JP2021113249A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた誘電特性を示すと共に難燃性および熱安定性を有し、高いガラス転移温度を兼ね備えた樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基によって末端変性された、変性ポリフェニレンエーテル化合物と、(B)炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する化合物と、(C)難燃剤と、を含有する難燃性樹脂組成物。前記(C)難燃剤は、下記の式(1)で表されるアリールオキシ環状ホスファゼン化合物である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、特に、難燃性樹脂組成物に関する。
自動車、ITS(Intelligent Transport Systems)、IoT(Internet of Things)および第五世代移動通信システム(5G)等に関わる産業分野において、高周波信号を扱うシステムの実用化が進行している。これに伴い、これらに不可欠な電気・電子機器、例えば、半導体に代表される電子部品やこれらを搭載したプリント配線基板などにおいて、信号の伝送速度が非常に高速化し、その周波数は数10GHz帯へと高くなっている。
従来、プリント配線基板には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂およびポリイミド樹脂などの樹脂が用いられている。これらの樹脂は、バランス良く各種性能を有しているものの、高周波領域での誘電損失が大きく、これに代わる材料が望まれている。
一方、ポリフェニレンエーテル樹脂は、高周波領域における比誘電率や誘電正接が低いことが知られている。このため、高周波帯を利用する電子機器用のプリント配線基板などに好適に用いられる。
信号の伝送速度を高め、かつ伝送損失を低減するため、誘電特性(比誘電率や誘電正接が低い、すなわち伝送損失が小さい。)が優れたプリント配線基板が要求され、さらに機械特性、熱安定性および難燃性が求められ、必要に応じて難燃剤が使用される。
プリント配線基板の樹脂に対して使用される難燃剤は、一般に、無機系難燃剤と有機系難燃剤とに大別される。無機系難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、赤リン、三酸化アンチモンおよび五酸化アンチモン等のアンチモン化合物、ならびにホウ素化合物が挙げられる。一方、有機系難燃剤としては、例えば、塩素化パラフィン、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、臭素化ポリスチレンおよびテトラブロモビスフェノールA等のハロゲン系化合物、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)およびビスフェノールA ビス(ジフェニルホスフェート)(BDP)等のリン系化合物、ならびにトリス(クロロエチル)ホスフェート(TCEP)およびトリス(β-クロロプロピル)ホスフェート(TCPP)等のハロゲン化リン系化合物が挙げられる。
無機系難燃剤は、一般的に誘電特性に優れており、樹脂の誘電特性を損ない難いが、吸水性や加水分解性を示すことから、その使用によって樹脂成形体の機械的特性および誘電特性の経時劣化を招き易く、長期的な信頼性が要求される電気・電子機器用の樹脂材料の難燃剤としては不安がある。他方、有機系難燃剤は、特にハロゲン系化合物は、ハロゲンフリーによる環境対応が要請される観点においてその使用が制限される。一方、リン系化合物は、可塑性を有することから樹脂に対する添加量を増やして難燃性を高めると樹脂成形体の機械的強度を損なう可能性がある。また、加水分解し易いことから、その使用が樹脂成形体の誘電特性の経時劣化を招いてしまう。
そこで、樹脂に対して使用される難燃剤として、有機・無機ハイブリッド材料であるホスファゼン系化合物が注目されている。ホスファゼン系化合物はリン含有化合物であるが、他の有機リン系化合物、例えば、有機リン酸エステルに比べてリン含有率が高いことから、樹脂材料に対する添加量を抑えて樹脂成形体に所要の難燃性を付与可能である。また、可塑性および加水分解性が小さいことから、樹脂成形体の機械特性および誘電特性の低下や経時劣化を招き難い。
特許文献1は、2,2’−ビフェノールが置換したホスファゼン化合物およびそれを含むエポキシ樹脂組成物を開示しており、電気、電子および通信機器の用途において、そのエポキシ樹脂成形体は基板材料などへの使用が好ましいとしている。しかし、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂組成物では比誘電率および誘電正接が高く、高周波信号を扱う用途には使用が制限される。一方、特許文献2〜4は2,2’−ビフェノールが置換したホスファゼン化合物とイミド系樹脂との組成物およびその成形体を開示しており、電気、電子および通信機器の用途において基板材料などへの使用が好ましいとしている。しかし、イミド系樹脂成形体の比誘電率、誘電正接はエポキシ樹脂より低いものの、高周波信号を扱う第五世代移動通信システム(5G)などの産業分野においては、使用が制限される。
国際公開第2019/198766号 中国特許公開第110204862号明細書 台湾特許公開第201940589号明細書 国際公開第2020/004440号
本発明は、優れた誘電特性を示すと共に難燃性および熱安定性を有し、高いガラス転移温度を兼ね備えた樹脂組成物の提供を課題とする。
本発明で用いる樹脂組成物は、(A)炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基によって末端変性された、変性ポリフェニレンエーテル化合物と、(B)炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する化合物と、(C)難燃剤と、を含むことを特徴とする難燃性樹脂組成物であって、前記(C)難燃剤が、下記式(1)で表される、アリールオキシ環状ホスファゼン化合物である。
Figure 2021113249
式(1)中、nは3〜8の整数を示し、R基は、下記の式(2)若しくは(3)で示されるアリールオキシ基である。
Figure 2021113249
Figure 2021113249
式(2)および式(3)中、R1およびRは、単結合、酸素原子若しくはメチレン基を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子若しくは炭素数が1〜6のアルキル基を示し、p、q、rおよびsはそれぞれ独立して1〜4の整数を示す。
本発明において用いられる変性ポリフェニレンエーテル化合物は、その炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基が、ビニルフェニル基、ビニルベンジル基、アクリロイル基およびメタアクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基である。
本発明において用いられるアリールオキシ環状ホスファゼン化合物は、式(1)のnが3若しくは4の化合物、または式(1)のnが3および4の化合物が95重量%以上含む混合物である。
また、本発明において用いられるアリールオキシ環状ホスファゼン化合物は、その酸価が0.05mgKOH/g以下のものが好ましい。
さらに、本発明において用いられるアリールオキシ環状ホスファゼン化合物は、カールフィッシャー法により測定した含有水分量が100mg/kg以下のものが好ましい。
他の観点に係る本発明は、難燃性樹脂組成物からなる樹脂成形体に関するものである。
さらに他の観点に係る本発明は、樹脂成形体を含む電気・電子部品に関するものである。
本発明に係る難燃性樹脂組成物は、特定のアリールオキシ環状ホスファゼン化合物を用いていることから、優れた誘電特性を示すと共に難燃性および熱安定性を有し、高いガラス転移温度を兼ね備えた樹脂成形体を形成可能である。
本発明に係る電気・電子部品は、本発明の樹脂成形体を含むものであることから、優れた誘電特性を示すと共に難燃性および熱安定性に優れ、かつガラス転移温度が高い。
本発明の樹脂組成物は、(A)炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された、変性ポリフェニレンエーテル化合物と、(B)炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する化合物と、(C)難燃剤と、を含む樹脂組成物であって、前記(C)難燃剤は、下記式(1)で表されるアリールオキシ環状ホスファゼン化合物を含有することを特徴とする。
Figure 2021113249
以下、本実施形態に係る樹脂組成物の各成分について、具体的に説明する。
本発明で用いられる(A)炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基によって末端変性された、変性ポリフェニレンエーテル化合物は、その化合物中にポリフェニレンエーテル構造を有し、その末端が、ビニルフェニル基、ビニルベンジル基、アクリロイル基またはメタアクリロイル基で変性された化合物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明で用いられる(A)炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基によって末端変性された、変性ポリフェニレンエーテル化合物は、その化合物中にポリフェニレンエーテル構造を有すれば、特に限定されないが、例えば、下記式(4)の化合物として表すことができる。
Figure 2021113249
式(4)において、Xは、下記式(5)で表される2価の基を示す。
Figure 2021113249
式(5)において、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基若しくはアルキニル基、またはフェニル基を示す。aとbはそれぞれ独立して1〜4の整数を示し、lとmはそれぞれ独立して1〜30の整数を示す。また、Bは、下記式(6)または(7)で表される2価の基を示す。
Figure 2021113249
Figure 2021113249
式(6)において、Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基若しくはアルキニル基、またはフェニル基を示し、cは1〜4の整数を示す。
式(7)において、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基若しくはアルキニル基、またはフェニル基を示し、dとeはそれぞれ独立して1〜4の整数を示す。Aは、単結合、酸素原子、または炭素数20以下の直鎖状、分岐状若しくは環状の2価の炭化水素基を示す。Aとして、例えば、−CH−、−CHCH−および−C(CH−が挙げられる。
さらに、 式(4)において、Zで表される基は炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基で有り、下記式(8)または式(9)として表すことができる。
Figure 2021113249
Figure 2021113249
式(8)において、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を示す。gはそれぞれ独立して1〜4の整数を示し、hは0若しくは1を示す。具体的には、例えば、ビニルフェニル基やビニルベンジル基が挙げられる。
また、式(9)において、R14は、水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。具体的には、例えば、アクリロイル基やメタアクリロイル基が挙げられる。
本発明の(B)成分は、炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する化合物であれば、特に限定されるものではないが、炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基によって末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と反応することが出来るものであればよい。本化合物は炭素−炭素二重結合を2個以上有する化合物が好ましい。
(B)成分として用いられる化合物としては、例えば、分子中にメタクリル基を2個以上有する多官能メタクリレート化合物、分子中にアクリル基を2個以上有する多官能アクリレート化合物、ポリブタジエン等のように分子中にビニル基を2個以上有する多官能ビニル化合物、分子中にビニルベンジル基を有するジビニルベンゼンなどのビニルベンジル化合物、分子中にマレイミド基を2個以上有する多官能マレイミド化合物等が挙げられる。また、スチレン−ブタジエン共重合体、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)等のトリアルケニルイソシアヌレート化合物、トリアリルシアヌレート(TAC)等のトリアルケニルシアヌレート等が好適な例として挙げられる。このような化合物を使用することにより、熱安定性に優れ、かつ誘電特性を損なうことなく樹脂組成物を得ることが出来る。これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、本発明の(C)成分の難燃剤であるアリールオキシ環状ホスファゼン化合物について説明する。本実施形態で使用される難燃剤は、下記式(1)で表されるアリールオキシ環状ホスファゼン化合物を含有する。
Figure 2021113249
式(1)中、nは3〜8の整数を示し、R基は、下記の式(2)若しくは(3)で示されるアリールオキシ基である。
Figure 2021113249
Figure 2021113249
式(2)および式(3)中、R1およびRは、単結合、酸素原子若しくはメチレン基を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子若しくは炭素数が1〜6のアルキル基を示し、p、q、rおよびsはそれぞれ独立して1〜4の整数を示す。
式(1)中、nは3〜8の整数を示す。したがって、式(1)で表されるアリールオキシ環状ホスファゼン化合物は、nが3であるアリールオキシシクロトリホスファゼン化合物(3量体)、nが4であるアリールオキシシクロテトラホスファゼン化合物(4量体)、nが5であるアリールオキシシクロペンタホスファゼン化合物(5量体)、nが6であるアリールオキシシクロヘキサホスファゼン化合物(6量体)、nが7であるアリールオキシシクロヘプタホスファゼン化合物(7量体)またはnが8であるアリールオキシシクロオクタホスファゼン化合物(8量体)である。
これらのアリールオキシ環状ホスファゼン化合物は、nが小さいものの方が本発明の組成物に用いられた場合において誘電特性の優れた樹脂成形体を実現しやすいことから、nが3から6の整数のものが好ましく、nが3若しくは4のものが特に好ましい。また、アリールオキシ環状ホスファゼン化合物は、nが異なる二種以上のものの混合物であっても良いが、この混合物は、nが小さいアリールオキシ環状ホスファゼン化合物の含有量の多いものの方が本発明の組成物に用いられた場合において、誘電特性の優れた樹脂成形体を実現しやすい。したがって、nが異なるアリールオキシ環状ホスファゼン化合物の混合物としては、nが3から6の環状ホスファゼン化合物を95重量%以上含む混合物が好ましく、nが3および4の環状ホスファゼン化合物を95重量%以上含む混合物が特に好ましい。
環状フェノキシホスファゼン化合物、例えば、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼンは一般的に、樹脂成分(前記(A)成分と前記(B)成分の混合物)に溶解する。しかしながら、本発明のアリールオキシ環状ホスファゼン化合物は高融点でかつ前記樹脂成分に難溶もしくは溶解しない。これにより、樹脂の誘電特性を損なうことなく、難燃性および熱安定性に優れ、かつガラス転移温度が高い難燃性樹脂組成物を得ることが出来る。
アリールオキシ環状ホスファゼン化合物の融点は示差熱分析の測定で得られる。測定試料を窒素雰囲気下において常温から600℃の温度範囲を10℃/分で加熱したときの示差熱曲線において、昇温を開始した初期に現れる融解が確認できる吸熱ピークの頂点の温度を融点と定義する。アリールオキシ環状ホスファゼン化合物の融点は樹脂成形体を使用する温度以上であることが好ましい。アリールオキシ環状ホスファゼン化合物の融点は、好ましくは、300℃、より好ましくは330℃、さらに好ましくは350℃以上の融点を示すことが好ましい。
一方、熱安定性の有用な指標は、熱重量分析による5%重量減少温度の測定で得られる。窒素雰囲気下において測定試料が初期の重量から5%減量した温度を5%重量減少温度と定義する。アリールオキシ環状ホスファゼン化合物の5%重量減少温度は樹脂成形体を使用する温度以上であることが好ましい。アリールオキシ環状ホスファゼン化合物の5%重量減少温度は、好ましくは360℃、より好ましくは380℃、さらに好ましくは400℃以上の5%重量減少温度を示すことが好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物において用いられる式(1)で表されるアリールオキシ環状ホスファゼン化合物の酸価は、0.15mgKOH/g以下が好ましく、0.10mgKOH/g以下がより好ましく、0.01mgKOH/g以下が特に好ましい。アリールオキシ環状ホスファゼン化合物は、酸価が0.15mgKOH/gを超えると誘電特性が損なわれる可能性がある。なお、アリールオキシ環状ホスファゼン化合物の酸価は、例えば、JIS K0070「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価および不けん化物の試験方法」に従って測定することが出来る。
また、本発明の難燃性樹脂組成物において用いられるアリールオキシ環状ホスファゼン化合物の含有水分量は、1,000mg/kg以下が好ましく、500mg/kg以下がより好ましく、100mg/kg以下が特に好ましい。式(1)で表されるアリールオキシ環状ホスファゼン化合物は、含有水分量が1,000mg/kgを超えると誘電特性が損なわれる可能性がある。なお、アリールオキシ環状ホスファゼン化合物の含有水分量は、例えば、JIS K0068「化学製品の水分測定方法」に従ってカールフィッシャー法により測定することが出来る。
本発明の難燃性樹脂組成物において、上述のアリールオキシ環状ホスファゼン化合物は、二種以上のものが併用されても良い。
本発明の難燃性樹脂組成物は、樹脂成分が溶解する溶媒と混合し、ワニス状に調製した樹脂ワニスとして用いても良い。このような樹脂ワニスは、例えば以下のようにして調製することができる。
まず、(A)成分の炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基によって末端変性された、変性ポリフェニレンエーテル化合物と(B)成分の炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する化合物を有機溶媒に溶解する。この際必要に応じて加熱しても良い。その後、有機溶媒に溶解しない成分である(C)成分のアリールオキシ環状ホスファゼン化合物を添加して、ディスパー、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサーまたはロールミル等を用いて分散することにより、ワニス状の樹脂組成物を調製する。この際、後述する各種添加剤を加えても良い。ここで用いられる有機溶媒としては、(A)成分の炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基によって末端変性された、変性ポリフェニレンエーテル化合物と(B)成分の炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する化合物を溶解し、これらの反応を阻害しないものであれば特に限定されない。具体的には、トルエン、メチルエチルケトンまたはシクロヘキサノン等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
本発明で用いられる樹脂ワニスは、重合開始剤をさらに含むのが好ましい。加熱により反応する場合、使用可能な重合開始剤の例として、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドおよびジイソプロピルパーオキシジカーボネート等の過酸化物、2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキシルニトリル、アゾビスシアノ吉草酸および2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系化合物並びに芳香族スルホン酸塩等の酸発生剤を挙げることができる。
本発明の難燃性樹脂組成物におけるアリールオキシ環状ホスファゼン化合物の含有量は、樹脂成分の種類や本発明の組成物の用途等の各種条件に応じて適宜設定することができるが、通常、固形分換算での樹脂成分100重量部に対し、0.1〜200重量部に設定するのが好ましく、0.5〜100重量部に設定するのがより好ましく、1〜50重量部に設定するのが特に好ましい。アリールオキシ環状ホスファゼン化合物の含有量が0.1重量部未満の場合は、十分な難燃性を示す樹脂成形体が得られ難くなる可能性がある。一方、アリールオキシ環状ホスファゼン化合物の含有量が200重量部を超えると、樹脂成分本来の特性が損なわれ、樹脂成分による当該特性を示す樹脂成形体が得られ難くなる可能性がある。
また、エネルギー線の照射により反応する場合、使用可能な重合開始剤として、例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、スルホニウム系光重合開始剤およびヨードニウム系光重合開始剤等を挙げることができる。この場合、必要に応じて第三級アミン等の増感剤を併用することもできる。
本発明の難燃性樹脂組成物には、前記の(A)、(B)および(C)成分の他にガラス基材を含有することができる。それによって、割れ、寸法変化および反り等の加工時の不良を抑制でき、加工後の寸法安定性や機械強度を上げることが出来る。
使用するガラス基材としては、特に限定されるものではないが、比誘電率の低いガラス基材を用いることが好ましい。より具体的には、樹脂成形体の10GHzにおける比誘電率が4.0以下となるようにガラス基材の比誘電率を設定することが好ましい。
このようなガラス基材としては、市販のガラス基材を用いることができ、例えば、日東紡績株式会社製の「Eガラス(比誘電率6.8)」または「NEガラス(比誘電率4.8)」等が好ましく使用できる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、その用途や樹脂成分の種類等に応じ、目的とする物性を損なわない範囲で各種の添加剤を配合することができる。利用可能な添加剤の例としては、天然シリカ、焼成シリカ、合成シリカ、アモルファスシリカ、ホワイトカーボン、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛、天然マイカ、合成マイカ、アエロジル、カオリン、クレー、タルク、焼成カオリン、焼成クレー、焼成タルク、ウオラストナイト、ガラス短繊維、ガラス微粉末、中空ガラスおよびチタン酸カリウム繊維等の無機充填剤、ナノカーボンチューブ、グラフェンおよびフラーレン等のナノカーボン類、アラミド繊維およびポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維等の有機繊維、シランカップリング剤等の充填材の表面処理剤、ワックス類、脂肪酸およびその金属塩、酸アミド類およびパラフィン等の離型剤、塩素化パラフィン、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、リン酸アミド、リン酸アミドエステル、ホスフィネート、ホスフィネート塩、リン酸アンモニウムおよび赤リン等のリン系難燃剤、メラミン、メラミンシアヌレート、メラム、メレム、メロンおよびサクシノグアナミン等の窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤並びに臭素系難燃剤等の難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のドリッピング防止剤、ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤、ヒンダートフェノールおよびスチレン化フェノール等の酸化防止剤、チオキサントン系等の光重合開始剤、スチルベン誘導体等の蛍光増白剤、硬化剤、染料、顔料、着色剤、光安定剤、光増感剤、増粘剤、滑剤、消泡剤、レベリング剤、光沢剤、重合禁止剤、チクソ性付与剤、可塑剤並びに帯電防止剤等を挙げることができる。
本発明の難燃性樹脂組成物を用いて形成された樹脂成形体は、難燃性および熱安定性に優れており、かつガラス転移温度の高い樹脂成形体を得られることから、各種の産業分野において多様な用途・目的のために使用することができる。特に、この樹脂成形体は、比誘電率および誘電損失が低いことから誘電特性に優れており、電気・電子部品において有用である。例えば、この樹脂成形体を半導体封止用途や回路基板用途(特に、金属張積層板、プリント配線基板用基板、プリント配線基板用接着剤、プリント配線基板用接着剤シート、プリント配線基板用絶縁性回路保護膜、プリント配線基板用導電ペースト、多層プリント配線基板用封止剤、回路保護剤、カバーレイフィルムまたはカバーインク)として使用した電気・電子部品として有用である。
以下に実施例や比較例等を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらによってなんら限定されるものではない。
以下において、「unit mol」の「unit」は、環状ホスファゼン化合物の最小構成単位、例えば、式(1)については(NPOR)を意味する。なお、クロロシクロホスファゼン化合物の場合、その「unit」は(NPCl)であり、その1unit molは115.87gである。また、以下においては、特に断りがない限り、「%」および「部」とあるのは、それぞれ「重量%」および「重量部」を意味する。
実施例等で使用した難燃剤
実施例等で使用した難燃剤は以下のとおりである。実施例等のために製造した難燃剤としての各種の環状ホスファゼン化合物は、H−および31P−NMR、ならびにTOF−MSの結果に基づいて同定した。
誘電特性は、株式会社エーイーティー社製の粉体測定用空洞共振器を用い、温度25℃で周波数10GHzでの比誘電率および誘電正接を測定した。また、熱安定性は、熱重量測定装置(株式会社日立ハイテクノロジーの型番「STA7200」)を用い、窒素雰囲気下において常温から600℃の温度範囲を10℃/分で加熱したときの熱重量測定における5%重量減少温度を測定した。融点は示差熱分析で測定した。5%重量減少温度ならびに融点が高いほど熱安定性に優れていることを示している。
合成例1(難燃剤A:2,2’−ビフェニレンジオキシ環状ホスファゼン化合物の製造)
温度計、撹拌機、および冷却管を備え付けた1Lの四つ口フラスコに、窒素気流下で炭酸カリウム248.8g(1.80mol)、2,2’−ビフェノール122.9g(0.66mol)、テトラヒドロフラン500mL、およびヘキサクロロシクロトリホスファゼン69.5g(0.60unit mol)を仕込み、還流下24時間反応した。この反応混合物を室温に冷却後、500mLのイオン交換水を用いて2回水洗したのちに、さらにメタノール300mLで洗浄した。析出している結晶を乾燥させることで、126.4gの生成物を得た。(収率:91.9%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
7.2〜7.6(24H)
31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
26.3 三量体(P=N)
◎TOF−MS:
687
以上の分析結果から、この生成物は組成が[N(OCO)]の2,2’−ビフェニレンジオキシ環状ホスファゼン化合物であることを確認した。この生成物を難燃剤Aとして使用した。
合成例2(難燃剤B:2,2’−メチレンジフェノキシ環状ホスファゼン化合物の製造)
温度計、撹拌機、および冷却管を備え付けた500mLの四つ口フラスコに、窒素気流下で炭酸カリウム35.8g(0.26mol)、2,2’−ジヒドロキシビフェニルメタン19.0g(0.095mol)、テトラヒドロフラン200mL、およびヘキサクロロシクロトリホスファゼン10.0g(0.086unit mol)を仕込み、還流下24時間反応した。この反応混合物を室温に冷却後、1000mLのイオン交換水を用いて2回水洗したのちに、さらにメタノール500mLで洗浄した。析出している結晶を乾燥させることで、17.9gの生成物を得た。(収率:85.9%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
4.0(6H),7.0〜7.3(24H)
31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
7.6 三量体(P=N)
◎TOF−MS:
729
以上の分析結果から、この生成物は組成が[N(OCCHO)]の2,2’−メチレンジフェノキシ環状ホスファゼン化合物であることを確認した。この生成物を難燃剤Bとして使用した。
合成例3(難燃剤C:1,1’−メチレンジ−2−ナフトキシ環状ホスファゼン化合物の製造)
温度計、撹拌機、および冷却管を備え付けた500mLの四つ口フラスコに、窒素気流下で炭酸カリウム57.2g(0.41mol)、1,1’−メチレンジ−2−ナフトール45.6g(0.15mol)、テトラヒドロフラン200mL、およびヘキサクロロシクロトリホスファゼン16.0g(0.14unit mol)を仕込み、還流下24時間反応した。この反応混合物を室温に冷却後、500mLのイオン交換水を用いて2回水洗したのちに、さらにメタノール300mLで洗浄した。析出している結晶を乾燥させることで、42.6gの生成物を得た。(収率:89.8%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
4.9(6H),7.0〜7.1(6H),7.4〜7.5(18H),7.7〜7.8(6H)、8.1〜8.2(6H)
31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
10.9 三量体(P=N)
◎TOF−MS:
1029
以上の分析結果から、この生成物は組成が[N(OC10CH10O)]の1,1’−メチレンジ−2−ナフトキシ環状ホスファゼン化合物であることを確認した。この生成物を難燃剤Cとして使用した。
合成例4(難燃剤D:1,1’−ビ−2−ナフトキシ環状ホスファゼン化合物の製造)
温度計、撹拌機、および冷却管を備え付けた1Lの四つ口フラスコに、窒素気流下で炭酸カリウム62.2g(0.45mol)、1,1’−ビナフトール47.2g(0.16mol)、テトラヒドロフラン200mL、およびヘキサクロロシクロトリホスファゼン17.4g(0.15unit mol)を仕込み、還流下24時間反応した。この反応混合物を室温に冷却後、500mLのイオン交換水を用いて2回水洗したのちに、さらにメタノール300mLで洗浄した。析出している結晶を乾燥させることで、44.5gの生成物を得た。(収率:90.0%)。この生成物の分析結果は以下の通りであった。
H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
7.2〜8.2(36H)
31P−NMRスペクトル(重クロロホルム中、δ、ppm):
27.4 三量体(P=N)
◎TOF−MS:
987
以上の分析結果から、この生成物は組成が[N(OC10O)]の1,1’−ビ−2−ナフトキシ環状ホスファゼン化合物であることを確認した。この生成物をリン系難燃剤Dとして使用した。
合成例5(難燃剤E:フェノキシ基全置換環状ホスファゼン化合物の製造)
PHOSPHORUS−NITROGEN COMPOUNDS、H.R.ALLCOCK著、1972年刊、151頁、ACADEMIC PRESS社に記載されている方法に従ってヘキサクロロシクロトリホスファゼンから白色固体のヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン[N(OC]を製造し、これを難燃剤Eとして使用した。
(難燃剤F:リン酸エステル)
リン酸エステルである大八化学工業株式会社の商品名「CR−741」を入手し、これを難燃剤Fとして使用した。
(難燃剤G:ホスフィン酸金属塩)
ホスフィン酸金属塩であるClariant社の商品名「Exolit OP935」を入手し、これを難燃剤Gとして使用した。
(難燃剤H:ホスフィンオキシド)
ホスフィンオキシドである台湾晋一化工社製の商品名「PQ−60」を入手し、これを難燃剤Hとして使用した。
本実施例において、樹脂ワニスを調製する際に用いる成分について説明する。
以下の材料を下記の例に使用した。
A成分:炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基によって末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物
末端メタクリル変性ポリフェニレンエーテル化合物:
「製品名:SA−9000」(SABICイノベーティブプラスチック社製)
末端ビニルベンジル基変性ポリフェニレンエーテル化合物:
「製品名:OPE−2St2200」(三菱ガス化学社製)
B成分:炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する化合物
スチレンブタジエンランダム共重合体:
「製品名:RICON181」(CRAY VALLEY社製)
トリアリルイソシアヌレート(TAIC):
試薬(東京化成工業社製)
C成分:難燃剤
上記の合成または入手した難燃剤A〜H
重合開始剤
ジクミルパーオキサイド:
「製品名:パークミルD」(日本油脂社製)
ガラス基材
「NEガラス」、#1078タイプ(日東紡績社製)
実施例1〜8
(樹脂ワニスの調製方法)
(A)炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基によって末端変性された、変性ポリフェニレンエーテル化合物とトルエンを混合し、その混合液を60℃に加熱し、(A)の50重量%トルエン溶液を得た。得られた(A)のトルエン溶液に、表3に記載した割合になるように(B)炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する化合物を添加した後、30分撹拌することによって、これを完全に溶解した。そして、さらに、(C)難燃剤を添加して、ディスパーで撹拌することによって、ワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニス)を得た。
(プリプレグの作製)
基材として、ガラスクロス(NEガラス「#1078」日東紡績社製)を用い、上記で調製した樹脂ワニスを室温でこのガラスクロスに含浸し、その後、130℃で約5分間加熱して、ワニス中の溶媒を乾燥除去し、樹脂組成物を半硬化することによってプリプレグを作製した。なお、プリプレグの樹脂含有量は60重量%となるように調製した。
(成形体の作製)
得られたプリプレグを4枚重ね、真空下、120℃で30分、150℃で30分、200℃で100分の順に段階的に加熱、加圧して硬化することで評価に適した大きさの成形体を得た。
比較例1〜8
難燃剤A〜Dに代えて難燃剤E〜Hを使用した点を除いて実施例1〜8と同様に操作し、後記の評価に適した大きさの成形体を得た。
実施例および比較例で得られた成形体の評価
実施例1〜8および比較例1〜8で得られた成形体について、難燃性、誘電特性およびガラス転移温度を評価した。評価方法は次のとおりである。
<難燃性>
長さ125mm、幅12.5mmおよび厚み1.5mmの成形体について、アンダーライターラボラトリーズ(Underwriter’s Laboratories Inc.)のUL−94規格垂直燃焼試験に基づき、10回接炎時の合計燃焼時間と燃焼時の滴下物による綿着火の有無により、V−0、V−1、V−2およびHBの四段階の難燃性クラスに分類判定した。V−0が最高評価であり、V−1、V−2、HBの順に評価が下がる。
<誘電特性(比誘電率および誘電正接)>
長さ80mm、幅3mmおよび厚さ1.0mmの成形体について、比誘電率および誘電正接を空洞共振摂動法で測定した。測定にはエーイーティー社製の空洞共振器とキーサイト社製のネットワークアナライザー「E5063A」を用い、25℃で周波数10GHzでの誘電特性を測定した。
<ガラス転移温度(Tg)>
成形体のガラス転移温度(Tg)を動的粘弾性測定(DMA)により測定し、tanδ(損失弾性率/貯蔵弾性率)の最大値をTgとした。測定には、動的粘弾性測定装置(パーキンエルマージャパン製「DMA8000」)を用い、引張モジュールで5℃/分の昇温条件によって測定した。

各難燃剤の誘電特性(比誘電率、誘電正接)、5%重量減少温度および融点を表1に示す。
Figure 2021113249
表1に示す結果から明らかなように、難燃剤A〜Dのアリールオキシ環状ホスファゼン化合物は難燃剤E〜Hと比較して、優れた誘電特性を示すと共に熱安定性を兼ね備えていることが示された。
各実施例1〜8および比較例1〜8の成形体の評価結果を表2および表3に示す。
Figure 2021113249
Figure 2021113249
表2、表3に示す結果から明らかなように、実施例1〜8の成形体は優れた誘電特性(比誘電率、誘電正接)を示すと共に、難燃性および熱安定性を有し、高いガラス転移温度を兼ね備えていることが示された。

Claims (7)

  1. (A)炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基によって末端変性された、変性ポリフェニレンエーテル化合物と、
    (B)炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する化合物と、
    (C)難燃剤と、
    を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
    前記(C)難燃剤は、下記の式(1)で表される1種以上のアリールオキシ環状ホスファゼン化合物である。
    Figure 2021113249
    (式(1)中、nは3〜8の整数を示し、R基は、下記の式(2)若しくは(3)で示されるアリールオキシ基。
    Figure 2021113249
    Figure 2021113249
    式(2)および式(3)中、R1およびRは、単結合、酸素原子若しくはメチレン基を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子若しくは炭素数が1〜6のアルキル基を示し、p、q、rおよびsはそれぞれ独立して1〜4の整数を示す。)
  2. 前記(A)変性ポリフェニレンエーテル化合物の、炭素−炭素不飽和二重結合を有する置換基が、ビニルフェニル基、ビニルベンジル基、アクリロイル基およびメタアクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基である、請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記アリールオキシ環状ホスファゼン化合物は、式(1)のnが3若しくは4の化合物、または式(1)のnが3および4の化合物が95重量%以上含む混合物である、請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記アリールオキシ環状ホスファゼン化合物は、その酸価が0.05mgKOH/g以下である、請求項1から3のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 前記アリールオキシ環状ホスファゼン化合物は、カールフィッシャー法により測定した含有水分量が100mg/kg以下である、請求項1から3のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物からなる樹脂成形体。
  7. 請求項6に記載の樹脂成形体を含む電気・電子部品。
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