JP2021104961A - 外用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ウフェナマート及びビタミンA類を含みながらも、互いに混ざりやすい水相及び油相の組み合わせを含む外用組成物を提供することである。【解決手段】ウフェナマート、レチノール及び/又はレチノールの誘導体、並びに水を有する外用組成物において、パルミチン酸イソプロピルを配合すことで、外用組成物の優れた分散効果が得られる。【選択図】なし

Description

本発明は、ウフェナマート及びビタミンA類を含有し、水相及び油相相互の混ざりやすさが向上した外用組成物に関する。
ウフェナマートは、医薬品の非ステロイド系抗炎症剤として皮膚疾患の治療に用いられている。レチノール及びその誘導体(ビタミンA類)は、皮膚の賦活化剤として外用組成物に配合して用いられている。一方で、ウフェナマートもビタミンA類も水難溶性の成分であるため、水を含む外用医薬品等の製剤中にこれらの成分を安定に配合することは困難である。
これに対して、水難溶性の成分を外用組成物に安定に配合する技術が提案されている。例えば特許文献1には、グリチルレチン酸誘導体、ビタミンE類以外の脂溶性ビタミン類、およびカロチノイド類からなる群より選択される少なくとも1種の機能性油性成分と、ビタミンE類と、特定のアシルグルタミン酸エステルと、乳化組成物の全質量に対する含有量が30質量%〜50質量%である多価アルコールとを含有する乳化組成物が、乳化安定性に優れていることが記載されている。
また、特許文献2には、融点20℃以上の脂溶性機能性成分を乳化剤に溶解させた脂溶性機能性成分溶解物、酵素分解レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオール及び水を含む脂溶性機能性成分含有エマルションが、乳化安定性に優れていることが記載されている。
また、特許文献3には、(a)ウフェナマートと、(b)グリセリン脂肪酸モノエステルと、(c)ポリオキシエチレン(2〜50モル付加)アルキルエーテルを含み、(b)成分/(c)成分=0.1〜1.3(質量比)の割合で含有する皮膚外用医薬乳化製剤が、ウフェナマートを安定に配合できることが記載されており、更に、この皮膚外用医薬乳化製剤にビタミンA油および/またはトコフェロール酢酸エステルを配合されてよいことも記載されている。
特開2017−105856号公報 特開2019−180381号公報 特開2011−219369号公報
これまでの水難溶性成分を含有する外用剤は、安定化効果が謳われていても、水相及び油相自体が本質的に混ざらないため、分散系を構築するには界面活性剤に頼らざるを得ない。事実、界面活性剤を用いない場合は、水相と油相とは非常に混ざりにくい。
ここで、もし、互いに混ざりやすい水相及び油相の組み合わせが見いだされれば、界面活性剤を用いなくても優れた分散系を構築することができるだけでなく、更に界面活性剤を用いれば、より一層優れた乳化安定性が得られると考えられる。
そこで、本発明は、ウフェナマート及びビタミンA類を含みながらも、互いに混ざりやすい水相及び油相の組み合わせを含む外用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、ウフェナマート及びビタミンA類を含む含水外用組成物について鋭意検討を行ったところ、パルミチン酸イソプロピルを配合することで、界面活性剤を用いなくても優れた分散系を構築できることを予期せずして見出した。本発明は、この知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (A)ウフェナマート、(B)レチノール及び/又はレチノールの誘導体、(C)パルミチン酸イソプロピル、並びに(D)水を含有する外用組成物。
項2. 前記(A)成分1重量部当たり、前記(C)成分が0.1重量部以上含まれる、項1に記載の外用組成物。
項3. 前記(B)成分1万I.U.当たり、前記(C)成分が0.01g以上含まれる、項1又は2に記載の外用組成物。
項4. 前記(D)成分の含有量が60重量%以上である、項1〜3のいずれかに記載の外用組成物。
項5. 界面活性剤の含有量が0.1重量%以下である、項1〜4のいずれかに記載の外用組成物。
項6. (A)ウフェナマート、(B)レチノール及び/又はレチノールの誘導体、並びに(D)水を有する外用組成物において、(C)パルミチン酸イソプロピルを配合する、外用組成物の分散化方法。
本発明によると、ウフェナマート及びビタミンA類を含む外用組成物に用いる、互いに混ざりやすい水相及び油相の組み合わせを提供することができる。このため、本発明の外用組成物は、水相及び油相が混ざりやすく、優れた分散系を構築する(以下において、このような効果を、分散化効果とも記載する。)ことができる。
1.外用組成物
本発明の外用組成物は、(A)ウフェナマート(以下において、「(A)成分」とも記載する)、(B)レチノール及び/又はレチノールの誘導体(以下において、「(B)成分」とも記載する)、(C)パルミチン酸イソプロピル(以下において、「(C)成分」とも記載する)、並びに(D)水(以下において、「(D)成分」とも記載する)を含有することを特徴とする。以下、本発明の外用組成物について詳述する。
(A)ウフェナマート
本発明の外用組成物は、(A)成分としてウフェナマートを含む。ウフェナマートは、フルフェナム酸ブチルとも称され、水難溶性の非ステロイド性抗炎症薬として公知の成分である。ウフェナマートを含む外用組成物に用いられる水相及び油相は非常に混ざりにくいが、本発明の外用組成物は、水相及び油相が混ざりやすく、優れた分散系を構築することができる。
本発明の外用組成物における(A)成分の含有量については特に限定されず、付与すべき効能などに応じて適宜設定されるが、例えば1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%、更に好ましくは3〜7重量%が挙げられる。
(B)レチノール及び/又はその誘導体
本発明の外用組成物は、(B)成分としてレチノール及び/又はその誘導体を含む。レチノール及び/又はその誘導体は水難溶性であり、皮膚保護成分、シワの改善又は防止剤、ニキビ治療薬として公知の成分である。レチノール及び/又はその誘導体を含む外用組成物に用いられる水相及び油相は非常に混ざりにくいが、本発明の外用組成物は、水相及び油相が混ざりやすく、優れた分散系を構築することができる。
レチノールは、ビタミンAの1種であり、ビタミンAアルコールとも称されることがある成分である。
レチノールの誘導体とは、レチノールと同じ骨格を有し、レチノールに置換基を付加することによって得られる成分である。レチノール誘導体の種類については、薬学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、レチノールと脂肪酸とのエステル、レチノールと酢酸とのエステル(即ち、レチノール酢酸エステル)、レチノールの酸化物、及び当該酸化物のエステル等が挙げられる。
レチノールと脂肪酸とのエステルとしては、具体的には、レチノールと、炭素数4〜30、好ましくは10〜18の脂肪酸とのエステルが挙げられる。レチノールと脂肪酸とのエステルとして、より具体的には、レチノール酢酸エステル、レチノールプロピオン酸エステル、レチノール酪酸エステル、レチノールオクチル酸エステル、レチノールラウリル酸エステル、レチノールパルミチン酸エステル、レチノールステアリン酸エステル、レチノールミリスチン酸エステル、レチノールオレイン酸エステル、レチノールリノレン酸エステル、レチノールリノール酸エステル等が挙げられる。これらのレチノールと脂肪酸とのエステルは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
レチノールの酸化物としては、具体的には、レチノイン酸(「トレチノイン」と称することもある)、レチナール等が挙げられる。これらのレチノールの酸化物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
レチノールの酸化物のエステルとしては、具体的には、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、レチノイン酸トコフェロール(トコフェロールは、α、β、γ、又はδのいずれであってもよい)等が挙げられる。これらのレチノールの酸化物のエステルは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのレチノール及び/又はその誘導体は、その原料、製造方法、精製方法等は特に制限されず、動物等から自ら単離及び精製したものを用いてもよく、或いは市販品を用いてもよい。レチノール又はその誘導体の市販品としては、例えば、理研ビタミン株式会社、DSMニュートリションジャパン株式会社、小華薬品株式会社、BASFジャパン株式会社等で製造又は販売されている商品が挙げられる。
本発明の乳化組成物では、レチノール及びその誘導体の中から、1種を選択して使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
レチノール及びその誘導体の中でも、好ましくはレチノールの誘導体、更に好ましくはレチノールと脂肪酸とのエステル、特に好ましくはレチノールパルミチン酸エステルが挙げられる。
また、本発明において、レチノール及び/又はその誘導体は、植物油等の油中に溶解させた状態で使用してもよい。このようにレチノール及び/又はその誘導体を油中に溶解させたものは、「ビタミンA油」として知られている。ビタミンA油は、例えば日本薬局方に記載の方法に従って製造することができる。ビタミンA油としては、通常、レチノール及び/又はその誘導体の含有量が10万〜200万I.U./g、好ましくは50万〜170万I.U./g、更に好ましくは50万〜100万I.U./gのものを使用できる。なお、本明細書において、レチノール及び/又はその誘導体の含有量の単位「I.U.」は、国際単位を示す。
本発明の外用組成物における(B)成分の含有量については特に制限されないが、例えば、本発明の外用組成物100g当たりのレチノール及び/又はその誘導体の総量として、0.1万〜1000万I.U.、好ましくは1万〜500万I.U.、より好ましくは10万〜300万I.U.、更に好ましくは30万〜100万I.U.、特に好ましくは50万〜70万I.U.が挙げられる。
また、(B)成分としてビタミンA油を使用する場合、本発明の外用組成物におけるビタミンA油の含有量については、ビタミンA油中のレチノール及び/又はその誘導体の含有量に応じて、本発明の外用組成物中でレチノール及び/又はその誘導体が前述する含有量を充足するように設定すればよい。具体的には、100万I.U./gのレチノール及び/又はその誘導体を含有するビタミンA油を用いる場合であれば、本発明の外用組成物におけるビタミンA油の含有量については、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%、更に好ましくは0.3〜1重量%、特に好ましくは0.5〜7重量%に設定することができる。
また、本発明の外用組成物において、(A)成分と(B)成分との比率については、上記各成分の含有量によって定まるが、好ましくは、(A)成分1gに対するレチノール及び/又はその誘導体の総量として、2.5万〜50万I.U.、より好ましくは5万〜25万I.U.、更に好ましくは7万〜17万I.U.、一層好ましくは8万〜12万I.U.が挙げられる。
また、(B)成分としてビタミンA油を使用する場合、100万I.U./gのレチノール及び/又はその誘導体を含有するビタミンA油を用いる場合であれば、(A)成分1重量部に対するビタミンA油の含有量として、0.025〜0.5重量部、好ましくは0.05〜0.25重量部、より好ましくは0.07〜0.17重量部、更に好ましくは0.8〜0.12重量部が挙げられる。
(C)パルミチン酸イソプロピル
本発明の外用組成物は、(C)成分としてパルミチン酸イソプロピルを含む。ウフェナマート及びレチノール及び/又はその誘導体を含む外用組成物に用いられる水相及び油相は非常に混ざりにくいが、本発明の外用組成物は、パルミチン酸イソプロピルを配合することで、水相及び油相が混ざりやすく、優れた分散系を構築することができる。
本発明の外用組成物における(C)成分の含有量としては特に限定されず、付与すべき分散化効果に応じて適宜設定されるが、例えば0.1重量%以上が挙げられる。より一層好ましい分散化効果を得る観点から、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上が挙げられる。(C)成分の含有量の範囲の上限としては特に限定されないが、例えば10重量%以下、好ましくは8重量%以下、より好ましくは6重量%以下が挙げられる。
本発明の外用組成物において、(A)成分の含有量に対する(C)成分の含有量の比率は、上記各成分の含有量によって定まるが、より一層好ましい分散化効果を得る観点から、(A)成分1重量部に対する(C)成分の含有量として、0.1重量部以上、好ましくは0.2重量部以上、より好ましくは1重量部以上が挙げられる。(A)成分1重量部に対する(C)成分の含有量の範囲の上限としては特に限定されないが、例えば2重量部以下、好ましくは1.6重量部以下、より好ましくは1.2重量部以下が挙げられる。
本発明の外用組成物において、(B)成分の含有量に対する(C)成分の含有量の比率は、上記各成分の含有量によって定まるが、より一層好ましい分散化効果を得る観点から、(B)成分1万I.U.に対する(C)成分の含有量として、0.01g以上、好ましくは0.02g以上、より好ましくは0.1g以上が挙げられる。(B)成分1万I.U.に対する(C)成分の含有量の範囲の上限としては特に限定されないが、例えば0.2g以下、好ましくは0.16g以下、より好ましくは0.12g以下が挙げられる。
また、(B)成分としてビタミンA油を使用する場合、(B)成分の含有量に対する(C)成分の含有量の比率は、上記各成分の含有量によって定まるが、より一層好ましい分散化効果を得る観点から、(B)成分1重量部に対する(C)成分の含有量として、1重量部以上、好ましくは2重量部以上、より好ましくは10重量部以上が挙げられる。(B)成分1重量部に対する(C)成分の含有量の範囲の上限としては特に限定されないが、例えば20重量部以下、好ましくは16重量部以下、より好ましくは12重量部以下が挙げられる。
(D)水
本発明の外用組成物は、(D)成分として水を含む。ウフェナマート並びにレチノール及び/又はレチノールの誘導体を含む外用組成物に用いられる水相は油相と非常に混ざりにくいが、本発明の外用組成物は、水相が油相と混ざりやすく、優れた分散系を構築することができる。
本発明の外用組成物における(D)成分の含有量としては特に限定されず、製剤形態等に応じて適宜設定されるが、例えば60重量%以上が挙げられる。本発明の外用組成物は分散化効果に優れているため、(D)成分の含有量が多くても、効果的に分散化効果を得ることができる。このような観点から、(D)成分の含有量の好適な例として、好ましくは65重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは75重量%以上、一層好ましくは80重量%以上、特に好ましくは85重量%以上が挙げられる。
(D)成分の含有量の範囲の上限としては特に限定されないが、より一層優れた分散化効果を得る観点から、96重量%以下、好ましくは94重量%以下、より好ましくは90重量%以下が挙げられる。
本発明の外用組成物において、(C)成分の含有量に対する(D)成分の含有量の比率は、上記各成分の含有量によって定まるが、例えば(C)成分1重量部に対する(D)成分の含有量として、例えば10重量部以上が挙げられる。本発明の外用組成物は分散化効果に優れているため、(D)成分の含有比率が高くても、効果的に分散化効果を得ることができる。このような観点から、(C)成分1重量部に対する(D)成分の含有量の好適な例として、好ましくは12重量部以上、より好ましくは14重量部以上、一層好ましくは17重量部以上が挙げられる。
(C)成分1重量部に対する(D)成分の含有量の範囲の上限しては特に限定されないが、より一層優れた分散化効果を得る観点から、190重量部以下、好ましくは95重量部以下、より好ましくは18重量部以下が挙げられる。
本発明の外用組成物において、油性基剤の総量に対する(D)成分の含有量の比率は、上記各成分の含有量によって定まるが、例えば油性基剤の総量1重量部に対する(D)成分の含有量として、例えば10重量部以上が挙げられる。本発明の外用組成物は分散化効果に優れているため、(D)成分の含有比率が高くても、効果的に分散化効果を得ることができる。このような観点から、油性基剤の総量1重量部に対する(D)成分の含有量の好適な例として、好ましくは12重量部以上、より好ましくは14重量部以上、一層好ましくは17重量部以上が挙げられる。
油性基剤の総量1重量部に対する(D)成分の含有量の範囲の上限しては特に限定されないが、より一層優れた分散化効果を得る観点から、190重量部以下、好ましくは95重量部以下、より好ましくは18重量部以下が挙げられる。
その他の成分
本発明の外用組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて、通常使用される他の添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、(C)成分以外の油性基剤(以下において、他の油性基剤とも記載する)、界面活性剤、多価アルコール、増粘剤、pH調節剤、緩衝剤、可溶化剤、キレート剤、防腐剤、保存剤、酸化防止剤、安定化剤、香料、着色料等が挙げられる。
他の油性基剤としては薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、(C)成分以外の液状油(25℃において液状を呈する油)、固形油(25℃において液状を呈する油)、高級アルコール等が挙げられる。これらの油分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の外用組成物は、分散化効果に優れているため、界面活性剤を含まなくても、効果的に分散化効果を得ることができるため、好適な例においては、界面活性剤を含まない。しかしながら、本発明の外用組成物は、更に界面活性剤を含むことも許容する。界面活性剤を含むことで、分散状態をより一層安定化させることができる。
界面活性剤としては、薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の外用組成物における界面活性剤の含有量としては特に限定されず、通常のウフェナマート外用組成物に含まれる程度の量で含むことができる。一方、本発明の外用組成物が分散化効果に優れているため、界面活性剤を含まなくても効果的に分散化効果を得ることができるため、界面活性剤の量を、通常のウフェナマート外用組成物に含まれる程度の量に比べて削減することができる。このような観点から、界面活性剤の含有量の好適な例としては、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.01重量%以下、更に好ましくは0.001重量%以下、一層好ましくは0.0005重量%以下が挙げられる。
更に、本発明の外用組成物は、前述する成分の他に、薬学的又は香粧学的な生理機能を発揮できる薬効成分が、必要に応じて含まれていてもよい。このような薬効成分としては、例えば、ステロイド剤(デキサメタゾン、塩酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、塩酸ヒドロコルチゾン、吉草酸プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン等)、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等)、局所麻酔剤(リドカイン、ジブカイン、プロカイン、テトラカイン、ブピバカイン、メピバカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩)、安息香酸アルキルエステル(例えばアミノ安息香酸エチル、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル)、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、抗炎症剤(アラントイン、サリチル酸、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等)、殺菌剤(イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、アンモニア水、スルファジアジン、乳酸、フェノール等)、鎮痒剤(クロタミトン、チアントール等)、皮膚保護剤(コロジオン、ヒマシ油等)、血行促進成分(ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等)、ビタミン類(ビタミンB,C,D,E等)、ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルコサミン、ヒアルロン酸等)等が挙げられる。これらの薬効成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、本発明の外用組成物において、これらの薬効成分を含有させる場合、その含有量については、使用する薬効成分の種類、期待する効果等に応じて適宜設定すればよい。
製剤形態・用途
本発明の外用組成物がとりうる製剤形態としては、水相と油相とを含んでいれば特に限定されず、例えば、水中油滴分散型(乳化型ではない)、油中水滴分散型(乳化型ではない)、水中油乳化型、及び油中水乳化型が挙げられる。本発明の外用組成物は、分散化効果に優れているため、水を多く含む製剤形態であっても、効果的に分散化効果を得ることができる。このような観点から、本発明の外用組成物がとりうる製剤形態の好ましい例としては、水中油滴分散型(乳化型ではない)、及び水中油乳化型が挙げられる。更に、本発明の外用組成物は、分散化効果に優れているため、界面活性剤を含まなくても効果的に分散化効果を得ることができる。このような観点から、本発明の外用組成物がとりうる製剤形態の好ましい例としては、水中油滴分散型(乳化型ではない)が挙げられる。
本発明の外用組成物は、化粧料、外用医薬部外品、外用医薬品等の外用剤として使用することができる。本発明の外用組成物の製品形態については、特に制限されないが、例えば、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、乳液剤、ゲル剤、油剤、リニメント剤、エアゾール剤等が挙げられる。
製造方法
本発明の外用組成物は、製剤形態に応じて、公知の外用組成物の製剤化手法に従って製造することができる。例えば、本発明の外用組成物の製造方法としては、含有させる成分を水溶性成分と油性成分に分けて、水溶性成分を含む水相と、油性成分を含む油相とを調製し、これらを公知の分散手法により製剤化する方法が挙げられる。
2.分散化方法
上述するように、パルミチン酸イソプロピルは、ウフェナマート、レチノール及び/又はレチノールの誘導体、並びに水を有する外用組成物を分散化する。従って、本発明は、更に、(A)ウフェナマート、(B)レチノール及び/又はレチノールの誘導体、並びに(D)水を有する外用組成物において、(C)パルミチン酸イソプロピルを配合する、外用組成物の分散化方法を提供する。
本発明の分散化方法において、分散化とは、外用組成物に用いられる水相と油相とが、界面活性剤が配合されていない条件で撹拌し、放置後にも分散状態を維持することをいう。分散状態とは、少なくとも、ほとんど(わずかな分離を許容する意である)が分散状態であることをいい、好ましくは、分離が認められず目視可能な(直径0.1〜1.0mm)液滴が分散している状態であることをいい、より好ましくは、分離が認められず目視できない微小な(直径0.1mm未満)液滴が分散している状態をいう。
本発明の分散化方法において、使用する各成分の種類や含有量、外用組成物に配合される成分の種類や含有量、及び製剤形態等については、前記「1.外用組成物」の場合と同様である。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例
表2及び3に示す外用組成物(水中油滴分散液)を調製した。具体的には、ウフェナマートとビタミンA油とを均一になるまで混和して油性液を得て、油性液に他の成分を添加して均一になるまで混和し、最後に合計が100重量%となるように精製水を添加し、均一になるまで攪拌した。以下の基準において、分離とは、分散していた液滴(油滴)の少なくとも一部が分散できなくなり底に沈む現象をいい、その中でも、液滴(油滴)の全てが底に沈む現象を完全に分離した状態という。また、各評価基準の代表写真を表1に示し、評価結果を表2及び3に示す。
調製した外用組成物を、室温条件下で10分間静置した後の分散状態を、以下の基準に基づいて評価した。
◎:分離が認められず、目視できない微小な液滴(油滴)が分散している。
○:分離が認められず、目視可能な液滴(油滴)が分散している。
△:わずかな分離のみで、液滴(油滴)の分散状態が維持されている。
×:分離の程度が大きく、液滴(油滴)の分散状態がほとんど維持されていない。
××:完全に分離した。
Figure 2021104961
Figure 2021104961
Figure 2021104961
比較例1に示すように、ウフェナマート及びビタミンA油を含む外用組成物は、ウフェナマート及びビタミンA油からなる油相と水相とが混ざらない。これに対し、実施例1〜4に示されるように、パルミチン酸イソプロピルを配合することで、優れた分散性が得られた。なお、比較例2〜6に示すように、パルミチン酸イソプロピルと同様の極性油である、アジピン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、エチルヘキサン酸セチルを用いた場合は、分散効果は得られなかった。さらに、比較例7、8に示すように、ウフェナマート及びビタミンA油のうち、いずれか一方のみを含む場合には、パルミチン酸イソプロピルを用いても分散効果は得られなかった。つまり、実施例1〜4で認められる分散効果は、ウフェナマート及びビタミンA油と、パルミチン酸イソプロピルとの組み合わせに特有の効果であることがわかった。

Claims (6)

  1. (A)ウフェナマート、(B)レチノール及び/又はレチノールの誘導体、(C)パルミチン酸イソプロピル、並びに(D)水を含有する外用組成物。
  2. 前記(A)成分1重量部当たり、前記(C)成分が0.1重量部以上含まれる、請求項1に記載の外用組成物。
  3. 前記(B)成分1万I.U.当たり、前記(C)成分が0.01g以上含まれる、請求項1又は2に記載の外用組成物。
  4. 前記(D)成分の含有量が60重量%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の外用組成物。
  5. 界面活性剤の含有量が0.1重量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の外用組成物。
  6. (A)ウフェナマート、(B)レチノール及び/又はレチノールの誘導体、並びに(D)水を有する外用組成物において、(C)パルミチン酸イソプロピルを配合する、外用組成物の分散化方法。
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