JP2021116234A - m−キシリレンジアミンの製造方法 - Google Patents

m−キシリレンジアミンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水添反応工程における反応温度を低下させても、副生成物の生成を抑制でき、m−キシリレンジアミンを効率よく製造できるm−キシリレンジアミンの製造方法を提供すること。【解決手段】パラジウムがカーボンに担持された触媒の存在下、かつ、アンモニアおよびアミン化合物(反応生成物を除く)の不存在下において、1,3−ジシアノベンゼンと水素とを、0℃以上50℃以下で反応させて、1,3−ジシアノベンゼンに水素を添加して、m−キシリレンジアミンを製造する。【選択図】なし

Description

本発明は、m−キシリレンジアミンの製造方法に関する。
従来より、繊維、フィルムなどに用いられるポリアミド樹脂の原料として、m−キシリレンジアミンが知られている。このようなm−キシリレンジアミンから誘導されるm−キシリレンジイソシアネートは、例えば、塗料、接着剤、プラスチックレンズなどに用いられるポリウレタンの原料として、有用である。
m−キシリレンジアミンの製造方法として、例えば、N−メチル−2−ピロリドン中で、パラジウム担持アルミナ触媒および水素の存在下、水素圧力2MPaおよび反応温度62℃の条件にて、イソフタロニトリル(1,3−ジシアノベンゼン)に水素を添加する芳香環含有アミノ化合物の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1の実施例3参照。)。
特開2007−99758号公報
しかし、特許文献1に記載の芳香環含有アミノ化合物の製造方法では、反応温度を62℃まで加温する必要がある。そのため、特許文献1に記載の芳香環含有アミノ化合物の製造方法では、m−キシリレンジアミンの製造に要するエネルギーの低減を図るには限度があり、高温条件での水添反応を実施可能な設備が必要である。
そこで、1,3−ジシアノベンゼンに水素を添加する水添反応において、反応温度を低下させたいという要望がある。
しかし、水添反応における反応温度を低下させると、1,3−ジシアノベンゼンと水素と十分に反応させることができず、副生成物が増加してしまい、m−キシリレンジアミンを効率よく生成できないという不具合がある。
本発明は、水添反応工程における反応温度を低下させても、副生成物の生成を抑制でき、m−キシリレンジアミンを効率よく製造できるm−キシリレンジアミンの製造方法を提供する。
本発明[1]は、パラジウムがカーボンに担持された触媒の存在下において、1,3−ジシアノベンゼンと水素とを反応させて、1,3−ジシアノベンゼンに水素を添加する水添反応工程を含み、前記水添反応工程は、アンモニアおよびアミン化合物(反応生成物を除く)の不存在下において実施され、前記水添反応工程における反応温度が、0℃以上50℃以下である、m−キシリレンジアミンの製造方法を含む。
本発明[2]は、前記水添反応工程における反応圧力が、0.1MPa以上1MPa以下である、上記[1]に記載のm−キシリレンジアミンの製造方法を含む。
本発明[3]は、1,3−ジシアノベンゼンに対する前記触媒に含まれるパラジウムのモル比は、0.02以上0.15以下である、上記[1]または[2]に記載のm−キシリレンジアミンの製造方法を含む。
本発明のm−キシリレンジアミンの製造方法によれば、パラジウムがカーボンに担持された触媒(以下、パラジウム担持カーボン触媒とする。)の存在下、かつ、アンモニアおよびアミン化合物(反応生成物を除く)の不存在下において、1,3−ジシアノベンゼンと水素とを反応させる。
そのため、水添反応工程における反応温度を上記上限以下に低下させても、副生成物の増加を抑制でき、m−キシリレンジアミンを効率よく製造できる。
本発明のm−キシリレンジアミンの製造方法は、パラジウム担持カーボン触媒の存在下において、1,3−ジシアノベンゼンと水素とを反応させる水添反応工程を含む。
水添反応工程では、例えば、まず、反応器に、1,3−ジシアノベンゼンと、パラジウム担持カーボン触媒と、必要に応じて反応溶媒とを装入する。
反応器は、特に制限されず、例えば、密閉系反応器(例えば、オートクレーブなど)、回分式反応器、連続式反応器などが挙げられる。
1,3−ジシアノベンゼンは、ベンゼン環の1位および3位にシアノ基が結合する芳香族化合物である。1,3−ジシアノベンゼンは、イソフタロニトリル(IPN)とも呼ばれる。1,3−ジシアノベンゼンは、工業用原料または研究用試薬として入手可能である。
パラジウム担持カーボン触媒は、活性成分としてのパラジウムと、担体としてのカーボンとを備える。
パラジウムは、金属単体であって、カーボンに担持されている。
パラジウムの担持割合は、カーボン100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上、例えば、30質量部以下、好ましくは、20質量部以下である。
パラジウム担持カーボン触媒におけるパラジウムの含有割合は、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、1質量%以上、例えば、20質量%以下、好ましくは、10質量%以下である。
カーボンとして、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられる。カーボンは、単独使用または2種類以上併用することができる。
パラジウム担持カーボン触媒におけるカーボンの含有割合は、例えば、20質量%以上、好ましくは、35質量%以上、例えば、80質量%以下、好ましくは、55質量%以下である。
パラジウム担持カーボン触媒は、必要に応じて、水を含有することができる。
パラジウム担持カーボン触媒における水の含有割合は、例えば、1質量%以上、好ましくは、15質量%以上、より好ましくは、40質量%以上、例えば、70質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
パラジウム担持カーボン触媒は、市販品を用いることもできる。パラジウム担持カーボン触媒の市販品として、例えば、NEケムキャット社製のパラジウムカーボン触媒NXタイプ、STDタイプ、Kタイプ、PEタイプ、URタイプなどが挙げられる。
パラジウム担持カーボン触媒の使用量は、パラジウム担持カーボン触媒が含有するパラジウムと、1,3−ジシアノベンゼンとのモル比により決められる。
1,3−ジシアノベンゼンに対するパラジウムのモル比は、例えば、0.01以上、好ましくは、0.02以上、より好ましくは、0.05以上、さらに好ましくは、0.075以上、例えば、0.3以下、好ましくは、0.2以下、より好ましくは、0.15以下である。
1,3−ジシアノベンゼンに対するパラジウムのモル比が上記下限以上であれば、副生成物とりわけシアノベンジルアミン(後述)の生成を抑制することができ、m−キシリレンジアミンを効率よく製造することができる。1,3−ジシアノベンゼンに対するパラジウムのモル比が上記上限以下であれば、副生成物とりわけメチルベンジルアミン(後述)の生成を抑制することができ、m−キシリレンジアミンを効率よく生成することができる。
反応溶媒は、水添反応に対して不活性であれば特に限定されない。反応溶媒として、例えば、炭化水素系溶媒(例えば、石油エーテル、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなど)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノールなど炭素数1〜6の一価アルコールなど)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、水などが挙げられる。
反応溶媒は、単独使用または2種以上併用することができる。
反応溶媒のなかでは、好ましくは、アルコール系溶媒が挙げられ、より好ましくは、炭素数1〜6の一価アルコールが挙げられ、さらに好ましくは、メタノールが挙げられる。
反応溶媒の添加割合は、1,3−ジシアノベンゼン100質量部に対して、例えば、100質量部以上、好ましくは、500質量部以上、例えば、3000質量部以下、好ましくは、2000質量部以下である。
次いで、必要に応じて反応器内を窒素置換した後、反応器内を水素置換する。水素は、工業用原料または研究用試薬として入手可能である。
次いで、反応器にさらに水素を供給して、反応器内の圧力を、下記の反応圧力の範囲に調整する。そして、反応器内を反応圧力に維持しながら、反応器内の温度を下記の反応温度の範囲に調整して、反応器内の内容物(1,3−ジシアノベンゼン、水素、パラジウム担持カーボン触媒および反応溶媒)を撹拌する。
反応圧力は、絶対圧であって、例えば、0.1MPa以上、好ましくは、0.5MPa以上、例えば、5MPa以下、好ましくは、4MPa以下、より好ましくは、1MPa以下である。
反応圧力が上記下限以上であれば、水添反応工程において、1,3−ジシアノベンゼンと水素とを確実に反応させることができる。反応圧力が上記上限以下であれば、m−キシリレンジアミンの製造に要するエネルギーの低減を図ることができながら、副生成物とりわけ二量体(後述)の生成を抑制することができ、m−キシリレンジアミンを効率よく製造することができる。
反応温度は、0℃以上、好ましくは、20℃以上、より好ましくは、25℃以上、50℃以下、好ましくは、40℃以下である。
反応温度が上記下限以上であれば、水添反応工程において、1,3−ジシアノベンゼンと水素とをより確実に反応させることができる。反応温度が上記上限以下であれば、m−キシリレンジアミンの製造に要するエネルギーの低減を図ることができながら、副生成物とりわけメチルベンジルアミン(後述)の生成を抑制することができ、m−キシリレンジアミンを効率よく生成することができる。
反応時間は、例えば、1分以上、好ましくは、10分以上、例えば、60分以下、好ましくは、30分以下である。
これによって、水添反応工程において、パラジウム担持カーボン触媒の存在下、かつ、アンモニアおよびアミン化合物(反応生成物を除く)の不存在下において、1,3−ジシアノベンゼンと水素とが反応する。
反応生成物とは、1,3−ジシアノベンゼンと水素との反応によって生じる反応生成物であり、具体的には、水添反応工程において生成する1,3−ジシアノベンゼンに由来するアミン化合物(詳しくは後述するが、シアノベンジルアミン、メチルベンジルアミン、m−キシリレンジアミンおよびそれらの二量体など)が含まれる。
そのため、アミン化合物(反応生成物を除く)とは、上記した1,3−ジシアノベンゼンに由来するアミン化合物以外のアミン化合物であって、具体的には、1,3−ジシアノベンゼンとは別途、水添反応工程に添加されるアミン化合物である。そのようなアミン化合物(反応生成物を除く)として、例えば、特開2007−269645号公報に記載のピぺリジン、アニリン、ジエチルアミンなどが挙げられる。
水添反応工程がアンモニアおよびアミン化合物(反応生成物を除く)の不存在下において実施されると、副生成物とりわけシアノベンジルアミン(CBA)の生成を抑制することができ、m−キシリレンジアミンを効率よく生成することができる。
このような水添反応工程では、下記式(1)に示すように、まず、1,3−ジシアノベンゼンが備える2つのシアノ基のうち一方のシアノ基に水素が添加されてシアノベンジルアミン(CBA)が生成する。そして、シアノベンジルアミン(CBA)が備えるシアノ基にさらに水素が添加されて、m−キシリレンジアミン(m−XDA)が生成する。そのため、水添反応が不十分であると、シアノベンジルアミンが残存する。
Figure 2021116234
また、水添反応工程において過反応が進行すると、生成したm−キシリレンジアミン(m−XDA)が備える2つのアミノ基のうち一方のアミノ基が脱離して、メチルベンジルアミン(MBA)が副生する。
また、水添反応工程において過反応が進行すると、シアノベンジルアミン(CBA)、m−キシリレンジアミン(m−XDA)および/または反応中間体が二量化して、二量体が副生する。
このような水添反応工程において、1,3−ジシアノベンゼン1モルに対して消費される水素のモル当量は、例えば、3.0以上、好ましくは、4.0以上、例えば、5.5以下である。なお、水添反応工程において消費される水素量は、蓄圧器の圧力変化によって確認できる(以下同様)。
1,3−ジシアノベンゼン1モルに対して消費される水素のモル当量が上記下限以上であれば、副生成物とりわけシアノベンジルアミンの生成を抑制することができ、m−キシリレンジアミンを効率よく生成することができる。1,3−ジシアノベンゼン1モルに対して消費される水素のモル当量が上記上限以下であれば、副生成物とりわけメチルベンジルアミンの生成を抑制することができ、m−キシリレンジアミンを効率よく生成することができる。
これによって、m−キシリレンジアミン(m−XDA)を含む反応液が調製される。また、必要に応じて、例えば、ろ過により、反応液からパラジウム担持カーボン触媒が除去される。また、反応液は、必要に応じて、例えば、減圧下において濃縮され、反応液から低沸成分が除去される。
以上によって、m−キシリレンジアミンを主成分として含むm−キシリレンジアミン組成物が調製される。
m−キシリレンジアミン組成物におけるm−キシリレンジアミンの含有割合は、例えば、35質量%以上、好ましくは、45質量%以上、より好ましくは、50質量%以上、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。なお、m−キシリレンジアミンの含有割合は、後述する実施例に記載の方法に準拠して測定できる。
また、m−キシリレンジアミン組成物は、さらに、シアノベンジルアミン(CBA)、メチルベンジルアミン(MBA)および二量体を含有する場合がある。
m−キシリレンジアミン組成物におけるシアノベンジルアミンの含有割合は、例えば、m−キシリレンジアミンの含有割合よりも小さい。m−キシリレンジアミン組成物におけるシアノベンジルアミンの含有割合は、例えば、0質量%以上、好ましくは、0.1質量%以上、例えば、10質量%以下、好ましくは、5質量%以下、より好ましくは、1質量%以下である。なお、シアノベンジルアミンの含有割合は、後述する実施例に記載の方法に準拠して測定できる。
m−キシリレンジアミン組成物におけるメチルベンジルアミンの含有割合は、例えば、m−キシリレンジアミンの含有割合よりも小さい。m−キシリレンジアミン組成物におけるメチルベンジルアミンの含有割合は、例えば、0質量%以上、好ましくは、1質量%以上、例えば、15質量%以下、好ましくは、8質量%以下、より好ましくは、3質量%以下である。なお、メチルベンジルアミンの含有割合は、後述する実施例に記載の方法に準拠して測定できる。
m−キシリレンジアミン組成物における二量体の含有割合は、例えば、m−キシリレンジアミンの含有割合よりも小さい。m−キシリレンジアミン組成物における二量体の含有割合は、例えば、0質量%以上、好ましくは、3質量%以上、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、10質量%以下である。なお、二量体の含有割合は、後述する実施例に記載の方法に準拠して測定できる。
なお、m−キシリレンジアミン組成物は、必要に応じて、公知の精製方法によって精製することができる。これによって、m−キシリレンジアミン組成物からm−キシリレンジアミンを分離可能である。
上記したm−キシリレンジアミンの製造方法では、パラジウム担持カーボン触媒の存在下、かつ、アンモニアおよびアミン化合物(反応生成物を除く)の不存在下において、1,3−ジシアノベンゼンと水素とを反応させる。
そのため、水添反応工程における反応温度を上記上限以下に低下させても、副生成物の増加を抑制でき、m−キシリレンジアミンを効率よく製造できる。
以下に、実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。
(実施例1)
500mlスケールの耐圧オートクレーブに、1,3−ジシアノベンゼン(和光純薬社製)10g(0.078モル)と、5質量%パラジウム担持カーボン触媒(NEケムキャット社製、NXタイプ49質量%含水品)16.6g(パラジウム0.0078モル)と、反応溶媒としてのメタノール(和光純薬社製)100gとを装入した。
次いで、オートクレーブ内に窒素を供給して、オートクレーブ内の圧力を3.1MPa(絶対圧)まで上昇させた後、オートクレーブから窒素を排出して、オートクレーブ内の圧力を0.2MPa(絶対圧)まで低下させた。この操作を4回繰り返して、オートクレーブ内を窒素置換した。
次いで、オートクレーブ内に水素を供給して、オートクレーブ内の圧力を2.1MPa(絶対圧)まで上昇させた後、オートクレーブから水素を排出して、オートクレーブ内の圧力を0.2MPa(絶対圧)まで低下させた。この操作を4回繰り返して、オートクレーブ内を水素置換した。
次いで、畜圧器を用いてオートクレーブ内に水素を供給して、オートクレーブ内の圧力を1.0MPa(絶対圧)まで上昇させた。そして、オートクレーブ内の圧力を維持しながら、オートクレーブ内の内容物を撹拌して、1,3−ジシアノベンゼンを水添反応させた。このとき、オートクレーブ内の温度(反応温度)を表1に示す。
20分後に理論量の水素吸収が完了したので、オートクレーブ内を窒素置換して、オートクレーブ内から水素を除去した。また、ジシアノベンゼン1モルに対して消費された水素の当量を表1に示す。
次いで、反応液をろ紙によってろ過して、反応液からパラジウム担持カーボン触媒を除去した。その後、ろ液を、ロータリーエバポレーターで濃縮した。その後、真空ポンプによって、濃縮後のろ液から低沸成分を除去した。
これによって、m−キシリレンジアミン組成物12.18gを得た。
m−キシリレンジアミン組成物を、高速液体クロマトグラフィーによって下記条件にて分析した。
使用カラム:YMC社製Triart Diol HILICカラム
カラムオーブン温度:40℃
移動相:A液 0.1M 酢酸アンモニウム水溶液、B液アセトニトリル
UV検出器:波長254nm
収率計算方法:標品を用いて作成した検量線から、m−キシリレンジアミン、2−シアノベンジルアミン、キシリレンジアミン2量体の収率を計算した。
また、m−キシリレンジアミン組成物を、ガスクロマトグラフィーによって下記条件にて分析した。
使用カラム:Agilent J&W社製DB−1カラム
検出器:FID
収率計算方法:標品を用いて作成した検量線からメチルベンジルアミンの収率を計算した。
上記分析の結果、m−キシリレンジアミン組成物は、m−キシリレンジアミン(m−XDA)と、2−シアノベンジルアミン(CBA)と、メチルベンジルアミン(MBA)と、キシリレンジアミン二量体(diXDA)とを含有することが確認された。各成分の収率を表1に示す。
(実施例2)
5質量%パラジウム担持カーボン触媒の使用量を、8.3g(パラジウム0.0039モル)に変更したこと、および、反応時間を40分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、m−キシリレンジアミン組成物を得た。ジシアノベンゼン1モルに対して消費された水素の当量、および、m−キシリレンジアミン組成物が含有する各成分の収率を表1に示す。
(実施例3)
5質量%パラジウム担持カーボン触媒の使用量を、33.2g(パラジウム0.0156モル)に変更したこと、および、反応時間を40分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、m−キシリレンジアミン組成物を得た。ジシアノベンゼン1モルに対して消費された水素の当量、および、m−キシリレンジアミン組成物が含有する各成分の収率を表1に示す。
(実施例4)
反応圧力を4.1MPa(絶対圧)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、m−キシリレンジアミン組成物を得た。ジシアノベンゼン1モルに対して消費された水素の当量、および、m−キシリレンジアミン組成物が含有する各成分の収率を表1に示す。
(比較例1)
5質量%パラジウム担持カーボン触媒を、5質量%パラジウムアルミナ触媒(和光純薬社製)に変更したこと、および、反応時間を120分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、m−キシリレンジアミン組成物を得た。ジシアノベンゼン1モルに対して消費された水素の当量、および、m−キシリレンジアミン組成物が含有する各成分の収率を表1に示す。
(比較例2)
反応温度を60℃に変更したこと、および、反応時間を150分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、m−キシリレンジアミン組成物を得た。シジシアノベンゼン1モルに対して消費された水素の当量、および、m−キシリレンジアミン組成物が含有する各成分の収率を表1に示す。
(比較例3)
メタノールを、7規定アンモニアメタノール溶液(アルドリッチ社製)に変更したこと、および、反応時間を100分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、m−キシリレンジアミン組成物を得た。シアノベンゼン1モルに対して消費された水素の当量、および、m−キシリレンジアミン組成物が含有する各成分の収率を表1に示す。
Figure 2021116234
なお、表における略称の詳細を下記する。
IPN:1,3−ジシアノベンゼン(イソフタロニトリル)
Pd/C:パラジウム担持カーボン触媒
Pd/Al:パラジウム担持アルミナ触媒
m−XDA:m−キシリレンジアミン
CBA:2−シアノベンジルアミン
MBA:メチルベンジルアミン
diXDA:キシリレンジアミン二量体

Claims (3)

  1. パラジウムがカーボンに担持された触媒の存在下において、1,3−ジシアノベンゼンと水素とを反応させて、1,3−ジシアノベンゼンに水素を添加する水添反応工程を含み、
    前記水添反応工程は、アンモニアおよびアミン化合物(反応生成物を除く)の不存在下において実施され、
    前記水添反応工程における反応温度が、0℃以上50℃以下であることを特徴とする、m−キシリレンジアミンの製造方法。
  2. 前記水添反応工程における反応圧力が、0.1MPa以上1MPa以下であることを特徴とする、請求項1に記載のm−キシリレンジアミンの製造方法。
  3. 1,3−ジシアノベンゼンに対する前記触媒に含まれるパラジウムのモル比は、0.02以上0.15以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のm−キシリレンジアミンの製造方法。
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