以下、本発明の一実施形態に係る電気掃除機1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、電気掃除機1の全体構成について概略を説明した後、要部についてさらに詳細に説明する。なお、以下の説明においては、特に断りの無い限り上下方向、幅方向等の位置関係については、図1に示すように電気掃除機1を立設させた状態を基準として説明する。
≪電気掃除機1の全体構成について≫
図1〜図3に示すように、電気掃除機1は、スティック状(縦型)の外観を有する掃除機である。電気掃除機1は、例えば、充電式のものや、電源コードを介して外部電源から電力を得るものとすることができる。図1に示すように、電気掃除機1は、掃除機本体10、集塵部20(集塵装置)、管部30(管部)、及び吸込具40を備えている。
掃除機本体10は、電気掃除機1の本体をなし、吸引力を発揮して集塵する機能を発揮する部分である。具体的には、図2に示すように、掃除機本体10は、筐体をなす本体ケース12の内部に、空気を吸引して気流を発生させるための電動送風機14やその他の電子部品を駆動する駆動回路、その他の部品等を備えている。
また、掃除機本体10は、把持部16を備えている。把持部16は、電気掃除機1の使用者が掃除機本体10を把持するために設けられた部分である。すなわち、電気掃除機1は、例えば把持部16により構成された開口部分に使用者が親指を除く指を通す等することにより、掃除機本体10を把持できる構成とされている。より具体的には、掃除機本体10の一端側には、バッテリー17aが配されるバッテリー部17が設けられ、把持部16の一端がバッテリー部17と接続され、バッテリー部17と離れるよう延在し、把持部16の他端が電動送風機14より前側に接続される。掃除機本体10は、把持部16側に、電動送風機14から排出された空気を排出する排気口15を有する。排気口15は、把持部16により形成された開口部分に面するよう設けられ、把持部16を把持する使用者の手に直接に排気風が当たらないよう、把持部16より側方へと排気風を案内する。
集塵部20は、電気掃除機1により吸引された塵芥が集められる部分である。集塵部20は、掃除機本体10に対して連続するように設けられている。集塵部20に沿った下端側には、管部30または吸込具40を接続するための管接続部22が設けられている。管接続部22は、管部30、吸込具40または各種アタッチメントと接続可能な接続開口と、集塵部20の第一流入口68と接続可能な集塵部側開口とを有する。集塵部20は、電気掃除機1において特徴的な部分であるため、具体的な構造については後に詳述する。
管部30は、掃除機本体10と吸込具40とを着脱可能に接続する筒状の部材である。管部30は、一端側が管接続部22に差し込み可能な形状とされ、他端が吸込具40に対して接続可能な形状とされている。管部30を介して掃除機本体10と吸込具40とを接続することにより、吸込具40から掃除機本体10に至る一連の連通した経路(風路)を形成できる。
吸込具40は、ケース体42と、継手部44とを備えている。また、図8〜図16等に示すように、吸込具40は、ケース体42の底部に吸込口43を有すると共に、ケース体42の内部に回転清掃体46や、清掃体駆動機構48等の部材を備えている。ケース体42は、清掃時に床に配置される部分であり、清掃時にユーザにより動作される方向である前後方向に対して、左右方向に長い形状を有する。ケース体42の内部には、床面側を開口端とし、外部から空気や塵埃を吸い込むための吸込空間が形成されている。また、継手部44は、ケース体42に対して所定の回転範囲(前後方向および左右方向)で回転可能に取り付けられている。継手部44は、上述した管部30の端部が接続される部分である。継手部44は、筒状とされており、内部空間が吸込空間と連通している。継手部44は、直立姿勢とすることによりケース体42側と嵌合した状態になるものとされている。吸込具40についても、特徴的な部分については、後に詳細に説明する。
電気掃除機1は、大略、上述したような構成とされている。電気掃除機1は、集塵部20や、吸込具40等、各部に特徴的な構造を備えたものとされている。以下、電気掃除機1の各部の構造について、さらに詳細に説明する。
≪集塵部20の構成について≫
以下、集塵部20について、図3〜図6を参照しつつ詳細に説明する。集塵部20は、掃除機本体10に対して着脱可能に設けられている。集塵部20は、集塵容器50と、遠心分離部100と、フィルタ70(図5では省略)と、フィルタ支持部80と、カバー部90とを備えている。集塵部20は、いわゆるサイクロン式の集塵装置とされている。すなわち、集塵部20は、集塵容器50に設けられた流入口(第一流入口68)から空気を導入し、集塵容器50内で旋回気流を形成した後、空気を排出させる過程において集塵できるものとされている。また、集塵部20は、いわゆる単段分離方式のものや、三段以上の複数段の分離方式を採用できるが、本実施形態ではいわゆる二段遠心分離方式を採用したものとされている。そのため、集塵部20は、二段階分の遠心分離を行うことにより、小さい塵埃と大きい塵埃とに遠心分離して集塵できる。
集塵容器50は、外側容器52、内側容器54、底部58、及び蓋部106を備えた容器である。集塵容器50は、外側容器52の内側に内側容器54を配置すると共に、外側容器52の軸線方向一方側(底側)に底部58を取り付けて閉塞し、外側容器52の軸線方向他方側(上端側)に蓋部106を取り付けたものである。
外側容器52は、円筒形の容器である。外側容器52は、その軸線方向中間部にある区画壁60(傘状部)を介して、軸線方向一方側(底側)の集塵室62と、他方側(上端側)の遠心分離室64とに分かれている。区画壁60は、遠心分離室64内に形成される旋回気流によって、集塵室62内の塵埃が舞い上がるのを抑制することができる。
区画壁60は、傘状に形成されている。区画壁60は、外側容器52の径方向内側(軸心側)から外側に向けて下り勾配となるように形成されている。区画壁60は、径方向中央部(軸心側)に内側開口66aを有し、周方向に外側開口66b(図4参照)を有する。外側容器52は、内側開口66a及び外側開口66bを介して、集塵室62と遠心分離室64と連通するように形成されている。すなわち、内側開口66aは、遠心分離部100の底側と連通するように形成された略円形の開口である。外側開口66bは、内側開口66aよりも径方向外側に存在し、区画壁60の一部を切り欠いて形成された開口である。
図3及び図4に示すように、外側容器52は、外周部に第一流入口68を有する。第一流入口68は、外側容器52の軸線方向中間部(区画壁60よりも遠心分離室64側)において開口している。そのため、第一流入口68は、遠心分離室64に対して連通している。第一流入口68は、外側容器52の外面から筒状に延びる流入部68aにおいて矩形に開口している。この流入部68aは、周方向の端部から中央側に向けて傾斜するよう延びている。また、第一流入口68は、後述する遠心分離部100の遠心分離外筒102が備えている外周ガイドリブ116に対応する位置に設けられ、外周ガイドリブ116は、流入部68aとともに風路の一部を構成するよう、外側容器52の内周面に当接するよう延びている。これにより、外側容器52は、第一流入口68を介して、遠心分離室64の内部に、外側容器52の内周面に沿って空気を流入可能なものとされ、空気が一方向に流れ易いよう外周ガイドリブ116によって方向を規定している。
内側容器54は、外側容器52の内側に配される容器である。内側容器54は、区画壁60よりも下方にある集塵室62内に配置されている。内側容器54は、外側容器52と軸心位置が略一致するように配置されている。内側容器54は、集塵室62の内部空間を外側集塵室72と、内側集塵室74とに分けている。内側容器54は、軸線方向一端側(底側)において開放されている。また、内側容器54は、軸線方向他端側(上端側)において区画壁60に設けられた内側開口66aと連通している。
内側容器54は、上端側から軸線方向中途部までテーパー状に縮径した内側容器縮径部76を有する。また、内側容器54は、内側容器縮径部76よりも下方側において、開口径が略均一な筒状の形状とされている。内側容器54は、後に詳述する第一シール部S1を介して、遠心分離部100の遠心分離外筒102と気密に接続されている。
底部58は、集塵容器50の底部(集塵室62側)を閉塞するものである。底部58は、集塵容器50の底部を開閉可能なものとされている。本実施形態では、図4に示すように、底部58は、ヒンジ82を介して集塵容器50に対して接続されている。また、底部58は、ヒンジ82に対して集塵容器50の径方向反対側にあるロック部84により、集塵容器50の底部を閉塞した状態において集塵容器50に対して固定可能とされている。
底部58には、旋回抑制リブ86が設けられている。旋回抑制リブ86は、底部58により集塵容器50の底部を閉塞した状態において、内側容器54と外側容器52との間に形成される外側集塵室72の内側に配置されるように設けられている。また、旋回抑制リブ86は、底部58の近傍に形成される旋回気流により、外側集塵室72に集塵された塵埃が旋回することを抑制するためのリブである。旋回抑制リブ86は、底部58の内面(底部58を閉じた状態において集塵容器50の内側に向く面)から、集塵容器50の軸線方向に突出するよう設けられている。また、旋回抑制リブ86は、集塵容器50の軸線周り方向(周方向)に複数(本実施例では4つ)設けられている。また、底部58の内面には、第二シール部材88が設けられている。第二シール部材88は、後に詳述する第二シール部S2を構成するものである。底部58を閉じると、第二シール部材88が内側容器54の下端部に対して密接し、内側容器54を気密に閉塞することができる。
遠心分離部100は、塵埃を遠心分離する部分である。遠心分離部100は、遠心分離外筒102、遠心分離内筒104、蓋部106、及び支持部108を備えている。
遠心分離外筒102は、遠心分離内筒104を収容可能な筒体である。遠心分離外筒102は、小孔114、外周ガイドリブ116(図3参照)、及び位置決め突起118を周面に備えている。遠心分離外筒102は、集塵容器50の外側容器52との間に第一遠心分離室110を形成すると共に、内側に第二遠心分離室112を形成する部材である。
第一遠心分離室110は、上述した集塵容器50の外側容器52に設けられた第一流入口68を介して外側から空気流導入可能とされている。第一遠心分離室110は、遠心分離外筒102と、集塵容器50の外側容器52との間に形成された環状の空間である。第一遠心分離室110は、第一流入口68から遠心分離外筒102の接線方向に空気を流入させることで、旋回気流を発生させることができる。これにより、導入された空気中に含まれている比較的大きな塵埃を遠心分離すること(第一遠心分離)ができる。第一遠心分離によって空気中から分離された比較的大きな塵埃は、第一遠心分離室110の底をなす区画壁60に向けて落下する。区画壁60に落下してきた塵埃は、区画壁60に設けられた外側開口66bを介し、区画壁60の下方に設けられた外側集塵室72に落下して回収される。
小孔114は、遠心分離外筒102の周面に多数設けられている。小孔114は、遠心分離外筒102の外側に形成された第一遠心分離室110と、内側に形成された第二遠心分離室112とに亘って連通している。そのため、遠心分離部100は、第一遠心分離室110において大きな塵埃が回収された空気を、小孔114を介して第二遠心分離室112に導入することができる。
外周ガイドリブ116は、遠心分離外筒102の周面であって、上述した集塵容器50の外側容器52に設けられた第一流入口68に対応する位置に設けられている。外周ガイドリブ116は、第一流入口68から第一遠心分離室110の内側に流入した空気が、遠心分離外筒102の外周面や外側容器52の内周面に沿って、軸心周り方向の所定方向に流れるように誘導するものである。
図5,7に示すように、位置決め突起118は、遠心分離外筒102の外周面から、径方向外側に向けて突出するように設けられた突起である。位置決め突起118は、遠心分離部100を集塵容器50に装着したときに、集塵容器50の外側容器52に設けられた突起受部52aに嵌ることにより、遠心分離外筒102が集塵容器50に対して周方向に回るのを規制することができる。
遠心分離内筒104は、遠心分離外筒102の内側に形成される第二遠心分離室112内に配置される。遠心分離内筒104は、複数(本例では5本)設けられている。遠心分離内筒104は、第二遠心分離室112内において、軸心周り方向(周方向)に略均等に配置されている。また、複数(本実施形態では5本)の遠心分離内筒104が、環状に形成された上壁部120により、上端側にて一体化されている。遠心分離内筒104は、それぞれ上壁部120の内周面に対し、上端部が外接するように配置されている。
遠心分離内筒104は、上端側から中間部までは略均一の外径(開口径)とされると共に、中間部から下端側までテーパー状に縮径した遠心分離縮径部122を有するものとされている。遠心分離内筒104は、第二遠心分離室112内において、軸線方向が上下方向に向く姿勢とされて配置されている。遠心分離内筒104は、上端側に第二流入口124を有する。第二流入口124は、環状に形成された上壁部120の内周面近傍に開口している。これにより、第二流入口124は、上壁部120の内周面の湾曲に沿って、遠心分離内筒104の内側に空気流を導入可能とされている。第二流入口124を介して遠心分離内筒104に気流が入ると、下方(遠心分離縮径部122に向かう方向)に進む旋回気流が形成される。これにより、遠心分離内筒104内に導入された空気に含まれている比較的小さな塵埃が遠心分離(第二遠心分離)される。第二遠心分離により分離された塵埃は、各遠心分離内筒104の下端側から集塵容器50に向けて排出される。第二遠心分離室112は、集塵容器50内に形成された内側集塵室74に連通している。そのため、各遠心分離内筒104から排出された塵埃は、内側集塵室74に向けて落下して溜まる。また、遠心分離内筒104に導入された空気は、第二遠心分離に伴って塵埃が除去された後、遠心分離内筒104の下方側から上方側に向かう上昇気流となって、上方(下流側)に向けて排出される。
蓋部106は、遠心分離外筒102の上端側に被さるように取り付けられるものである。蓋部106は、蓋板部130と、差込部132とを有する。蓋板部130は、平面視で略円形に形成された板状の部分である。蓋板部130は、略円板状に形成された閉塞部134と、閉塞部134の外縁部において閉塞部134に対して立設された立設部136とを有する。閉塞部134には、複数設けられた遠心分離内筒104のそれぞれに対応する位置に遠心分離排気口138が設けられている。立設部136は、閉塞部134の表面側及び裏面側の双方に向けて突出している。また、差込部132は、閉塞部134に設けられた各遠心分離排気口138に対応して設けられた筒状の部分である。差込部132は、閉塞部134の裏側(上流側)に向けて突出している。差込部132は、それぞれ各遠心分離内筒104に差し込まれる。また、差込部132は、閉塞部134の表側(下流側)に向けても突出しており、閉塞部134以上の高さに突出していても良いが、本実施形態では閉塞部134より低い高さで突出している。閉塞部134と差込部132との間において、差込部132の周囲には、差込部132の高さよりも低い凹部132aが設けられる。これにより、フィルタ70に付着した塵埃が閉塞部134上に自然に脱落し、気流により移動したとしても、この凹部132aに溜めることが可能である。
支持部108は、フィルタ支持部80を上流側(図示状態において下方側)から支持するものである。支持部108は、フィルタ支持部80を支持しつつ、フィルタ支持部80を補強するリブである。支持部108は、中央支持リブ140と、外側支持リブ142とを有する。
中央支持リブ140は、蓋板部130の閉塞部134において、径方向略中央部から表側(下流側)に向けて突出したリブである。中央支持リブ140は、遠心分離部100を集塵容器50から取り外すときのつまみとしても活用できるものとされている。また、外側支持リブ142は、中央支持リブ140よりも閉塞部134の径方向外側に設けられたリブである。外側支持リブ142は、中央支持リブ140と同様に、閉塞部134の表側(下流側)に向けて突出している。
フィルタ70は、遠心分離部100の遠心分離排気口138から排出される空気中に含まれている塵埃を捕捉するためのものである。フィルタ70は、例えば不織布等によって構成される。フィルタ70は、遠心分離部100よりも送風方向の下流側に設けられる。具体的には、フィルタ70は、遠心分離部100の上端側に設けられた蓋部106の上に、フィルタ支持部80を介して配置される。
図6に示すように、フィルタ支持部80は、遠心分離部100の遠心分離排気口138よりも空気の流れ方向下流側(図示例では上方側)においてフィルタ70を支持するための部材である。フィルタ支持部80は、支持フレーム150と、排気口対向部152と、支持開口部154とを有する。
支持フレーム150は、フィルタ70を遠心分離排気口138から離間させた状態として、空気(排気)の流れ方向上流側から支持するものである。支持フレーム150は、環状に形成された外縁部156と、外縁部156及び各排気口対向部152を繋ぐ径方向連結部158と、周方向に隣接する排気口対向部152,152間を繋ぐ周方向連結部160とを有する。
外縁部156は、支持フレーム150の外縁をなす部分である。外縁部156の外径は、蓋部106において蓋板部130の外縁をなす立設部136の内径と同等とされている。そのため、支持フレーム150を蓋部106において立設部136によって囲まれた領域内に嵌め込むと、立設部136に対して径方向内側に隣接する位置に外縁部156が立設した状態になる。また、外縁部156には、略全周に亘って形成された溝156aが設けられている。溝156aは、上方に向けて開放されている。
径方向連結部158は、排気口対向部152の数(本実施形態では5つ)に応じて設けられている。径方向連結部158は、支持フレーム150を平面視した状態において放射状に設けられ、排気口対向部152と外縁部156を繋ぐ。また、周方向連結部160は、排気口対向部152,152間を直線的に繋ぐものである。本実施形態では、排気口対向部152を5つ有するため、周方向連結部160は、略五角形状に設けられている。
排気口対向部152は、遠心分離排気口138に対して空気の排出方向下流側に離間しつつ、遠心分離排気口138に対向する位置に設けられている。排気口対向部152は、遠心分離排気口138の開口領域と略同一の大きさ及び略同一の形状となるように形成されている。
支持開口部154は、遠心分離排気口138のそれぞれから排出された空気を、下流側へ排出するために設けられた1以上の開口部である。本実施形態においては、支持フレーム150は、複数の遠心分離排気口138から排出される空気の流出抵抗や圧力損失を低減したり、フィルタ70を全体的に利用でき、捕集効果の向上が図れるようにするべく、支持フレーム150において、外縁部156や径方向連結部158、周方向連結部160、排気口対向部152が設けられた部分を除く部分が開放されている。本実施形態では、この開放部分が支持開口部154とされている。換言すると、支持開口部154は、外縁部156、径方向連結部158、周方向連結部160および排気口対向部152によって囲まれた複数の開口によって構成される。
カバー部90は、上述したフィルタ支持部80よりもさらに空気の流れ方向下流側(図示例では上方側)に装着されるカバーである。カバー部90は、略筒状に形成された部材であり、その下流側(図示例において上方側)に集塵部排出口170を有する。カバー部90は、内周面にL字形状の溝(軸方向溝および周方向溝)を有し、集塵容器50の外面には径方向に延びる突起を有する。カバー部90を集塵容器50に装着する場合には、軸方向溝の入口に突起を挿入し、軸方向溝の端部まで突起が摺動するようカバー部90が集塵容器50に被さる方向に動かす。そして、軸方向溝の端部から、軸方向溝に連続する周方向溝の端部まで突起が摺動するようカバー部90を周方向に回転させる。このような動作により集塵容器50にカバー部90が固定される。ここで、カバー部90と集塵容器50との間にはシール部材が配されてもよい。このシール部材は、集塵容器50の上端に環状に配されるように構成することができる。これにより、集塵容器50とカバー部90との間の気密性を確保することができる。
また、カバー部90は、周壁172が外周壁174及び内周壁176からなる二重構造となっている。外周壁174は、内周壁176よりも軸線方向に向けて延びている。外周壁174の内径は、集塵容器50を構成する外側容器52の外径と同等とされている。また、内周壁176は、支持フレーム150の外縁部156に設けられた溝156aに嵌め込み可能なものとされている。そのため、周壁172は、外周壁174及び内周壁176の間に、集塵容器50を構成する外側容器52、蓋板部130の外縁をなす立設部136、及びフィルタ支持部80の外縁部156が重なった状態で差し込みつつ、内周壁176を支持フレーム150の溝156aに嵌め込んで固定可能とされている。これにより、フィルタ支持部80に配置されたフィルタ70の外周の縁部を内周壁176と支持フレーム150の溝156aの間に挟んで、固定することができる。
集塵部20は、上述したように、吸込具40において塵埃と共に吸い込まれた空気を導入して旋回流を発生させることにより、塵埃を分離回収するものである。そのため、集塵部20の各部において空気等の漏洩が生じないようにシールできる構成とすることが、集塵部20における集塵機能を確保するうえで重要な要素となりうる。そのため、集塵部20においては、第一シール部S1〜第五シール部S5からなる5つのシール部を設けている。
具体的には、第一シール部S1は、内側容器54と遠心分離外筒102とを気密に接続するためのシール構造として設けられている。第一シール部S1は、内側容器54の上端側に設けられたシール溝55に遠心分離外筒102の下端を差し込んで気密に接続することにより形成されている。
また、第二シール部S2は、集塵容器50の底を閉塞する底部58の内面に設けられた第二シール部材88を用いて構成されている。第二シール部S2は、底部58を閉じることにより、第二シール部材88が集塵容器50をなす内側容器54の下端部に対して密接することにより構成される。第二シール部S2を設けることにより、内側容器54を気密に閉塞し、内側容器54の内外に形成された外側集塵室72と、内側集塵室74とを気密に分離することができる。
第三シール部S3は、集塵容器50の底側において、底部58と外側容器52の端部との間に第三シール部材57を介在させたものである。これにより、底部58と外側容器52の端部との間から集塵容器50に対して空気が流出入するのを抑制できる。
図5,7等に示すように、第四シール部S4は、集塵容器50(外側容器52)の内壁と、遠心分離部100を構成する遠心分離内筒104の上壁部120との間を第四シール部材125によってシールした部分である。第四シール部材125の一端は、上壁部120のうち、遠心分離外筒102の周面よりも径方向外側に張り出したフランジ部120aにおいて、側方に開放しつつ全周に亘って形成された溝120bに対して挿入されている。また、第四シール部S4においては、蓋部106を構成する蓋板部130の外周側において立設された立設部136が上壁部120のフランジ部120aよりも下方に突出し、第四シール部材125に当接している。また、立設部136よりも径方向外側に向けて突出し、第四シール部材125の他端は、集塵容器50を構成する外側容器52に形成された段差部分において支持されている。第四シール部S4は、このような構造とすることにより、蓋部106の近傍における気密性を確保している。すなわち、第四シール部S4は、フランジ部120aと立設部136の間の気密性、外側容器52と遠心分離外筒102の間の気密性、外側容器52と立設部136の間の気密性を確保している。なお、第四シール部S4において、第四シール部材125は、外側容器52の上端において支持されていても良い。
第五シール部S5は、第四シール部S4と同様に、蓋部106の近傍における気密性を確保するものである。第五シール部S5は、蓋部106をなす蓋板部130の裏面(上流側の面)と、遠心分離内筒104の上壁部120の上端との接合部分において気密性を確保するためのものである。第五シール部S5においては、蓋板部130の裏面側と上壁部120の上端との間にシート状の第五シール部材131を介在させることによって気密にシールされる。また、第五シール部材131とともに蓋板部130を上壁部120に対してネジ止めすることにより、第五シール部S5における気密性の向上が図られている。これにより、遠心分離内筒104と蓋部106との間から空気が漏れること、遠心分離外筒102の小孔114から流入した空気が蓋部106と上壁部120との間から漏れることを効果的に抑制することができる。
また、図2や図4に示すように、集塵部20の底部58には、ロック部84より底部側に凹部20bが設けられている。図2に示すように、凹部20bは、管接続部22において、集塵部20の背面が接触する部分の下端側に設けられた凸部10aに係止できる構成とされている。さらに、集塵部20には、凹部20bと径方向において反対側であって、底部58と反対側にロック部20cが設けられている。ロック部20cは、上方に向けて突出したものである。ロック部20cは、掃除機本体10の正面側において下方に向いて開放するように設けられた凹部10bに嵌め込むことにより、集塵部20を掃除機本体10側に固定可能とされている。集塵部20は、カバー部90の天面側に傾斜面20aを有する。傾斜面20aは、掃除機本体10において電動送風機14が収容されている部分の底面の傾斜と略合致している。集塵部20を掃除機本体10に装着する場合には、凹部20bに係止された凸部10aを支点として、第一流入口68が管接続部22の集塵部側開口と接続されるまで近づくよう回動させれば、ロック部20cが凹部10bに嵌め込まれる。したがって、このように傾斜構造となっていることで、電気掃除機1は、集塵部20を電動送風機14の下方に装着する作業がしやすい。
≪吸込具40の構成について≫
続いて、吸込具40について、図8〜図16を参照しつつ、特徴的な部分を中心に詳細に説明する。上述したとおり、吸込具40は、ケース体42と、継手部44と、回転清掃体46と、清掃体駆動機構48とを備えている(図8参照)。吸込具40は、継手部44に対して管部30または掃除機本体10を接続することにより、集塵部20を介して掃除機本体10と連通する。また、吸込具40は、ケース体42が床面側に向けて開口した吸込空間を有し、この内部に回転清掃体46が回転自在に支持された構造とされている。
図9等に示すように、回転清掃体46は、ケース体42の長手方向(左右方向)に延びる清掃体本体200と、取付部202とを有する。清掃体本体200は、筒状に形成された清掃体本体200の外側にブラシ取付部206を設ける。ブラシは、清掃体本体200の軸心位置を中心として、ブラシ取付部206の外周に螺旋を描くように設けられている。
取付部202は、ケース体42に対して回転清掃体46を取り付けるために用いられる部分である。取付部202は、清掃体本体200の長手方向一方側、及び他方側において、清掃体本体200に清掃体本体200とは別部材として取り付けられているが、清掃体本体200と一体となっていてもよい。回転清掃体46は、両端に設けられた取付部202,202(以下、必要に応じて両者を「取付部202a」、「取付部202b」と区別することもある)を、ケース体42内に設けられた所定の取り付け位置に取り付けることにより、ケース体42に対して回転自在に支持されている。
具体的には、図13(a)に示すように、取付部202aは、回転清掃体46の軸方向一端側において角柱状の形状(断面形状が略正方形)とされた端部205と、端部205から軸線方向に隣接する位置に設けられたフランジ部207aとを有する。端部205は、清掃体本体200(フランジ部207a)に対して回転可能に取り付けられている。
ここで、図10や図11に示すように、ケース体42において回転清掃体46の取付部202aの取り付け対象となる受部42cは、下側受部42xと、上側受部42yとに分離可能とされている。下側受部42xは、ケース体42の裏面側において取り外し可能とされている。具体的には、図11に示すように、上ケース42bにおいて上側受部42yが形成された部分には、ケース体42の前方側(図示状態において上側)に凸状の上側係合部42p、背面側(図示状態において下側)に凹状の上側被係合部42qが設けられている。また、下側受部42xには、上側受部42y側の上側係合部42pに対応する位置に、上側係合部42pと係合可能な凹状の下側被係合部42rが設けられ、上側被係合部42qに対応する位置に凸状の下側係合部42sが設けられている。下側受部42xには爪部42tが設けられており、下側係合部42sを揺動操作可能とされている。このような構成とされているため、下側被係合部42rを上側係合部42pと係合させた後、下側係合部42sを上側被係合部42qに差し込んで係合させることにより、下側受部42xを上側受部42yに対して装着することができる。これとは逆に、下側受部42xを上側受部42yから取り外す際には、爪部42tを操作することにより、先ずは下側係合部42sと上側被係合部42qとの係合を解除する。その後、下側被係合部42rを上側係合部42pから取り外すことにより、下側受部42xを上側受部42yから取り外すことができる。また、上側受部42yは、ケース体42の内側に設けられている。下側受部42xをケース体42の裏面側に取り付けることにより、受部42cを形成できる。
図10や図12に示すように、上側受部42yは、上側端部嵌込部42hと、上側フランジ嵌込部42iと、上側軸支持部42jとを有する。上側端部嵌込部42hは、上述した角柱状の端部205を嵌め込み可能なようにケース体42の底面側に向けて開放された部分である。また、上側フランジ嵌込部42iは、フランジ部207aを嵌め込み可能なようにケース体42の底面側に向けて開放された部分である。上側軸支持部42jは、取付部202aをなす軸に沿うように円弧状に湾曲した部分である。
図10や図11に示すように、下側受部42xは、上述した上側端部嵌込部42h及び上側軸支持部42jに対応する位置に、それぞれ下側端部当接部42k及び下側軸支部42lを有する。下側端部当接部42kは、清掃面側から端部205の外周面(1辺)に対して当接するように形成されたブロック状のものであり、端部205の他の外周面(3辺)に対して上側端部嵌込部42hが当接することで、端部205はケース体42に固定される。また、下側軸支部42lは、上側軸支持部42jと同様に取付部202aをなす軸に沿うように湾曲している。回転清掃体46は、上側端部嵌込部42h、及び上側フランジ嵌込部42iに、それぞれに端部205及びフランジ部207aを嵌め込んだうえ、下側受部42xを上側受部42yに装着することにより、端部205側をケース体42に組み込むことができる。
一方、図13に示すように、取付部202bは、回転清掃体46の軸方向他端側(取付部202aとは反対側)の端部を支持するものである。取付部202bは、後述する第二取付体202yと連結可能な第一取付体202xを備えている。第一取付体202xは、清掃体本体82aの端部に固定されている。第二取付体202yは、後述する従動側プーリ216に設けられ、ケース体42(下ケース42a)側に配置されている。第一取付体202x及び第二取付体202yは、軸線方向に連結及び分離可能とされている。
第一取付体202xは、取付凹部202e、及び第一フランジ部202iを備えている。取付凹部202eは、取付部202bの端面において、凹状に形成されている。取付凹部202eの形状はいかなるものであっても良いが、本実施形態では十字状とされている。取付凹部202eは、後述の第二取付体202yの取付凸部202jを嵌め込み、係合させることができる部分である。第一フランジ部202iは、第一取付体202xの端部(第二取付体202y側の端部)において、径方向外側に膨出するように設けられている。
第二取付体202yは、取付凸部202j、及び軸部202kを有する。取付凸部202jは、第二取付体202yの端部において軸線方向に突出し、上述の取付凹部202eと係合可能なものとされている。取付凸部202jの形状はいかなるものであっても良いが、本実施形態では取付凹部202eと同様に十字状の形状とされている。軸部202kは、第二取付体202yの軸心位置に設けられた軸体である。軸部202kは、ケース体42に設けられた板状の保持部材220の一方側から他方側に向けて差し込まれている。軸部202kは、後述する清掃体駆動機構48の従動側プーリ216に対して接続されている。これにより、回転清掃体46は、従動側プーリ216に連動して回転可能とされている。
吸込具40は、本実施形態では清掃体駆動機構48を設け、回転清掃体46が清掃体駆動機構48から出力された動力を受けて駆動するものとされている。図9や図13等に示すように、清掃体駆動機構48は、駆動機210、動力伝達体212、出力側プーリ214、従動側プーリ216等を備えている。
駆動機210は、ケース体42内に設けられたモータ等によって構成されている。駆動機210は、回転清掃体46に対して背面側の領域に配置されている。また、動力伝達体212は、歯付の無端ベルトによって構成されている。また、出力側プーリ214は、駆動機210が有する出力軸に取り付けられた歯付のプーリである。また、従動側プーリ216は、取付部202bに一体的に設けられた歯付のプーリである。清掃体駆動機構48は、出力側プーリ214と従動側プーリ216との間に無端ベルトからなる動力伝達体212を掛け回した構成とされている。そのため、駆動機210を作動させることにより、回転動力を取付部202b側に伝え、ケース体42の吸込空間内において回転清掃体46を回転駆動させることができる。
また、図13や図14等に示すように、清掃体駆動機構48をなす各部材は、保持部材220によって保持されている。保持部材220は、ケース体42において第二取付体202yが取り付けられる側の領域に立設されている。換言すると、保持部材220は、回転清掃体46の軸方向において、回転清掃体46と並んで配される。また、保持部材220は、回転清掃体46と駆動機210との並び方向に沿って延びる板状部材である。保持部材220について、回転清掃体46とは反対側に、出力側プーリ214、従動側プーリ216および動力伝達体212が配される。保持部材220は、動力伝達体212を上方から少なくとも一部覆うよう回転清掃体46の軸方向に防音リブを延ばすよう構成してもよい。防音リブが動力伝達体212を一部覆うことで防音となる。また、保持部材220は、回転清掃体46と駆動機210との並び方向に沿って延びる補強リブを、回転清掃体46と同じ側または反対側にて突出するよう設けられてもよい。これにより、保持部材220が撓むことを抑制することができ、延いては回転清掃体46と駆動機210の軸方向における位置決め精度を向上させることができる。また、保持部材220は、具体的に、下側保持部材222と、上側保持部材224(図14参照)とを有する。
図9等に示すように、下側保持部材222は、下壁部222aと、下壁部222aを下端側において下ケース42a側に固定する固定部222bとを有する。保持部材220は、複数設けられた固定部222bにおいて下側保持部材222を下ケース42aに対してネジ止めすることにより、下壁部222aがケース体42の前後方向(正面側から背面側に向かう方向)に延びるように立設される。なお、固定部222bは必須の構成ではなく、下側保持部材222を下ケース42aに構造的に位置決めできる構成であればよい。このような構成でも、上述した保持部材220の補強リブの効果が十分に発揮される。
ここで、図15を参照して清掃体駆動機構48について具体的に説明する。従動側プーリ216の軸心位置には、略小判型に開口した軸挿通孔216aが設けられている。第二取付体202yの軸部202kは、軸挿通孔216aと同様に略小判型の外観形状を有する軸体とされている。また、後に詳述する保持部材220の下壁部222aには、第二取付体202yを回転可能に支承(支持)する軸支持部220cが設けられている。軸支持部220cには、軸部202kを挿通することにより回転可能に支持する軸受(ベアリング)225が設けられている。第二取付体202yは、下壁部222aの軸支持部220cに設けられた軸受225、及び従動側プーリ216に設けられた軸挿通孔216aに軸部202kを挿通すると共に、従動側プーリ216を介して第二取付体202yの反対側からネジ(固定具)227を軸部202kの軸心位置に装着することにより、従動側プーリ216に対して固定されている。このような構成とされているため、第二取付体202yに対し、回転清掃体46側に設けられた第一取付体202xを接続することにより、回転清掃体46は、従動側プーリ216に連動して回転可能となる。このため、第二取付体202yは、従動側プーリ216の一部として有すると表現することもできる。
下壁部222aにおいてケース体42の正面側の位置には、回転清掃体46の端部に設けられた第二取付体202yを回転可能に支承(支持)する軸支持部220cが設けられている。また、下壁部222aにおいてケース体42の背面側の位置には、駆動機210を支承可能なように切り欠かれた受部222dが設けられている。具体的に、駆動機210は、モータをなす駆動機本体210aに出力軸が設けられ、モータの大部分をなす駆動機本体210a1と、駆動機本体210a1より径が小さく、軸方向に膨出する膨出部210a2とを有する。出力軸は、膨出部210a2に設けられている。受部222dは、この膨出部210a2を支持するが、これは一例である。受部222dが駆動機本体210a1の軸方向に延び、駆動機本体210a1の径方向における清掃面側を支持する構成であってもよい。
受部222dは、下壁部222aの上端から下方に向けて延びるように形成されている。そのため、駆動機210を組み込む際には、受部222dに沿って膨出部210a2をスライドさせることによって容易に組み付けることができる。なお、このような組み込みは、出力側プーリ214と従動側プーリ216に動力伝達体212が掛け渡された状態で行えば、動力伝達体212の張力により掛け難いといったことがなく、より容易に行うことができる。また、受部222dに対して隣接する位置には、ネジ孔222eが設けられている。ネジ孔222eは、下壁部222aに対して駆動機210の駆動機本体210a1の端部をネジ止めするために用いられるものである。本実施形態では、受部222dを介して正面側及び背面側の二箇所にネジ孔222eが設けられている。
また、図14に示すように、上側保持部材224は、ケース体42のうち、上側を構成するもの(上ケース42b)に対して立設された板状の部分である。上側保持部材224は、上述した下側保持部材222において受部222dが設けられた部分に対応して設けられている。そのため、上ケース42bと下ケース42aとを併せてケース体42を構成すると、受部222dの上方側の開放部分が上側保持部材224によって閉塞される。これにより、駆動機210が予期せず受部222dから脱落するのを抑制できる。
なお、本実施形態では、上側保持部材224を上ケース42b側に設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上ケース42b側に上側保持部材224を設ける代わりに、駆動機210を収容するためのケース等の他部材を設け、これに上側保持部材224と同様の構成を設けたものとしても良い。かかる構成とした場合についても、上述したように上側保持部材224を上ケース42b側に設けた場合と同様の作用効果が期待できる。
継手部44は、図16(b)において矢印で示すように、ケース体42に対し、所定の回転範囲で前後方向および左右方向に回転可能に取り付けられている。継手部44の正面側(図中左側)には、図14(b)や図16(a)に示すように、継手部44の筒軸方向に沿うように膨出した膨出部44aが設けられている。膨出部44aは、ケース体42の長手方向における長さが、継手部44の径より長くてもよいが、本実施形態においては継手部44の径より短く設計されている。また、この膨出部44aは、継手部44(管部30)を直立姿勢(ケース体42と継手部44とが成す角度が例えば80度〜90度)とした状態において上ケース42b側に向けて突出している。また、上ケース42bの天面側および後側の位置には、上方に向けて突出したリブ42vが設けられている。リブ42vは、略「コ」字状の形状とされており、後側及び上方に向けて開放された嵌込部42wが形成されている。一方、前述した継手部44に設けられた膨出部44aは、継手部44を直立姿勢とした状態において、嵌込部42w内に嵌まり込むように形成されている。具体的に、リブ42vにより膨出部44aの前側に当接し、膨出部44aの下端(継手部44の筒軸方向における端部)を上ケース42bのうちリブ42vに囲まれた天面にて支持する。そのため、電気掃除機1の収納時等において、継手部44(管部30)を直立姿勢にすると、継手部44の膨出部44aが嵌込部42w内に嵌まり込み、直立状態で安定した状態になる。また、電気掃除機1を支持するための掃除機支持装置と、電気掃除機1とで電気掃除機ユニットとしてもよい。掃除機支持装置は、電気掃除機1の吸込具40を載置するための吸込具載置台と、電気掃除機1の管部30を支える支柱とを備える。具体的に、管部30は、アルミ製の管本体部と、管本体部の一端において掃除機本体10の管接続部22と接続可能に設けられた樹脂製の第一接続部と、管本体部の他端において吸込具40の継手部44と接続可能に設けられた樹脂製の第二接続部とを備え、第二接続部が支柱に係止することで、電気掃除機1が自立状態で支持される。
支柱は、第二接続部を後側から受入可能な前側開口が周面に形成される筒状部を有する。筒状部は、その前側開口が筒軸方向に沿って上端に達しており、内周面にて第二接続部を外方から支持する。また、筒状部の開口された上端は、その厚み部分によって構成される支持面が形成され、第二接続部を下方から支持する。筒状部の上端の支持面は、前側開口側から離れた2つの第一支持面と、第一支持面より前側開口側に近い2つの第二支持面とを含む。第二支持面は、第一支持面より高さが高く設計される。そして、第二支持面と第一支持面との間には段差面が形成される。したがって、一方の第二支持面と、一方の第一支持面と、それらの間の第一段差面とが連続するよう構成され、他方の第二支持面と、他方の第一支持面と、それらの間の第二段差面とが連続するよう構成される。一方、第二接続部は、管部本体側に位置する径大部と、径大部より径が小さく、管部本体とは反対側に位置する径小部とを有し、径大部と径小部の間には段差面が形成されている。径小部が筒状部の内周面にて外方から支持され、第二接続部の段差面が支柱の2つの第一支持面によって下方から支持され、さらに径大部の前側が筒状部の上端の第一,2段差面それぞれに当接することで、第二接続部が筒状部に係止される。これにより、電気掃除機1が自立状態で掃除機支持装置に支持される。
(1−1)本実施形態の電気掃除機1は、電動送風機14を有する掃除機本体10と、掃除機本体10に着脱可能に設けられ、電動送風機14の駆動により吸引された塵埃を集塵する集塵部20とを備え、集塵部20は、塵埃を分離する遠心分離部100と、遠心分離部100よりも下流側に設けられ、塵埃を捕集するフィルタ70と、遠心分離部100の排気口と離間した状態で、フィルタ70を上流側から支持するフィルタ支持部80と、を有することを特徴とする、ものである。
本実施形態の電気掃除機1は、集塵部20の遠心分離部100よりも下流側にフィルタ支持部80を備えている。また、フィルタ支持部80は、フィルタ70を遠心分離部100の排気口と離間させた状態で支持するものとされており、排気口の閉塞、及びこれに伴う吸引能力の低下を抑制できる。従って、上述した構成によれば、遠心分離部100の排気口がフィルタ70で閉塞されることによって吸引能力が低下するのを効果的に抑制可能な集塵部20を備えた電気掃除機1を提供できる。
(1−2)上述した電気掃除機1において、フィルタ支持部80は、下流側へ空気を排出するための1以上の支持開口部154を有することを特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、遠心分離部100から排出されてくる空気を支持開口部154を介してスムーズに排出させることができる。これにより、遠心分離部100の排気抵抗の上昇や、吸引能力の低下することを効果的に抑制できる。
(1−3)上述した電気掃除機1において、遠心分離部100は、排気口が設けられた蓋部106を有し、蓋部106は、フィルタ支持部80を上流側から支持する支持部108を有するものであると良い。
かかる構成によれば、蓋部106に設けた支持部108によってフィルタ支持部80を確実に支持できる。
(1−4)上述した電気掃除機1において、集塵部20は、フィルタ支持部80との組み合わせによりフィルタ70を保持するカバー部90を有するものであると良い。
かかる構成によれば、フィルタ支持部80とカバー部90との組み合わせによってフィルタ70を保持できる。これにより、フィルタ70の保持用の部材を別途設けなくても良くなり、その分だけ装置構成の簡略化に貢献できる。
ここで、従来公知の電気掃除機に用いられる吸込具ついて検討すると、従来技術には、例えば、特開平1−175821号公報に開示されているようなものがある。この特許文献には、吸気気流により回転するエアタービンと、このエアタービンにベルト減速器を介して連結された回転床ブラシとを有するとともに、エアタービンのベルトプーリ側の軸受と、回転床ブラシのベルトプーリ側の軸受をハウジング部により一体に結合し、このハウジング部を床ノズル本体に防振支持した掃除機用床ノズルが開示されている。
しかしながら、上記の従来技術に係る発明においては、エアタービンと軸受との間の軸長が長いので、エアタービンの回転により軸の撓みが生じ、エアタービンの軸と回転床ブラシとの軸との間隔の安定性が低いという問題がある。
そこで、本実施形態では、駆動機と回転清掃体との距離の安定性を向上させることが可能な吸込口体の提供を目的とした。また、そのようなものの例として、吸込具40を例示した。
(2−1)上述した課題を解決すべく提供される本実施形態の吸込具40は、塵埃を吸い込み可能な吸込口43を有するケース体42と、ケース体42に回転可能に設けられた回転清掃体46と、回転軸、及び該回転軸が設けられた駆動機本体210aを有し、回転清掃体46の駆動力を発生させる駆動機210と、回転軸に設けられる出力側プーリ214、回転清掃体46と連結される従動側プーリ216、及び出力側プーリ214と従動側プーリ216とに掛け渡される動力伝達体212を含み、駆動機210から回転清掃体46に駆動力を伝達する清掃体駆動機構48と、駆動機本体210aを支持するとともに、従動側プーリ216を回転可能に支持する保持部材220と、を備えることを特徴とするものである。
上述した吸込具40は、保持部材220を備えており、駆動機210の駆動機本体210aを支持するとともに、従動側プーリ216を回転可能に支持することができる。このような構成とされているため、吸込具40は、駆動機210と回転清掃体46との距離の安定性を向上させることができる。
(2−2)上述した吸込具40は、保持部材220の縁部を切り欠くことで形成された受部222dを有し、受部222dにおいて駆動機本体210aを支持することを特徴とするものであると良い。
かかる構成によれば、動力伝達体212が従動側プーリ216および出力側プーリ214に掛けられた状態で、駆動機210を保持部材220に取り付けることができる。駆動機をケース体に配置したうえで、動力伝達体を従動側プーリおよび出力側プーリに掛け渡すといった構成が考えられるが、このような構成では動力伝達体の張力によって出力側プーリおよび従動側プーリに動力伝達体を掛け難いといったことがある。しかしながら、本実施形態における上記構成によれば、そのような掛け難いといった煩わしさ低減することができる。
(2−3)上述した吸込具40において、ケース体42は、清掃面側に位置する下ケース42a(第一ケース体)と、該下ケース42aに取り付けられる上ケース42b(第二ケース体)とを含み、駆動機本体210aは、保持部材220の受部222dとしての第一受部222dと上ケース42bの第二受部(上側保持部材224)との間で支持されるものであると良い。
かかる構成とすることにより、駆動機210の駆動機本体210aを、第一受部222d及び上側保持部材224(第二受部)によってしっかりと支持することができる。これにより、吸込具40は、駆動機210と回転清掃体46との距離の安定性を向上させることができる。
(2−4)上述した吸込具40において、第二受部222dは、上ケース42bから下ケース42a側に向けて延びる延出部、又は、上ケース42bの内壁をなす上側保持部材224であると良い。
かかる構成によれば、上ケース42bを下ケース42aに取り付ける作業を行うことで、駆動機210の駆動機本体210aを、第一受部222d及び上側保持部材224(第二受部)によってしっかりと支持することができる。そのため、上述した構成によれば、駆動機210の駆動機本体210aの取付作業をより一層簡素化しつつ、駆動機210と回転清掃体46との距離の安定性を向上させることができる。
本発明は、上述した実施形態等に示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。以下、実施形態の変形例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態のものと同一のものについては同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
≪第一変形例≫
ここで、特開2019−162232号公報に開示されている掃除機システムのようなものが、従来公知のものとして提供されている。この掃除機システムは、掃除機と、前記掃除機を支持するための支持装置と、を備えたものとされている。また、この掃除機システムが備える掃除機は、ハンドルを有した本体と、ごみを吸込むための吸込具と、前記本体及び前記吸込具を接続する管体とを備えると共に、前記支持装置が支持体を備えたものとされている。この掃除機システムは、前記掃除機が前記支持装置に支持された状態において、前記吸込具の前側が後ろ側よりも前記支持体に近い位置に配置される構成とされている。
しかしながら、上述した従来技術の掃除機システムのように、支持装置が掃除機の本体を支持する構成であると、支持装置が大型化してしまうといった問題がある。
かかる課題を解決すべく提供される第一変形例の電気掃除機ユニット300は、以下のようなものであり、その具体例として、例えば図17〜図20に示すような構成を備えたものとすると良い。
(3−1)第一変形例の電気掃除機ユニット300は、電動送風機14を有する掃除機本体10と、塵埃を吸引するための吸込口43を有する吸込具40と、前記掃除機本体10と前記吸込具40との間を接続する管部30と、掃除機支持装置330とを備え、前記掃除機支持装置330は、前記吸込具40を載置するための載置部340と、前記管部30を支持するとともに、前記管部30と係合する支柱部350とを有することを特徴とするものである。
かかる構成によれば、載置部340に吸込具40を配置すると共に、管部30と支柱部350とを係合させることにより、電気掃除機1を支持することができる。従って、上述した構成によれば、掃除機支持装置330として大型のものを用いなくても良く、コンパクトな構成の電気掃除機ユニット300を提供できる。
(3−2)上述した電気掃除機ユニット300において、前記管部30は、前記支柱部350が係合する被係合部310を有し、前記支柱部350は、前記被係合部310に係合する係合部352を有し、前記被係合部310は、前記吸込具40側に向けて開口した第一開口部314を備えた中空状の受部312を有し、前記係合部352は、前記第一開口部314を介して前記受部312内に挿入される第一突起部354を有するものであると良い。
かかる構成によれば、管部30において被係合部310をなす受部312の第一開口部314を介して、支柱部350において係合部352をなす第一突起部354を受部312に挿入して係合させることにより、掃除機支持装置330に対して管部30を支持させることができる。
(3−3)上述した電気掃除機ユニット300において、前記係合部352は、前記第一突起部354と対向する位置に設けられた第二突起部356を有し、前記受部312は、前記係合部352と前記被係合部310との係合状態で、前記第一突起部354と前記第二突起部356との間に挿入されているものであると良い。
かかる構成によれば、係合部352と被係合部310との係合状態において、第一突起部354と第二突起部356との間に係合部352を挿入した状態として、掃除機支持装置330に対して管部30を支持させることができる。そのため、電気掃除機ユニット300は、掃除機支持装置330に対して管部30を第一突起部354と第二突起部356との間で位置決め精度良く支持させることができる。
(3−4)上述した電気掃除機ユニット300において、前記受部312は、前記支柱部350と対向する側に第二開口部316を有し、前記係合部352は、前記第一突起部354と交差するように配される第三突起部358を有し、前記第三突起部358は、前記係合部352と前記被係合部310との係合状態で、前記吸込具40側から前記第二開口部316に挿入され、前記第二開口部316の縁を支持するものであると良い。
かかる構成によれば、第三突起部358によって第二開口部316の縁が支持された状態で係合部352と被係合部310とを係合状態とすることができる。そのため、電気掃除機ユニット300は、掃除機支持装置330に対して管部30を第二開口部316の開口幅の範囲内において位置決め精度良く支持させることができる。
[第一変形例の具体例について]
以下、第一変形例の電気掃除機ユニット300について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、電気掃除機ユニット300は、大略、上記実施形態に係る電気掃除機1と構成が共通するため、同一の構成については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
電気掃除機ユニット300は、掃除機本体10、管部30、及び吸込具40に加えて、掃除機支持装置330を備えている。掃除機本体10は、上述した電気掃除機1と同様に、電動送風機14を備えたものである。また、吸込具40は、上述した電気掃除機1と同様に、塵埃を吸引するための吸込口43を備えたものである。
管部30は、上述した電気掃除機1と同様に、掃除機本体10と吸込具40との間を接続するパイプによって主要部が構成されている。管部30は、後に詳述する掃除機支持装置330に設けられた支柱部350が係合する被係合部310を有する点において、上述した電気掃除機1と構成が相違している。
図20に示すように、被係合部310は、後に詳述する掃除機支持装置330に設けられた係合部352と係合する部分である。被係合部310は、管部30をなすパイプに対して一体的に設けられていても良いが、本変形例では管部30をなすパイプに対して取り付けられるパイプカバー320(管部30のうち吸込具40側のパイプカバー)に受部312を設けた構成とされている。受部312は、管部30の外周面において径方向外側に膨出するように形成された中空状の部分である。
受部312は、吸込具40側に向けて開口した第一開口部314を備えている。また、受部312は、背面側において開口するように形成された第二開口部316を有する。具体的には、第二開口部316は、後に詳述する掃除機支持装置330に設置した状態において、掃除機支持装置330が備える支柱部350と対向する側の面(当接面318)において開口するように形成されている。
図17に示すように、掃除機支持装置330は、掃除機本体10に対して管部30及び吸込具40を取り付けた状態のものを支持するものである。図17〜図19に示すように、掃除機支持装置330は、載置部340、及び支柱部350を有する。
載置部340は、吸込具40を載置するための台座となる部分である。載置部340は、正面側にストッパ342を有する。ストッパ342は、載置部340の天面側から上方に向けて突出するように形成されている。また、ストッパ342は、載置部340の幅方向に延びるように形成されている。そのため、ストッパ342は、載置部340の天面に配置された吸込具40がストッパ342を越えて正面側に移動しないように位置決めすることができる。
支柱部350は、載置部340の背面側(ストッパ342とは反対側)において上下方向に立設された支柱状の部分である。支柱部350は、載置部340に配置された吸込具40に対して接続された管部30と係合して支持する部分である。具体的には、支柱部350は、上端側に設けられた係合部352に対し、管部30の被係合部310を係合させることにより、管部30を支持することができる。
図19に示すように、係合部352は、第一突起部354、第二突起部356、第三突起部358、及び第四突起部359からなる4つの突起部を有する。第一突起部354は、支柱部350の正面側において、下方側から上方側に向けて突出するように設けられた突起状の部分である。第一突起部354は、上述した管部30に設けられた第一開口部314を介して受部312内に挿入される部分である。第二突起部356は、支柱部350の上端側において正面側及び天面側に向けて開放された空間360の内側であって、第一突起部354に対して所定の間隔を開けて対向するように設けられている。第三突起部358は、第一突起部354と交差するように配される突起状の部分である。第三突起部358は、第二突起部356と同様に、空間360の内側に配されている。また、第一突起部354及び第三突起部358は離間していても良いが、本実施形態では、第一突起部354の幅方向中間部において、第三突起部358が第一突起部354と連結されている。そのため、第一突起部354及び第三突起部358は、平面視において略「T」字型の形状に形成されている。また、第四突起部359は、第一突起部354において空間360側に向く面において、空間360側に向けて突出するように設けられている。第四突起部359は、第二突起部356に対向する位置に設けられている。
空間360は、第二突起部356及び第三突起部358が配された部分である。空間360の上端側の縁部には、管部30に設けられた受部312を誘い込みやすくするために、例えばテーパー状等の形状に面取りされた面取部360aが設けられている。また、空間360は、正面側の開口幅が、管部30に設けられた受部312の幅と同等、あるいはそれ以上とされている。また、上述した第一突起部354は、空間360の正面側の開口部分よりも僅かに正面側に突出した位置において下方から上方側に立ち上がるように形成されている。また、上述した第三突起部358の幅は、管部30において受部312の当接面318に形成された第二開口部316の幅と同等あるいはそれ以下とされている。さらに、第二突起部356は、第三突起部358に対して幅方向両側に設けられている。そのため、空間360を目がけて管部30において受部312を差し込むことにより、第一突起部354と第二突起部356との間に、受部312の当接面318が進入すると共に、当接面318に設けられた第二開口部316に第三突起部358が進入する。これにより、管部30側に設けられた被係合部310と、支柱部350側に設けられた係合部352とが係合した状態になる。
なお、上記変形例においては、係合部352として、第一突起部354、第二突起部356、第三突起部358、及び第四突起部359からなる4つの突起部を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第一突起部354のみを備えたもの等、第一突起部354を除く他の突起部(第二突起部356、第三突起部358、及び第四突起部359)のうち、いずれか一つ又は複数の突起部を備えていないものであっても良い。
≪第二変形例≫
ここで、上記実施形態の電気掃除機1は、発光等の報知方法によってどのような集塵状態であるのかを報知できる構成であると良い。これにより、報知情報を目安として清掃を行えるため、使用者にとっての利便性の向上を図り得る。そのため、電気掃除機1は、集塵状態を報知する報知手段を備えたものとすると良い。また、上述した電気掃除機1において、集塵状態を報知できるようにする構成の一例として、集塵部20を透明、半透明あるいはスモークのかかったケースによって構成すると共に、集塵部20を発光させるための発光装置を設け、集塵部20の発光色や発光状態を集塵状態に応じて変化させる方法が考えられる。かかる構成とする場合、集塵部20を視認性良く発光させる構成とすることが望まれる。
かかる課題を解決すべく提供される第二変形例の電気掃除機1は、以下のようなものである。また、その具体例として、本変形例の電気掃除機1は、例えば図21〜図23に示すようなものとすると良い。
(4−1)本発明の電気掃除機1は、電動送風機14を有する掃除機本体10と、前記掃除機本体10に着脱可能な集塵部20と、前記集塵部20に連通する風路を有する風路構成部400と、前記風路402内を通過する塵埃を検出する塵埃検出部410と、前記塵埃検出部410による検出されることにより発光するよう制御される発光部420と、前記発光部420から発せられる光を導く導光部430とを備え、前記導光部430により導かれた光が集塵部20を透過するものであると良い。
かかる構成によれば、塵埃検出部410による検出に応じて発光部420において発せられた光を導光部430を介して導き、集塵部20を透過させることができる。これにより、集塵部20を視認性良く発光させ、集塵状態を適切に報知できる。
(4−2)本発明の電気掃除機1において、前記発光部420は、前記風路構成部400に設けられ、前記導光部430は、前記集塵部20から前記風路構成部400に向かって延びていると良い。
かかる構成によれば、集塵部20をより一層確実に視認性良く発光させることができる。
(4−3)本発明の電気掃除機1において、前記発光部420は、前記風路構成部400に設けられた凹部404に配され、前記導光部430の少なくとも端部は、前記凹部404に挿入されると良い。
かかる構成によれば、集塵部20をより一層確実に視認性良く発光させることができる。また、好ましくは導光部430の少なくとも端部を凹部404内で上下方向および左右方向の少なくとも一方を係止する構成とすれば、集塵部20を位置決め精度良く配置することができる。
(4−4)本発明の電気掃除機1において、前記集塵部20は、空気が流入する流入口を有する外側容器52と、該外側容器52との間で旋回気流を生じさせる内側容器54(遠心分離外筒102)とを有し、前記発光部420は、前記内側容器54(遠心分離外筒102)と対向しない位置に配されると良い。
かかる構成によれば、発光部420において発せられる光の進行が、内側容器54によって阻害されるのを抑制し、集塵部20を視認性良く発光させることができる。
[第二変形例の具体例について]
以下、第二変形例の電気掃除機1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本変形例の電気掃除機1は、大略、上記実施形態に示したものと構成が共通するため、同一の構成については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
電気掃除機1は、掃除機本体10、集塵部20(集塵装置)に加えて、発光部420や導光部430を備えている。また、電気掃除機1は、上記実施形態においては説明を省略したが、風路構成部400を備えている。掃除機本体10は、上述した電気掃除機1と同様に、電動送風機14を備えている。掃除機本体10の側面側には、電動送風機14の排気を排出するための排気口10xが設けられている(図22(b)参照)。具体的に、掃除機本体10の前後方向においてバッテリー収容部10dに近い側に配されている。また、集塵部20は、掃除機本体10に着脱可能とされたものであり、外側容器52と内側容器54とを有する(図4等参照)。外側容器52は、空気が流入する流入口を有する容器である。内側容器54(遠心分離外筒102)は、外側容器52の内側に配され、外側容器52との間で旋回気流を生じさせる容器である。これらの構成については、上記実施形態にて説明したものと同一であるため、詳細の説明は省略する。
電気掃除機1は、風路構成部400を備えている。風路構成部400は、集塵部20に連通する風路402を構成する風路構成筒406を有する。風路構成筒406は管部30が接続される管接続部22から、集塵部20の第一流入口68と接続される集塵部側開口403に至る部分を空気が通過可能なように繋ぐ中空の風路402として形成するものである。風路構成筒406は、風路402を構成するものであれば適宜の構成とすることができる。本変形例では、図23に示すように、半筒状の前カバー部406a、及び半筒状の後カバー部406bを組み合わせてなる風路構成筒406の内側に、筒状の中筒408を収容した構成とされ、中筒408の内側に風路402が形成されている。風路構成筒406は、塵埃検出部410(図21参照)、及び発光部420を備えている。
塵埃検出部410は、風路402内を通過する空気に含まれている塵埃を検出するセンサによって構成されている。本実施形態においては、塵埃検出部410は風路構成筒406に設けられているが、それに限定されず、風路構成筒4に加えて、管部30および吸込具40の少なくとも一方を含み得る風路構成部400に配されていればよい。また、発光部420は、塵埃検出部410によって検知された塵埃量に応じて発光量が変化するようになっていてもよいし、塵埃検出部410によって検出された塵埃量に応じて発光色が変わるようになっていてもよい。本実施形態においては、赤色と緑色の発光ダイオード(LED)である。複数の色を発光する発光ダイオードを搭載し、且つそれぞれの発光ダイオードの明るさを調整することで複数の色を作り出すことができる。発光部420は、塵埃検出部410による検出結果に基づいて発光するよう制御されるものである。発光部420は、風路構成筒406に設けられた凹部404に配されている。
具体的には、図23に示すように、風路構成部400の一部を構成する風路構成筒406には、上下方向に延びるように形成された二つの凹部404,404が、風路構成筒406の周方向に所定の間隔を開けて設けられている。また、風路構成筒406に収容される中筒408において、凹部404,404に対応する位置には、上下方向に延びるリブ状の発光体配置部408a,408aが設けられている。発光体配置部408a,408aには、発光部420をなす複数のLED発光素子422が所定の間隔毎に並ぶように配されている。また、風路構成筒406の組立状態において、中筒408の発光体配置部408a,408aに配されたLED発光素子422(発光部420)が、風路構成筒406に設けられた凹部404,404の内部に配置される。また、凹部404,404及び発光体配置部408a,408aは、内側容器54(遠心分離外筒102)と対向しない位置に設けられている。
図21や図22(a)に示すように、導光部430は、集塵部20をなす外側容器52の外周面に設けられている。導光部430は、集塵部20の取り付け状態において、上述した凹部404,404に対応する位置に設けられている。本実施形態では、二つの凹部404,404が設けられているため、導光部430についても凹部404,404に対応する位置に二つ設けられている。導光部430は、発光部420から発せられる光を集塵部20に導くためのものである。導光部430は、集塵部20の取り付け状態において、集塵部20から風路構成筒406に向かって延びるように形成されている。また、集塵部20の取り付け状態において、導光部430は、少なくとも先端部が凹部404に挿入された状態になる。図22(a)に示すように、集塵部20の周部に突起や溝からなる拡散部440を設けておくことにより、拡散部440において発光部420から発せられた光を拡散させることができる。ここでは、集塵部20の軸線方向に沿って延びる拡散部440を例に示している。
≪第三変形例≫
ここで、特開2014−8302号公報に開示されているように、掃除機本体に着脱可能な集塵装置を備えた電気掃除機が公知となっている。例えば、特開2014−8302号公報に開示されている電気掃除機は、掃除機本体に対して着脱可能であって、掃除機本体に向けて突出するとともに掃除機本体に形成された係合孔に挿入される突出部を有する塵埃収容部を備えたものとされている。この電気掃除機は、塵埃収容部を掃除機本体に装着する際の突出部が突出している方向を装着方向としている。また、塵埃収容部は、掃除機本体からの抜き取り方向が、装着方向に対して90度より大きいときに塵埃収容部が掃除機本体から取り外し可能となるように、装着時の塵埃収容部と掃除機本体との位置関係が設定されている。このように、掃除機本体に集塵装置を固定するための方法や、掃除機本体に対する集塵装置の固定を解除するための方法については、着脱可能な集塵装置を有するキャニスター式の掃除機等において様々な技術が提供されており、掃除機本体と集塵装置との気密性が保たれるよう、掃除機本体に集塵装置が固定される構成とされている。
しかしながら、例えば特開2014−8302号に開示されているキャニスター式の掃除機等、多くの電気掃除機においては、集塵装置の底部全体を掃除機本体が支持する構成とされている。従来技術のキャニスター式の掃除機等においては、このような構成とすることにより、掃除機本体と集塵装置との位置ずれを生じにくくし、掃除機本体と集塵装置との気密性を低下するのを抑制しようとしている。その一方で、着脱可能な集塵装置を有する縦型の電気掃除機等においては、キャニスター式の掃除機とは掃除機本体の形状が大きく異なる。そのため、電気掃除機のタイプや形状等によっては、上記特許文献等において開示されているキャニスター式の掃除機と同様の固定方法を採用しても、掃除機本体と集塵装置との気密性を十分確保できない可能性があるという問題があった。
かかる課題を解決すべく提供される第三変形例の電気掃除機1は、以下のようなものである。本変形例の電気掃除機1は、例えば図24〜図28に示すようなものとすると良い。
(5−1)本変形例の電気掃除機1は、電動送風機14の動作により、塵埃を吸引するための吸引口18を有する掃除機本体10と、前記吸引口18からの空気が流入する流入口(第一流入口68)、及び前記電動送風機14の吸気口と連通する集塵部排出口170を有し、前記掃除機本体10に着脱可能な集塵部20と、前記掃除機本体10と前記集塵部20との間で系脱可能な係止構造500と、を備え、前記集塵部20は、底部58および該底部58に対して立設される側壁部59を有する集塵容器50と、該集塵容器50に設けられ、前記集塵部排出口170を有するカバー部90とを含み、前記係止構造500は、前記カバー部90と前記掃除機本体10との間で係脱可能な第一係止構造510と、前記集塵容器50と前記掃除機本体10との間で係脱可能な第二係止構造520と、前記カバー部90における前記集塵部排出口170の縁と前記掃除機本体10との間で係脱可能な第三係止構造530とを含むものであると良い。
本変形例の電気掃除機1は、掃除機本体10と集塵部20との間で係脱可能とする構造部である係止構造500として、上述した第一係止構造510、第二係止構造520、及び第三係止構造530を含むものを採用したものである。本変形例の電気掃除機1は、第一係止構造510によってカバー部90と掃除機本体10との間で係脱可能とするのに加え、第二係止構造520によって集塵容器50と掃除機本体10との間で係脱可能とし、さらに第三係止構造530によってカバー部90の集塵部排出口170の縁と掃除機本体10との間で係脱可能としたものである。このように、本変形例の電気掃除機1は、第一係止構造510、第二係止構造520、及び第三係止構造530を複合的に利用して集塵部20と掃除機本体10とを係脱可能としたものであるため、掃除機本体10と集塵部20との気密性を十分確保できる。
(5−2)本変形例の電気掃除機1は、前記掃除機本体10と前記カバー部90との間を気密にするための気密部材540を備え、前記気密部材540が、前記カバー部90のうち前記集塵部排出口170より外側における被当接部178にて当接する当接部542を有し、前記第三係止構造530は、前記当接部542および前記被当接部178を避けて配されると良い。
かかる構成によれば、第三係止構造530が邪魔になることなく、気密部材540の当接部542がカバー部90の被当接部178に当接できる。従って、本変形例の電気掃除機1は、掃除機本体10とカバー部90との間の気密性を気密部材540によって十分に確保できる。
(5−3)本発明の電気掃除機1は、前記第三係止構造530のうち前記掃除機本体10側としての第一部材532は、前記掃除機本体10と前記カバー部90の前記集塵部排出口170との対向方向と交差する方向のうち外方に向けて開放された開口534aを備えた中空状の収容部534を有し、前記第三係止構造530のうち前記集塵部20側としての第二部材536は、前記カバー部90における前記集塵部排出口170の縁から内方に延びる突起536aを有し、前記突起536aが前記開口534aを介して前記収容部534に収容されることで、前記第二部材536が前記第一部材532に係止するものであると良い。
かかる構成によれば、第三係止構造530によって、掃除機本体10に対して集塵部20を周方向及び軸線方向の双方に位置決め精度良く装着することができる。これにより、掃除機本体10と集塵部20との間の気密性をより一層向上させ得る。
(5−4)本発明の電気掃除機1は、前記第三係止構造530のうち前記掃除機本体10側としての第一部材532は、前記気密部材540より内方から前記集塵部20に向かって延びる延出部534bと、前記掃除機本体10と前記カバー部90の前記集塵部排出口170との対向方向と交差する方向のうち外方に向けて突出するよう、前記延出部534bに対して屈曲した係止部534cとを有し、前記係止部534cは、前記カバー部90における前記集塵部排出口170の縁に係止するものであると良い。
かかる構成によれば、第三係止構造530をなす係止部534cと集塵部排出口170の縁とによって形成される係止構造によって、掃除機本体10に対して集塵部20を位置決め精度良く装着することができる。これにより、掃除機本体10と集塵部20との間の気密性をより一層向上させ得る。
(5−5)本発明の電気掃除機1は、前記電動送風機14を収容する送風機カバー体630を備え、前記第一部材532は、前記送風機カバー体630と一体的に設けられるものであると良い。
かかる構成によれば、部品点数の削減を図ると共に、電動送風機14が組み込まれる掃除機本体10に対して第一部材532を確実に設けることができる。
(5−6)本発明の電気掃除機1は、前記送風機カバー体630を前記掃除機本体10内にて位置決めするためのカバー固定部材640を備え、前記気密部材540は、前記カバー固定部材640と前記送風機カバー体630との間で固定されるものであると良い。
かかる構成によれば、気密部材540を位置決め精度よく掃除機本体10側に取り付けることができる。これにより、掃除機本体10と集塵部20との間を気密部材540によって確実に気密に接続することができる。
[第三変形例の具体例について]
以下、第三変形例の電気掃除機1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本変形例の電気掃除機1は、大略、上記実施形態に示したものと構成が共通するため、同一の構成については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
本変形例の電気掃除機1は、掃除機本体10、集塵部20(集塵装置)に加えて、係止構造500を備えている。掃除機本体10は、上述した電気掃除機1と同様に、電動送風機14を備えたものである。掃除機本体10は、電動送風機14の動作により、塵埃を吸引するための吸引口18を有する。また、掃除機本体10は、電動送風機14を収容する送風機カバー体630を備えている。
集塵部20は、掃除機本体10に着脱可能とされている。集塵部20は、図26等に示すように、集塵容器50、第一流入口68、及び集塵部排出口170を有する。また、集塵容器50は、底部58、側壁部59、カバー部90を有する。底部58は、集塵容器50の底をなす部分である。また、側壁部59は、集塵容器50の周面をなす部分である。側壁部59は、底部58に対して立設されている。カバー部90は、集塵容器50の天面側に設けられている。カバー部90は、略中央部に集塵部排出口170を有する。また、カバー部90は、気密部材540の当接部542が当接する被当接部178を有する。被当接部178は、集塵部排出口170に対して外周側において少なくとも一部が面状、平坦状または凹状に形成されている。また、集塵部排出口170は、集塵部20を掃除機本体10に接続した際に、電動送風機14の吸気口と連通するように形成されている。また、集塵部20には、第一流入口68が設けられており、吸引口18からの空気が流入可能とされている。
上述した掃除機本体10と集塵部20との接続部分には、気密性を確保するために気密部材540が配されている。気密部材540は、掃除機本体10及び集塵部20のいずれか一方又は双方に配することが可能であるが、本変形例においては、図25に示すように、掃除機本体10に気密部材540が設けられている。気密部材540は、送風機カバー体630を掃除機本体10内にて位置決めするためのカバー固定部材640と送風機カバー体630との間で固定されている。具体的には、図25(b)に示すように、気密部材540は、断面形状が略「S」字形状に屈曲している。これにより、逆「コ」字状の被係止部541と、「コ」字状の当接部542とが上下に連続するように形成されている。また、送風機カバー体630の底部側(吸気カバー630c側)には、径方向外側に突出するフランジ状の係止部630xが設けられている。気密部材540は、被係止部541を係止部630xに対して係合させることにより、送風機カバー体630に対して取り付けられている。また、気密部材540を送風機カバー体630に対して取り付けると、当接部542が掃除機本体10側から集塵部20側に向けて突出した状態になる。当接部542は、集塵部20の取り付け状態において、カバー部90の被当接部178に当接可能な位置に設けられている。
係止構造500は、掃除機本体10と集塵部20との間で係脱可能とする構造部である。図24に示すように、係止構造500は、第一係止構造510、第二係止構造520、第三係止構造530を含むものとされている。
第一係止構造510は、カバー部90と掃除機本体10との間で係脱可能なものである。第一係止構造510は、上記実施形態において図2や図4を参照して説明したロック部20c及び凹部10bの組み合わせによって構成されている。さらに詳細には、図2や図4に示すように、集塵部20の天面側であって、電気掃除機1の組立状態において正面側となる位置には、ロック部20cが設けられている。ロック部20cは、上方に向けて突出したものである。また、掃除機本体10の正面側には、下方に向いて開放するように形成された凹部10bが設けられている。第一係止構造510は、ロック部20cを凹部10bに嵌め込むことにより形成され、電気掃除機1の正面側において、集塵部20を掃除機本体10側に対して固定する。
第二係止構造520は、集塵容器50と掃除機本体10との間で係脱可能なものである。第二係止構造520は、第一係止構造510と同様に、上記実施形態において図2や図4を参照して説明したものであり、凹部20b及び凸部10aによって構成される。具体的には、図2や図4に示すように、集塵部20の底部58には、凹部20bが設けられている。また、図2に示すように、掃除機本体10において、集塵部20の背面が接触する部分には、凸部10aが設けられている。第二係止構造520は、集塵容器50側に設けられた凹部20bと、掃除機本体10側に設けられた凸部10aとを係合させることにより、掃除機本体10に対して集塵容器50を係止できる。
本変形例では、係止構造500として、上述した第一係止構造510及び第二係止構造520に加えて、第三係止構造530を備えている。第三係止構造530は、集塵部20の天面側においてカバー部90に設けられた集塵部排出口170の縁と、掃除機本体10との間で係脱可能とされたものである。第三係止構造530は、上述した気密部材540による気密構造の形成を阻害しないように、当接部542および被当接部178を避けて配される。第三係止構造530は、第一部材532及び第二部材536の組み合わせで構成される。
図25に示すように、第一部材532は、掃除機本体10側に設けられる部材である。第一部材532は、気密部材540より中心側において、送風機カバー体630と一体的に設けられている。また、第一部材532は、収容部534を有する。収容部534は、開口534aを有する中空状のものとされている。また、収容部534は、開口534aを有する。収容部534は、開口534aを有することにより、掃除機本体10とカバー部90の集塵部排出口170との対向方向(図示例では上下方向)に対して交差する方向(本実施形態では集塵部20の径方向)のうち外方に向かう方向に向けて開放されている。
図26に示すように、第二部材536は、集塵部20側に設けられる部材である。第二部材536は、突起536aを有する。突起536aは、カバー部90における集塵部排出口170の縁から内方に延びるように形成されている。具体的に、突起536aは、気密部材540よりも中心側に延びている。
本変形例の電気掃除機1において、集塵部20を掃除機本体10に装着する場合には、先ず、掃除機本体10側に設けられた凸部10aを、集塵部20側に設けられた凹部20bに対して差し込み、第二係止構造520を構成する。その後、凸部10aを支点として、第一流入口68が管接続部22に近づくよう集塵部20を回動させる。これにより、集塵部20側に設けられたロック部20cが、掃除機本体10側に設けられた凹部10bに嵌め込まれ、第一係止構造510が構成される。また、凸部10aを支点として集塵部20を回動させることにより、第二部材536の突起536aが第一部材532の開口534aを介して収容部534に収容されて第二部材536が第一部材532に係止し、第三係止構造530が構成される。第一部材532と第二部材536との係止については、具体的に、突起536aの周方向の両端が収容部534内で規制されることで、掃除機本体10に対して集塵部20が周方向において位置決めされ、また突起536aの上面および下面が収容部534内で規制されることで、掃除機本体10に対して集塵部20が軸線方向において位置決めされる。
ここで、図25(b)に示すように、第三係止構造530は、気密部材540による気密構造の形成を阻害しないように、当接部542および被当接部178を避けて配される。具体的には、気密部材540は、当接部542を被当接部178に当接することによって気密構造を形成する。これに対し、第三係止構造530は、掃除機本体10側において、送風機カバー体630から下方に突出するように設けられた第一部材532(収容部534)に対し、集塵部20側に設けられた第二部材536(突起536a)が係合することで形成される。第一部材532(収容部534)及び第二部材536(突起536a)は、それぞれ当接部542および被当接部178よりも径方向内側(中心側)に外れた位置において係合する。そのため、第三係止構造530は、気密部材540による気密構造の形成を阻害しないように形成される。このようにして、電気掃除機1は、第一係止構造510、第二係止構造520、及び第三係止構造530からなる係止構造500によって集塵部20が掃除機本体10に対して気密に装着された状態になる。
また、図27に示すように、本変形例では、集塵部20において掃除機本体10と接触する部分(背面側)に凸部570が設けられている。また、掃除機本体10において、集塵部20に設けられた凸部570に対応する位置に凹部572が設けられている。電気掃除機1は、集塵部20を掃除機本体10に対して取り付ける際に、凸部570が凹部572に嵌まるものとされている。そのため、電気掃除機1は、凸部570及び凹部572によって構成される嵌合構造によっても、集塵部20を掃除機本体10に対して位置決め精度良く装着できる。
上述した第三変形例は、本発明の電気掃除機1の一例を示したものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で一部又は全部の構成を相違させることが可能である。例えば、第三係止構造530を上述したような構成とするのに代えて、図28に示すように、掃除機本体10側の第一部材532aを、気密部材540および被当接部178より内方から集塵部20に向かって延びる延出部534bと、掃除機本体10とカバー部90の集塵部排出口170との対向方向と交差する方向のうち外方に向けて突出するよう、延出部534bに対して屈曲した係止部534cとを備えたものとし、係止部534cがカバー部90における集塵部排出口170の縁に係止することによって第三係止構造530を構成できるものとしても良い。係止部534cが係止するカバー部90における集塵部排出口170の縁の構成としては、内方側が開口する収容部であっても実現可能である。また、カバー部90における集塵部排出口170の縁の下面に設けられた凹部に係止部534cが係止する構成であってもよい。
≪その他の変形例≫
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の変形例を採用しうる。以下、具体的に説明する。
≪フィルタ支持部80の変形例≫
上記実施形態においては、集塵部20の天面側において、遠心分離部100を上端側において閉塞する蓋部106を設け、この略中央部に設けられた中央支持リブ140によってフィルタ支持部80を支持する構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図29に示すように、中央支持リブ140に相当するものを設けないものとしても良い。このようにする場合は、例えば、図29に示すように、フィルタ支持部80を支持するための支持リブ600を設けると良い。支持リブ600を設ける場所や支持リブ600の数量、形状等は適宜変更できる。支持リブ600は、蓋部106あるいはフィルタ支持部80に対して一体的に形成されたものや、蓋部106及びフィルタ支持部80とは別部材として形成されたものとすると良い。図示例においては、支持リブ600は、フィルタ支持部80に一体的に形成されている。また、図示例では、支持リブ600は、周方向連結部160から蓋部106に到達するように形成されたリブ脚部600aと、リブ脚部600aに対して屈曲したリブ固定部600bとを備えたものとされている。また、支持リブ600は、ネジ等の固定具602を用いてリブ固定部600bを蓋部106に装着することにより固定されているが、溶着により蓋部106と一体化してもよい。これにより、フィルタ支持部80を確実に支持することができる。
≪電動送風機14の構成の変形例≫
上記実施形態においては特に言及しなかったが、図30や図31に示すように、電動送風機14は、送風機カバー体630の内部にファンモータ632を内蔵させたものとすると良い。また、図示例のように、ファンモータ632が径方向外側に突出したファン脚部634を有するものである場合には、ファン脚部634を受けるための受部636を送風機カバー体630に設けると共に、受部636とファン脚部634との間に弾性部材638を介在させるようにすると良い。また、送風機カバー体630を第一カバー630a及び第二カバー630bで構成し、第一カバー630a及び第二カバー630bを係合構造により組み合わせることによって受部636が形成されるようにすると良い。このような構成とすれば、第一カバー630a及び第二カバー630bによってファン脚部634及び弾性部材638を挟み込むことにより、送風機カバー体630に対してファンモータ632を組み付けることができ、組み立て時の作業性が良くなる。
また、電動送風機14は、適宜の構成によって掃除機本体10に対して組み付けることが可能であるが、例えば図30や図31に示すように、カバー固定部材640を用いて組み付けることが可能である。具体的には、図30や図31の例では、電動送風機14の送風機カバー体630が、径方向外側に突出したカバー突出部642を下端側に備えている。一方、カバー固定部材640は、環状であって、内径が送風機カバー体630の外径よりも大きな部材とされている。また、カバー固定部材640は、送風機カバー体630のカバー突出部642が嵌合する嵌合部644を有する。電動送風機14は、カバー突出部642を嵌合部644に嵌合させることにより、送風機カバー体630とカバー固定部材640とを一体化したものとされている。図示例では、電動送風機14は、カバー固定部材640をネジ等の固定具を用いる等して掃除機本体10に固定されている。このような構成によれば、掃除機本体10に対して電動送風機14を組み付けることができる。なお、図示例では、上述した第一係止構造510をなす凹部10bを構成するための孔が、カバー固定部材640に設けられている。このような構成によれば、掃除機本体10に対する電動送風機14の組み付け、及び凹部10bの形成のためにカバー固定部材640を活用でき、部品点数を抑制できる。
≪モップケース、及びモップを備えた変形例≫
上述した電気掃除機1は、例えば図32〜図34に示すように、モップ660等の他の清掃用具を収容可能なケース650や、モップ660の保持構造を備えたものとすると良い。このようなケース650を設ける場合には、電気掃除機1の使用を阻害しないように、ケース650を適宜着脱できる構成としたり、ケース650の配置を最適化したりすると良い。以下、電気掃除機1の変形例としてケース650を備えたものについて説明する。
図32に示す例においては、電気掃除機1の背面側において、掃除機本体10の下端部から管部30に亘ってケース650が取り付けられている。ケース650は、天面側が開口し、底面側が閉塞された収容空間650aを備えた筒状のものである。ケース650は、天面側の開口部分からモップ660のような長尺状の清掃用具を差し込んで収容できる。
ケース650は、下端側に設けられたクリップ652により、管部30に対して装着できる。クリップ652は、適宜の形状とすることができる。図示例では、管部30が略円筒状であることから、クリップ652は、管部30に対して外嵌可能な略「C」字状のものとされている。また、図34に示すように、ケース650において管部30に接触する面には、外側に向けて突出したリブ654が設けられている。図示例では、管部30においてリブ654に対応する位置に、リブ654が係合可能な第一係合部30aが設けられている。ケース650は、リブ654と第一係合部30aとによって形成される係合構造によって、管部30の軸線方向への移動が規制された状態で保持される。
ケース650は、上端側に第二係合部656を有する。第二係合部656は、ケース650の上端側において段状に形成された部分である。一方、掃除機本体10の背面側において、第二係合部656に対応する位置には、鈎状の断面形状を有し、第二係合部656を下方から差し込み可能とされた第三係合部10cが設けられている。
図32〜図34に示す電気掃除機1において、ケース650を取り付ける場合には、上端側に形成された第二係合部656を第三係合部10cに対して下方から差し込んで係合させた後、下端側に設けられたクリップ652を管部30に係合させる。これにより、ケース650が上端側及び下端側において固定された状態になる。また、ケース650をこのようにして取り付けると、ケース650に設けられたリブ654が管部30に設けられた第一係合部30aに係合した状態になる。これにより、ケース650は、管部30の軸線方向に移動を規制された状態になる。また、ケース650は、取り付け時とは逆の手順により、取り外すことができる。
また、図32に示す例では、ケース650にモップ660を収容した状態において、モップ660の柄662を保持するための柄保持部10fが、掃除機本体10に設けられている。図示例においては、把持部16の後側であって、掃除機本体10の上端側に設けられたバッテリー収容部10dに、モップ660の柄662の上端部を嵌め込み可能な凹部10eが設けられている。また、凹部10eには、柄662を保持するための柄保持部10fが設けられている。図示例では、柄保持部10fとして、略「C」字状のクリップが用いられている。バッテリー収容部10dは、掃除機本体10に対して着脱可能であってもよいが、本実施形態においては掃除機本体10と着脱不能に一体化されている。
図32に示すように、電気掃除機1は、電動送風機14及び集塵部20が上下に並ぶように配され、管部30の上側にバッテリー収容部10dが設けられるため、掃除機本体10の前後方向の幅がコンパクトとなる。そのため、図32に示すように、ケース650やモップ660を掃除機本体10の背面に設けても、電気掃除機1が大型化せずに済む。
また、図32等に示すように、電気掃除機1は、バッテリー収容部10dにおいて、柄保持部10fよりも上方に離れた位置に、背面側に向けて突出した突出部10gを有する。突出部10gは、電気掃除機1を壁掛けする際に滑り止めとして機能する部分である。突出部10gは、柄保持部10fに保持されたモップ660よりもさらに背面側に向けて突出するように形成されている。そのため、電気掃除機1は、掃除機本体10の背面側にモップ660を設けても、壁掛け等して配置する際にモップ660が邪魔にならない。
図32に示す例において用いられるモップ660は、ハンディタイプのものであれば形状や構造がいかなるものであっても良いが、例えば図35に示すようなものとすると良い。具体的には、モップ660は、柄662と、回動部664を基準に柄662に対して回動する清掃部666とを有する。図示例では、清掃部666に装着される繊維や不織布等によって形成される集塵用部材を図示せず省略している。
図36に示すように、柄662は、複数(図示例では3つ)の柄部670,672,674の組み合わせによって構成された伸縮式のものとされている。具体的には、柄部670(以下、「第一柄部670」とも称す)は、先端側が閉塞され、基端側に開口を有する中空の筒体である。第一柄部670は、先端側(閉塞側)に第一孔部670a、基端側(開口側)に第二孔部670bを有する。また、柄部672(以下、「第二柄部672」とも称す)は、中空の筒体によって構成されている。第二柄部672は、先端側に第三孔部672a及び第一ボタン672cを有し、基端側に第四孔部672bを有する。柄部674(以下、「第三柄部674」とも称す)は、中空の筒体によって構成されている。第三柄部674は、先端側に第五孔部674a及び第二ボタン674cを有する。柄662は、第二柄部672の先端側を第一柄部670の基端側から差し込むことにより、第二柄部672が第一柄部670に対して伸縮可能なように接続されている。また、柄662は、第三柄部674の先端側を第二柄部672の基端側から差し込むことにより、第三柄部674が第二柄部672に対して伸縮可能なように接続されている。また、第一ボタン672c及び第二ボタン674cは、それぞれ常時において第二柄部672及び第三柄部674の外周面より突出するように付勢されているが、押圧により退入させることができる。
柄662は、各柄部670,672,674を上述したように接続したものである。そのため、第一柄部670及び第二柄部672を軸線方向に離反する方向に移動させると、第二柄部672の第一ボタン672cが第一柄部670の第二孔部670bに係合し、第一柄部670及び第二柄部672が伸長した状態でロックされた状態になる。また、第二柄部672及び第三柄部674を軸線方向に離反する方向に移動させると、第三柄部674の第二ボタン674cが第二柄部672の第四孔部672bに係合し、第二柄部672及び第三柄部674が伸長した状態でロックされた状態になる。これとは逆に、第一柄部670及び第二柄部672が伸長した状態で、第二孔部670bにて露出する第一ボタン672cを押圧しつつ、第一柄部670及び第二柄部672を軸線方向に近接する方向に移動させると、第一柄部670及び第二柄部672を収縮させることができる。第一柄部670及び第二柄部672が収縮した状態では、第一孔部670aに第一ボタン672cが係合する。
同様に、第二柄部672及び第三柄部674が伸長した状態で、第四孔部672bにて露出する第二ボタン674cを押圧しつつ、第二柄部672及び第三柄部674を軸線方向に近接する方向に移動させると、第二柄部672及び第三柄部674を収縮させることができる。第二柄部672及び第三柄部674が収縮した状態では、第三孔部672aに第二ボタン674cが係合する。
また、図37のように、回動部664は、柄662の端部に設けられた第一外側連結部680、及び第二外側連結部682と、清掃部666の端部に設けられた内側連結部684とを、第一係止部686や第二係止部688を用いて回動可能なように連結したものである。第一外側連結部680、第二外側連結部682、及び内側連結部684は、それぞれ正面視で外形が略円形となるように形成されている。第一外側連結部680は、略中央部に貫通孔680aを有する円環状のものとされている。第一外側連結部680は、第二外側連結部682と対向する側とは反対側に、バネ687を収容するためのバネ収容部680bを備えている。また、第二外側連結部682は、第一外側連結部680に対して所定の間隔を開けて対向する位置に設けられている。第二外側連結部682は、中央部に貫通孔682aを有し、その外周側に複数の溝682bを周方向に所定の間隔毎に設けたものとされている。内側連結部684は、中央部に貫通孔684aを有し、その外周側に複数の溝684bを周方向に所定の間隔毎に設けたものとされている。
第一係止部686は、第一フランジ部686aと、第一フランジ部686aの片面から突出した爪部686bとを備えたものとされている。また、第二係止部688は、第二フランジ部688a、筒部688b、突起688c、及び孔部688dを有するものとされている。筒部688bは、第二フランジ部688aの片面側から突出した筒状の部分である。また、突起688cは、筒部688bの周部に複数設けられており、筒部688bの外側に向けて突出するように形成されている。孔部688dは、筒部688bの周部において、筒部688bの内外を連通するように形成された孔である。
回動部664は、第一外側連結部680及び第二外側連結部682の間に、内側連結部684を差し込んだ状態において、貫通孔680a,684a,682aを連通させ、第一外側連結部680側から第一係止部686の爪部686bを差し込むと共に、第二外側連結部682側から筒部688bを差し込み、爪部686bの先端部分を筒部688bに設けられた孔部688dに係合させることにより組み立てられる。回動部664の組み立てに際し、バネ668が、第一外側連結部680のバネ収容部680bに圧縮した状態で収容される。回動部664は、第一フランジ部686aを押下していない状態において、第二係止部688の突起688cが内側連結部684の溝684b、及び第二外側連結部682の溝682bに係合している。これにより、回動部664は、ロック状態になり、柄662及び清掃部666が回動できない状態になる。一方、回動部664は、バネ668の付勢力に反して第一フランジ部686aを押下すると、第二係止部688の突起688cが第二外側連結部682の溝682bと係合したまま、内側連結部684の溝684bから外れる。これにより、回動部664は、ロック解除され、柄662及び清掃部666が回動できる状態になる。また、回動部664は、第一フランジ部686aの押下を解除すると、ロック状態に戻る。
≪管部30の変形例≫
上述した電気掃除機1において、管部30は、塵埃が通過可能な筒体であれば良いが、例えば図38のような構造のものとすると良い。具体的には、図38の管部30は、内部空間が隔壁700によって内部空間が配線収容部702と、塵埃流路704とに隔てられている。隔壁700、配線収容部702および塵埃流路704は、金属または樹脂で構成される。配線収容部702には、管部30の一端側の樹脂製のパイプカバーにおいて外部に露出した第一端子ピン706、及び管部30の他端側の樹脂製のパイプカバーにおいて外部に露出した第二端子ピン708を繋ぐ配線710が収容されている。両方のパイプカバーにおける配線収容部702および塵埃流路704は樹脂で構成される。第一端子ピン706及び第二端子ピン708は、それぞれ掃除機本体10及び吸込具40に対して電気的に接続されるものである。このような構成によれば、第一端子ピン706及び第二端子ピン708を繋ぐ配線710が管部30を通過する塵埃を含む空気に晒されたり、外部に露出したりするのを抑制できる。
≪掃除機支持装置330の変形例≫
上述した第一変形例の電気掃除機ユニット300のように、例えば電気掃除機1を支持するための掃除機支持装置330を備えたものとする場合等においては、図39のように、各種の付属品を配置するための配置部720を設けると良い。図39の例では、電気掃除機1を配置するための載置部340に加えて、アタッチメント等を配置するための配置部720を備えたものとされている。配置部720は、載置部340(支柱部350)の後方側に設けられ、例えば、ノズル系のアタッチメント722をなす継手の開口部分に挿入できる突起724を設けたり、吸込具40の幅方向(長手方向)片側の部分を差し込んで収納できる差込部726を設けたりすると良い。また、配置部720は、例えば使い捨ての消耗品を収容しておくための収容部728を設けると良い。この収容部728においても、配置部720にて位置決めするための構造を有しており、例えば突起724が嵌る凹部を底面に有している。また、本実施形態の収容部728は、フィルタ70を収容するために用いられ、天面の開閉可能な蓋部から出し入れ可能である。しかしながら、これに限定されるものではなく、紙パック式の掃除機が掃除機支持装置300にて支持される場合には、紙パックを収容するものとして用いることができる。
≪本体ケース及びバッテリー収容部の変形例≫
上述したように、電気掃除機1に用いられる電動送風機14は、掃除機本体10の本体ケース12に収容されるが、この本体ケース12は、例えば図40に示すように周面(側面)に開口630dを設ける等して軽量化を図ったものとすると良い。また、開口630dは、図示例のようにハニカム状に設けたり、円形や矩形、多角形等の形状に形成された孔を多数設けたりすると良い。また、本体ケース12には、バッテリー収容部10dとハニカム状の開口部630dとの間に、電動送風機14からの排気を排出するための排出開口が形成され、排出開口と開口部630dを被覆するよう本体カバーが本体ケース12に設けられる。そして、本体カバーには、本体ケース12の排出開口に排気口10xが対向するよう配され、排気口10xが排出開口より小さく設計される。
また、電気掃除機1は、電動送風機14が配置される本体ケース12と、バッテリー収容部10dとの間に連通孔10yを設けると共に、バッテリー収容部10dに排気孔10zを設けても良い。これにより、電動送風機14の排気を連通孔10yを介して排気孔10zから排出させることができるので、バッテリー収容部10d内のバッテリー17aを冷却することができる。また、電気掃除機1は、図40に破線で示すように、本体ケース12あるいはバッテリー収容部10dのいずれか一方に、当該掃除機の動作を制御するための回路基板750(制御部)を配しても良い。これにより、本体ケース12あるいはバッテリー収容部10dにある空間を、回路基板750を配置するために有効利用できるとともに、回路基板750を冷却することができる。なお、連通孔10yおよび排気孔10zを設ける場合には、本体ケース12の排出開口および本体カバーの排気口10xを設けなくてもよい。これにより、バッテリー収容部10dに空気を流れ易くすることができる。
≪集塵部の変形例≫
図41に示すように、第四シール部材125と同様に、変形例における第四シール部125Aは、集塵容器50(外側容器52)の内壁と、遠心分離部100を構成する遠心分離内筒104の上壁部120との間を環状のシール部材でシールする。そして、第四シール部材125Aは、端部が下方に延びるL字形状の上壁部120Aと外側容器52と遠心分離外筒102Aとの間に配される。遠心分離外筒102の形状を、径方向に突出するフランジ部102a,102bを有する遠心分離外筒102Aに変更することに伴い、第四シール部材125を第四シール部材125Aに変更している。具体的には、S字形状の第四シール部材125をL字形状の第四シール部材125Aに変更している。なお、フランジ部102bは、外側容器52の下側段差部分にて支持される。
第四シール部125Aにおいては、蓋部106を構成する蓋板部130の外周側において立設された立設部136が上壁部120よりも下方に突出し、第四シール部材125Aに当接する。また、第四シール部材125Aは、外側容器52に形成された上側段差部分および遠心分離外筒102Aのフランジ部102aにおいて支持される。第四シール部125Aは、このような構造とすることにより、外側容器52と立設部136の間の気密性、外側容器52とフランジ部102aの間の気密性を確保している。
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。