JP2021127309A - 歯科修復用コンポジットレジン - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化時の収縮応力が小さく、硬化体の機械的強度が高い歯科修復用コンポジットレジンを提供する。
【解決手段】歯科修復用コンポジットレジンは、重合性単量体と、連鎖移動剤と、無機粒子を含む。無機粒子は、一般式(1)で表される化合物、及び/又は、一般式(2)で表される化合物により表面処理されており、体積中位粒径が0.1μm以上0.9μm以下である無機粒子(A)を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、歯科修復用コンポジットレジンに関する。
従来、口腔内の窩洞に直接充填する修復材料として、歯科修復用コンポジットレジン(歯科充填用コンポジットレジン)が知られている。
歯科修復用コンポジットレジンを用いて、歯を修復する際に、歯科修復用コンポジットレジンが硬化する時に収縮するため、窩壁と歯科修復用コンポジットレジンとの界面に収縮応力が生じる。収縮応力が大きいと、歯面にクラックが発生したり、歯科修復用コンポジットレジンの硬化体が剥離したりするため、二次う蝕が発生するリスクが高くなる。
他方、歯科修復用コンポジットレジンには、歯牙の咬合圧に耐えうる機械的強度が必要とされる。
特許文献1には、(A)ラジカル重合性単量体と、(B)α−ジケトン化合物と、(C)アミン化合物と、(D)光酸発生剤と、(E)α−アルキルスチレン化合物と、を含む歯科用光重合性組成物が開示されている。
特開2016−169180号公報
しかしながら、歯科用光重合性組成物の硬化体の機械的強度が不十分である。
本発明の一態様は、硬化時の収縮応力が小さく、硬化体の機械的強度が高い歯科修復用コンポジットレジンを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、歯科修復用コンポジットレジンにおいて、重合性単量体と、連鎖移動剤と、無機粒子を含み、前記無機粒子は、一般式(1)
Figure 2021127309
(式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、Rは、加水分解することが可能な基であり、Rは、炭素数が1以上6以下の炭化水素基であり、pは2又は3であり、qは8以上13以下の整数である。)
で表される化合物、及び/又は、一般式(2)
Figure 2021127309
(式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、Rは、加水分解することが可能な基であり、Rは、炭素数が1以上5以下の炭化水素基であり、rは2又は3であり、sは1以上7以下の整数である。)
で表される化合物により表面処理されており、体積中位粒径が0.1μm以上0.9μm以下である無機粒子(A)を含む。
本発明の一態様によれば、硬化時の収縮応力が小さく、硬化体の機械的強度が高い歯科修復用コンポジットレジンを提供することができる。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。
[歯科修復用コンポジットレジン]
本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンは、重合性単量体と、連鎖移動剤と、無機粒子を含む。
ここで、本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンが化学重合性(及び光重合性)を有する場合は、例えば、酸化剤を含む第1剤と、還元剤を含む第2剤が別々に包装されている2剤型の歯科修復用コンポジットレジンとして、使用する直前に両者を混合する。
一方、本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンが光重合性を有し、化学重合性を有さない場合は、1剤型の歯科修復用コンポジットレジンとする。
本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンの性状としては、例えば、ペースト状等が挙げられる。
本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンの押し出し強さは、通常、10kgf以下である。
本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンが1剤型である場合は、例えば、歯科修復用コンポジットレジンが充填されているシリンジと、シリンジの後端側からシリンジに嵌め込まれているプランジャーと、シリンジの先端部に装着されるニードルチップを有するパッケージとして、提供することができる。
ニードルチップが有するニードルの内径は、通常、0.3〜0.9mmである。
本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンが2剤型である場合のパッケージは、例えば、並列に連結されている2個のシリンジを有し、2個のシリンジの先端部に、スタティックミキサーが備えられている。
[重合性単量体]
重合性単量体の重合体の屈折率は、通常、1.52〜1.58であり、1.53〜1.58であることが好ましい。
なお、屈折率とは、アッベ屈折計により測定される、25℃における屈折率を意味する。
重合性単量体は、ラジカル重合性単量体であることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがさらに好ましい。
本明細書及び特許請求の範囲において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイルオキシ基を1個以上有する。また、(メタ)アクリロイルオキシ基とは、メタクリロイルオキシ基及び/又はアクリロイルオキシ基を意味する。
ラジカル重合性単量体としては、例えば、α−シアノアクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エステル、α−ハロアクリル酸エステル、クロトン酸エステル、桂皮酸エステル、ソルビン酸エステル、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエステル、ビニルエーテル、モノ−N−ビニル誘導体、スチレン誘導体等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリルアミド誘導体が好ましく、(メタ)アクリル酸エステルがさらに好ましい。
一官能性のラジカル重合性単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシデシルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
二官能性のラジカル重合性単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、2,2−ビス〔4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能性以上のラジカル重合性単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N'−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタン等が挙げられる。
[連鎖移動剤]
連鎖移動剤としては、フェニル基により置換されているモノオレフィン、メルカプタン、テルペノイド、ジチオベンゾアート、ジチオカルバマート、トリチオカルボナート、キサンタート等を用いることができる。
フェニル基により置換されているモノオレフィンとしては、例えば、2−フェニル−1−プロペン(α−メチルスチレン)、2−フェニル−1−ブテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(α−メチルスチレンダイマー)、3,5−ジフェニル−5−メチル−2−へプテン、2,4,6−トリフェニル−4,6−ジメチル−1−へプテン、3,5,7−トリフェニル−5−エチル−7−メチル−2−ノネン、1,3−ジフェニル−1−ブテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、3,5−ジフェニル−5−メチル−3−へプテン、1,1−ジフェニルエチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2−フェニル−1−プロペン、1,3−ジフェニル−1−ブテン等が挙げられる。
メルカプタンとしては、例えば、1−ブタンチオール、1−オクタンチオール、1−オクタデカンチオール、チオフェノール、3−メルカプトプロピオン酸シクロヘキシル、1−デカンチオール、1−ドデカンチオール、3−メルカプトプロピオン酸ヘキシル、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム、3−メルカプトプロピオン酸、メルカプト酢酸メチル、メルカプトこはく酸、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸トリデシル、3−メルカプトプロピオン酸オクタデシル等が挙げられる。
テルペノイドとしては、例えば、γ−テルピネン、リモネン、ミルセン、α−テルピネン、β−テルピネン、テルピノレン、β−ピネン等が挙げられる。
ジチオベンゾアートとしては、例えば、α−ピネンジチオ安息香酸クミル、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ベンゾジチオ酸ベンジル、S−(チオベンゾイル)チオグリコール酸等が挙げられる。
ジチオカルバマートとしては、例えば、メチル(フェニル)カルバモジチオ酸シアノメチル等が挙げられる。
トリチオカルボナートとしては、例えば、4−シアノ−4−[[(ドデシルチオ)カルボノチオイル]チオ]ペンタン酸、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミジル等が挙げられる。
キサンタートとしては、例えば、DITHIOCARBONIC ACID S−TERT−BUTYL ESTER O−ETHYL ESTER、エチルキサントゲン酸カリウム等が挙げられる。
これらの中でも、本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンの硬化時の収縮応力が小さいことから、α−メチルスチレンダイマー、1−デカンチオール、γ−テルピネン又はジチオ安息香酸クミルが好ましく、着色が無いこと、臭気がほぼないことから、α−メチルスチレンダイマーがさらに好ましい。
なお、連鎖移動剤は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
本実施形態の歯科修復用コンポジットレジン中の重合性単量体に対する連鎖移動剤の質量比は、0.1%〜5%であることが好ましく、0.5%〜1%であることがさらに好ましい。本実施形態の歯科修復用コンポジットレジン中の重合性単量体に対する連鎖移動剤の質量比が0.1%以上であると、本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンの硬化時の収縮応力がさらに小さくなり、5%以下であると、本実施形態の歯科用コンポジットレジンの機械的強度が向上する。
[無機粒子]
無機粒子は、一般式(1)
Figure 2021127309
(式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、Rは、加水分解することが可能な基であり、Rは、炭素数が1以上6以下の炭化水素基であり、pは2又は3であり、qは8以上13以下の整数である。)
で表される化合物、及び/又は、一般式(2)
Figure 2021127309
(式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、Rは、加水分解することが可能な基であり、Rは、炭素数が1以上5以下の炭化水素基であり、rは2又は3であり、sは1以上7以下の整数である。)
で表される化合物により表面処理されており、体積中位粒径が0.1μm以上0.9μm以下である無機粒子(A)を含む。
本実施形態の歯科修復用コンポジットレジン中の重合性単量体に対する無機粒子(A)の質量比は、100〜400%であることが好ましく、150〜350%であることがさらに好ましい。本実施形態の歯科修復用コンポジットレジン中の重合性単量体に対する無機粒子(A)の質量比が150%以上であると、本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンの機械的強度が向上し、350%以下であると、本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンの操作性が向上する。
無機粒子は、一般式(3)
Figure 2021127309
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、メチル基又はエチル基である。)
で表される基、及び/又は、一般式(4)
Figure 2021127309
(式中、R、R10及びR11は、それぞれ独立に、メチル基又はエチル基である。)
で表される基が表面に存在しており、平均一次粒径が5nm以上50nm以下である無機粒子(B)をさらに含むことが好ましい。
[無機粒子(A)]
無機粒子(A)は、一般式(1)で表される化合物、及び/又は、一般式(2)で表される化合物により表面処理されているが、一般式(1)で表される化合物、及び、一般式(2)で表される化合物により表面処理されている場合、一般式(2)で表される化合物に対する一般式(1)で表される化合物の質量比は、1以上であることが好ましく、3以上であることがさらに好ましい。一般式(2)で表される化合物に対する一般式(1)で表される化合物の質量比が1以上であると、本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンの操作性及び硬化体の機械的強度が向上する。
無機粒子(A)の体積中位粒径は、0.1〜0.9μmであり、0.15〜0.70μmであることが好ましい。無機粒子(A)の体積中位粒径が0.1μm以上であると、本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンの操作性が向上し、0.9μm以下であると、本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンの硬化体の機械的強度が向上する。
なお、無機粒子(A)の体積中位粒径は、レーザー回折・散乱法により、測定することができる。
無機粒子(A)は、球状であってもよいが、不定形であることが好ましい。これにより、無機粒子(A)の比表面積が増大するため、重合性単量体との結合性が強くなり、本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンの硬化体の機械的強度が向上する。
一般式(1)におけるR及び一般式(2)におけるRとしては、加水分解することが可能な基であれば、特に限定されないが、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、塩素原子、イソシアネート基等が挙げられる。
一般式(1)におけるR及び一般式(2)におけるRとしては、例えば、炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数が2〜6のアルケニル基、炭素数が2〜6のアルキニル基等が挙げられる。
炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数が2〜6のアルケニル基、炭素数が2〜6のアルキニル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよい。
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、8−メタクリロイルオキシオクチルトリメトキシシラン、9−メタクリロイルオキシノニルトリメトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、11−メタクリロイルオキシウンデシルトリメトキシシラン、11−メタクリロイルオキシウンデシルジクロロメチルシラン、11−メタクリロイルオキシウンデシルトリクロロシラン、11−メタクリロイルオキシウンデシルジメトキシメチルシラン、12−メタクリロイルオキシドデシルトリメトキシシラン、13−メタクリロイルオキシトリデシルトリメトキシシラン等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
一般式(2)で表される化合物としては、例えば、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシシラン、4−メタクリロイルオキシブチルトリメトキシシラン等が挙げられ、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられ、二種以上を併用してもよい。
一般式(1)で表される化合物、及び/又は、一般式(2)で表される化合物による表面処理方法としては、特に限定されないが、表面処理される前の無機粒子(A)を混合槽で攪拌しながら、一般式(1)で表される化合物、及び/又は、一般式(2)で表される化合物を溶媒で希釈した溶液を噴霧し、攪拌を続けながら槽内で一定時間加熱乾燥させる方法、表面処理される前の無機粒子(A)と、一般式(1)で表される化合物、及び/又は、一般式(2)で表される化合物とを溶媒中で攪拌混合させた後、加熱乾燥させる方法等が挙げられる。
本実施形態の歯科修復用コンポジットレジン中の重合性単量体に対する一般式(1)で表される化合物由来の基、及び/又は、一般式(2)で表される化合物由来の基の質量比は、通常、0.25%〜7.5%であり、0.5%〜6.5%であることが好ましい。
表面処理される前の無機粒子(A)に対する、一般式(1)で表される化合物、及び/又は、一般式(2)で表される化合物の質量比は、通常、0.005〜0.15であり、0.01〜0.13であることが好ましい。
無機粒子(A)の屈折率は、通常、1.52〜1.58であり、1.53〜1.58であることが好ましい。
重合性単量体の重合体と無機粒子(A)の屈折率の差は、通常、0.03以下である。
表面処理される前の無機粒子(A)を構成する材料としては、例えば、シリカを含有し、必要に応じて、重金属、ホウ素、アルミニウム等の酸化物をさらに含有する各種ガラス(例えば、Eガラス、バリウムガラス、ランタンガラスセラミックス)、各種セラミック、複合酸化物(例えば、シリカ−チタニア複合酸化物、シリカ−ジルコニア複合酸化物)、カオリン、粘土鉱物(例えば、モンモリロナイト)、マイカ、フッ化イッテルビウム、フッ化イットリウム等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
無機粒子(A)の市販品としては、G018−053、GM27884、8235、GM31684(以上、ショット製)、E2000、E3000(以上、ESSTECH製)等が挙げられる。
[無機粒子(B)]
無機粒子(B)は、一般式(3)で表される基、及び/又は、一般式(4)で表される基が表面に存在している。
無機粒子(B)の平均一次粒径は、5〜50nmであり、5〜20nmであることが好ましい。無機粒子(B)の平均一次粒径が5nm以上であると、本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンの操作性が向上し、50nm以下であると、本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンの機械的強度が向上する。
なお、無機粒子(B)の平均一次粒径は、無機粒子(B)の電子顕微鏡写真を撮影し、無作為に選択した100個の一次粒子の粒径の平均値である。
無機粒子(B)は、球状であってもよいし、不定形であってもよい。また、無機粒子(B)は、凝集していない一次粒子であってもよいし、一次粒子が凝集している二次粒子であってもよい。
なお、一次粒子が不定形である場合、一次粒径は、一次粒子の長径と短径の平均値である。
無機粒子(B)における表面処理方法としては、例えば、表面処理される前の無機粒子(B)を混合槽で攪拌しながら、シランカップリング剤を溶媒で希釈した溶液を噴霧し、攪拌を続けながら槽内で一定時間加熱乾燥させる方法、表面処理される前の無機粒子(B)及びシランカップリング剤を溶媒中で攪拌混合させた後、加熱乾燥させる方法等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、一般式(3)で表される基、及び/又は、一般式(4)で表される基を表面に導入することが可能であれば、特に限定されないが、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
表面処理される前の無機粒子(B)を構成する材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の無機酸化物、複合酸化物、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、フッ化イットリウム、フッ化イッテルビウム、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム等が挙げられる。これらの中でも、シリカ、アルミナ、チタニア、シリカ−アルミナ複合酸化物、シリカ−ジルコニア複合酸化物が好ましい。
無機粒子(B)の市販品としては、アエロジルR812、R972、RX−50(以上、日本アエロジル製)等が挙げられる。
無機粒子(B)の屈折率は、通常、1.43〜1.50であり、1.43〜1.46であることが好ましい。
重合性単量体の重合体と無機粒子(B)の屈折率の差は、通常、0.05以上である。
[その他の成分]
本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンは、化学重合開始剤をさらに含んでいてもよい。これにより、本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンを常温で硬化させることができる。
酸化剤としては、例えば、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
ジアシルパーオキサイドとしては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシエステルとしては、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。
パーオキシカーボネートとしては、例えば、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。
パーオキシケタールとしては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
ケトンパーオキサイドとしては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド等が挙げられる。
ハイドロパーオキサイドとしては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
還元剤としては、例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジイソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチル、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、(2−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N−エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンは、光重合開始剤をさらに含んでいてもよい。これにより、本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンに可視光線、紫外線等を照射して硬化させることができる。
可視光線を照射する場合に用いる光重合開始剤としては、例えば、α−ジケトン、ケタール、チオキサントン等が挙げられる。
α−ジケトンとしては、例えば、カンファーキノン、ベンジル、2,3−ペンタンジオン等が挙げられる。
ケタールとしては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等が挙げられる。
チオキサントンとしては、例えば、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
可視光線を照射する場合に用いる光重合開始剤は、通常、還元剤と併用する。
還元剤としては、例えば、ミヒラーケトン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N,N−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕−N−メチルアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチル、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、ジメチルアミノフェナントール等の第三級アミン;シトロネラール、ラウリルアルデヒド、フタルジアルデヒド、ジメチルアミノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド等のアルデヒド;2−メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、4−メルカプトアセトフェノン、チオサリチル酸、チオ安息香酸等のチオール基を有する化合物等が挙げられる。
なお、光重合開始剤と、還元剤と、有機過酸化物を併用してもよい。
紫外線を照射する場合の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、アシルホスフィンオキサイド、ビスアシルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイドとしては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルビス(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
ビスアシルホスフィンオキサイドとしては、例えば、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
なお、(ビス)アシルホスフィンオキサイドは、水溶性の置換基により置換されていてもよい。
また、(ビス)アシルホスフィンオキサイドと、アミン、アルデヒド、メルカプタン、スルフィン酸塩等の還元剤を併用してもよい。
重合性単量体に対する重合開始剤の質量比は、通常、0.1%〜10%であり、0.2%〜5%であることが好ましい。
本実施形態の歯科修復用コンポジットレジンは、重合禁止剤、紫外線吸収剤等をさらに含んでいてもよい。
重合禁止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、ハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4−メトキシフェノール等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、4−アミノ安息香酸等が挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、実施例に限定されない。なお、部は、質量部を意味する。
[無機粒子(A1)の製造]
体積中位粒径が0.18μmの不定形のバリウムガラス粒子GM27884NanoFine180(ショット製)を、8−メタクリロイルオキシオクチルトリメトキシシランで表面処理し、体積中位粒径が0.18μmの無機粒子(A1)を得た。
[無機粒子(A2)の製造]
8−メタクリロイルオキシオクチルトリメトキシシランの代わりに、8−メタクリロイルオキシオクチルトリメトキシシラン及び3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランの混合物(質量比3:1)を用いた以外は、無機粒子(A1)と同様にして、体積中位粒径が0.18μmの無機粒子(A2)を得た。
[無機粒子(A3)の製造]
8−メタクリロイルオキシオクチルトリメトキシシランの代わりに、8−メタクリロイルオキシオクチルトリメトキシシラン及び3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランの混合物(質量比1:1)を用いた以外は、無機粒子(A1)と同様にして、体積中位粒径が0.18μmの無機粒子(A3)を得た。
[無機粒子(A4)の製造]
8−メタクリロイルオキシオクチルトリメトキシシランの代わりに、8−メタクリロイルオキシオクチルトリメトキシシラン及び3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランの混合物(質量比1:3)を用いた以外は、無機粒子(A1)と同様にして、体積中位粒径が0.18μmの無機粒子(A4)を得た。
[無機粒子(A5)の製造]
8−メタクリロイルオキシオクチルトリメトキシシランの代わりに、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを用いた以外は、無機粒子(A1)と同様にして、体積中位粒径が0.18μmの無機粒子(A5)を得た。
表1に、無機粒子(A)を製造する際に使用した表面処理剤を示す。
Figure 2021127309
[無機粒子(A)の体積中位粒径]
0.2質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液20mLに無機粒子(A)15mgを添加した後、超音波分散機を用いて、30分間分散させて、無機粒子(A)の分散液を得た。次に、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−950(堀場製作所製)を用いて、無機粒子(A)の体積中位粒径を測定した。
[無機粒子(B1)]
無機粒子(B1)として、平均一次粒径が7nmのヘキサメチルジシラザンにより表面処理されているシリカ粒子アエロジルR812(日本アエロジル製)を用いた。
[無機粒子(B1)の平均一次粒径]
画像解析ソフトWinROOF(三谷商事製)を用いて、無機粒子(B1)の電子顕微鏡写真を画像解析した後、100個の一次粒子の体積平均粒径として、無機粒子(B1)の平均一次粒径を算出した。
[重合性組成物の作製]
2,2−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロパン(Bis−MEPP)70部、[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレート(UDMA)20部及びトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)10部を混合した。次に、カンファーキノン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、トリメチルジフェニルホスフィンオキシド及びジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を、それぞれ適量添加し、重合性組成物を得た。
[実施例1]
重合性組成物に、α−メチルスチレンダイマー(MSD)0.1部を添加した後、撹拌し、均一にした。次に、無機粒子(A1)200部と、無機粒子(B1)1部を添加した後、練和し、均一にした。次に、真空脱泡し、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例2]
無機粒子(A1)の代わりに、無機粒子(A2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例3]
無機粒子(A1)の代わりに、無機粒子(A3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例4]
MSDの添加量を0.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例5]
無機粒子(A1)の代わりに、無機粒子(A2)を用いた以外は、実施例4と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例6]
無機粒子(A1)の代わりに、無機粒子(A3)を用いた以外は、実施例4と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例7]
MSDの添加量を1部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例8]
無機粒子(A1)の代わりに、無機粒子(A2)を用いた以外は、実施例7と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例9]
無機粒子(A1)の代わりに、無機粒子(A3)を用いた以外は、実施例7と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例10]
無機粒子(A1)の代わりに、無機粒子(A4)を用いた以外は、実施例7と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例11]
MSDの添加量を5部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例12]
無機粒子(A1)の代わりに、無機粒子(A2)を用いた以外は、実施例11と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例13]
無機粒子(A1)の代わりに、無機粒子(A3)を用いた以外は、実施例11と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例14]
MSDの代わりに、1−デカンチオールを用いた以外は、実施例4と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例15]
MSDの代わりに、1−デカンチオールを用いた以外は、実施例7と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例16]
MSDの代わりに、1−デカンチオールを用いた以外は、実施例9と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例17]
MSDの代わりに、γ−テルピネンを用いた以外は、実施例4と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例18]
MSDの代わりに、γ−テルピネンを用いた以外は、実施例7と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例19]
MSDの代わりに、γ−テルピネンを用いた以外は、実施例9と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例20]
MSDの代わりに、ジチオ安息香酸クミル(DACE)を用いた以外は、実施例4と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例21]
MSDの代わりに、ジチオ安息香酸クミル(DACE)を用いた以外は、実施例7と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例22]
MSDの代わりに、ジチオ安息香酸クミル(DACE)を用いた以外は、実施例9と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例23]
無機粒子(A1)の代わりに、無機粒子(A5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[実施例24]
無機粒子(A1)の代わりに、無機粒子(A5)を用いた以外は、実施例11と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
[比較例1]
MSDを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、ペースト状の歯科修復用コンポジットレジンを得た。
次に、歯科修復用コンポジットレジンの硬化体の曲げ強度、硬化時の収縮応力、操作性を評価した。
[硬化体の曲げ強度]
2mm×2mm×25mmのステンレス鋼製の金型に、歯科修復用コンポジットレジンを充填した後、上下をスライドガラスで圧接した。次に、GライトプリマII(ジーシー製)を用いて、1点当たり10秒間、片面を9点ずつ、上下両面に可視光線を照射して、歯科修復用コンポジットレジンを硬化させた。次に、金型から硬化体を取り出した後、37℃の蒸留水中で24時間保管し、試験片を得た。このとき、試験片を5個作製した。次に、万能試験機AG−IS(島津製作所製)を用いて、支点間の距離を20mm、クロスヘッドのスピードを1mm/minとして、5個の試験片の曲げ強さを測定した後、平均値を算出し、曲げ強度とした。
[硬化時の収縮応力]
オートグラフEZ−S 500N(島津製作所製)を用いて、歯科修復用コンポジットレジンの硬化時の収縮応力を測定した。具体的には、冶具としての、内径5mmのアルミチューブ及びステンレスロッドの表面に、メタルプライマーZ(ジーシー製)及びG−プレミオボンド(ジーシー製)を順次塗布した後、G−ライトプリマII(ジーシー製)を用いて、可視光線を10秒間照射した。次に、アルミチューブ及びステンレスロッドをオートグラフに取り付けた後、アルミチューブの深さ2mmの位置まで歯科修復用コンポジットレジンを充填した。次に、クロスヘッドのスピードを0mm/minとし、G−ライトプリマII(ジーシー製)を用いて、可視光線を10秒間照射し、歯科修復用コンポジットレジンを硬化させた。このとき、10分後までの応力の変化を測定し、最大点を硬化時の収縮応力とした。
[操作性]
歯科修復用コンポジットレジン2.0mLをシリンジに充填し、プランジャー及びニードルチップを取り付けた後、白色練和紙上に歯科修復用コンポジットレジン0.03gを押し出し、操作性を評価した。
なお、歯科修復用コンポジットレジンの操作性の判定基準を以下に示す。
A:歯科修復用コンポジットレジンの粘度が適当であり、シリンジからの押し出しが非常に容易であり、非常に容易に築盛及び形態修正を実施することができる場合
B:歯科修復用コンポジットレジンの粘度が適当であり、シリンジからの押し出しが容易であり、容易に築盛及び形態修正を実施することができる場合
C:歯科修復用コンポジットレジンの粘度が高いが、シリンジからの押し出しが可能であり、形態修正を実施することできる場合
D:歯科修復用コンポジットレジンの粘度が高く、シリンジからの押し出しが困難であり、形態修正を実施することが困難である場合
表2に、歯科修復用コンポジットレジンの硬化体の曲げ強度、硬化時の収縮応力、操作性の評価結果を示す。
Figure 2021127309
表2から、実施例1〜24の歯科修復用コンポジットレジンは、硬化時の収縮応力が小さく、硬化体の曲げ強度が高いことがわかる。
これに対して、比較例1の歯科修復用コンポジットレジンは、連鎖移動剤を含まないため、硬化時の収縮応力が大きい。

Claims (5)

  1. 重合性単量体と、連鎖移動剤と、無機粒子を含み、
    前記無機粒子は、一般式(1)
    Figure 2021127309
    (式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、Rは、加水分解することが可能な基であり、Rは、炭素数が1以上6以下の炭化水素基であり、pは2又は3であり、qは8以上13以下の整数である。)
    で表される化合物、及び/又は、一般式(2)
    Figure 2021127309
    (式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、Rは、加水分解することが可能な基であり、Rは、炭素数が1以上5以下の炭化水素基であり、rは2又は3であり、sは1以上7以下の整数である。)
    で表される化合物により表面処理されており、体積中位粒径が0.1μm以上0.9μm以下である無機粒子(A)を含む、歯科修復用コンポジットレジン。
  2. 前記連鎖移動剤は、α−メチルスチレンダイマー、1−デカンチオール、γ−テルピネン又はジチオ安息香酸クミルである、請求項1に記載の歯科修復用コンポジットレジン。
  3. 前記重合性単量体に対する前記連鎖移動剤の質量比が0.1%以上5%以下である、請求項1又は2に記載の歯科修復用コンポジットレジン。
  4. 前記一般式(2)で表される化合物に対する前記一般式(1)で表される化合物の質量比が1以上である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の歯科修復用コンポジットレジン。
  5. 前記無機粒子は、一般式(3)
    Figure 2021127309
    (式中、R及びRは、それぞれ独立に、メチル基又はエチル基である。)
    で表される基、及び/又は、一般式(4)
    Figure 2021127309
    (式中、R、R10及びR11は、それぞれ独立に、メチル基又はエチル基である。)
    で表される基が表面に存在しており、平均一次粒径が5nm以上50nm以下である無機粒子(B)をさらに含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の歯科修復用コンポジットレジン。
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