JPH0753836A - プロピレン系樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

プロピレン系樹脂組成物及びその製造方法

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JPH0753836A
JPH0753836A JP20062093A JP20062093A JPH0753836A JP H0753836 A JPH0753836 A JP H0753836A JP 20062093 A JP20062093 A JP 20062093A JP 20062093 A JP20062093 A JP 20062093A JP H0753836 A JPH0753836 A JP H0753836A
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島 好 洋 傍
Mitsuhiro Murayama
山 三 弘 村
Osao Suzuki
木 長 生 鈴
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形品の反りが少なく、耐熱性、耐衝撃性に
も優れ、かつ軽量である、特に自動車部品として優れた
プロピレン系軽量耐熱樹脂組成物を得る。 【構成】 下記の(a) 、(b) 及び(c) 成分から構成され
ることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物。 (a) 成分:少なくとも一部が不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性され、か つ全体のMFRが100g/10分以上の結晶性プロピレン重合体 :40〜90重量% (b) 成分:繊維直径が14μm以下のガラス繊維 : 5〜35重量% (c) 成分:MFRが15g/10分以上のエチレン系エラストマー及び/又は スチレン系エラストマーから選ばれた少なくとも一種のエラストマー : 5〜35重量%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形品の反りが少な
く、耐熱性、耐衝撃性にも優れ、かつ軽量であるプロピ
レン系軽量耐熱樹脂組成物及びその製造方法に関するも
ので、工業部品分野、特に自動車部品(例えば、インス
トルメントパネルや各種耐熱部品等)として優れた適性
を有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プロピレン系樹脂組成物はその優
れた機械的強度、加工性及び経済性等により自動車を始
め工業部品分野に広く用いられている。中でも高い剛性
や耐熱性を必要とする分野にはタルクやガラス繊維等の
無機フィラーを複合化し高性能化して、例えば、自動車
部品、具体的にはトリム、インストルメントパネル等の
内装部品、バンパー等の外装部品、ファンシュラウド等
の機能部品に、広く実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなプロピレン系樹脂組成物においては、従来から以下
に示すような問題点があった。すなわち、極めて高い水
準の耐熱性を保持させるためには、ガラス繊維を充填し
たプロピレン系樹脂組成物が知られているが、このよう
なガラス繊維を充填したプロピレン系樹脂組成物は成形
反り変形が生じ易い。従って、この反り変形を抑えるた
めにエラストマー成分を添加する方法が提案されてい
る。しかし、このようなエラストマー成分を添加する方
法でも、最近の極めて高度な耐熱性と低反り性とのバラ
ンスが求められる場合には、未だ不十分なものでしかな
かった。そこで、本発明者等は先に特定の高流動性のプ
ロピレン重合体を使用することにより大幅な成形反りの
抑制を行なうことを実現化して、その実用性を高めた
が、複雑なデザインの成形品への適用や、高度の衝撃強
度が求められる場合には未だやや不十分なものであっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明者等は、上記課題を解決するため
に、種々の研究を重ねた結果、特定のプロピレン・エチ
レンブロック共重合体、特定のスチレン・エチレン・ブ
チレン・スチレンブロック共重合体及び特定のフィラー
から成るプロピレン系樹脂組成物が、高水準の機械的強
度バランス、良好な成形品外観並びに成形性を備えてい
ることを見い出して本発明を完成するに至ったものであ
る。すなわち、本発明のプロピレン系樹脂組成物は、下
記の(a) 、(b) 及び(c) 成分から成ることを特徴とする
ものである。 (a) 成分:少なくとも一部が不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性され、か つ全体のMFRが100g/10分以上の結晶性プロピレン重合体 :40〜90重量% (b) 成分:繊維直径が14μm以下のガラス繊維 : 5〜35重量% (c) 成分:MFRが15g/10分以上のエチレン系エラストマー及び/又は スチレン系エラストマーから選ばれた少なくとも一種のエラストマー : 5〜35重量%
【0005】[発明の具体的説明] [I] プロピレン系樹脂組成物 (1) 構成成分(必須成分) (a) 変性結晶性プロピレン重合体((a) 成分) 本発明において用いられる(a) 成分の変性結晶性プロピ
レン重合体は、少なくともその一部が飽和カルボン酸又
はその誘導体で変性され、かつ変性後のMFR(JIS
−K7210、230℃,2.16kg)が100g/
10分以上、好ましくは200g/10分超過、特に好
ましくは300〜1,000g/10分のものである。
上記MFRが100g/10分未満のものは、反り抑制
や成形性が不十分となるので好ましくない。
【0006】変 性 上記結晶性プロピレン重合体の変性に用いられる飽和カ
ルボン酸又はその誘導体は、具体的には、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不
飽和有機酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シ
トラコン酸等の不飽和有機酸の無水物、アクリル酸メチ
ル、マレイン酸モノメチル等の不飽和有機酸のエステ
ル、アクリル酸アミド、フマル酸モノアミド等の不飽和
有機酸のアミド、イタコン酸イミド等の不飽和有機酸の
イミド等である。中でも、アクリル酸、無水マレイン酸
を用いて変性するのが好ましく、特に無水マレイン酸を
用いて変性するのが好ましい。変性していない結晶性プ
ロピレン重合体は耐熱性や強度が劣るので好ましくな
い。変性方法としては、これら変性剤を結晶性プロピレ
ン重合体100重量部に対し0.01〜20重量部、好
ましくは0.05〜20重量部、特に好ましくは0.0
5〜10重量部添加してグラフト共重合法により変性す
る方法を挙げることができる。変性に際し用いられる結
晶性プロピレン重合体は、プロピレン単独重合体、過半
重量のプロピレンと他のα−オレフィン(例えば、エチ
レン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、4−メ
チルペンテン、オクテン等)、ビニルエステル(例え
ば、酢酸ビニル)、芳香族ビニル単量体(例えば、スチ
レン)、ビニルシラン(例えば、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリメチルシラン)等との二元以上のブロ
ック、ランダムないしグラフト共重合体(これらの混合
物であっても良い)である。中でも、プロピレンの単独
重合体(ポリプロピレン)、プロピレンとエチレンとの
ブロック共重合体が好ましく、特にプロピレンの単独重
合体部の密度が0.9080g/cm3 以上、好ましく
は0.9080〜0.9090g/cm3 のプロピレン
とエチレンとのブロック共重合体が好ましい。
【0007】MFR 変性前のMFRは特に限定されないが、一般的には10
0g/10分以上、好ましくは200g/10分超過、
特に好ましくは300〜1,000g/10分のもので
ある。上記MFRの調整は、重合条件下で或いは過酸化
物処理により調整したものでも良い。ここで用いること
のできる過酸化物としては、例えば、メチルエチルケト
ンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサ
イド等のパーオキサイド、n−ブチル−4,4−ビス
(t−ブチルパーオキシ)バレイト等のパーオキシケタ
ール、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピル
ベンゼンハイドロハーオキサイド等のハイドロハーオキ
サイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプ
ロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキシアセテート、t
−ブチルパーオキシラウレート等のパーオキシエステル
等を挙げることができる。なお、該(a) 変性結晶性プロ
ピレン重合体は、予め高濃度に変性した結晶性プロピレ
ン重合体と未変性結晶性プロピレン重合体とを混合して
変性度合いを任意に調製したものでも良い。
【0008】配合割合 該(a) 成分の変性結晶性プロピレン重合体は、組成物全
体の40〜90重量%、好ましくは45〜85重量%、
特に50〜75重量%配合される。(a) 成分の変性結晶
性プロピレン重合体の組成物全体に対する配合割合が上
記範囲未満であると成形性が不良となり、上記範囲を超
えると耐熱性が劣ることとなる。
【0009】(b) ガラス繊維((b) 成分) 本発明において用いられる(b) 成分のガラス繊維は、そ
の繊維平均直径が14μm以下、好ましくは3〜11μ
mのもので、且つその表面への集束剤(これにはいわゆ
るサイジングを目的とした集束成分と樹脂との接着性・
相溶性を目的とした表面処理剤を含む)の乾燥仕上げ後
の最終付着量が0.10〜0.30重量%、好ましくは
0.15〜0.25重量%のものである。ガラス繊維の
平均直径が14μmを超えるものを使用すると耐熱性・
衝撃強度や成形反りが悪化する。また、外観や経済性の
点等で3μm以上のものを使用するが好ましい。なお、
集束剤の付着性が上記0.30重量%を超えると混練時
の開繊性や成形品外観が悪化する傾向があるので好まし
くない。ここで、平均繊維径は電子顕微鏡等により観察
したものであり、また、集束剤付着量は灼熱減量として
計測される値であり、具体的な灼熱条件は600℃、6
0分である。尚、該ガラス繊維の集束剤中の表面処理剤
はγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどの
エポキシシラン、ビニルトリクロロシランなどのビニル
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどの
アミノシラン等のシラン系カップリング剤を含む。ま
た、該ガラス繊維の長さ、形態は限定されず、例えば1
〜8mm程度のチョップドストランドや連続状態のロー
ビング等を挙げることができる。
【0010】配合割合 該ガラス繊維は、組成物全体の5〜35重量%、好まし
くは10〜30重量%、特に好ましくは15〜27重量
%配合される。上記(b) 成分のガラス繊維の組成物全体
に対する配合割合が上記範囲未満であると耐熱性不足と
なり、上記範囲を超えると成形性が劣ったり、過重とな
る。
【0011】(c) エラストマー((c) 成分) 本発明にて用いられる(c) 成分のエラストマーは、MF
R(JIS−K7210、230℃,2.16kg)が
15g/10分以上、好ましくは20g/10分以上、
特に好ましくは40g/10分以上のエチレン系エラス
トマー及び/又はスチレン系エラストマーから選ばれた
少なくとも一種のものである。
【0012】エチレン系エラストマー ここでエチレン系エラストマーとしては、非晶性エチレ
ン・プロピレン二元共重合体、非晶性エチレン・プロピ
レン・ジエン三元共重合体、非晶性エチレン・ブテン二
元共重合体及び非晶性エチレン・プロピレン・ブテン三
元共重合体等を挙げることができる。該エラストマーは
事実上非晶性のものであることが好ましいが、30%以
下、好ましくは15%以下の結晶化度(X線回折、DS
C等の常法を用い測定)を有していても良い。これらの
エチレン系エラストマーのムーニー粘度ML1+4 (10
0℃)は、通常10未満のものであるが、好ましくは5
未満のものである。
【0013】スチレン系エラストマー また、スチレン系エラストマーとしては、スチレン・エ
チレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体、スチレ
ン・エチレン・プロピレンブロック共重合体、スチレン
・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体及
びスチレン・エチレン・ブチレンランダム共重合体等を
挙げることができる。ここで結合スチレン量は10〜3
0%、特に10〜25%のものが好ましい。MFRが上
記範囲以外のものは、成形反り抑制、成形品外観及び成
形性が劣り実用性に欠ける。なお、結合スチレン量は赤
外線スペクトル分析法等の常法によって測定される値で
ある。これらのエラストマーは、上記各種エラストマー
の混合物であっても良く、また、その形状はベール状、
ペレット状、フレーク状、クラム状等を問わず、またそ
の製造方法は特に限定されない。従来、この様なエチレ
ン系エラストマー・スチレン系エラストマーはその製造
が至難なことであったが、触媒や重合工程の改良により
可能となった。
【0014】配合割合 これら(c) 成分のエラストマーは、組成物全体の5〜3
5重量%、好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは
10〜25重量%にて配合される。上記(c) 成分のエラ
ストマーの組成物全体に対する配合割合が上記範囲未満
であると成形反りが過大となり、上記範囲を超えると耐
熱性不足となる。
【0015】(2) その他の配合成分(任意成分) 本発明のプロピレン系樹脂組成物には、通常、着色する
ための顔料を用いる場合が多いが、更に性能の向上を図
るために、上記成分以外に、酸化防止剤、帯電防止剤、
光安定剤、難燃剤、核剤、分散剤等を添加することもで
きる。また、本発明の効果を著しく損なわない範囲内
で、前記(a) 〜(c) の必須成分以外の各種樹脂、各種エ
ラストマー、各種フィラー等を配合することができる。
特にマイカの添加は成形反りの低減に効果的である。
【0016】[II] プロピレン系樹脂組成物の製造 (1) 混 練 前記(a) 〜(c) の各成分を、必要によりその他の配合成
分を、前記割合で配合し混練することによってプロピレ
ン系樹脂組成物を製造することができる。混練は、一般
に、常圧下、180〜260℃、好ましくは190〜2
30℃の温度条件下で行なわれる。前記(a) 〜(c) の各
成分を混練する混練機としては、一軸押出機、二軸押出
機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラス
トグラフ、ニーダー等の通常の混練機を挙げることがで
きる。このような場合、各成分の分散を良好化するため
の混練・造粒方法を選択するすることが好ましく、通
常、一軸押出機又は二軸押出機を用いて混練・造粒する
ことにより製造される。
【0017】(2) 配合順序 前記(a) 〜(c) の各成分を配合し、混練・造粒すること
によってプロピレン系樹脂組成物を得ることができる。
この際、上記(a) 〜(c) の各成分を同時に混練しても良
いが、更に性能の向上を図るべく、上記各成分を分割し
て添加し、混練することが好ましい。そのような好まし
い分割添加し、混練する方法としては、例えば、先ず
(a) 成分と(c) 成分の一部又は全部を混練し、その後に
残りの成分を混練・造粒する方法、或いは、先ず(a) 成
分及び/又は(c) 成分の少なくとも一部(好ましくは両
成分使用合計量の半重量割合以上)を溶融・混練せし
め、次いで、これに(b) 成分或いは(b) 成分と(a) 成分
及び/又は(c) 成分の残量を個別に又は同時に配合して
混練する方法等を挙げることができる。これらの中で
も、二軸押出機を用いて、予め(a) 成分及び/又は(c)
成分の少なくとも一部(好ましくは両成分使用合計量の
半重量割合以上)をその前半部で十分溶融・混練せし
め、しかる後に、その後半部に設けられたフィード口か
ら(b) 成分又はこれと残りの(a) 成分及び/又は(c) 成
分とを個別に又は同時に供給して混練する方法を採用す
ることが特に好ましい。
【0018】[III] 成 形 本発明のプロピレン系樹脂組成物を用いた成形体の成形
は、各種成形方法、すなわち、射出成形、射出圧縮成形
(プレスインジェクション)、圧縮成形、押出成形(シ
ート成形、ブロー成形)等の方法を適用することができ
る。これら成形方法の中でも、射出成形法や射出圧縮成
形法によって成形するのが最も適している。この様にし
て得られた本発明のプロピレン系樹脂組成物を用いた成
形体は、成形品密度が0.93〜1.16g/cm3
好ましくは0.96〜1.08g/cm3 と軽量である
にも拘らず、熱変形温度が140℃以上、好ましくは1
50℃以上で、ダート衝撃強度が15kg・cm以上、
好ましくは18kg・cm以上と、極めて高度の耐熱性
・衝撃強度を有すると共に、成形反りが2mm以下、好
ましくは1.5mm以下と極めて少なく、MFRが6g
/10分以上、好ましくは10g/10分以上と成形性
や外観も良好であるので、軽量で高度の耐熱性・衝撃強
度及び低反り性を求められる工業部品、例えばインスト
ルメントパネル等の自動車部品用の素材として有用なも
のである。
【0019】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、ここで実施した評価方法は以下に示す通りであ
る。 [I] 評価方法成形反り 円盤シート(200mmφ×2.0mmt)を射出成形
(ピンゲート)し、成形品の変形量(定盤上にセットし
た円盤シートの片端を押え、反対側の反り(跳ね上が
り)量)を隙間ゲージ又はノギスにて測定した。耐熱性 成形体試験片にて熱変形温度をJIS−K7207に準
拠して測定した。ファイバーストレス:18.5kg/
cm2 であり、事前にアニール処理(100℃、30
分)を施した。ダート衝撃強度 直径20mm、荷重4kgのダートを高さ2mより射出
成形したシート(120mm×120mm×2mm)上
に落下せしめ、その際の衝撃吸収エネルギーを求めた。
測定温度は23℃である。密 度 射出成形したシート(120mm×120mm×2m
m)をJIS−K7112に準拠して測定した。MFR ペレットを用いJIS−K7210(230℃,2.1
6kg)に準拠して測定した。
【0020】[II] 原材料原材料 (a) 成分 a−1:過酸化物「1,3−ビス(t−ブチルパーオキ
シイソプロピル)ベンゼン」を用いてMFR調整したプ
ロピレン重合体を用い、無水マレイン酸(0.08重量
%)にて変性して得られた、密度が0.9083g/c
3 、MFRが250g/10分のプロピレン単独重合
体 a−2:重合条件のみでMFR調整したプロピレン重合
体を用い、無水マレイン酸(0.09重量%)にて変性
して得られた、エチレン含量4重量%、プロピレン単独
重合部分の密度が0.9081g/cm3 、MFRが5
00g/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合
体 a−3:過酸化物「1,3−ビス(t−ブチルパーオキ
シイソプロピル)ベンゼン」を用いてMFR調整したプ
ロピレン重合体を用い、無水マレイン酸(0.08重量
%)にて変性して得られた、エチレン含量3重量%、プ
ロピレン単独重合部分の密度が0.9082g/c
3 、MFRが350g/10分のプロピレン・エチレ
ンブロック共重合体 a−4:重合条件のみでMFR調整したプロピレン重合
体を用い、無水マレイン酸(0.08重量%)にて変性
して得られた、エチレン含量6重量%、プロピレン単独
重合部分の密度が0.9076g/cm3 、MFRが1
0g/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合体 a−5:過酸化物「1,3−ビス(t−ブチルパーオキ
シイソプロピル)ベンゼン」を用いてMFR調整した、
プロピレン単独重合部分の密度が0.9075g/cm
3 、MFRが250g/10分のプロピレン・エチレン
ブロック共重合体
【0021】(b) 成分 b−1:平均繊維径6μm、且つ集束剤付着量0.23
重量%のアミノシラン処理されたガラス繊維 b−2:平均繊維径10μm、且つ集束剤付着量0.2
1重量%のアミノシラン処理されたガラス繊維
【0022】(c) 成分 c−1:MFRが58g/10分、エチレン含量が75
重量%、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が5未満
(測定不能)の非晶性エチレン・プロピレン二元共重合
体 c−2:MFRが35g/10分、結合スチレン量25
%のスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック
共重合体 c−3:MFRが130g/10分、結合スチレン量2
3%のスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロッ
ク共重合体 c−4:MFRが25g/10分、エチレン含量が76
重量%、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が5未満
(測定不能)の非晶性エチレン・プロピレン二元共重合
体 c−5:MFRが0.7g/10分、エチレン含量が7
4重量%、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が72の
非晶性エチレン・プロピレン二元共重合体
【0023】[III] 実験例 実施例1〜4及び比較例1〜3 上記(a) 成分(酸化防止剤含有ペレット)及び(c) 成分
を高速ミキサーにて表1に示す割合でブレンドし、それ
を神戸製鋼所社製二軸押出機の第1供給口へ供給し、2
10℃の温度で溶融・混練した。そして、更に上記(b)
成分を後半部分の第2供給口より供給して混練して、プ
ロピレン系樹脂組成物よりなるペレットを得た。該ペレ
ットをスクリューインライン式射出成形機へ供給して、
成形反り評価用の円盤シート及び物性評価用の試験片を
220℃の温度で成形した。この場合の成形サイクルは
各々45秒であった。上記評価用円盤シート及び物性評
価用試験片を用いて、上記各種物性の評価を行なった。
これらの評価結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】上記表1の結果から、実施例1〜4に示す
プロピレン系樹脂組成物を用いて射出成形した試験片・
成形品はいずれも成形反りが極めて少なく、良好な耐熱
性・衝撃強度を示し、軽量で成形流動性も高く、例えば
自動車用部品としての特性が大であった。一方、比較例
1〜3に示す樹脂組成物を用いた成形品はいずれも成形
反りが大きく他の性能も不十分なものであった。
【0026】
【発明の効果】本発明のプロピレン系樹脂組成物は、従
来のプロピレン系樹脂組成物と異なり、その成形品は、
軽量であるにも拘らず高度の耐熱性・耐衝撃性を有する
と共に、成形反りが極めて少なく、成形性も良好である
ことから、軽量で高度な耐熱性・耐衝撃性及び低反り性
が求められる工業部品、例えばインストルメントパネル
等の自動車部品用として有用な素材である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(a) 、(b) 及び(c) 成分から構成さ
    れることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物。 (a) 成分:少なくとも一部が不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性され、か つ全体のMFRが100g/10分以上の結晶性プロピレン重合体 :40〜90重量% (b) 成分:繊維直径が14μm以下のガラス繊維 : 5〜35重量% (c) 成分:MFRが15g/10分以上のエチレン系エラストマー及び/又は スチレン系エラストマーから選ばれた少なくとも一種のエラストマー : 5〜35重量%
  2. 【請求項2】組成物全体の密度が1.08g/cm3
    下で、かつMFRが10g/10分以上である請求項1
    に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(a) 成分のMFRが200g/10分超過
    である請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】下記の(a) 成分及び/又は(c) 成分の少な
    くとも一部を溶融・混練せしめ、次いで、これに(b) 成
    分或いは(b) 成分と(a) 成分及び/又は(c) 成分の残量
    を個別に又は同時に配合して混練することを特徴とする
    プロピレン系樹脂組成物の製造方法。 (a) 成分:少なくとも一部が不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性され、か つ全体のMFRが100g/10分以上の結晶性プロピレン重合体 :40〜90重量% (b) 成分:繊維直径が14μm以下のガラス繊維 : 5〜35重量% (c) 成分:MFRが15g/10分以上のエチレン系エラストマー及び/又は スチレン系エラストマーから選ばれた少なくとも一種のエラストマー : 5〜35重量%
  5. 【請求項5】組成物全体の密度が1.08g/cm3
    下で、かつMFRが10g/10分以上である請求項4
    に記載のプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】(a) 成分のMFRが200g/10分超過
    である請求項4に記載のプロピレン系樹脂組成物の製造
    方法。
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