製造の際にはシャクヤクの固結が適切に防止されるとともに、医薬組成物を用いた医薬品の製造の際には、適切に医薬品を製造可能である。
本発明の医薬組成物は、シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物とを含むが、さらにその他の成分を含んでいてもよい。
本発明の医薬組成物は、例えば、漢方薬、鎮痛鎮痙薬、婦人薬、冷え症用薬、かぜ薬、皮膚疾患用薬、消炎排膿薬として用いられてもよい。
シャクヤクの主成分であるペオニフロリンは鎮痛・鎮痙・抗炎症・末梢血管拡張・筋収縮抑制作用を有することが知られている。シャクヤクは腰痛、こむら返り、頭重、月経痛などの症状に対し芍薬甘草湯、当帰芍薬散、桂枝湯、防風通聖散などの漢方薬へ配合されているほか、西洋薬の配合剤に成分として配合されることもある。
また、本発明の医薬組成物は、例えば、解熱剤、鎮痛剤、又は感冒治療剤として用いられてもよい。
さらに、本発明の医薬組成物は、例えば、錠剤、細粒剤又はカプセル剤であってもよい。
シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物とを含む医薬組成物を用いて、例えば、以下に示すような医薬組成物を作製してもよい。
また、本発明の医薬組成物におけるシャクヤクの含有量についても特に制限はないが、成人1投与単位(1日投与量)あたりの医薬組成物に含まれる成分の量として、原生薬換算量として、100〜5000mgであってよく、好ましくは150〜2000mgであり、より好ましくは200〜1660mgであり、さらに好ましくは200〜900mgであり、投与回数は、1日1〜3回である。
本発明の医薬組成物は、薬効成分として、シャクヤクエキス(例えば、芍薬乾燥エキス)とカンゾウエキス(例えば、カンゾウ乾燥エキス)とを含む、芍薬甘草湯に用いてもよい。
なお、本発明は、細粒や顆粒剤が一般的な芍薬甘草湯を錠剤化することも可能にする。
本発明の医薬組成物は、発熱、痛み、炎症を抑制する目的で使用してもよい。なお、頭痛、月経痛(生理痛)、歯痛、抜歯後疼痛、咽喉痛、腰痛、関節痛、筋肉痛、肩こり痛、耳痛、打撲痛、骨折痛、ねんざ痛、外傷痛等の鎮痛、悪寒・発熱時の解熱に好適に使用され、又、感冒治療剤として、かぜの諸症状(鼻水、鼻づまり、せき、たん、のどの痛み、発熱、悪寒、頭痛、くしゃみ、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和を目的として、鎮痛剤成分及び解熱剤成分(解熱鎮痛剤)を、本発明の医薬組成物に加えてもよい。
具体的には、本発明の医薬組成物には、解熱鎮痛剤としては、例えば、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン、ロキソプロフェンナトリウム水和物、プラノプフェン、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、エトドラク、ナプロキセン、メロキシカム、セレコキシブ、及びチアラミド塩酸塩等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
本発明の医薬組成物は、例えば、錠剤(チュアブル錠、発泡錠、口腔内崩壊錠などを含む)、トローチ剤、ドロップ剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、丸剤、ドライシロップ剤、坐剤、パップ剤、プラスター剤などの固形製剤;舐剤、チューインガム剤、ゼリー剤、ゼリー状ドロップ剤、ホイップ剤、軟膏剤、クリーム剤、フォーム剤、インへラー剤、ナザールジェル剤などの半固形製剤;シロップ剤、ドリンク剤、懸濁剤、酒精剤、液剤、点眼剤、エアゾール剤、噴霧剤、スプレー剤などの液状製剤などの、第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の剤形とすることができる。
本発明の医薬組成物は、服用の簡便性や製造面等の点で、固形製剤であるのが好ましく、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤及び細粒剤からなる群より選ばれる経口医薬組成物であることがより好ましく、錠剤又はカプセル剤であるのが特に好ましい。
本発明の医薬組成物には、更に、必要に応じてその他の有効成分、例えば、鎮咳・去痰剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、胃腸薬成分、制酸剤、抗コリン剤、鎮静剤、その他のビタミン類、キサンチン誘導体を、本発明を損なわない範囲内で適宜配合してもよく、それらに配合禁忌があれば、適宜顆粒分け等を行い製剤化すればよい。
鎮咳・去痰剤としては、例えば、コデイン、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデインリン酸塩、ジブナートナトリウム、ジメモルファンリン酸塩、チペピジンクエン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、デキストロメトルファン、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、デキストロメトルファンフェノールフタリン塩、ノスカピン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン硫酸塩、l−メチルエフェドリン塩酸塩、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、アンブロキソール塩酸塩、ブロムヘキシン塩酸塩等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
抗ヒスタミン剤としては、例えば、アゼラスチン塩酸塩、アリメマジン酒石酸塩、エバスチン、エピナスチン塩酸塩、エメダスチンフマル酸塩、オキサトミド、オロパタジン塩酸塩、カルビノキサミン、クレマスチンフマル酸塩、ジフェニルジスルホン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩、dl−クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩、トリプロリジン塩酸塩、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、フェキソフェナジン、フェネタジン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、プロメタジン、メキタジン、メトジラジン塩酸塩、ロラタジン等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩類(例えば、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等)、トラネキサム酸等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
胃腸薬成分としては、ゲファルナート、セトラキサート塩酸塩、ソファルコン、テプレノン、メチルメチオニンスルホニウムクロリド等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
制酸剤としては、上記したアルミニウム含有ケイ素化合物(固結調整剤)を、第1の制酸剤として使用してもよい。
また、制酸剤としては、第1の制酸剤(上記アルミニウム含有ケイ素化合物)に加えて、上記アルミニウム含有ケイ素化合物とは異なる制酸剤を第2の制酸剤として別途用いてもよい。
例えば、本発明の医薬組成物における制酸剤として、第1の制酸剤(上記アルミニウム含有ケイ素化合物)のみで構成されていてもよい。
また、本発明の医薬組成物における制酸剤として、第1の制酸剤(上記アルミニウム含有ケイ素化合物)と、第2の制酸剤と、を併用する場合には、第1の制酸剤と第2の制酸剤との比率は、特に限定されず、例えば、「第1の制酸剤:第2の制酸剤の比率」が、質量比で1:99〜99:1であってもよく、3:97〜97:3であってもよく、4:96〜96:4であってもよい。
例えば、本発明の医薬組成物において、アルミニウム含有ケイ素化合物(固結調整剤)を添加剤として用い、制酸剤としては、第2の制酸剤を用いてもよい。
本発明における制酸剤は、シャクヤクの固結防止の観点、制酸剤としての機能の観点、製造性の観点などを考慮して、適宜選択すればよい。
例えば、第1の制酸剤(上記アルミニウム含有ケイ素化合物)と、第2の制酸剤とを併用することにより、シャクヤク含有医薬組成物の製造における固結に起因する負担を軽減しつつ、錠剤における制酸剤としての機能も維持することができる。
第2の制酸剤は、上記アルミニウム含有ケイ素化合物(固結調整剤)とは異なる制酸剤である。第2の制酸剤としては、アルカリ土類金属及び/又は土類金属系塩基性無機化合物として、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム等のマグネシウム、アルミニウム及びカルシウムから選ばれる金属の無機塩等が挙げられる。また、アルカリ金属系塩基性無機化合物としては、例えば、乾燥炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム水和物、リン酸水素ナトリウム水和物、無水リン酸一水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム等のナトリウム及びカリウムから選ばれる金属の無機塩等が挙げられ、その他、ボレイ及びグリシン等が挙げられる。第2の制酸剤としては、これらから選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
この中でも、第2の制酸剤としては、特に酸化マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、沈降炭酸カルシウム及びグリシンが好ましい。
なお、本発明においては、例えば、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよび合成ケイ酸アルミニウムが「上記アルミニウム含有ケイ素化合物」における「特性(1):体積平均径が60μm以下である」、および、「特性(2):前記アルミニウム含有ケイ素化合物は、見掛け比容積が4mL/g以上である」の両方の条件を満たす場合には、第1の制酸剤として扱うこととする。
また、本発明においては、例えば、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよび合成ケイ酸アルミニウムが「上記アルミニウム含有ケイ素化合物」における「特性(1):体積平均径が60μm以下である」、および、「特性(2):前記アルミニウム含有ケイ素化合物は、見掛け比容積が4mL/g以上である」のうち少なくとも1つの条件を満たさない場合には、第2の制酸剤として扱うこととする。
抗コリン剤としては、スコポラミン臭化水素酸塩、ダツラエキス、メチルスコポラミン臭化物、メチル−l−ヒヨスチアミン臭化物、ピレンゼピン塩酸塩、ブチルスコポラミン臭化物、ベラドンナアルカロイド、ベラドンナエキス、ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド、ヨウ化ジフェニルピペリジノメチルジオキソラン、ロートエキス、ロート根、ロート根総アルカロイドクエン酸塩等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
鎮静剤としては、ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
ビタミン類としては、ビタミン類としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB5、ビタミンB12、ビタミンP、ヘスペリジン、ビタミンD、ビタミンE、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、ビオチン、アスパラギン酸カリウム・マグネシウム等等量混合物、イノシトールヘキサニコチネート、ウルソデオキシコール酸、L−システイン、L−塩酸システイン、オロチン、ガンマ−オリザノール、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルクノラクトン、グルクロン酸アミド、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ニンジン、ヨクイニンから選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
キサンチン誘導体としては、カフェイン水和物、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン、クエン酸カフェインから選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
本発明の医薬組成物は、常法に従って製剤化することができる。
本発明の医薬組成物の製造方法は、以下に示す方法に限定されないが、例えば、以下に示す方法により芍薬甘草湯、解熱鎮痛薬を製造することができる。
<芍薬甘草湯>
例えば、医薬組成物を芍薬甘草湯とする場合には、以下の工程1Aおよび工程2Aの手法により、芍薬甘草湯の素錠を製造することができる。
[工程1A]:シャクヤク(例えば、シャクヤク乾燥エキス)とアルミニウム含有ケイ素化合物とを混合し、倍散品とする。
[工程2A]:工程1Aで調製した倍散品と、カンゾウ乾燥エキスと、素錠を形成するために必要な任意の添加剤と、をとり、日本薬局方製剤総則、錠剤の製法により、素錠を製する。
<解熱鎮痛薬>
例えば、医薬組成物を解熱鎮痛薬とする場合には、以下の工程1Bおよび工程2Bの手法により、解熱鎮痛薬の素錠を製造することができる。
また、任意で、工程2Bで得られた素錠に、工程3Bの手法を加えて、解熱鎮痛薬のフィルムコーティング錠を製造することができる。
[工程1B]:シャクヤク(例えば、シャクヤク乾燥エキス)とアルミニウム含有ケイ素化合物とを混合し、倍散品とする。
[工程2B]:工程1Bで調製した倍散品と、任意の有効成分(例えば、解熱鎮痛成分など)と、素錠を形成するために必要な任意の添加剤と、をとり、日本薬局方製剤総則、錠剤の製法により、素錠を製する。
[工程3B]:工程2Bで得られた素錠にコーティング用成分(例えば、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴールなど)を用いてコーティングを施した後、カルナウバロウで艶出しを行ない、フィルムコーティング錠を製する。
製剤化にあたっては、公知の方法と添加剤を適宜用いて製することができる。添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜加えればよい。添加物としては、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、結合剤、流動化剤、可塑剤、糖衣剤、光沢化剤、溶剤、pH調節剤、着色剤、矯味剤、甘味剤、香料、着香剤・香料等を挙げることができる。
賦形剤としては、例えば、結晶セルロース、粉末セルロース、バレイショデンプン、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素、沈降炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、乳酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、合成ケイ酸アルミニウム、乳糖、白糖、D−マンニトール、エリスリトール、ブドウ糖、果糖等を挙げることができる。
崩壊剤としては、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、アルギン酸、部分アルファ−化デンプン、ベントナイト等を挙げることができる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、硬化油等を挙げることができる。
コーティング剤としては、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、アラビアゴム、エチルセルロース、カルナウバロウ、カルボキシビニルポリマー、ステアリン酸マグネシウム、セラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルラン、ポビドン、ポリビニルアルコール、マクロゴール等を挙げることができる。
結合剤としては、例えば、アラビアゴム、アラビアゴム末、カンテン、カンテン末、寒梅粉、ゼラチン、セラック、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、プルラン、ポビドン、ポリビニルアルコール、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸ブチル・メタクリル酸メチルコポリマー、メチルセルロース等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
流動化剤としては、例えば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、重質無水ケイ酸、水酸化アルミナマグネシウム、第三リン酸カルシウム、タルク、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム造粒物等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
可塑剤としては、クエン酸トリエチル、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トリアセチン、濃グリセリン、ヒマシ油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリソルベート80、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール6000NF、モノステアリン酸グリセリン、リノール酸イソプロピル、流動パラフィン等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
糖衣剤としては、アラビアゴム、アラビアゴム末、エチルセルロース、カルナウバロウ、カルメロースナトリウム、酸化チタン、ステアリン酸、ステアリン酸ポリオキシル40、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、ゼラチン、セラック、タルク、沈降炭酸カルシウム、白色セラック、白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、プルラン、ポビドン、ポリオキシエチレン、ポリビニルアルコール、マクロゴール等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
光沢化剤としては、カルナウバロウ、精製セラック、マクロゴール、ミツロウ等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
溶剤としては、イソプロパノール、エタノール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、マクロゴール等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
pH調節剤としては、塩酸、酢酸、リン酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
着色剤としては、黄酸化鉄、褐色酸化鉄、カーボンブラック、カラメル、β−カロテン、カンゾウエキス、黒酸化鉄、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、三二酸化鉄・グリセリン懸濁液、食用青色2号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、銅クロロフィリンナトリウム、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンリン酸エステルナトリウム、緑茶末、ローズ油等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
矯味剤としては、塩化ナトリウム、オウバク末、オウヒエキス、オウレン、オウレン末、オレンジ、オレンジ油、カカオ末、果糖、カラメル、カンゾウ、カンゾウエキス、カンゾウ末、キシリトール、クエン酸カルシウム、クエン酸水和物、クエン酸ナトリウム水和物、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム、グレープフルーツエキス、黒砂糖、ケイヒ末、ケイヒ油、サッカリン、サッカリンナトリウム水和物、サンショウ末、酒石酸、D−酒石酸、酒石酸水素カリウム、DL−酒石酸ナトリウム、ショウキョウ末、スクラロース、ステビアエキス、ステビア抽出精製物、センブリ、D−ソルビトール、タンニン酸、チョウジ油、チンピチンキ、トウガラシ、トウガラシ末、トウヒ末、トレハロース水和物、ニガキ末、梅肉エキス、フラクトオリゴ糖、粉糖、ペパーミントパウダー、D−マンニトール、dl−メントール、l−メントール、メントールパウダー、リュウノウ、リュウノウ末、緑茶末、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、レモン油、ローズ油等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
甘味剤としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、アマチャ、アマチャ末、還元麦芽糖水アメ、カンゾウ、カンゾウエキス、カンゾウ末、キシリトール、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム水和物、スクラロース、ステビアエキス、ステビア抽出精製物、精製白糖、果糖、白糖、マルチトール、D−マンニトール、エリスリトール等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
香料としては、オレンジフレーバー、ガラナエキス、スイートオレンジ、ストロベリー、黒糖フレーバー、ストロベリーフレーバー、チェリーフレーバー、バナナパウダーフレーバー、ピーチエッセンス、フルーツエッセンス、ペパーミント、メロンパウダーフレーバー、l−メントール、ハッカ油等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
着香剤・香料としては、ウイキョウ末、ウイキョウ油、エチルバニリン、オレンジ、オレンジエキス、オレンジエッセンス、オレンジ油、カミツレ油、カラメル、カンゾウ末、d−カンフル、dl−カンフル、ケイヒ末、ケイヒ油、シトロネラー油、シュガーフレーバー、スペアミント油、チェリーフレーバー、チョウジ油、チリフレーバー、トウヒチンキ、トウヒ油、パインオイル、ハッカ油、バニラフレーバー、バニリン、ビターエッセンス、ビタベース、ヒマラヤスギ油、フルーツフレーバー、フレーバーG1、ヘスペリジンペパーミントエッセンス、ベルガモット油、ベルモットフレーバー、d−ボルネオール、dl−ボルネオール、マッチャ、ミックスフレーバー、ミントフレーバー、dl−メントール、l−メントール、ユーカリ油、ラベンダー油、リュウノウ、リュウノウ末、レモンパウダー、レモン油、ローズ水、ローズ油、ハッカ油等から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することができる。
これら添加物は、上記に挙げたものに限定されるものではなく、また、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の医薬組成物は、SP包装、PTP包装、スティック包装、瓶包装等により一旦包装して気密保存してもよい。さらにそれらをピロー包装してもよく、それらを箱等に格納してもよい。ピロー包装に用いられる材料としては、特に限定されず、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム等の樹脂フィルムやこれら樹脂フィルムにアルミニウム箔を付着させたものを用いることができる。なお、吸湿性が懸念される場合には乾燥剤等を瓶包装内やピロー包装内に同時に保存してもよい。
以下に、実施例および製剤例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
<実験1:シャクヤクに対するアルミニウム含有ケイ素化合物の固結防止作用の検討>
[実施例1]
アルミニウム含有ケイ素化合物としては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業製:商品名 ノイシリンUFL2、見掛け比容積(カタログ値):9.0〜18.0mL/g)を用いた。
なお、実施例1で使用したメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)の粒子径測定を行った。
実施例1で使用したメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)の粒子径測定には、マイクロトラック・ベル株式会社製のMT3300EXIIを使用し、乾式測定にて評価を行った。
その結果、実施例1で使用したメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)の体積平均径(MV)は、6.73μmであった。
また、実施例1に係るメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)の見掛け比容積については、100mLのメスシリンダーに、90〜100mLの容量となるようにロートで試料を入れ、試料の表面を平らにしたときの容積(VmL)と試料の質量(Wg)をV/Wとすることにより測定した。
本実施例1で用いたメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)の見掛け比容積の測定を行ったところ、10.2mL/gであった。
シャクヤクとしては、日本粉末薬品株式会社製シャクヤク乾燥エキス(商品名:シャクヤク乾燥エキス−Q、シャクヤクを7倍濃縮したエキス)を用いた。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)0.3gとシャクヤク乾燥エキス9.7gとを混合し、混合末を調製した。
また、得られた各混合末を、25℃・75%RH環境における吸湿条件にて、1.5時間保管した。
さらに、1.5時間時点における混合末における固結の有無について、目視による確認、および、混合物を振とうすることにより固結の有無を判定した。
なお、シャクヤクが固結した場合とは、目視の判定と併せて、混合物を振とうしても混合物が動かない場合に、シャクヤクが固結したと判断した。
[実施例2]
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)0.5gとシャクヤク乾燥エキス9.5gとを混合し、混合末を調製したほかは、実施例1と同様にして、実施例2における混合末の固結の有無について、確認を行った。
[比較例1]
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)0.1gとシャクヤク乾燥エキス9.9gとを混合し、混合末を調製したほかは、実施例1と同様にして、比較例1における混合末の固結の有無について、確認を行った。
[比較例2]
比較例2におけるアルミニウム含有ケイ素化合物としては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業製:商品名 ノイシリンS1、見掛け比容積(カタログ値):2.7〜3.3mL/g)を用いた。
なお、比較例2で使用したメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)の粒子径測定、粒度分布測定を行った。
比較例2で使用したメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)の粒子径測定には、実施例1と同様に、マイクロトラック・ベル株式会社製のMT3300EXIIを使用し、乾式測定にて評価を行った。
その結果、比較例2で使用したメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)の体積平均径(MV)は、66.85μmであった。
また、実施例1と同様の手法により、比較例2で用いたメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)の見掛け比容積の測定を行ったところ、比較例2で用いたメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)の見掛け比容積は3.0mL/gであった。
比較例2においては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)0.1gとシャクヤク乾燥エキス9.9gとを混合し、混合末を調製したほかは、実施例1と同様にして、比較例2における混合末の固結の有無について、確認を行った。
[比較例3]
比較例3においては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)0.3gとシャクヤク乾燥エキス9.7gとを混合し、混合末を調製したほかは、比較例2と同様にして、比較例3における混合末の固結の有無について、確認を行った。
[比較例4]
比較例4においては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)0.5gとシャクヤク乾燥エキス9.5gとを混合し、混合末を調製したほかは、比較例2と同様にして、比較例4における混合末の固結の有無について、確認を行った。
[比較例5]
比較例5におけるアルミニウム含有ケイ素化合物としては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業製:商品名 ノイシリンUS2、見掛け比容積(カタログ値)5.5〜7.5mL/g)を用いた。
なお、比較例5で使用したメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUS2)の粒子径測定、粒度分布測定を行った。
比較例5で使用したメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUS2)の粒子径測定には、実施例1と同様に、マイクロトラック・ベル株式会社製のMT3300EXIIを使用し、乾式測定にて評価を行った。
その結果、比較例5で使用したメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUS2)の体積平均径(MV)は、62.96μmであった。
また、実施例1と同様の手法により、比較例5で用いたメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUS2)の見掛け比容積の測定を行ったところ、比較例5で用いたメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUS2)の見掛け比容積は5.8mL/gであった。
比較例5においては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUS2)0.1gとシャクヤク乾燥エキス9.9gとを混合し、混合末を調製したほかは、実施例1と同様にして、比較例5における混合末の固結の有無について、確認を行った。
[比較例6]
比較例6においては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUS2)0.3gとシャクヤク乾燥エキス9.7gとを混合し、混合末を調製したほかは、比較例5と同様にして、比較例6における混合末の固結の有無について、確認を行った。
[比較例7]
比較例7においては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUS2)0.5gとシャクヤク乾燥エキス9.5gとを混合し、混合末を調製したほかは、比較例5と同様にして、比較例7における混合末の固結の有無について、確認を行った。
[シャクヤクの固結の有無における判定結果]
実施例1および2、比較例1〜7の結果を表1に示す。
また、表1中の評価結果における判定の基準は以下のとおりである。
A:シャクヤクの固結が好適に防止された。
B:シャクヤクの固結の大半が防止され、一部が固結された。
C:シャクヤクの固結を防止できなかった。
Figure 2021127339
表1に示すように、見掛け比容積(実測値)が10.2mL/g(見掛け比容積(カタログ値):9.0〜18.0mL/g)であり、体積平均径(MV)が6.73μmであったメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)を用いた実施例1および2、比較例1の結果より、シャクヤク乾燥エキス9.9gに対するメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)の量が0.1gの場合、十分にシャクヤクの固結を防止できない傾向が観察された。
また、シャクヤク乾燥エキス9.7gに対するメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)の量が0.3g以上の場合、シャクヤクの固結を防止できる傾向が観察された。換言すれば、シャクヤク乾燥エキスとメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)の合計量に対して3質量%以上のメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)を含む場合、シャクヤクの固結を防止できる傾向が観察された。
また、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)の量が高い実施例2におけるメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)とシャクヤク乾燥エキスとの混合末のほうが、実施例1の混合末よりも、良好に固結が防止される傾向が確認された。
比較例2〜4のように、見掛け比容積(実測値)が3.0mL/g(見掛け比容積(カタログ値):2.7〜3.3mL/g)であり、体積平均径(MV)が66.85μmであったメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)を用いた場合には、シャクヤク乾燥エキスとメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)の合計量に対して1〜5質量%のメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)を混合した混合末については、いずれもシャクヤクの固結を防止できなかった。
また、比較例5〜7のように、見掛け比容積(実測値)が5.8mL/g(見掛け比容積(カタログ値):5.5〜7.5mL/g)であり、体積平均径(MV)が62.96μmであったメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUS2)を用いた場合には、シャクヤク乾燥エキスとメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUS2)の合計量に対して1〜5質量%のメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUS2)を混合した混合末については、いずれもシャクヤクの固結を防止できなかった。
実験1の結果によれば、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの中でも、平均体積径が60μm以下であり、見掛け比容積が4mL/g以上であるメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを、シャクヤク乾燥エキスとメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの合計量に対して3質量%以上となるように混合すれば、シャクヤクの固結が防止される傾向にあった。
<実験2:シャクヤクの固結防止作用における添加剤の種類の検討>
次に、添加剤のシャクヤクに対する固結防止作用をさらに詳細に検討するために、添加剤の種類を変えてシャクヤクに対する添加効果を確認した。
実験2において用いた添加剤としては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと同様に、医薬組成物において制酸剤成分として用いられる化合物、または流動化剤や賦形剤として用いられる化合物を使用した。
実験2において用いた添加剤を、表2に示す。
Figure 2021127339
[実施例3]
実施例3における添加剤としては、実施例1と同様に、アルミニウム含有ケイ素化合物である検体No.1のメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業製:商品名 ノイシリンUFL2、見掛け比容積(カタログ値)9.0〜18.0mL/g、見掛け比容積(実測値)10.2mL/g、体積平均径(MV):6.73μm)を用いた。
シャクヤクとしては、実施例1と同様に、日本粉末薬品株式会社製シャクヤク乾燥エキス(商品名:シャクヤク乾燥エキス−Q、シャクヤクを7倍濃縮したエキス)を用いた。
シャクヤク乾燥エキス1.9gに対し、0.1g(シャクヤクと添加剤との合計の質量に対して、5質量%に相当)の検体No.1の添加剤を添加し、シャクヤク乾燥エキスと検体No.1の添加剤とを混合した。
得られた混合物を25℃60%RH環境において静置し、試験開始から1時間、1.5時間、2時間の時点において目視観察、および、混合物を振とうすることにより固結の有無を判定した。
なお、シャクヤクが固結した場合とは、目視の判定と、混合物を振とうしても混合物が動かない場合に、シャクヤクが固結したと判断した。
本実施例、以降の実施例、および、比較例では、シャクヤクの固結防止効果について、以下の指標を用いた。
A:試験開始から2時間時点までシャクヤクの固結防止を確認した。
B:試験開始から1.5時間時点までシャクヤクの固結防止を確認した。
C:試験開始から1.5時間時点でシャクヤクの固結を確認した。
実施例3における結果を表3に示す。
なお、以下に示す表3において、「−」と示したのは、未測定であることを示している。
[実施例4]
検体No.2の添加剤である合成ケイ酸アルミニウム(協和化学工業株式会社製:グレード 特質)を用いた。
なお、実施例4で使用した合成ケイ酸アルミニウムの粒子径測定を行った。
実施例4で使用した合成ケイ酸アルミニウム(特質)の粒子径測定には、実施例1と同様に、マイクロトラック・ベル株式会社製のMT3300EXIIを使用し、乾式測定にて評価を行った。
その結果、実施例4で使用した合成ケイ酸アルミニウム(特質)の体積平均径(MV)は、11.04μmであった。
また、実施例1と同様の手順により、合成ケイ酸アルミニウムの見掛け比容積の測定を行ったところ、実施例4で用いた「検体No.2:合成ケイ酸アルミニウム」の見掛け比容積は、5.4mL/gであった。
上記検体No.2の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、実施例4における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
実施例4の結果を表3に示す。
[比較例8]
検体No.3の添加剤としては、比較例5と同様のメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業製:商品名 ノイシリンUS2、見掛け比容積(カタログ値)5.5〜7.5mL/g、見掛け比容積(実測値)5.8mL/g、体積平均径(MV):62.96μm)を用いた。
上記検体No.3の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例8における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例8の結果を表3に示す。
[比較例9]
検体No.4の添加剤としては、比較例2と同様のメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業製:商品名 ノイシリンS1、見掛け比容積(カタログ値):2.7〜3.3mL/g、見掛け比容積(実測値)3.0mL/g、体積平均径(MV):66.85μm)を用いた。
上記検体No.4の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例9における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例9の結果を表3に示す。
[比較例10]
上記検体No.5の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例10における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例10の結果を表3に示す。
[比較例11]
上記検体No.6の添加剤(ケイ酸アルミン酸マグネシウム、富士化学工業株式会社製ノイシリンA AS、見掛け比容積(カタログ値)2.3〜3.3mL/g)を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例11における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
また、検体No.6の添加剤(ケイ酸アルミン酸マグネシウム、富士化学工業株式会社製ノイシリンA AS)について、実施例1と同様に体積平均径(MV)を測定したところ、検体No.6の添加剤(ケイ酸アルミン酸マグネシウム、富士化学工業株式会社製ノイシリンA AS)の体積平均径(MV)は、35.68μmであった。
なお、検体No.6の添加剤(ケイ酸アルミン酸マグネシウム、富士化学工業株式会社製ノイシリンA AS)について、実施例1と同様に、見掛け比容積の測定を行ったところ、比較例11で用いた検体No.6の添加剤(ケイ酸アルミン酸マグネシウム、富士化学工業株式会社製ノイシリンA AS)の見掛け比容積は、2.6mL/gであった。
比較例11の結果を表3に示す。
[比較例12]
上記検体No.7の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例12における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例12の結果を表3に示す。
[比較例13]
上記検体No.8の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例13における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例13の結果を表3に示す。
[比較例14]
上記検体No.9の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例14における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例14の結果を表3に示す。
[比較例15]
上記検体No.10の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例15における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例15の結果を表3に示す。
[比較例16]
上記検体No.11の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例16における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例16の結果を表3に示す。
[比較例17]
上記検体No.12の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例17における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例17の結果を表3に示す。
[比較例18]
上記検体No.13の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例18における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例18の結果を表3に示す。
[比較例19]
上記検体No.14の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例19における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例19の結果を表3に示す。
[比較例20]
上記検体No.15の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例20における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例20の結果を表3に示す。
[比較例21]
上記検体No.16の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例21における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例21の結果を表3に示す。
[比較例22]
上記検体No.17の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例22における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例22の結果を表3に示す。
[比較例23]
上記検体No.18の添加剤を用いたほかは、実施例3と同様にして実験を行い、比較例23における混合末の固結防止効果について、確認を行った。
比較例23の結果を表3に示す。
なお、表3において、見掛け比容積および体積平均径を実測した場合には実測値を示し、見掛け比容積および体積平均径の実測を行わなかった場合にはカタログ値を示している。
Figure 2021127339
なお、表3に記載した、実施例3および実施例4、ならびに、比較例8〜23においては、いずれもシャクヤクと添加剤との合計の質量に対して各例に示した添加剤が5質量%となるように混合末を調製した結果を示している。
表3に示すように、見掛け比容積(実測値)が10.2mL/g(見掛け比容積(カタログ値):9.0〜18.0mL/g)であり、体積平均径(MV)が6.73μmであった添加剤No.1のメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)を用いた実施例3においては、試験開始から2時間までシャクヤクの固結が防止され、優れた固結防止効果が得られた。
また、見掛け比容積(実測値)が5.4mL/gであり、体積平均径(MV)が11.04μmであった添加剤No.2の合成ケイ酸アルミニウム(特軽質)を用いた実施例4においては、試験開始から1.5時間時点まではシャクヤクの固結が防止され、実施例3に次いで良好な固結防止効果が得られた。
一方、比較例8のように、見掛け比容積が4mL/gより大きいが、体積平均径(MV)が60μmより大きいメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUS2)を用いた場合には、試験開始から1.5時間時点でシャクヤクを含む混合末の固結を確認した。
また、比較例9のように、見掛け比容積が4mL/gより小さく、かつ、体積平均径(MV)が60μmより大きいメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)を用いた場合には、試験開始から1.5時間時点でシャクヤクを含む混合末の固結を確認した。
比較例10のように、ケイ素を含まない化合物である乾燥水酸化アルミニウムゲル(検体No.5)を用いた場合には、試験開始から1.5時間時点でシャクヤクを含む混合末の固結を確認した。
比較例11のように、体積平均径が60μm以下であるが、見掛け比容積が4mL/gより小さいケイ酸アルミン酸マグネシウム(検体No.6)を用いた場合には、試験開始から1.5時間時点でシャクヤクを含む混合末の固結を確認した。
比較例12のように、アルミニウムを含まない化合物であるケイ酸マグネシウム(検体No.7)を用いた場合には、試験開始から1.5時間時点でシャクヤクを含む混合末の固結を確認した。
比較例13のように、ケイ素を含まず、アルミニウムおよびマグネシウムを含む化合物である合成ヒドロタルサイト(検体No.8)を用いた場合には、試験開始から1.5時間時点でシャクヤクを含む混合末の固結を確認した。
比較例14のように、ケイ素およびアルミニウムを含まない化合物である酸化マグネシウム(検体No.9)を用いた場合には、試験開始から1.5時間時点でシャクヤクを含む混合末の固結を確認した。
比較例15のように、ケイ素およびアルミニウムを含まない化合物である水酸化マグネシウム(検体No.10)を用いた場合には、試験開始から1.5時間時点でシャクヤクを含む混合末の固結を確認した。
比較例16、比較例17のように、アルミニウムを含むケイ素化合物ではない化合物である沈降炭酸カルシウム(検体No.11)、無水リン酸水素カルシウム(検体No.12)を用いた場合には、試験開始から1.5時間時点でシャクヤクを含む混合末の固結を確認した。
比較例18〜21のように、アルミニウムを含まないケイ素化合物である軽質無水ケイ酸(検体No.13〜16)を用いた場合には、試験開始から1.5時間時点でシャクヤクを含む混合末の固結を確認した。
比較例22のように、シクロデキストリン(検体No.17)を用いた場合には、試験開始から1.5時間時点でシャクヤクを含む混合末の固結を確認した。
比較例23のように、アルミニウムを含まず、マグネシウムおよびケイ素を含む化合物であるタルク(検体No.18)を用いた場合には、試験開始から1.5時間時点でシャクヤクを含む混合末の固結を確認した。
以上の結果より、実験2の結果から、平均体積径が60μm以下であり、見掛け比容積が4mL/g以上であるアルミニウムを含むケイ素化合物と、シャクヤクと、を混合することにより、シャクヤクの固結が防止される傾向にあることが明らかになった。
また、比較例8〜23の結果によれば、平均体積径が60μmより大きい場合、見掛け比容積が4mL/gより小さい場合には、アルミニウムを含むケイ素化合物であっても、シャクヤクの固結を防止できない傾向にあることが明らかになった。
また、比較例8〜23の結果によれば、添加剤として、ケイ素およびアルミニウムの両方を含まない化合物を用いた場合には、シャクヤクの固結を防止できない傾向にあることが明らかになった。
<実験3>
実験3では、シャクヤクに対する添加剤の量がシャクヤクよりも多い場合についても検討を行った。
[実施例5]
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)7.37gとシャクヤク乾燥エキス2.63gとを混合し、混合末を調製したほかは、実施例1と同様にして、実施例5における混合末の固結の有無について、確認を行った。
[比較例24]
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)7.37gとシャクヤク乾燥エキス2.63gとを混合し、混合末を調製したほかは、比較例2と同様にして、比較例24における混合末の固結の有無について、確認を行った。
[シャクヤクの固結の有無における判定結果]
実施例5および比較例24の結果を表4に示す。
また、表4中の評価結果における判定の基準は以下のとおりである。
A:シャクヤクの固結が好適に防止された。
B:シャクヤクの固結の大半が防止され、一部が固結された。
C:シャクヤクの固結を防止できなかった。
Figure 2021127339
実験3の結果によれば、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの中でも、平均体積径が60μm以下であり、見掛け比容積が4mL/g以上であるメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)を、シャクヤク乾燥エキスとメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンUFL2)の合計量に対して73.7質量%となるように混合した場合にも、シャクヤクの固結が防止される傾向にあった。
一方、比較例24のように、見掛け比容積(実測値)が3.0mL/g(見掛け比容積(カタログ値):2.7〜3.3mL/g)であり、体積平均径(MV)が66.85μmであったメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)を用いた場合には、シャクヤク乾燥エキスとメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリンS1)の合計量に対して73.7質量%となるように混合した混合末についても、シャクヤクの固結を防止できなかった。
(製剤例1〜6(芍薬甘草湯))
[工程1A]
表5に示す組成となるように、シャクヤク乾燥エキスはメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合し、倍散品とする。
[工程2A]
工程1Aで調製した倍散品、および、表5に記載されたカンゾウ乾燥エキスからステアリン酸マグネシウムまでの6成分をとり、日本薬局方製剤総則、錠剤の製法により、表5で示す組成となるように製剤例1に係る素錠を製する。
また、製剤例1と同様の手法により、表5に示すような組成となるように、製剤例2および製剤例3に係る素錠を製する。
また、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを合成ケイ酸アルミニウムに変えた他は、製剤例1と同様の手法により、表5に示すような組成となるように、製剤例4〜6に係る素錠を製する。
(製剤例7〜12(解熱鎮痛薬))
[工程1B]
表5に示す組成となるように、シャクヤク乾燥エキスはメタケイ酸アルミン酸マグネシウムまたは合成ケイ酸アルミニウムと混合し、倍散品とする。
[工程2B]
工程1Bで調製した倍散品、および、表5に記載されたイブプロフェンからステアリン酸カルシウムまでの各成分をとり、日本薬局方製剤総則、錠剤の製法により、表5で示す組成となるように素錠を製する。
[工程3B]
さらに、工程2Bで得られた素錠にヒプロメロースからマクロゴール400までの3成分を用いてコーティングを施した後、カルナウバロウで艶出しを行ない、表5で示す組成となるように製剤例7に係るフィルムコーティング錠を製する。
また、製剤例7と同様の手法により、表5に示すような組成となるように、製剤例8〜12に係るフィルムコーティング錠を製する。
Figure 2021127339
以上、本発明の好ましい実施形態および実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
本発明のシャクヤクおよびアルミニウム含有ケイ素化合物を含む医薬組成物は、一定時間シャクヤクの固結を防止できることから、医薬品製造時のシャクヤクの固結を防止できるため、極めて有用である。
また、本発明のシャクヤクおよびアルミニウム含有ケイ素化合物を含む医薬組成物は、例えば、鎮痛鎮痙薬、婦人薬、冷え症用薬、かぜ薬、皮膚疾患用薬、消炎排膿薬、解熱剤、鎮痛剤、又は感冒治療剤として用いられ、解熱剤、鎮痛剤として、特に、頭痛、月経痛(生理痛)、歯痛、抜歯後疼痛、咽喉痛、腰痛、関節痛、筋肉痛、肩こり痛、耳痛、打撲痛、骨折痛、ねんざ痛、外傷痛等の鎮痛、悪寒・発熱時の解熱に好適に用いられ、又、感冒治療剤として、かぜの諸症状(鼻水、鼻づまり、せき、たん、のどの痛み、発熱、悪寒、頭痛、くしゃみ、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和に好適に用いられる医薬品に適用可能である。

Claims (14)

  1. シャクヤクとアルミニウム含有ケイ素化合物とを含む医薬組成物であって、
    前記アルミニウム含有ケイ素化合物は、体積平均径が60μm以下であり、
    前記アルミニウム含有ケイ素化合物は、見掛け比容積が4mL/g以上であり、
    前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して3質量%以上の前記アルミニウム含有ケイ素化合物を含む、
    医薬組成物。
  2. 前記アルミニウム含有ケイ素化合物が、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよび合成ケイ酸アルミニウムのうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記アルミニウム含有ケイ素化合物の体積平均径が、30μm以下である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 前記アルミニウム含有ケイ素化合物の体積平均径が、0.01μm〜20μmである、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 前記アルミニウム含有ケイ素化合物の見掛け比容積が8mL/g以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物とが混合された構成を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. 前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して5質量%以上85質量%以下の前記アルミニウム含有ケイ素化合物を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. 錠剤、細粒剤、又はカプセル剤である、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  9. シャクヤクと、体積平均径が60μm以下であるとともに見掛け比容積が4mL/g以上であるアルミニウム含有ケイ素化合物と、を準備する準備工程と、
    前記シャクヤクと、前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して3質量%以上の前記アルミニウム含有ケイ素化合物とを接触させる接触工程と、
    を含む、医薬組成物の製造方法。
  10. 前記アルミニウム含有ケイ素化合物が、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよび合成ケイ酸アルミニウムのうち少なくとも1つを含む、請求項9に記載の医薬組成物の製造方法。
  11. 前記アルミニウム含有ケイ素化合物の体積平均径が、30μm以下である、請求項9又は10に記載の医薬組成物の製造方法。
  12. 前記アルミニウム含有ケイ素化合物の見掛け比容積が8mL/g以上である、請求項9から11のいずれか一項に記載の医薬組成物の製造方法。
  13. 前記接触工程において、前記シャクヤクと、前記シャクヤクと前記アルミニウム含有ケイ素化合物の合計量に対して5質量%以上85質量%以下の前記アルミニウム含有ケイ素化合物とを接触させる、請求項9から12のいずれか一項に記載の医薬組成物の製造方法。
  14. 請求項9から13のいずれか一項に記載の医薬組成物の製造方法により製造される、医薬組成物。
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