JP2021107508A - 延伸フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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【課題】難燃性および強度に優れるフィルムを提供する。【解決手段】環状オレフィン開環重合体水素添加物および有機ホスフィン酸塩系難燃剤を含有する延伸フィルムであって、有機ホスフィン酸塩系難燃剤が、特定の式で示される化合物であり、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径が10μm以下である、延伸フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、延伸フィルムおよび延伸フィルムの製造方法に関するものである。
環状オレフィンを開環重合してなる環状オレフィン開環重合体を、更に水素添加反応に供することで得られる重合体(以下、「環状オレフィン開環重合体水素添加物」という。)は、透明性、低吸湿性、絶縁性、耐薬品性、耐衝撃性などの諸特性に優れるため、フィルム等の成形体の成形材料として広く用いられている。一方で、環状オレフィン開環重合体水素添加物は、炭素骨格を有するため燃えやすい。そのため、環状オレフィン開環重合体水素添加物に難燃剤を添加することで、成形材料を用いて形成される成形体の難燃性を高める試みが従来からなされている。
例えば、特許文献1には、環状オレフィン開環重合体水素添加物と、所定の構造を有する縮合リン酸エステル系難燃剤と、所定の構造を有する有機ホスフィン酸塩系難燃剤とを含有する難燃性樹脂組成物が開示されている。そして、特許文献1によれば、この難燃性樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体は、難燃性に優れると共に、誘電率および誘電正接が低い。
特開2017−149898号公報
しかし、上記従来の難燃性樹脂組成物を用いて形成したフィルムには、難燃性および強度を向上させるという点において改善の余地があった。
そこで、本発明は、難燃性および強度に優れるフィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、従来の難燃性樹脂組成物を用いて形成したフィルムでは、凝集し易い有機ホスフィン酸塩系難燃剤を樹脂マトリックス中で十分に分散させることができていない点に着目した。そして、本発明者は更に検討を重ね、難燃性樹脂組成物を用いて形成したフィルムを延伸して延伸フィルムとすると共に当該延伸フィルム中の有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径を所定の値以下とすれば、難燃性および強度に優れるフィルムが得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の延伸フィルムは、環状オレフィン開環重合体水素添加物および有機ホスフィン酸塩系難燃剤を含有する延伸フィルムであって、前記有機ホスフィン酸塩系難燃剤が、下記式(I):
Figure 2021107508
〔式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、
a+は、a価の金属イオンを表し、
aは、1以上3以下の整数を表す。〕で示される化合物と、下記式(II):
Figure 2021107508
〔式(II)中、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、
Yは、2価の基を表し、
b+は、b価の金属イオンを表し、
b、cおよびdは、それぞれ、1以上3以下の整数を表し、さらに、b、cおよびdは、b×c=2×dを満たす。〕で示される化合物との少なくとも一方であり、前記有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径が10μm以下であることを特徴とする。
環状オレフィン開環重合体水素添加物と共に、有機ホスフィン酸塩系難燃剤として上記式(I)で示される化合物(以下、「有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)」と称する場合がある。)および/または上記式(II)で示される化合物(以下、「有機ホスフィン酸塩系難燃剤(II)」と称する場合がある。)を含み、更に有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径が上記上限値以下である延伸フィルムであれば、優れた難燃性および強度を発揮することができる。
なお、本発明において、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の「平均分散径」は、本明細書の実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
また、本発明において、「置換基を有していてもよい」とは、「無置換の、または、置換基を有する」の意味である。
ここで、本発明の延伸フィルムは、厚みが40μm以下であることが好ましい。
なお、本発明において、延伸フィルムの「厚み」は、本明細書の実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
そして、本発明の延伸フィルムは、前記環状オレフィン開環重合体水素添加物が結晶性を有することが好ましい。環状オレフィン開環重合体水素添加物が結晶性を有していれば、延伸フィルムの耐薬品性および耐熱性を高めることができる。
なお、本発明において、環状オレフィン開環重合体水素添加物などの重合体が「結晶性を有する」とは、JIS K7121に従う示差走査熱量測定(DSC)により、ガラス転移点以上、融点以下の温度範囲内において発熱ピークとして結晶化温度が検出されることを意味する。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の延伸フィルムの製造方法は、環状オレフィン開環重合体水素添加物および有機ホスフィン酸塩系難燃剤を含有するフィルムであって、前記有機ホスフィン酸塩系難燃剤が、下記式(I):
Figure 2021107508
〔式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、
a+は、a価の金属イオンを表し、
aは、1以上3以下の整数を表す。〕で示される化合物と、下記式(II):
Figure 2021107508
〔式(II)中、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、
Yは、2価の基を表し、
b+は、b価の金属イオンを表し、
b、cおよびdは、それぞれ、1以上3以下の整数を表し、さらに、b、cおよびdは、b×c=2×dを満たす。〕で示される化合物との少なくとも一方であり、前記有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径が10μm以下であるフィルムを準備する工程(A)と、前記フィルムを延伸して延伸フィルムを得る工程(B)とを含むことを特徴とする。
このように、環状オレフィン開環重合体水素添加物と共に、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)および/または有機ホスフィン酸塩系難燃剤(II)を含み、更に有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径が上記上限値以下であるフィルムを延伸すれば、難燃性および強度に優れる延伸フィルムを容易に得ることができる。
ここで、本発明の延伸フィルムの製造方法では、前記延伸フィルムの厚みが40μm以下であることが好ましい。
また、本発明の延伸フィルムの製造方法は、前記工程(B)の後に、前記延伸フィルムの緊張を緩和する工程(D)を更に含むことが好ましい。延伸フィルムの緊張を緩和する工程(D)を実施すれば、残留応力を除去し、高温環境下における延伸フィルムの寸法安定性を高めることができる。
そして、本発明の延伸フィルムの製造方法は、前記工程(B)の後に、前記延伸フィルムを、少なくとも二辺を保持して緊張させた状態で、前記環状オレフィン開環重合体水素添加物のガラス転移温度以上、融点以下の温度にし、前記環状オレフィン開環重合体水素添加物を結晶化させる工程(C)を更に含むことが好ましい。環状オレフィン開環重合体水素添加物を結晶化させる工程(C)を実施すれば、延伸フィルムの耐薬品性および耐熱性を高めることができる。
本発明によれば、難燃性および強度に優れるフィルムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の延伸フィルムは、特に限定されることなく、本発明の延伸フィルムの製造方法を用いて作製することができる。そして、本発明の延伸フィルムは、難燃性および強度に優れているので、例えばフレキシブルフラットケーブルの基材などに好適に使用することができる。
(延伸フィルム)
本発明の延伸フィルムは、環状オレフィン開環重合体水素添加物と、有機ホスフィン酸塩系難燃剤とを少なくとも含み、任意に、環状オレフィン開環重合体水素添加物および有機ホスフィン酸塩系難燃剤以外の成分(以下、「その他の成分」と称する。)を更に含む。そして、本発明の延伸フィルムでは、有機ホスフィン酸塩系難燃剤として、所定の化学構造を有する有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)および/または有機ホスフィン酸塩系難燃剤(II)を用い、更に、当該有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径を10μm以下とする。
そして、本発明の延伸フィルムは、所定の有機ホスフィン酸塩系難燃剤が平均分散径10μm以下で良好に分散しているためと考えられるが、優れた難燃性を発揮することができる。また、本発明の延伸フィルムは、有機ホスフィン酸塩系難燃剤が平均分散径10μm以下で良好に分散していると共に、延伸されているため、高い強度を有している。
<環状オレフィン開環重合体水素添加物>
本発明の延伸フィルムに樹脂成分として含まれる環状オレフィン開環重合体水素添加物は、単量体としての環状オレフィンを開環重合して得られる環状オレフィン開環重合体を更に水素添加反応に供することで得られる重合体である。
<<環状オレフィン開環重合体>>
ここで、環状オレフィン開環重合体の調製に用いる環状オレフィンとしては、分子内に脂環式構造を有し、かつ、該脂環式構造内に炭素−炭素二重結合を有する化合物を用いることができ、例えばノルボルネン環構造を有する単量体(以下、「ノルボルネン系単量体」と称する。)を好適に用いることができる。なお、環状オレフィンは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、ノルボルネン系単量体としては、下記式(IV):
Figure 2021107508
で示される化合物を好適に用いることができる。ここで、式(IV)中、R9、R10、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよい炭素原子数1以上20以下の炭化水素基;ケイ素原子、酸素原子および窒素原子からなる群から選択される少なくとも1つを含む置換基;を表す。また、R9、R10、R11およびR12の中から選ばれる2つの基が結合して環(例えば、単環や縮合環であり、また芳香環であっても非芳香環であってもよい)を形成していてもよい。そして、式(IV)中、mは0、1又は2を表す。
9〜R12のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
9〜R12の炭素原子数1以上20以下の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル(プロパルギル)基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等のアルキニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基等のアルキリデン基;が挙げられる。そして、炭素原子数1以上20以下の炭化水素基が任意に有する置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;が挙げられる。なお、炭素原子数1以上20以下の炭化水素基は、これらの置換基を1種類のみ有していてもよく、2種類以上有していてもよい。
9〜R12のケイ素原子、酸素原子および窒素原子からなる群から選択される少なくとも1つを含む置換基としては、例えば、シリル基(トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基など)、スルホ基、ヒドロキシ基、カルボニル基、ニトロ基、アミノ基、イミノ基、シアノ基、アゾ基、アジ基が挙げられる。
そして、R9〜R12のうち2つの基(例えば、R9とR10、R11とR12、R9とR11)は、一緒になって環を形成していてもよい。R9〜R12のうちの2つの基により形成される環は、単環でも縮合環でもよく、また芳香環であっても非芳香環であってもよい。
ノルボルネン系単量体の具体例としては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:エチリデンノルボルネン)およびこれらの誘導体(環に置換基を有するものをいう。以下同じ)等の2環式単量体;
トリシクロ[4.3.01,6.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)およびこの誘導体等の3環式単量体;
7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンおよびこれらの誘導体等の4環式単量体;
が挙げられる。
なお、これらのノルボルネン系単量体が、その環に任意に有する置換基としては、R9〜R12として例示したものが挙げられる。ノルボルネン系単量体は、これらの置換基を1種類のみ有していてもよく、2種類以上有していてもよい。
なお、ノルボルネン系単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。そして、これらの中でも、環状オレフィン開環重合体の立体規則性を高めて、当該重合体への水素添加により得られる環状オレフィン開環重合体水素添加物に、後述する結晶性を付与する観点から、ジシクロペンタジエンおよびその誘導体が好ましく、ジシクロペンタジエンがより好ましい。
ジシクロペンタジエンの使用量は、環状オレフィン開環重合体の調製に用いる環状オレフィン全体の量100質量%に対して、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。
ここで、環状オレフィン開環重合体は、上述したノルボルネン系単量体と、置換基を有していてもよい単環の環状オレフィンを用いて得られる共重合体であってもよい。
単環の環状オレフィンとしては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の単環の環状モノオレフィンおよびこれらの誘導体;シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン等の単環の環状ジオレフィンおよびこれらの誘導体;が挙げられる。そして、単環の環状オレフィンが任意に有する置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;プロパン−2−イリデン基等のアルキリデン基;フェニル基等のアリール基;ヒドロキシ基;酸無水物基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;が挙げられる。なお、単環の環状オレフィンは、これらの置換基を1種類のみ有していてもよく、2種類以上有していてもよい。
また、置換基を有していてもよい単環の環状オレフィンは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
そして、置換基を有していてもよい単環の環状オレフィンの使用量は、特に限定されないが、環状オレフィン開環重合体の調製に用いる環状オレフィン全体の量100質量%に対して、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、0質量%である(すなわち、環状オレフィン開環重合体は、単量体として、1種類または2種類以上のノルボルネン系単量体のみを用いて得られる重合体である)ことが更に好ましい。
環状オレフィン開環重合体の調製方法は、特に限定されず、例えば、上述した単量体を、メタセシス重合触媒を用いて開環重合する既知の方法を採用することができる。このような方法としては、例えば、特開2017−149898号公報に記載の方法が挙げられる。
なお、上述のようにして得られる環状オレフィン開環重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、延伸フィルムの機械的特性(引張強度など)を高める観点から、好ましくは15,000以上150,000以下、より好ましくは20,000以上100,000以下、さらに好ましくは23,000以上50,000以下である。
環状オレフィン開環重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されないが、延伸フィルムの機械的特性(引張強度など)を高める観点から、好ましくは1以上5以下、より好ましくは1以上4以下である。
なお、本発明において、環状オレフィン開環重合体などの重合体の「重量平均分子量(Mw)」および「数平均分子量(Mn)」は、テトラヒドロフランを展開溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値を指す。
<<水素添加反応>>
上述のようにして得られた環状オレフィン開環重合体を水素添加反応に供することで、環状オレフィン開環重合体水素添加物を得ることができる。環状オレフィン開環重合体に水素添加する方法は、特に限定されず、例えば、水素化触媒の存在下で、反応系内に水素を供給する既知の方法を採用することができる。このような方法としては、例えば、特開2017−149898号公報に記載の方法が挙げられる。
なお、水素添加反応における水素添加率(水素化された主鎖炭素−炭素二重結合の割合)は、特に限定されないが、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは99%以上である。水素添加率を高めるほど、得られる環状オレフィン開環重合体水素添加物の耐熱性を向上させることができる。
なお、本発明において、水素添加反応における「水素添加率」は、核磁気共鳴(NMR)法を用いて測定することができる。
<<環状オレフィン開環重合体水素添加物の性状>>
上述のようにして得られる環状オレフィン開環重合体水素添加物の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、延伸フィルムの機械的特性(引張強度など)を高める観点から、好ましくは15,000以上150,000以下、より好ましくは20,000以上100,000以下、さらに好ましくは23,000以上50,000以下である。
環状オレフィン開環重合体水素添加物の分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されないが、延伸フィルムの機械的特性(引張強度など)を高める観点から、好ましくは1以上5以下、より好ましくは1以上4以下である。
また、環状オレフィン開環重合体水素添加物は、結晶性を有することが好ましい。結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物を用いることで、延伸フィルムの耐薬品性を高めると共に耐熱性を向上させることができる。
そして、結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物において、融点の温度範囲は特に限定されないが、200℃以上であることが好ましく、230℃以上であることがより好ましく、290℃以下であることが好ましい。上記範囲内の融点を有する環状オレフィン開環重合体水素添加物は、成形性と耐熱性とのバランスにより優れる。なお、環状オレフィン開環重合体水素添加物の融点は、その立体規則性(特には、シンジオタクチック立体規則性)の度合いを調節したり、用いる単量体の種類を選択したりすること等により、調節することができる。
なお、本発明において、重合体の融点は、本明細書の実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
ここで、結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物としては、特に限定されず、例えば、国際公開第2012/033076号、特開2002−249553号公報、特開2007−16102号公報に記載されたものを用いることができる。また、結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物としては、シンジオタクチック立体規則性を有するジシクロペンタジエン開環重合体水素添加物や、アイソタクチック立体規則性を有するジシクロペンタジエン開環重合体水素添加物が挙げられるが、生産性等の観点から、樹脂としては、シンジオタクチック立体規則性を有するジシクロペンタジエン開環重合体水素添加物を用いることが好ましい。
ここで、本発明において、「シンジオタクチック立体規則性を有する」とは、本明細書の実施例に記載された13C−NMR測定方法に従って測定された、ラセモ・ダイアッドの割合が51%以上であることを意味する。さらにまた、シンジオタクチック立体規則性を有するジシクロペンタジエン開環重合体水素化物におけるラセモ・ダイアッドの割合は、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
なお、シンジオタクチック立体規則性を有するジシクロペンタジエン開環重合体水素添加物は、例えば、特開2017−170735号公報に開示された方法に従って、好適に合成することができる。
<有機ホスフィン酸塩系難燃剤>
本発明の延伸フィルムは、有機ホスフィン酸塩系難燃剤として、以下の有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)と有機ホスフィン酸塩系難燃剤(II)の少なくとも一方を含む。即ち、延伸フィルムは、有機ホスフィン酸塩系難燃剤として、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)のみを含んでいてもよく、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(II)のみを含んでいてもよく、そして、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)と(II)の双方を含んでいてもよい。
<<有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)>>
有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)は、下記式(I)で表される。
Figure 2021107508
ここで、上記式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表す。
1およびR2のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基等の炭素原子数1以上10以下のアルキル基が挙げられる。これらの中でも、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましい。
1およびR2のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等の炭素原子数6以上20以下のアリール基が挙げられる。これらの中でも、炭素原子数6以上12以下のアリール基が好ましい。
そして、R1およびR2を構成するアルキル基およびアリール基が任意に有する置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;が挙げられる。R1およびR2を構成するアルキル基およびアリール基は、それぞれ、これらの置換基を1種類のみ有していてもよく、2種類以上有していてもよい。なお、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)はハロゲン原子を含まない方が好ましい。即ち、R1およびR2を構成するアルキル基およびアリール基が置換基を有する場合、当該置換基は、ハロゲン原子ではなく、アルコキシ基であることが好ましい。
また、上記式(I)中、Ma+は、a価(aは1以上3以下の整数)の金属イオンを表す。Ma+の金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等の1価の金属イオン(式(I)中、a=1)、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン等の2価の金属イオン(式(I)中、a=2)、アルミニウムイオン等の3価の金属イオン(式(I)中、a=3)が挙げられる。これらの中でも、Ma+は、3価の金属イオンであることが好ましく(即ち、a=3であることが好ましく)、アルミニウムイオンであることがより好ましい。
なお、本発明の延伸フィルムは、1種類の有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)を含んでいてもよく、2種類以上の有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)を含んでいてもよい。
<<有機ホスフィン酸塩系難燃剤(II)>>
有機ホスフィン酸塩系難燃剤(II)は、下記式(II)で表される。
Figure 2021107508
ここで、上記式(II)中、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表す。
3およびR4のアルキル基としては、例えば、「R1およびR2のアルキル基」として例示したものと同様のものが挙げられる。これらの中でも、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましい。
3およびR4のアリール基としては、例えば、「R1およびR2のアリール基」として例示したものと同様のものが挙げられる。これらの中でも、炭素原子数6以上12以下のアリール基が好ましい。
そして、R3およびR4を構成するアルキル基およびアリール基が任意に有する置換基としては、例えば、「R1およびR2を構成するアルキル基およびアリール基が任意に有する置換基」として例示したものと同様のものが挙げられる。R3およびR4を構成するアルキル基およびアリール基は、それぞれ、これらの置換基を1種類のみ有していてもよく、2種類以上有していてもよい。なお、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(II)はハロゲン原子を含まない方が好ましい。即ち、R3およびR4を構成するアルキル基およびアリール基が置換基を有する場合、当該置換基は、ハロゲン原子ではなく、アルコキシ基であることが好ましい。
また、上記式(II)中、Yは、2価の基を表す。Yの2価の基としては、例えば、メチレン基、エチレン、トリメチレン基等の炭素原子数1以上6以下のアルキレン基;1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,5−ナフチレン基、ビフェニレン基等の炭素原子数6以上20以下のアリーレン基;が挙げられる。
更に、上記式(II)中、Mb+は、b価(bは1以上3以下の整数)の金属イオンを表す。Mb+の金属イオンとしては、例えば、「Ma+の金属イオン」として例示したものと同様のものが挙げられる。
また、b、cおよびdは、それぞれ1以上3以下の整数を表すと共に、b×c=2×dを満たす。すなわち、(b,c,d)の組み合わせとしては、(1,2,1)、(2,1,1)、(2,2,2)、(2,3,3)、(3,2,3)が存在する。
なお、本発明の延伸フィルムは、1種類の有機ホスフィン酸塩系難燃剤(II)を含んでいてもよく、2種類以上の有機ホスフィン酸塩系難燃剤(II)を含んでいてもよい。
<<好適な有機ホスフィン酸塩系難燃剤>>
そして、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)および(II)の中でも、延伸フィルムの難燃性を更に向上させる観点から、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)が好ましく、ビス(ジメチルホスフィン酸)亜鉛、ビス(ジエチルホスフィン酸)亜鉛、トリス(ジメチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムがより好ましく、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムが更に好ましい。
<<有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径>>
本発明の延伸フィルムにおいて、樹脂(具体的には、環状オレフィン開環重合体水素添加物)マトリックス中に存在する有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径が、10μm以下であることが必要であり、8μm以下であることが好ましい。延伸フィルム中での有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径が、10μmを超えると、延伸フィルムの難燃性および強度が低下する。なお、延伸フィルム中での有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径の下限は、特に限定されないが、通常0.1μm以上である。
そして、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径は、例えば、延伸フィルムの作製に用いる成形材料の調製に用いる有機ホスフィン酸塩系難燃剤の粒子径(一次粒子径、二次粒子径)を変更することで調整することができる。また、当該平均分散径は、延伸フィルムの作製に用いる成形材料の調製方法を変更することで調整することもできる。具体的には、環状オレフィン開環重合体水素添加物および有機ホスフィン酸塩系難燃剤を混合して成形材料を調製するに際し、環状オレフィン開環重合体水素添加物を予混合して負荷をかけることで流動化(低粘度化)させた後に、有機ホスフィン酸塩系難燃剤を添加すれば、流動化した環状オレフィン開環重合体水素添加物中で有機ホスフィン酸塩系難燃剤の凝集体が十分に混合負荷を受けて解離し、結果として得られる成形材料中での有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径を低下させることができる。
<<有機ホスフィン酸塩系難燃剤の融点>>
ここで、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の融点は、250℃超であることが好ましく、300℃超であることがより好ましい。融点が250℃超である有機ホスフィン酸塩系難燃剤を用いれば、環状オレフィン開環重合体水素添加物と高温条件下で混合した場合であっても、有機ホスフィン酸塩系難燃剤が溶融し難く有機ホスフィン酸塩系難燃剤を容易に分散させることができ、結果として得られる成形体の難燃性および強度を更に向上させることができる。
なお、本発明において、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の融点は、JIS K7121に従い、示差走査熱量計を用いて測定することができる。
<<有機ホスフィン酸塩系難燃剤の含有量>>
本発明の延伸フィルムは、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の含有量が、環状オレフィン開環重合体水素添加物100質量部当たり10質量部以上であることが好ましく、15質量部以上であることがより好ましく、20質量部以上であることが更に好ましく、80質量部以下であることが好ましく、75質量部以下であることがより好ましく、70質量部以下であることが更に好ましく、30質量部以下であることが特に好ましい。延伸フィルムが、環状オレフィン開環重合体水素添加物100質量部当たり10質量部以上の量で有機ホスフィン酸塩系難燃剤を含めば、当該延伸フィルムの難燃性を更に向上させることができる。一方、延伸フィルムが、環状オレフィン開環重合体水素添加物100質量部当たり80質量部以下の量で有機ホスフィン酸塩系難燃剤を含めば、延伸フィルムの作製に用いる成形材料の成形性が過度に損なわれることもない。
<その他の成分>
本発明の延伸フィルムは、本発明の効果を妨げない範囲であれば、特に限定されず、任意にその他の成分を含むことができる。その他の成分としては、例えば、各種添加剤が挙げられる。なお、本発明の延伸フィルムは、樹脂成分として、上記環状オレフィン開環重合体水素添加物以外の樹脂成分を含んでいてもよい。
ここで、本発明の延伸フィルムは、添加剤として、上記有機ホスフィン酸塩系難燃剤以外の難燃剤を含むことができる。具体的に、上記有機ホスフィン酸塩系難燃剤以外の難燃剤としては、下記式(III)で示される縮合リン酸エステル系難燃剤が挙げられる。
Figure 2021107508
ここで、上記式(III)中、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
5〜R8のアリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等の炭素原子数6以上20以下のアリール基が挙げられる。これらの中でも、炭素原子数6以上12以下のアリール基が好ましい。そして、R5〜R8を構成するアリール基が任意に有する置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;が挙げられる。R5〜R8を構成するアリール基は、それぞれ、これらの置換基を1種類のみ有していてもよく、2種類以上有していてもよい。
また、上記式(III)中、Xは、アリーレン構造を有する2価の基を表す。
Xのアリーレン構造を有する2価の基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、ビフェニレン基、ビスフェノールA残基、ビスフェノールD残基、ビスフェノールAD残基、ビスフェノールS残基が挙げられる。
そして、上記式(III)中、eは、2以上の整数を表し、好ましくは2以上30以下の整数を表す。
上記縮合リン酸エステル系難燃剤(III)は、延伸フィルムの難燃性向上に寄与し得る。一方で、本発明者の検討によれば、縮合リン酸エステル系難燃剤(III)は、例えば延伸フィルムとする際などに高温条件下に曝すと、分解されて発生する分解物に起因すると推察されるが、延伸フィルムに接する金属を腐食させる場合があることが明らかとなった。
このような高温条件下での金属腐食を抑制する観点からは、延伸フィルム中の上記有機ホスフィン酸塩系難燃剤の含有量と、上記縮合リン酸エステル系難燃剤(III)含有量との合計中に占める有機ホスフィン酸塩系難燃剤の含有量の割合が70質量%以上100質量%以下であることが好ましく、80質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、90質量%以上100質量%以下であることが更に好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが特に好ましく、100質量%であること(即ち、延伸フィルムは縮合リン酸エステル系難燃剤(III)を含まないこと)が最も好ましい。
同様に、高温条件下での金属腐食を抑制する観点からは、本発明の延伸フィルムは、縮合リン酸エステル系難燃剤(III)の含有量が、環状オレフィン開環重合体水素添加物100質量部当たり20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることが更に好ましく、1質量部以下であることが特に好ましく、0質量部であること(即ち、延伸フィルムは縮合リン酸エステル系難燃剤(III)を含まないこと)が最も好ましい。
また、難燃剤以外の既知の添加剤としては、例えば、充填材、酸化防止剤、離型材、抗菌剤、カップリング剤、可塑剤、着色剤、滑剤、シリコンオイル、発泡剤、界面活性剤、光安定剤、分散剤、分散助剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶化核剤、防曇剤、中和剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止材、繊維状強化材(ガラス繊維、炭素繊維、合成繊維、セラミック繊維、ウィスカー)、板状強化材(マイカ、タルク、クレー、ガラスフレーク)、粒状強化材(金属酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ガラスビーズ、カーボンブラック)が挙げられる。これらの添加剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。そして、これらの添加剤の含有量は特に制限されず、本発明の効果を損なわない範囲で、添加する目的に応じて適宜定めることができる。
<延伸フィルムの性状>
そして、延伸フィルムは、厚みが40μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。また、延伸フィルムの厚みは、10μm以上であることが好ましい。厚みが上記上限値以下であれば、優れたフレキシブル性を発揮し得るので、フレキシブル基材などとして有利に使用し得る。また、厚みが上記下限値以上であれば、十分に優れた強度を発揮することができる。
(延伸フィルムの製造方法)
本発明の延伸フィルムの製造方法は、例えば上述した本発明の延伸フィルムを製造する際に用いることができ、環状オレフィン開環重合体水素添加物と、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)および/または有機ホスフィン酸塩系難燃剤(II)を含む有機ホスフィン酸塩系難燃剤とを少なくとも含有し、任意に、その他の成分を更に含有し、且つ、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径が10μm以下であるフィルムを準備する工程(A)と、工程(A)で準備したフィルムを延伸して延伸フィルムを得る工程(B)とを含む。また、本発明の延伸フィルムの製造方法は、特に限定されることなく、工程(B)の後に、環状オレフィン開環重合体水素添加物を結晶化させる工程(C)および/または延伸フィルムの緊張を緩和する工程(D)などの後処理工程を更に含み得る。
なお、本発明の延伸フィルムの製造方法に従い製造される延伸フィルム中の有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径は、通常、工程(A)で準備するフィルム中の有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径と略等しい。
<工程(A)>
工程(A)では、特に限定されることなく、例えば、環状オレフィン開環重合体水素添加物と、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(I)および/または有機ホスフィン酸塩系難燃剤(II)を含む有機ホスフィン酸塩系難燃剤とを少なくとも含有し、任意に、その他の成分を更に含有し、且つ、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径が10μm以下である成形材料をフィルム状に成形することにより、上述したフィルムを得ることができる。
また、上述したフィルムが市販されている場合には、工程(A)では、当該フィルムを購入することにより準備してもよい。
なお、環状オレフィン開環重合体水素添加物、有機ホスフィン酸塩系難燃剤、およびその他の成分としては本発明の延伸フィルムについて上述したものと同様のものを用いることができるので、以下では説明を省略する。また、工程(A)で準備される上記フィルムは、通常、未延伸フィルムである。
ここで、成形材料を成形してフィルムを調製する場合、フィルムの調製に使用する成形材料は上述した各成分を混合することにより得られる。具体的な調製方法は特に限定されないが、得られる成形材料中に分散する有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径を所定の値以下とするためには、前述したように、環状オレフィン開環重合体水素添加物を予混合し、予混合中の環状オレフィン開環重合体水素添加物に対し有機ホスフィン酸塩系難燃剤を添加することが好ましい。
なお、環状オレフィン開環重合体水素添加物として結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物を用いる場合、十分に混合された成形材料を得る観点から、環状オレフィン開環重合体水素添加物が溶融状態で混合する方法が好ましい。溶融状態で混合する場合には、環状オレフィン開環重合体水素添加物のガラス転移温度+50℃からガラス転移温度+250℃の範囲の温度で混合することが好ましい。温度が低すぎると粘度が高くなり混合が困難であり、温度が高すぎると環状オレフィン開環重合体水素添加物やその他の成分が劣化し易くなる。
混合後は、例えば、溶融状態で棒状に押し出し、ストランドカッターで適当な長さに切断することで、成形材料のペレットを得ることができる。
また、成形材料をフィルム状に成形する方法としては、特に限定されることなく、例えば、射出成形法、押出成形法、プレス成形法、インフレーション成形法、ブロー成形法、カレンダー成形法、注型成形法、圧縮成形法等の既知の成形方法を用いることができる。
なお、成形材料を成形して得られるフィルム中の有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径は、通常、成形材料中の有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径と略等しい。
<工程(B)>
工程(A)で準備したフィルムを工程(B)において延伸する方法に格別な制限は無く、任意の延伸方法を用い得る。例えば、フィルムを長手方向に一軸延伸する方法(縦一軸延伸法)、フィルムを幅方向に一軸延伸する方法(横一軸延伸法)等の一軸延伸法;フィルムを長手方向に延伸すると同時に幅方向に延伸する同時二軸延伸法、フィルムを長手方向及び幅方向の一方に延伸した後で他方に延伸する逐次二軸延伸法等の二軸延伸法;フィルムを幅方向に平行でもなく垂直でもない斜め方向に延伸する方法(斜め延伸法);などを用い得る。
そして、延伸装置としては、特に限定されることなく、例えば国際公開第2016/067893号や国際公開第2016/067920号に記載の装置等を使用し得る。
なお、フィルムを延伸する際の延伸温度は、環状オレフィン開環重合体水素添加物のガラス転移温度Tgに対し、好ましくは「Tg−30」℃以上、より好ましくは「Tg−10」℃以上であり、好ましくは「Tg+60」℃以下、より好ましくは「Tg+50」℃以下である。このような温度範囲で延伸を行うことにより、フィルムに含まれる重合体分子を適切に配向させることができる。
また、フィルムを延伸する際の延伸倍率は、所望の特性、厚み、強度などにより適宜選択しうるが、通常は1.1倍以上、好ましくは1.2倍以上、より好ましくは1.5倍以上であり、通常は20倍以下、好ましくは10倍以下、より好ましくは5倍以下である。ここで、例えば二軸延伸法のように異なる複数の方向に延伸を行う場合、延伸倍率は各延伸方向における延伸倍率の積で表される総延伸倍率のことである。延伸倍率を前記範囲の上限値以下にすることにより、フィルムが破断する可能性を小さくできるので、延伸フィルムの製造を容易に行うことができる。
そして、延伸フィルムの厚みは、任意に設定し得るが、好ましくは10μm以上であり、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下でである。延伸フィルムの厚みが上記上限値以下であれば、優れたフレキシブル性を発揮し得るので、フレキシブル基材などとして有利に使用し得る。また、厚みが上記下限値以上であれば、十分に優れた強度を発揮することができる。
<工程(C)>
工程(C)では、延伸フィルム中に含まれる環状オレフィン開環重合体水素添加物を結晶化させる。具体的には、工程(C)では、延伸フィルムの少なくとも二辺を保持して緊張させた状態で、延伸フィルムを環状オレフィン開環重合体水素添加物のガラス転移温度以上、融点以下の温度にすることで、脂環状オレフィン開環重合体水素添加物を結晶化させる。
ここで、延伸フィルムを緊張させた状態とは、延伸フィルムに張力がかかった状態をいう。ただし、延伸フィルムを緊張させた状態には、延伸フィルムが更に延伸される状態を含まない。なお、「延伸フィルムが更に延伸される」とは、延伸フィルムのいずれかの方向への延伸倍率が通常1.1倍以上になることをいう。
なお、延伸フィルムは、特に限定されることなく、既知の保持具を用いて保持することができる。そして、工程(C)では、延伸フィルムの広い面積において変形を妨げる観点から、対向する二辺を含む辺、好ましくは四辺を保持して、その保持された辺の間の領域を緊張した状態にすることが好ましい。例えば、矩形の枚葉の延伸フィルムでは、対向する二辺(例えば、長辺同士、又は、短辺同士)を保持して当該二辺の間の領域を緊張した状態にすることで、その枚葉の延伸フィルムの全面において変形を妨げることができる。また、長尺の延伸フィルムでは、幅方向の端部にある二辺(即ち、長辺)を保持して前記二辺の間の領域を緊張した状態にすることで、その長尺の延伸フィルムの全面において変形を妨げることができる。このように変形を妨げられた延伸フィルムは、熱収縮によってフィルム内に応力が生じても、シワ等の変形の発生が抑制される。
工程(C)では、延伸フィルムを、環状オレフィン開環重合体水素添加物のガラス転移温度Tg以上、環状オレフィン開環重合体水素添加物の融点Tm以下の温度にする。前記のような温度にされた延伸フィルムにおいては、環状オレフィン開環重合体水素添加物の結晶化が進行する。そのため、この工程(C)により、結晶化した環状オレフィン開環重合体水素添加物を含む延伸フィルムが得られる。この際、延伸フィルムの変形を妨げながら緊張した状態にしているので、延伸フィルムの平滑性を損なうことなく、結晶化を進めることができる。
中でも、工程(C)では、結晶化の速度が大きくなるような温度に設定することが好ましい。工程(C)における延伸フィルムの温度は、好ましくは「Tg+20」℃以上、より好ましくは「Tg+30」℃以上であり、好ましくは「Tm−20」℃以下、より好ましくは「Tm−40」℃以下である。
なお、延伸フィルムを前記の温度範囲に維持する処理時間は、好ましくは1秒以上、より好ましくは5秒以上であり、好ましくは30分以下、より好ましくは10分以下である。環状オレフィン開環重合体水素添加物の結晶化を十分に進行させることにより、延伸フィルムの耐熱性を高めることができる。
<工程(D)>
工程(D)では、得られた延伸フィルムを熱収縮させ残留応力を除去する。具体的には、工程(D)では、例えば延伸フィルムを平坦に維持しながら、所定の温度範囲で、延伸フィルムの緊張を緩和する。
ここで、延伸フィルムの緊張を緩和するとは、保持されて緊張した状態から延伸フィルムを解放することをいい、延伸フィルムが緊張していなければ延伸フィルムが保持具で保持されていてもよい。緊張が緩和されると、延伸フィルムは熱収縮を生じうる状態となる。工程(D)では、延伸フィルムに熱収縮を生じさせることによって、延伸フィルムに加熱時において生じうる応力を解消している。そのため、得られる延伸フィルムの高温環境下での熱収縮を小さくできる(即ち、高温環境下での寸法安定性に優れる延伸フィルムが得られる)。
延伸フィルムの緊張の緩和は、一時に行ってもよく、時間をかけて連続的または段階的に行ってもよい。ただし、得られる延伸フィルムの波打ちおよびシワ等の変形の発生を抑制するためには、緊張の緩和は、連続的または段階的に行うことが好ましい。
延伸フィルムの緊張の緩和は、通常、延伸フィルムを平坦に維持しながら行う。ここで、延伸フィルムを平坦に維持するとは、延伸フィルムに波打ちおよびシワ等の変形を生じないように延伸フィルムを平面形状に保つことをいう。これにより、得られる延伸フィルムの波打ちおよびシワ等の変形の発生を抑制できる。
延伸フィルムの緊張を緩和させる際の温度は、例えば、環状オレフィン開環重合体水素添加物のガラス転移温度Tg以上、環状オレフィン開環重合体水素添加物の融点Tm以下の温度範囲において設定しうる。具体的な温度は、環状オレフィン開環重合体水素添加物の種類に応じて設定しうる。例えば、環状オレフィン開環重合体水素添加物としてジシクロペンタジエンの開環重合体の水素添加物を用いる場合、好ましくは「Tg+20」℃以上、より好ましくは「Tg+30」℃以上であり、好ましくは「Tm−20」℃以下、より好ましくは「Tm−40」℃以下である。また、上述した工程(C)の後に冷却を経ずに引き続いて工程(D)を行う場合には、延伸フィルムの緊張を緩和させる際の温度は、工程(C)において環状オレフィン開環重合体水素添加物を結晶化させる際の温度と同じであることが好ましい。これにより、延伸フィルムの温度ムラを抑制したり、延伸フィルムの生産性を高めたりすることができる。
工程(D)において延伸フィルムを前記の温度範囲に維持する時間は、好ましくは1秒以上、より好ましくは5秒以上であり、好ましくは10分間以下である。処理時間を前記範囲の下限値以上にすることにより、延伸フィルムの高温環境下での寸法安定性を効果的に高めることができる。また、処理時間を前記範囲の上限値以下にすることにより、延伸フィルムの高温環境下での寸法安定性を効果的に高めることができる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
そして、実施例および比較例において、重合体のガラス転移温度および融点、重合体の分子量および分子量分布、重合体に水素化添加した際の水素添加率、重合体のラセモ・ダイアッドの割合、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径、成形材料を高温成形する際の金属腐食、並びに、フィルムの厚み、難燃性、強度、誘電特性、線膨張係数(CTE)および屈曲性は、下記の方法で測定および評価した。
<ガラス転移温度および融点>
JIS K7121に従い、示差走査熱量計を用いて昇温速度が10℃/分の条件で示差走査熱量測定を行い、重合体のガラス転移温度および融点を測定した。
<分子量および分子量分布>
テトラヒドロフランを溶媒として、40℃でゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を行い、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)をポリスチレン換算値として求め、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。なお、測定装置およびカラムとしては、以下のものを使用した。
測定装置:ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)システム「HLC−8220」(東ソー社製)
カラム:「Hタイプカラム」(東ソー社製)
<水素添加率>
1H−NMR測定に基づいて、重合体中の不飽和結合の水素添加率を求めた。
<ラセモ・ダイアッドの割合>
オルトジクロロベンゼン−d4/1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)−d3(混合比(質量基準):1/2)を溶媒として、200℃でinverse−gated decoupling法を適用して13C−NMR測定を行い、重合体(環状オレフィン開環重合体水素添加物)のラセモ・ダイアッドの割合(メソ/ラセモ比)を求めた。具体的には、オルトジクロロベンゼン−d4の127.5ppmのピークを基準シフトとして、メソ・ダイアッド由来の43.35ppmのシグナルと、ラセモ・ダイアッド由来の43.43ppmのシグナルとの強度比に基づいて、ラセモ・ダイアッドの割合を求めた。
<有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径>
成形材料中の有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径については、ペレット状の成形材料表面をデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製、製品名「VHX−1000」)で観察し、樹脂(環状オレフィン開環重合体水素添加物)に囲まれて独立して存在する有機ホスフィン酸塩系難燃剤(一次粒子または二次粒子(凝集物))について直径を測定した。この操作を繰り返し、得られた20個の直径の値の算術平均値を平均分散径とした。
フィルムまたは延伸フィルム中の有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径については、フィルムまたは延伸フィルムを切断して得た観察用サンプルの断面をデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製、製品名「VHX−1000」)で観察し、樹脂(環状オレフィン開環重合体水素添加物)に囲まれて独立して存在する有機ホスフィン酸塩系難燃剤(一次粒子または二次粒子(凝集物))について直径を測定した。この操作を繰り返し、得られた20個の直径の値の算術平均値を平均分散径とした。
<金属腐食>
ペレット状の成形材料を、フィルム押出機(GSIクレオス社製、スクリュー径20mmφ、圧縮比3.1、L/D=30のスクリューを備えたハンガーマニュホールドタイプのTダイ式フィルム溶融押出成形機)を用いて、フィルム製膜温度:320℃、成膜後の成形体厚さ:40μmの条件で120時間連続して成膜を実施した。この連続運転後にフィルム押出機のダイスに金属腐食が見られるか否かを目視で確認した。
<厚み>
フィルムの厚みは、厚さ測定器(尾崎製作所製、D−10HS)を用いて測定した。
<難燃性(UL−94VTM規格)>
実施例、比較例で得られたフィルムを、カッターで幅50mm、長さ200mmの帯状に切り出し、これを円筒状に巻いたものを試験片とした。この試験片をクランプで垂直に固定するとともに、その下に綿を配置した。試験片の下端にバーナーの火を3秒間接炎させた後で炎を取り除き、試験片に着火した火が消えるまでの時間を測定した。次に、火が消えると同時に2回目の接炎を3秒間行い、1回目と同様にして着火した火が消えるまでの時間を測定した。また、燃焼時に落下する火種により試験片の下に配置した綿が着火するか否かについても評価した。
評価は5本のサンプルで行い、1回目と2回目の燃焼時間、5本の燃焼時間の合計、綿着火の有無等から、UL−94VTM規格にしたがって、燃焼ランクをつけた。燃焼ランクは、難燃性の高い順に、VTM−0、VTM−1、VTM−2、規格外が存在する(VTM−0が最も高く、規格外が最も低い)。
<強度>
実施例、比較例で得られたフィルムを打ち抜き機によりダンベル形状(JIS K7127:1999タイプ5)に加工したものを測定サンプルとし、引張試験機(SHIMADZU製、AGS−X)を用いて引張強度を測定した。
<誘電特性>
フィルムの誘電率および誘電損失を平衡円板共振器法を用いて測定した。
<線膨張係数(CTE)>
熱機械分析装置(日立ハイテクノサイエンス製、TMA7000)を用いて測定した。
<屈曲性>
実施例、比較例で得られたフィルムを、カッターで長さ150mm、幅15mmの帯状に切り出したものを試験片とした。この試験片について、MIT試験機(東洋精機製作所製、型式DA)を用いて、JIS P8115に従い耐折性試験を実施した。試験荷重は9.8N、折り曲げ角度は135°、折り曲げ面のRは0.38mm、折り曲げ速度は毎分175回、折り曲げ回数は1000回とした。試験後のサンプルを目視観察し、ひびや破断が観察されない場合をA評価、観察された場合をB評価とした。
(製造例1:非晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物)
乾燥後、内部を窒素置換した撹拌機付き反応容器に、シクロヘキサン300質量部、1−へキセン0.5質量部、ジブチルエーテル0.15質量部、トリイソブチルアルミニウムの10質量%シクロヘキサン溶液1.5質量部を室温で入れた後、全容を40℃に加温した。次いで、全容を撹拌して40℃に保ちながら、このものに、テトラシクロドデセン70質量部およびジシクロペンタジエン30質量部の混合物と、六塩化タングステンの0.6質量%シクロヘキサン溶液11質量部を同時に連続的に添加して、重合反応を行った。次いで、ブチルグリシジルエーテル0.5質量部とイソプロピルアルコール0.2質量部を反応容器内に添加して重合反応を停止させた。得られた重合反応液の一部を用いて、環状オレフィン開環重合体の分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)は42,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.30であった。
得られた重合反応液400質量部を、撹拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、そこへ、ケイソウ土担持型ニッケル触媒(T8400RL、ニッケル担持率57%、ズードケミー触媒社製)4質量部を加え、水素圧4.5MPa、170℃で5時間水素添加反応を行った。次いで、反応溶液を濾過して水素化触媒を除去した後、濾液に、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1質量部を添加した。薄膜蒸発機(製品名「フィルムトルーダー」、Buss社製)を用いて、温度260℃(533°K)、圧力1kPa以下、滞留時間1.2時間の条件で、この溶液から揮発分を蒸発させ、テトラシクロドデセン−ジシクロペンタジエンの環状オレフィン開環重合体水素添加物を得た。
水素添加反応における水素転化率は99%以上であった。また、得られた環状オレフィン開環重合体水素添加物のガラス転移温度は142℃であった。なお、融点は観測されなかった。
(製造例2:結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物)
内部を窒素置換した金属製耐圧反応容器に、シクロヘキサン154.5質量部、ジシクロペンタジエン(エンド体含有率99質量%以上)のシクロヘキサン溶液(濃度70質量%)42.8質量部(ジシクロペンタジエンとして30質量部)、1−ヘキセン1.9質量部を加え、全容を53℃に加熱した。一方、テトラクロロタングステンフェニルイミド(テトラヒドロフラン)錯体0.014質量部を0.70質量部のトルエンに溶解して得られた溶液に、ジエチルアルミニウムエトキシドのn−ヘキサン溶液(濃度19質量%)0.061質量部を加えて10分間攪拌し、触媒溶液を調製した。この触媒溶液を上述した反応容器内に添加し、53℃で4時間、開環重合反応を行い、ジシクロペンタジエン開環重合体を含む溶液を得た。
得られたジシクロペンタジエン開環重合体を含む溶液200質量部に、停止剤として、1,2−エタンジオール0.037質量部を加えて、60℃で1時間攪拌し、重合反応を停止させた。その後、吸着剤であるハイドロタルサイト様化合物(協和化学工業社製、製品名「キョーワード(登録商標)2000」、)を1質量部加えて、60℃に加温し、1時間攪拌した。濾過助剤(昭和化学工業社製、製品名「ラヂオライト(登録商標)#1500」)を0.4質量部加え、PPプリーツカートリッジフィルター(ADVANTEC東洋社製、製品名「TCP−HX」)を用いて、吸着剤を濾別し、ジシクロペンタジエン開環重合体を含む溶液を得た。この溶液の一部を用いて、ジシクロペンタジエン開環重合体の分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)は28,100、数平均分子量(Mn)は8,750、分子量分布(Mw/Mn)は3.21であった。
上記精製処理後のジシクロペンタジエン開環重合体を含む溶液200質量部(重合体含有量30質量部)に、シクロヘキサン100質量部、水素化触媒としてのクロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム0.0043質量部を添加し、水素圧6MPa、180℃で4時間水素添加反応を行なった。反応液は、固形分が析出したスラリー液であった。反応液を遠心分離することにより、固形分と溶液とを分離し、固形分を、60℃で24時間減圧乾燥して、環状オレフィン(ジシクロペンタジエン)開環重合体水素添加物28.5質量部を得た。水素添加反応における水素添加率は99%以上、得られた環状オレフィン開環重合体水素添加物のガラス転移温度は98℃、融点は262℃、ラセモ・ダイアッドの割合(即ち、シンジオタクティシティー)は90%であった。
(難燃剤の準備)
以下の難燃剤を準備した。
<有機ホスフィン酸塩系難燃剤>
[有機ホスフィン酸塩系難燃剤(1)]
下記式(V)で示される化合物(トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、製品名「Exolit(登録商標)OP935」、融点300℃超)
Figure 2021107508
[有機ホスフィン酸塩系難燃剤(2)]
上記式(V)で示される化合物(トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、製品名「Exolit(登録商標)OP945」、融点300℃超、上記(1)よりも1次粒子径の小さい製品)
<縮合リン酸エステル系難燃剤>
下記式(VI)で示される化合物(ADEKA社製、製品名「FP−800」、融点65〜85℃、式(VI)中のnは2以上30以下の整数)
Figure 2021107508
(実施例1)
<成形材料の調製>
製造例2で得た結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物100質量部と、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(1)30質量部とを、二軸混練押出機(東芝機械社製、製品名「TEM−37BS」)で混練し、ストランド(棒状の溶融樹脂)を得た。得られたストランドをストランドカッターでカットして、ペレット状の成形材料を得た。二軸混練押出機の運転条件を以下に示す。
・バレル設定温度:270〜290℃
・スクリュー回転数:200rpm
・スクリュー径:37mm
・L/D:50
なお、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(1)は、二軸混練押出機のサイドフィーダーを用いて、混練中の環状オレフィン開環重合体水素添加物に添加した(サイドフィード。即ち、環状オレフィン開環重合体水素添加物を予混合し、予混合中の環状オレフィン開環重合体水素添加物に対し有機ホスフィン酸塩系難燃剤(1)を添加した。)
得られたペレット状の成形材料を用いて、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径および高温成形する際の金属腐食を評価した。結果を表1に示す。
<未延伸フィルムの製造>
上記のようにして得られたペレット状の成形材料を、Tダイを備える熱溶融押出しフィルム成形機に供給した。このフィルム成形機を用いて、前記の成形材料からなる長尺の未延伸フィルム(厚み150μm、幅120mm)を、2m/分の速度でロールに巻き取る方法にて製造した(工程(A))。前記のフィルム成形機の運転条件を、以下に示す。
・バレル温度設定:280℃〜290℃
・ダイ温度:270℃
・スクリュー回転数:30rpm
そして、得られた未延伸フィルムについて、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径を評価した。結果を表1に示す。
<延伸フィルムの製造>
得られた長尺の未延伸フィルムを、任意の部位で90mm×90mmの正方形に切り出した。この切り出しは、切り出された未延伸フィルムの正方形の辺が長尺の未延伸フィルムの長手方向又は幅方向に平行になるように行った。そして、切り出された未延伸フィルムを、小型延伸機(東洋精機製作所社製、EX10−Bタイプ)に設置した。この小型延伸機は、フィルムの四辺を把持しうる複数のクリップを備え、このクリップを移動させることによってフィルムを延伸できる構造を有している。この小型延伸機を用いて、未延伸フィルムを、長尺の未延伸フィルムの長手方向(MD方向)に対応する縦方向へ延伸倍率2倍で延伸し、その後、長尺の未延伸フィルムの幅方向(TD方向)に対応する横方向へ延伸倍率2倍で延伸して、原反フィルムとして延伸フィルムを得た(工程(B))。小型延伸機の運転条件を、以下に示す。
・延伸速度:10000mm/min
・延伸温度:100℃
次に、原反フィルムの四辺を固定しうるSUS製の枠を用意した。この枠に前記の原反フィルムの四辺を保持させることで、原反フィルムを緊張した状態にした。そして、この原反フィルムに、200℃で30秒間、オーブン内で加熱処理を行うことにより、原反フィルムに含まれる結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物を結晶化させた(工程(C))。
その後、フィルムの四辺を前記の小型延伸装置のクリップに把持させることにより、フィルムを小型延伸機に取り付けた。そして、温度200℃において、フィルムを平坦に維持しながらフィルムの緊張を緩和して、延伸フィルムを得た(工程(D))。この工程(D)では、小型延伸装置のクリップをフィルムの面内方向に移動させることで、クリップ間距離を縮小させ、フィルムの緊張を緩和させた。また、前記のクリップ間距離は、30秒間をかけて、フィルムの縦方向に3.0%、フィルムの横方向に4.0%縮小させた。
得られた延伸フィルムについて、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径、厚み、難燃性、強度、誘電特性、線膨張係数(CTE)および屈曲性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
成形材料の調製時に、製造例2で得た結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物に替えて製造例1で得た非晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物を使用すると共に有機ホスフィン酸塩系難燃剤(1)30質量部に替えて有機ホスフィン酸塩系難燃剤(2)20質量部を使用し、更に、延伸フィルムの製造時に、縦方向および横方向の延伸倍率をそれぞれ2.2倍に変更すると共に工程(C)および工程(D)を実施しなかった以外は実施例1と同様にして成形材料、未延伸フィルムおよび延伸フィルムを作製した。そして、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
成形材料の調製時に、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(1)30質量部に替えて有機ホスフィン酸塩系難燃剤(2)20質量部を使用し、未延伸フィルムの製造時に、未延伸フィルムの厚みを120μmとし、更に、延伸フィルムの製造時に、縦方向および横方向の延伸倍率をそれぞれ2.2倍に変更した以外は実施例1と同様にして成形材料、未延伸フィルムおよび延伸フィルムを作製した。そして、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
成形材料の調製時に、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(1)30質量部に替えて有機ホスフィン酸塩系難燃剤(2)15質量部を使用し、更に、延伸フィルムの製造時に、縦方向および横方向の延伸倍率をそれぞれ2.4倍に変更した以外は実施例1と同様にして成形材料、未延伸フィルムおよび延伸フィルムを作製した。そして、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
成形材料の調製時に、製造例2で得た結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物に替えて製造例1で得た非晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物を使用し、且つ、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(1)30質量部と共に縮合リン酸エステル系難燃剤10質量部を添加し、未延伸フィルムの製造時に、未延伸フィルムの厚みを130μmとし、延伸フィルムの製造時に、縦方向および横方向の延伸倍率をそれぞれ1.8倍に変更すると共に工程(C)および工程(D)を実施しなかった以外は実施例1と同様にして成形材料、未延伸フィルムおよび延伸フィルムを作製した。そして、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
成形材料の調製時に、製造例2で得た結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物に替えて製造例1で得た非晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物を使用すると共に有機ホスフィン酸塩系難燃剤(1)30質量部に替えて有機ホスフィン酸塩系難燃剤(2)20質量部を使用し、未延伸フィルムの製造時に、未延伸フィルムの厚みを30μmとし、更に、未延伸フィルムの延伸(工程(B)〜工程(D))を行わなかった以外は実施例1と同様にして成形材料および未延伸フィルムを作製した。そして、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
成形材料の調製時に、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(1)を、環状オレフィン開環重合体水素添加物と同時に二軸混練押出機内に投入(トップフィード)し、未延伸フィルムの製造時に、未延伸フィルムの厚みを30μmとし、更に、未延伸フィルムの延伸(工程(B)〜工程(D))を行わなかった以外は実施例1と同様にして成形材料および未延伸フィルムを作製した。そして、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
成形材料の調製時に、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(1)を、環状オレフィン開環重合体水素添加物と同時に二軸混練押出機内に投入(トップフィード)し、更に、未延伸フィルムの製造時に、未延伸フィルムの厚みを100μmとした以外は実施例1と同様にして成形材料、未延伸フィルムおよび延伸フィルムを作製した。そして、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
成形材料の調製を行わず、未延伸フィルムの製造時に、ペレット状の成形材料に替えて、製造例2で得た結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物を熱溶融押出しフィルム成形機に供給し、延伸フィルムの製造時に、縦方向および横方向の延伸倍率をそれぞれ3.0倍に変更した以外は実施例1と同様にして未延伸フィルムおよび延伸フィルムを作製した。そして、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2021107508
表1より、実施例1〜5の延伸フィルムは、難燃性および強度に優れていることが分かる。また、表1より、延伸を行わなかった比較例1のフィルムでは強度を十分に向上させることができないことが分かる。更に、表1より、延伸を行わず、且つ、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径が大きい比較例2のフィルム、および、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径が大きい比較例3の延伸フィルムでは、難燃性および強度の双方に劣ることが分かる。そして、表1より、難燃剤を配合しなかった比較例4のフィルムでは、十分な難燃性が得られないことが分かる。
本発明によれば、難燃性および強度に優れるフィルムを提供することができる。

Claims (7)

  1. 環状オレフィン開環重合体水素添加物および有機ホスフィン酸塩系難燃剤を含有する延伸フィルムであって、
    前記有機ホスフィン酸塩系難燃剤が、下記式(I):
    Figure 2021107508
    〔式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、
    a+は、a価の金属イオンを表し、
    aは、1以上3以下の整数を表す。〕で示される化合物と、下記式(II):
    Figure 2021107508
    〔式(II)中、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、
    Yは、2価の基を表し、
    b+は、b価の金属イオンを表し、
    b、cおよびdは、それぞれ、1以上3以下の整数を表し、さらに、b、cおよびdは、b×c=2×dを満たす。〕で示される化合物との少なくとも一方であり、
    前記有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径が10μm以下である、延伸フィルム。
  2. 厚みが40μm以下である、請求項1に記載の延伸フィルム。
  3. 前記環状オレフィン開環重合体水素添加物が結晶性を有する、請求項1または2に記載の延伸フィルム。
  4. 環状オレフィン開環重合体水素添加物および有機ホスフィン酸塩系難燃剤を含有するフィルムであって、前記有機ホスフィン酸塩系難燃剤が、下記式(I):
    Figure 2021107508
    〔式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、
    a+は、a価の金属イオンを表し、
    aは、1以上3以下の整数を表す。〕で示される化合物と、下記式(II):
    Figure 2021107508
    〔式(II)中、R3およびR4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基を表し、
    Yは、2価の基を表し、
    b+は、b価の金属イオンを表し、
    b、cおよびdは、それぞれ、1以上3以下の整数を表し、さらに、b、cおよびdは、b×c=2×dを満たす。〕で示される化合物との少なくとも一方であり、前記有機ホスフィン酸塩系難燃剤の平均分散径が10μm以下であるフィルムを準備する工程(A)と、
    前記フィルムを延伸して延伸フィルムを得る工程(B)と、
    を含む、延伸フィルムの製造方法。
  5. 前記延伸フィルムの厚みが40μm以下である、請求項4に記載の延伸フィルムの製造方法。
  6. 前記工程(B)の後に、前記延伸フィルムの緊張を緩和する工程(D)を更に含む、請求項4または5に記載の延伸フィルムの製造方法。
  7. 前記工程(B)の後に、前記延伸フィルムを、少なくとも二辺を保持して緊張させた状態で、前記環状オレフィン開環重合体水素添加物のガラス転移温度以上、融点以下の温度にし、前記環状オレフィン開環重合体水素添加物を結晶化させる工程(C)を更に含む、請求項4〜6の何れかに記載の延伸フィルムの製造方法。
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