JP2021118167A - 導体テープ及びそれを用いたシールド - Google Patents
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Abstract
【課題】医療機器、工作機械などの信号線のような、可撓性を要求され、しかも細径のケーブルに、簡便にシールドを施すことが可能な導電材料を提供する。【解決手段】導体の線材を含み、長さ方向に配される経糸1aと、導体の線材または繊維からなり、幅方向に配される緯糸2aとを織り込むことで、可撓性に優れた導体テープを構成する。導体の線材には、外径が20μm〜80μmの銅または銅合金を用いることが可能で、繊維としては、ポリアミド、ポリエステル、アクリルなどの合成繊維や天然繊維が使用可能である。導体と繊維を適宜組み合わせたり、織り込みの際の導体線材間の距離を調整したりすることで、可撓性を確保する。この導体テープは、信号線に横巻や縦沿えすることで、シールドとすることができる他、この導体テープそのものを信号線などに使用することも可能である。【選択図】図1
Description
本発明は、金属を含む線材を織り込んで得られる導体テープに関するもので、特に産業用ロボットのアームの屈曲部、医療機器、ウエラブル装置などのように、耐屈曲性、耐捻回性、耐摺動性が求められる分野に適応した、軽量で可撓性を有するケーブルのシールドなどに好適な導体テープに関するものである。
産業用ロボット、工作機械などの内部配線に使われる可動ケーブルでは、屈曲、U字摺動、捻回等の動きに対応し、且つ過酷な使用環境に耐え得る耐久性が求められる。その中で、特に信号伝送ケーブルは、前記の特性が求められる他に、外部からの電磁ノイズからの影響を受けないようにするため、電磁シールドが重要になってくる。
電磁シールドには、特に耐屈曲性を要求されない用途では、帯状の導体の幅方向をケーブルの外周に沿わせて曲げ、ケーブルを覆うようにした縦沿えシールドが用いられることがあるが、通常の電磁シールドには、導電性の線材を編組してなる編組シールドや、同じく導電性の線材の1本または数本を、1層または複数層に巻き付けてなる横巻きシールドが用いられている。これらの編組シールドや横巻シールドは、一般にケーブルの最外層のシース直下に位置するので、ケーブルが屈曲する際、大きな伸縮および曲げ変形力を受けることになる。
また、医療用途では超音波診断装置、内視鏡等に使われるプローブケーブルではセンサーとモニターを結ぶ信号伝送ケーブルを、多数本撚り合わせた上に、編組シールドを施し、その上にシースを被覆した構造になっている。信号伝送ケーブルには、極細同軸ケーブルが用いられ、その芯数が数十から百数十と多いことや、プローブケーブル自体の外径が大きく、硬くなるため、その重さと剛性から、医師や看護師の操作性や取り回し性が問題となっており、軽量化と可撓性の向上が求められている。
これらのシールドに使われる線材は、軟銅線や、さらに機械的特性を高めた銅合金線、また屈曲性と可撓性を備えた銅箔糸などがあるが、最近はロボットの小型化や、複雑な動きをする多関節アームの需要増に対応し、より一層の長寿命化のため、耐屈曲性、耐捻回特性の向上が求められるとともに、高いシールド特性も同時に併せ持つ必要がある。しかも小型化に対応するためには、線材の外径を可能な限り小さくする必要がある。
シールド用線材としての軟銅線は、導電率が高くシールド性能は高いが、屈曲や捻回の耐久性が劣る。このような課題に対処方法として、特許文献1には、銅合金や、銅合金線を潰して長尺の箔にし、合成繊維に巻き付けた構成を有するシールド用コードが開示されている。これは銅箔糸と称され、屈曲、捻回の点で優れているが、導電率が低く、シールド特性は軟銅より劣る欠点を持っている。
また、このような構成のシールド用コードは、長尺の帯状の導体を用いているため、屈曲を繰り返すと、横巻された状態で隣接している導体の接点に、損傷を受ける虞があるなどの、改善すべき余地がある。
このような課題に対処するための技術として、本発明者らは、特許文献2で、合成繊維からなる芯材の外周に、外径が20〜80μmの導体を多条巻により横巻にしてなる構造のシールド用線材を開示している。
しかし、ここに開示されているシールド用線材を用いてケーブル外周にシールドを施すには、やはり編組や横巻の工程を要し、コスト低減の観点から、なお改善の余地がある。このような課題に鑑み、本発明の目的は、前記の工作機械などの信号線のような、可撓性を要求され、しかも細径のケーブルに簡便にシールドを施すことが可能な導電材料を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決し得る線材の構成を、鋭意検討した結果なされたもので、テープ状で可撓性に優れた、導電材料を提供するものである。
本発明の一実施の形態は、長さ方向に配される経糸と、幅方向に配される緯糸とが織り込まれてなり、前記経糸は、導体を含むことを特徴とする、導体テープである。つまり、前記経糸は、導体のみ、または導体と繊維などの線材の両方を含む構成である。
また、本発明の一実施の形態は、前記緯糸が、前記導体テープの幅方向の両端で、折り返されてなることを特徴とする、前記の導体テープである。
また、本発明に一実施の形態は、前記導体が、銅また銅合金であることを特徴とする、前記の導体テープである。
また、本発明の一実施の形態は、前記の導体テープを、電線の外周に、横巻または縦沿えしてなることを特徴とするシールドである。
また、本発明の一実施の形態は、前記の導体テープを、電線の外周に、横巻または縦沿えしてなることを特徴とするシールドである。
本発明によれば、前記のような構成とすることにより、可撓性に優れ、細いケーブルに、容易にシールドを施すことが可能な導体テープが得られる。
本発明に係る導体テープの織り方には、平織、綾織、繻子織が適用できる。これらの中では、平織が、糸の交差する点が最も多く、強度の点で優れている。そして、テープの長さ方向の経糸を配した場合、緯糸を導体テープの幅方向の両端で、折り返すことにより、長さ方向に摺動などの外力が加えられても、経糸がほつれることが少なく、可動部に用いられても、高い信頼性をを発現する。
また、本発明に係る導体テープは、緯糸に天然繊維または合成繊維を用いることも可能である。平織のテープにおいては、経糸と緯糸が導体テープ面と垂直な方向で交互に交差するので、金属よりも柔軟な、繊維の特性を利用して、本発明に係る導体テープの薄型化が可能となるとともに、導体テープの可撓性向上に寄与できる。
また、前記のように、経糸と緯糸を織り込んだテープにおいては、経糸と緯糸が交差するので、導体テープの投影面積を導体で占める比率を100%にするのは、実質的に不可能で、しかも100%に近づければ、導体相互の位置が固定される状態となり、導体テープの可撓性が損なわれる結果となる。つまり導体は、シールドとしての機能が損なわれない程度に、相互に一定の距離が確保された状態で、平織りされていることが望ましい。本発明者の検討結果によれば、望ましい導体間の空隙は、導体テープの面積の5%以上50%以下である。
また、本発明に係る導体テープに用いられる導体は、通常の銅が用いられる他、機械的な強度向上などを目的として、リン青銅のような、銅以外の成分を含む合金も使用可能である。緯糸に用いられる繊維の材質としては、各種の天然繊維や合成繊維が使用可能であるが、ポリアミドやポリエステル、アクリルなどの、外径が50μm以下の、合成繊維が市販されているので、適宜これらを選択するの望ましい。
また、本発明において、導体テープの幅方向の両端に、緯糸の折り返し部を形成する場合は、基本的に緯糸には、導体テープの全長に亘って連続した線材を用いることになるが、経糸にはそのような制限がないので、交互に導体の線材と繊維を配したり、外径の異なる導体の線材を交えて配したりすることが可能である。
本発明者の検討結果によると、緯糸に繊維を用いたり、経糸に前記のような構成を用いたりすることで、導体テープの投影面積を導体が占める比率を、経糸、緯糸を導体のみで構成する場合よりも大きくしても、可撓性の低下防ぐことが可能である。
なお、本発明においては、外径が100μm以下の導体を用いることが可能であるが、外径に依存する可撓性と強度および導電率は、トレードオフの関係にあり、それらの特性や、平織工程における歩留まりなどを考慮すると、導体の外径は、20μm以上、80μmの範囲が望ましい。
なお、本発明に係る導体テープは、可動部の配線に用いられる、細いケーブルのシールドとして使用可能である他、テープ状の電線ケーブルとして用いることもできる。
次に、図を参照しながら、本発明の実施の形態について、さらに詳細に説明する。
図1は、本発明に係る導体テープの一例を示した図で、図1(a)は平面図、図(b)はAA断面図である。ここに示したように、本発明に係る導体テープは、経糸1aと緯糸2aにより構成され、緯糸2aは、導体テープの幅方向、つまり、図における上下の両端で、ほぼ180°折り返され、折り返し部3aを構成している。これによって幅方向に外力が加わっても経糸2aが、導体テープから分離することが極めて少なくなる。なお、この例は経糸、緯糸の両方が導体の線材で構成されている。
また、図1(a)に示した、a1、a2はそれぞれ、緯糸と経糸の径を示し、b1、b2は導体間の空隙を示しているが、この場合の導体テープの投影面積に占める空隙の比率は、約17%であり、これを、10%以上、30%以下にすることにより、シールドとしての効果を保持しつつ、導体テープの可撓性も確保できる。また、図1(b)に示したように、平織工程で、経糸および緯糸は屈曲するので、導体テープの厚さt1は、経糸1bの外径d1と、緯糸2bの外径d2との合計にはならないが、平織りした後、ロール間を通したり、プレスしたりすることで、厚さを減じることも可能である。ただし過度に減じると、導体が相互に圧着され、導体テープの可撓性が損なわれる可能性があるので、調整が必要である。
図2は、本発明に係る導体テープの一例で、一本の緯糸と2本の経糸を平織りした例を示した図である。このように、経糸1cを複数本の組として平織りすると、経糸の組を構成する複数の経糸の間の空隙を狭めても、導体テープの可撓性を損なわないので、導体間の空隙の面積を減少したい場合は、このような構造で対応することが可能である。
図3は、図1(b)における緯糸を繊維で代替した状態を示す図で、図4(a)は緯糸が変形していない状態、図4(b)は緯糸が導体テープの厚さ方向に潰された状態を示す。本発明においては、外径が20μm〜80μmの導体を用いるが、経糸だけでもシールドの効果が得られるので、導体テープの厚さを減じたい場合に、このような構成で対応可能である。
つまり、合成繊維では、素繊維の外径が、10μm以下のものが市販されているので、これを緯糸に用いることで、導体テープの厚さを経糸の外径に近づけることができる。ここに示した例では、素繊維を11本撚り合わせた撚糸を、緯糸に用いているが、撚糸の断面は容易に変形するので、図3(a)の撚糸の外径d3を図3(b)のd4に減ずるのも容易である。本発明に係る導体テープは、このような構成とすることにより、薄型化、軽量化が可能である
図4は、本発明に係る、導体テープ4をケーブル5の外周に横巻にして、シールド層を構成した一例を示す図である。また、本発明に係る導体テープは十分な可撓性を備えているので、縦沿えシールドとしてもよい。
以上に説明したように、本発明によれば、極細で可撓性、屈曲性、捻回性に優れた導体テープと、それを用いたシールドが提供できる。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
1a,1b,1c,1d・・・経糸
2a,2b,2c,2d・・・緯糸
3a,3c・・・折り返し部
4・・・導体テープ
5・・・ケーブル
2a,2b,2c,2d・・・緯糸
3a,3c・・・折り返し部
4・・・導体テープ
5・・・ケーブル
Claims (4)
- 長さ方向に配される経糸と、幅方向に配される緯糸とが織り込まれてなり、前記経糸は、導体を含むことを特徴とする、導体テープ。
- 前記緯糸は、前記導体テープの幅方向の両端で、折り返されてなることを特徴とする、請求項1に記載の導体テープ。
- 前記導体は、銅また銅合金であることを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載の導体テープ。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の導体テープを、電線の外周に、横巻または縦沿えしてなることを特徴とするシールド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020021917A JP2021118167A (ja) | 2020-01-27 | 2020-01-27 | 導体テープ及びそれを用いたシールド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
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JP2020021917A Pending JP2021118167A (ja) | 2020-01-27 | 2020-01-27 | 導体テープ及びそれを用いたシールド |
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2020
- 2020-01-27 JP JP2020021917A patent/JP2021118167A/ja active Pending
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