JP2021105154A - 樹脂組成物 - Google Patents

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真弓 清澤
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Tomoya Nakamura
友哉 中村
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Abstract

【課題】充分高い導電性を有する成形体を形成可能な樹脂組成物を提供する。【解決手段】炭素系フィラー(A)0.1〜20.0質量%と、示差走査熱量計により測定される融点(Tm)が135〜167℃の範囲にあるポリプロピレン樹脂(B)40.0〜98.9質量%と、ポリアミド樹脂(C)1.0〜50.0質量%と、を含有する樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関する。
熱可塑性樹脂に炭素材料を添加することにより導電性を付与した導電性材料と、この導電性材料から形成された成形体とが、広く使用されている(例えば、特許文献1および2参照)。
特開2004−255683号公報 国際公開第2018/056215号
本発明者らの検討によれば、従来技術の導電性材料から形成された成形体は、充分高い導電性を有するとは言い難い。本発明の一態様に係る課題は、充分高い導電性を有する成形体を形成可能な樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく検討した結果、以下の樹脂組成物により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、例えば以下の[1]〜[8]に関する。
[1]炭素系フィラー(A)0.1〜20.0質量%と、示差走査熱量計により測定される融点(Tm)が135〜167℃の範囲にあるポリプロピレン樹脂(B)40.0〜98.9質量%と、ポリアミド樹脂(C)1.0〜50.0質量%と、を含有する樹脂組成物。
[2]前記ポリプロピレン樹脂(B)が、無水マレイン酸変性ポリプロピレンおよびマレイン酸変性ポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種を含む前記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記炭素系フィラー(A)が、カーボンナノチューブである前記[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記ポリプロピレン樹脂(B)の融点(Tm)が、160〜167℃の範囲にある前記[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む成形体。
[6]射出成形体である前記[5]に記載の成形体。
[7]自動車外板用成形体である前記[5]または[6]に記載の成形体。
[8]前記[5]〜[7]のいずれかに記載の成形体を自動車外板として有する自動車。
本発明の一態様によれば、充分高い導電性を有する成形体を形成可能な樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本実施形態の樹脂組成物は、炭素系フィラー(A)0.1〜20.0質量%と、示差走査熱量計により測定される融点(Tm)が135〜167℃の範囲にあるポリプロピレン樹脂(B)40.0〜98.9質量%と、ポリアミド樹脂(C)1.0〜50.0質量%と、を含有する。
炭素系フィラー(A)およびポリプロピレン樹脂(B)とともに、ポリアミド樹脂(C)を上述の範囲でそれぞれ含有する樹脂組成物を用いることで、優れた導電性、すなわち低い表面電気抵抗率、を有する成形体を形成することができる。
<炭素系フィラー(A)>
炭素系フィラー(A)としては、例えば、カーボンナノチューブ(CNT)、導電性カーボンブラック(CB)、炭素繊維が挙げられる。炭素系フィラー(A)としては導電性を有するこれらの材料であれば特に制限されないが、これらの中でも、成形体の表面電気抵抗率を下げる効果に優れていることから、カーボンナノチューブが好ましい。
カーボンナノチューブは、炭素からなる円筒状の中空繊維状物質であり、多層カーボンナノチューブおよび単層カーボンナノチューブのいずれでもよい。
カーボンナノチューブの平均直径は、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、さらに好ましくは7nm以上であり、好ましくは20nm以下である。また、カーボンナノチューブの平均長さは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.6μmであり、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。平均直径が1nm以上であれば混練時に切れにくくすることができ、20nm以下であれば導電性を高めることができる傾向にある。また、平均長さが0.5μm以上であれば導電性を高めることができ、50μm以下であれば混練時の粘度上昇を抑制し、混練および成形をしやすくすることができる傾向にある。
カーボンナノチューブの平均直径および平均長さは、カーボンナノチューブを電子顕微鏡(SEM、TEM)で観察し、算術平均することにより求めることができる。
カーボンナノチューブは、例えば、アーク放電法、化学気相成長法(CVD法)、レーザー・アブレーション法によって製造することができる。カーボンナノチューブの市販品を用いてもよい。
カーボンナノチューブは、例えばカーボンブラックに比べて、比較的少量で高い導電性を示す傾向にあるが、高価であるためより少量で使用できればコスト面の観点から有利である。本実施形態では、炭素系フィラー(A)およびポリプロピレン樹脂(B)とともに、ポリアミド樹脂(C)を上述の範囲でそれぞれ含有する樹脂組成物を用いることで、優れた導電性を得ることができることから、少量のカーボンナノチューブでも高い導電性が得られる傾向にある。
導電性カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックが挙げられる。具体的には、HAF−LS、HAF、HAF−HS、FEF、GPF、APF、SRF−LM、SRF−HM、MTが挙げられる。
導電性カーボンブラックの1次粒子径は、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。1次粒子径とは、電子顕微鏡などで測定された粒子径を平均したものである。
炭素繊維としては、公知の種々の炭素繊維を使用することができ、例えば、ポリアクリルニトリル系、レーヨン系、ピッチ系、ポリビニルアルコール系、再生セルロース系、メゾフェーズピッチから製造されたピッチ系等の炭素繊維が挙げられる。炭素繊維は、比強度に優れている点で、軽量性と強度とが重視される用途、例えば航空機用において優位にある。
炭素繊維は汎用繊維でよく、高強度繊維でもよい。また、炭素繊維は、長繊維、短繊維、チョップドファイバー、リサイクル繊維であってもよい。
炭素繊維の集束剤(サイズ剤)としては、例えば、ウレタン系エマルション、エポキシ系エマルション、ナイロン系エマルション、オレフィン系エマルションのいずれの集束剤も使用することができる。
炭素繊維の平均長さ、すなわち平均繊維長は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上であり、好ましくは15.0mm以下、より好ましくは13.0mm以下である。平均繊維長が0.1mm以上である場合には、炭素繊維による機械物性の補強効果が充分発現される傾向にある。平均繊維長が15.0mm以下である場合には、樹脂組成物中の炭素繊維の分散性、よって外観が良好となる傾向にある。
炭素繊維の平均直径は、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上であり、好ましくは30μm以下、より好ましくは21μm以下、さらに好ましくは19μm以下である。炭素繊維の平均直径が3μm以上である場合には、成形時に炭素繊維が破損し難くなり、また、得られる成形体の衝撃強度が高くなる傾向にある。炭素繊維の平均直径が30μm以下である場合には、成形体の外観が良好となり、また、炭素繊維のアスペクト比が低下せず、成形体の剛性、耐熱性などの機械的物性に十分な補強効果が得られる傾向にある。
炭素系フィラー(A)は1種または2種以上用いることができる。
上記樹脂組成物における炭素系フィラー(A)の含有割合は、0.1〜20.0質量%である。炭素系フィラー(A)の含有割合は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、さらに好ましくは6.0質量%以上であり、また、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下である。
<ポリプロピレン樹脂(B)>
ポリプロピレン樹脂(B)としては、一般的なポリプロピレン樹脂を用いることができる。例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンが挙げられ、これらの中でもブロックポリプロピレンが好ましい。
ランダムポリプロピレンおよびブロックポリプロピレンにおけるコモノマーとしては、例えば、プロピレン以外の炭素数2以上のα−オレフィンが挙げられ、具体的には、エチレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。これらの中でも、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンが好ましい。
ポリプロピレン樹脂(B)の、示差走査熱量計により測定される融点(Tm)は、135〜167℃の範囲にあり、好ましくは160〜167℃の範囲にある。このような態様であると、耐熱性、引張弾性率などの機械的特性の観点から好ましい。
ポリプロピレン樹脂(B)の一部は極性モノマーで変性されていてもよい。具体的には、ポリプロピレン樹脂(B)は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン等の酸変性ポリプロピレンを含んでいてもよい。酸変性ポリプロピレンにおける酸変性には、極性モノマーとして、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和カルボン酸無水物を用いることができる。ポリプロピレン樹脂(B)が酸変性ポリプロピレンを含むことで、樹脂組成物におけるポリプロピレン樹脂(B)とポリアミド樹脂(C)との界面強度が高まり、得られる成形体の衝撃強度などの機械物性が向上する傾向にある。
変性の方法としては、特に制限は無く、公知の方法を用いればよい。例えば、ポリプロピレン樹脂を溶媒に溶解し、極性モノマーおよびラジカル発生剤を添加して加熱、撹拌する方法、上記各成分を押出機に供給してグラフト共重合させる方法、固相変性法が挙げられる。
酸変性ポリプロピレン中の極性モノマー由来の構成単位量(例:グラフト量)は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。上記構成単位量は、例えば赤外吸収分光法により求めることができる。
ポリプロピレン樹脂(B)におけるプロピレン由来の構成単位の含有割合は、重合体を構成する全モノマー由来の構成単位の総量中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上である。構成単位の含有割合は、例えば13C−NMRにより測定することができる。
ポリプロピレン樹脂(B)の、JIS K7210に準拠した得られた230℃、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは10g/10分以上、さらに好ましくは30g/10分以上であり、好ましくは500g/10分以下、より好ましくは400g/10分以下、さらに好ましくは300g/10分以下である。
ポリプロピレン樹脂(B)は1種または2種以上用いることができる。
上記樹脂組成物におけるポリプロピレン樹脂(B)の含有割合は、40.0〜98.9質量%である。ポリプロピレン樹脂(B)の含有割合は、好ましくは50.0質量%以上、より好ましくは60.0質量%以上であり、好ましくは95.0質量%以下、より好ましくは90.0質量%以下である。ポリプロピレン樹脂(B)の含有割合が上記範囲にあると、上記樹脂組成物は成形時の流動性に優れる傾向にある。
一実施態様において、上記樹脂組成物における酸変性ポリプロピレンの含有割合は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
<ポリアミド樹脂(C)>
ポリアミド樹脂(C)としては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド614、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミドM5T、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド10T、ポリアミドMXD6、ポリアミド6T/66、ポリアミド6T/6I、ポリアミド6T/6I/66、ポリアミド6T/2M−5T、ポリアミド9T/2M−8Tが挙げられる。
ポリアミド樹脂(C)としては、ポリアミド樹脂成分を含有するブロックコポリマーを用いてもよい。ポリアミド樹脂成分を含有するブロックコポリマーとしては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオールを用いたブロックコポリマーであるポリアミドエラストマーが挙げられる。ポリエーテルジオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシプロピレンブリコールが挙げられる。
ポリアミド樹脂(C)は1種または2種以上用いることができる。
上記樹脂組成物におけるポリアミド樹脂(C)の含有割合は、1.0〜50.0質量%である。ポリアミド樹脂(C)の含有割合は、好ましくは5.0質量%以上、より好ましくは10.0質量%以上であり、好ましくは30.1質量%以下、より好ましくは20.0質量%以下である。ポリアミド樹脂(C)の含有割合が上記範囲にあると、得られる成形体は導電性および耐熱性に優れ、また引張弾性率などの機械的特性に優れる傾向にある。
<その他の成分>
上記樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂(B)およびポリアミド樹脂(C)以外の樹脂や、各種樹脂用添加剤をさらに含有することができる。
添加剤としては、例えば、オレフィン系エラストマーのようなエラストマーなどの衝撃強度改質剤;ポリプロピレン樹脂(B)に該当しない、低立体規則性ポリプロピレン;タルク、炭酸カルシウム、金属粉、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機充填剤(ただし、炭素系フィラー(A)を除く);顔料、染料などの着色剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、結晶核剤、分散剤、難燃剤、難燃助剤、可塑剤が挙げられる。上記樹脂組成物中の添加剤の含有割合は特に限定されないが、例えば、0.01〜30質量%である。
<樹脂組成物の製造>
上記樹脂組成物は、例えば、炭素系フィラー(A)と、ポリプロピレン樹脂(B)と、ポリアミド樹脂(C)とをドライブレンドし、続いて一軸または二軸押出機で溶融混練し、ストランド状に押出しペレットに造粒することにより得ることができる。なお、炭素系フィラー(A)や無機充填剤などの成分は、ポリプロピレン樹脂(B)等の樹脂成分と予め混合してマスターバッチの形態で用いてもよい。
[成形体]
本実施形態の成形体は、上記樹脂組成物を含む。成形方法としては、具体的には、従来公知のポリオレフィンの成形方法、例えば、押出成形、射出成形、フィルム成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、パウダースラッシュ成形、カレンダー成形、発泡成形等の公知の熱成形方法が挙げられる。好ましくは射出成形によって、上記樹脂組成物を加工することで、上記樹脂組成物を含む本実施形態の成形体を得ることが可能である。成形体としては、炭素系フィラー(A)としてカーボンナノチューブを含有する樹脂組成物を含む成形体が好ましい。
一般的には、射出成形体はプレス成形体よりも導電性が低い(表面電気抵抗率が高い)傾向にある。本実施形態の樹脂組成物では、射出成形であっても充分高い導電性を得ることができる。このように、本実施形態の樹脂組成物は、成形加工方法によらず優れた導電性を有する成形体を形成することができる。
上記成形体は、上記樹脂組成物から形成された成形体であってもよく、また、上記樹脂組成物から形成された部分、例えば表層、を有する成形体であってもよい。
さらに、本実施形態の成形体は、機械物性にも優れている。
成形体は、日用品やレクリエーション用途などの家庭用品から、一般産業用途、工業用品に至る広い用途で用いられる。例えば、家電材料部品、通信機器部品、電気部品、電子部品、自動車部品、その他の車両の部品、船舶、航空機材料、機械機構部品、建材関連部材、土木部材、農業資材、電動工具部品、食品容器、フィルム、シート、繊維が挙げられる。
自動車部品としては、例えば、フロントドア、バックドア、スライドドア、フロントエンドモジュール、ドアモジュール、フェンダー、ホイルキャップ、ガソリンタンク、座席(詰物、表地など)、ベルト、天井張り、コンパーチブルトップ、アームレスト、ドアトリム、リアパッケージトレイ、カーペット、マット、サンバイザー、ホイルカバー、タイヤ、マットレスカバー、エアバック、コネクタ、絶縁材、吊り手、吊り手帯、電線被服材、電気絶縁材、塗料、コーティング材、上張り材、床材、隅壁、デッキパネル、カバー類、合板、天井板、仕切り板、側壁、カーペット、壁紙、壁装材、外装材、内装材、屋根材、防音板、断熱板、窓材が挙げられる。
家電材料部品、通信機器部品、電気部品、電子部品としては、例えば、プリンター、パソコン、ワープロ、キーボード、PDA(小型情報端末機)、ヘッドホンステレオ、携帯電話、電話機、ファクシミリ、複写機、ECR(電子式金銭登録機)、電卓、電子手帳、電子辞書、カード、ホルダー、文具等の事務・OA機器;洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、照明器具、ゲーム機、アイロン、炬燵などの家電機器;TV、VTR、ビデオカメラ、ラジカセ、テープレコーダー、ミニディスク、CDプレイヤー、スピーカー、液晶ディスプレイなどのAV機器;コネクタ、リレー、コンデンサー、スイッチ、プリント基板、コイルボビン、半導体封止材料、電線、ケーブル、トランス、偏向ヨーク、分電盤、時計、ロボット材が挙げられる。
日用品としては、例えば、衣類、カーテン、シーツ、合板、合繊板、絨毯、玄関マット、シート、バケツ、ホース、容器、眼鏡、鞄、ケース、ゴーグル、スキー板、ラケット、テント、自転車、楽器などの生活・スポーツ用品が挙げられる。
本実施形態の成形体としては、射出成形体が好ましい。
上記成形体の好適な用途として、自動車外板を以下に説明する。上記成形体、特に射出成形体は、自動車外板として好適であり、最終製品として、例えば、上記成形体、特に射出成形体を自動車外板として有する自動車が挙げられる。
自動車外板としては、例えば、バンパー、フェンダー、サイドドア、エンジンフード、バックドア、ルーフパネル、フューエルリッドカバー、トランク、サイドスカートが挙げられ、バンパー、フェンダーが好ましい。
以下、上記成形体、特に射出成形体を自動車外板として有する自動車の製造方法について説明する。自動車外板において、通常、静電塗装により表面塗装が自動化されている。上記塗装において、従来、樹脂製外板と自動車車体とをそれぞれ別に塗装する方法(オフライン塗装)、樹脂製外板を自動車車体に取り付けて樹脂製外板および自動車車体を一体塗装する方法(オンライン塗装)が知られている。自動車の生産工程の簡略化、生産時間の短縮化、および塗装工程での塗料ロスの低減といった観点から、オンライン塗装が望ましい。
上記製造方法は、本実施形態の成形体、特に射出成形体を自動車車体に取り付ける工程(1)と、成形体が取り付けられた自動車車体に対してオンラインにて塗装を行う工程(2)と、工程(2)後の自動車車体を乾燥する工程(3)とをこの順番で有する。
工程(1)において上記成形体を自動車車体に取り付け、工程(2)において成形体および自動車車体を一体的に塗装する(オンライン塗装)。このような方法は、成形体と自動車車体とを別々に塗装するよりも、自動車の生産性向上、塗料ロスの低減の観点から好ましい。
工程(2)および工程(3)において、例えば、工程(2)で中塗りおよび上塗り(例:ベース、クリア)を行い、工程(3)で乾燥を行ってもよく、工程(2)および工程(3)を繰返し、中塗りおよび乾燥、上塗りおよび乾燥を行ってもよい。
中塗り塗料および上塗り塗料の塗装方法については特に制限はなく、例えば、スプレー塗装法、静電塗装法などの公知の塗装方法を用いることができる。成形体と自動車車体とを一体的に塗装するオンライン塗装では、静電塗装法が好ましい。
本実施形態では、工程(2)で中塗り塗料および/または上塗り塗料を用いて静電塗装する場合でも、本実施形態の樹脂組成物から形成された表層を有する成形体表面は導電性を有することから、静電塗装に必要な導電性を付与するためのプライマー塗装は行わなくてよい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
[融点(Tm)の測定]
日立ハイテクサイエンス社製DSC測定装置(DSC7000X)により、発熱・吸熱曲線を求め、ポリプロピレン樹脂について昇温時の最大融解ピーク位置の温度を融点Tmとした。ここで、ポリアミド樹脂由来の融点は175℃以上に検出されうるが、ポリプロピレン樹脂由来の融点は175℃未満に検出される。測定は、以下の様にして行った。1mm厚のプレスシート試験片(下記参照)から試料約5mgを切り出し、測定用アルミパンにつめ、10℃/分の加熱速度で30℃から230℃に昇温し、230℃で5分間保持した後、10℃/分の冷却速度で30℃まで降温し、30℃で5分間保持した後、再度10℃/分の加熱速度で30℃から230℃に昇温し、230℃で5分間保持した後、再度100℃/分の冷却速度で30℃まで降温した。2回目の昇温時に発現した融解ピークを、融点Tmとした。
[樹脂組成物および試験片の作製方法]
株式会社テクノベル社製kzw15のホッパー部に実施例または比較例に記載のドライブレンド物を投入し、230℃で溶融混練し、樹脂組成物ペレットを作製した。
その後、東芝機械株式会社製の射出成型機 東芝75トンのホッパー部に上記樹脂組成物ペレットを投入し、230℃で溶融させ、40℃の金型に射出圧60MPa、保圧20MPaで射出成形し、130mm×120mm×1mm厚の平板状試験片、ASTM D638 Type4に準拠したダンベル型試験片、およびASTM D648に準拠したHDT測定用試験片を作製した。
また、上記樹脂組成物ペレットを用いて、200℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、余熱を5分とし、10MPaで2分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaで5分間圧縮(冷却)して、1mm厚のプレスシート試験片を作成した。熱板として5mm厚の真鍮板を用いた。
[表面抵抗率の測定]
試験片の表面抵抗率は、以下のようにして求めた。
1mm厚の平板状試験片およびプレスシート試験片について、株式会社エーディーシー社製デジタル超高抵抗/微少電流計8340A型を用いて、二重リング法により室温、湿度50%、印加電圧10V、印加時間60秒の条件において測定した。
[引張弾性率]
上記ダンベル型試験片の引張弾性率は、引張試験により測定した。東洋精機製作所社製引張試験機ストログラフTF−50Dを用い、ASTM D638に準拠して23℃および80℃において、試験速度50mm/分で行った。
[熱変形温度(HDT)の測定]
上記試験片のHDT測定は、ASTM D648(0.45MPa荷重)に準拠して、東洋精機製作所社製 自動HDT試験機により熱変形温度の測定を行った。
[実施例1]
カーボンナノチューブマスターバッチ(ナノシル社製カーボンナノチューブNC7000を15wt%、プライムポリマー社製ポリプロピレンJ707Gを62.5wt%、出光興産(株)製低立体規則性ポリプロピレン エルモーデュ(商標)S901を22.5wt%含むマスターバッチ:炭素系フィラー含有ポリプロピレン樹脂)と、あらかじめポリプロピレン(プライムポリマー社製J707G)にタルク(イメリス社製ミストロン(商標)850JS)を20wt%含有させた樹脂と、マレイン化ポリオレフィン(三井化学社製アドマー(商標)AT2606)と、ポリアミド6(東レ社製CM1026)とをドライブレンドした。各成分の比率は表1に示す。次に、前述の方法にて樹脂組成物ペレットおよび物性測定用試験片を作製した。この試験片を用いて引張試験、表面抵抗率の測定および熱変形温度の測定を実施した。
[実施例2]
実施例1のカーボンナノチューブの15wt%マスターバッチに替えてカーボンブラック25wt%、ポリプロピレン75wt%のマスターバッチ(DIC株式会社P−5050)を使用し、各原料を表1に記載の比率とした以外は実施例1と同様に樹脂組成物ペレットおよび物性測定用試験片を作製し評価した。
[比較例1、2]
各原料を表1に記載の比率とした以外は実施例1と同様に樹脂組成物ペレットおよび物性測定用試験片を作製し評価した。
[比較例3]
各原料を表1に記載の比率とした以外は実施例2と同様に樹脂組成物ペレットおよび物性測定用試験片を作製し評価した。
実施例1〜2および比較例1〜3で得られた試験片の表面抵抗率、引張弾性率(23℃、80℃条件下)、および熱変形温度を表1に示す。
Figure 2021105154
CNT:カーボンナノチューブ
CB :カーボンブラック

Claims (8)

  1. 炭素系フィラー(A)0.1〜20.0質量%と、示差走査熱量計により測定される融点(Tm)が135〜167℃の範囲にあるポリプロピレン樹脂(B)40.0〜98.9質量%と、ポリアミド樹脂(C)1.0〜50.0質量%と、を含有する樹脂組成物。
  2. 前記ポリプロピレン樹脂(B)が、無水マレイン酸変性ポリプロピレンおよびマレイン酸変性ポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記炭素系フィラー(A)が、カーボンナノチューブである請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記ポリプロピレン樹脂(B)の融点(Tm)が、160〜167℃の範囲にある請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む成形体。
  6. 射出成形体である請求項5に記載の成形体。
  7. 自動車外板用成形体である請求項5または6に記載の成形体。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の成形体を自動車外板として有する自動車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023243176A1 (ja) * 2022-06-15 2023-12-21 出光興産株式会社 ペレット状マスターバッチ、樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法
WO2023243587A1 (ja) * 2022-06-14 2023-12-21 三井化学株式会社 フィラー含有ポリプロピレン樹脂組成物

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