JP2021112117A - 車両の駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】異常検出時において、車両の挙動が不安定になることを抑制しつつ、モータのトルクが急減することを抑制することのできる車両の駆動制御装置を提供する。【解決手段】第1車輪を駆動する第1モータと第2車輪を駆動する第2モータとを備える車両に適用される駆動制御装置であって、駆動制御装置に関する情報を検出するセンサ(21a)と、センサにより検出された情報に基づいて、第1モータ及び第2モータが発生可能なトルクの上限値を設定するトルク設定部(32)と、駆動制御装置の異常を検知する異常検知部(52)と、異常検知部により異常が検知された場合に、第1モータ及び第2モータのトルクの上限値を、共通の所定値に設定する設定情報を情報としてトルク設定部へ出力する情報出力部(51)と、を備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、車両の駆動状態を制御する駆動制御装置に関する。
従来、車両の左右のいずれか一方の車輪のモータにモータ停止以外の異常が検出された場合に、他方の車輪のモータを、異常の検出されたモータの動作状態と同じ動作状態に近付くように制御する駆動制御装置がある(特許文献1参照)。
特許第5784930号公報
ところで、特許文献1に記載の駆動制御装置において、異常の検出されたモータの動作状態と同じ動作状態に近付くように正常なモータを制御すると、異常に対する適切な制御にならないおそれがある。例えば、異常により一方のモータのトルクが急減した場合に、その動作状態と同じ動作状態に近付くように他方のモータを制御すると、車両が急減速するおそれがある。一方、異常により一方のモータのトルクか急減した場合に、他方のモータのトルクを制限しなければ、左右のモータのトルク差が大きくなり、車両の挙動が不安定になるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、異常検出時において、車両の挙動が不安定になることを抑制しつつ、モータのトルクが急減することを抑制することのできる車両の駆動制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための第1手段は、
第1車輪(11)を駆動する第1モータ(21)と前記第1車輪から独立して第2車輪(12)を駆動する第2モータ(22)とを備える車両(10)に適用される駆動制御装置であって、
前記駆動制御装置に関する情報を検出するセンサ(21a、84)と、
前記センサにより検出された前記情報に基づいて、前記第1モータ及び前記第2モータが発生可能なトルクの上限値を設定するトルク設定部(32、132)と、
前記駆動制御装置の異常を検知する異常検知部(52、62)と、
前記異常検知部により前記異常が検知された場合に、前記第1モータ及び前記第2モータの前記トルクの上限値を、共通の所定値に設定する設定情報を前記情報として前記トルク設定部へ出力する情報出力部(51、61)と、
前記第1モータ及び前記第2モータが発生するトルクが、前記トルク設定部により設定された前記上限値以下となるように制御する駆動制御部(33)と、
を備える。
上記構成によれば、駆動制御装置は、第1車輪を駆動する第1モータと第2車輪を駆動する第2モータとを備える車両に適用される。センサは、駆動制御装置に関する情報を検出する。トルク設定部は、センサにより検出された情報に基づいて、第1モータ及び第2モータが発生可能なトルクの上限値を設定する。このため、センサにより検出された駆動制御装置に関する情報が、モータが発生可能なトルクの上限値を設定すべき情報である場合は、その情報に基づいてトルクの上限値が設定される。
ここで、異常検知部は、駆動制御装置の異常を検知する。そして、情報出力部は、異常検知部により異常が検知された場合に、第1モータ及び第2モータのトルクの上限値を、共通の所定値に設定する設定情報を前記情報としてトルク設定部へ出力する。その結果、トルク設定部は、設定情報に基づいて、第1モータ及び第2モータのトルクの上限値を共通の所定値に設定する。そして、駆動制御部は、第1モータ及び第2モータが発生するトルクが、トルク設定部により設定された上限値以下となるように制御する。このため、左右のモータのトルク差を縮小することができ、車両の挙動が不安定になることを抑制することができる。さらに、第1モータ及び第2モータが発生するトルクを減少させるのではなく、第1モータ及び第2モータのトルクの上限値を設定している。したがって、モータのトルクが急減することを抑制することができ、車両が急減速することを抑制することができる。しかも、駆動制御装置が一般的に備えている上限トルクの設定部を利用して、異常検知時にモータのトルクを制限することができ、追加構成が多くなることを抑制することができる。
駆動制御装置は、一般的に、温度情報を検出するセンサを備えている。詳しくは、駆動制御装置は、一般的に、モータの温度を検出する温度センサと、モータの温度に基づいてモータが発生可能なトルクの上限値を設定するトルク設定部とを備えている。
この点、第2の手段では、前記センサは前記情報として、温度情報を検出する。第3の手段では、前記温度情報は、前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも一方の温度である。したがって、駆動制御装置が一般的に備えているモータの温度センサと、モータの温度に基づきトルクの上限値を設定するトルク設定部とを利用して、異常検知時にモータのトルクを制限することができる。
交流モータを備える駆動制御装置は、一般的に、電力変換部の温度を検出する温度センサと、電力変換部の温度に基づいてモータが発生可能なトルクの上限値を設定するトルク設定部とを備えている。
この点、第4の手段では、前記第1モータ及び前記第2モータは交流モータであり、供給された直流電力を交流電力に変換して前記第1モータへ供給する第1電力変換部(INV25)と、供給された直流電力を交流電力に変換して前記第2モータへ供給する第2電力変換部(INV26)と、を備え、前記センサ(21a)は前記温度情報として、前記第1電力変換部及び前記第2電力変換部の少なくとも一方の温度を検出する。したがって、交流モータを備える駆動制御装置が一般的に備えている電力変換部の温度センサと、電力変換部の温度に基づきトルクの上限値を設定するトルク設定部とを利用して、異常検知時にモータのトルクを制限することができる。
駆動制御装置は、一般的に、冷却水の温度を検出する温度センサと、冷却水の温度に基づいてモータが発生可能なトルクの上限値を設定するトルク設定部とを備えている。
この点、第5の手段では、前記センサは前記温度情報として、冷却水の温度を検出する。したがって、駆動制御装置が一般的に備えている冷却水の温度センサと、冷却水の温度に基づきトルクの上限値を設定するトルク設定部とを利用して、異常検知時にモータのトルクを制限することができる。
モータのコイル間に高電圧が印加された際に、気圧が低いほど部分放電が発生し易くなる。このため、駆動制御装置は、気圧を検出する気圧センサを備え、検出された気圧が低いほど電力変換部による電圧の立ち上がりを遅くする場合がある。その場合、電圧の立ち上がりを遅くするほど、電力変換部の温度上昇が大きくなるため、気圧が低いほどモータのトルクの上限値を制限するように設定するトルク設定部を備えていることがある。
この点、第6の手段では、前記第1モータ及び前記第2モータは交流モータであり、供給された直流電力を交流電力に変換して前記第1モータへ供給する第1電力変換部と、供給された直流電力を交流電力に変換して前記第2モータへ供給する第2電力変換部と、を備え、前記センサは前記情報として、気圧を検出する。したがって、駆動制御装置が気圧センサと、気圧に基づきトルクの上限値を制限するように設定するトルク設定部とを備えている場合に、それらを利用して異常検知時にモータのトルクを制限することができる。
異常検知時の車両の速度に応じて、モータのトルクの上限値をどれだけ制限すべきかが変化する。
この点、第7の手段では、前記センサ(84)は前記情報として、前記車両の速度を検出する。したがって、異常検知時の車両の速度に基づいて、第1モータ及び第2モータのトルクの上限値を設定することができる。
駆動制御装置に関する情報を検出するセンサから情報が入力されない場合は、モータを適切に駆動することができないおそれがある。このため、駆動制御装置は、一般的に、センサから情報が入力されない場合に、第1モータ及び第2モータが発生可能なトルクの上限値を設定するトルク設定部を備えている。
この点、第8の手段では、前記トルク設定部は、前記センサから前記情報が入力されない場合に、前記第1モータ及び前記第2モータが発生可能なトルクの上限値を設定し、前記情報出力部は、前記異常検知部により前記異常が検知された場合に、前記センサと前記トルク設定部とを遮断する。このため、異常が検知された場合に、センサからトルク設定部へ情報が入力されない状態を意図的に実現することができる。したがって、駆動制御装置が一般的に備えている、センサから情報が入力されない場合にモータのトルクの上限値を設定するトルク設定部を利用して、異常検知時にモータのトルクを制限することができる。
第9の手段では、前記第1モータに流れる電流を検出する電流センサ(21b)を備え、前記異常検知部は、前記第2モータにより発生させるトルクの指令値と前記第1モータに流れる電流との関係が正常である所定範囲を予め規定しており、前記指令値と前記電流センサにより検出された前記電流との関係が前記所定範囲から外れた場合に、前記駆動制御装置の前記異常を検知する。
上記構成によれば、電流センサは第1モータに流れる電流を検出する。第1モータが発生するトルクは第1モータに流れる電流により変化し、第1モータ及び第2モータのトルク差が大きくなると、車両の挙動が不安定になるおそれがある。このため、第2モータにより発生させるトルクの指令値に対して、第1モータに流れる電流の適切な範囲は予め決まっている。
そこで、異常検知部は、第2モータにより発生させるトルクの指令値と第1モータに流れる電流との関係が正常である所定範囲を予め規定している。そして、異常検知部は、第2モータのトルクの指令値と電流センサにより検出された第1モータの電流との関係が所定範囲から外れた場合に、駆動制御装置の異常を検知する。したがって、車両の挙動が不安定になるおそれがある場合に、駆動制御装置の異常を検知することができる。
第10の手段では、
前記異常検知部は、前記第1モータに関する異常を検知する第1検知部(52)と、前記第2モータに関する異常を検知する第2検知部(62)と、を含み、
前記第1モータにより発生させるトルクの指令値である第1指令値及び前記第2モータにより発生させるトルクの指令値である第2指令値の双方を、前記第1検知部及び前記第2検知部の双方へ送信する上位制御部(70)を備え、
前記第1検知部は、前記上位制御部から受信した前記第2指令値を前記第2検知部へ送信し、
前記第2検知部は、前記上位制御部から受信した前記第1指令値を前記第1検知部へ送信し、
前記第1検知部は、前記上位制御部から受信した前記第1指令値と前記第2検知部から受信した前記第1指令値との差の絶対値が所定値よりも大きい場合に、前記駆動制御装置の前記異常を検知し、
前記第2検知部は、前記上位制御部から受信した前記第2指令値と前記第1検知部から受信した前記第2指令値との差の絶対値が所定値よりも大きい場合に、前記駆動制御装置の前記異常を検知する。
上記構成によれば、第1検知部は第1モータに関する異常を検知し、第2検知部は第2モータに関する異常を検知する。上位制御部は、第1モータにより発生させるトルクの指令値である第1指令値及び第2モータにより発生させるトルクの指令値である第2指令値の双方を、第1検知部及び第2検知部の双方へ送信する。すなわち、第1検知部は第1指令値だけでなく第2指令値も受信し、第2検知部は第2指令値だけでなく第1指令値も受信する。そして、第1検知部は上位制御部から受信した第2指令値を第2検知部へ送信し、第2検知部は上位制御部から受信した第1指令値を第1検知部へ送信する。
ここで、例えば上位制御部により送信された第1指令値が正しく受信された場合は、上位制御部から第1検知部が受信した第1指令値と、第2検知部から第1検知部が受信した第1指令値とが一致するはずである。これに対して、上位制御部から第1検知部が受信した第1指令値と、第2検知部から第1検知部が受信した第1指令値とが一致しない場合は、上位制御部により送信された第1指令値が正しく受信されていないおそれがある。
この点、第1検知部は、上位制御部から受信した第1指令値と第2検知部から受信した第1指令値との差の絶対値が所定値よりも大きい場合に、駆動制御装置の異常を検知する。また、第2検知部は、上位制御部から受信した第2指令値と第1検知部から受信した第2指令値との差の絶対値が所定値よりも大きい場合に、駆動制御装置の異常を検知する。このため、上位制御部により送信されたトルクの指令値が正しく受信されていないおそれがある場合に、駆動制御装置の異常を検知することができる。
第11の手段では、前記異常検知部は、前記駆動制御装置の前記異常の状態である異常状態を検知し、前記情報出力部は、前記異常検知部により前記異常状態が検知された場合に、前記第1モータ及び前記第2モータの前記トルクの上限値を、前記異常状態に応じた前記共通の所定値に設定する前記設定情報を、前記情報として前記トルク設定部へ出力する。
第12の手段は、
第1車輪(11)を駆動する第1モータ(21)と前記第1車輪から独立して第2車輪(12)を駆動する第2モータ(22)とを備える車両(10)に適用される駆動制御装置であって、
前記駆動制御装置に関する情報を検出するセンサ(21a、84)と、
前記センサにより検出された前記情報に基づいて、前記第1モータ及び前記第2モータが発生可能なトルクの上限値を設定するトルク設定部(32、132)と、
前記駆動制御装置の異常の状態である異常状態を検知し、前記異常状態を検知した場合に、前記第1モータ及び前記第2モータの前記トルクの上限値を、前記異常状態に応じた共通の所定値に設定する設定情報を、前記情報として前記トルク設定部へ出力する異常処理部(35、51、52、61、62)と、
前記第1モータ及び前記第2モータが発生するトルクが、前記トルク設定部により設定された前記上限値以下となるように制御する駆動制御部(33)と、
を備える。
上記構成によれば、駆動制御装置の異常の状態である異常状態が検知される。このため、駆動制御装置の異常が検知されるだけでなく、駆動制御装置の異常の状態である異常状態が検知される。そして、異常状態が検知された場合に、第1モータ及び第2モータのトルクの上限値を、異常状態に応じた共通の所定値に設定する設定情報が、前記情報としてトルク設定部へ出力される。このため、異常状態に応じて、第1モータ及び第2モータのトルクの上限値を共通の所定値に設定することができる。したがって、第1モータ及び第2モータのトルクの上限値をより適切に設定することができ、車両の挙動が不安定になること及び車両が急減速することをさらに抑制することができる。
第13の手段では、前記駆動制御部は、前記第1モータ及び前記第2モータが発生するトルクを制御する方式が互いに異なる第1制御方式及び第2制御方式を実行可能であり、前記異常状態に応じた前記共通の所定値は、前記異常状態が検知された場合に、前記駆動制御部により前記第1制御方式及び前記第2制御方式のいずれが実行されているかに応じた値に設定される。
上記構成によれば、駆動制御部は、第1モータ及び第2モータが発生するトルクを制御する方式が互いに異なる第1制御方式及び第2制御方式を実行可能である。このため、車両の走行状態に応じて、第1制御方式と第2制御方式とを使い分けることができる。ここで、トルクを制御する方式が互いに異なる第1制御方式と第2制御方式とでは、駆動制御装置に異常が生じた場合に、異常がトルクに及ぼす影響が異なる。
この点、異常状態に応じた共通の所定値は、異常状態が検知された場合に、駆動制御部により第1制御方式及び第2制御方式のいずれが実行されているかに応じた値に設定される。したがって、第1制御方式と第2制御方式とで異常がトルクに及ぼす影響に応じて、第1モータ及び第2モータのトルクの上限値を共通の所定値に適切に設定することができる。
第1モータ及び第2モータにより発生させるトルクの指令値が異常になったとしても、トルクが誤って増加しなければ車両の危険は小さい。
この点、第14の手段では、前記異常状態に応じた前記共通の所定値は、前記第1モータにより発生させるトルクの指令値である第1指令値及び前記第2モータにより発生させるトルクの指令値である第2指令値の少なくとも1つが異常になった場合に、前記異常になった場合よりも前の所定期間における前記第1指令値又は前記第2指令値に設定される。
上記構成によれば、第1指令値及び第2指令値の少なくとも1つが異常になった場合であっても、トルクの上限値が、異常になった場合よりも前の所定期間における第1指令値又は第2指令値に設定される。このため、第1モータ及び第2モータが発生するトルクが誤って増加することを抑制することができ、車両を安全に走行させることができる。さらに、トルクの指令値が異常になった場合であっても、異常になった場合よりも前の状態からトルクの上限値をできるだけ制限せず、車両の走行を継続することができる。
第15の手段では、前記センサは、前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも1つに流れる電流を検出する電流センサ(21b)を含み、前記異常状態に応じた前記共通の所定値は、前記電流を0として検出する場合の前記電流センサの出力である基準出力が所定範囲から外れた場合に、前記所定範囲から外れた場合よりも前の所定期間における前記第1モータにより発生させるトルクの指令値である第1指令値又は前記第2モータにより発生させるトルクの指令値である第2指令値に設定される。
上記構成によれば、センサは、第1モータ及び第2モータの少なくとも1つに流れる電流を検出する電流センサを含む。電流を0として検出する場合の電流センサの出力である基準出力が所定範囲から外れた場合(以下、「オフセット異常」という)であっても、検出される電流が急変することは希である。この点、オフセット異常が生じた場合に、トルクの上限値が、オフセット異常が生じた場合よりも前の所定期間における第1指令値又は第2指令値に設定される。したがって、車両を安全に走行させつつ、トルクの上限値をできるだけ制限せずに車両の走行を継続することができる。
オフセット異常以外の電流センサの所定異常が生じた場合は、電流が誤って検出されて第1モータ及び第2モータが発生するトルクが急変するおそれがある。
この点、第16の手段では、前記異常状態に応じた前記共通の所定値は、前記基準出力が前記所定範囲から外れた場合以外の前記電流センサの所定異常が検知された場合に、前記所定異常が検知された場合よりも前の所定期間における前記第1指令値を所定度合小さくした第1補正指令値又は前記第2指令値を所定度合小さくした第2補正指令値に設定される。
上記構成によれば、オフセット異常以外の所定異常が検知された場合に、第1モータ及び第2モータのトルクの上限値が、所定異常が検知された場合よりも前の所定期間における第1指令値を所定度合小さくした第1補正指令値又は第2指令値を所定度合小さくした第2補正指令値に設定される。したがって、第1モータ及び第2モータが発生するトルクが急変するおそれがある場合に、車両をより安全に走行させつつ、走行を継続することができる。
第17の手段では、前記センサは、前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも1つに印加される電圧を検出する電圧センサ(21d)を含み、前記異常状態に応じた前記共通の所定値は、前記電圧センサの異常が検知された場合に、前記電圧センサの異常が検知された場合よりも前の所定期間における前記第1モータにより発生させるトルクの指令値である第1指令値又は前記第2モータにより発生させるトルクの指令値である第2指令値に設定される。
上記構成によれば、センサは、第1モータ及び第2モータの少なくとも1つに印加される電圧を検出する電圧センサを含む。電圧センサに異常が生じた場合であっても、第1モータ及び第2モータに流れる電流が急変しなければ、トルクが急変することは希である。この点、電圧センサの異常が検知された場合に、トルクの上限値が、電圧センサの異常が検知された場合よりも前の所定期間における第1指令値又は第2指令値に設定される。したがって、車両を安全に走行させつつ、トルクの上限値をできるだけ制限せずに車両の走行を継続することができる。
モータの回転角を検出する回転角センサに異常が生じた場合は、モータを回転角に応じて適切に制御することができなくなり、第1モータ及び第2モータが発生するトルクが急変するおそれがある。
この点、第18の手段では、前記センサは、前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも1つの回転角を検出する回転角センサ(21c)を含み、前記異常状態に応じた前記共通の所定値は、前記回転角センサが異常である場合に0に設定される。したがって、モータを適切に制御することができないおそれがある場合には、安全を優先して例外的に車両を停止させることができる。
トルク設定部及び駆動制御部の少なくとも1つの演算機能が異常である場合は、モータを適切に制御することができなくなり、第1モータ及び第2モータが発生するトルクが急変するおそれがある。
この点、第19の手段では、前記異常状態に応じた前記共通の所定値は、前記トルク設定部及び前記駆動制御部の少なくとも1つの演算機能が異常である場合に0に設定される。したがって、モータを適切に制御することができないおそれがある場合には、安全を優先して例外的に車両を停止させることができる。
電気自動車を示す模式図。 EV−CU、MG−CU、及び調停CUの構成を示すブロック図。 温度検出値とトルク上限値との関係を示すグラフ。 右トルク指令値と左電流検出値と正常判定範囲との関係を示すマップ。 温度許可調整部を示す模式図。 異常検知及び温度情報出力の手順を示すフローチャート。 温度許可調整部の変更例を示す模式図。 車速と制限温度情報とトルク上限値との関係を示すグラフ。 調停CUの変更例を示すブロック図。 駆動制御装置の変更例を示すブロック図。
(第1実施形態)
以下、電気自動車に適用される駆動制御装置に具現化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、電気自動車10(車両)は、車輪11〜14、MG(Motor Generator)21,22、INV(Inverter)25,26、MG−CU(Motor Generator Control Unit)30,40、調停CU(Control Unit)50,60、及びEV−CU(Electric Vehicle Control Unit)70等を備えている。
前側の左の車輪11(第1車輪),右の車輪12(第2車輪)は、電気自動車10を駆動する駆動輪である。後側の左右の車輪13,14は、電気自動車10の走行に伴って従動する従動輪である。車輪11,12は、ハンドル操作に従って動き、電気自動車10の進行方向を変更する操舵輪である。車輪11,12は、それぞれMG21,22により駆動される。
MG21(第1モータ),MG22(第2モータ)は、3相交流の電動発電機(交流モータ)である。MG21,22は、それぞれINV25,26から供給される電力に基づいてそれぞれ車輪11,12を駆動する機能と、それぞれ車輪11,12の回転に基づいて発電する機能とを有している。MG21,22は、車輪11,12を互いに独立して駆動する。INV25,26は、バッテリ(図示略)から供給された直流電力を交流電力に変換してそれぞれMG21,22へ供給する。INV25,26は、例えば6つのスイッチング素子が三相ブリッジ接続された回路である。また、INV25(第1電力変換部),INV26(第2電力変換部)は、MG21,22の発電により供給された交流電力を、それぞれ直流電力に変換してバッテリへ供給する。INV25,26の駆動状態は、それぞれMG−CU30,40により制御される。ここでは、3相交流を一例として記載したが、相の数は3相に限らず、6相や9相等でもよい。
EV−CU70(上位制御部)は、電気自動車10の全般を制御する。EV−CU70は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータである。EV−CU70には、アクセルセンサ81,ブレーキセンサ82,操舵角センサ83,車速センサ84等の検出値が入力される。
アクセルセンサ81は、アクセルペダル(図示略)の踏み込み量を検出する。ブレーキセンサ82は、ブレーキペダル(図示略)の踏み込み量を検出する。操舵角センサ83(センサ)は、ハンドル(図示略)の操舵角を検出する。車速センサ84は、電気自動車10の速度(車速)を検出する。
EV−CU70は、センサ81〜84の検出値等に基づいて、電気自動車10の各種制御を実行する。EV−CU70は、センサ81〜84の検出値等に基づいて、MG21,22によりそれぞれ発生させるトルクの指令値(以下、「トルク指令値」という)を生成し、生成したトルク指令値をそれぞれMG−CU30,40へ送信する。また、EV−CU70は、MG21,22の双方に対するトルク指令値を、調停CU50,60の双方へ送信する。MG−CU30,40は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータである。MG−CU30,40は、それぞれINV30,50の駆動状態を制御することにより、MG21,22の駆動及び発電を制御する。
調停CU50,60は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータである。調停CU50は、MG21、INV25、MG−CU30、及びEV−CU70等の異常を検知する。調停CU60は、MG22、INV26、MG−CU40、及びEV−CU70等の異常を検知する。調停CU50は、異常を検知した場合に、EV−CU70及び調停CU60へ異常を通知する。調停CU60は、異常を検知した場合に、EV−CU70及び調停CU50へ異常を通知する。
MG−CU30の構成とMG−CU40の構成とは基本的に同一であり、調停CU50の構成と調停CU60の構成とは基本的に同一である。このため、以下ではMG−CU30及び調停CU50を例にして説明する。
図2に示すように、EV−CU70は、トルク指令値生成部71を備えている。トルク指令値生成部71は、センサ81〜84の検出値等に基づいて、MG21,22に対するトルク指令値を生成する。トルク指令値生成部71は、MG21に対するトルク指令値を、MG−CU30へ送信する。
MG−CU30は、トルク指令値受信部31、トルク制限部32、及びモータ駆動制御部33を備えている。トルク指令値受信部31は、EV−CU70から送信された情報を受信する機能を有する。トルク指令値受信部31は、EV−CU70からMG21に対するトルク指令値(左トルク指令値)を受信する。トルク指令値受信部31は、受信したトルク指令値をトルク制限部32へ送信する。
トルク制限部32(トルク設定部)は、温度センサ21aにより検出されたMG21のコイルの温度(以下、「コイル温度」という)に基づいて、MG21が発生可能なトルクの上限値(以下、「トルク上限値」という)を制限(設定)する。詳しくは、図3に示すように、トルク制限部32は、コイル温度(温度情報、駆動制御装置に関する情報)がT1未満の場合には、トルク上限値をトルクTr1とする。トルク制限部32は、コイル温度がT1以上の場合には、コイル温度が高くなるほどトルク上限値を小さくする。そして、トルク制限部32は、コイル温度がT2(>T1)を超えた場合には、トルク上限値を0とする。トルク制限部32は、トルク指令値をトルク上限値以下に制限(上限ガード)して、制限したトルク指令値をモータ駆動制御部33へ送信する。なお、ここでのトルク値は絶対値を想定している。
モータ駆動制御部33(駆動制御部)は、電流センサ21b(センサ)により検出されたMG21の各相の電流、及び回転角センサ21cにより検出されたMG21の回転角に基づいて、MG21が発生するトルクがトルク指令値になるように、INV25の駆動状態を制御する。すなわち、モータ駆動制御部33は、MG21及びMG22が発生するトルクが、トルク上限値以下となるようにINV25の駆動状態を制御する。
調停CU50(左調停CU)は、温度許可調整部51及び異常検知部52を備えている。
異常検知部52は、電流センサ21bにより検出されたMG21の電流(左電流検出値)、及び回転角センサ21cにより検出されたMG21の回転角を入力する。異常検知部52は、EV−CU70に入力された各種センサの検出値を、EV−CU70から受信する。異常検知部52は、MG22に対するトルク指令値(右トルク指令値)を、EV−CU70から受信する。異常検知部52は、これらのセンサの検出値及び右トルク指令値に基づいて、MG21、INV25、MG−CU30、及びEV−CU70等(駆動制御装置)の異常を検知する。異常検知部52は、異常を検知した場合に、EV−CU70及び調停CU60へ異常を通知する。異常検知部52は、調停CU60(右調停CU)の異常検知部が異常を検知した場合に、調停CU60から異常を受信する。
詳しくは、図4に示すように、異常検知部52は、右トルク指令値とMG21に流れる電流との関係が正常である所定範囲Aを予め規定している。そして、異常検知部52は、右トルク指令値と電流センサ21bにより検出された電流(左電流検出値)との関係が所定範囲Aから外れた場合に、駆動制御装置の異常を検知する(異常判定)。所定範囲Aは、左電流検出値に関して所定幅を有しており、右トルク指令値に比例して左電流検出値が大きくなるように規定されている。ここで、MG21が発生するトルクはMG21に流れる電流により変化し、MG21及びMG22のトルク差が大きくなると、電気自動車10の挙動が不安定になるおそれがある。このため、右トルク指令値に対して、MG21に流れる電流の適切な範囲として所定範囲Aは規定されている。
温度許可調整部51は、異常検知部52により異常が検知されていない場合に、温度センサ21aからコイル温度を取得し、取得したコイル温度を上記トルク制限部32へ出力する。すなわち、図5に示すように、温度許可調整部51は、温度センサ21aをトルク制限部32に接続する。
一方、温度許可調整部51(情報出力部)は、異常検知部52により異常が検知された場合又は調停CU60の異常検知部から異常を受信した場合に、MG21,22のトルクの上限値を、共通の所定値に制限する制限温度情報(設定情報)をコイル温度(温度情報、情報)としてトルク制限部32へ出力する。すなわち、温度許可調整部51は、温度センサ21aにより検出されたコイル温度よりも所定温度だけ高いコイル温度がトルク制限部32へ出力されるように、トルク制限部32との接続を温度センサ21aからダミー抵抗r1〜r3のいずれかに切り替える。また、温度許可調整部51は、温度センサ21aにより検出されたコイル温度を異常検知部52へ送信し、異常検知部52は受信したコイル温度を調停CU60へ送信する。なお、温度許可調整部51は、ダミー抵抗r1〜r3を備える代わりに、可変抵抗rvを備え、温度センサ21aにより検出されたコイル温度に応じて可変抵抗rvを調節してもよい。
調停CU60は、調停CU50と同様の構成を備えている。調停CU60は、温度許可調整部51に対応する温度許可調整部61、異常検知部52(第1検知部)に対応する異常検知部62(第2検知部)を備えている。そして、MG−CU40及び調停CU60は、それぞれMG−CU30及び調停CU50と同様の制御を、INV26及びMG22に対して行う。すなわち、駆動制御装置は、MG21(左モータ)及びMG22(右モータ)の一方を第1モータとし、他方を第2モータとして、第1モータに流れる電流を検出する電流センサを備えている。そして、駆動制御装置は、第2モータにより発生させるトルクの指令値と第1モータに流れる電流との関係が正常である所定範囲Aを予め規定しており、トルクの指令値と電流センサにより検出された電流との関係が所定範囲Aから外れた場合に、駆動制御装置の異常を検知する。なお、温度センサ21a、トルク制限部32、異常検知部52、及び温度許可調整部51により、駆動制御装置が構成されている。
図6は、異常検知及び温度情報出力の手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、左調停CU50により所定の周期で繰り返し実行される。なお、右調停CU60によっても、左と右とを入れ換えて同様の処理が実行される。
まず、車速及び操舵角を取得する(S10)。詳しくは、車速センサ84により検出された車速、及び操舵角センサ83により検出された操舵角を取得する。なお、車速センサを用いず、モータの回転角情報から車速を求めてもよい。
続いて、右トルク指令値及び左電流検出値を取得する(S11)。詳しくは、EV−CU70からMG22に対するトルク指令値(右トルク指令値)を受信し、電流センサ21bにより検出されたMG21の電流(左電流検出値)を入力する。
続いて、図4に示すマップに基づいて、駆動制御装置の異常を検知したか否か判定する(S12)。詳しくは、上述したように、右トルク指令値と左電流検出値との関係が所定範囲Aから外れた場合に、駆動制御装置の異常を検知したと判定する。この判定において、駆動制御装置の異常を検知したと判定した場合(S12:YES)、EV−CU70及び右調停CU60へ異常を通知する(S13)。併せて、温度センサ21aにより検出したコイル温度を右調停CU60へ送信する。その後、S15の処理へ進む。
一方、S12の判定において、駆動制御装置の異常を検知していないと判定した場合(S12:NO)、右調停CU60から異常を受信したか否か判定する(S14)。すなわち、右調停CU60によっても左と右とを入れ換えて同様の処理が実行されており、駆動制御装置の異常を検知したか否か判定している。そこで、右調停CU60が駆動制御装置の異常を検知して、左調停CU50へ異常を通知しているか否か判定する。
S14の判定において、右調停CU60から異常を受信したと判定した場合(S14:YES)、制限温度情報を生成する(S15)。詳しくは、上述したように、MG21,22のトルクの上限値を、共通の所定値に制限するコイル温度(制限温度情報)を生成する。
一方、S14の判定において、右調停CU60から異常を受信していないと判定した場合(S14:NO)、検出温度情報を取得する(S16)。詳しくは、温度センサ21aにより検出されたコイル温度(検出温度情報)を入力する。
続いて、S15の処理によって生成された制限温度情報、又はS16の処理によって取得された検出温度情報を、MG−CU50のトルク制限部32へ出力する(S17)。その後、この一連の処理を一旦終了する(END)。
なお、S10〜S12の処理が異常検知部52としての処理に相当し、S13、S15、及びS17の処理が情報出力部としての処理に相当する。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
・異常検知部52は、駆動制御装置の異常を検知する。そして、温度許可調整部51は、異常検知部52により異常が検知された場合に、MG21及びMG22のトルクの上限値を、共通の所定値に制限する制限温度情報をコイル温度としてトルク制限部32へ出力する。その結果、トルク制限部32は、制限温度情報に基づいて、MG21及びMG22のトルクの上限値を共通の所定値に制限する。このため、MG21,22のトルク差を縮小することができ、電気自動車10の挙動が不安定になることを抑制することができる。さらに、MG21及びMG22が発生するトルクを減少させるのではなく、MG21及びMG22のトルクの上限値を制限している。したがって、MG21,22のトルクが急減することを抑制することができ、電気自動車10が急減速することを抑制することができる。しかも、駆動制御装置が一般的に備えているトルク制限部32を利用して、異常検知時にMG21,22のトルクを制限することができ、追加構成が多くなることを抑制することができる。
・温度センサ21aは駆動制御装置に関する情報として、MG21のコイルの温度を検出する。したがって、駆動制御装置が一般的に備えているMGの温度センサと、MGの温度に基づきトルクの上限値を制限するトルク制限部とを利用して、異常検知時にMG21,22のトルクを制限することができる。
・異常検知部52は、MG22により発生させるトルクの指令値とMG21に流れる電流との関係が正常である所定範囲Aを予め規定している。そして、異常検知部52は、MG22のトルクの指令値と電流センサ21bにより検出されたMG21の電流との関係が所定範囲Aから外れた場合に、駆動制御装置の異常を検知する。したがって、電気自動車10の挙動が不安定になるおそれがある場合に、駆動制御装置の異常を検知することができる。
・温度許可調整部51は、異常が検知された場合に、温度センサ21aにより検出されたコイル温度よりも所定温度だけ高いコイル温度がトルク制限部32へ出力されるように、トルク制限部32との接続を温度センサ21aからダミー抵抗r1〜r3のいずれかに切り替える。このため、図3に示す温度検出値とトルク上限値との関係に従って、現在のコイル温度に応じてトルク上限値を制限することができ、トルク上限値が急減することを抑制することができる。
なお、上記の実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
・MG21の温度とMG22の温度とが大きく異なることは希であるため、MG21及びMG22の一方の温度のみを温度センサにより検出してもよい。そして、1つの温度センサにより検出された温度(温度情報、駆動制御装置に関する情報)に基づいて、MG21及びMG22が発生可能なトルクの上限値を制限してもよい。
・温度許可調整部51は、所定の異常が検知された場合に、電気自動車10が退避走行を行うことのできる最小トルクに、トルク上限値を制限するコイル温度がトルク制限部32へ出力されるように、トルク制限部32との接続を温度センサ21aから例えばダミー抵抗r3に切り替えてもよい。その際に、トルク制限部32との接続を温度センサ21aから、ダミー抵抗r1,r2、r3に順に切り替えてもよい。すなわち、温度許可調整部51は、所定の異常が検知された場合に、MG21,22のトルクの上限値を、共通の所定値としつつ徐々に制限してもよい。
・図7に示すように、温度許可調整部51は、異常が検知された場合に、温度センサ21aにより検出されたコイル温度よりも所定温度だけ高いコイル温度がトルク制限部32へ出力されるように、温度センサ21aに加えてダミー抵抗r11〜r13の少なくとも1つをトルク制限部32に接続することもできる。また、異常が検知された場合に、温度許可調整部51が、温度センサ21aの検出値に相当するデジタル信号をトルク制限部32へ出力することもできる。
・EV−CU70(上位制御部)により送信された左トルク指令値(第1指令値)が正しく受信された場合は、EV−CU70から異常検知部52(第1検知部)が受信した左トルク指令値と、異常検知部62(第2検知部)から異常検知部52が受信した左トルク指令値とが一致するはずである。これに対して、EV−CU70から異常検知部52が受信した左トルク指令値と、異常検知部62から異常検知部52が受信した左トルク指令値とが一致しない場合は、EV−CU70により送信された左トルク指令値が正しく受信されていないおそれがある。
そこで、異常検知部52は、EV−CU70から受信した左トルク指令値と異常検知部62から受信した左トルク指令値との差の絶対値が所定値よりも大きい場合に、駆動制御装置の異常を検知してもよい。また、異常検知部62は、EV−CU70から受信した右トルク指令値(第2指令値)と異常検知部52から受信した右トルク指令値との差の絶対値が所定値よりも大きい場合に、駆動制御装置の異常を検知してもよい。こうした構成によれば、EV−CU70により送信されたトルクの指令値が正しく受信されていないおそれがある場合に、駆動制御装置の異常を検知することができる。なお、MG−CU30,40は、受信したトルク指令値のチェックサムを算出し、チェックサムが一致しない場合に駆動制御装置の異常を検知することもできる。また、EV−CU70が、各種センサの検出値に基づいて、駆動制御装置の異常を検知することもできる。
・異常検知時の電気自動車10の速度に応じて、MG21,22のトルクの上限値をどれだけ制限すべきかが変化する。図8は、車速と制限温度情報とトルク上限値との関係を示すグラフである。制限温度情報(コイル温度)は、車速v2までは車速の増加に伴って上昇し、車速v2を超えると徐々に下降している。車速v2は、一般道路では実現せず、高速道路で実現する車速、例えば100[km/h]である。高速道路は、カーブが緩く、道幅が広いため、トルク上限値をあまり制限しないように、車速と制限温度情報との関係が設定されている。
そして、温度許可調整部51は、図8の左グラフを用いて、車速に応じて制限温度情報を算出し、制限温度情報をトルク制限部32へ出力する。トルク制限部32は、図8の右のグラフを用いて、制限温度情報に応じてトルク上限値を設定する。例えば、車速v1ではトルク上限値をトルクTr12とし、車速v2ではトルク上限値をトルクTr11とする。すなわち、温度許可調整部51は、電気自動車10の速度に基づいてトルク上限値(所定値)を設定する。したがって、異常検知時の電気自動車10の速度に応じた所定値に、MG21,22のトルクの上限値を制限することができる。なお、車速は、駆動制御装置に関する情報に相当する。
なお、温度許可調整部51は、車速に限らず、アクセルペダル(アクセル操作部材)の踏み込み量(操作量)やトルク指令値、操舵角に基づいて、トルク上限値(所定値)を設定することもできる。その場合、アクセルペダルの踏み込み量やトルク指令値が大きいほど、制限温度情報(コイル温度)を高くするとよい。また、操舵角が小さいほど、制限温度情報(コイル温度)を高くするとよい。すなわち、操舵角が小さいほど、電気自動車10は直進に近い状態となるため、トルク上限値(所定値)を小さくするとよい。これにより、車両の挙動が不安定になることを抑制することができる。
・温度センサ21a(センサ)からコイル温度(温度情報、情報)が入力されない場合は、MG21(モータ)を適切に駆動することができないおそれがある。このため、図9に示すように、駆動制御装置のMG−CU30は、温度センサ21aからコイル温度が入力されない場合に、MG21が発生可能なトルクの上限値を制限するトルク制限部132を備えている。なお、駆動制御装置のMG−CU40は、MG22の温度を検出する温度センサからコイル温度が入力されない場合に、MG22が発生可能なトルクの上限値を制限するトルク制限部を備えている。
そこで、トルク制限部132(トルク設定部)は、温度センサ21aからコイル温度が入力されない場合に、MG21及びMG22が発生可能なトルクの上限値を制限し、温度許可調整部51は、異常検知部52により異常が検知された場合に、スイッチ53により温度センサ21aとトルク制限部132とを遮断させる。このため、異常が検知された場合に、温度センサ21aからトルク制限部132へコイル温度が入力されない状態を意図的に実現することができる。したがって、駆動制御装置が備えている、温度センサからコイル温度が入力されない場合にMG21,22のトルクの上限値を制限するトルク制限部を利用して、異常検知時にMG21,22のトルクを制限することができる。
・駆動制御装置は、INV25(電力変換部)の温度を検出する温度センサを備え、トルク制限部32は、温度センサにより検出されたINV25の温度に基づいて、MG21,22のトルク上限値を制限してもよい。同様に、駆動制御装置は、INV26(電力変換部)の温度を検出する温度センサを備え、トルク制限部は、温度センサにより検出されたINV26の温度に基づいて、MG21,22のトルク上限値を制限してもよい。その場合に、温度許可調整部51は、異常検知部52により異常が検知された場合に、MG21,22のトルクの上限値を、共通の所定値に制限(設定)する制限情報(設定情報)をINV25,26の温度としてトルク制限部へ出力してもよい。こうした構成によれば、駆動制御装置が備えているINV25,26の温度センサと、INV25,26の温度に基づきトルク上限値を制限するトルク制限部とを利用して、異常検知時にMG21,22のトルクを制限することができる。
・MG21,22のコイル間に高電圧が印加された際に、気圧が低いほど部分放電が発生し易くなる。このため、駆動制御装置は、気圧を検出する気圧センサを備え、検出された気圧が低いほどINV25,26による電圧の立ち上がりを遅くする場合がある。その場合、電圧の立ち上がりを遅くするほど、INV25,26の温度上昇が大きくなる。そこで、温度許可調整部51は、異常検知部52により異常が検知された場合に、MG21,22のトルクの上限値を、共通の所定値に制限(設定)する制限情報(設定情報)を気圧としてトルク制限部へ出力してもよい。こうした構成によれば、駆動制御装置が気圧センサと、気圧に基づきトルクの上限値を制限するトルク制限部とを備えている場合に、それらを利用して異常検知時にMG21,22のトルクを制限することができる。
・駆動制御装置は、MG21,22やINV25,26を冷却する冷却水の温度を検出する温度センサを備え、トルク制限部32は、温度センサにより検出された冷却水の温度に基づいて、MG21,22のトルク上限値を制限してもよい。その場合に、温度許可調整部51は、異常検知部52により異常が検知された場合に、MG21,22のトルクの上限値を、共通の所定値に制限(設定)する制限情報(設定情報)を冷却水の温度としてトルク制限部へ出力してもよい。こうした構成によれば、駆動制御装置が備えている冷却水の温度センサと、冷却水の温度に基づきトルク上限値を制限するトルク制限部とを利用して、異常検知時にMG21,22のトルクを制限することができる。
・MG21,22に対して、共通のトルク制限部が1つのみ設けられていてもよい。
・前側の左右の車輪11,12に代えて後側の左右の車輪13,14に対して、それぞれMG21,22、INV25,26、MG−CU30,40、調停CU50,60が設けられていてもよい。また、前側の左右の車輪11,12に加えて後側の左右の車輪13,14に対して、それぞれMG21,22、INV25,26、MG−CU30,40、調停CU50,60が設けられていてもよい。また、前側の左右の車輪11,12に代えて左側の前後の車輪11,13に対して、それぞれMG21,22、INV25,26、MG−CU30,40、調停CU50,60が設けられていてもよい。また、前側の左右の車輪11,12に代えて前側の左の車輪11,後側の右の車輪14に対して、それぞれMG21,22、INV25,26、MG−CU30,40、調停CU50,60が設けられていてもよい。
・異常検知部52は、駆動制御装置の異常の状態である異常状態を検知してもよい。温度許可調整部51(情報出力部)は、異常検知部52により異常状態が検知された場合に、MG21及びMG22のトルクの上限値を、異常状態に応じた共通の所定値に設定する制限情報(設定情報)をトルク制限部32(トルク設定部)へ出力してもよい。
上記構成によれば、駆動制御装置の異常が検知されるだけでなく、駆動制御装置の異常の状態である異常状態が異常検知部52により検知される。そして、異常状態が検知された場合に、MG21及びMG22のトルクの上限値を、異常状態に応じた共通の所定値に設定する制限情報が、トルク制限部32へ出力される。このため、異常状態に応じて、MG21及びMG22のトルクの上限値を共通の所定値に設定することができる。したがって、MG21及びMG22のトルクの上限値をより適切に設定することができ、電気自動車10の挙動が不安定になること及び電気自動車10が急減速することをさらに抑制することができる。
・図10に示すように、MG−CU30が異常処理部35を備えていてもよい。異常処理部35は、駆動制御装置の異常の状態である異常状態を検知し、異常状態を検知した場合に、MG21及びMG22のトルクの上限値を、異常状態に応じた共通の所定値に設定する制限情報を、トルク制限部32へ出力する。この場合は、調停CU50,60を省略することができる。
上記構成によれば、異常処理部35により異常状態が検知された場合に、MG21及びMG22のトルクの上限値を、異常状態に応じた共通の所定値に設定する制限情報が、異常処理部35によりトルク制限部32へ出力される。この場合も、上記と同様の作用効果を奏することができる。
・モータ駆動制御部33は、MG21及びMG22が発生するトルクを制御する方式が互いに異なる第1制御方式及び第2制御方式を実行可能であり、異常状態に応じた共通の所定値は、異常状態が検知された場合に、モータ駆動制御部33により第1制御方式及び第2制御方式のいずれが実行されているかに応じた値に設定されるようにしてもよい。例えば、第1制御方式は、電流センサ21b(22b)により検出される電流が目標電流になるように、MG21,22に印加する電圧をPWM制御によりフィードバック制御する制御方式である。また、第2制御方式は、矩形波制御によりMG21,22に矩形波電圧を印加する回転角度を制御する制御方式である。
上記構成によれば、モータ駆動制御部33は、MG21及びMG22が発生するトルクを制御する方式が互いに異なる第1制御方式及び第2制御方式を実行可能である。このため、電気自動車10の走行状態に応じて、第1制御方式と第2制御方式とを使い分けることができる。ここで、トルクを制御する方式が互いに異なる第1制御方式と第2制御方式とでは、駆動制御装置に異常が生じた場合に、異常がトルクに及ぼす影響(寄与度)が異なる。例えば、電流センサ21b(22b)に異常が生じた場合、PWM制御ではトルクが急変するおそれがある一方、矩形波制御ではトルクの急変は起きにくい。
この点、異常状態に応じた共通の所定値は、異常状態が検知された場合に、モータ駆動制御部33により第1制御方式及び第2制御方式のいずれが実行されているかに応じた値(影響に応じた値)に設定される。したがって、第1制御方式と第2制御方式とで異常がトルクに及ぼす影響に応じて、MG21及びMG22のトルクの上限値を共通の所定値に適切に設定することができる。
・MG21及びMG22により発生させるトルクの指令値が異常になったとしても、トルクが誤って増加しなければ電気自動車10の危険は小さい。そこで、異常状態に応じた共通の所定値は、MG21により発生させるトルクの指令値である左トルク指令値(第1指令値)及びMG22により発生させるトルクの指令値である右トルク指令値(第2指令値)の少なくとも1つが異常になった場合に、異常になった場合よりも前の所定期間における第1指令値又は第2指令値に設定されてもよい。左トルク指令値が異常になったか否かは、例えば上述したように、EV−CU70から受信した左トルク指令値と調停CU60から受信した左トルク指令値との差の絶対値が所定値よりも大きいか否かにより判定することができる。異常になった場合よりも前の所定期間は、例えば異常になった時の直前の期間や、異常になった時よりも数秒前(若干前)の期間等を採用することができる。なお、以降における「〜場合よりも前の所定期間」も同様である。
上記構成によれば、左指令値及び右トルク指令値の少なくとも1つが異常になった場合であっても、トルクの上限値が、異常になった場合よりも前の所定期間における左トルク指令値又は右トルク指令値に設定される。このため、MG21及びMG22が発生するトルクが誤って増加することを抑制することができ、電気自動車10を安全に走行させることができる。さらに、トルクの指令値が異常になった場合であっても、異常になった場合よりも前の状態からトルクの上限値をできるだけ制限せず、電気自動車10の走行を継続することができる。
・異常状態に応じた共通の所定値は、電流を0として検出する場合の電流センサ21b(22b)の出力である基準出力(0点)が所定範囲から外れた場合に、所定範囲から外れた場合よりも前の所定期間における左トルク指令値又は右トルク指令値に設定されるようにしてもよい。例えば、電流センサ21b(22b)は、−500[A]〜500[A]の電流に応じて、0〜5[V]の電圧を出力する。この場合、電流を0[A]として検出する場合の電流センサ21b(22b)の出力である基準出力は2.5[V]である。そして、所定範囲として、例えば2.0[V]〜3.0[V]が設定されている。
ここで、電流センサ21bの基準出力が所定範囲から外れた場合(以下、「オフセット異常」という)であっても、検出される電流が急変することは希である。このため、オフセット異常が生じた場合に、トルクの上限値が、オフセット異常が生じた場合よりも前の所定期間における左トルク指令値又は右トルク指令値に設定されるようにしてもよい。こうした構成によれば、電気自動車10を安全に走行させつつ、トルクの上限値をできるだけ制限せずに電気自動車10の走行を継続することができる。
・オフセット異常以外の電流センサ21bの所定異常が生じた場合は、電流が誤って検出されてMG21及びMG22が発生するトルクが急変するおそれがある。所定異常としては、例えば電流センサ21bに関する配線の断線や、電流センサ21bの短絡、電流センサ21bのゲイン異常等がある。そこで、異常状態に応じた共通の所定値は、基準出力が所定範囲から外れた場合以外の電流センサ21bの所定異常が検知された場合に、所定異常が検知された場合よりも前の所定期間における左トルク指令値を所定度合小さくした第1補正指令値又は右トルク指令値を所定度合小さくした第2補正指令値に設定されるようにしてもよい。第1補正指令値(第2補正指令値)は、例えば左トルク指令値(右トルク指令値)を1/2や1/3にした値や、左トルク指令値(右トルク指令値)から所定値を引いた値を採用することができる。
上記構成によれば、オフセット異常以外の所定異常が検知された場合に、MG21及びMG22のトルクの上限値が、所定異常が検知された場合よりも前の所定期間における左トルク指令値を所定度合小さくした第1補正指令値又は右トルク指令値を所定度合小さくした第2補正指令値に設定される。したがって、MG21及びMG22が発生するトルクが急変するおそれがある場合に、電気自動車10をより安全に走行させつつ、走行を継続することができる。
・駆動制御装置は、MG21及びMG22の少なくとも1つに印加される電圧を検出する電圧センサ21d(22d)を備え、異常状態に応じた共通の所定値は、電圧センサ21dの異常が検知された場合に、電圧センサ21dの異常が検知された場合よりも前の所定期間における左トルク指令値又は右トルク指令値に設定されるようにしてもよい。
電圧センサ21dに異常が生じた場合であっても、MG21及びMG22に流れる電流が急変しなければ、トルクが急変することは希である。この点、電圧センサ21dの異常が検知された場合に、トルクの上限値が、電圧センサ21dの異常が検知された場合よりも前の所定期間における左トルク指令値又は右トルク指令値に設定される。したがって、電気自動車10を安全に走行させつつ、トルクの上限値をできるだけ制限せずに電気自動車10の走行を継続することができる。
・回転角センサ21c(22c)に異常が生じた場合は、MG21及びMG22を回転角に応じて適切に制御することができなくなり、MG21及びMG22が発生するトルクが急変するおそれがある。そこで、異常状態に応じた共通の所定値は、回転角センサ21c(22c)が異常である場合に0に設定されるようにしてもよい。こうした構成によれば、MG21及びMG22を適切に制御することができないおそれがある場合には、安全を優先して例外的に電気自動車10を停止させることができる。なお、異常状態に応じた共通の所定値を0に設定する際に、共通の所定値を徐々に0に近付けてもよい。
・トルク制限部32及びモータ駆動制御部33の少なくとも1つの演算機能が異常である場合は、MG21及びMG22を適切に制御することができなくなり、MG21及びMG22が発生するトルクが急変するおそれがある。演算機能が異常である場合とは、例えばトルク制限部32及びモータ駆動制御部33を構成するマイコン(演算器)に異常が生じた場合等である。そこで、異常状態に応じた共通の所定値は、トルク制限部32及びモータ駆動制御部33の少なくとも1つの演算機能が異常である場合に0に設定されるようにしてもよい。こうした構成によれば、MG21及びMG22を適切に制御することができないおそれがある場合には、安全を優先して例外的に電気自動車10を停止させることができる。なお、異常状態に応じた共通の所定値を0に設定する際に、共通の所定値を徐々に0に近付けてもよい。
・電気自動車10に限らず、動力源としてMG21,22に加えてエンジンを備えるハイブリッド自動車(車両)に、上記の各駆動制御装置を適用することもできる。また、電気自動車は、バッテリをエネルギー源とするものに限らず、燃料電池をエネルギー源とする燃料電池車(FCV:Fuel Cell Vehicle)であってもよい。
10…電気自動車、11…車輪、12…車輪、13…車輪、14…車輪、21…MG、21a…温度センサ、22…MG、30…MG−CU、32…トルク制限部、40…MG−CU、50…調停CU、51…温度許可調整部、52…異常検知部、60…調停CU、61…温度許可調整部、62…異常検知部、132…トルク制限部。

Claims (19)

  1. 第1車輪(11)を駆動する第1モータ(21)と前記第1車輪から独立して第2車輪(12)を駆動する第2モータ(22)とを備える車両(10)に適用される駆動制御装置であって、
    前記駆動制御装置に関する情報を検出するセンサ(21a、84)と、
    前記センサにより検出された前記情報に基づいて、前記第1モータ及び前記第2モータが発生可能なトルクの上限値を設定するトルク設定部(32、132)と、
    前記駆動制御装置の異常を検知する異常検知部(52、62)と、
    前記異常検知部により前記異常が検知された場合に、前記第1モータ及び前記第2モータの前記トルクの上限値を、共通の所定値に設定する設定情報を前記情報として前記トルク設定部へ出力する情報出力部(51、61)と、
    前記第1モータ及び前記第2モータが発生するトルクが、前記トルク設定部により設定された前記上限値以下となるように制御する駆動制御部(33)と、
    を備える、車両の駆動制御装置。
  2. 前記センサは前記情報として、温度情報を検出する、請求項1に記載の車両の駆動制御装置。
  3. 前記温度情報は、前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも一方の温度である、請求項2に記載の車両の駆動制御装置。
  4. 前記第1モータ及び前記第2モータは交流モータであり、
    供給された直流電力を交流電力に変換して前記第1モータへ供給する第1電力変換部(INV25)と、供給された直流電力を交流電力に変換して前記第2モータへ供給する第2電力変換部(INV26)と、を備え、
    前記センサ(21a)は前記温度情報として、前記第1電力変換部及び前記第2電力変換部の少なくとも一方の温度を検出する、請求項2に記載の車両の駆動制御装置。
  5. 前記センサは前記温度情報として、冷却水の温度を検出する、請求項2に記載の車両の駆動制御装置。
  6. 前記第1モータ及び前記第2モータは交流モータであり、
    供給された直流電力を交流電力に変換して前記第1モータへ供給する第1電力変換部と、供給された直流電力を交流電力に変換して前記第2モータへ供給する第2電力変換部と、を備え、
    前記センサは前記情報として、気圧を検出する、請求項1に記載の車両の駆動制御装置。
  7. 前記センサ(84)は前記情報として、前記車両の速度を検出する、請求項1に記載の車両の駆動制御装置。
  8. 前記トルク設定部は、前記センサから前記情報が入力されない場合に、前記第1モータ及び前記第2モータが発生可能なトルクの上限値を設定し、
    前記情報出力部は、前記異常検知部により前記異常が検知された場合に、前記センサと前記トルク設定部とを遮断する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両の駆動制御装置。
  9. 前記第1モータに流れる電流を検出する電流センサ(21b)を備え、
    前記異常検知部は、前記第2モータにより発生させるトルクの指令値と前記第1モータに流れる電流との関係が正常である所定範囲を予め規定しており、前記指令値と前記電流センサにより検出された前記電流との関係が前記所定範囲から外れた場合に、前記駆動制御装置の前記異常を検知する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両の駆動制御装置。
  10. 前記異常検知部は、前記第1モータに関する異常を検知する第1検知部(52)と、前記第2モータに関する異常を検知する第2検知部(62)と、を含み、
    前記第1モータにより発生させるトルクの指令値である第1指令値及び前記第2モータにより発生させるトルクの指令値である第2指令値の双方を、前記第1検知部及び前記第2検知部の双方へ送信する上位制御部(70)を備え、
    前記第1検知部は、前記上位制御部から受信した前記第2指令値を前記第2検知部へ送信し、
    前記第2検知部は、前記上位制御部から受信した前記第1指令値を前記第1検知部へ送信し、
    前記第1検知部は、前記上位制御部から受信した前記第1指令値と前記第2検知部から受信した前記第1指令値との差の絶対値が所定値よりも大きい場合に、前記駆動制御装置の前記異常を検知し、
    前記第2検知部は、前記上位制御部から受信した前記第2指令値と前記第1検知部から受信した前記第2指令値との差の絶対値が所定値よりも大きい場合に、前記駆動制御装置の前記異常を検知する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両の駆動制御装置。
  11. 前記異常検知部は、前記駆動制御装置の前記異常の状態である異常状態を検知し、
    前記情報出力部は、前記異常検知部により前記異常状態が検知された場合に、前記第1モータ及び前記第2モータの前記トルクの上限値を、前記異常状態に応じた前記共通の所定値に設定する前記設定情報を、前記情報として前記トルク設定部へ出力する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の車両の駆動制御装置。
  12. 第1車輪(11)を駆動する第1モータ(21)と前記第1車輪から独立して第2車輪(12)を駆動する第2モータ(22)とを備える車両(10)に適用される駆動制御装置であって、
    前記駆動制御装置に関する情報を検出するセンサ(21a、84)と、
    前記センサにより検出された前記情報に基づいて、前記第1モータ及び前記第2モータが発生可能なトルクの上限値を設定するトルク設定部(32、132)と、
    前記駆動制御装置の異常の状態である異常状態を検知し、前記異常状態を検知した場合に、前記第1モータ及び前記第2モータの前記トルクの上限値を、前記異常状態に応じた共通の所定値に設定する設定情報を、前記情報として前記トルク設定部へ出力する異常処理部(35、51、52、61、62)と、
    前記第1モータ及び前記第2モータが発生するトルクが、前記トルク設定部により設定された前記上限値以下となるように制御する駆動制御部(33)と、
    を備える、車両の駆動制御装置。
  13. 前記駆動制御部は、前記第1モータ及び前記第2モータが発生するトルクを制御する方式が互いに異なる第1制御方式及び第2制御方式を実行可能であり、
    前記異常状態に応じた前記共通の所定値は、前記異常状態が検知された場合に、前記駆動制御部により前記第1制御方式及び前記第2制御方式のいずれが実行されているかに応じた値に設定される、請求項11又は12に記載の車両の駆動制御装置。
  14. 前記異常状態に応じた前記共通の所定値は、前記第1モータにより発生させるトルクの指令値である第1指令値及び前記第2モータにより発生させるトルクの指令値である第2指令値の少なくとも1つが異常になった場合に、前記異常になった場合よりも前の所定期間における前記第1指令値又は前記第2指令値に設定される、請求項11〜13のいずれか1項に記載の車両の駆動制御装置。
  15. 前記センサは、前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも1つに流れる電流を検出する電流センサ(21b)を含み、
    前記異常状態に応じた前記共通の所定値は、前記電流を0として検出する場合の前記電流センサの出力である基準出力が所定範囲から外れた場合に、前記所定範囲から外れた場合よりも前の所定期間における前記第1モータにより発生させるトルクの指令値である第1指令値又は前記第2モータにより発生させるトルクの指令値である第2指令値に設定される、請求項11〜14のいずれか1項に記載の車両の駆動制御装置。
  16. 前記異常状態に応じた前記共通の所定値は、前記基準出力が前記所定範囲から外れた場合以外の前記電流センサの所定異常が検知された場合に、前記所定異常が検知された場合よりも前の所定期間における前記第1指令値を所定度合小さくした第1補正指令値又は前記第2指令値を所定度合小さくした第2補正指令値に設定される、請求項15に記載の車両の駆動制御装置。
  17. 前記センサは、前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも1つに印加される電圧を検出する電圧センサ(21d)を含み、
    前記異常状態に応じた前記共通の所定値は、前記電圧センサの異常が検知された場合に、前記電圧センサの異常が検知された場合よりも前の所定期間における前記第1モータにより発生させるトルクの指令値である第1指令値又は前記第2モータにより発生させるトルクの指令値である第2指令値に設定される、請求項11〜16のいずれか1項に記載の車両の駆動制御装置。
  18. 前記センサは、前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも1つの回転角を検出する回転角センサ(21c)を含み、
    前記異常状態に応じた前記共通の所定値は、前記回転角センサが異常である場合に0に設定される、請求項11〜17のいずれか1項に記載の車両の駆動制御装置。
  19. 前記異常状態に応じた前記共通の所定値は、前記トルク設定部及び前記駆動制御部の少なくとも1つの演算機能が異常である場合に0に設定される、請求項11〜18のいずれか1項に記載の車両の駆動制御装置。
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