JP2021116737A - 吸気ダクト - Google Patents
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Abstract
【課題】エアフロメータの吸気流量検出精度を向上させると共に、騒音レベルが抑制された吸気ダクトを提供する。【解決手段】吸気ダクト10では、吸気口32からインテークマニホールドに到る吸気通路において、吸気の圧力脈動の一次モードの腹位置に、吸気通路と外部とを連通する連通路を形成すると共に、連通路を不織布で覆った不織布部を連通路上の二か所に(二重に)設けている。これにより、吸気通路における吸気の圧力脈動の振幅が低減され、吸気流量検出センサによる吸気流量の検出精度が向上すると共に、吸気口から放射される音の騒音レベルを低下させる。また、連通路には不織布部を二重に設けたため、透過損失が大きくなり、連通路からの放射される音の騒音レベルを低減できる。すなわち、吸気ダクト10の騒音レベルを抑制することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、吸気ダクトに関する。
ガソリンエンジン等のレシプロエンジンを搭載した自動車において、吸気口からインテークマニホールドに到る吸気通路では、エンジンの駆動によって吸気の圧力脈動(定常波)を生じる。
ところで、吸気通路にはエアクリーナの下流側にエアフロメータが配設されている。このエアフロメータで検出された吸気(質量)流量に基づいてガソリンエンジン等のレシプロエンジンが電子制御されている。しかしながら、上記吸気の圧力脈動によってエアフロメータの吸気流量の検出精度を確保することが難しく、改善の余地がある。
このような吸気通路における吸気の圧力脈動を抑制するものとして、特許文献1には、吸気通路のエアクリーナの上流側に、吸気通路と大気圧状態である外部とを連通する空気通路を設けたものが提案されている。この空気通路により、吸気の圧力が大気圧よりも高い場合には吸気通路から外部に空気を排出し、吸気の圧力が大気圧よりも低い場合には外部から吸気通路に空気を流入させることにより、吸気通路における吸気の圧力脈動の振幅を平坦化させる(振幅を抑制する)ことが記載されている。
また、吸気通路の吸気口における騒音レベルを低減させるものとして、特許文献2には、吸気通路の管壁に外部と連通する開口を設け、開口を不織布で覆ったものが提案されている。特に、吸気通路における吸気の圧力脈動(定常波)の腹位置に開口を設けることで、吸気の圧力脈動の振幅(変動幅)を一層低減させて吸気口における騒音レベルを低減できるとされている。
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、吸気通路と外部とを連通させる空気通路から放射される音により吸気ダクトの騒音レベルが増加する。また、空気通路から吸気通路にエンジンコンパートメントの高温の空気が流入する。すなわち、エンジンの吸気温度が上昇するという不都合がある。
また、上記特許文献2に記載された技術では、吸気通路の管壁に開口を設けて不織布で覆っているだけなので、開口(不織布)からの放射音が大きく、吸気ダクトの騒音レベルが上昇する。また、開口からエンジンコンパートメント内の高温の空気が吸気通路の内部に流入し、エンジンの吸気温度が上昇するという不都合がある。
本発明は上記事実を考慮し、エアフロメータの吸気流量検出精度を向上させると共に、騒音レベルが抑制された吸気ダクトを提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る吸気ダクトは、吸気口からインテークマニホールドに到る吸気通路と、前記吸気通路上において、吸気流量を検出する吸気流量検出センサと、前記吸気通路内において、吸気の圧力脈動の一次モードの腹位置に形成され、吸気通路内と外部とを連通する連通路と、前記連通路に所定間隔をおいて二か所配設され、それぞれ当該連通路を不織布で覆った一対の不織布部と、を備える。
この吸気ダクトでは、吸気口からインテークマニホールドに到る吸気通路において、吸気の圧力脈動の一次モードの腹位置に、吸気通路内と外部とを連通する連通路を形成すると共に、連通路上には所定間隔をおいて二か所に(二重に)それぞれ連通路を不織布で覆った不織布部を設けている。
なお、「腹位置」とは、一次モードの圧力脈動の最大振幅位置(最大圧力変動位置)を挟んで、前後一周期の15パーセント(前後7.5パーセントずつ)の範囲をいう。
このように、吸気通路において吸気の圧力脈動(定常波)の一次モードの腹位置に吸気通路内と外部とを連通する連通路を設けたため、吸気の圧力脈動の振幅が低減され、吸気流量検出センサの吸気流量の検出精度が向上すると共に、吸気口から外部に放射される音の騒音レベルが低下する。
一方、吸気通路の途中に外部と連通する連通路を設けたため、連通路から外部に音が放射される。しかしながら、連通路を不織布で覆った不織布部を連通路内で所定間隔をおいて二か所(二重に)設けたため、連通路における透過損失が大きくなり、連通路から外部に放射される音の騒音レベルを低減できる。
この結果、吸気ダクトにおいて外部に連通する連通路(不織布部)を設けることによって圧力脈動(の振幅)を抑制して吸気流量検出センサによる吸気流量の検出精度を向上させると共に、吸気口から放射される音の騒音レベルを低減する。また、連通路上に二重に不織布部を設けたことにより連通路から放射される音の騒音レベルを抑制して、吸気ダクト全体の騒音レベルを抑制することができる。
以上説明したように、請求項1の本発明に係る吸気ダクトは、吸気流量検出センサの吸気流量の検出精度を向上させると共に、騒音レベルが抑制される。
[第1実施形態]
本実施形態に係る吸気ダクトについて、図1〜図12を参照して説明する。
本実施形態に係る吸気ダクトについて、図1〜図12を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の吸気ダクト10は、インレット12と、エアクリーナ14と、エアフロメータ16と、ホース18と、エンジン20(インテークマニホールドを含む)と、を有する。
インレット12には、軸方向に沿って延在する管路30が形成されている。管路30の一端は外部に向かって開口された吸気口32であり、他端はエアクリーナ14に連通されている。
また、インレット12には、管路30を含む後述する吸気通路で生成される吸気の圧力脈動(定常波)の一次モードの腹位置に管路30と外部とを連通する連通路34が設けられている。連通路34には、連通路34を不織布で覆った(閉塞した)不織布部36A、36Bが所定間隔をおいて二か所(二重)に形成されている。本実施形態では、連通路34の管路30側の端部に不織布部36Aが形成されており、外部に連通する連通路34の端部に不織布部36Bが設けられている。
エアクリーナ14は、吸気口32からインレット12に吸入された空気(吸気)の汚れを除去するものである。
エアクリーナ14の下流側とエンジン20のインテークマニホールド(不図示)は、ホース18で連通されている。ホース18の内部にも軸方向に延在する管路38が形成されている。
なお、インレット12の吸気口32から管路30、エアクリーナ14、ホース18の管路38、エンジン20のインテークマニホールドまでが、「吸気通路」に相当する。
ホース18に配設されるエアフロメータ16は、管路38を流れる吸気(質量)流量を検出するものである。なお、エアフロメータ16は、「吸気流量検出センサ」に相当する。
さらに、エンジン20には、ホース18の管路38と連通されるインテークマニホールドが含まれる。
(第1比較例)
次に、第1比較例に係る吸気ダクト100の構成について図2(A)を参照して説明する。なお、吸気ダクト10と同様の構成要素には、同一の参照符号に100を足してその詳細な説明を省略する。
次に、第1比較例に係る吸気ダクト100の構成について図2(A)を参照して説明する。なお、吸気ダクト10と同様の構成要素には、同一の参照符号に100を足してその詳細な説明を省略する。
第1比較例に係る吸気ダクト100は、インレット112と、エアクリーナ114と、エアフロメータ116と、ホース118と、エンジン120と、有する。
インレット112には、吸気通路に生ずる圧力脈動の一次モードの腹位置に管路130と外部とを連通する開口部134が形成されており、開口部134には開口部134を不織布で覆った(閉塞した)不織布部136が設けられている。
(第2比較例)
続いて、第2比較例に係る吸気ダクト200の構成について図2(B)を参照して説明する。なお、吸気ダクト10と同様の構成要素には、同一の参照符号に200を足してその詳細な説明を省略する。
続いて、第2比較例に係る吸気ダクト200の構成について図2(B)を参照して説明する。なお、吸気ダクト10と同様の構成要素には、同一の参照符号に200を足してその詳細な説明を省略する。
吸気ダクト200は、図2(B)に示すように、インレット212の管路230に吸気ダクト10のように連通路34(不織布部36A、36B)又は吸気ダクト100のように開口部134(不織布部136)が設けられてないものである。
(第3比較例)
図3(A)、(B)に示すように、吸気ダクトモデル300は、両端が開口したパイプ140の一方の開口部142をスピーカ144で閉塞し、他方の開口部146にマイク148を配設しているものである。なお、図3(A)、(B)に示すように、吸気ダクトモデル300では、スピーカ144から音波を発振することにより、パイプ140に生じた空気の圧力脈動(定常波)の一次モード及び三次モードで腹位置となるパイプ140の位置に、パイプ140の内部と外部とを連通する開口部150が形成されている。開口部150には、開口部150を不織布で覆う(閉塞する)不織布部152が設けられている。
図3(A)、(B)に示すように、吸気ダクトモデル300は、両端が開口したパイプ140の一方の開口部142をスピーカ144で閉塞し、他方の開口部146にマイク148を配設しているものである。なお、図3(A)、(B)に示すように、吸気ダクトモデル300では、スピーカ144から音波を発振することにより、パイプ140に生じた空気の圧力脈動(定常波)の一次モード及び三次モードで腹位置となるパイプ140の位置に、パイプ140の内部と外部とを連通する開口部150が形成されている。開口部150には、開口部150を不織布で覆う(閉塞する)不織布部152が設けられている。
(第4比較例)
図4(A)、(B)に示すように、吸気ダクトモデル400は、吸気ダクトモデル300から開口部150と、不織布部152を除いたものである。すなわち、吸気ダクトモデル400には、パイプ140に開口部150及び不織布部152が形成されていない。
図4(A)、(B)に示すように、吸気ダクトモデル400は、吸気ダクトモデル300から開口部150と、不織布部152を除いたものである。すなわち、吸気ダクトモデル400には、パイプ140に開口部150及び不織布部152が形成されていない。
なお、吸気ダクトモデル300と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
(作用並びに効果)
先ず、第1比較例、第2比較例等を比較しながら、吸気ダクトに不織布部を設けたことによる作用・課題等の知見について説明し、次に、不織布部を二重にすることによる作用の知見について説明し、最後に、それらの知見に基づいて本実施形態の吸気ダクト10の作用効果について説明する。
先ず、第1比較例、第2比較例等を比較しながら、吸気ダクトに不織布部を設けたことによる作用・課題等の知見について説明し、次に、不織布部を二重にすることによる作用の知見について説明し、最後に、それらの知見に基づいて本実施形態の吸気ダクト10の作用効果について説明する。
先ず、吸気ダクトに不織布部を設けたことによる作用・課題等の知見について説明する。
1.圧力脈動の抑制
図5(A)に示すように、パイプ140に不織布部152を設けていない吸気ダクトモデル400(図4(A)、(B)参照)では、パイプ140に形成される空気の圧力脈動(定常波)の一次モード、二次モード、三次モードに対応するそれぞれ190Hz、570Hz、930Hzあたりで マイク148で収録した音響感度のピークがあった。
図5(A)に示すように、パイプ140に不織布部152を設けていない吸気ダクトモデル400(図4(A)、(B)参照)では、パイプ140に形成される空気の圧力脈動(定常波)の一次モード、二次モード、三次モードに対応するそれぞれ190Hz、570Hz、930Hzあたりで マイク148で収録した音響感度のピークがあった。
一方、図5(B)に示すように、一次モード、三次モードの腹位置に不織布部152を設けた吸気ダクトモデル300(図3(A)、(B)参照)では、一次モード、三次モードに対応する190Hz、930Hz辺りの音響感度のピークがなくなり吸気ダクトモデル400と比較して音響感度が低減されている。
なお、図5(A)、(B)において、破線が解析(計算)値で、実線が実験値である。
すなわち、吸気ダクトモデル300のように、パイプ140に生ずる圧力脈動(定常波)の各モードの腹位置に不織布部152を設けることによって、各モードに対応する周波数の音響感度のピーク(圧力振幅)を低減することができる。
また、図6に示すように、第1比較例の吸気ダクト100及び第2比較例の吸気ダクト200でエアフロメータ116、216で検出される質量流量の変動を調査した。エンジン回転数が2400rpmで、吸気ダクト100のエアフロメータ116で検出された吸気(質量)流量は、不織布部が設定されていない吸気ダクト200のエアフロメータ216で検出された質量流量と比較して、吸気の圧力脈動の振幅抑制により検出される質量流量の変動幅(振幅)が低減される。すなわち、エアフロメータ116の吸気流量検出精度が向上することがわかる。
2.吸気口音の騒音レベル抑制
同様に、第1比較例に係る吸気ダクト100と、第2比較例に係る吸気ダクト200について、それぞれの吸気口132、232から放射される音(吸気口音)をマイク148で収録して騒音レベルを測定した(図7(A)、(B)参照)。
同様に、第1比較例に係る吸気ダクト100と、第2比較例に係る吸気ダクト200について、それぞれの吸気口132、232から放射される音(吸気口音)をマイク148で収録して騒音レベルを測定した(図7(A)、(B)参照)。
図8(A)に示すように、エンジンの爆発工程時の一次モードの周波数の吸気口音は、エンジンの全回転数において不織布部136を設けた吸気ダクト100が、不織布部を設けなかった吸気ダクト200と比較して騒音レベルが低下した。また、図8(B)に示すように、エンジンの爆発工程の三次モードの吸気口音も、多くのエンジン回転数で不織布部136を設けた吸気ダクト100が、不織布部を設けなかった吸気ダクト200と比較して騒音レベルが低下した。
3.不織布部による騒音レベル増加
図9(A)に示すように、第1比較例に係る吸気ダクト100で不織布部136の外側にマイク148を配置したものと、図8(B)に示すように、不織布部のない吸気ダクト200で不織部形成位置の外部にマイク148を配置して、マイク148で収録された音の騒音レベルを比較した。
図9(A)に示すように、第1比較例に係る吸気ダクト100で不織布部136の外側にマイク148を配置したものと、図8(B)に示すように、不織布部のない吸気ダクト200で不織部形成位置の外部にマイク148を配置して、マイク148で収録された音の騒音レベルを比較した。
図10(A)に示すように、不織布部が形成されていない吸気ダクト200と比較して不織布部が形成されている吸気ダクト100では、不織布部136から放射される音の騒音レベルが10dB程度高くなる。また、図10(B)に示すように、1/3オクターブ周波数の全範囲の周波数で騒音レベルが10dB程度高くなっている。
4.まとめ
このように、吸気ダクトに吸気の圧力脈動の腹位置に不織布部を設けることにより、圧力脈動の振幅を低減させることができ、エアフロメータ16による吸気(質量)流量の検出精度を向上させると共に、吸気ダクトの吸気口音の騒音レベルを低減させることができるが、不織布部からの放射される音によって吸気ダクトの騒音レベルが増加する。
このように、吸気ダクトに吸気の圧力脈動の腹位置に不織布部を設けることにより、圧力脈動の振幅を低減させることができ、エアフロメータ16による吸気(質量)流量の検出精度を向上させると共に、吸気ダクトの吸気口音の騒音レベルを低減させることができるが、不織布部からの放射される音によって吸気ダクトの騒音レベルが増加する。
次に、不織布部を二重にすることによる作用について説明する。
すなわち、吸気ダクト10(図1参照)のように、連通路34に不織布部36A、36Bを二重に設けた場合の透過損失について、不織部を一つだけ設けた吸気ダクト100(図2(A)参照)との関係を下記二重壁における透過損失の理論関係式(数[1])から求める。
ここで、ρ:空気密度(kg/m3)、d:不織布部同士の距離(m)、m:不織布部の面密度(kg/m2)、c:空気中の音速(m/s)、f:周波数(Hz)、λ:波長(m)である。
図12に示すように、不織布部を一つから二つ(二重)に変更した場合、低周波域(200Hz以下)では不織布部による透過損失にほとんど変化がなく、高周波域(800Hz以上)では透過損失が増大することがわかる。また、不織布部を二重にすると共に各不織布部(不織布)の厚さ(板厚)を増加させた場合にも、低周波域では透過損失の増加が抑制され、高周波域では透過損失がさらに増大することがわかる。
図11(A)は、第2比較例に係る吸気ダクト200における吸気流路上の位置(図11(B))において200Hz以下の吸気の圧力脈動の一次周波数での吸気の圧力脈動によって生ずる吸気の管内圧力と、その位置においてエアフロメータ16で検出される質量流量の変動量を求めた解析結果を示すグラフである。
図11(A)に示すように、200Hz以下の吸気の圧力脈動の一次周波数での圧力脈動において、圧力脈動の変動幅が最も大きい位置の近傍(エアフロメータ16設置位置)で、質量流量の変動量が大きくなることがわかる。
(本実施形態の吸気ダクトの作用効果)
これらの知見に基づいて本実施形態の吸気ダクト10の作用について説明する。
これらの知見に基づいて本実施形態の吸気ダクト10の作用について説明する。
先ず、吸気ダクト10は、吸気通路においてエンジンの駆動によって生ずる吸気の圧力脈動の一次モードの腹位置に管路30と外部とを連通する連通路34を形成し、連通路34を不織布で覆う(閉塞する)不織布部36Aと不織布部36Bを形成しているため、吸気通路に形成される吸気の圧力脈動の振幅(変動幅)が低減される。
この結果、吸気通路のホース18に配設されたエアフロメータ16の吸気流量検出精度が向上する。これにより、エアフロメータ16で検出された吸気流量に基づいてエンジン20が一層精度良く電子制御され、この吸気ダクト10及びエンジン20を搭載した自動車のドライバビリティが向上する。
また、吸気通路の圧力脈動の振幅(変動幅)が低減されることにより、吸気口32から放射される吸気口音の騒音レベルが低減される。
さらに、吸気ダクト10の連通路34には、不織布部36Aと不織布部36Bが所定間隔をおいて2箇所に配設されているため、不織布部36が一つだけの吸気ダクト100と比較して騒音として問題となる1000Hz程度の透過損失が増加して、不織布部36B(連通路34)から外部に放射される音の騒音レベルが抑制される。
この結果、吸気ダクト10の吸気口音と不織布部36B(連通路34)から放射される音の騒音レベルの総和が不織布部ナシの吸気ダクト200の吸気口音の騒音レベルよりも抑制され、吸気ダクト10を搭載した自動車のNV性能が向上する。
また、吸気ダクト10の連通路34には、不織布部36Aと不織布部36Bが所定間隔をおいて2箇所に配設されているため、図12に示すように、圧力脈動の一次モードの周波数(80Hz〜90Hz)で不織布部を二重にすることによる透過損失の増加が抑制されて圧力脈動の一次モードの振幅抑制効果が減少することが抑制されると共に、放射音の騒音レベルを抑制したい1000Hz程度では透過損失を増加させて不織布部36Bから放射される音の騒音レベルを抑制することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る吸気ダクト10Aについて、図13を参照して説明する。第1実施形態の吸気ダクト10と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、第1実施形態の吸気ダクト10と異なるのは、連通路34Aの構造のみなので、該当部分のみを説明する。
本発明の第2実施形態に係る吸気ダクト10Aについて、図13を参照して説明する。第1実施形態の吸気ダクト10と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、第1実施形態の吸気ダクト10と異なるのは、連通路34Aの構造のみなので、該当部分のみを説明する。
吸気ダクト10Aは、図13に示すように、連通路34Aにおいて不織布部36Aと不織布部36Bの間に断面積を増加させた拡径部50を設けている。また、連通路34Aに拡径部50を設けることによって、連通路34Aの長さを増加させている。
このように、吸気ダクト10Aは、連通路34Aに断面積を局所的に増加させた拡径部50を設けると共に、管路長を増加させることにより、連通路34A(不織布部36A、36B)において1000Hz程度の透過損失をさらに増加させて連通路34A、(不織布部36A、36B)から放射される音の騒音レベルを一層低減することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る吸気ダクト10Bについて、図14を参照して説明する。第1実施形態の吸気ダクト10と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、第1実施形態の吸気ダクト10と異なるのは、連通路34Bの構造のみなので、該当部分のみを説明する。
本発明の第3実施形態に係る吸気ダクト10Bについて、図14を参照して説明する。第1実施形態の吸気ダクト10と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、第1実施形態の吸気ダクト10と異なるのは、連通路34Bの構造のみなので、該当部分のみを説明する。
吸気ダクト10Bでは、図14に示すように、連通路34Bがインレット12(不織布部36A)側から外部(不織布部36B側)に向かって断面積が減少するように構成されている。したがって、不織布部36Aの断面積と比較して不織布部36Bの断面積が小さく設定されている。
このように、吸気ダクト10Bは、連通路34の断面積を外側に向かって減少させることにより透過損失を増大させ、連通路34(不織布部36A、36B)から外部に放射される音の騒音レベルを一層低減することができる。
また、インレット12の管路30に臨む不織布部36Aの断面積を不織布部36Bの断面積よりも大きくしているため、連通路34の断面積を一定にした(不織布部36A、36Bの断面積同一の)場合と比較して、吸気通路における圧力脈動の振幅(変動幅)抑制効果を大きくすることができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る吸気ダクト10Cについて、図15を参照して説明する。吸気ダクト10Cにおいて第1実施形態の吸気ダクト10と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、第1実施形態の吸気ダクト10と異なるのは、不織布部36A、36Bの構造のみなので、該当部分のみを説明する。
本発明の第4実施形態に係る吸気ダクト10Cについて、図15を参照して説明する。吸気ダクト10Cにおいて第1実施形態の吸気ダクト10と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、第1実施形態の吸気ダクト10と異なるのは、不織布部36A、36Bの構造のみなので、該当部分のみを説明する。
吸気ダクト10Cの不織布部36Bには、図15に示すように、不織布部36Aの不織布の目付量よりも目付量を増加させた不織布が用いられている。
このように、不織布部36Bの不織布の目付量を不織布部36Aの不織布の目付量よりも大きくしたことにより、連通路34(不織布部36A、36B)における1000Hz程度の透過損失をさらに増加させて連通路34(不織布部36A、36B)から放射される音の騒音レベルを一層低減することができる
一方、不織布部36Aの不織布の目付量は、不織布部36Bの不織布の目付量よりも小さく設定されているため、吸気通路における吸気の圧力脈動の振幅(変動幅)抑制効果は確保される。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係る吸気ダクト10Dについて、図16を参照して説明する。第1実施形態の吸気ダクト10と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、第1実施形態の吸気ダクト10と異なるのは、連通路34Dの構造のみなので、該当部分のみを説明する。
本発明の第5実施形態に係る吸気ダクト10Dについて、図16を参照して説明する。第1実施形態の吸気ダクト10と同様の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、第1実施形態の吸気ダクト10と異なるのは、連通路34Dの構造のみなので、該当部分のみを説明する。
吸気ダクト10Dの連通路34Dは、図16に示すように、インレット12の管路30に形成された不織布部36A(孔部52)から図面上下側に延びた後、図面上後ろ側に折れ曲がり、さらに、インレット12の背後を通過してインレット12の図面上上部まで延在する形状とされている。この連通路34Dの外部と連通する開口部に不織布部36Bが設けられている。
このように、連通路34Dは、インレット12の外周を折り曲げて巻回するように形成されているため、連通路34Dの容積増加を抑制しつつ管路長(不織布部36Aと不織布部36Bとの距離)を増加させて透過損失を増加させ、不織布部36B(連通路34D)から放射される音の騒音レベルを一層低減することができる。
[その他]
なお、一連の実施形態のように、吸気通路における吸気の圧力脈動の一次モードの腹位置の範囲内で最大圧力変動位置に連通路(一対の不織布部)を設けられない場合であっても、最大圧力変動位置から若干ずらした位置(腹位置の範囲内)に不織布部の面積を増加させて配置することによって吸気の圧力脈動の振幅(変動幅)を抑制することができる。また、連通路には二重に不織布部を配設しているため、不織布部の断面積を増加させても騒音レベルの増加を抑制することができる。
なお、一連の実施形態のように、吸気通路における吸気の圧力脈動の一次モードの腹位置の範囲内で最大圧力変動位置に連通路(一対の不織布部)を設けられない場合であっても、最大圧力変動位置から若干ずらした位置(腹位置の範囲内)に不織布部の面積を増加させて配置することによって吸気の圧力脈動の振幅(変動幅)を抑制することができる。また、連通路には二重に不織布部を配設しているため、不織布部の断面積を増加させても騒音レベルの増加を抑制することができる。
10、10A〜10D 吸気ダクト
14 エアクリーナ(吸気流路)
16 エアフロメータ(吸気流量検出センサ)
30 管路(吸気流路)
38 管路(吸気流路)
34、34A、34B、34D 連通路
36A、36B 不織布部
14 エアクリーナ(吸気流路)
16 エアフロメータ(吸気流量検出センサ)
30 管路(吸気流路)
38 管路(吸気流路)
34、34A、34B、34D 連通路
36A、36B 不織布部
Claims (1)
- 吸気口からインテークマニホールドに到る吸気通路と、
前記吸気通路上において、吸気流量を検出する吸気流量検出センサと、
前記吸気通路内において、吸気の圧力脈動の一次モードの腹位置に形成され、吸気通路内と外部とを連通する連通路と、
前記連通路に所定間隔をおいて二か所配設され、それぞれ当該連通路を不織布で覆った一対の不織布部と、
を備える吸気ダクト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020010394A JP2021116737A (ja) | 2020-01-24 | 2020-01-24 | 吸気ダクト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020010394A JP2021116737A (ja) | 2020-01-24 | 2020-01-24 | 吸気ダクト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021116737A true JP2021116737A (ja) | 2021-08-10 |
Family
ID=77175657
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020010394A Pending JP2021116737A (ja) | 2020-01-24 | 2020-01-24 | 吸気ダクト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021116737A (ja) |
-
2020
- 2020-01-24 JP JP2020010394A patent/JP2021116737A/ja active Pending
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