JP2021119568A - リチウムイオン二次電池用電極、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用電極、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】エネルギー密度を低下させることなく、電極タブの強度も向上させることが可能なリチウムイオン二次電池用電極を提供する。【解決手段】リチウムイオン二次電池用電極10は、集電体と、集電体の一方の表面上に設けられる第1の電極活物質層12と、第1の電極活物質層12の上に設けられる第1の絶縁層13とを備え、集電体が、第1の電極活物質層12により被覆されない端部11Aを有し、集電体の端部11Aにおいて、第1の絶縁層13の端部13Aが、第1の電極活物質層12からはみ出して、集電体の端部11Aの一部を被覆しており、かつ複数の細長の凸部13Xが並列した波型形状を有しており、凸部13Xの長さdが5mm以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、絶縁層を備えるリチウムイオン二次電池用電極、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、電力貯蔵用の大型定置用電源、電気自動車用等の電源として利用されており、近年では電池の小型化及び薄型化の研究が進展している。リチウムイオン二次電池は、金属箔などの集電体の表面に電極活物質層を形成した両電極と、両電極の間に配置されるセパレータを備えるものが一般的である。セパレータは、両電極間の短絡防止や電解液を保持する役割を果たす。セパレータは、従来、電極との接触面において酸化劣化することが知られており、特に、正極側において劣化が顕著になる傾向にある。
また、従来、リチウムイオン二次電池には、電極活物質層の表面に多孔質の絶縁層が設けられることがある(例えば、特許文献1参照)。絶縁層は、一般的には、セパレータの代わりに電極間の絶縁性を確保するために、あるいは、セパレータと併用されてセパレータが収縮したときなどでも、良好な短絡抑制機能を持たせるために設けられる。
絶縁層は、例えば絶縁性微粒子とバインダーとが配合された絶縁層用スラリーを電極活物質層の上に塗布することで形成される。
特許第3253632号
ところで、電極活物質層が表面に形成された集電体は、電極活物質層により被覆されない端部(「未被覆端部」ともいう)を有し、未被覆端部が纏められて電極タブに取り付けられている。そのような未被覆端部においては、隣接する電極に短絡することを防止するために、電極活物質層の上に形成された絶縁層が、電極活物質層の端部からはみ出し、未被覆端部の一部を被覆するように形成されることが検討されている。
一方、絶縁層は、間欠塗工により形成されることが多く、上記した集電体の端部において、塗工の開始部分である塗工始端や、塗工の終了部分である塗工終端となることがある。しかし、絶縁層を形成するための塗工液は、塗工の終了部分である塗工終端では、塗工終了とともに直ちに液切れせずに、塗工液が部分的に細長に延ばされる、いわゆる液引きが生じることがある。液引きが生じると、絶縁層の端部は、複数の細長の凸部が並列した波型形状の輪郭を有することになる。
上記のように、絶縁層の端部が波型形状となる場合に、集電体の未被覆端部を短くすると、絶縁材料で構成される凸部の上に電極タブが重ねられることになり、電極タブの強度が低下する。一方で、集電体の未被覆端部を長くすると、電極タブが絶縁材料に重なることが防止されるが、各集電体あたりの電極活物質層の面積が低下して、エネルギー密度が低下するという問題が生じる。
そこで、本発明は、エネルギー密度を低下させることなく、電極タブの強度も向上させることが可能なリチウムイオン二次電池用電極を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、絶縁層スラリーの塗工条件を適宜調整して、液引き(すなわち、波型形状の凸部)の長さを所定値以下とすることで、上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[16]を提供する。
[1]集電体と、前記集電体の一方の表面上に設けられる第1の電極活物質層と、前記第1の電極活物質層の上に設けられる第1の絶縁層とを備え、
前記集電体が、前記第1の電極活物質層により被覆されない端部を有し、
前記集電体の前記端部において、前記第1の絶縁層の端部が、前記第1の電極活物質層からはみ出して、前記集電体の前記端部の一部を被覆しており、かつ複数の細長の凸部が並列した波型形状を有しており、
前記凸部の長さDが5mm以下である、リチウムイオン二次電池用電極。
[2]前記集電体の前記端部の前記第1の電極活物質層、及び前記凸部を含む前記第1の絶縁層のいずれにも被覆されない部分の長さAが、3〜10mmである上記[1]に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[3]前記第1の電極活物質層からはみ出る、前記第1の絶縁層の端部の長さBが、1〜5mmである上記[1]又は[2]に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[4]前記集電体の他方の表面上に設けられる第2の電極活物質層と、前記第2の電極活物質層の上に設けられる第2の絶縁層とをさらに備え、
前記集電体の前記端部において、前記第2の絶縁層の端部が、前記第2の電極活物質層からはみ出し、前記他方の表面において前記集電体の前記端部の一部を被覆し、かつその縁部が略直線状に形成される上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[5]前記集電体の前記端部が、電極タブに取り付けられる上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[6]前記電極タブと、第1の電極活物質層の距離Cが、3〜8mmである上記[5]に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[7]前記凸部の長さをD、前記第1の電極活物質層からはみ出る、前記第1の絶縁層の端部の長さをB、前記電極タブと前記第1の電極活物質層の距離をCとすると、D/(C−B)が1.5以下である上記[5]又は[6]に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[8]前記第1の電極活物質層が、正極活物質層である上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[9]前記第1の絶縁層が、絶縁性微粒子と、絶縁層用バインダーとを含む上記[1]〜[8]のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[10]上記[1]〜[9]のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極を備えるリチウムイオン二次電池。
[11]正極と、負極とがそれぞれが複数層設けられるように交互に配置されるリチウムイオン二次電池であって、
前記正極、又は前記負極の少なくともいずれか一方の電極が、前記リチウムイオン二次電池用電極により構成され、各層を構成する前記いずれか一方の電極の前記集電体の前記端部が纏められて電極タブに接続される上記[10]に記載のリチウムイオン二次電池。
[12]一方の表面上に第1の電極活物質層が設けられた、集電体シートの前記第1の電極活物質層上に、第1の絶縁層用塗工液を塗工して、第1の絶縁層を形成するリチウムイオン二次電池用電極の製造方法であって、
前記集電体シートが前記第1の電極活物質層により被覆されない未被覆部分を有しており、
前記第1の絶縁層用塗工液の塗工は、前記集電体シートの前記未被覆部分において塗工終端となるように行われ、
前記塗工終端よりなる前記第1の絶縁層の端部が、前記一方の表面において、前記第1の電極活物質層からはみ出して前記集電体シートの前記未被覆部分の一部を被覆するように形成され、
前記塗工終端における液引き長さが5mm以下である、リチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
[13]前記絶縁層用塗工液の塗工時の粘度が2000〜4000mPa・sである上記[12]に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
[14]前記集電体シートの他方の表面上に第2の電極活物質層が設けられた、前記集電体シートの第2の電極活物質層上に、第2の絶縁層用塗工液を塗工して、第2の絶縁層を形成し、
前記未被覆部分が、前記集電体シートの両面において前記第1及び第2の電極活物質層により被覆されない部分であり、
前記第2の絶縁層用塗工液の塗工は、前記集電体シートの前記未被覆部分の前記塗工終端となる位置において、塗工始端となるように行われ、
前記塗工始端よりなる前記第2の絶縁層の端部が、前記他方の表面において、前記第2の電極活物質層からはみ出して前記集電体シートの前記未被覆部分の一部を被覆するように形成される、上記[12]又は[13]に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
[15]前記集電体シートを送りながら、前記第1及び第2の絶縁層用塗工液の一方を前記一方又は他方の表面上に塗工して、前記第1及び第2の絶縁層の一方を形成し、ロール状に巻き取り、
そのロール状に巻き取った前記集電体シートを繰り出しながら、前記第1及び第2の絶縁層用塗工液の他方を前記一方又は他方の表面上に塗工して、前記第1及び第2の絶縁層の他方を形成する上記[14]に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
[16]前記第1の絶縁層用塗工液を塗工するときの集電体への接液部のせん断速度が、0.5×104〜40×104(1/s)である上記[12]〜[15]のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
本発明によれば、エネルギー密度を低下させることなく、電極タブの強度を向上させることが可能なリチウムイオン二次電池用電極を提供できる。
第1の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極を示す概略断面図である。 第1の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極の一方の表面を示す平面図である。 第1の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極の他方の表面を示す平面図である。 第2の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極を示す概略断面図である。 第1の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極を製造する工程を示す平面図である。 第1の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極を製造する工程を示す模式的な断面図である。
[リチウムイオン二次電池用電極]
<第1の実施形態>
以下、本発明のリチウムイオン二次電池用電極について詳細に説明する。
図1〜3は、本発明の第1の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極10を示す。
図1、2に示すように、第1の実施形態のリチウムイオン二次電池用電極(以下、単に「電極」ということがある)10は、集電体11と、集電体11の一方の表面11Xに設けられる第1の電極活物質層12と、第1の電極活物質層12の上に設けられる第1の絶縁層13を備える。また、リチウムイオン二次電池用電極10は、さらに、図1、3に示すように、集電体11の他方の表面11Y上に設けられる第2の電極活物質層22と、第2の電極活物質層22の上に設けられる第2の絶縁層23とをさらに備える。
以下、第1の実施形態に係るリチウムイオン二次電池電極10について詳細に説明する。
(第1の電極活物質層及び第1の絶縁層)
第1の電極活物質層12は、一方の表面11Xにおいて、集電体11の一端部11Zには被覆しないように形成される。そのため、集電体11の一端部11Zの一方の表面11Xは、第1の電極活物質層12が被覆されない端部(以下、「未被覆端部11A」ともいう)となる。
第1の絶縁層13は、第1の電極活物質層12の上に設けられるとともに、未被覆端部11Aにおいて、その端部が第1の電極活物質層12の縁部12Bよりはみ出すように形成されている。はみ出すように形成された端部(以下、「はみ出し端部13A」ともいう)は、集電体11の未被覆端部11Aの表面を被覆する。
はみ出し端部13Aは、未被覆端部11Aの一部を被覆し、未被覆端部11Aの先端側(すなわち、集電体11の縁部11B側)の領域を被覆しない。なお、以下の説明では、未被覆端部11Aの先端側のはみ出し端部13A(第1の絶縁層13)に被覆されない領域は、未被覆先端部11Cとして説明することがある。
集電体11の一端部11Zには、図2、3に示すように、電極タブ15に取り付けられる。電極タブ15は、集電体11の未被覆先端部11Cに重ねられるように配置される。なお、リチウムイオン二次電池において、電極10は好ましくは複数層重なられて構成され、その場合には、集電体11の一端部11Zも複数重ねられた上で電極タブ15に取り付けられる。なお、一端部11Zが複数重ねられる場合、未被覆先端部11Cが、他の電極の未被覆先端部11Cに重ねられて融着などにより接合されたうえで、電極タブ15が取り付けられるとよい。
未被覆端部11Aにおいて、第1の絶縁層13のはみ出し端部13Aは、図2に示すように、平面視すると、複数の細長の凸部13Xが並列して、波型形状を有している。具体的に説明すると、はみ出し端部13Aは、第1の絶縁層13の縁部を構成するベースライン13Bを有し、各凸部13Xは、そのベースライン13Bから突出するように、集電体11の縁部11Bに向かって延在する。ここで、各凸部13Xは、細長形状であり、その長さdが各凸部13Xの幅に対して、十分に大きく(例えば3倍以上)、そのような細長形状の凸部13Xがベースライン13Bに沿って複数並ぶことで波型形状となる。
ベースライン13Bは、線状に形成された集電体11の端面11Bに対して略平行である。なお、略平行とは、後述するようにベースライン13Bに沿う直線を引いたときに、その直線が、縁部11Bに対して殆ど傾かない(例えば、傾斜角度8°未満、好ましくは4°未満)ことを意味する。
リチウムイオン二次電池電極の絶縁層は、通常、スラリーが塗工されて形成されるが、スラリーは一定の粘度を有する。そのため、塗工液の塗り終わり部分である塗工終端では、液切れせずに、部分的に塗工液が延ばされる、いわゆる液引きが生じることがある。第1の絶縁層13のはみ出し端部13Aは、後述するように、塗工終端であり、それゆえ、不可避的に液引きが生じて、上記のように凸部13Xが複数形成され波型形状となる。
(凸部の長さ)
本発明では、凸部13Xの長さDが5mm以下となるものである。長さDが5mm以下となることで、一方の表面11Xにおいて未被覆端部11Aの長さを短くしても、凸部13Xの先端側に、絶縁層13が被覆されない一定の大きさの領域が確保される。そのため、未被覆先端部11Cに電極タブ15が取り付けられても、電極タブ15はほとんど凸部13Xの上に重ねられることがなくなり、電極タブ15の強度が向上する。電極タブ15の強度が向上すると、電極の耐久性などが高くなると共に、集電も良好となり容量が高くなる。
一方で、長さDが5mmより大きくなると、電極タブ15が多くの凸部13Xの上に重ねられ、電極タブ15の強度が低下する。また、電極タブ15が重ねられる凸部13Xの面積を少なくしようとすると、一方の表面11Xにおいて未被覆端部11Aの長さが大きくなり、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度が低下する。なお、未被覆端部11Aの長さは、上記した長さDと後述する長さAと長さBの合計長さであり、長さ(A+B+D)ということがある。
凸部13Xの長さDは、3mm以下が好ましい。3mm以下とすると、一方の表面11Xにおける未被覆端部11Aの長さ(A+B+D)をより一層短くでき、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度を向上させやすい。また、凸部13Xの上に電極タブ15が重ねられにくくなり、電極15のタブの強度がより一層向上しやすくなる。長さDは、短ければ短いほうがよいが、上記したように塗工時に不可避的に形成されるものであり、例えば0.5mm以上程度の長さになる。
なお、凸部13Xの長さDとは、後述するように、集電体11の一端部11Zに設けられる複数の凸部13X全ての長さdの平均値を長さDとする。なお、長さdは凸部13Xの先端とベースライン13Bとの最短距離であり、凸部13Xの高さに相当する。また、長さ/幅が3以上のものをそれぞれ凸部とする。
(長さA,B,距離C)
第1の絶縁層13のはみ出し端部13Aの長さBは、1〜5mmであることが好ましい。長さBが1mm以上であることで、安全性が確保しやすくなる。一方で、5mm以下とすることで、はみ出し端部13Aが必要以上に長くなることを防止し、一方の表面11Xにおいて未被覆先端部11Cの長さAを一定量以上確保しやすくなる。また、5mm以下とすると、集電体11上の第1の電極活物質層12の面積が小さくなることを防止し、エネルギー密度の低下を防ぐ。
以上の観点から、長さBは、2〜4mmがより好ましい。なお、測定方法の詳細は実施例に記載するとおりである。
本発明では、未被覆端部11Aにおいて、第1の電極活物質層12、及び凸部13Xを含む第1の絶縁層11のいずれにも被覆されない長さAが、3〜10mmであることが好ましい。ここで、長さAは、集電体11の未被覆端部11Aの長さから、上記長さBと長さDの合計長さを引いた長さである。長さAを3mm以上とすることで、電極タブ15は凸部13Xの上に重ねられにくくなり、電極タブの強度が向上する。
一方で、長さAを10mm以下とすることで、エネルギー密度を大きく低下させることなく、第1の絶縁層13のはみ出し端部13Aの長さを一定量確保でき、安全性が向上する。また、10mm以下とすることで、集電体11上の第1の電極活物質層12の面積が小さくなることを防止し、エネルギー密度の低下を防ぐ。以上の観点から、長さAは5〜8mmであることがより好ましい。
未被覆端部11Aの長さは、上記したとおり、長さA,B,Dの合計長さ(A+B+D)である。未被覆端部11Aの長さ(A+B+D)は、4〜14mmが好ましく、8〜13mmがより好ましく、9〜12mmがさらに好ましい。長さをこれら上限値以下とすることで、集電体11上の第1の電極活物質層12の面積が小さくなることを防止し、エネルギー密度の低下を防ぐ。また、これら下限値以上とすることで、電極タブ15が凸部13Xの上に重ねられにくくなり、電極タブ15の強度が向上する。
集電体11の端部11Aに取り付けられる電極タブ15と、第1の電極活物質層12の距離Cは、3〜8mmであることが好ましい。距離Cを3mm以上とすると、電極タブ15は凸部13Xの上に重ねられにくくなり、電極タブの強度が向上する。一方で、距離Cを8mm以下とすると、集電体11の上に形成された第1の電極活物質層12の面積が大きくなり、エネルギー密度が高くなりやすい。以上の観点から、距離Cは4〜7mmがより好ましい。
なお、以上述べた長さA、B,D及び距離Cの測定方法の詳細は実施例に記載するとおりである。
本発明では、D/(C−B)で表される、第1の絶縁層13の縁部(すなわち、べースライン13B)と電極タブ15の距離に対する、凸部13Xの長さDの比が、1.5以下であることが好ましい。D/(C−B)を1.5以下とすると、電極タブ15が凸部13Xの上に重ねられにくくなり、電極タブ15の強度が向上する。
電極タブ15の強度を向上させる観点から、D/(C−B)は、1.4以下がより好ましいが、1未満がさらに好ましく、0.8以下がよりさらに好ましい。1未満とすると、電極タブ15が凸部13Xにより一層重ならなりにくくなる。
D/(C−B)は、低ければ低いほうがよいが、例えば、0.1以上であり、実用的には0.3以上である。
また、本発明では、A/(A+B)で表される長さ比が、0.2〜0.9であることが好ましい。この長さ比を0.2以上とすることで、未被覆先端部11Cに凸部13Xが設けられない領域を十分に確保でき、電極タブ15の強度を十分に確保できる。また、0.9以下とすることで、第1の絶縁層13のはみ出し端部13Aの長さを十分に確保でき、安全性が向上する。これら観点から、A/(A+B)は、0.5〜0.8がより好ましい。
さらに、B/(A+B+D)で表される長さ比は、0.1〜0.4が好ましく、より好ましくは0.2〜0.4である。これら範囲内とすることで、第1の絶縁層13のはみ出し端部13Aの長さを十分に確保しつつ、電極活物質層12の面積を大きくすることができる。
(第2の電極活物質層、第2の絶縁層)
上記したとおり、第1の実施形態では、集電体11の他方の表面11Y上には第2の電極活物質層22が設けられ、第2の電極活物質層22の上にはさらに第2の絶縁層23が設けられる。第2の電極活物質層22は、集電体11の一端部11Zには被覆しないように形成され、集電体11の一端部11Zにおける他方の表面11Yは、一方の表面11Xと同様に電極活物質層に被覆されない端部となる。すなわち、集電体11は、一端部11Zの両表面11X,11Yが、未被覆端部11Aになる。なお、両表面11X,11Yにおいて、未被覆端部11Aの領域は完全に一致する必要はなく、したがって、第1の電極活物質層12の縁部12Bと、第2の電極活物質層22の縁部22Bの位置は適宜ずれていてもよい。
未被覆端部11Aにおいて、第2の絶縁層23の端部は、第2の電極活物質層22よりはみ出すように形成されており、その端部(以下、「はみ出し端部23A」ともいう)が、集電体11の未被覆端部11Aの一部を被覆する。そして、はみ出し端部23Aよりも先端側(すなわち、集電体11の縁部11B側)の領域は、第2の絶縁層23にも被覆されない領域となる。すなわち、集電体11は、両表面11X,11Yにおいて、はみ出し端部13A,23Aの先端側に、電極活物質層及び絶縁層が被覆されない未被覆先端部11Cを有することになる。なお、両表面11X,11Yにおいて、未被覆先端部11Cの領域は完全に一致する必要はなく、したがって、ベースライン13B(すなわち、第1の絶縁層13の縁部)と、縁部23Bの位置は適宜ずれていてもよい。
未被覆端部21Aにおいて、第2の絶縁層23のはみ出し端部23Aの縁部23Bは、図3に示すように、平面視すると、略直線状に形成される。ここで、略直線状とは、縁部23Bに沿って直線を引くと、その直線からずれる凹凸が全くないか、凹凸があるとしても微細な凹凸がある程度であり、一方の表面11Xに設けられたはみ出し端部13Aのように細長の凸部が複数設けられることはない。また、縁部23Bは、集電体11の縁部11Bに略平行である。略平行であるとは、縁部23Bに沿う直線を引いたときに、その直線が、集電体11の縁部11Bに対して殆ど傾かない(例えば、傾斜角度8°未満、好ましくは4°未満)ことを意味する。
リチウムイオン二次電池電極の絶縁層は、通常、一定の粘度を有するスラリーが塗工されて形成されるが、塗工始端では、塗工終端とは異なり液引きが生じない。第2の絶縁層23のはみ出し端部23Aは、後述するように、塗工始端となり、それゆえ、液引きが生じず、上記のように縁部23Bは略直線状となる。
すなわち、本実施形態では、集電体11の一端部11Zは、一方の表面11X側が第1の絶縁層13の塗工終端となり、他方の表面側が第2の絶縁層23の塗工始端となる。このような態様によれば、後述するように、巻き返しすることなく、両表面に絶縁層用塗工液を塗工すればよいので、簡単な方法で集電体11の両面に絶縁層を形成できるようになる。
集電体11は、一般的に金属箔からなり、その厚さは、特に限定されないが、1〜50μmが好ましい。第1及び第2の電極活物質層12、22の厚さはそれぞれ、特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、20〜80μmがより好ましい。また、第1及び第1及び第2の絶縁層13、23の厚さはそれぞれ、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜10μmである。
本実施形態において、上記したリチウムイオン二次電池用電極10は、正極を構成することが好ましい。したがって、集電体11は正極集電体となり、第1及び第2の電極活物質層12、22は、正極活物質層となる。
正極は、一般的に負極よりも面積が小さくなるので、正極の端部(すなわち、一端部11Z)は、負極と重ねり合い、短絡が発生しやすい。したがって、そのような端部において第1及び第2の絶縁層13、23それぞれを、図2,3に示すように、第1及び第2の電極活物質層12、22からはみ出すように形成することで、短絡を有効に防止できる。
ただし、リチウムイオン二次電池用電極10は、負極を構成してよい。この場合、集電体11は負極集電体となり、第1及び第2の電極活物質層12、22は、負極活物質層となる。
次に、各部材を構成する材料について詳細に説明する。
(集電体)
電極が正極である場合、集電体11は正極集電体となる。正極集電体を構成する材料としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性を有する金属が挙げられ、これらの中ではアルミニウム又は銅が好ましく、アルミニウムがより好ましい。
一方で、電極が負極であれば、集電体11は負極集電体となる。負極集電体となる材料は、上記正極集電体に使用される化合物と同様であるが、好ましくはアルミニウム又は銅、より好ましくは銅が使用される。
第1及び第2の電極活物質層12、22は、それぞれ、電極活物質と、電極用バインダーとを含む。電極10が正極である場合、電極活物質が正極活物質となり、第1及び第2の電極活物質層12、22は、いずれも正極活物質層となる。正極活物質層は、さらに導電助剤を含有することが好ましい。
また、電極10が負極である場合、電極活物質が負極活物質となり、第1及び第2の電極活物質層12、22は、いずれも負極活物質層となる。負極活物質層は導電助剤を含有してよいし、含有してなくてもよい。
(電極活物質)
正極活物質層に使用される正極活物質としては、金属酸リチウム化合物が挙げられる。金属酸リチウム化合物としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)等が例示できる。また、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)などであってもよい。さらに、リチウム以外の金属を複数使用したものでもよく、三元系と呼ばれるNCM(ニッケルコバルトマンガン)系酸化物、NCA(ニッケルコバルトアルミニウム系)系酸化物などを使用してもよい。これら中では、NCA系酸化物が好ましい。正極活物質は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
負極活物質層に使用される負極活物質としては、グラファイト、ハードカーボンなどの炭素材料、スズ化合物とシリコンと炭素の複合体、リチウムなどが挙げられるが、これら中では炭素材料が好ましく、グラファイトがより好ましい。負極活物質は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1及び第2の電極活物質層12、22それぞれにおける電極活物質の含有量は、電極活物質層全量基準で、50〜99質量%が好ましく、70〜98質量%がより好ましい。
電極活物質は、粒子状であることが好ましい。電極活物質は、特に限定されないが、その平均粒子径が0.5〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。なお、電極活物質及び後述する絶縁性微粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた絶縁性微粒子の粒度分布において、体積積算が50%での粒径(D50)を意味する。
(導電助剤)
第1及び第2の電極活物質層12、22それぞれにおいて使用する導電助剤は、例えば、上記電極活物質よりも導電性が高い材料が使用され、具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラフェン、フラーレン等の炭素質材料などが挙げられる。導電助剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
電極活物質層における導電助剤の含有量は、電極活物質層全量基準で、1〜15質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。導電助剤の含有量をこれら範囲内とすることで、電極活物質層の導電性を適切に向上できる。
(電極用バインダー)
第1及び第2の電極活物質層12、22それぞれは、電極活物質及び導電助剤が電極用バインダーによって結着されて構成される。電極用バインダーの具体例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素含有樹脂、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びポリビニルアルコール等が挙げられる。これらバインダーは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、カルボキシメチルセルロースなどは、ナトリウム塩などの塩の態様にて使用されていてもよい。
第1及び第2の電極活物質層12、22それぞれにおける電極用バインダーの含有量は、電極活物質層全量基準で、1〜40質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましい。電極用バインダーの含有量をこれら下限値以上とすることで、電極活物質及び導電助剤が、バインダーによって適切に保持される。また、上限値以下とすることで、電極活物質、又は電極活物質及び導電助剤を一定量以上電極活物質層に含有させることが可能になる。
第1及び第2の電極活物質層12、22はそれぞれ、本発明の効果を損なわない範囲内において、電極活物質、導電助剤、及び電極用バインダー以外の他の任意成分を含んでもよい。ただし、電極活物質層の総質量のうち、電極活物質、導電助剤、及び電極用バインダーの総含有量は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。
第1及び第2の絶縁層13、23それぞれは、典型的には、絶縁性微粒子と、絶縁層用バインダーとを含む。第1及び第2の絶縁層13、23それぞれは、絶縁性微粒子が絶縁層用バインダーによって結着されて構成される層であり、多孔質構造を有する。
(絶縁性微粒子)
第1及び第2の絶縁層13、23それぞれに含有される絶縁性微粒子は、絶縁性であれば特に限定されず、有機粒子、無機粒子の何れであってもよい。具体的な有機粒子としては、例えば、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋スチレン−アクリル酸共重合体、架橋アクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸リチウム)、ポリアセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の有機化合物から構成される粒子が挙げられる。無機粒子としては二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、ベーマイト、チタニア、ジルコニア、窒化ホウ素、酸化亜鉛、二酸化スズ、酸化ニオブ(Nb)、酸化タンタル(Ta)、フッ化カリウム、フッ化リチウム、クレイ、ゼオライト、炭酸カルシウム等の無機化合物から構成される粒子が挙げられる。また、無機粒子は、ニオブ−タンタル複合酸化物、マグネシウム−タンタル複合酸化物等の公知の複合酸化物から構成される粒子であってもよい。
絶縁性微粒子は、上記した各材料が1種単独で使用される粒子であってもよいし、2種以上が併用される粒子であってもよい。また、絶縁性微粒子は、無機化合物と有機化合物の両方を含む微粒子であってもよい。例えば、有機化合物からなる粒子の表面に無機酸化物をコーティングした無機有機複合粒子であってもよい。
これらの中では、無機粒子が好ましく、中でもアルミナ粒子、ベーマイト粒子が好ましく、アルミナ粒子がより好ましい。
絶縁性微粒子の平均粒子径は、絶縁層の厚さよりも小さければ特に限定されず、例えば0.001〜1μm、好ましくは0.05〜0.8μm、より好ましくは0.1〜0.6μmである。フィラーの平均粒子径をこれら範囲内にすることで、空隙率を適度な範囲にしてセパレータの酸化劣化を防止しやすくなる。
また、絶縁性微粒子は、平均粒子径が上記範囲内の1種が単独で使用されてもよいし、平均粒子径の異なる2種の絶縁性微粒子が混合されて使用されてもよい。
第1及び第2の絶縁層13、23それぞれに含有される絶縁性微粒子の含有量は、絶縁層成分全量基準で、30〜96質量%が好ましく、より好ましくは45〜94質量%、さらに好ましくは65〜93質量%である。絶縁性微粒子の含有量が上記範囲内であると、第1及び第2の絶縁層13、23それぞれは、均一な多孔質構造を形成でき、短絡を防止しやすくなる。
(絶縁層用バインダー)
絶縁層用バインダーの具体例は、電極用バインダーで使用可能な化合物として例示された化合物が挙げられる。絶縁層に使用されるバインダーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1及び第2の絶縁層13、23それぞれに含有される絶縁層用バインダーの含有量は、絶縁層成分全量基準で、4〜60質量%が好ましく、より好ましくは5〜50質量%、さらに好ましくは6〜35質量%である。上記範囲内であると、絶縁層には、均一な多孔質構造を形成でき、かつ短絡を防止しやすくなる。
第1及び第2の絶縁層13、23それぞれは、本発明の効果を損なわない範囲内において、絶縁性微粒子及び絶縁層用バインダー以外の他の任意成分を含んでもよい。ただし、第1及び第2の絶縁層13、23それぞれの総質量のうち、絶縁性微粒子及び絶縁層用バインダーの総含有量は、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極について、第1の実施形態との相違点を説明する。
第1の実施形態においては、集電体11の両表面11X、11Yそれぞれに、第1の電極活物質層12及び第1の絶縁層13、並びに第2の電極活物質層22及び第2の絶縁層23が設けられていたが、図4に示すように、第2の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極30においては、他方の面11Yに設けられていた第2の電極活物質層22及び第2の絶縁層23が省略される。
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、未被覆端部11Aに形成された第1の絶縁層13の凸部13Xの長さD(図2、3参照)を所定値以下とすることで、エネルギー密度が低下させることなく、電極タブの強度も向上させることができる。
なお、本発明のリチウムイオン二次電池用電極は、上記第1及び第2の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極10、30に限定されず、本発明の効果を損なわない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1の実施形態では、第2の絶縁層23の縁部23Bは、略直線状であったが、直線状に限定されず、第1の絶縁層13の縁部と同様に波型形状としてもよい。この場合、他方の表面10Y上に形成される第2の絶縁層23の構成は、上記した第1の絶縁層13で説明したとおりであり、その詳細は省略する。
このような構成により、後述するように、第1及び第2の絶縁層13、23のはみ出し端部13A、23Aは、いずれも塗工終端となる。また、各表面11X,11Yにおいて、未被覆端部11Aに形成された第1及び第2の絶縁層13、23の凸部13Xの長さDを所定値以下とすることで、エネルギー密度が低下させることなく、電極タブの強度も向上させることができる。
[リチウムイオン二次電池用電極の製造方法]
次に、本発明の第1の実施形態のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法について図5、6を参考にして説明する。本発明の第1の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電極の製造方法は、図5に示すように、集電体シート51の一方の表面51X上に、第1の電極活物質層52を形成し、その第1の電極活物質層52上に第1の絶縁層用塗工液を塗工して、第1の絶縁層53を形成する。
(第1の電極活物質層の形成)
第1の電極活物質層52の形成においては、まず、電極活物質と、電極用バインダーと、溶媒とを含む第1の電極活物質層用塗工液を用意する。電極活物質層用塗工液は、必要に応じて配合される導電助剤などのその他成分を含んでもよい。電極活物質、電極用バインダー、導電助剤などは上記で説明したとおりである。第1の電極活物質層用塗工液は、スラリーとなる。
第1の電極活物質層用塗工液における溶媒は、水または有機溶剤を使用する。有機溶剤の具体例としては、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、及びジメチルホルムアミドから選択される1種又は2種以上が挙げられる。これらの中では、N−メチルピロリドンが特に好ましい。
第1の電極活物質層用塗工液の固形分濃度は、好ましくは5〜75質量%、より好ましくは20〜65質量%である。
第1の電極活物質層52は、第1の電極活物質層用塗工液を使用して公知の方法で形成すればよく、例えば、第1の電極活物質層用塗工液を集電体シート51の一方の表面51X上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。
また、第1の電極活物質層52は、第1の電極活物質層用塗工液を、集電体シート51以外の基材上に塗布し、乾燥することにより形成してもよい。集電体シート以外の基材としては、公知の剥離シートが挙げられる。基材の上に形成した第1の電極活物質層は、基材から剥がして集電体シートの一方の表面51X上に転写すればよい。
集電体シート51の上に形成した第1の電極活物質層52は、好ましくは加圧プレスする。加圧プレスすることで、電極密度を高めることが可能になる。加圧プレスは、ロールプレスなどにより行えばよい。
第1の電極活物質層52は、好ましくは間欠塗工により、集電体シート51上に塗布される。間欠塗工により塗布されることで、図5に示すように、集電他シート51は、MD方向に沿って、第1の電極活物質層52に被覆される被覆部分51Aと、第1の電極活物質層52に被覆さない未被覆部分51Bを交互に有することになる。なお、図5において、第1の電極活物質層52が形成される領域は、破線の斜線で示す。
(第1の絶縁層の形成)
上記したように、第1の電極活物質層52を形成した後に、第1の電極活物質層52の表面上に、第1の絶縁層用塗工液を塗布して第1の絶縁層53を形成する。
第1の絶縁層53の形成に使用する第1の絶縁層用塗工液は、絶縁性微粒子と、絶縁層用バインダーと、溶媒とを含む。溶媒としては、水又は有機溶剤を使用すればよく、有機溶剤の詳細は、電極活物質層用塗工液で説明したとおりである。第1の絶縁層用塗工液はスラリー(絶縁層用スラリー)となる。
第1の絶縁層用塗工液の固形分濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%である。固形分濃度をこれら範囲内に調整することで、粘度を後述する所望の範囲に調整しやすくなる。
第1の絶縁層53は、第1の絶縁層用塗工液を、第1の電極活物質層52の表面に塗工した後、乾燥することによって形成できる。第1の絶縁層用塗工液を第1の電極活物質層52の表面に塗工する方法は特に限定されず、公知の塗工装置で行えばよく、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、バーコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。これらの中では、絶縁層を均一に塗布する観点などから、グラビアコート法が好ましい。
また、乾燥温度は、上記溶媒を除去できれば特に限定されないが、例えば50〜130℃、好ましくは60〜100℃である。また、乾燥時間は、特に限定されないが、例えば、30秒〜30分間、好ましくは2〜20分間である。
ここで、第1の絶縁層用塗工液の塗工は、集電体シート51を送りながら行うとよい。集電体シート51は、例えば、図5における左から右に送ることで、第1の絶縁層用塗工液の塗工は右から左に行われることになる。第1の絶縁層用塗工液の塗工は、第1の絶縁層13が第1の電極活物質層52(被覆部分51A)の両側からはみ出すように行われ、そのはみ出した第1の絶縁層53の端部(はみ出し部分53A)が、未被覆部分51Bの一部を被覆するように形成される。すなわち、各第1の絶縁層53を形成するための塗工の開始部分である塗工始端55、及び、塗工の終了部分である塗工終端54は、未被覆部分51B上に配置されることになる。なお、第1の絶縁層53が形成される領域は、図5において実線の斜線で示す。
塗工終端54では、直ちに液切れせずに、塗工液が部分的に細長に延ばされる、いわゆる液引きが不可避的に生じる。液引きが生じると、塗工終端54(第1の絶縁層52の端部)は、図2に示すように、複数の細長の凸部13Xが並列した波型形状の輪郭を有することになる。
本製造方法では、不可避的に生じる液引き長さ(すなわち、凸部13Xの長さ)を短くすることで、上記したように、エネルギー密度を低下させることなく、電極タブ15の強度が低くなることを防止する。具体的な液引き長さは、上記したとおりに、5mm以下であり、好ましくは3mm以下である。また、液引き長さは例えば0.5mm以上程度の長さになる。
本製造方法において、液引き長さを短く方法としては、第1の絶縁層用塗工液の粘度、及び第1の絶縁層用塗工液の塗布時のせん断速度を調整する方法がある。
第1の絶縁層用塗工液の粘度は、好ましくは2000〜4000mPa・s、より好ましくは2500〜3500mPa・sである。粘度をこれら上限値以下とすることで、液引きが長くなることを抑制し、電極タブの強度低下やエネルギー密度の低下を抑制する。また、粘度をこれら下限値以上とすることで、絶縁層の厚みムラの増大を抑制し、安全性低下を抑制する。なお、粘度とは、B型粘度計で60rpm、塗工時の温度条件で測定した粘度である。
また、第1の絶縁層用組成物の塗工時の集電体シートへの接液部のせん断速度は、好ましくは0.5×10〜40×10(1/s)であり、より好ましくは0.7×10〜20×10(1/s)であり、さらに好ましくは1.0×10〜10×10(1/s)である。なお、せん断速度は、集電体シート51の搬送速度、接液部の集電体シート51との液面距離により調整することができる。また、塗布時のせん断速度は、例えば下記式により算定可能である。せん断速度を上記上限値以下とすることで、液引きが長くなることを抑制し、タブの強度低下やエネルギー密度の低下を抑制する。また、せん断速度をこれら下限値以上とすることで、生産性が高くなる。
なお、接液部とは、塗工装置の集電体シートに塗工された塗工液に接触する部位であり、グラビアコートでは、図6に示すグラビアロール60の集電体シート51に最も近接している先端部60Aを意味し、液面距離とは、その接液部(先端部60A)において塗工される塗工液の液厚みであり、ロール60の表面に溝が設けられる場合、その溝深さである。
(せん断速度(1/s))=(搬送速度m/sec)÷(液面距離m)
(第2の電極活物質層、及び第2の絶縁層の形成)
本製造方法では、上記のように集電体シート51の一方の表面51Xに、第1の絶縁層53を形成した後に、図6に示すように他方の表面51Yに第2の絶縁層63を形成する。
本製造方法では、第2の絶縁層63を形成する前に、集電体シート51の他方の表面51Yに第2の電極活物質層62を形成すればよい。ここで、第2の電極活物質層62の形成は、第1の絶縁層53を形成する前に行ってもよいし、第1の絶縁層53を形成した後に行ってもよい。
本製造方法では、両表面51X,51Yに第1及び第2の絶縁層53、63が形成された集電シート51は、図5に示す1点鎖線に沿って切断されることで分割され、電極10となる。
第2の電極活物質層62及び第2の絶縁層63は、それぞれ、第2の電極活物質層用塗工液、及び第2の絶縁層用塗工液により形成されればよいが、形成方法は、以下で言及する点を除いて、第1の電極活物質層52及び第1の絶縁層53を形成する方法と同様である。
また、第2の電極活物質層用塗工液及び第2の絶縁層用塗工液の詳細は、それぞれ上記した第1の電極活物質層用塗工液及び第1の絶縁層用塗工液で説明したとおりであり、その説明は省略する。したがって、第2の絶縁層用塗工液の粘度、及び塗工時のせん断速度も上記で説明したとおりである。
ただし、各電極を作製する際に使用される、第2の電極活物質層用塗工液及び第2の絶縁層用塗工液は、それぞれ第1の電極活物質層用塗工液及び第1の絶縁層用塗工液の組成と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
第2の電極活物質層62は、好ましくは間欠塗工により、第1の電極活物質層52と同様に、図6に示すように、集電体シート51の他方の表面51Yは、MD方向に沿って、第2の電極活物質層62が形成される部分と、形成されない部分が設けられることになる。
ここで、他方の表面51Yにおいて、第2の電極活物質層62が形成される位置は、一方の表面51Xにおいて第1の電極活物質層52が形成される位置に一致する。したがって、上記した被覆部分51Aは、両表面51X,51Yに電極活物質層が被覆される部分となる。また、未被覆部分51Bは、両表面51X,51Yに電極活物質層が被覆されない部分となる。ただし、両表面51X,51Yに電極活物質層が被覆される部分は、完全に一致する必要はなく、本発明の効果を損なわない範囲内において適宜ずれていてもよい。
また、集電体シート51の一方の表面51Xに第1の絶縁層用塗工液を塗工して第1の絶縁層53を形成した後、集電体シートはロール状に巻き取るとよい。そして、ロール状に巻き取った集電体シート51は、そのまま繰り出されて、塗工装置に送られ、図6に示すように、他方の表面51Yに第2の絶縁層用塗工液を塗工し、その後適宜乾燥などすることで第2の絶縁層63を形成するとよい。なお、図6では、塗工装置がグラビアコータであり、グラビアロール60により塗工液が給液される態様が示されるが、他の塗工装置により塗工されてもよい。
塗工始端55を構成する第2の絶縁層63の端部は、他方の表面51Yにおいて、第2の電極活物質層62からはみ出して集電体シートの未被覆部分51Bを部分的に被覆するように形成される。同様に、塗工終端54を構成する第2の絶縁層63の端部は、他方の表面51Yにおいて、第2の電極活物質層62からはみ出して集電体シート51の未被覆部分51Bを部分的に被覆するように形成される。
また、本実施形態では、上記のように、ロール状に巻き取られた集電体シート51をそのまま繰り出して他方の面51Yに第2の絶縁層用塗工液が塗工されるので、一方の表面51Xの未被覆部分51において塗工終端54となっていた位置が、他方の面51Yでは塗工始端55となる。また、一方の表面51Xの未被覆部分51において塗工始端55となっていた位置が、他方の面51Yでは塗工終端54となる。
これにより、本製造方法では、集電体シート51を切断して各電極10とすると、集電体11の一端部11Zは、一方の表面11X側が第1の絶縁層53の塗工終端となり、他方の表面側が第2の絶縁層23の塗工始端となる(図1参照)。
また、ロール状に巻き取られた集電体シート51は、巻き返しをすることなく、そのまま繰り出すのみでよいので、その工程を簡略化することができる。また、巻き返しを行わずに、集電体11の一端部11Zの両面に塗工終端と塗工始端が設けられても、上記したとおりに塗工終端における液引き長さが短い。そのため、その液引きを考慮して、電極タブ15を取り付けたとしても、液引きが形成されない集電体11の他方の面11Y側において、必要以上に電極タブ15と第2の電極活物質層23を離間させる必要がなくなる。
なお、以上の説明では、集電体シート51の一方の表面51Xに形成される電極活物質層、絶縁層を、第1の電極活物質層52、第1の絶縁層53とし、集電体シート51の他方の表面51Yに形成される電極活物質層、絶縁層を、第2の電極活物質層62、第2の絶縁層63として便宜上説明した。ただし、上記したように切断して電極10を作製すると、第1の電極活物質層52、第1の絶縁層53が、電極10においては、第2の電極活物質層22、第2の絶縁層23となることもあるし、第2の電極活物質層62、第2の絶縁層63が、電極10においては、第1の電極活物質層12、第1の絶縁層13となることもある。
言い換えると、電極10において第2の絶縁層23となる絶縁層が、第1の絶縁層53として、塗工された後に、電極10において第1の絶縁層13となる絶縁層が第2の絶縁層63として塗工されることもある。
また、以上の説明は、電極の両表面に、第1及び第2の電極活物質層、及び第1及び第2の絶縁層が設けられる第1の実施形態の電極10の製造方法を示すが、第2の電極活物質層の形成、及び第2の絶縁層の形成を省略することで、図4に示す第2の実施形態の電極30を製造できる。
また、以上の製造方法では、巻き返しを行わずに、他方の表面51Y上に第2の絶縁層62を形成したが、巻き返しを行って第2の絶縁層を形成してもよい。すなわち、第1の絶縁層53を一方の表面51X上に形成し、かつロール状に巻き取った集電体シート51を繰り出した後再度ロール状に巻き取り、次いで、そのロールから繰り出して塗工装置に送って他方の表面51Y上に第2の絶縁層用塗工液を塗工するとよい。
巻き返しを行うと、一方の表面51Xの未被覆部分51において塗工終端となっていた位置が、他方の面51Yでも塗工終端となる。また、一方の表面51Xの未被覆部分51において塗工始端となっていた位置が、他方の面51Yでも塗工始端となる。したがって、電極11の一端部11Zでは、両表面11X、11Yの第1及び第2の絶縁層13、23がいずれも、塗工終端(図2に示す波型形状の縁部)、又は塗工始端(図3に示す直線状の縁部)を構成することになる。したがって、上記したように、第1の絶縁層13に加えて、第2の絶縁層23が波型形状を有する電極が得られる。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記した本発明のリチウムイオン二次電池用電極を有するものである。具体的には、本発明のリチウムイオン二次電池は、互いに対向するように配置された正極、及び負極を備え、負極及び正極の少なくとも一方の電極が、上記した本発明のリチウムイオン二次電池用電極となる。また、正極が、上記した本発明のリチウムイオン二次電池用電極であることが好ましいが、正極及び負極の両方が、本発明のリチウムイオン二次電池用電極であってもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、好ましくは正極及び負極の間に配置されるセパレータをさらに備える。セパレータが設けられることで、正極及び負極の間の短絡がより一層効果的に防止される。また、セパレータは、後述する電解質を保持してもよい。正極又は負極に設けられる第1の絶縁層、又は第1及び第2の絶縁層は、セパレータに接触していてもよいし、接触していなくてもよいが、接触することが好ましい。
セパレータとしては、多孔性の高分子膜、不織布、ガラスファイバー等が挙げられ、これらの中では多孔性の高分子膜が好ましい。多孔性の高分子膜としては、オレフィン系多孔質フィルムが例示される。セパレータは、リチウムイオン二次電池駆動時の発熱により加熱されて熱収縮などすることがあるが、そのような熱収縮時でも、上記した絶縁層が設けられることで短絡が抑制しやすくなる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池では、セパレータが省略されてもよい。セパレータが省略されても、負極又は正極の少なくともいずれか一方に設けられた絶縁層により、負極と正極の間の絶縁性が確保されるとよい。
リチウムイオン二次電池は、負極、正極がそれぞれ複数積層された多層構造であることが好ましい。この場合、負極及び正極は、積層方向に沿って交互に設けられればよい。また、セパレータが使用される場合、セパレータは各負極と各正極の間に配置されればよい。
多層構造とする場合も、各正極が、上記した本発明のリチウムイオン二次電池用電極であることが好ましく、その際、リチウムイオン二次電池用電極は、第1の実施形態で示したように、両表面のいずれにも絶縁層(すなわち、第1及び第2絶縁層)が設けられる電極10とするとよい(図1参照)。そして、上述したように、各電極10の一端部11Zの未被覆先端部11Cが纏められたうえで、電極タブ15が取り付けられるとよい。
また、多層構造とする場合、各負極が、上記した本発明のリチウムイオン二次電池用電極であってもよい。その際、リチウムイオン二次電池用電極は、第1の実施形態で示したように、両表面のいずれにも絶縁層(すなわち、第1及び第2絶縁層)が設けられる電極10とするとよく、また、各電極10の一端部11Zの未被覆先端部11Cは、纏められて負極用の電極タブ15に取り付けられるとよい(図1参照)。勿論、正極及び負極の両方が上記した本発明のリチウムイオン二次電池用電極で構成されてもよい。
なお、リチウムイオン二次電池において、上記した負極及び正極、又は負極、正極、及びセパレータは、上記したように電極タブを取り付けてケーシング内に収納するとよい。バッテリーセルは、角型、円筒型、ラミネート型などのいずれでもよい。したがって、ケーシングとしては、特に限定されないが、外装缶などであてもよいし、外装フィルムであってもよい。外装フィルムは、2枚の外装フィルムの間、或いは、1枚の外装フィルムが例えば2つ折りで折り畳まれ、その外装フィルムの間に負極、及び正極、又は負極、正極及びセパレータを配置するとよい。
上記したリチウムイオン二次電池は、電解質を備える。電解質は特に限定されず、リチウムイオン二次電池で使用される公知の電解質を使用すればよい。電解質としては例えば電解液を使用する。
電解液としては、有機溶媒と、電解質塩を含む電解液が例示できる。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトロヒドラフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、メチルアセテートなどの極性溶媒、又はこれら溶媒の2種類以上の混合物が挙げられる。電解質塩としては、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFCO、LiN(SOCF、LiN(SOCFCF、LiN(COCF及びLiN(COCFCF、リチウムビスオキサレートボラート(LiB(C等のリチウムを含む塩が挙げられる。また、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体、LiBH等の錯体水素化物等の錯体が挙げられる。これらの塩又は錯体は、1種単独で使用してもよいが、2種以上の混合物であってもよい。
また、電解質は、上記電解液に更に高分子化合物を含むゲル状電解質であってもよい。高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等のポリアクリル系ポリマーが挙げられる。なお、ゲル状電解質は、セパレータとして使用されてもよい。
電解質は、負極及び正極間に配置されればよく、例えば、電解質は、上記した負極及び正極、又は負極、正極、及びセパレータが内部に収納されたケーシング内に充填される。また、電解質は、例えば、負極又は正極上に塗布されて負極及び正極間に配置されてもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記の製造方法により得られたリチウムイオン二次電池用電極を用いて製造するとよい。リチウムイオン二次電池は、例えば、リチウムイオン二次電池用電極を作製し、そのリチウムイオン二次電池用電極の集電体の端部に電極タブを取り付け、かつケーシング内に収納し製造するとよい。
この際、ケーシング内には、負極及び正極、又は負極、正極及びセパレータを収納するとよく、負極及び正極の少なくとも一方が、上記した製造方法により得られたリチウムイオン二次電池用電極であればよい。
また、正極及び負極がそれぞれ複数層設けられる場合には、正極及び負極の間に必要に応じてセパレータを配置させたうえで、複数層重ねられた正極及び負極を、ケーシング内に配置させるとよい。この場合、複数の正極の集電体は端部(例えば、未被覆先端部11C)が融着などにより接合された上で電極タブが取り付けられるとよい。同様に、複数の負極の集電体は端部が融着などにより接合された上で電極タブが取り付けられるとよい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
各長さ及び距離の測定方法は、以下のとおりである。
[長さB]
各実施例、比較例で得られた電極を1枚用意し、図2に示すように、複数の凸部13Xにより構成された波型形状を有する、絶縁層のはみ出し端部13Aが設けられた側の表面を、表側を向くように配置した。次に、電極活物質層12の縁部12Bとなる部分に直線を引いた。直線は、縁部12Bにできる限り近似する直線とし、以下、直線を引く場合は同様であった。また、第1の絶縁層13のベースライン13Bに沿って直線を引いて、その直線間の長さを3箇所測定して、平均値をはみ出し端部13Aの長さBとした。
[長さD]
次に、ベースライン13Bに沿って引かれた直線から、各凸部13Xの先端部までの長さdを計測し、未被覆先端部11Cに形成された全ての凸部13Xの長さdの平均値を、凸部の長さD(液引き長さ)とした。
[長さA]
電極活物質層12の縁部12Bに沿って引いた直線と、集電体11の縁部11Bまでの長さを求めた。その長さは3箇所測定して、平均値を縁部12Bから縁部11Bまでの長さとした。その長さから上記長さD及び上記長さBを引くことにより、長さAを求めた。
[距離C]
電極タブ15が取り付けられた電極において、平面視した際に、電極活物質層12の縁部12Bに沿って引いた直線から、電極タブの端部までの距離を3箇所測定して、その平均値を距離Cとした。
本実施例における評価方法は、以下のとおりである。
[タブ強度]
各実施例、比較例で得られた正極を25枚積層して、ネッツ社製のアルミタブ(型番「A1050−H24」、サイズ30mm×50mm×0.5mm)を以下の条件で溶接した。
(溶接条件)
日本エマソン社製の「BRANSON」(2000Xea 2500W)を用いて、超音波溶接法により20mm×4mmの面積の中に180点の溶接点を設けるように溶接を行った。条件は下記とした。
溶接時間:0.4秒、圧力:0.1MPa、振幅:70%
溶接後、下記試験にて強度を測定した。
株式会社島津製作所製オートグラフ「EZ−LXシリーズ」を用いて、剥離速度10mm/minで180°剥離試験を行い、最大強度をタブ強度とした。
また、第1及び第2の絶縁層を形成しない以外は、各実施例、比較例と同様の条件にて正極を作製して、同様に最大強度を測定してブランク強度とした。
タブ強度をブランク強度で除してタブ強度維持率を求めて、以下の評価基準で評価した。
(評価基準)
A:95%以上
B:90%以上95%未満
C:80%以上90%未満
D:80%未満
[安全性評価]
各実施例、比較例で作製したリチウムイオン二次電池に対して、40Aの定電流充電を行い、次いで4.2V到達次第電流を減少させ2Aとなった時点で充電完了する定電圧充電を行った。その後、電池を加熱し130℃にした。130℃到達後1時間保持し、その1時間における電池の最高温度を測定し、以下の評価基準で評価した。
(評価基準)
A:最高温度135℃未満
B:最高温度135℃以上145℃未満
C:最高温度145℃以上200℃未満
D:最高温度200℃以上
[エネルギー密度]
波型形状を有する絶縁層が設けられる電極の表面において、集電体の面積に対する、電極活物質層の面積割合(%)を算出した。電極は、電極活物質層の面積比が高いほど、エネルギー密度が高くなることから、上記面積割合により以下の評価基準で、エネルギー密度を評価した。
(評価基準)
A:面積割合が96%以上
C:面積割合が96%未満
実施例1
(正極の作製)
正極活物質として平均粒子径10μmのLi(Ni−Co−Al)O(NCA系酸化物)を100質量部と、導電助剤としてアセチレンブラックを4質量部と、電極用バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)4質量部と、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)とを混合し、固形分濃度60質量%に調整した正極活物質層用塗工液を得た。この正極活物質層用塗工液を、集電体シートとしての厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に間欠塗工して、予備乾燥後、120℃で真空乾燥した。その後、両表面に正極活物質層用塗工液を塗布した集電体シートを、400kN/mで加圧プレスし、両表面それぞれに第1及び第2の正極活物質層を有する集電体シートを作製した。集電体シートの各表面における各第1及び第2の正極活物質層の厚さは、50μmであった。
また、絶縁層用塗工液として、アルミナ100質量部と、樹脂バインダー7質量部とを含み、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンで希釈した、濃度42質量%のスラリー液を用意した。絶縁層用塗工液の25℃における(すなわち、塗工時の)粘度は、3000mPa・sであった。グラビアコート式塗工装置を用いて、絶縁層用塗工液を、集電体シートの一方の表面上の第1の正極活物質層上に間欠塗工により塗工した。この際、絶縁層用塗工液は、図5、6に示すように,両側それぞれから3mmはみ出るように塗工して、90℃、1分間の条件で乾燥して、一方の表面上に第1の絶縁層を形成し、ロール状に巻き取った。なお、塗工装置において、転写ロールの外径は60cm、軸方向における長さ70cm、溝の容積は25cc/mであった。また、塗工部温度25℃、塗工速度は20m/秒とし、塗工時のせん断速度は、表1に示すとおりであった。
ロール状に巻き取った集電体シートを繰り出して、そのまま再度グラビアコート式塗工装置に送り、第1の絶縁層を形成した条件と同様の条件で、第2の絶縁層を形成し、その後、集電体シートを切断することで正極を得た。正極において、集電体のサイズは110mm×290mmであり、正極活物質層が形成された部分のサイズは110mm×279mmであった。また、正極活物質の未塗布部(未被覆部分)の長さ(A+B+D)は、11mmであった。さらに、第1及び第2の絶縁層の厚さは4μmであった。その他の長さ、距離は表1に示すとおりである。
(負極の作製)
負極活物質としてグラファイト(平均粒子径10μm)100質量部と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム1.5質量部と、カルボキシメチルセルロース(CMC)のナトリウム塩を1.5質量部と、溶媒として水とを混合し、固形分50質量%に調整した負極活物質層用組成物を得た。この負極活物質層用組成物を、負極集電体としての厚さ12μmの銅箔の両面に塗布して100℃で真空乾燥した。
その後、両面に負極活物質層用組成物を塗布した負極集電体を、線圧500kN/mで加圧プレスし、その後、切断することで負極とした。負極活物質層の密度は1.55g/ccであった。なお、負極の寸法は120mm×300mmであり、該寸法のうち、負極活物質層が塗布された面積は120mm×290mmであった。
(電解液の調製)
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を3:7の体積比(EC:DEC)で混合した溶媒に、電解質塩としてLiPFを1モル/リットルとなるように溶解して、電解液を調製した。
(リチウムイオン二次電池の製造)
上記で得た正極25枚と、ポリエチレン製の多孔膜セパレータ50枚、正極24枚を交互に積層し仮積層体を得た。ここで、負極と正極は交互に配置した。平板型ホットプレス機を用いて1分間プレスし積層体を得た。
各正極の集電体の未被覆先端部を纏めて超音波融着で接合するとともに、外部に突出する正極タブを接合した。同様に、各負極の負極集電体の露出部の端部を纏めて超音波融着で接合するとともに、外部に突出する負極タブを接合した。
次いで、アルミラミネートフィルムで上記積層体を挟み、正極タブを外部に突出させ、三辺をラミネート加工によって封止した。封止せずに残した一辺から、上記で得た電解液を注入し、真空封止することによってラミネート型のセルを製造した。
実施例2
絶縁層用塗工液の固形分濃度を35質量%に変更し、25℃における粘度を2200mPa・sとした。
実施例3
絶縁層用塗工液の固形分濃度を35質量%に変更し、25℃における粘度を2200mPa・sとし、また、正極活物質の未塗布部(未被覆部分)の長さを12mmに変更した。
比較例1
絶縁層用塗工液の固形分濃度を25質量%に変更し、25℃における粘度は1000mPa・sとした。
比較例2
絶縁層用塗工液の固形分濃度を25質量%に変更し、25℃における粘度は1000mPa・sとし、また、正極活物質の未塗布部(未被覆部分)の長さを15mmに変更した。
Figure 2021119568
実施例1〜3においては、第1の絶縁層の端部が、複数の細長の凸部が並列した波型形状を有し、かつその凸部の長さDを小さくすることで、エネルギー密度を良好に維持しつつ、タブ強度を高くすることができた。それに対して、比較例1,2では、凸部の長さDが大きいので、タブ強度、及びエネルギー密度の両方を良好にすることが難しかった。
10、30 リチウムイオン二次電池用電極
11 集電体
11A 未被覆端部
11B 縁部
11C 未被覆先端部
11X、51X 一方の表面
11Y、51Y 他方の表面
11Z 一端部
12、52 第1の電極活物質層
12B 縁部
13、53 第1の絶縁層
13A はみ出し端部
13B ベースライン(縁部)
13X 凸部
15 電極タブ
22、62 第2の電極活物質層
23、63 第2の絶縁層
23A はみ出し端部
23B 縁部
51 集電体シート
51A 被覆部分
51B 未被覆部分
54 塗工終端
55 塗工始端
60 グラビアロール

Claims (16)

  1. 集電体と、前記集電体の一方の表面上に設けられる第1の電極活物質層と、前記第1の電極活物質層の上に設けられる第1の絶縁層とを備え、
    前記集電体が、前記第1の電極活物質層により被覆されない端部を有し、
    前記集電体の前記端部において、前記第1の絶縁層の端部が、前記第1の電極活物質層からはみ出して、前記集電体の前記端部の一部を被覆しており、かつ複数の細長の凸部が並列した波型形状を有しており、
    前記凸部の長さDが5mm以下である、リチウムイオン二次電池用電極。
  2. 前記集電体の前記端部の前記第1の電極活物質層、及び前記凸部を含む前記第1の絶縁層のいずれにも被覆されない部分の長さAが、3〜10mmである請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  3. 前記第1の電極活物質層からはみ出る、前記第1の絶縁層の端部の長さBが、1〜5mmである請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  4. 前記集電体の他方の表面上に設けられる第2の電極活物質層と、前記第2の電極活物質層の上に設けられる第2の絶縁層とをさらに備え、
    前記集電体の前記端部において、前記第2の絶縁層の端部が、前記第2の電極活物質層からはみ出し、前記他方の表面において前記集電体の前記端部の一部を被覆し、かつその縁部が略直線状に形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  5. 前記集電体の前記端部が、電極タブに取り付けられる請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  6. 前記電極タブと、第1の電極活物質層の距離Cが、3〜8mmである請求項5に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  7. 前記凸部の長さをD、前記第1の電極活物質層からはみ出る、前記第1の絶縁層の端部の長さをB、前記電極タブと前記第1の電極活物質層の距離をCとすると、D/(C−B)が1.5以下である請求項5又は6に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  8. 前記第1の電極活物質層が、正極活物質層である請求項1〜7のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  9. 前記第1の絶縁層が、絶縁性微粒子と、絶縁層用バインダーとを含む請求項1〜8のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極を備えるリチウムイオン二次電池。
  11. 正極と、負極とがそれぞれが複数層設けられるように交互に配置されるリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極、又は前記負極の少なくともいずれか一方の電極が、前記リチウムイオン二次電池用電極により構成され、各層を構成する前記いずれか一方の電極の前記集電体の前記端部が纏められて電極タブに接続される請求項10に記載のリチウムイオン二次電池。
  12. 一方の表面上に第1の電極活物質層が設けられた、集電体シートの前記第1の電極活物質層上に、第1の絶縁層用塗工液を塗工して、第1の絶縁層を形成するリチウムイオン二次電池用電極の製造方法であって、
    前記集電体シートが前記第1の電極活物質層により被覆されない未被覆部分を有しており、
    前記第1の絶縁層用塗工液の塗工は、前記集電体シートの前記未被覆部分において塗工終端となるように行われ、
    前記塗工終端よりなる前記第1の絶縁層の端部が、前記一方の表面において、前記第1の電極活物質層からはみ出して前記集電体シートの前記未被覆部分の一部を被覆するように形成され、
    前記塗工終端における液引き長さが5mm以下である、リチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  13. 前記絶縁層用塗工液の塗工時の粘度が2000〜4000mPa・sである請求項12に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  14. 前記集電体シートの他方の表面上に第2の電極活物質層が設けられた、前記集電体シートの第2の電極活物質層上に、第2の絶縁層用塗工液を塗工して、第2の絶縁層を形成し、
    前記未被覆部分が、前記集電体シートの両面において前記第1及び第2の電極活物質層により被覆されない部分であり、
    前記第2の絶縁層用塗工液の塗工は、前記集電体シートの前記未被覆部分の前記塗工終端となる位置において、塗工始端となるように行われ、
    前記塗工始端よりなる前記第2の絶縁層の端部が、前記他方の表面において、前記第2の電極活物質層からはみ出して前記集電体シートの前記未被覆部分の一部を被覆するように形成される、請求項12又は13に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  15. 前記集電体シートを送りながら、前記第1及び第2の絶縁層用塗工液の一方を前記一方又は他方の表面上に塗工して、前記第1及び第2の絶縁層の一方を形成し、ロール状に巻き取り、
    そのロール状に巻き取った前記集電体シートを繰り出しながら、前記第1及び第2の絶縁層用塗工液の他方を前記一方又は他方の表面上に塗工して、前記第1及び第2の絶縁層の他方を形成する請求項14に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  16. 前記第1の絶縁層用塗工液を塗工するときの集電体への接液部のせん断速度が、0.5×10〜40×10(1/s)である請求項12〜15のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。



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