JP2021123275A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1ファンを備えた空調装置本体部と、後席向けダクトに連結した第2ファンとを有する車両用空調装置において、第2ファン駆動用モータを空冷し、冷却風に含まれた水のモータへの浸入を防止する。【解決手段】車両用空調装置(20)は、ハウジング(31)内に送風する第1ファン(32)を備えた空調装置本体部(30)と、前記ハウジング(31)から調和空気を吸い込む第2ファン(52)を備えた後席用ダクトユニット(50)とを含む。前記ハウジング(31)内の、前記第1ファン(32)の下流で温度調整ドア(43)の上流から導入した空気(Ar)は、導入路(107)で第2ファン駆動用モータ(80)へ導かれる。前記導入路(107)へ浸入した凝縮水(Cw)は、排水部(130)によって回収される。【選択図】図2

Description

本発明は、車室の内気や外気を取り込んで温度を調節するための、車両用空調装置に関する。
乗用自動車等の車両は、車室の内気や外気の温度を調節(調和)する車両用空調装置を搭載している。一般的な車両用空調装置の空調装置本体部は、車両の前部に搭載されている。この空調装置本体部において温度が調節された(温度が調和された)空気は、ダクトによって、前席向け領域や後席向け領域といった、車室の複数の領域に空調風を吹き出すことが可能である。ところが、後席向けダクトは、前席向けダクトよりも長いので、通路抵抗が大きい。前席向けダクトからの吹き出し量と、後席向けダクトからの吹き出し量と、に差がでてしまう。
これに対し、前席向けダクトからの吹き出し量と、後席向けダクトからの吹き出し量との均等を図る技術が、例えば特許文献1によって知られている。特許文献1で知られている車両用空調装置は、第一送風ファン(第1ファン)の他に、空調ユニット(空調装置本体部)と後席向けダクトとの間に第ニ送風ファン(第2ファン)を介在したというものである。第ニ送風ファンによって後席向けダクトに送風する空気量を増大させることにより、後席向け領域への空調不足を解消することができる。
空調ユニットのケース(ハウジング)は、インストルメントパネルの内部に配置されており、エバポレータと、このエバポレータの下流に設けられたヒータコアとを収納している。ケースの底面と後席向けダクトの底面は、共に車室の床面に対して、概ね接するように配置されている。
空調ユニットによって温度が調節された空気は、第ニ送風ファンに導入される。このため、第ニ送風ファンを駆動するモータ(ファン駆動用モータ)は、空調ユニットから流れてきた温風の温度の影響を受ける。特に、冬季は車両用空調装置を車室内の暖房として使用する。空調ユニットのヒータコアによって高温になった温風が、第ニ送風ファンに導入される。高温の温風がファン駆動用モータの近傍を流れるので、ファン駆動用モータは熱影響を受けやすい。ファン駆動用モータの耐久性を高めるには、改良の余地がある。
車両用空調装置において、ファン駆動用モータを空冷する技術としては、例えば特許文献2によって知られている。特許文献2で知られている車両用空調装置は、空調装置本体部に外気を導入するファンを有し、このファンを駆動するためのモータを、空冷するというものである。外気は、ファンの吸引力によって、ファンケース内に導入される。導入された外気の一部は、モータケースの外周面に誘導されることによって、モータを空冷する。モータを空冷した後の外気は、導入された外気の残りと共にファンに吸引され、空調装置本体部のヒータコアやエバポレータへ吐出される。ヒータコアやエバポレータによって温度が調節された空調風は、車室の複数の領域に吹き出す。
特許文献2のファンは、特許文献1の第一送風ファンに相当する。つまり、特許文献2で知られている車両用空調装置は、特許文献1で知られている車両用空調装置の第ニ送風ファンを、備えていない。
特許文献1の第ニ送風ファンを駆動するモータが、空調装置本体部のヒータコアによって高温になった温風の熱影響を受けないようにするためには、前記特許文献2の技術を採用することが考えられる。その場合には、空調装置本体部からの温風を第ニ送風ファンによって吸引し、第ニ送風ファン駆動用のモータを空冷することに、なってしまう。これでは、第ニ送風ファン駆動用のモータを十分に冷却できないおそれがある。
そこで、特許文献1の車両用空調装置において、空調ユニットのケース(空調装置本体部のハウジング)からファン駆動用モータへ、モータ冷却のための空気(モータ冷却用空気)を導入路によって導入することが考えられる。
しかし、車両の車種によっては、インストルメントパネルの下方に、車室の前席に着座する乗員の足元スペースを確保することが求められる。このため、空調ユニットの底面、特にケースの底面は、車室の床面よりも高く設定される。一方、後席向けダクトは、運転席と助手席との間を車両前後方向に延びている。さらに、車室内の空間を確保するために、後席向けダクトの下面は、車室の床面に概ね接する高さに設定される。このため、第ニ送風ファンは空調ユニットのケースに対して、後方且つ下方に位置することになる。すなわちファン駆動用モータは、ケースの底面よりも下位に位置する。
ケースを含む空調ユニットは、車両の前部のなかの限られた狭いスペースに、配置することが求められる。しかも、この空調ユニットは、第一送風ファンから送風された空気の温度を調節(調和)して、複数の吹出口(吐出部)から車室内に供給する機能を十分に備える必要がある。従って、空調ユニットの設計の自由度は、限定されたものにならざるを得ない。このような厳しい条件下において、現状でも狭いスペースのなかに、ケースからファン駆動用モータまで導入路を通す場合には、省スペースの観点やコストの観点からも、検討の余地がある。なぜなら、他の部材と干渉することなく導入路を通すには、この導入路を複雑な構成にせざるを得ないからである。
また、エバポレータによって空気を冷却した際には、このエバポレータのチューブやフィンの表面に凝縮水が発生する。この凝縮水は、ケースの底板に滴下し得る。
車両用空調装置において、エバポレータで発生した凝縮水が、第ニ送風ファンへ向かう後席向けダクトの連通口へ流れこむことを抑制する技術としては、例えば特許文献3によって知られている。特許文献3で知られている車両用空調装置は、特許文献1と同様に、第一送風ファンと第ニ送風ファンとを備えている。さらに特許文献3の車両用空調装置は、エバポレータで発生した凝縮水が、第ニ送風ファンへ向かう後席向けダクトの連通口へ流れこむことを抑制する複数のリブ状の吐水部と、この吐水部により堰き止められた水を排出する排水部と、を備えている。
しかしながら、特許文献3の車両用空調装置に開示される第ニ送風ファンは、空調ユニットのケースに対して、後方には位置するものの、後方且つ下方に位置するものではない。また、特許文献3の車両用空調装置は、空調ユニットのケースからファン駆動用モータへ、このモータの冷却のための空気(モータ冷却用空気)を導入する導入路に関する排水構造を開示したものでもない。このため、ケースからファン駆動用モータまで導入路を通す場合には、凝縮水がファン駆動用モータ内へ浸入しないように、何らかの対策が必要となる。
特開2004−161059号公報 特開2006−177289号公報 特開2008−081024号公報
本発明は、第1ファンを備えた空調装置本体部と、後席向けダクトと、この後席向けダクトを通流する調和空気の風量を確保するために後席向けダクトに連結される第2ファンと、を有する車両用空調装置において、第2ファンを駆動するモータを、モータ冷却のための空気(冷却風)によって冷却できるとともに、この冷却風に水が含まれた場合には、この水がモータ内へ浸入しないように防止できる技術を、提供することを課題とする。
以下の説明では、本発明の理解を容易にするために添付図面中の参照符号を括弧書きで付記するが、それによって本発明は図示の形態に限定されるものではない。
本発明によれば、
内部に空気流路(33)が設けられているハウジング(31)と、車室(11)の内側及び/又は前記車室(11)の外側から導入した空気を前記空気流路(33)へ送風する第1ファン(32)と、前記空気流路(33)に設けられたエバポレータ(41)と、前記エバポレータ(41)の下流に設けられたヒータコア(42)と、前記エバポレータ(41)と前記ヒータコア(42)との間に設けられて前記ヒータコア(42)へ向かう空気と前記ヒータコア(42)を迂回する空気との比率を調整する温度調整ドア(43)と、を備えた空調装置本体部(30)と、
前記ハウジング(31)のうち前記ヒータコア(42)の下流側に接続されて、前記空調装置本体部(30)により温度が調整された調和空気を前記車室(11)の後席(12)へと導く後席用ダクトユニット(50)であって、前記調和空気を吸い込み吐出する第2ファン(52)と、後席向けダクト(51)とを有する後席用ダクトユニット(50)と、を含み、
前記後席用ダクトユニット(50)は、前記第2ファン(52)のファンケース(71)に収納された遠心ファン(72)を回転軸(81)によって直接に駆動する第2ファン駆動用モータ(80)を有する、
車両用空調装置(20;20A;20B)において、
前記空気流路(33)のうち、前記第1ファン(32)の下流で且つ前記温度調整ドア(43)の上流からモータ冷却のための空気(Ar)を導入するように、前記ハウジング(31)の前記底板(31a)に開口した空気導入口(106)と、
前記空気導入口(106)から導入した前記モータ冷却のための空気(Ar)を前記第2ファン駆動用モータ(80)へ導く導入路(107)と、
前記空気導入口(106)から前記導入路(107)へ浸入した凝縮水(Cw)を、回収して排出する排水部(130;130A)と、
を備えることを特徴とする車両用空調装置が提供される。
好ましくは、前記導入路(107)は、少なくとも、前記空気導入口(106)から下り傾斜する下り傾斜部(110)を有し、
前記下り傾斜部(110)は、
上流側の第1導入路(111)と、
前記第1導入路(111)の下流端面(111a)に接続可能な上流端面(112a)を有している下流側の第2導入路(112)と、
前記下流端面(111a)と前記上流端面(112a)との間に設けられた気液分離部材(131)を有する前記排水部(130)と、を備える。
好ましくは、前記導入路(107)は、
少なくとも、前記空気導入口(106)から下り傾斜する下り傾斜部(110A)を有し、
前記下り傾斜部(110A)は、
上流側の第1導入路(111)と、
前記第1導入路(111)の下流端面(111a)に接続可能な上流端面(112a)を有している下流側の第2導入路(112)と、を備え、
前記排水部(130A)は、前記下流端面(111a)と前記上流端面(112a)との間に設けられた嵌合部(230)によって構成され、
前記嵌合部(230)は、
前記下流端面(111a)と前記上流端面(112a)とのいずれか一方に設けられた環状の凹状溝(231)と、
前記凹状溝(231)に嵌め込み可能に、前記下流端面(111a)と前記上流端面(112a)とのいずれか他方に設けられた環状の凸状部(232)とからなる。
好ましくは、前記第1導入路(111)の断面積(S1)は、前記第2導入路(112)の断面積(S2)よりも大きい。
好ましくは、下り傾斜している前記第1導入路(111)のなかの、少なくとも前記空気導入口(106)寄りの前半部(111f)は、前記空気導入口(106)から前記ハウジング(31)の前記底板(31a)に沿って延びている。
好ましくは、前記上流端面(112a)の部位における前記第2導入路(112)の内周面の下縁(112e)が、
前記下流端面(111a)の部位における前記第1導入路(111)の内周面の下縁(111e)よりも上位に位置することで、
前記下り傾斜部(110;110A)の内周面のうち底面に段差(119)を有している。
本発明では、第1ファンを備えた空調装置本体部と、後席向けダクトと、この後席向けダクトを通流する調和空気の風量を確保するために後席向けダクトに連結される第2ファンとを有する車両用空調装置において、第2ファンを駆動するモータを、モータ冷却のための空気(冷却風)によって冷却できるとともに、この冷却風に水が含まれた場合には、この水がモータ内へ浸入しないように防止できる。
実施例1による車両用空調装置が搭載された車両を模式的に表した図である。 図1に示される空調装置本体部の断面構成を示し、第2ファン駆動用モータの内蔵物を省略した断面図である。 図2に示される第2ファンと第2ファン駆動用モータと空冷装置の断面図である。 図3の4−4線に沿った断面図である。 図4に示される第2ファン駆動用モータ及び空冷装置の拡大図である。 図3に示される空冷装置の分解図である。 図6に示されるハウジング及び第1導入路の断面図である。 図3に示される空気導入口及び導入路の拡大図である。 図8に示される排水部と段差部の作用説明図である。 図8に示される排水部の変形例を示す断面図である。 図11(a)は実施例2による車両用空調装置の空気導入口及び導入路の断面図(図8の断面位置に相当)、図11(b)は図11(a)のb部を分解した拡大図である。 実施例3による車両用空調装置の第2ファン及び空冷装置の断面図(図4の断面位置に相当)である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、添付図に示した形態は本発明の一例であり、本発明は当該形態に限定されない。説明中、左右とは車両に乗車した乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Leは乗員から見て左、Riは乗員から見て右、Upは上、Dnは下を示している。
<実施例1>
図1〜図9を参照しつつ、実施例1の車両用空調装置20を説明する。図1に示されるように、乗用自動車等の車両10は、車室11内の空気の温度を調節(調和)する車両用空調装置20を搭載している。この車両用空調装置20は、空調装置本体部30と後席用ダクトユニット50とを含む。空調装置本体部30は、第1ファン32から送風された空気の温度を調節(調和)して、複数の吹出口(吐出部)から車室11へ供給することが可能である。後席用ダクトユニット50は、空調装置本体部30によって温度が調節された空気の一部を、後席12へ向かって送ることが可能である。以下、車両用空調装置20について詳しく説明する。
図2に示されるように、空調装置本体部30は、車両10の前部に配置されており、ハウジング31と第1ファン32とエバポレータ41とヒータコア42と温度調整ドア43とを備える。ハウジング31の内部には、空気流路33が設けられている。
第1ファン32は、ハウジング31の上流側に位置した主ファン(上流側ブロア)であって、車室11の内側及び/又は車室11の外側から導入した空気を、ハウジング31の空気流路33へ送風するものである。
第1ファン32の吸い込み側には、インテーク部34が設けられている。このインテーク部34は、内気導入口35と外気導入口36と内外切り替えドア37とフィルタ38とを備えている。内気導入口35は、車室11の内側から空気を導入可能である。外気導入口36は、車室11の外側から空気を導入可能である。内外切り替えドア37は、内気導入口35と外気導入口36との開閉を切り替える。フィルタ38は、内気導入口35や外気導入口36から導入された空気を清浄化する。
第1ファン32の吐出側は、ダクト39によって、ハウジング31の空気流路33のなかの、上流部に接続されている。なお、図2では第1ファン32は、説明の理解を容易にするために、ハウジング31に対して車両前方に配置された状態を示している。実際には、第1ファン32は、ハウジング31に対して車幅方向に配置されている。
エバポレータ41(冷却用熱交換器41)とヒータコア42(加熱用熱交換器42)と温度調整ドア43とはハウジング31に内蔵、つまり空気流路33に設けられている。エバポレータ41とヒータコア42とは、この順に空気流路33の上流側から下流側へ向かって直列に配置されている。つまり、ヒータコア42は、エバポレータ41の下流に設けられている。
温度調整ドア43は、空気流路33のなかの、エバポレータ41とヒータコア42との間に設けられており、ヒータコア42へ向かう空気と、このヒータコア42を迂回する空気と、の比率を調整する。ハウジング31の空気流路33は、3つの流路44〜46に区分けされている。温度調整ドア43は、3つの流路44〜46を切り替え可能であって、例えば第1ドア43aと第2ドア43bによって構成される。
以下、3つの流路44〜46のことを、第1流路44と第2流路45と第3流路46とに区別して、説明する。第1流路44は、エバポレータ41を通過して冷却された空気を、ヒータコア42によって加熱する流路(ヒータコア42へ向かう流路)である。第2流路45は、第1流路44を迂回して、ハウジング31の上方へ向かう流路である。第3流路46は、第1流路44を迂回して、ハウジング31の下方へ向かう流路である。デフロスタ吐出部47は、第1流路44及び/又は第2流路45からの空気をフロントガラスへ向かって送風可能である。サイドベント吐出部48とセンタベント吐出部49とは、第1流路44及び/又は第2流路45からの空気を前席13に着座している乗員の上半身に向かって送風可能である。
さらに、ハウジング31は、前席13(図1参照)に着座している乗員の脚部に向かって送風可能な、フロントフット吐出口(図示せず)を備えている。
後席用ダクトユニット50は、ハウジング31のなかの(ハウジング31のうち)、ヒータコア42の下流側に接続されており、空調装置本体部30により温度が調整された調和空気を車室11(図1参照)の後席12へと導く。この後席用ダクトユニット50は、2つの後席向けダクト51(一方のみを示す)と、ハウジング31からの調和空気を吸い込み吐出する第2ファン52と、この第2ファン52のファンケース71に収納された遠心ファン72、つまりインペラ72(羽根車72)を回転軸81(モータ軸81)によって直接に駆動する第2ファン駆動用モータ80と、を有する。第2ファン52は、例えば、ハウジング31から調和空気を吸い込んで後席向けダクト51へ吐出する。
図1及び図2に示されるように、2つの後席向けダクト51は、車両10の車幅中央に位置するとともに、第2ファン52の吐出口52aから後席12へ向かって延びている。
図3及び図4に示されるように、第2ファン52は、ハウジング31の下流側に位置した補助ファン(下流側ブロア)である。この第2ファン52は、車幅中央に位置する吸引ケース60(中央ケース60)と、この吸引ケース60に対して車幅方向の両端に設けられた2つのファン部70A,70Bと、からなる。
吸引ケース60は、車幅方向に延びる概ね円筒状の部材であって、中央に吸引口61を有するとともに、両端に隔壁62A,62Bを有している。吸引口61は、ハウジング31の後席用吐出口63に、フランジ64,65によって接続されている。後席用吐出口63のフランジ64のことを、以下「第1フランジ64」という。吸引口61のフランジ65のことを、以下「第2フランジ65」という。各隔壁62A,62Bは、略中央にファン吸込口66,66を有している。以下、2つの隔壁62A,62Bの一方を「第1隔壁62A」といい、他方を「第2隔壁62B」という。
2つのファン部70A,70B同士は、吸引ケース60を介して互いに向かい合う、いわゆる左右対称の構成である。以下、2つのファン部70A,70Bの一方を「第1ファン部70A」といい、他方を「第2ファン部70B」という。
第1ファン部70Aは、一端が閉鎖されたファンケース71(スクロールケース71)と、このファンケース71の内部に回転可能に収納されている遠心ファン72(インペラ72、羽根車72ともいう)とを有する。ファンケース71は、開口した端を第1隔壁62Aに被せた状態で、吸引ケース60に取り付けられている。以上の説明から明らかなように、第2ファン52のファンケース71に遠心ファン72が収納されている。第2ファン部70Bは、第1ファン部Aと同様の構成であり、同一符号を付して、説明を省略する。第2ファン部70Bのファンケース71は、開口した端を第2隔壁62Bに被せた状態で、吸引ケース60に取り付けられている。
空調装置本体部30(図2参照)によって温度が調整された調和空気は、後席用吐出口63から吸引口61を通って吸引ケース60に入り、この吸引ケース60から第1ファン部A及び第2ファン部70Bに吸引される。
2つのファン部70A,70Bは、1つの第2ファン駆動用モータ80によって直接に駆動される。この第2ファン駆動用モータ80は、1つの回転軸81(モータ軸81)がモータケース84の両端から車幅方向へ突き出ている、いわゆる両軸モータの構成であって、吸引ケース60に収納且つ支持されている。この回転軸81の両端部には、2つのファン部70A,70Bの各遠心ファン72,72が、直接に取り付けられている。
より詳しく説明すると、図5に示されるように、第2ファン駆動用モータ80は、回転軸81と、この回転軸81に設けられたロータ82と、このロータ82の外周囲を包囲するように位置しているステータ83と、ロータ82及びステータ83を収納しているモータケース84と、を主要な構成要素とした、いわゆるインナロータ型ブラシ付きモータの構成である。
回転軸81は、モータケース84に軸受85,85によって回転可能に支持されている。モータケース84は、回転軸81に沿って延びる筒状の部材である。具体的には、このモータケース84は、一端に底板86aを有した円筒状(カップ状)のケース本体86と、このケース本体86の開放端を塞ぐキャップ87とによって構成されている。このモータケース84には、第2ファン駆動用モータ80の回転を制御する回路やブラシ88を備えた、基盤89が収納されている。この基盤89は、モータケース84内において、回転軸81の軸線方向の一方側、例えばキャップ87側に位置している。
モータケース84の少なくとも外周面は、全周にわたってカバー90により覆われている。このカバー90は、円筒状のカバー本体91と、このカバー本体91の一端に有した底板92と、からなるカップ状の部材である。円筒状を呈しているモータケース84の外周面と、円筒状を呈しているカバー本体91の内周面と、の間には、隙間が無いことが好ましい。隙間から逃げる空気を、極力少なくすることができるからである。
図2に示されるように、前記車両用空調装置20は、第2ファン駆動用モータ80を空冷するための空冷装置100を備えている。この空冷装置100は、ハウジング31の空気流路33を流れ、且つ温度が調和される前の空気の一部によって、第2ファン駆動用モータ80を冷却するものである。以下、空冷装置100について詳しく説明する。
図5に示されるように、モータケース84は内外貫通した、それぞれ少なくとも1つずつの、空気流入孔101と空気流出孔102とを有する。空気流入孔101は、モータケース84の円筒部分(ケース本体86の円筒部分)のなかの、回転軸81の軸線方向の一方側、例えばキャップ87側に設けられている。空気流出孔102は、モータケース84のなかの、回転軸81の軸線方向の他方側、例えば底板86aに設けられている。好ましくは、図3に示されるように、空気流入孔101及び空気流出孔102は、それぞれ複数個であって、回転軸81を中心として放射状に等ピッチで配列される。
図3及び図5に示されるように、カバー90のカバー本体91には、モータケース84の複数の空気流入孔101を囲うように、カバー本体91から径外方へ膨出した膨出部103が設けられている。この膨出部103の内部には、第1空間部104が形成されている。この第1空間部104は、複数の空気流入孔101を介して、モータケース84の内部と連通しており、複数の空気流入孔101へ空気を分配するための、分配ヘッダの役割を果たすことが可能である。以下、この第1空間部104のことを、適宜「第1開口104」と言い換える。
図5に示されるように、モータケース84の底板86aと、カバー90の底板92との間には、一定間隔の第2空間部105を有する。この第2空間部105は、モータケース84の複数の空気流出孔102を介して、モータケース84の内部と連通しており、複数の空気流出孔102から流出してきた空気を集合するための、集合ヘッダの役割を果たすことが可能である。以下、この第2空間部105のことを、適宜「第2開口105」と言い換える。
このように、カバー90は、第1開口104と第2開口105とを有している。
図2に示されるように、さらに空冷装置100は、空気導入口106と導入路107と放出路108とを備える。
空気導入口106は、空気流路33のうち、第1ファン32の下流で且つ温度調整ドア43の上流からモータ冷却のための空気Arを導入するように、ハウジング31に開口している。好ましくは、この空気導入口106は、エバポレータ41の下流に位置している。より好ましくは、この空気導入口106は、ハウジング31の底板31aに設けられている。一例を挙げると、空気導入口106は、底板31aが下方へ膨出することにより、この底板31aに形成された窪み部分によって構成される。
図3に示されるように、導入路107は、空気導入口106から導入したモータ冷却のための空気Ar(モータ冷却用空気Ar)を、第2ファン駆動用モータ80へ導く。カバー90に有している第1開口104は、導入路107と空気流入孔101との間を連通可能である。第2ファン駆動用モータ80は、ハウジング31の後方に位置するとともに、このハウジング31の底板31aよりも下位に位置している。このため、導入路107は、空気導入口106から第1開口104へ向かって後下方へ傾斜しつつ直線状に延びている。
図5及び図6に示されるように、放出路108は、第2ファン駆動用モータ80を通過した後のモータ冷却のための空気Arを車室11(図2参照)へ放出する。この放出路108は、放出管109によって構成された内部通路であって、例えばカバー90に一体に設けられる。カバー90に有している第2開口105は、空気流出孔102と放出路108との間を連通可能である。
ここで、空気導入口106(図2参照)を、ハウジング31のなかの底板31aに設けた理由について説明する。
図1に示されるように、空調装置本体部30は車両10の前部、例えばインストルメントパネル14の内部に配置されている。このインストルメントパネル14の下方には、車室11の前席13に着座する乗員の足元スペースを確保することが好ましい。このため、空調装置本体部30の底面、特にハウジング31の底板31aは、車室11の床面15よりも高く設定される。一方、後席向けダクト51は、運転席と助手席との間を車両前後方向に延びている。乗員の足元スペースを確保するために、後席向けダクト51の下面51aは、車室11の床面15に概ね接する高さに設定される。このため、第2ファン52はハウジング31の後下方に位置している。第2ファン駆動用モータ80は、ハウジング31の底板31aよりも下位に位置している。
このような空調装置本体部30及び後席用ダクトユニット50の配置において、基本的には、図2に示される空気導入口106はモータ冷却のための空気Arを導入するものであるから、ハウジング31のなかの、底板31a以外に設けることは可能である。
しかし、図1及び図2に示されるように、ハウジング31を含む空調装置本体部30は、車両10の前部のなかの限られた狭いスペースに、配置することが求められる。しかも、この空調装置本体部30は、第1ファン32から送風された空気の温度を調節(調和)して、複数の吹出口(吐出部)から車室11内に供給する機能を十分に備える必要がある。従って、空調装置本体部30の設計の自由度は、限定されたものにならざるを得ない。このような厳しい条件下において、ハウジング31の側面や上面に空気導入口106を設けたのでは、現状でも狭いスペースのなかに、空気導入口106から第2ファン駆動用モータ80まで、導入路107を通すことは、省スペースの観点やコストの観点からも、得策ではない。なぜなら、他の部材と干渉することなく導入路107を通すには、この導入路107を複雑な構成にせざるを得ないからである。
これに対し、本発明の発明者は、上記の課題を解決するためには、図2に示されるように、ハウジング31の底板31aの下方に唯一余裕のあるスペースを有効利用すればよいことを、知見した。このため、空気導入口106を、ハウジング31の底板31aに設けることにした。従って、底板31aの下方に、短い導入路107を通すことができるので、省スペースの観点やコストの観点から極めて有利である。これが、空気導入口106をハウジング31の底板31aに設けた理由である。
次に、前記導入路107について詳しく説明する。
図3に示されるように、導入路107は、少なくとも、空気導入口106から下り傾斜する下り傾斜部110を有している。この下り傾斜部110は、上流側の第1導入路111と、下流側の第2導入路112と、排水部130と、を備える。
図6及び図7に示されるように、この導入路107の少なくとも一部111(第1導入路111)は、ハウジング31に一体に構成されている。このため、導入路107の構成を簡単にすることができる。導入路107の残りの部分112(第2導入路112)は、カバー90に一体に又は別体に構成することが可能である。
図8に示されるように、第1導入路111は、下流側の端に下流端面111aを有する。この下流端面111aは、後席用吐出口63の第1フランジ64のフランジ面64aによって構成される。第2導入路112は、上流側の端に上流端面112aを有する。この上流端面112aは、吸引口61の第2フランジ65のフランジ面65aによって構成される。上流端面112aは、第1導入路111の下流端面111aに接続可能である。
詳しく説明すると、図7に示されるように、ハウジング31は、少なくとも車幅方向に二分割された分割品の組み合わせ構造からなる。第1導入路111は、ハウジング31の分割面113,114に位置することによって、車幅方向に二分割されている。一方の分割面113は、他方の分割面114へ向かって突出した凸状部115を有する。他方の分割面114は、凸状部115が嵌合可能な凹状溝116を有する。凸状部115は凹状溝116に嵌合している。凸状部115の先端と凹状溝116の底との間には、シール部材117が圧縮状態で収容されている。この結果、ハウジング31と第1導入路111の、各分割部分はシールされる。
図8に示されるように、導入路107は、導入管120によって構成された内部通路である。導入管120は、第1導入路111を構成する第1導入管121と、第2導入路112を構成する第2導入管122と、からなる。
詳しく述べると、第1導入路111及び第1導入管121は、ハウジング31の底板31aに沿った後に下方向へ傾斜し、第1フランジ64まで延びている。
図3に示されるように、第2導入路112は、カバー90の第1開口104から、第2フランジ65まで延びている。つまり、第2導入管122は、カバー90の膨出部103から第2フランジ65まで延びている。
このような構成としたので、第1フランジ64と第2フランジ65とをボルト等の締結部材によって面接合するだけで、各導入管121,122同士を容易に接続することができる。この結果、上述のように、第1導入路111の下流端面111aは、第2導入路112の上流端面112aに接続可能である。
図8に示されるように、前記排水部130は、空気導入口106から導入路107へ浸入した凝縮水Cwを、回収して排出するものである。実施例1の排水部130は、気液分離部材131を有する構成である。この気液分離部材131は、予め設定されている一定の厚みのシート状に構成されており、第1フランジ64のフランジ面64aと第2フランジ65のフランジ面65aとの間に、全面に渡って介在している。この結果、この気液分離部材131は、下流端面111aと上流端面112aとの間に設けられている。さらに、気液分離部材131は、第2導入路112の断面と同じ形状及び大きさの、開口131aを有している。モータ冷却用空気Arは、第1導入路111からこの開口131aを通って第2導入路112へ通過する。
この気液分離部材131は、低通気性(難通気性)または非通気性を有し、且つ通水性を有する材料によって構成されている。さらに気液分離部材131は、クッション性を有することが好ましい。低通気性(通気性が低い性質)と通水性とを兼ね備えた材料の一例を挙げると、ウレタンフォームをベースとした材料、例えば株式会社東洋クオリティワンの製品名「HDZ」を挙げることができる。この製品「HDZ」の通気量は、20ml/cm/s以下である。しかも、この製品「HDZ」は、ウレタンフォームをベースとしているので、クッション性も有している。このため、この製品「HDZ」は、一般に自動車に搭載されている車両用空調装置のシール部材として、多用されている。
気液分離部材131は、低通気性または非通気性を有しているので、第1フランジ64のフランジ面64aと第2フランジ65のフランジ面65aとの間に介在することにより、気密用パッキンの役割を果たす。このため、第1導入路111を通過するモータ冷却用空気Arが外部へ漏洩しないように、極力防止することができる。さらに気液分離部材131は、通水性を有しているので、モータ冷却用空気Arに含まれている水分Cwを分離して、外部へ排出することができる。
なお、第1フランジ64のフランジ面64aと第2フランジ65のフランジ面65aとの間の間隔Dfは、気液分離部材131が、低通気性または非通気性を発揮するとともに通水性を発揮することが可能な範囲に設定される。
図7及び図8に示されるように、第1導入路111及び第2導入路112の各断面は、四角形断面であることが好ましい。
詳しく述べると、第1導入路111を下流端面111a側から見て、第1導入路111の内周面は、左右方向に水平な底面111bと、この底面111bの両端から起立した一対の側面111c,111cと、この一対の側面111c,111cの上端間を塞ぐ上面111dと、からなる。
第2導入路112を上流端面112a側から見て、第2導入路112の内周面は、左右方向に水平な底面112bと、この底面111bの両端から起立した一対の側面112c,112cと、この一対の側面112c,112cの上端間を塞ぐ上面112dと、からなる。
図8に示されるように、第1導入路111を下流端面111a側から見た側面111cの高さH1に対して、第2導入路112を上流端面112a側から見た側面112cの高さH2は、小さい。第1導入路111の一対の側面111c,111c間の幅Wd(図7参照)は、第2導入路112の一対の側面112c,112c間の幅と同じである。第1導入路111の上面111dに対して、第2導入路112の上面112dは、合致している。このため、第1導入路111の断面積S1は、第2導入路112の断面積S2よりも大きい。
上流端面112aの部位における第2導入路112の内周面の下縁112eは、下流端面111aの部位における第1導入路111の内周面の下縁111eよりも、上位に位置している。この結果、下り傾斜部110の内周面のうち、底面(つまり、下縁111eと下縁112eとの間)に段差119を有してる。
図8に示されるように、下り傾斜している第1導入路111のなかの、少なくとも空気導入口106寄りの前半部111fは、空気導入口106からハウジング31の底板31aに沿って延びている。
次に、空冷装置100の作用を説明する。
図2及び図4に示されるように、空気流路33のうち、第1ファン32の下流で且つ温度調整ドア43の上流を流れている空気の一部Ar(モータ冷却用空気Ar)は、空気導入口106から導入路107を通って、第1開口104に入る。第1開口104に入ったモータ冷却用空気Arは、モータケース84の空気流入孔101へ入り、先に基盤89周りを冷却しつつ、ロータ82とステータ83とブラシ88を冷却する。このモータ冷却用空気Arは、冷却した後に、モータケース84の空気流出孔102から出て、第2開口105に入る。第2開口105に入ったモータ冷却用空気Arは、放出路108から車室11へ放出される。
ところで、図2に示されるように、エバポレータ41によって空気を冷却した際には、このエバポレータ41のチューブやフィンの表面に水Cw(凝縮水Cw)が発生する。この凝縮水Cwは、ハウジング31の底板31aに滴下し得る。底板31aに滴下した凝縮水Cwは、空気導入口106から導入路107へ浸入し得る。
これに対し、図8に示されるように、排水部130は、空気導入口106から導入路107へ浸入した凝縮水Cwを、回収して外部へ排出する。このため、モータ冷却用空気Arに凝縮水Cwが含まれた場合には、この凝縮水Cwが第2ファン駆動用モータ80(図2参照)へ浸入しないように防止できる。
詳しく述べると、排水部130の気液分離部材131は、低通気性または非通気性を有している。このため、第1導入路111を通過するモータ冷却用空気Arは、外部へほとんど漏洩することなく、そのままモータケース84へ入って冷却することができる。さらに気液分離部材131は、通水性を有している。このため、導入路107を通過するモータ冷却用空気Arに含まれている水分Cw(凝縮水Cw)は、気液分離部材131によって分離されて、外部へ排出されるので、第2ファン駆動用モータ80へ浸入しない。気液分離部材131によって、モータ冷却用空気Arから凝縮水Cwを容易に分離することができる。
さらには、第1導入路111の断面積S1が大きいので、この第1導入路111を通過するモータ冷却用空気Arと凝縮水Cwの通過速度は、比較的遅い。このため、モータ冷却用空気Arに比べて比重が大きい凝縮水Cwは、モータ冷却用空気Arから分離して重力落下しやすい。落下した凝縮水Cwは、気液分離部材131によって、回収することができる。導入路107に浸入した凝縮水Cwを、排水部130によって回収する、回収性能を高めることができる。凝縮水Cwが第2ファン駆動用モータ80へ浸入しないように、一層防止できる。
さらには、下り傾斜している第1導入路111のなかの、少なくとも空気導入口106寄りの前半部111fは、空気導入口106からハウジング31の底板31aに沿って延びている。つまり、第1導入路111の一部は、屈曲している。このため、凝縮水Cwを含有しているミスト状のモータ冷却用空気Arは、屈曲した部分の上面111dに当たる(衝突する)。この結果、モータ冷却用空気Arに含有している凝縮水Cwは、上面111dに当たることによって、モータ冷却用空気Arから分離して重力落下しやすい。落下した凝縮水Cwは、気液分離部材131によって、回収することができる。導入路107に浸入した凝縮水Cwを、排水部130によって回収する、回収性能を高めることができる。凝縮水Cwが第2ファン駆動用モータ80へ浸入しないように、一層防止できる。
さらには、図9に示されるように、下り傾斜部110の内周面のうち、底面(つまり、下縁111eと下縁112eとの間)に段差119を有してる。
このため、凝縮水Cwを含有しているミスト状のモータ冷却用空気Arは、第1導入路111を通過するときに、段差119や、この段差119から露出している気液分離部材131に、当たりやすい(衝突しやすい)。モータ冷却用空気Arに含有している凝縮水Cwは、段差119に当たることによって、モータ冷却用空気Arから分離しやすい。
しかも、段差119の部分は、凝縮水Cwを溜めることができる。このため、モータ冷却用空気Arから分離して重力落下した凝縮水Cwは、段差119の部分に溜まる。このため、凝縮水Cwを溜めない場合に比べ、気液分離部材131によって凝縮水Cwを効率よく分離し且つ回収して、排出することができる。
従って、気液分離部材131による回収性能を、一層高めることができる。この結果、導入路107に浸入した凝縮水Cwを、排水部130によって回収する、回収性能を高めることができる。凝縮水Cwが第2ファン駆動用モータ80へ浸入しないように、一層防止できる。
実施例1の車両用空調装置20の説明をまとめると、次の通りである。
図2及び図3に示されるように、第1ファン32の下流で且つ温度調整ドア43の上流から導入した、モータ冷却のための空気Ar(モータ冷却用空気Ar)によって、第2ファン駆動用モータ80を冷却するとともに、この第2ファン駆動用モータ80を冷却した後の空気Arを大気に放出する。このため、第2ファン駆動用モータ80は、ヒータコア42によって高温になった温風の熱影響を受けない。第1ファン32を備えた空調装置本体部30と、後席向けダクト51と、この後席向けダクト51を通流する調和空気の風量を確保するために後席向けダクト51に連結される第2ファン52とを有する車両用空調装置20において、モータ冷却用空気Arによって、第2ファン駆動用モータ80を効率よく冷却することができる。しかも、モータ冷却用空気Arは車室11に直接放出されることから、後席向けダクト51を通流する調和空気と混合されないため、車両用空調装置20のシステム全体に影響を及ぼすことはない。また、放出路108は、図1及び図2から理解されるように、前席13近傍の空間にてモータ冷却空気Arを車室11に放出するから、特に後席12近傍の空間の温度に影響を及ぼすことがない。
さらには、空気導入口106は、エバポレータ41の下流に位置している。このため、エバポレータ41により冷却された内気や外気(モータ冷却用空気)によって、第2ファン駆動用モータ80を効率よく冷却することができる。
さらには、第2ファン駆動用モータ80は、カバー90によって覆われている。このため、第2ファン駆動用モータ80は、ヒータコア42によって高温になった温風に、直接には晒されない。第2ファン駆動用モータ80は、ヒータコア42によって高温になった温風の熱影響を、より一層回避することができる。
しかも、図5に示されるように、モータ冷却用空気Arは、導入路107と、カバー90の第1開口104とを通り、空気流入孔101からモータケース84の内部へ流入して、第2ファン駆動用モータ80の内部を冷却する。第2ファン駆動用モータ80の内部を冷却した後のモータ冷却用空気Arは、モータケース84の空気流出孔102から、カバー90の第2開口105と、放出路とを通って、大気に放出される。このため、モータ冷却用空気Arによって、第2ファン駆動用モータ80の内部の全体を、きめ細かく且つ効率よく冷却することができる。第2ファン駆動用モータ80の耐久性を、十分に高めることができる。
また、図2に示されるように、車両用空調装置20は、空気導入口106から導入路107へ浸入した凝縮水Cwを、回収して排出する排水部130を設けている。このため、モータ冷却用空気Arに凝縮水Cwが含まれた場合には、この凝縮水Cwを回収して、第2ファン駆動用モータ80へ浸入しないように防止できる。
特に、空気導入口106は、ハウジング31の底板31aに設けられている。この底板31aには、凝縮水Cwが滴下し得る。底板31aに滴下した凝縮水Cwは、モータ冷却用空気Arに含まれて、空気導入口106から導入路107へ浸入し得る。これに対し、導入路107に排水部130を有することによって、モータ冷却用空気Arに含まれている凝縮水Cwを、十分に回収することができる。
さらには、排水部130は、気液分離部材131を有する構成である。気液分離部材131によって、モータ冷却用空気Arから凝縮水Cwを容易に分離することができる。
なお、図8に示される気液分離部材131の開口131aは、図10に示される変形例の気液分離部材131のように、第1導入路111の断面と同じ形状及び大きさの、開口131aとしてもよい。
次に、図11を参照しつつ、実施例2の車両用空調装置20Aの空冷装置100Aを説明する。
<実施例2>
図11は、実施例2による空冷装置100Aの下り傾斜部110A周りの断面構成を示し、上記図8の断面位置に相当する。
実施例2の空冷装置100Aの下り傾斜部110Aは、上記図1〜図9に示される実施例1の排水部130を、図11に示される排水部130Aに変更したことを特徴とする。その他の基本的な構成については、上記実施例1による車両用空調装置20と共通する。実施例1による車両用空調装置20と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
実施例2の導入路107は、上記実施例1の導入路107(図3参照)と同様に、少なくとも、空気導入口106から下り傾斜する下り傾斜部110Aを有している。この下り傾斜部110Aは、上流側の第1導入路111と、下流側の第2導入路112とを備える。
実施例2の排水部130Aは、上記実施例1の排水部130(図8参照)と同様に、空気導入口106から導入路107へ浸入した凝縮水Cwを、回収して排出するものである。この排水部130Aは、嵌合部230によって構成されている。この嵌合部230は、第1フランジ64のフランジ面64aと第2フランジ65のフランジ面65aとの間に設けられる。この結果、この嵌合部230は、第1導入路111の下流端面111aと第2導入路112の上流端面112aと、の間に設けられている。
詳しく説明すると、この嵌合部230は、環状の凹状溝231と環状の凸状部232とからなる。凹状溝231は、下流端面111a(フランジ面64a)と上流端面112a(フランジ面65a)とのいずれか一方に設けられている。凸状部232は、凹状溝231に嵌め込み可能に、、下流端面111a(フランジ面64a)と上流端面112a(フランジ面65a)とのいずれか他方に設けられている。このように、凹状溝231及び凸状部232は、第1導入路111の開口と第2導入路112の開口とを囲う、環状の構成である。
実施例2によれば、凹状溝231の内周面と凸状部232の外周面との間には、水分子が移動可能な程度の表面粗さが存在する。このため、導入路107へ浸入した凝縮水Cwを毛細管現象によって、嵌合部230から排出することができる。つまり、モータ冷却用空気Arから凝縮水Cwを容易に分離することができる。
さらに、実施例2による車両用空調装置20Aは、上記実施例1の車両用空調装置20と同様の効果を発揮することができる。
次に、図12を参照しつつ、実施例3の車両用空調装置20Bを説明する。
<実施例3>
図12は、実施例3による車両用空調装置20Bの後席用ダクトユニット50B周りの断面構成を示し、上記図4の断面位置に相当する。
実施例3の車両用空調装置20Bは、上記図1〜図9に示される実施例1の後席用ダクトユニット50を、図8に示される後席用ダクトユニット50Bに変更したことを特徴とする。その他の基本的な構成については、上記実施例1による車両用空調装置20と共通する。実施例1による車両用空調装置20と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
実施例3の後席用ダクトユニット50Bの第2ファン52Bは、図4に示される第1ファン部70Aと第2ファン部70Bのいずれか一方のみ、例えば第2ファン部70Bを有している。つまり、この第2ファン52Bは、吸引ケース60Bと、この吸引ケース60Bに対して車幅方向の一端に設けられた1つのファン部70Bと、からなる。このため、後席向けダクト51も1つのみである。
吸引ケース60Bは、上記実施例1の吸引ケース60(図4参照)の代わりに用いる部材であって、吸引口61を有するとともに、車幅方向の一端にのみ隔壁62B(第2隔壁62B)を有している。
第2ファン駆動用モータ80は、1つのファン部70Bのみを駆動する。実施例2では、第2ファン駆動用モータ80は吸引ケース60Bに収納する必要がない。つまり、第2ファン駆動用モータ80は、吸引ケース60Bの外部に配置されるとともに、例えばファンケース71に支持される。このため、第2ファン駆動用モータ80は、ヒータコア42(図2参照)によって高温になった温風に晒されることはなく、従って、この温風の熱影響を直接に受けることはない。第2ファン駆動用モータ80の耐久性を高める上で、有利である。
実施例3では、後席用吐出口63の第1フランジ64と吸引口61の第2フランジ65とに対して、各導入管121,122同士を接続する各フランジ64,65が、分離している。従って、実施例3では、この分離している各フランジ64,65間に、実施例1の排水部130または実施例2の排水部130Aが設けられる。
実施例3による車両用空調装置20Bは、上記実施例1の車両用空調装置20や、上記実施例2の車両用空調装置20Aと同様の効果を発揮することができる。
なお、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、各実施例に限定されるものではない。
例えば、第1ファン32は、エバポレータ41の上流側に位置する構成に限定されるものではなく、エバポレータ41の下流側に位置する構成であってもよい。
また、第2ファン52,52Bは、ハウジング31からの調和空気を吸い込み吐出する構成であればよい。つまり、第2ファン52,52Bは、ハウジング31から調和空気を吸い込んで後席向けダクト51へ吐出する構成に限定されるものではなく、例えば、後席向けダクト51の下流側に接続する構成を含む。
また、第2ファン駆動用モータ80は、インナロータ型ブラシ付きモータの構成に限定されるものではなく、例えばアウタロータ型モータやブラシレスモータの構成であってもよい。
また、空気流入孔101及び空気流出孔102は、モータケース84に設けられていればよく、モータケース84のなかの特定の位置に限定されるものではない。
また、第1開口104は、導入路107と空気流入孔101との間を連通可能であればよい。第2開口105は、空気流出孔102と放出路108との間を連通可能であればよい。
また、この車両用空調装置20,20A,20Bは、図1に示すような前席と後席とからなる、いわゆる2列シートの車両だけでなく、前席(第1列席)、第2列席、後席(第3列席)とからなる、いわゆる3列シートの車両に搭載されてもよい。このとき、後席用ダクトユニット50は、第2列席の空間に調和空気を供給するように設けられる。
本発明の車両用空調装置20,20A,20Bは、乗用自動車等の車両10に搭載するのに好適である。
10 車両
11 車室
12 後席
20,20A,20B 車両用空調装置
30 空調装置本体部
31 ハウジング
31a 底板
32 第1ファン
33 空気流路
41 エバポレータ
42 ヒータコア
43 温度調整ドア
50,50B 後席用ダクトユニット
51 後席向けダクト
52,52B 第2ファン
72 遠心ファン(インペラ、羽根車)
80 第2ファン駆動用モータ
81 回転軸(モータ軸)
84 モータケース
106 空気導入口
107 導入路
108 放出路
110,110A 下り傾斜部
111 第1導入路
111a 下流端面
111e 内周面の下縁
111f 前半部
112 第2導入路
112a 上流端面
112e 内周面の下縁
119 段差
130,130A 排水部
131 気液分離部材
230 嵌合部
231 凹状溝
232 凸状部
Ar モータ冷却用空気
Cw 凝縮水
S1 第1導入路の断面積
S2 第2導入路の断面積

Claims (6)

  1. 内部に空気流路(33)が設けられているハウジング(31)と、車室(11)の内側及び/又は前記車室(11)の外側から導入した空気を前記空気流路(33)へ送風する第1ファン(32)と、前記空気流路(33)に設けられたエバポレータ(41)と、前記エバポレータ(41)の下流に設けられたヒータコア(42)と、前記エバポレータ(41)と前記ヒータコア(42)との間に設けられて前記ヒータコア(42)へ向かう空気と前記ヒータコア(42)を迂回する空気との比率を調整する温度調整ドア(43)と、を備えた空調装置本体部(30)と、
    前記ハウジング(31)のうち前記ヒータコア(42)の下流側に接続されて、前記空調装置本体部(30)により温度が調整された調和空気を前記車室(11)の後席(12)へと導く後席用ダクトユニット(50)であって、前記調和空気を吸い込み吐出する第2ファン(52)と、後席向けダクト(51)とを有する後席用ダクトユニット(50)と、を含み、
    前記後席用ダクトユニット(50)は、前記第2ファン(52)のファンケース(71)に収納された遠心ファン(72)を回転軸(81)によって直接に駆動する第2ファン駆動用モータ(80)を有する、
    車両用空調装置(20;20A;20B)において、
    前記空気流路(33)のうち、前記第1ファン(32)の下流で且つ前記温度調整ドア(43)の上流からモータ冷却のための空気(Ar)を導入するように、前記ハウジング(31)の前記底板(31a)に開口した空気導入口(106)と、
    前記空気導入口(106)から導入した前記モータ冷却のための空気(Ar)を前記第2ファン駆動用モータ(80)へ導く導入路(107)と、
    前記空気導入口(106)から前記導入路(107)へ浸入した凝縮水(Cw)を、回収して排出する排水部(130;130A)と、
    を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記導入路(107)は、
    少なくとも、前記空気導入口(106)から下り傾斜する下り傾斜部(110)を有し、
    前記下り傾斜部(110)は、
    上流側の第1導入路(111)と、
    前記第1導入路(111)の下流端面(111a)に接続可能な上流端面(112a)を有している下流側の第2導入路(112)と、
    前記下流端面(111a)と前記上流端面(112a)との間に設けられた気液分離部材(131)を有する前記排水部(130)と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記導入路(107)は、
    少なくとも、前記空気導入口(106)から下り傾斜する下り傾斜部(110A)を有し、
    前記下り傾斜部(110A)は、
    上流側の第1導入路(111)と、
    前記第1導入路(111)の下流端面(111a)に接続可能な上流端面(112a)を有している下流側の第2導入路(112)と、を備え、
    前記排水部(130A)は、前記下流端面(111a)と前記上流端面(112a)との間に設けられた嵌合部(230)によって構成され、
    前記嵌合部(230)は、
    前記下流端面(111a)と前記上流端面(112a)とのいずれか一方に設けられた環状の凹状溝(231)と、
    前記凹状溝(231)に嵌め込み可能に、前記下流端面(111a)と前記上流端面(112a)とのいずれか他方に設けられた環状の凸状部(232)とからなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  4. 前記第1導入路(111)の断面積(S1)は、前記第2導入路(112)の断面積(S2)よりも大きい、ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 下り傾斜している前記第1導入路(111)のなかの、少なくとも前記空気導入口(106)寄りの前半部(111f)は、前記空気導入口(106)から前記ハウジング(31)の前記底板(31a)に沿って延びている、
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
  6. 前記上流端面(112a)の部位における前記第2導入路(112)の内周面の下縁(112e)が、
    前記下流端面(111a)の部位における前記第1導入路(111)の内周面の下縁(111e)よりも上位に位置することで、
    前記下り傾斜部(110;110A)の内周面のうち底面に段差(119)を有している、
    ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP4086093A4 (en) * 2020-01-01 2024-01-17 Valeo Japan Co., Ltd. AIR CONDITIONING DEVICE FOR VEHICLE

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