JP2021124336A - 経路探索装置、経路探索方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

経路探索装置、経路探索方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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啓貴 浅尾
Hirotaka Asao
啓貴 浅尾
裕一 谷口
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裕一 谷口
豪仁 中村
Tsuyohito Nakamura
豪仁 中村
晃秀 窪田
Akihide Kubota
晃秀 窪田
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Abstract

【課題】ユーザーに対して、より適切な経路を提供する。【解決手段】ユーザー端末と通信する経路探索装置であって、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信し、前記出発地点から前記目的地点までの経路を前記ユーザー端末に送信する通信部と、それぞれ交通信号機を有する複数の交差点と、複数の前記交差点がそれぞれ属するサブエリアと、を対応付けした情報を含む信号サブエリア情報を記憶する記憶部と、前記信号サブエリア情報に基づいて、前記経路中において通過する前記サブエリアの数が少ないほど、リンクコストの累計が少なくなるように、前記経路を探索する探索処理を実行する情報処理部と、を備える。【選択図】図11

Description

本開示は、経路探索装置、経路探索方法及びコンピュータプログラムに関する。
特許文献1には、民間業者が管理する経路探索装置と、道路管理者が管理する交通情報処理装置とが協働して経路探索処理を行う技術が開示されている。特許文献1の経路探索装置では、VICS情報(「VICS」は、Vehicle Information and Communication Systemの略であり、(財)道路交通情報通信システムセンターの登録商標である。)に含まれるリンク旅行時間や渋滞情報に加えて、道路管理者により運営される交通管制センターに設けられる交通情報処理装置に含まれる工事規制や交通規制などの規制情報や、車両感知器の感知信号に基づく測定交通量を考慮したリンクコストにより経路探索処理を行う。
また、特許文献2には、目的地までの推奨経路を、リンクコストに関するコスト情報と、交通信号機が信号制御を実施した場合の周辺道路における交通量の影響についての影響情報とに基づいて探索する技術が開示されている。
特開2015−114271号公報 特開2013−156052号公報
従来、渋滞情報や規制情報等の交通状況を加味するなど、より適切な経路をユーザーに提供するための様々な取り組みがなされてきた。しかしながら、同じ経路を通る場合であっても、曜日や時間帯によって交通信号機における停止回数が多くなり、出発地点から目的地点への所要時間が長くなるという課題が生じる。
この課題の原因のひとつは、曜日や時間帯によって、信号サブエリアが異なることにある。信号サブエリアとは、交通形態の似通った交差点のグループである。交通情報処理装置は、道路の交通量や交差点の重要度に応じて、複数の交差点を複数の信号サブエリアにグループ分けし、当該信号サブエリアごとに適した信号制御パラメータを設定する。
例えば、平日の朝・夕のラッシュ時において、住宅街とオフィス街とを結ぶ信号サブエリアを設定し、当該信号サブエリア内の交通信号機のサイクル長を等しくした状態で、車両の通行がスムーズになるようにオフセットを設定する。これに対し、休日においては、住宅地と行楽地との間での車両の通行がスムーズになるように、住宅街と行楽地とを結ぶ信号サブエリアを設定する。このように、交通情報処理装置は、曜日や時間帯より、異なる信号サブエリアを設定し、交通信号機を制御する。
かかる課題に鑑み、本開示は、信号サブエリアを考慮した経路探索を行うことで、ユーザーに対してより適切な経路を提供することを目的とする。
本開示の経路探索装置は、ユーザー端末と通信する経路探索装置であって、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信し、前記出発地点から前記目的地点までの経路を前記ユーザー端末に送信する通信部と、それぞれ交通信号機を有する複数の交差点と、複数の前記交差点がそれぞれ属するサブエリアと、を対応付けした情報を含む信号サブエリア情報を記憶する記憶部と、前記信号サブエリア情報に基づいて、前記経路中において通過する前記サブエリアの数が少ないほど、リンクコストの累計が少なくなるように、前記経路を探索する探索処理を実行する情報処理部と、を備える、経路探索装置である。
本開示の経路探索方法は、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信するステップと、それぞれ交通信号機を有する複数の交差点と、複数の前記交差点がそれぞれ属するサブエリアと、を対応付けした情報を含む信号サブエリア情報を記憶するステップと、前記信号サブエリア情報に基づいて、前記経路中において通過する前記サブエリアの数が少ないほど、リンクコストの累計が少なくなるように、前記出発地点から前記目的地点までの経路を探索するステップと、前記経路を前記ユーザー端末に送信するステップと、を備える、経路探索方法である。
本開示のコンピュータプログラムは、ユーザー端末と通信する経路探索装置として、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信するステップと、それぞれ交通信号機を有する複数の交差点と、複数の前記交差点がそれぞれ属するサブエリアと、を対応付けした情報を含む信号サブエリア情報を記憶するステップと、前記信号サブエリア情報に基づいて、前記経路中において通過する前記サブエリアの数が少ないほど、リンクコストの累計が少なくなるように、前記出発地点から前記目的地点までの経路を探索するステップと、前記経路を前記ユーザー端末に送信するステップと、を備える、コンピュータプログラムである。
本開示によれば、ユーザーに対して、より適切な経路を提供することができる。
図1は、実施形態に係る経路探索システムの全体構成図である。 図2は、実施形態に係る経路探索装置と交通情報処理装置の機能を模式的に示すブロック図である。 図3は、実施形態に係る信号サブエリア情報取得処理の順序を示すフローチャートである。 図4は、図3の灯色変化情報取得工程を説明する説明図である。 図5は、図3の灯色変化情報取得工程を説明する説明図である。 図6は、図3の交差点タイプ判定工程の詳細を示すフローチャートである。 図7は、図3の信号サブエリア予測工程を説明する説明図である。 図8は、図3の信号サブエリア予測工程を説明する説明図である。 図9は、実施形態に係る経路探索方法の順序を示すフローチャートである。 図10は、極小ゾーンの一例を示す平面地図である。 図11は、信号サブエリア情報を用いる経路探索処理を説明する説明図である。 図12は、信号サブエリア情報を用いる経路探索処理を説明する説明図である。 図13は、変形例に係る経路探索装置と交通情報処理装置の機能を模式的に示すブロック図である。
[本開示の実施形態の説明]
本開示の実施形態には、その要旨として、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)本開示の経路探索装置は、ユーザー端末と通信する経路探索装置であって、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信し、前記出発地点から前記目的地点までの経路を前記ユーザー端末に送信する通信部と、それぞれ交通信号機を有する複数の交差点と、複数の前記交差点がそれぞれ属するサブエリアと、を対応付けした情報を含む信号サブエリア情報を記憶する記憶部と、前記信号サブエリア情報に基づいて、前記経路中において通過する前記サブエリアの数が少ないほど、リンクコストの累計が少なくなるように、前記経路を探索する探索処理を実行する情報処理部と、を備える、経路探索装置である。
信号サブエリア情報に基づく補正を行うことで、サブエリアを通過する数がより少ない経路をユーザーに提供することができる。同じ信号サブエリア内を通行する場合、信号サブエリア内において車両の通行がスムーズになるように設定されたオフセットにより、交通信号機での停止回数を少なくできる傾向がある。このため、上記のような経路を探索することで、経路中における実際の信号停止回数を少なくすることができ、より適切な経路をユーザーに提供することができる。
(2)好ましくは、前記通信部は、複数の車両から、前記交通信号機の灯色の変化に関する灯色変化情報を受信し、前記情報処理部は、前記灯色変化情報に基づいて、前記記憶部に記憶される前記信号サブエリア情報を更新する。
このように構成することで、道路管理者から実際の信号制御パラメータが提供されない場合であっても、複数の車両から受信される灯色変化情報に基づいて信号サブエリア情報を更新することができる。また、信号サブエリア情報を更新し、経路探索を行う時点における信号サブエリア情報を用いて経路探索処理を行うことで、曜日や時間帯の違いによって生じる旅行時間(最適経路の通行に所要する時間)のばらつきを抑制することができる。
(3)好ましくは、前記灯色変化情報は、前記車両の車載カメラにより撮像された画像中の前記交通信号機の灯色が変化する変化時刻を含み、前記情報処理部は、前記変化時刻に基づいて、サイクル長の予測値を前記交通信号機ごとに算出し、前記サイクル長の予測値に基づいて、前記信号サブエリア情報を更新する。
灯色変化情報は、車載カメラにより撮像された画像に基づいて取得される情報であるため、新たに特別なセンサを車両に追加する必要がなく、比較的容易に灯色変化情報を収集することができる。
(4)好ましくは、前記変化時刻は、前記交通信号機が赤灯から青灯へ変化する第1変化時刻を含み、前記情報処理部は、複数の前記第1変化時間の間隔に基づいて、前記サイクル長の予測値を算出し、互いに隣接し、かつ前記サイクル長の予測値が同じ複数の前記交差点を、同じ前記サブエリアに属すると判定し、判定した前記サブエリアに基づいて前記信号サブエリア情報を更新する。このように構成することで、道路管理者から実際の信号制御パラメータが提供されない場合であっても、複数の車両から提供される灯色変化情報に基づいて信号サブエリア情報を更新することができる。
(5)好ましくは、前記情報処理部は、重要交差点を起点として、複数の前記交差点が同じ前記サブエリアに属するか否かを判定する。このように構成することで、サブエリアを実際の信号サブエリアに則した判定を行うことができ、信号サブエリア情報の精度を高めることができる。
(6)前記変化時刻は、前記交通信号機が青灯から黄灯へ、又は黄灯から赤灯へ変化する第2変化時刻を含み、前記情報処理部は、前記第1変化時間と前記第2変化時間の差分に基づいて、スプリットの予測値を算出し、複数の前記交差点のうち、前記サイクル長の予測値の3倍以上の時間の中で前記スプリットの予測値が2回以上変化する前記交通信号機を含む前記交差点を、前記重要交差点であると判定する。このように構成することで、複数の車両から提供される灯色変化情報に基づいて、複数の交差点のうちから重要交差点を見出すことができる。
(7)本開示の経路探索方法は、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信するステップと、それぞれ交通信号機を有する複数の交差点と、複数の前記交差点がそれぞれ属するサブエリアと、を対応付けした情報を含む信号サブエリア情報を記憶するステップと、前記信号サブエリア情報に基づいて、前記出発地点から前記目的地点までの経路を、前記経路中において通過する前記サブエリアの数が少ないほど、リンクコストの累計が少なくなるように探索するステップと、前記経路をユーザー端末に送信するステップと、を備える、経路探索方法である。
信号サブエリア情報に基づく補正を行うことで、サブエリアを通過する数がより少ない経路をユーザーに提供することができる。同じ信号サブエリア内を通行する場合、信号サブエリア内において車両の通行がスムーズになるように設定されたオフセットにより、交通信号機での停止回数を少なくできる傾向がある。このため、上記のような経路を探索することで、経路中における実際の信号停止回数を少なくすることができ、より適切な経路をユーザーに提供することができる。
(8)本開示のコンピュータプログラムは、ユーザー端末と通信する経路探索装置として、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信するステップと、それぞれ交通信号機を有する複数の交差点と、複数の前記交差点がそれぞれ属するサブエリアと、を対応付けした情報を含む信号サブエリア情報を記憶するステップと、前記信号サブエリア情報に基づいて、前記出発地点から前記目的地点までの経路を、前記経路中において通過する前記サブエリアの数が少ないほど、リンクコストの累計が少なくなるように探索するステップと、前記経路を前記ユーザー端末に送信するステップと、を備える、コンピュータプログラムである。
信号サブエリア情報に基づく補正を行うことで、サブエリアを通過する数がより少ない経路をユーザーに提供することができる。同じ信号サブエリア内を通行する場合、信号サブエリア内において車両の通行がスムーズになるように設定されたオフセットにより、交通信号機での停止回数を少なくできる傾向がある。このため、上記のような経路を探索することで、経路中における実際の信号停止回数を少なくすることができ、より適切な経路をユーザーに提供することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本開示の実施形態の詳細を説明する。
《経路探索システムの全体構成》
図1は、実施形態に係る経路探索システム1と、交通情報処理装置5を含む交通信号制御システムとを示す全体構成図である。図2は、実施形態に係る経路探索システム1と、交通情報処理装置5を含む交通信号制御システムの機能ブロック図である。
図2を参照する。経路探索システム1は、ナビゲーションセンター2に設けられた経路探索装置3と、複数のユーザー端末7とを備えている。ナビゲーションセンター2は民間業者により運営されており、経路探索装置3は民間業者により管理されている。交通信号制御システムは、交通管制センター4に設けられた交通情報処理装置5を備えている。
交通管制センター4は道路管理者により運営されており、交通情報処理装置5は道路管理者により管理されている。すなわち、経路探索装置3と交通情報処理装置5は、それぞれ異なる管理者により管理されている。本実施形態に係る経路探索装置3と交通情報処理装置5との間において、情報の授受はなされない。
経路探索装置3は、無線基地局10及びインターネット網11を介して、複数のユーザー端末7と通信する。経路探索装置3は、FM多重放送で配信されるVICS情報を道路交通情報センター(図示せず)から取得している。また、経路探索装置3は、プローブ情報と、後述の灯色変化情報とを複数の車両6にそれぞれ設けられた車載装置から取得している。
なお、「車両」とは、自動車、原動機付き自転車、軽車両及びトロリーバス等のことをいう。また、「車載装置」とは、車両6に搭載されており、車両6の搭乗者に対して目的地までの経路を案内するナビゲーション機能と、車両6の前方を撮影した画像を記憶する機能とを有するコンピュータ装置のことをいう。
本実施形態の経路探索システム1は、後述の灯色変化情報に基づいて信号サブエリア情報を取得する。そして、経路探索システム1は、ナビゲーションセンター2に予め入会した登録会員(ユーザー)に対して、信号サブエリア情報を考慮した経路探索を行って、その探索結果をユーザーに提供する。したがって、経路探索システム1によれば、VICSから得られるVICS情報(既発の渋滞情報やリンク旅行時間など)のみを考慮した経路探索よりも精度の高い探索結果を、ユーザーに提供することができる。
《ユーザー端末の構成》
ユーザー端末7は、経路探索要求の入力及び経路探索結果の出力を利用するためのアプリケーションがインストールされ、経路探索装置3と通信可能な情報機器である。ユーザー端末7としては、例えばノートパソコン、デスクトップパソコン、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末が挙げられる。なお、ユーザー端末7は、車両6に恒久的に搭載された車載装置(いわゆるナビゲーション装置)であってもよいし、車両6に一時的に搭載された携帯型の情報機器(例えば、スマートフォン)であってもよし、車両6に搭載されない情報機器(例えば、デスクトップパソコン)であってもよい。
ユーザー端末7は、入力部(例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、マイク等)と、表示部(例えば、ディスプレイ、スピーカー等)と、無線基地局10と通信する通信部とを備えている。ユーザー端末7の入力部に所定の探索条件が入力されると、ユーザー端末7は、当該探索条件を無線基地局10及びインターネット網11を介して経路探索装置3に送信する。
ユーザー端末7に入力可能な探索条件は、例えば、出発地点(現在地点を含む。)や目的地点、出発時刻又は到着時刻、経由地、優先経路(一般道路優先又は有料道路優先や、距離優先又は道幅優先)等である。ユーザー端末7がGPS(Global Positioning System)受信機などの位置検出機能を有する場合、ユーザー端末7は、当該位置検出機能により検出した現在位置を出発地点として設定可能である。探索条件の設定については、後述する。
また、ユーザー端末7は、経路探索装置3から最適経路のデータを受信すると、受信した最適経路を含む道路地図を表示部に表示することにより、最適経路をユーザーに提供することができる。
《交通信号制御システムの構成》
交通管制センター4の交通情報処理装置5は、所定の管轄エリアに含まれる交通信号機12の灯色を制御する交通信号制御システムに含まれている。当該交通信号制御システムは、交通情報処理装置5と、交通信号機12と、交通信号制御機13と、車両感知器14とを有する。交通信号制御機13は、管轄エリア内の各交差点に設置されている。
交通信号制御機13は、電話回線等の通信回線8及びルーター9を介して、交通情報処理装置5に接続されている。また、車両感知器14は、通信回線8を介して交通信号制御機13に接続されている。これにより、交通情報処理装置5は、管轄エリアに含まれる交差点の交通信号制御機13とLAN(Local Area Network)を構成している。交通情報処理装置5は、各交差点の交通信号制御機13と双方向に通信可能である。また、複数の交通信号制御機13は、それぞれ他の交通信号制御機13と互いに双方向に通信可能である。
車両感知器14は、例えば幹線道路の流入路に設置され、道路を走行する車両6の存在を1台ずつ検出する路側センサである。車両感知器14により取得された感知信号は、通信回線8、交通信号制御機13及びルーター9を介して、交通情報処理装置5に送信される。車両感知器14としては、例えば、道路上に架設され直下を通行する車両6を超音波により感知する超音波式センサ、道路上に架設され車両6の通過時の温度変化から車両6の通過を感知する温度式センサ、道路に埋設され車両6の通過時のインダクタンス変化から車両6の通過を感知するループコイル等が挙げられる。
交通情報処理装置5は、車両感知器14の感知信号に基づいて、交通状況に応じた信号制御パラメータを決定し、当該信号制御パラメータを交通信号制御機13に送信する。信号制御パラメータは、例えばサイクル長、スプリット及びオフセットを含む。
ここで、「サイクル長」とは、交通信号機12の1サイクルの時間のことであり、例えば、交通信号機12の青丸灯の開始時刻から次の青丸灯の開始時刻までの時間である。「スプリット」とは、1サイクルの時間のうち、交差点を構成する各道路に割り当てられる時間(又は各道路の時間配分の割合)のことであり、例えば交通信号機12の青丸灯の点灯が継続する時間である。「オフセット」とは、隣接する交差点間における交通信号機12の青丸灯の開始タイミングに持たせるずれ時間(又はずれ割合)のことをいう。
交通信号機12は、青丸灯、黄丸灯、赤丸灯及び右左折矢印灯等の信号灯器を有し、交差点等を通過する車両6へ停止指示等の信号を示す装置である。交通信号機12は、交通信号制御機13により点灯及び消灯が制御される。
交通信号制御機13は、交通情報処理装置5から受信した信号制御パラメータに従って交通信号機12の灯色の切り替えタイミング(ステップ秒数)を生成する。交通信号制御機13は、生成した切り替えタイミングに従って、交通信号機12に制御信号を出力する。
上記のように、交通状況に応じて交通信号機12の灯色を制御することを「交通感応制御」と称する。交通感応制御の例として、車両感知器14の感知信号から求めた流入交通量に基づいて、同一道路上の交通信号機12のセットの灯色を調整する「系統制御」や、当該系統制御を道路網に拡張して行う「広域制御」が挙げられる。
《交通情報処理装置の構成》
図2を参照する。交通情報処理装置5は、コンピュータ装置30と、通信部31と、交通情報データベース32と、地図データベース33とを備えている。コンピュータ装置30は、例えばワークステーションである。通信部31は、通信インターフェースである。通信部31は、通信回線8及びルーター9を介して、交通信号制御機13及び車両感知器14と接続されている。本実施形態において、交通情報処理装置5は、交通管制センター4内に設置されている。しかしながら、交通情報処理装置5は、道路上に設置されていてもよい。
交通情報データベース32は、車両感知器14からほぼリアルタイムで得られる感知信号に基づいて算出された、交差点に流入する車両6の通過台数(流入リンクの測定交通量)を記憶しているデータベースである。また、交通情報データベース32は、交通情報を記憶してもよい。交通情報としては、例えば、道路交通情報センターから取得したVICS情報、プローブセンター(図示せず)から取得した車両6のプローブ情報(走行軌跡)等が挙げられる。交通情報データベース32は、新たな交通情報を受信すると、逐次更新される。
交通情報処理装置5の地図データベース33は、経路探索装置3における後述の地図データベース25と同様に、「交差点データ」と「リンクデータ」とを含む道路地図データ26を記録しているデータベースである。道路地図データ26については、後述する。
交通情報処理装置5のコンピュータ装置30は、記憶装置34と、演算装置35とを備えている。記憶装置34は、HDD(Hard disk drive)と、RAM(Random access memory)と、ROM(Read only memory)とを有し、所定のプログラムを記憶している。記憶装置34が記憶しているプログラムは、車両感知器14の感知信号から求まるリンク交通量に応じて、信号制御パラメータを設定する前述の系統制御や広域制御を実行するプログラムを含む。演算装置35は、CPU(Central processing unit)を有し、記憶装置34からプログラムを読み出して各種の演算を実行する。
演算装置35によりプログラムが実行されると、リンク交通量等の情報に基づいて、信号制御パラメータが取得される。取得された信号制御パラメータは、記憶装置34に記憶される。
《経路探索装置の構成》
経路探索装置3は、コンピュータ装置20と、通信部22と、会員データベース23と、交通情報データベース24と、地図データベース25とを有する。コンピュータ装置20は、例えばワークステーションである。
通信部22は、インターネット網11を介して無線基地局10に接続されている。ユーザー端末7も、無線通信を介して無線基地局10に接続されているため、通信部22は、ユーザー端末7との間で情報の送受信を行うことができる。
会員データベース23は、経路探索システム1に登録されている会員の識別情報が記憶されているデータベースである。コンピュータ装置20は、会員データベース23に保存された特定の登録会員から受信した探索要求に基づいて、後述する経路探索処理(図9)を実行する。
交通情報データベース24は、交通情報が記憶されているデータベースである。交通情報としては、例えば、道路交通情報センターから取得したVICS情報、プローブセンター(図示せず)から取得した車両6のプローブ情報(走行軌跡)、車両6の車載カメラにより撮影された画像に基づいて取得した灯色変化情報、当該灯色変化情報に基づいて算出した信号サブエリア情報等が挙げられる。交通情報データベース24は、新たな交通情報を受信すると、逐次更新される。
地図データベース25は、道路地図データ26が記録されているデータベースである。道路地図データ26は、「交差点データ」と、「リンクデータ」とを有する。「交差点データ」は、全国の交差点に付与された交差点IDと、当該交差点の位置を対応付けたデータである。「リンクデータ」は、全国の道路に対応して付与されたリンクLのリンクIDと、次の情報1)〜5)を対応付けたデータである。
1) リンクLの始点・終点・補間点の位置
2) リンクLの始点に接続するリンクID
3) リンクLの終点に接続するリンクID
4) リンクLの道路種別
5) リンクLのリンクコストLC
図1を参照する。道路地図データ26は、ノードNとリンクLとを有する有向グラフを含む。ノードNは交差点ごとに設定される。なお、交差点以外の地点(例えば道路の途中地点)にノードNが設定されてもよい。リンクLは、隣接するノードNの間をつなぐように設定され、実際の道路線形と走行方向を表す。走行方向を表すために、リンクLは指向性を有する。一方通行の道路の場合は、一方向のリンクLのみが設定され、双方向に通行可能な道路の場合は、向きが異なる一対のリンクLが設定される。リンクLの道路種別としては、例えば、一般道路、有料道路等が挙げられる。
リンクコストLCは、特定のリンクLと、当該リンクLの終点に接続する他のリンクLの組み合わせの数だけ用意されている。道路地図データ26に記録されるリンクコストLCの構成要素としては、リンクLの始点に進入してから当該リンクLの終点を退出し、次に接続するリンクLの始点に進入するまでに要するリンク旅行時間LTを含む。
すなわち、リンク旅行時間LTは、リンクLの始点から終点までを走行するのに要する「リンク通過時間」と、当該リンクLの終点から次のリンクLの始点までを走行するのに要する通過時間、つまり、交差点通過に要する「交差点通過時間」とが含まれる。
リンク旅行時間LTは、平日、土曜、日曜及び祝日といった日種別ごとに、現時点から1日先までの5分ごとのデータが用意されており、この5分ごとのデータは、交通情報データベース24のVICS情報や、プローブセンターから取得したプローブ情報(走行軌跡)などに基づいて生成される。また、道路地図データ26に記録されるリンクコストLCの構成要素としては、リンクLの始点・終端間の距離(リンクの距離LD)も含まれている。
図2を参照する。経路探索装置3のコンピュータ装置20は、記憶装置27と、演算装置28(情報処理部)とを備えている。記憶装置27は、HDD(Hard disk drive)と、RAM(Random access memory)と、ROM(Read only memory)とを有する。記憶装置27には、各種のコンピュータプログラムが記憶されている。
コンピュータプログラムは、信号サブエリア情報取得プログラムを有する。信号サブエリア情報取得プログラムは、灯色変化情報に基づいて信号サブエリア情報を算出する処理(図3のステップST11〜ST14)を実行するプログラムである。
また、コンピュータプログラムは、地点変換プログラムと、経路探索プログラムとを有する。地点変換プログラムは、ユーザーが設定した探索要求に含まれる出発地点及び目的地点の位置情報(以下、「OD情報」ともいう。)を、極小ゾーンの代表地点に変換する処理(図9のステップST22)を実行するプログラムである。
経路探索プログラムは、車両6が出発地点から目的地点まで走行する場合の通行コスト(リンクコストLCの累計)が最小となる経路を探索する処理(図9のステップST23)を、所定の探索アルゴリズムを用いて実行するプログラムである。交通情報データベース24に記憶されている信号サブエリア情報は、上記の経路探索プログラムを実行する際に、リンクコストLCの累計を補正する値として加味される。これらの処理の詳細は、後述する。
演算装置28は、CPU(Central processing unit)を有し、記憶装置27からコンピュータプログラムを読み出して各種の演算を実行する。演算装置28は、例えばダイクストラ法やポテンシャル法による探索アルゴリズムにより、通行コスト(リンクコストLCの累計)が最小となる経路を探索する。ダイクストラ法は、開始リンクから中間リンクのツリーを構成して行くに当たり、ある中間リンクから他の中間リンクに分岐する場合に、分岐後の中間リンクを含む経路コスト(開始リンクから分岐後の中間リンクまでのリンクコストLCの累計)の大小を比較し、この経路コストの小さい順に並べ変えるとともに、その経路コストの小さい中間リンクから更に探索を続けて行く探索アルゴリズムである。
《信号サブエリア予測処理の内容》
図3は、本実施形態に係る信号サブエリア情報取得処理の順序を示すフローチャートである。ここで、「信号サブエリア」は、交通形態の似通った交差点のグループである。同じ信号サブエリアに属する交差点の交通信号機12は、同じサイクル長又は類似するサイクル長により制御される。信号サブエリアは、それぞれの交通信号機12を制御する信号制御パラメータの変化に応じて、変化する。
信号制御パラメータに関する情報は、交通情報処理装置5に記憶されており、本実施形態において当該情報は民間業者が管理する経路探索装置3には直接提供されることはない。このため、本実施形態では、複数の車両6の車載カメラにより取得される灯色変化情報に基づいて、信号制御パラメータの予測値を算出する。そして、当該予測値に基づいて、信号サブエリアを予測することで信号サブエリア情報を取得する。
信号サブエリア情報取得処理が開始されると、はじめに、経路探索装置3は複数の車両6から灯色変化情報を取得する灯色変化情報取得工程ST11を実行する。図2に示すように、経路探索装置3は複数の車両6と無線基地局10及びインターネット網11を介して通信する。そして、経路探索装置3は、複数の車両6にそれぞれ搭載された車載カメラの画像から、交通信号機12の位置と、交通信号機12の灯色が変化する時刻とを含む灯色変化情報を取得する。
灯色変化情報は、赤丸灯から青丸灯へ変化する時刻を含む第1灯色変化情報と、青丸灯から黄丸灯(又は黄丸灯から赤丸灯)へ変化する時刻を含む第2灯色変化情報と、を有する。
図4は、灯色変化情報取得工程ST11のうち、第1灯色変化情報を取得する工程を説明する説明図である。図4中の(a)は、車両6の車載カメラの画像に、交差点J1と、赤丸灯が点灯している交通信号機12とが写っている様子を示している。車両6は、交差点J1において交通信号機12の停止指示により停止しており、その際に、図4中の(a)の画像を撮像している。その後、図4中の(b)に示すように、車両6の車載カメラの画像には、交通信号機12が赤丸灯から青丸灯へ変化する様子が写される。
車両6の車載装置は、車載カメラの画像が図4中の(a)から(b)に変化する時刻を、交通信号機12が赤丸灯から青丸灯へ変化する第1変化時刻として取得する。また、車両6の車載装置は、GPS機能及びプローブ情報に基づいて交通信号機12の位置情報を取得する。そして、車両6の車載装置は、第1変化時刻と、交通信号機12の位置情報と、を含む第1灯色変化情報を経路探索装置3へ送信する。
図5は、灯色変化情報取得工程ST11のうち、第2灯色変化情報を取得する工程を説明する説明図である。図5中の(a)は、車両6の車載カメラの画像に、交差点J1と、青丸灯が点灯している交通信号機12とが写っている様子を示している。その後、図5中の(b)に示すように、車両6の車載カメラの画像には、交通信号機12が青丸灯から黄丸灯へ変化する様子が写される。
車両6の車載装置は、車載カメラの画像が図5中の(a)から(b)に変化する時刻を、交通信号機12が青丸灯から黄丸灯へ変化する第2変化時刻として取得する。また、車両6の車載装置は、GPS機能及びプローブ情報に基づいて交通信号機12の位置情報を取得する。そして、車両6の車載装置は、第2変化時刻と、交通信号機12の位置情報と、を含む第2灯色変化情報を経路探索装置3へ送信する。
経路探索装置3は、複数の車両6から、それぞれ複数の灯色変化情報を受信する。受信した灯色変化情報は、交通情報データベース24(記憶部)に記憶される。以上により、灯色変化情報取得工程ST11が終了する。なお、上記の例に代えて、交通信号機12が黄丸灯から赤丸灯へ変化する時刻を、第2変化時刻として取得するようにしてもよい。
図3を参照する。次に、経路探索装置3は、交通情報データベース24に記憶されている灯色変化情報に基づいて、交通信号機12ごとに信号制御パラメータの予測値を算出する信号制御予測値算出工程ST12を実行する。
本実施形態に係る信号制御パラメータの予測値は、サイクル長の予測値と、スプリットの予測値とを有する。サイクル長は、交通信号機の青開始時刻から次の青開始時刻までの1サイクルの時間であるから、サイクル長の予測値は、複数の第1変化時刻(すなわち、青開始時刻)の間隔から算出される。例えば、交差点J1の所定の交通信号機12において、複数の車両6から、複数の第1変化時刻(例えば、9時00分00秒と、9時02分30秒)が取得された場合、これら複数の第1変化時刻の間隔(150秒)を、サイクル長の予測値として算出する。算出されたサイクル長の予測値は、交通情報データベース24に記憶される。
また、スプリットは、1サイクルの時間のうち、交差点を構成する各道路に割り当てられる時間であり、例えば、所定の交通信号機12における青時間の秒数である。このため、スプリットの予測値は、第1変化時刻(青開始時刻)と第2変化時刻(青終了時刻)の差分から算出される。例えば、交差点J1の所定の交通信号機12において、複数の車両6から、第1変化時刻(例えば、9時00分00秒)と、第2変化時刻(例えば、9時01分00秒)が取得された場合、第1変化時刻と第2変化時刻の差分(60秒)を、スプリットの予測値として算出する。算出されたスプリットの予測値は、交通情報データベース24に記憶される。以上のように、交通信号機12ごとに信号制御パラメータの予測値を算出すると、信号制御予測値算出工程ST12が終了する。
次に、経路探索装置3は、交通情報データベース24に記憶されている信号制御パラメータの予測値に基づいて、交差点ごとに信号制御のタイプを判定する交差点タイプ判定工程ST13を実行する。交差点タイプ判定工程ST13では、例えば算出する時点から過去に遡って所定の時間分(例えば、2時間分)の複数の信号制御パラメータの予測値を用いて、信号制御のタイプを判定する。
図6は、交差点タイプ判定工程ST13のサブルーチンを示すフローチャートである。本実施形態に係る信号制御は、第1〜第4タイプの4種類のタイプを有する。第1タイプは、所定の入力が生じた場合にのみ、灯色変化を生じさせる信号制御を行うタイプである。第1タイプは、歩行者により押ボタンが押されたときにのみ灯色変化が生じる押ボタン式信号制御と、車両感知器により車両が感知されたときにのみ灯色変化が生じるリコール信号制御とを含む。
第1タイプは、所定の入力が生じるまで、延々と青丸灯の点灯(又は、黄丸灯の点滅)が続く。このため、交差点タイプ判定工程ST13が開始されると、はじめに、所定の交通信号機12において、複数のサイクル長の予測値の中に、所定の第1時間T1以上となる時間が含まれるか否かを判定する(ステップST131)。
第1時間T1は、一般的なサイクル長(例えば、120秒、150秒)よりも十分に長い時間(サイクル長の2〜5倍)であり、例えば300秒(サイクル長150秒の2倍)である。サイクル長の予測値に1個でも第1時間T1以上となる場合が含まれれば(ステップST131のYES)、当該交差点の信号制御のタイプを第1タイプと判定する(ステップST132)。サイクル長の予測値に第1時間T1以上となる場合が含まれない場合(ステップST131のNO)、第2タイプの判定(ステップST133)に進む。
なお、ステップST131において、サイクル長の予測値に代えて、スプリットの予測値により比較を行ってもよい。この場合、一般的なスプリット(例えば、100秒)よりも十分に長い時間(例えば、200秒)を第1時間T1としてもよい。また、灯色変化情報取得工程ST11において、黄丸灯の点滅が続く交通信号機12の画像が取得された場合、ステップST131において当該交通信号機12の信号制御を第1タイプと判定してもよい。
第2タイプは、交通量の変化にかかわらず、一定のサイクル長及びスプリットにより灯色変化を生じさせる信号制御を行うタイプ(定周期交差点)である。第2タイプは、サイクル長及びスプリットが全く変わらない信号制御のほか、平日と休日、早朝、通勤時間、昼、夕方、夜といった比較的長時間(例えば、1時間)の時間帯ごとに、サイクル長及びスプリットの少なくとも一方を異ならせる信号制御も含む。
第2タイプは、所定の第2時間T2(例えば、30分以上2時間以下であり、より具体的には、1時間)の間、一定のサイクル長及びスプリットが続く。このため、所定の交通信号機12において、第2時間T2内に含まれる複数のスプリットの予測値(すなわち、青時間)が全て同じ値となるか否かを判定する(ステップST133)。換言すれば、ステップST133では、スプリットの予測値が一定値のまま変化しない時間(不変時間)が第2時間T2以上続くか否かを判定する。そして、第2時間T2内に含まれる複数のスプリットの予測値が全て同じ値である場合(ステップST133のYES)、当該交差点の信号制御のタイプを第2タイプと判定する(ステップST134)。第2時間T2内に含まれる複数のスプリットの予測値に、互いに異なる値が1個以上含まれる場合(ステップST133のNO)、第3タイプ又は第4タイプの判定(ステップST135)に進む。
なお、ステップST133において、スプリットの予測値に代えて、サイクル長の予測値により比較を行ってもよい。この場合、第2時間T2内に含まれる複数のサイクル長の予測値が全て同じ値となるか否かを判定する。
第3タイプは、車両感知器14により実測された交通量の変化に応じて、又は過去の交通量の変化に基づく予測交通量に応じて、第2タイプよりも短い時間間隔でスプリットを変更する信号制御を行うタイプ(一般集中交差点)である。第3タイプは、第2タイプの信号制御を行う交差点よりも車両の流入量が多い交差点で用いられる場合が多い。このため、第2タイプよりもスプリットの予測値の不変時間が短い場合、第3タイプに該当する可能性がある。
第4タイプは、サイクルごとにスプリットが変化するタイプ(重要交差点)である。第4タイプの信号制御を行う交差点は、例えば、交通渋滞が発生しやすい等の事情によりリアルタイムの交通状況を信号制御に反映させる必要性が高い交差点である。具体的には、車両の流入量が極めて多い交差点や、車両の流入量の増減幅が大きい交差点などが挙げられる。
第3タイプ又は第4タイプの判定(ステップST135)では、スプリットの予測値(青時間)がサイクルごとに変化する場合があるか否かを判定する。例えば、過去2時間分に含まれる複数のスプリットの予測値について、第3時間T3内にスプリットの予測値が所定回数T4以上変化する場合があるか否かを判定する。そして、所定回数T4以上変化する場合(ステップST135のYES)、第4タイプと判定し(ステップST137)、スプリットの予測値の変化が所定回数T4未満の場合(ステップST135のNO)、第3タイプと判定する(ステップST136)。
第3時間T3は、例えばサイクル長の3倍以上(例えば、注目する交通信号機12のサイクル長が150秒の場合、450秒以上)である。第3時間T3は、第3タイプのスプリット変更を行う時間間隔以下(例えば、15分以下)の時間であってもよいし、当該時間間隔よりも長い時間であってもよい。所定回数T4は、例えば2回である。第3時間T3がサイクル長の3倍の場合、3サイクル内にスプリットの予測値が2回変化するパターンが過去2時間のうちに1回でも存在すれば、第4タイプであると判定する。第3時間T3が第3タイプのスプリット変更を行う時間間隔よりも長い場合、所定回数T4を3回以上に設定する。
以上により、交差点ごとに信号制御のタイプを判定する。その後、判定したタイプを交通情報データベース24に記憶させると、交差点タイプ判定工程ST13が終了する。
図3を参照する。次に、経路探索装置3は、信号サブエリア予測工程ST14を実行する。信号サブエリア予測工程ST14は、信号制御予測値算出工程ST12にて算出した信号制御パラメータの予測値と、交差点タイプ判定工程ST13にて判定した交差点タイプとに基づいて、信号サブエリアを予測する。
図7及び図8は、信号サブエリア予測工程ST14の様子を示す説明図である。信号サブエリア予測工程ST14は、サブエリア単位予測工程と、サブエリア結合工程とを有する。図7は、サブエリア単位予測工程の様子を説明し、図8はサブエリア結合工程の様子を説明する。
図7を参照する。図7には、20個の交差点Ji(i=01〜20)と、それぞれの交差点Jiのタイプを示している。説明の簡単のため、以降の説明では、第3タイプ及び第4タイプのみを考慮する。図7中において、クロスハッチングが付された交差点Jx(x=01、04、05、08、14、17、20)は、第4タイプの信号制御であると判定された交差点である。図7中において、ハッチングが付された交差点Jy(y=02、03、06、07、09〜13、15、16、18、19)は、第3タイプの信号制御であると判定された交差点である。
信号サブエリア予測工程ST14が実行されると、はじめにサブエリア単位予測工程が実行される。ここで、「サブエリア単位」とは、同じサイクル長の予測値を有する交差点のグループである。本工程では、まず、第4タイプと判定された交差点Jxに注目する。そして、注目する交差点Jxと隣接する交差点Jx又はJyのサイクル長の予測値が、注目する交差点Jxのサイクル長の予測値と同じ場合には、これらの交差点Jx、Jyを同じサブエリア単位であると判定する。次に、サブエリア単位に新たに組み入れた交差点Jx又はJyと隣接する交差点Jx又はJyのサイクル長の予測値が、当該サブエリア単位に含まれる交差点Jx、Jyのサイクル長の予測値と同じ場合には、これらの交差点Jx、Jyを当該サブエリア単位に組み込む。このように、複数の交差点Jx、Jyのうち、互いに隣接し、かつ同じサイクル長の予測値を有するグループを、それぞれ同じサブエリア単位と判定する。
例えば、図7中に示すように、第4タイプと判定された交差点J01に注目する。そして、交差点J01と隣接する交差点J02、J06のサイクル長の予測値が、交差点J01のサイクル長の予測値と同じか否かを判定する。例えば、交差点J01と交差点J02のサイクル長の予測値が同じ場合、これら交差点J01、J02を同じサブエリア単位Sb1であると判定する。交差点J01と交差点J06のサイクル長の予測値が異なる場合、交差点J06はサブエリア単位Sb1には組み込まれない。続いて、交差点J02と隣接する交差点J03、J07のサイクル長の予測値が、交差点J02のサイクル長の予測値と同じか否かを判定する。そして、交差点J02と交差点J03のサイクル長の予測値が同じ場合、交差点J03はサブエリア単位Sb1に組み込まれる。
以上のように各交差点Jiのサブエリア単位を判定した結果、図7に示すように複数のサブエリア単位Sbj(jは任意の整数である。図7中において、j=1〜7。)が予測される。例えば、サブエリア単位Sb2には、交差点J04、J09が含まれる。互いに隣接するサブエリア単位Sbjは、それぞれ異なるサイクル長の予測値を有する。例えば、サブエリア単位Sb2の交差点J04のサイクル長の予測値と、サブエリア単位Sb3の交差点J05のサイクル長の予測値は、異なる。以上により、サブエリア単位予測工程が終了する。
サブエリア単位予測工程では、第4タイプ(重要交差点)と判定された交差点Jxを起点として、複数の交差点Jiが同じサブエリア単位Sbjに属するか否かを判定する。ここで、実際の信号サブエリアも、重要交差点を起点として設定されることが多い。このため、実際の信号サブエリアに則した判定を行うことができ、信号サブエリア情報の精度を高めることができる。
図8を参照する。次に、サブエリア結合工程が実行される。サブエリア結合工程では、互いに隣接するサブエリア単位Sbjの間で、サイクル長の予測値が近い場合に、これらのサブエリア単位Sbjを結合して、1つのサブエリア単位とする。例えば、隣接するサブエリア単位Sbj間のサイクル長の予測値の差分が、所定時間T5以下の場合に、これらのサブエリア単位Sbjを結合する。所定時間T5は、例えばサイクル長の予測値の1〜5%の時間である。例えば、サイクル長の予測値が150秒のとき、所定時間T5を5秒としてもよい。
例えば、図7において、サブエリア単位Sb2におけるサイクル長の予測値が150秒であり、サブエリア単位Sb5におけるサイクル長の予測値が155秒であり、所定時間T5が5秒である場合、サブエリア単位Sb2、Sb5間のサイクル長の予測値の差分(5秒)は所定時間T5以下であるため、これらのサブエリア単位Sb2、Sb5を結合して、図8に示すように、1つのサブエリア単位Sb8とする。図8には、同様に、図7のサブエリア単位Sb6、Sb7を結合して、新たなサブエリア単位Sb9とする例も示している。以上により、全てのサブエリア単位Sbjについて、隣接するサブエリア単位Sbjとのサイクル長の予測値の比較と、サブエリア単位Sbj同士の結合が行われると、結合後のサブエリア単位を交通情報データベース24に記憶して、サブエリア結合工程が終了する。以下、結合後のサブエリア単位のことを、単に「サブエリア」と称する。
以上により、信号サブエリアを予測する信号サブエリア予測工程ST14が終了する。交通情報データベース24には、信号サブエリアの予測情報である「信号サブエリア情報」が記憶される。信号サブエリア情報には、複数の交差点と、当該交差点が属するサブエリアとを対応付けした情報(例えば、テーブルデータ)が含まれる。なお、信号サブエリア情報は、地図データベース25に記憶されてもよい。
信号サブエリアは、時間帯(朝、昼、夜等)や曜日(平日、土日祝日等)により異なる場合がある。このため、経路探索装置3は、図3に示す信号サブエリア予測処理を適宜実行し、交通情報データベース24に記憶されている信号サブエリア情報を適宜更新する。
《経路探索処理の内容》
図9は、経路探索システム1が実行する、経路探索処理等の順序を示すフローチャートである。図2に示すように、経路探索装置3は複数のユーザー端末7から経路探索に関する要求(探索要求)を受け付ける。そして、経路探索装置3は、複数の探索要求のそれぞれに対して、信号サブエリア情報を加味して経路探索処理を行い、最適経路を取得する。経路探索装置3は、探索した最適経路をそれぞれのユーザー端末7へ送信する。
本実施形態の経路探索システム1では、はじめに、ユーザー端末7が、ナビゲーションセンター2の登録会員であるユーザーによる経路探索の条件設定を受け付ける(ステップST21)。探索要求には、出発地点及び目的地点と、出発時刻又は到着時刻と、に関する情報が含まれる。探索要求には、他に経由地点や、優先道路(一般道路優先、有料道路優先等)に関する情報が含まれていてもよい。探索要求は、無線基地局10及びインターネット網11を経由して経路探索装置3へ送信される。
経路探索装置3が探索要求を受信すると、経路探索装置3のコンピュータ装置20は、受信した探索要求に含まれるOD情報を、予め設定された「極小ゾーン」に対応する代表地点に変換する(ステップST22)。
経路探索システム1において、「極小ゾーン」とは、例えば、パーソントリップ調査における「小ゾーン」を更に分割するように設定された所定のエリア単位のことをいう。経路探索装置3の地図データベース25(図2参照)には、道路地図データ26に加えて、極小ゾーンとその内部に含まれる代表地点が予め記録されている。パーソントリップ調査の小ゾーンは、夜間人口で15000人を目安とするエリア単位のことをいい、人口が密集する都会では概ね2km四方のエリアとなる。
極小ゾーンは、かかる小ゾーンを更に分割して定義したものであり、例えば大きさで特定すると、約1km四方のエリア単位となり、時間で特定すると、時速30km/hを基準として約2分のエリア単位となる。
図10は、極小ゾーンZn(n=1〜11)の一例を示す平面地図である。図10に示すように、各極小ゾーンZnの内部には、道路の交差点位置に対応する代表地点Pn(n=1〜11)が予め定義されている。代表地点Pnは、極小ゾーンZnの内部にある幹線道路の交差点(例えば、重要交差点)の位置に対応している。
ここで、経路探索装置3によるOD情報の変換処理(図9のステップST22)は、ユーザーからの探索要求に含まれる実際のOD情報を、極小ゾーンZnに対応する近隣の代表地点Pnに変換することによって行われる。すなわち、図10に示すように、経路探索装置3のコンピュータ装置20は、探索要求に含まれる出発地点OR1と目的地点DE1がそれぞれどの極小ゾーンZnに含まれているかを判定し、各地点OR1、DE1を対応する極小ゾーンZnの代表地点Pnに置き換える。
例えば、出発地点OR1が極小ゾーンZ6に含まれ、目的地点DE1が極小ゾーンZ5に含まれている場合には、コンピュータ装置20は、出発地点OR1を極小ゾーンZ6の代表地点P6に変換し、目的地点DE1を極小ゾーンZ5の代表地点P5に変換する。なお、極小ゾーンは、1km四方のエリア単位よりも小さいエリア単位であってもよい。また、探索要求に含まれるOD情報を極小ゾーンZnの代表地点Pnに変換せずに、当該OD情報をそのまま用いて後述の経路探索処理(ステップST23)を実行してもよい。
図9を参照する。経路探索装置3のコンピュータ装置20は、探索要求に基づいてOD情報の変換処理を実行すると、次に、変換後のOD情報を出発地点及び目的地点として、経路探索処理を実行する(ステップST23)。
具体的には、経路探索装置3のコンピュータ装置20は、変換後の出発地点(図10の地点P6)に最も近いリンク又はノードを探索開始リンクとし、変換後の目的地点(図10の地点P5)に最も近いリンクを探索終了リンクとして、前述のリンクデータの中から、探索開始リンクから探索終了リンクまでを含むネットワークデータを、地図データベース25から取得する。次に、経路探索装置3のコンピュータ装置20は、取得したネットワークデータに対して前述の探索アルゴリズムを実行する。
すなわち、コンピュータ装置20は、探索開始リンクから探索終了リンクに至るリンクを順次加算してリンクのツリーを構成して行き、探索終了リンクに至るツリーの中で、次の式(1)により表される「リンクコストLC」の累計S1が少ない経路を、ダイクストラ法やポテンシャル法による経路探索ロジックにより求める。
LC=(a×LT)+(b×LD) ・・・(1)
式(1)において、LCは「リンクコスト」であり、LTは「リンク旅行時間」であり、LDは「リンクの距離」である。また、a、bは、ルート計算種別及びユーザーごとに設定可能な係数である。上記の式(1)は、さらに道路種別及び通行料金をリンクコストLCとして計上してもよい。
次に、次の式(2)に示すように、リンクコストLCの累計S1に、信号サブエリア情報に基づく補正値X1を加えることで、リンクコストLCの累計補正値S2を算出する。
S2=(c×S1)+(d×X1) ・・・(2)
ここで、c、dは、適宜設定される係数である。また、補正値X1は、経路中において、サブエリアSbjをまたぐ回数である。なお、補正値X1は、経路中に含まれるサブエリアSbjの個数であってもよい。
例えば、上記の経路探索ロジックにより、複数の経路(例えば、リンクコストLCの累計が最も少ない経路から10番目に少ない経路を含む10個の経路)を求める。そして、これら複数の経路のそれぞれについて、信号サブエリア情報の補正値X1を算出する。複数の経路のそれぞれについて、式(2)に示すように、リンクコストLCの累計S1を含む項に、補正値X1を含む項を加算し、リンクコストLCの累計補正値S2を算出する。すなわち、信号サブエリア情報に基づいて、経路中において通過するサブエリアSbjの数が少ないほど、累計補正値S2が少なくなるように、リンクコストLCの累計S1を補正値X1により補正する。以上により、複数の経路から、累計補正値S2が最も少ない経路を求める。
ここで、本実施形態において、式(1)及び式(2)を用いた経路探索処理により求められた最小コスト経路(すなわち、累計補正値S2が最も少ない経路)を、「最適経路」と称する。最適経路は、信号サブエリア情報に基づいて算出される補正値X1を加味した経路であるため、必ずしも最短距離となる経路とは一致しない。
図11及び図12は、本実施形態に係る経路探索処理を行った結果得られる最適経路について説明する説明図である。図11は、図8と同じ交差点Jiについて、交差点J16付近を出発地点OR1、交差点J05付近を目的地点DE1とする探索要求に基づいて経路探索処理を行った結果、最適経路として経路RT1が得られた様子を示している。ここで、図11では、ステップST22の地点変換処理により、出発地点OR1は地点P6に、目的地点DE1は地点P5に、それぞれ変換されている。
ここで、全ての交差点Ji間におけるリンクコストLCが等しい場合を仮定すると、経路RT1(交差点J16〜J20、J15、J10及びJ05を通る経路)のリンクコストLCの累計S1は、例えば交差点J16、J11、J06及びJ01〜J05を通る経路RT2のリンクコストLCの累計S1と等しくなる。このため、式(2)を考慮しない場合、これらの両経路のいずれも最適経路となる可能性がある。この場合、経路RT1、RT2のいずれを最適経路とするかは、経路探索ロジックの内容に依存する。
ここで、経路RT1の補正値X1は、サブエリアをSb9とSb3の間で1回またぐため、X1=1となる。また、経路RT2の補正値X1は、サブエリアをSb9とSb8の間、Sb8とSb4の間、Sb4とSb1の間、Sb1とSb8の間、Sb8とSb3の間で、5回またぐため、X1=5となる。このため、式(2)を考慮する場合、経路RT1の累計補正値S2の方が経路RT2の累計補正値S2よりも小さくなり、経路RT1が最適経路となる。
以上のように、信号サブエリア情報に基づく補正を行うことで、サブエリアを通過する数がより少ない経路を最適経路に選ぶことができる。同じ信号サブエリア内を通行する場合、信号サブエリア内において車両6の通行がスムーズになるように設定されたオフセット(「優先オフセット」ともいう。)により、交通信号機12での停止回数を少なくできる傾向がある。このため、上記のような最適経路を選ぶことで、経路中における実際の信号停止回数を少なくすることができ、より適切な経路をユーザーに提供することができる。
また、本実施形態に係る信号サブエリア情報は、複数の車両6から提供される灯色変化情報に基づいて取得される。このため、道路管理者から実際の信号制御パラメータが提供されない場合であっても、信号サブエリア情報を更新することができる。特に、灯色変化情報は、車両6に搭載されている車載カメラにより撮像された画像に基づいて取得される情報であるため、新たに特別なセンサを車両6に追加する必要がなく、比較的容易に灯色変化情報を収集することができる。
ここで、信号サブエリアは時間帯や曜日によって、又は車両感知器14による感知信号によって変化する。このため、信号サブエリア情報取得処理(図3)により取得され、交通情報データベース24に記憶される信号サブエリア情報も、時々刻々と変化する。図12は、図11と同じ複数の交差点Jiにおいて、図11とは異なる信号サブエリア情報に基づいて経路探索処理を行った結果、最適経路として経路RT3が得られた様子を示している。経路RT3は、交差点J16〜J19、J14、J09、J04及びJ05を通る経路である。
図12のサブエリアSb10〜Sb15は、それぞれ以下に示す交差点Jiを含む。
サブエリアSb10:交差点J01、J02
サブエリアSb11:交差点J03〜J05
サブエリアSb12:交差点J06〜J08
サブエリアSb13:交差点J11〜J13
サブエリアSb14:交差点J09、J14、J16〜J19
サブエリアSb15:交差点J10、J15、J20
図12の場合、経路RT1の補正値X1は、サブエリアをSb14とSb15の間、Sb15とSb11の間で2回またぐため、X1=2となる。すなわち、同じ経路RT1であっても、信号サブエリア情報により、補正値X1が異なる場合がある。また、経路RT3の補正値X1は、サブエリアをSb14とSb11の間で1回またぐため、X1=1となる。このため、図11の例とは異なり、図12の場合には経路RT3が最適経路となる。
このように、信号サブエリア情報を随時更新し、経路探索を行う時点におけるリアルタイムでの信号サブエリア情報を用いて経路探索処理を行うことで、曜日や時間帯の違いによって生じる旅行時間(最適経路の通行に所要する時間)のばらつきを抑制することができる。
ここで、上記の経路探索処理では、車両6のOD情報として、極小ゾーンZnの代表地点Pn(図10の地点P6と地点P5)を使用している。しかし、代表地点P6、P5は、ユーザーの探索要求に含まれる実際のOD情報(図10の出発地点OR1と目的地点DE1)とは異なる。そこで、経路探索処理(ステップST23)には、代表地点P6、P5間の経路を探索する経路探索処理に加えて、代表地点P6、P5からそれぞれ実際の出発地点OR1又は目的地点DE1に至るまでの、ゾーン内経路を求める経路探索処理が含まれる。
前述の通り、本実施形態の極小ゾーンZnは、概ね1km四方の比較的小さいエリア単位に設定されているので、ゾーン内経路を求める経路探索処理にて求まる経路は、幹線道路以外の比較的小規模な道路(すなわち、サブエリアの設定がない道路)となる可能性が高い。そこで、ゾーン内経路を求める経路探索処理については、例えば、累計補正値S2を求めずに、リンクコストLCの累計S1が最小となる経路を最適経路として求める処理のみを実行してもよい。
図9を参照する。次に、経路探索装置3のコンピュータ装置20は、経路探索処理によって算出した最適経路を、探索要求を送信したユーザー端末7に送信する(ステップST24)。なお、最適経路のほか、累計補正値S2が2番目に少ない経路(第2候補経路)を併せてユーザー端末7に送信してもよい。
ユーザー端末7は、経路探索装置3から最適経路を受信すると、ディスプレイに最適経路を表示することで、最適経路をユーザーに提供する(ステップST25)。なお、ユーザー端末7のディスプレイには、最適経路のほか、例えば、出発地点から目的地点までの走行距離と、有料道路を通行する場合の通行料金と、有料道路を通行する場合の入口と出口と、に関する表示が含まれていてもよい。また、ユーザー端末7のディスプレイには、第2候補経路を表示するためのボタンが含まれていてもよい。
ユーザー端末7のユーザーは、ユーザー端末7の入力部を用いて、提供された最適経路を選択する(ステップST26)。これにより、ユーザー端末7は選択された最適経路に応じて、経路案内をディスプレイ及びスピーカーに出力する。当該経路案内に従って、ユーザーが搭乗する車両6を走行させることで、ユーザーが希望する最適経路により目的地点に到着することができる。
《変形例》
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は前述した形態以外にも種々の変更を行うことが可能である。以下、本開示の実施形態に係る変形例について説明する。以下の変形例において、実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
上記の実施形態では、経路探索装置3と交通情報処理装置5との間において、情報の授受がなされない場合を説明した。しかしながら、交通情報処理装置5は実際に交通信号機12を制御するための信号制御パラメータを記憶しているため、当該信号制御パラメータが経路探索装置3に提供されれば、より高精度な経路探索処理を行うことが可能となる。
図13は、変形例に係る経路探索システム1aと、交通情報処理装置5を含む交通信号制御システムの機能ブロック図である。本変形例では、交通情報処理装置5から経路探索装置3aへ信号制御パラメータに関する情報が提供される場合を考える。
変形例に係る経路探索システム1aは、経路探索装置3aと、複数のユーザー端末7とを備えている。経路探索装置3aは、上記の実施形態に係る経路探索装置3の通信部22に代えて、第1通信部21と、第2通信部22aとを有する点で上記の実施形態と相違し、その他の点は共通する。第2通信部22aは、通信部22と同様に、インターネット網11及び無線基地局10を介して、複数のユーザー端末7と通信する。
第1通信部21は、通信回線8及びルーター9を介して、交通情報処理装置5の通信部31と通信する。交通情報処理装置5は、車両感知器14の感知信号に基づいて、交通状況に応じた信号制御パラメータを決定すると、当該信号制御パラメータを交通信号制御機13に送信するとともに、通信部31、通信回線8及びルーター9を介して、第1通信部21にも送信する。第1送信部21において受信された信号制御パラメータは、記憶装置27に記憶される。本変形例では、交通情報処理装置5から信号制御パラメータを直接取得する点で、上記の実施形態と相違する。
その後、交通情報処理装置5から取得した信号制御パラメータを用いて、図3に示す交差点タイプ判定工程ST13及び信号サブエリア予測工程ST14を行う。本変形例では、これら工程ST13、ST14において、信号制御パラメータの「予測値」ではなく、信号制御パラメータそのものを用いる。本変形例において、経路探索処理を含む各工程(図9のST21〜ST26)は、上記の実施形態と同じである。
なお、交通情報処理装置5からサブエリアに関する情報がそのまま提供される場合には、図3に示す信号サブエリア情報取得処理を省略することができる。この場合にも、経路探索処理を含む各工程(図9のST21〜ST26)は、上記の実施形態と同じである。
上記の実施形態では、灯色変化情報として、交通信号機12の灯色が変化する変化時刻と、交通信号機12の位置に関する位置情報とを含む情報を、複数の車両6から受信する。しかしながら、灯色変化情報としてはこれに限られず、例えば車両6の車載カメラにより撮影された画像をそのまま灯色変化情報として受信してもよい。この場合、経路探索装置3の演算装置28において、当該画像を解析することで変化時刻及び位置情報を求めてもよい。
上記の実施形態では、リンクコストLCの累計S1に対して、信号サブエリア情報に基づく補正値X1を式(2)により加味することで、累計補正値S2を算出する。しかしながら、信号サブエリア情報に基づく補正はこれに限られない。例えば、上記の実施形態の式(1)に代えて、次の式(3)を用いることで、リンクコストLCそのものに信号サブエリア情報に基づく補正値X2を計上するようにしてもよい。
LC=(a×LT)+(b×LD)+(e×X2) ・・・(3)
ここで、補正値X2は、リンクLの始点(又は終点)においてサブエリアをまたぐ場合に、X2=1となり、その他の場合にはX2=0となる値である。すなわち、経路中において通過するサブエリアの数が少ないほど、リンクコストLCが少なくなるように、リンクコストLCを算出する。この場合、経路中において通過するサブエリアの数が少ないほどリンクコストLCが少なくなるため、当該サブエリアの数が少ないほど経路探索ロジックにより求められるリンクコストLCの累計S1も少なくなる。
《補記》
なお、上記の実施形態及び各種の変形例については、その少なくとも一部を、相互に任意に組み合わせてもよい。また、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1、1a 経路探索システム
2 ナビゲーションセンター
3、3a 経路探索装置
4 交通管制センター
5 交通情報処理装置
6 車両
7 ユーザー端末
8 通信回線
9 ルーター
10 無線基地局
11 インターネット網
12 交通信号機
13 交通信号制御機
14 車両感知器
20 コンピュータ装置
21 第1通信部
22 通信部
22a 第2通信部(通信部)
23 会員データベース
24 交通情報データベース(記憶部)
25 地図データベース
26 道路地図データ
27 記憶装置
28 演算装置(情報処理部)
30 コンピュータ装置
31 通信部
32 交通情報データベース
33 地図データベース
34 記憶装置
35 演算装置
J1 交差点
Ji 交差点(i=01〜20)
Jx 交差点(重要交差点)
Jy 交差点(一般集中交差点)
T1 第1時間
T2 第2時間
T3 第3時間
T4 所定回数
T5 所定時間
Sbj サブエリア単位(j=1〜15)(結合後は単に「サブエリア」)
OR1 出発地点
DE1 目的地点
Zn 極小ゾーン(n=1〜11)
Pn 代表地点(n=1〜11)
L リンク
LC リンクコスト
LT リンク旅行時間
LD リンクの距離
S1 リンクコストLCの累計
S2 累計補正値
X1、X2 補正値
RT1、RT2、RT3 経路
a、b、c、d、e 係数

Claims (8)

  1. ユーザー端末と通信する経路探索装置であって、
    出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信し、前記出発地点から前記目的地点までの経路を前記ユーザー端末に送信する通信部と、
    それぞれ交通信号機を有する複数の交差点と、複数の前記交差点がそれぞれ属するサブエリアと、を対応付けした情報を含む信号サブエリア情報を記憶する記憶部と、
    前記信号サブエリア情報に基づいて、前記経路中において通過する前記サブエリアの数が少ないほど、リンクコストの累計が少なくなるように、前記経路を探索する探索処理を実行する情報処理部と、を備える、
    経路探索装置。
  2. 前記通信部は、複数の車両から、前記交通信号機の灯色の変化に関する灯色変化情報を受信し、
    前記情報処理部は、前記灯色変化情報に基づいて、前記記憶部に記憶される前記信号サブエリア情報を更新する、
    請求項1に記載の経路探索装置。
  3. 前記灯色変化情報は、
    前記車両の車載カメラにより撮像された画像中の前記交通信号機の灯色が変化する変化時刻を含み、
    前記情報処理部は、
    前記変化時刻に基づいて、サイクル長の予測値を前記交通信号機ごとに算出し、
    前記サイクル長の予測値に基づいて、前記信号サブエリア情報を更新する、
    請求項2に記載の経路探索装置。
  4. 前記変化時刻は、前記交通信号機が赤灯から青灯へ変化する第1変化時刻を含み、
    前記情報処理部は、
    複数の前記第1変化時間の間隔に基づいて、前記サイクル長の予測値を算出し、
    互いに隣接し、かつ前記サイクル長の予測値が同じ複数の前記交差点を、同じ前記サブエリアに属すると判定し、判定した前記サブエリアに基づいて前記信号サブエリア情報を更新する、
    請求項3に記載の経路探索装置。
  5. 前記情報処理部は、重要交差点を起点として、複数の前記交差点が同じ前記サブエリアに属するか否かを判定する、
    請求項4に記載の経路探索装置。
  6. 前記変化時刻は、前記交通信号機が青灯から黄灯へ、又は黄灯から赤灯へ変化する第2変化時刻を含み、
    前記情報処理部は、
    前記第1変化時間と前記第2変化時間の差分に基づいて、スプリットの予測値を算出し、
    複数の前記交差点のうち、前記サイクル長の予測値の3倍以上の時間の中で前記スプリットの予測値が2回以上変化する前記交通信号機を含む前記交差点を、前記重要交差点であると判定する、
    請求項5に記載の経路探索装置。
  7. 出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信するステップと、
    それぞれ交通信号機を有する複数の交差点と、複数の前記交差点がそれぞれ属するサブエリアと、を対応付けした情報を含む信号サブエリア情報を記憶するステップと、
    前記信号サブエリア情報に基づいて、前記出発地点から前記目的地点までの経路を、前記経路中において通過する前記サブエリアの数が少ないほど、リンクコストの累計が少なくなるように探索するステップと、
    前記経路をユーザー端末に送信するステップと、
    を備える、経路探索方法。
  8. ユーザー端末と通信する経路探索装置として、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、
    出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信するステップと、
    それぞれ交通信号機を有する複数の交差点と、複数の前記交差点がそれぞれ属するサブエリアと、を対応付けした情報を含む信号サブエリア情報を記憶するステップと、
    前記信号サブエリア情報に基づいて、前記出発地点から前記目的地点までの経路を、前記経路中において通過する前記サブエリアの数が少ないほど、リンクコストの累計が少なくなるように探索するステップと、
    前記経路を前記ユーザー端末に送信するステップと、
    を備える、コンピュータプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023095408A1 (ja) * 2021-11-29 2023-06-01 住友電気工業株式会社 情報生成システム、情報生成方法及びコンピュータプログラム

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