JP6750251B2 - 難燃性樹脂組成物及び樹脂成形体 - Google Patents

難燃性樹脂組成物及び樹脂成形体 Download PDF

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Description

本発明は、難燃性に優れ、かつ、誘電率及び誘電正接が低い難燃性樹脂組成物、及びこの難燃性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体に関する。
従来、環状オレフィン系重合体は、透明性、低吸湿性、耐熱性、絶縁性、耐薬品性、耐衝撃性等に優れるため、成形材料等として広く用いられてきた。しかしながら、環状オレフィン系重合体を含む樹脂組成物の難燃性を向上させるために、難燃剤を添加して樹脂組成物を調製すると、環状オレフィン系重合体が本来有する上記特性が損なわれることがあった。
この問題を解決し得る樹脂組成物として、特許文献1には、特定のノルボルネン系重合体、及びハロゲン含有難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物が記載されている。この樹脂組成物は、ノルボルネン系重合体が本来有する、機械強度や耐薬品性を維持し、かつ、難燃性に優れるものとされている。
しかしながら、特許文献1に記載されている樹脂組成物のごとく、ノルボルネン系重合体及びハロゲン含有難燃剤を含有する樹脂組成物は、優れた難燃効果が得られるものの、樹脂成形時にハロゲン含有難燃剤が熱分解してハロゲン化水素が発生するため、作業環境の汚染、金型の腐食、樹脂の着色やゲル化等の問題が発生することがあった。さらに、これらのハロゲン含有難燃剤を含有する樹脂組成物は、その燃焼時には有害なダイオキシン系化合物が発生する懸念があり、また、欧州連合(EU)のRoHS指令で規制対象となっている物質を含むものもあり、特に電気電子用途ではハロゲンフリー難燃化への要望が多く、高周波回路基板の成形材料としては必ずしも適するものではなかった。
このため、難燃性に優れ、かつ、誘電率及び誘電正接が低い難燃性樹脂組成物が求められていた。
特開平11−140282号公報
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、難燃性に優れ、かつ、誘電率及び誘電正接が低い難燃性樹脂組成物、及び、この難燃性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく、環状オレフィン開環重合体水素添加物と難燃剤とを含有する樹脂組成物について鋭意検討した。その結果、難燃剤として縮合リン酸エステル系難燃剤を用いることで、誘電率や誘電正接が低い樹脂組成物が得られることが分かった。
しかしながら、縮合リン酸エステル系難燃剤は、環状オレフィン開環重合体水素添加物との相溶性や、環状オレフィン開環重合体水素添加物中における分散性に劣る傾向があり、混錬時に縮合リン酸エステル系難燃剤が分離することがあった。また、縮合リン酸エステル系難燃剤の分離を抑制するためにその添加量を減らすと、難燃性に優れる樹脂組成物が得られ難くなるという問題が生じた。
本発明者がさらに検討を重ねた結果、縮合リン酸エステル系難燃剤に加えて有機ホスフィン酸塩系難燃剤を用いることにより、縮合リン酸エステル系難燃剤の分離を抑制することができ、これにより、難燃性に優れ、かつ、誘電率及び誘電正接が低い難燃性樹脂組成物が得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
かくして本発明によれば、下記〔1〕〜〔5〕の難燃性樹脂組成物、及び下記〔6〕の樹脂成形体が提供される。
〔1〕環状オレフィン開環重合体水素添加物、縮合リン酸エステル系難燃剤、及び有機ホスフィン酸塩系難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物であって、前記縮合リン酸エステル系難燃剤が、下記式(1)
Figure 0006750251
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に、無置換又は置換基を有するアリール基を表し、Xは、アリーレン構造を有する2価の基を表す。aは2以上の整数である。)
で示される化合物であり、前記有機ホスフィン酸塩系難燃剤が、下記式(2)
Figure 0006750251
(式中、R、Rは、それぞれ独立に、無置換又は置換基を有するアルキル基、無置換又は置換基を有するアリール基を表し、Mb+は、b価の金属イオンを表し、bは1、2又は3である。)
又は下記式(3)
Figure 0006750251
(式中、R、Rは、それぞれ独立に、無置換又は置換基を有するアルキル基、無置換又は置換基を有するアリール基を表し、Yは、2価の基を表し、Mc+は、c価の金属イオンを表す。c、d及びeは、それぞれ独立に、1、2又は3であって、これらは、式:c×d=2×e、を満たすものである。)
で示される化合物であることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
〔2〕前記縮合リン酸エステル系難燃剤の融点が150℃以下である、〔1〕に記載の難燃性樹脂組成物。
〔3〕前記縮合リン酸エステル系難燃剤の含有量が、環状オレフィン開環重合体水素添加物100重量部に対して、1〜30重量部である、〔1〕又は〔2〕に記載の難燃性樹脂組成物。
〔4〕前記有機ホスフィン酸塩系難燃剤の融点が300℃以上である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
〔5〕前記有機ホスフィン酸塩系難燃剤の含有量が、環状オレフィン開環重合体水素添加物100重量部に対して、1〜30重量部である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
〔6〕前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体。
本発明によれば、難燃性に優れ、かつ、誘電率及び誘電正接が低い難燃性樹脂組成物、及びこの難燃性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体が提供される。
以下、本発明を、1)難燃性樹脂組成物、及び、2)樹脂成形体、に項分けして詳細に説明する。
1)難燃性樹脂組成物
本発明の難燃性樹脂組成物は、環状オレフィン開環重合体水素添加物、縮合リン酸エステル系難燃剤(以下、「難燃剤(α)」ということがある。)、及び有機ホスフィン酸塩系難燃剤(以下、「難燃剤(β)」ということがある。)を含有する難燃性樹脂組成物であって、難燃剤(α)が、前記式(1)で示される化合物であり、難燃剤(β)が、前記式(2)又は式(3)で示される化合物であることを特徴とする。
〔環状オレフィン開環重合体水素添加物〕
本発明に用いる環状オレフィン開環重合体水素添加物は、環状オレフィン開環重合体を水素添加反応に供して得られるものである。
環状オレフィン開環重合体は、環状オレフィンを単量体として用いて開環重合反応を行うことにより得られる重合体である。特に、本発明においては、単量体として、少なくもノルボルネン系単量体を用いて得られる重合体を意味する。
ここで、「環状オレフィン」とは、分子内に脂環式構造を有し、かつ、該脂環式構造内に炭素−炭素二重結合を有する化合物をいう。また、「ノルボルネン系単量体」とは、分子内にノルボルネン環構造を含む単量体をいう。
本発明においては、重合体成分として環状オレフィン開環重合体水素添加物を用いることにより、誘電率が低い難燃性樹脂組成物を効率よく得ることができる。
ノルボルネン系単量体としては、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006750251
式(4)中、R〜R12はそれぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;無置換又は置換基を有する炭素数1〜20の炭化水素基;又はケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換基;を表す。R〜R12の中から選ばれる2つの基が結合して環を形成していてもよい。mは0、1又は2である。
〜R12のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
〜R12の無置換の炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル(プロパルギル)基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等のアルキニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基等のアルキリデン基;等が挙げられる。
これらの置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;等が挙げられる。
また、RとR10、R11とR12又はRとR11は一緒になって環を形成していてもよい。
ノルボルネン系単量体の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:エチリデンノルボルネン)及びこれらの誘導体(環に置換基を有するものをいう。以下同じ)等の2環式単量体;
トリシクロ[4.3.01,6.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)及びこの誘導体等の3環式単量体;
7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)及びこの誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン及びこれらの誘導体等の4環式単量体;等が挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
環状オレフィン開環重合体が共重合体である場合、かかる共重合体は、ブロック共重合体であってもよいし、ランダム共重合体であってもよい。
環状オレフィン開環重合体は、前記ノルボルネン系単量体と単環の環状オレフィン単量体を用いて得られる共重合体であってもよい。
単環の環状オレフィン単量体としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の環状モノオレフィン及びこれらの誘導体;シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン等の環状ジオレフィン及びこれらの誘導体;等が挙げられる。
単環の環状オレフィン単量体の置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;プロパン−2−イリデン基等のアルキリデン基;フェニル基等のアリール基;ヒドロキシ基;酸無水物基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;等が挙げられる。
単環の環状オレフィン単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
単環の環状オレフィン単量体の使用量は特に限定されないが、環状オレフィン単量体全体に対して、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、用いないことがさらに好ましい。
環状オレフィン開環重合体は、メタセシス重合触媒を用いる公知の方法に従って、製造することができる。
メタセシス重合触媒としては、特に限定はなく、公知のものが用いられる。メタセシス重合触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金などから選ばれる金属の、ハロゲン化物、硝酸塩又はアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒系;チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン及びモリブデンから選ばれる金属のハロゲン化物又はアセチルアセトン化合物と、助触媒の有機アルミニウム化合物とからなる触媒系;シュロック型又はグラブス型のリビング開環メタセシス重合触媒(特開平7−179575号、J.Am.Chem.Soc.,1986年,108,p.733、J.Am.Chem.Soc.,1993年,115,p.9858、及びJ.Am.Chem.Soc.,1996年,118,p.100);等が挙げられる。
これらのメタセシス重合触媒は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。メタセシス重合触媒の使用量は、重合条件等により適宜選択すればよいが、環状オレフィン単量体1モルに対して、通常0.000001〜0.1モル、好ましくは、0.00001〜0.01モルである。
環状オレフィン単量体の開環重合を行う際は、分子量調節剤として、1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン等の炭素数4〜40の直鎖α−オレフィンを用いることができる。
直鎖α−オレフィンの添加量は、環状オレフィン単量体1モルに対して、通常0.001〜0.030モル、好ましくは0.003〜0.020モル、より好ましくは0.005〜0.015モルである。
環状オレフィン単量体の開環重合は、有機溶媒中で行うことができる。有機溶媒としては、重合反応に不活性なものであれば格別な制限はない。有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、ビシクロノナン等の脂環族炭化水素系溶媒;ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
重合温度は、特に限定されないが、通常−50〜250℃、好ましくは−30〜200℃、より好ましくは−20〜150℃である。重合時間は、重合条件により適宜選択されるが、通常30分から20時間、好ましくは1〜10時間である。
環状オレフィン開環重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、好ましくは15,000〜150,000、より好ましくは20,000〜100,000、さらに好ましくは23,000〜50,000である。
環状オレフィン開環重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されないが、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4である。
環状オレフィン開環重合体の重量平均分子量及び分子量分布が上記範囲内にあることで、十分な機械的強度を有する樹脂成形体が得られ易くなる。
環状オレフィン開環重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、テトラヒドロフランを展開溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値である。
後述するように、通常、水素添加反応においては立体規則性が維持されるため、立体規則性が高い環状オレフィン開環重合体を水素添加反応に供することにより結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物を効率よく得ることができる。結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物は、耐熱性、耐薬品性に優れる。また、結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物は、強化材と併用したときの補強効果が顕著であり、強化材と併用することで機械的強度や耐熱性が大幅に向上する。これらの特徴があることから、結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物を含有する難燃性樹脂組成物は、電気・電子部品用の成形材料として適する。
ここで、「結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物」は、示差走査熱量測定を行ったときに、融点が観測される重合体である。
立体規則性が高い環状オレフィン開環重合体を合成する場合は、用いるノルボルネン系単量体は、ジシクロペンタジエンが好ましい。ジシクロペンタジエンの使用量は、環状オレフィン単量体全体に対して、50重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、100重量%がさらに好ましい。
また、ノルボルネン系単量体には、エンド体及びエキソ体の立体異性体が存在するものがあるが、立体規則性が高い環状オレフィン開環重合体を合成する場合は、一方の立体異性体の割合を高くすることが好ましく、例えば、エンド体又はエキソ体の割合が、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが特に好ましい。なお、割合を高くする立体異性体は、合成容易性の観点から、エンド体であることが好ましい。
立体規則性が高い環状オレフィン開環重合体は、例えば、特開2014−162811号公報に記載の方法に従って合成することができる。
上記方法により得られた環状オレフィン開環重合体を水素添加反応(主鎖二重結合の水素化反応)に供することにより、環状オレフィン開環重合体水素添加物を得ることができる。
環状オレフィン開環重合体の水素添加反応は、例えば、水素化触媒の存在下で、反応系内に水素を供給することにより行うことができる。水素化触媒は、特に限定されず、オレフィン化合物の水素添加反応に一般に使用されている均一系触媒や不均一触媒を適宜使用することができる。
均一系触媒としては、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/n−ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/s−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメチルマグネシウム等の遷移金属化合物とアルカリ金属化合物の組み合わせからなる触媒系や、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリジンルテニウム(IV)ジクロリド、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の貴金属錯体触媒が挙げられる。
不均一触媒としては、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム等の金属触媒;ニッケル/シリカ、ニッケル/ケイソウ土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナ等の、前記金属をカーボン、シリカ、ケイソウ土、アルミナ、酸化チタンなどの担体に担持させてなる固体触媒が挙げられる。
水素添加反応は、通常、不活性有機溶媒中で行われる。このような不活性有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、デカヒドロナフタレン等の脂環族炭化水素;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;等が挙げられる。不活性有機溶媒は、通常は、開環重合反応に用いる溶媒と同じでよい。したがって、開環重合反応液にそのまま水素化触媒を添加したものを用いて水素添加反応を行うこともできる。
水素添加反応の好ましい反応条件は、使用する水素化触媒によっても異なるが、反応温度は通常−20℃〜+250℃、好ましくは−10℃〜+220℃、より好ましくは0℃〜200℃である。反応温度が低すぎると反応速度が遅くなりすぎる場合があり、高すぎると副反応が起こる場合がある。
水素圧力は、通常0.01〜20MPa、好ましくは0.05〜15MPa、より好ましくは0.1〜10MPaである。水素圧力が低すぎると水素化速度が遅くなりすぎる場合があり、高すぎると高耐圧反応装置が必要となる点において装置上の制約が生じる。反応時間は特に限定されないが、通常0.1〜10時間である。
水素添加反応における水素添加率(水素化された主鎖炭素−炭素二重結合の割合)は、特に限定されないが、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは99%以上である。水素添加率が高くなるほど、環状オレフィン開環重合体水素添加物の耐熱性がより向上する。
環状オレフィン開環重合体水素添加物の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、好ましくは15,000〜150,000、より好ましくは20,000〜100,000、さらに好ましくは23,000〜50,000である。
環状オレフィン開環重合体水素添加物の分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されないが、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4である。
環状オレフィン開環重合体水素添加物の重量平均分子量及び分子量分布が上記範囲内にあることで、十分な機械的強度を有する樹脂成形体が得られ易くなる。
環状オレフィン開環重合体水素添加物の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、先に説明したものと同様の方法により測定することができる。
環状オレフィン開環重合体水素添加物においては、通常、水素添加反応に供した環状オレフィン開環重合体が有する立体規則性が維持される。したがって、例えば、環状オレフィン開環重合体がシンジオタクチック立体規則性を有する重合体である場合、これを水素添加反応に供することにより、同様の立体規則性を有する環状オレフィン開環重合体水素添加物が得られる。
シンジオタクチック立体規則性を有する環状オレフィン開環重合体水素添加物のラセモ・ダイアッドの割合は特に限定されないが、通常55%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは65〜99%である。ラセモ・ダイアッドの割合が上記範囲内の環状オレフィン開環重合体水素添加物は、より結晶性が高いものであるため、この重合体を用いることで、耐熱性により優れる難燃性樹脂組成物を得ることができる。
環状オレフィン開環重合体水素添加物のラセモ・ダイアッドの割合は、13C−NMRスペクトルを測定し、該スペクトルデータに基づいて定量することができる。例えば、1,3,5−トリクロロベンゼン−d3/オルトジクロロベンゼン−d4の混合溶媒(体積比:2/1)を溶媒として、200℃で13C−NMR測定を行い、メソ・ダイアッド由来の43.35ppmのシグナルと、ラセモ・ダイアッド由来の43.43ppmのシグナルの強度比からラセモ・ダイアッドの割合を決定できる。
結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物において、融点の温度範囲は特に限定されないが、通常、200℃以上、好ましくは230〜290℃である。
このような融点を有する環状オレフィン開環重合体水素添加物は、成形性と耐熱性とのバランスにより優れる。環状オレフィン開環重合体水素添加物の融点は、そのシンジオタクチック立体規則性の度合い(ラセモ・ダイアッドの割合)を調節したり、用いる単量体の種類を選択したりすること等により、調節することができる。
本発明の難燃性樹脂組成物において、環状オレフィン開環重合体水素添加物は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔縮合リン酸エステル系難燃剤〕
本発明の難燃性樹脂組成物は、下記式(1)で示される縮合リン酸エステル系難燃剤〔難燃剤(α)〕を含有する。
本発明の難燃性樹脂組成物においては、難燃剤(α)を用いることで、誘電率及び誘電正接が低い難燃性樹脂組成物を効率よく得ることができる。
Figure 0006750251
式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、無置換又は置換基を有するアリール基を表し、Xは、アリーレン構造を有する2価の基を表す。aは2以上の整数を示す。
〜Rのアリール基としては、フェニル基、ビフェニリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等の、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
これらの置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;等が挙げられる。
Xのアリーレン構造を有する2価の基としては、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、ビフェニレン基、ビスフェノールA残基、ビスフェノールD残基、ビスフェノールAD残基、ビスフェノールS残基等が挙げられる。
aは、2以上の整数を表し、好ましくは2〜30の整数である。aが2以上の整数であることで、縮合リン酸エステル系難燃剤のブリードアウトが起き難い樹脂組成物を得ることができる。
これらの中でも、難燃剤(α)としては下記式(1a)又は(1b)で示される化合物が好ましい。
Figure 0006750251
式(1a)、(1b)中、aは、前記と同じ意味を表す。R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。
−R、−R、−R、−R、−R、−R、−R、−R(以下、「−R等」ということがある。)は、フェニル基中の任意の水素原子が炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよいことを表す。1つのフェニル基に含まれる−R等の数は0〜5である。1つのフェニル基に複数の−R等が存在する場合、それらは同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
−R、−R、−R、−R(以下、「−R等」ということがある。)は、フェニレン基中の任意の水素原子が炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよいことを表す。1つのフェニレン基に含まれる−R等の数は0〜4である。1つのフェニレン基に複数の−R等が存在する場合、それらは同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
難燃剤(α)の融点は150℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。難燃剤(α)の融点が150℃以下であることで、難燃性樹脂組成物の混練時に難燃剤(α)を融解した状態で樹脂に分散させることが可能となる。
難燃剤(α)の5%重量減少温度は、300℃以上が好ましく、350℃以上がより好ましい。環状オレフィン開環重合体水素添加物と添加剤等との混錬は、比較的高い温度で行われるため、5%重量減少温度が高い難燃剤(α)が好ましく用いられる
難燃性樹脂組成物に含まれる難燃剤(α)の量は、環状オレフィン開環重合体水素添加物100重量部に対して、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは5〜25重量部である。難燃剤(α)の量が少な過ぎるときは、難燃性に優れる樹脂組成物が得られないおそれがある。一方、難燃剤(α)の量が多過ぎるときは、難燃剤(α)が環状オレフィン重合体水素添加物とよく混ざらず、樹脂組成物が得られないおそれがある。
〔有機ホスフィン酸塩系難燃剤〕
本発明の難燃性樹脂組成物は、下記式(2)又は(3)で示される有機ホスフィン酸塩系難燃剤〔難燃剤(β)〕を含有する。
本発明の難燃性樹脂組成物においては、難燃剤(β)は、難燃剤として用いるのと同時に、難燃剤(α)を環状オレフィン開環重合体水素添加物に相溶化させるための相溶化剤としても用いられる。
すなわち、難燃剤(α)は、環状オレフィン開環重合体水素添加物との相溶性や、環状オレフィン開環重合体水素添加物中における分散性に劣る傾向があり、樹脂組成物中に十分な量の難燃剤(α)を含ませることができないという問題があったが、難燃剤(β)を共存させることにより、この問題を解消することができる。この結果、難燃性に優れ、かつ、誘電率及び誘電正接が低い難燃性樹脂組成物を得ることができる。
Figure 0006750251
式(2)中、R、Rは、それぞれ独立に、無置換又は置換基を有するアルキル基、無置換又は置換基を有するアリール基を表し、Mb+は、b価の金属イオンを表し、bは1、2又は3である。
Figure 0006750251
式(3)中、R、Rは、それぞれ独立に、無置換又は置換基を有するアルキル基、無置換又は置換基を有するアリール基を表し、Yは、2価の基を表し、Mc+は、c価の金属イオンを表す。c、d及びeは、それぞれ独立に、1、2又は3であって、これらは式:c×d=2×e、を満たすものである。
〜Rの無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基等の炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
〜Rの無置換のアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等の炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
これらの置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;等が挙げられる。
b+としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等の1価の金属イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン等の2価の金属イオン、アルミニウムイオン等の3価の金属イオンが挙げられる。
c+としては、Mb+として示したものと同様のものが挙げられる。
Yの2価の基としては、メチレン基、エチレン、トリメチレン基等の炭素数1〜6のアルキレン基;1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,5−ナフチレン基、ビフェニレン基等の炭素数6〜20の2価のアリーレン基;等が挙げられる。
これらの中でも、難燃剤(β)としては式(2)で示される化合物が好ましい。
式(2)で示される化合物としては、ビス(ジメチルホスフィン酸)亜鉛、ビス(ジエチルホスフィン酸)亜鉛、トリス(ジメチルホスフィン酸)アルミニウム、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム等が挙げられる。
難燃剤(β)の融点は300℃以上が好ましく、350℃以上がより好ましい。難燃剤(β)の融点が300℃以上であることで、難燃性樹脂組成物の混練時に難燃剤(β)を固体の状態で樹脂に分散させることが容易になる。難燃剤(β)は、固体の状態で樹脂中に分散することで、上記の相溶化剤としての効果がより発揮される。
難燃剤(β)の5%重量減少温度は、300℃以上が好ましく、350℃以上がより好ましい。環状オレフィン開環重合体水素添加物と添加剤等との混錬は、比較的高い温度で行われるため、5%重量減少温度が高い難燃剤(β)が好ましく用いられる
難燃性樹脂組成物に含まれる難燃剤(β)の量は、環状オレフィン開環重合体水素添加物100重量部に対して、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは5〜25重量部である。難燃剤(β)の量が少な過ぎるときは、難燃剤(α)の環状オレフィン開環重合体水素添加物に対する相溶性を高めることができない場合がある。一方、難燃剤(β)の量が多過ぎるときは、樹脂組成物の誘電正接が高くなるおそれがある。
〔ドリップ防止剤〕
本発明の難燃性樹脂組成物は、ドリップ防止剤を含有していてもよい。
ドリップ防止剤は、難燃剤(α)や難燃剤(β)と併用することで燃焼時の液滴の落下(ドリップ)を抑制し、難燃性樹脂組成物の難燃性を高める化合物である。ドリップ防止剤としては、フェノール系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、ドリップ防止効果が高いことから、フッ素系樹脂が好ましい。フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロポリプロピレン)共重合体、(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル)共重合体、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体、(ヘキサフルオロポリプロピレン/プロピレン)共重合体、ポリビニリデンフルオライド、(ビニリデンフルオライド/エチレン)共重合体等が挙げられる。これらの中でもポリテトラフルオロエチレン、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体が好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物がドリップ防止剤を含有する場合、難燃性樹脂組成物中のドリップ防止剤の含有量は、環状オレフィン開環重合体水素添加物100重量部に対して、通常0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜3重量部である。
〔その他の成分〕
本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の効果を妨げない範囲において、その他の公知の添加剤を含有していてもよい。
かかる添加剤としては、充填材、酸化防止剤、離型材、難燃剤(α)や難燃剤(β)以外の難燃剤、抗菌剤、カップリング剤、可塑剤、着色剤、滑剤、シリコンオイル、発泡剤、界面活性剤、光安定剤、分散剤、分散助剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶化核剤、防曇剤、中和剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止材、熱可塑性エラストマー、繊維状強化材(ガラス繊維、炭素繊維、合成繊維、セラミック繊維、ウィスカー)、板状強化材(マイカ、タルク、クレー、ガラスフレーク)、粒状強化材(金属酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ガラスビーズ、カーボンブラック)等が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの添加剤の含有量は特に制限されず、本発明の効果を損なわない範囲で、添加する目的に応じて適宜定めることができる。
〔難燃性樹脂組成物〕
本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、公知の方法を利用することができる。例えば、前記環状オレフィン開環重合体水素添加物、難燃剤(α)、難燃剤(β)、必要に応じて配合するその他の添加剤を混合することにより、本発明の難燃性樹脂組成物を得ることができる。
混合する方法は、各成分が十分に混ざるものであれば、特に限定されない。なかでも、結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物を用いる場合、十分に混合された難燃性樹脂組成物が得られ易いことから、溶融状態で混錬する方法が好ましい。
溶融状態で混練する場合には、環状オレフィン開環重合体水素添加物のガラス転移温度+50℃からガラス転移温度+150℃の範囲の温度で混錬することが好ましい。温度が低すぎると粘度が高くなり混練が困難であり、温度が高すぎると環状オレフィン開環重合体水素添加物やその他の成分が劣化し易くなる。
混練後は、溶融状態で棒状に押し出し、ストランドカッターで適当な長さに切断することで、難燃性樹脂組成物のペレットを得ることができる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃性に優れるものである。本発明の難燃性樹脂組成物は、UL94に基づいて燃焼性試験を行ったときに、V−2グレード以上であることが好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物は、誘電率及び誘電正接が低いものである。本発明の難燃性樹脂組成物は、実施例に記載の方法で測定したときに、誘電率は2.5未満が好ましく、誘電正接は0.002未満が好ましい。
2)樹脂成形体
本発明の樹脂成形体は、本発明の難燃性樹脂組成物を成形してなるものである。
成形方法は特に限定されず、射出成形法、圧縮成形法、押出成形法等の公知の成形方法を利用することができる。
本発明の樹脂成形体は特に限定されないが、本発明の難燃性樹脂組成物の特徴を十分に生かすことができることから、送電ケーブル用被覆材(プラスチック絶縁電線、電力ケーブル、市内・市外ケーブル、局内ケーブル、広帯域ケーブル、高周波同軸ケーブル、高周波同軸(管)給電線及びだ円導波管、通信用電線・ケーブル等);一般回路基板(硬質プリント基板、フレキシブルプリント基板、多層プリント配線板等);高周波回路基板(衛星通信機器用回路基板等);自動車外装部材(ボンネット、トランクドア、ドア、フェンダー、グリル等);エアーインテーク、エンジンカバー等のエンジン部材;ヘッドランプの筐体、リアランプの筐体、リフレクタ、エクステンションリフレクタ等の車両用灯具部材;インパネ、シート筐体等の自動車内装部品;自動車用モーターケース、センサケース、モジュール部品ケース、燃料電池スタックのセパレータなどの自動車部品;パワーアシスト電池用部材等の自転車用部材;パワーアシスト、産業用ロボット、電動車いす用部材等のロボット部品の筐体;航空機内装部材;船体用部材;テレビ、冷蔵庫、エアーコンディショナー、扇風機、加湿器、除湿器、乾燥洗濯機、食器洗い機、電子レンジ、炊飯器、電子ジャーポット、ドライヤー等の家電部品;パソコン、プリンタ、コピー機、電話、ファックス、オーディオ機器、カメラ、ゲーム機、ハードディスクドライブ、携帯電話、スマートフォン等の電子製品の筐体;コネクター、リレー、コンデンサ、センサー、アンテナ、ICトレイ、シャーシ、コイル封止、モーターケース、電源ボックス等の電子部品;大型液晶表示装置の液晶ディスプレイのバックライトの光源照明器具;携帯電話、スマートフォン、タブレット等の小型電子機器の液晶ディスプレイのバックライトの光源照明器具;道路交通表示板等の電光表示板の光源として用いられるLEDの反射体;光学レンズ鏡筒;プリント配線板積層用離型フィルム;太陽電池用基板;包装用、梱包用フィルム;LEDモールド材;ポンプケーシング、インペラ、配管継ぎ手、浴槽、浄化槽、浴室パネル、エクステリアパネル、窓のサッシレール、窓断熱材、洗面ボール等の住設部品;輸液容器、薬液層、薬液配管、ガス配管、コンテナ、パレット、ラック柱等の工業用部材として用いることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。また、下記の実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特に断りのない限り、重量基準である。
各例における測定は、以下の方法により行った。
〔ガラス転移温度及び融点〕
示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度が10℃/分の条件で示差走査熱量測定を行い、重合体のガラス転移温度及び融点を測定した。
〔重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)〕
テトラヒドロフランを溶媒として、40℃でゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を行い、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)をポリスチレン換算値として求めた。
測定装置:ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)システム「HLC−8220」(東ソー社製)
カラム:「Hタイプカラム」(東ソー社製)
〔不飽和結合の水素添加率〕
H−NMR測定に基づいて、重合体中の不飽和結合の水素添加率を求めた。
〔添加剤〕
用いた難燃剤は、以下のとおりである。
縮合リン酸エステル系難燃剤(B1):ADEKA社製、商品名:FP−800、融点65〜85℃、下記式(5)で示される化合物
Figure 0006750251
縮合リン酸エステル系難燃剤(B2):ADEKA社製、商品名:FP−600、25℃で液体、下記式(6)で示される化合物
Figure 0006750251
縮合リン酸エステル系難燃剤(B3):大八化学工業社製、商品名:PX−200、融点95℃、下記式(7)で示される化合物
Figure 0006750251
有機ホスフィン酸塩系難燃剤(C1):クラリアント社製、商品名:Exolit OP 935、融点300℃超、下記式(8)で示される化合物
Figure 0006750251
メラミン系難燃剤(D1):BASF社製、商品名:MELAPUR200/70、融点400℃超、下記式(9)で示される化合物
Figure 0006750251
〔製造例1〕〔ジシクロペンタジエン開環重合体水素添加物の合成〕
内部を窒素置換した金属製耐圧反応容器に、シクロヘキサン154.5部、ジシクロペンタジエン(エンド体含有率99%以上)のシクロヘキサン溶液(濃度70%)42.8部(ジシクロペンタジエンとして30部)、1−ヘキセン1.9部を加え、全容を53℃に加熱した。
一方、テトラクロロタングステンフェニルイミド(テトラヒドロフラン)錯体0.014部を0.70部のトルエンに溶解して得られた溶液に、ジエチルアルミニウムエトキシドのn−ヘキサン溶液(濃度19%)0.061部を加えて10分間攪拌し、触媒溶液を調製した。この触媒溶液を前記反応器内に添加し、53℃で4時間、開環重合反応を行い、ジシクロペンタジエン開環重合体を含む溶液を得た。
得られたジシクロペンタジエン開環重合体を含む溶液200部に、停止剤として、1,2−エタンジオール0.037部を加えて、60℃で1時間攪拌し、重合反応を停止させた。その後、ハイドロタルサイト様化合物(製品名「キョーワード(登録商標)2000」、協和化学工業社製)を1部加えて、60℃に加温し、1時間攪拌した。濾過助剤(製品名「ラヂオライト(登録商標)#1500」昭和化学工業社製)を0.4部加え、PPプリーツカートリッジフィルター(製品名「TCP−HX」、ADVANTEC東洋社製)を用いて、吸着剤を濾別し、ジシクロペンタジエン開環重合体を含む溶液を得た。
この溶液の一部を用いて、ジシクロペンタジエン開環重合体の分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)は28,100、数平均分子量(Mn)は8,750、分子量分布(Mw/Mn)は3.21であった。
精製処理後の、ジシクロペンタジエン開環重合体を含む溶液200部(重合体含有量30部)に、シクロヘキサン100部、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム0.0043部を添加し、水素圧6MPa、180℃で4時間水素添加反応を行なった。反応液は、固形分が析出したスラリー液であった。
反応液を遠心分離することにより、固形分と溶液とを分離し、固形分を、60℃で24時間減圧乾燥し、ジシクロペンタジエン開環重合体水素添加物(A1)28.5部を得た。
ジシクロペンタジエン開環重合体水素添加物(A1)の水素添加率は99%以上、ガラス転移温度は98℃、融点は262℃であった。
〔実施例1〕
製造例1で得たジシクロペンタジエン開環重合体水素添加物(A1)100部、縮合リン酸エステル系難燃剤(B1)10部、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(C1)10部を、小型二軸混練押出機(テクノベル社製 KZW15−30MG)で混練し、ストランド(棒状の溶融樹脂)を得た後、これをストランドカッターでカットして、ペレット状(粒状)の樹脂組成物を得た。
小型二軸混練機の運転条件を以下に示す。
・バレル設定温度:270〜290℃
・スクリュー回転数:90〜100rpm
・スクリュー径:15mm
・L/D:40
次いで、上記方法により得られたペレット状の樹脂組成物を、離形処理を施した所定の形状の金型に充填した後、温度280℃、圧力3MPaで熱プレスすることにより、厚さ1.5mmの樹脂成形体を得た。
〔実施例2〕
有機ホスフィン酸塩系難燃剤(C1)を20部用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。
〔実施例3〕
縮合リン酸エステル系難燃剤(B1)を20部用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。
〔実施例4〕
縮合リン酸エステル系難燃剤(B1)に代えて縮合リン酸エステル系難燃剤(B2)10部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。
〔比較例1〕
難燃剤を加えずに、ジシクロペンタジエン開環重合体水素添加物(A1)100部のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。
〔比較例2〕
有機ホスフィン酸塩系難燃剤(C1)を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。
〔比較例3〕
縮合リン酸エステル系難燃剤(B1)を20部加えたこと、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(C1)を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして二軸混練を行ったが、難燃剤と樹脂が分離してしまったため、ペレット状(粒状)の樹脂組成物が得られなかった。
〔比較例4〕
縮合リン酸エステル系難燃剤(B1)を加えなかったこと、有機ホスフィン酸塩系難燃剤(C1)を30部加えたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。
〔比較例5〕
有機ホスフィン酸塩系難燃剤(C1)の代わりに、メラミン系難燃剤(D1)10部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。
〔比較例6〕
縮合リン酸エステル系難燃剤(B1)の代わりに、縮合リン酸エステル系難燃剤(B3)10部を用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。
各例で得られた樹脂成形体について、難燃剤のブリードアウト、難燃性、誘電率、及び誘電正接を以下の方法により評価した。これらの結果を第1表に示す。
〔難燃剤のブリードアウト〕
実施例、比較例で得られた厚さ1.5mmの樹脂成形体を、ホットカッターで1辺100mmの正方形に切り出し、これを試験片とした。この試験片を150℃のオーブン中に12時間静置した後、これを室温に冷却した。この試験片について外観観察及び触感評価を行い、難燃剤のブリードアウトの有無を調べた。
〔難燃性〕
実施例、比較例で得られた厚さ1.5mmの樹脂成形体を、ホットカッターで幅13mm、長さ125mmの帯状に切り出し、これを試験片とした。試験片をクランプで垂直に固定するとともに、その下に綿を配置した。試験片の下端にバーナーの火を10秒間接炎させた後で炎を取り除き、試験片に着火した火が消えるまでの時間を測定した。次に、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行い、1回目と同様にして着火した火が消えるまでの時間を測定した。また、燃焼時に落下する火種により試験片の下に配置した綿が着火するか否かについても評価した。
1回目と2回目の燃焼時間、綿着火の有無等からUL−94V規格にしたがって、燃焼ランクをつけた。燃焼ランクは規格外、V−2、V−1、V−0の順に難燃性が高くなる。
〔誘電率・誘電正接〕
実施例、比較例で得られた厚さ1.5mmの樹脂成形体を、ホットカッターで1辺50mmの正方形に切り出し、これを試験片とした。この試験片について、ベクトルネットワークアナライザ(Agilent Technologies社製 PNA)を用いて、平衡形円板共振器法により、10〜70GHz帯域の誘電率と誘電正接を測定し、以下の基準により評価した。
誘電率
○:全ての測定点において2.5未満
×:2.5以上の測定点が存在する。
誘電正接
○:全ての測定点において0.002未満
×:0.002以上の測定点が存在する。
Figure 0006750251
第1表から以下のことが分かる。
実施例1〜4で得られた樹脂組成物は、UL94に基づく燃焼性試験における評価がV−2であり、難燃性に優れている。また、これらの樹脂組成物は、いずれも誘電率、誘電正接が低く、電気特性に優れている。
一方、比較例1は、ジシクロペンタジエン開環重合体水素添加物単独での結果であり、この重合体は難燃性が十分でないことがわかる。
また、有機ホスフィン酸塩系難燃剤を用いない場合、難燃性に劣る樹脂組成物が得られるか(比較例2)、混錬時に縮合リン酸エステル系難燃剤が分離し、目的の樹脂組成物が得られない(比較例3)。
比較例4で得られた樹脂組成物は、難燃剤として有機ホスフィン酸塩系難燃剤のみを含有するものである。この樹脂組成物は、難燃性に劣り、また、誘電正接が高い。
比較例5で得られた樹脂組成物は、有機ホスフィン酸塩系難燃剤の代わりに、同じような高融点の難燃剤であるメラミン系難燃剤を含有するものである。この樹脂組成物は、誘電率及び誘電正接が高く、電気特性に劣っている。
比較例6で得られた樹脂組成物は、縮合リン酸エステル系難燃剤として分子量が小さい化合物を含有するものである。この樹脂組成物においては難燃剤のブリードアウト現象が見られる。

Claims (6)

  1. 結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物、縮合リン酸エステル系難燃剤、及び有機ホスフィン酸塩系難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物であって、
    前記結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物のラセモ・ダイアッドの割合が55%以上であり、
    前記縮合リン酸エステル系難燃剤が、下記式(1)
    Figure 0006750251
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に、無置換又は置換基を有するアリール基を表し、Xは、アリーレン構造を有する2価の基を表す。aは2以上の整数である。)
    で示される化合物であり、
    前記有機ホスフィン酸塩系難燃剤が、下記式(2)
    Figure 0006750251
    (式中、R、Rは、それぞれ独立に、無置換又は置換基を有するアルキル基、無置換又は置換基を有するアリール基を表し、Mb+は、b価の金属イオンを表し、bは、1、2又は3である。)
    又は下記式(3)
    Figure 0006750251
    (式中、R、Rは、それぞれ独立に、無置換又は置換基を有するアルキル基、無置換又は置換基を有するアリール基を表し、Yは、2価の基を表し、Mc+は、c価の金属イオンを表す。c、d及びeは、それぞれ独立に、1、2又は3であって、これらは式:c×d=2×e、を満たすものである。)
    で示される化合物であることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 前記縮合リン酸エステル系難燃剤の融点が150℃以下である、請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記縮合リン酸エステル系難燃剤の含有量が、結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物100重量部に対して、1〜30重量部である、請求項1又は2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記有機ホスフィン酸塩系難燃剤の融点が300℃以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 前記有機ホスフィン酸塩系難燃剤の含有量が、結晶性の環状オレフィン開環重合体水素添加物100重量部に対して、1〜30重量部である、請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体。
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