JP2021103415A - リアルタイムクロック装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度な時刻情報を取得可能なリアルタイムクロック装置等を提供すること。【解決手段】リアルタイムクロック装置10は振動子XTALとクロック信号生成回路110と計時回路145と端子TIPと時間デジタル変換回路120とを含む。クロック信号生成回路110は、発振クロック信号に基づく計時用クロック信号CLKを出力する。計時回路145は、計時用クロック信号CLKに基づいて計時データRTDを生成する。端子TIPには外部信号EXINが入力される。時間デジタル変換回路120は、外部信号EXINに基づく第1信号の遷移タイミングと、発振クロック信号又は計時用クロック信号CLKに基づく第2信号の遷移タイミングとの時間差を、計時回路145の計時分解能より高い分解能で測定し、時間差に対応した時間差情報TMDを求める。【選択図】 図1
Description
本発明は、リアルタイムクロック装置及び電子機器等に関する。
発振クロック信号に基づいて計時を行うことで時刻情報を生成するリアルタイムクロック装置が知られている。特許文献1には、リアルタイムクロック装置を含む時刻制御装置が開示されている。特許文献1の時刻制御装置は、衛星から受信した情報に基づいて生成した第1クロック信号と、RTCが生成した第2クロック信号との誤差を検出し、検出した誤差が予め定められた値より大きい場合に、第2クロック信号を調整する。このとき時刻制御装置は、カウンターを用いて第1クロック信号と第2クロック信号の誤差を検出する。
上記特許文献1では、カウンターを用いて第1クロック信号と第2クロック信号の誤差が検出されるので、その誤差に基づいて調整される第2クロック信号の精度は、カウンターの時間分解能により制限される。RTCは第2クロック信号に基づいて計時を行うので、その計時精度はカウンターの時間分解能により制限されてしまう。このため、例えばカウンターの時間分解能より高い分解能の時刻情報を生成したいというような、高精度な時刻情報のニーズがあったとしても、その高精度な時刻情報を実現できないという課題がある。
本開示の一態様は、振動子と、前記振動子を発振させて発振クロック信号を生成する発振回路を有し、前記発振クロック信号に基づく計時用クロック信号を出力するクロック信号生成回路と、前記計時用クロック信号に基づいて計時データを生成する計時回路と、外部信号が入力される外部信号入力端子と、前記外部信号入力端子から入力される前記外部信号に基づく第1信号の遷移タイミングと、前記発振クロック信号又は前記計時用クロック信号に基づく第2信号の遷移タイミングとの時間差を、前記計時回路の計時分解能より高い分解能で測定し、前記時間差に対応した時間差情報を求める時間デジタル変換回路と、を含むリアルタイムクロック装置に関係する。
以下、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
1.第1構成例
図1は、リアルタイムクロック装置10及び回路装置100の第1構成例である。リアルタイムクロック装置10は、回路装置100と振動子XTALと端子TIPとを含む。TIPは外部信号入力端子である。
図1は、リアルタイムクロック装置10及び回路装置100の第1構成例である。リアルタイムクロック装置10は、回路装置100と振動子XTALと端子TIPとを含む。TIPは外部信号入力端子である。
回路装置100は、計時データRTDを生成すると共に、その計時データRTDの時間分解能よりも高分解能な時間計測を行うことで、高精度なリアルタイムクロックを実現する。回路装置100は、IC(Integrated Circuit)と呼ばれる集積回路装置である。回路装置100は、半導体プロセスにより製造されるICであり、半導体基板上に回路素子が形成された半導体チップである。
振動子XTALは、電気的な信号により機械的な振動を発生する素子である。振動子XTALは、水晶振動片等の振動片により実現できる。例えば振動子XTALは、カット角がATカット又はSCカット等の厚みすべり振動する水晶振動片などにより実現できる。なお本実施形態の振動子XTALは、例えば厚みすべり振動型以外の振動片、又は水晶以外の材料で形成された圧電振動片等の種々の振動片により実現できる。例えば振動子XTALとして、SAW共振子、又はシリコン基板を用いて形成されたシリコン製振動子としてのMEMS振動子を採用してもよい。SAWはSurface Acoustic Waveの略であり、MEMSはMicro Electro Mechanical Systemsの略である。
回路装置100及び振動子XTALは電気的に接続され、その回路装置100及び振動子XTALは例えばパッケージに収容される。パッケージは、回路装置100及び振動子XTALが収容される容器と、容器に設けられた外部接続用の端子TIPとで構成される。容器は、例えばセラミック製容器又は金属製容器であるが、これらに限定されない。端子TIPは容器外側に設けられた金属製のリード又はバンプ等である。なお、本実施形態における接続は電気的な接続である。電気的な接続とは、電気信号が伝達可能に接続されていることであり、電気信号による情報の伝達が可能となる接続である。電気的な接続は受動素子又は能動素子等を介した接続であってもよい。
回路装置100は、クロック信号生成回路110と時間デジタル変換回路120と計時回路145と端子TX1、TX2、TIとを含む。
端子TX1、TX2、TIは、半導体基板上に形成されるパッドである。端子TX1は振動子XTALの一端に接続され、端子TX2は振動子XTALの他端に接続される。端子TIはリアルタイムクロック装置10の端子TIPに接続される。これらの接続は、上記のように電気的な接続であり、例えばパッケージ内配線、ワイヤーボンディング、又は金属バンプによって実現される。
クロック信号生成回路110は発振回路117を含む。発振回路117は、端子TX1、TX2を介して振動子XTALに電気的に接続され、その振動子XTALを発振させて発振クロック信号を生成する。クロック信号生成回路110は、発振クロック信号に基づく計時用クロック信号CLKを出力する。例えば、クロック信号生成回路110は、発振クロック信号をバッファリングして計時用クロック信号CLKとして出力する出力回路、又は発振クロック信号を分周して計時用クロック信号CLKとして出力する分周回路を含んでもよい。
計時回路145は、計時用クロック信号CLKに基づいて計時データRTDを生成する。計時データRTDは、時間情報であり、現在時刻を示すデジタル値である。計時データRTDは、例えば計時分解能に相当する時間を1LSBとして時間をカウントしたカウントデータである。或いは計時データRTDは、秒、分、時、日、月、及び年等を示すデータであってもよい。計時回路80は、計時用クロック信号CLKに基づいてカウント処理を行うカウンターを含む。カウンターは、計時用クロック信号CLK、又はその分周クロック信号をカウントし、そのカウント値に基づいて計時データRTDを出力する。即ち、カウンターがカウントする計時用クロック信号CLK、又はその分周クロック信号の周期が、計時分解能に相当する。
端子TIPには、リアルタイムクロック装置10の外部から外部信号EXINが入力される。外部信号EXINは第1電圧レベルと第2電圧レベルの間で遷移する信号である。外部信号EXINは周期的に遷移する信号であってもよいし、不定期に遷移する信号であってもよく、外部信号EXINとしてクロック信号、パルス信号、又はトリガー信号等を想定できる。例えば、外部信号EXINは、GNSS又はネットワークの受信器から入力される時刻信号であってもよいし、或いはイベント発生を検出する検出回路から入力されるイベント信号であってもよい。GNSSがGPSである場合、外部信号EXINは1pps信号である。なおGNSSは、Global Navigation Satellite Systemの略であり、GPSはGlobal Positioning Systemの略である。
時間デジタル変換回路120には、端子TIPから端子TIを介して外部信号EXINが入力され、クロック信号生成回路110からクロック信号CLK’が入力される。時間デジタル変換回路120は、外部信号EXINに基づく第1信号の遷移タイミングと、クロック信号CLK’に基づく第2信号の遷移タイミングとの時間差を測定し、その時間差に対応した時間差情報TMDを求める。クロック信号CLK’は、計時用クロック信号CLK又はその上流のクロック信号であればよい。即ち、クロック信号CLK’は、発振クロック信号、又は発振クロック信号の分周クロック信号、又は計時用クロック信号CLKである。第1信号は、その遷移タイミングが外部信号EXINの遷移タイミングに応じて決まる信号である。例えば第1信号は、外部信号EXINそのものであってもよいし、外部信号EXINが分周された信号であってもよいし、外部信号EXINの遷移タイミングでローレベル又はハイレベルがラッチされた信号であってもよい。第2信号は、その遷移タイミングがクロック信号CLK’の遷移タイミングに応じて決まる信号である。例えば第2信号は、クロック信号CLK’そのものであってもよいし、クロック信号CLK’が分周された信号であってもよいし、クロック信号CLK’の遷移タイミングでローレベル又はハイレベルがラッチされた信号であってもよい。なお遷移タイミングとは、信号の電圧レベルが変化するタイミングであり、信号の立ち上がりエッジ又は立ち上がりエッジである。
図2は、リアルタイムクロック装置10の動作を説明する波形図である。図2では、外部信号EXINは周期的なパルス信号であり、クロック信号CLK’は計時用クロック信号CLKである場合を図示する。
計時回路145は計時用クロック信号CLKで計時を行い、計時用クロック信号CLKの各遷移タイミングに対応して計時データDrt1、Drt2、Drt3を出力する。計時用クロック信号CLKで計時が行われるので、計時用クロック信号CLKの周期ΔTrtが計時分解能となる。時間デジタル変換回路120は、外部信号EXINの遷移タイミングと、計時用クロック信号CLKの遷移タイミングとの時間差を測定する。この測定は外部信号EXINの各遷移タイミングで行われ、時系列に時間差TDF1、TDF2、TDF3が測定される。この時間差TDF1〜TDF3は計時用クロック信号CLKの周期ΔTrtより短い。即ち、計時分解能より高い分解能で時間デジタル変換回路120が時間測定を行う。
本実施形態によれば、リアルタイムクロック装置10が時間デジタル変換回路120を含むことで、計時回路145の計時分解能より高い分解能の時間差情報TMDを取得できる。即ち、計時回路145は計時用クロック信号CLKを用いたカウント処理を行うが、このカウント処理の時間分解能に制限されることなく、時間差情報TMDを取得できる。これにより、高精度なリアルタイムクロック装置を実現できる。具体的なリアルタイムクロック装置10の適用例については後述するが、例えば、外部信号EXINがイベント信号等のトリガー信号である場合に、そのトリガー入力が発生した時刻を、計時回路145の計時精度より高い精度で求めることができる。或いは、外部信号EXINが基準クロック信号である場合に、基準クロック信号と計時用クロック信号CLKの位相差を計時回路145の計時精度より高い精度で求め、その結果を用いて計時用クロック信号CLKの周波数補正等を行い、計時精度を高めることが可能である。
また本実施形態では、クロック信号生成回路110、計時回路145、及び時間デジタル変換回路120は、1つの半導体基板に設けられる。これにより、クロック信号生成回路110、計時回路145、及び時間デジタル変換回路120を別々のICとして構成した場合に比べて、測定対象となる信号の遅延又は波形変形等を抑制できるので、外部信号EXINと計時用クロック信号CLKの遷移タイミングの時間差を正確に測定できる。これにより、高精度なリアルタイムクロック装置を実現できる。
2.第2構成例
図3は、リアルタイムクロック装置10及び回路装置100の第2構成例である。リアルタイムクロック装置10は振動子XTALと回路装置100と端子TIP,TFPとを含む。端子TFPはインターフェース端子である。回路装置100は、クロック信号生成回路110と時間デジタル変換回路120とインターフェース回路130と計時回路145と時間データ出力回路146とトリガーコントローラー147と端子TI、TFとを含む。なお既に説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の説明を適宜に省略する。
図3は、リアルタイムクロック装置10及び回路装置100の第2構成例である。リアルタイムクロック装置10は振動子XTALと回路装置100と端子TIP,TFPとを含む。端子TFPはインターフェース端子である。回路装置100は、クロック信号生成回路110と時間デジタル変換回路120とインターフェース回路130と計時回路145と時間データ出力回路146とトリガーコントローラー147と端子TI、TFとを含む。なお既に説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の説明を適宜に省略する。
第2構成例では外部信号EXINはトリガー信号である。トリガー信号は、その遷移タイミングに対応した時間データの取得をリアルタイムクロック装置10に指示する信号である。トリガー信号は、イベント検出回路から入力されるイベント検出信号、或いは外部の処理装置がリアルタイムクロック装置10に対して時間データを要求する信号等である。トリガーコントローラー147は、外部信号EXINであるトリガー信号に基づいて第1信号TRGを出力する。トリガーコントローラー147は、例えば外部信号EXINの波形成形を行い、外部信号EXINの遷移タイミングで遷移する第1信号TRGを出力する。
時間デジタル変換回路120は、第1信号TRGと、第2信号である計時用クロック信号CLKとの遷移タイミングの時間差を測定し、その時間差を示す時間差情報TMDを出力する。本構成例では、計時用クロック信号CLKが図1のクロック信号CLK’に相当する。
時間データ出力回路146は、計時データRTD及び時間差情報TMDに基づいて、計時分解能より高い分解能の時間データFNTDを出力する。時間データFNTDはタイムスタンプ情報であり、タイムスタンプ情報は、外部信号EXINとして入力されたトリガー信号の遷移タイミングを示す。時間データ出力回路146は、計時データRTDと時間差情報TMDを時間データFNTDとして出力してもよいし、或いは時間差情報TMDにより計時データRTDを補正し、その補正後のデータを時間データFNTDとして出力してもよい。例えば図2の外部信号EXINがトリガー信号であるとした場合、トリガー信号の遷移タイミングの時間は、Drt1−TDF1、Drt2−TDF2、Drt3−TDF3となる。時間データ出力回路146は、Drt1とTDF1、Drt2とTDF1、Drt3とTDF1を時間データFNTDとして出力してもよい。或いは時間データ出力回路146は、Drt1−TDF1、Drt2−TDF2、Drt3−TDF3を演算し、それらを時間データFNTDとして出力してもよい。
インターフェース回路130は、計時データRTD及び時間差情報TMDに基づく出力情報DQを、端子TF、TFPを介してリアルタイムクロック装置10の外部に出力する。第2構成例では、インターフェース回路130は時間データFNTDを出力情報DQとして出力する。
なお、インターフェース回路130は、端子TF、TFPを介して、リアルタイムクロック装置10の外部に設けられる処理装置とリアルタイムクロック装置10との通信を行う。端子TFは、半導体基板上に形成されるパッドである。端子TFPは、パッケージの容器外側に設けられた金属製のリード又はバンプ等である。端子TFは端子TFPに電気的に接続され、その接続は、例えばパッケージ内配線、ワイヤーボンディング、又は金属バンプによって実現される。インターフェース回路130の通信方式としては、シリアル通信又はパラレル通信の種々の通信方式を採用できる。シリアル通信の方式としては例えばSPI又はI2Cがある。SPIは、3線又は4線のシリアル通信であり、チップセレクト信号とクロック信号とデータ信号を用いて通信する。I2Cは、2線のシリアル通信であり、クロック信号とデータ信号を用いて通信する。なおSPIはSerial Peripheral Interfaceの略であり、I2CはInter-Integrated Circuitの略である。なお、図3にはインターフェース端子として1組の端子TF、TFPを図示しているが、これに限定されず、インターフェース回路130の通信形式に応じて複数組のインターフェース端子が設けられてもよい。
図4は、クロック信号生成回路110の第1詳細構成例である。クロック信号生成回路110は発振回路115と分周回路118とを含む。発振回路115は図3の発振回路117に相当する。
発振回路115は、振動子XTALを発振させることで発振クロック信号OSCKを生成する。発振回路115としては、ピアース型、コルピッツ型、インバーター型又はハートレー型等の種々のタイプの発振回路を用いることができる。分周回路118は、発振クロック信号OSCKを分周し、その分周クロック信号を計時用クロック信号CLKとして計時回路145に出力する。時間デジタル変換回路120には計時用クロック信号CLKが入力される。なお、図3のクロック信号生成回路110は図4の構成に限定されない。例えば、図4の分周回路118が省略され、発振クロック信号OSCKが計時用クロック信号CLKとして計時回路145及び時間デジタル変換回路120に入力されてもよい。
3.第3構成例
図5は回路装置100の第3構成例である。回路装置100は、クロック信号生成回路110とインターフェース回路130と計時回路145と分周回路175と周波数測定回路190と端子TI、TFとを含む。なお既に説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の説明を適宜に省略する。
図5は回路装置100の第3構成例である。回路装置100は、クロック信号生成回路110とインターフェース回路130と計時回路145と分周回路175と周波数測定回路190と端子TI、TFとを含む。なお既に説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の説明を適宜に省略する。
端子TIPには、外部信号EXINとして外部クロック信号が入力される。外部クロック信号は、例えばGNSS又はネットワークの受信器から入力される時刻信号、或いは発振器等の基準クロック源から入力される基準クロック信号である。分周回路175は、外部信号EXINである外部クロック信号を分周し、その分周により得られた分周クロック信号CKEXを周波数測定回路190に出力する。なお分周回路175が省略され、外部クロック信号が周波数測定回路190に入力されてもよい。
周波数測定回路190は、外部クロック信号の周波数をクロック信号CLK’の周波数に基づいて測定することで、外部クロック信号の周波数に対応した周波数情報FRDを求める。図5では、周波数測定回路190は、分周クロック信号CKEXの周波数を測定することで、外部クロック信号の周波数を実質的に測定している。周波数情報FRDは、周波数を示す情報であり、具体的には周波数が符号化されたデジタル値である。周波数情報FRDは、クロック信号CLK’の周波数を基準とする、相対的な外部クロック信号又はその分周クロック信号の周波数である。例えば図5では、周波数情報FRDは、クロック信号CLK’の周波数を基準とする分周クロック信号CKEXの周波数である。
周波数測定回路190は時間デジタル変換回路120を含む。詳細は後述するが、時間デジタル変換回路120は、外部クロック信号に基づく第1信号とクロック信号CLK’に基づく第2信号との遷移タイミングの時間差を測定する。周波数測定回路190は、時間デジタル変換回路120が出力する時間差情報TMDを用いることで、クロック信号CLK’の周期よりも高い時間分解能で外部クロック信号の周期を測定でき、その周期に基づいて高精度な周波数測定を実現できる。
インターフェース回路130は、計時データRTD及び周波数情報FRDを出力情報DQとして出力する。処理装置200は、出力情報DQのうち少なくとも周波数情報FRDを受信する。処理装置200は、周波数情報FRDに基づいて周波数調整信号FADを生成し、その周波数調整信号FADをリアルタイムクロック装置10に出力する。インターフェース回路130は、受信した周波数調整信号FADをクロック信号生成回路110に出力する。クロック信号生成回路110は、周波数調整信号FADに基づいて計時用クロック信号CLKの周波数を調整する。周波数調整信号FADは、例えばデジタル信号の周波数調整データであるが、アナログ信号の周波数調整電圧であってもよい。
処理装置200はプロセッサーであり、プロセッサーは例えばマイクロコンピューター、CPU、又はDSPである。処理装置200は、周波数情報FRDを用いた信号処理を行うことで周波数調整信号FADを生成する。上述したように周波数情報FRDは外部クロック信号とクロック信号CLK’の周波数比を示す。処理装置200は、この周波数比がターゲット値となるような周波数調整信号FADを生成する。これにより、外部クロック信号に対して所定の周波数比で周波数同期した計時用クロック信号CLKが得られ、その計時用クロック信号CLKを用いて計時回路145が計時することで、高精度なリアルタイムクロックを実現できる。
図6は、クロック信号生成回路110の第2詳細構成例である。クロック信号生成回路110は発振回路115と分周回路118とセレクターSELとを含む。
分周回路118は、互いに異なる分周比で発振クロック信号OSCKを分周した分周クロック信号CKA〜CKC及び計時用クロック信号CLKを出力する。セレクターSELは、発振クロック信号OSCK、分周クロック信号CKA、CKB、CKC、又は計時用クロック信号CLKのいずれかを選択して、クロック信号CLK’として時間デジタル変換回路120に出力する。なお、セレクターSELを省略し、発振クロック信号OSCK又は分周クロック信号CKA、CKB、CKCのいずれかがクロック信号CLK’として時間デジタル変換回路120に入力される構成としてもよい。
図7は、周波数測定回路190の詳細構成例である。周波数測定回路190は、時間デジタル変換回路120とカウンター回路191と演算回路192とを含む。
時間デジタル変換回路120は、分周クロック信号CKEXに基づく第1信号STAの遷移タイミングと、クロック信号CLK’に基づく第2信号STPの遷移タイミングとの時間差を測定し、その時間差に対応した時間差情報TMDを求める。なお、分周クロック信号CKEXは外部クロック信号の分周クロック信号なので、第1信号STAは外部クロック信号に基づく信号である。第1信号STAと第2信号STPはカウンター回路191から時間デジタル変換回路120に入力される。第1信号STAと第2信号STPの詳細については後述する。
カウンター回路191は、分周クロック信号CKEX及びクロック信号CLK’に基づくカウント処理を行い、カウント処理により得られたカウントデータCntM、CntTを出力する。具体的には、カウンター回路191は、第1カウンター193と第2カウンター194とを含む。第1カウンター193は、分周クロック信号CKEXに基づくカウント処理を行い、カウントデータCntMを出力する。第2カウンター194は、クロック信号CLK’に基づくカウント処理を行い、カウントデータCntTを出力する。
演算回路192は、時間差情報TMD及びカウントデータCntM、CntTに基づく演算を行うことで、周波数情報FRDを求める。カウントデータCntMは、分周クロック信号CKEXの周期を分解能とする時間に相当し、カウントデータCntTは、クロック信号CLK’の周期を分解能とする時間に相当する。演算回路192は、これらに加えて、クロック周期より小さい時間分解能で測定された時間差情報TMDを用いることで、クロック信号CLK’の周期を基準とした分周クロック信号CKEXの周期を正確に決定できる。周波数は、周期の逆数により求めることが可能である。
図8は、周波数測定回路190の動作を説明する波形図である。図8では第1信号STAがスタート信号であり、第2信号STPがストップ信号である場合を図示する。また、ここでは遷移タイミングを立ち上がりエッジのタイミングとする。
第1カウンター193は、分周クロック信号CKEXのパルス数をカウントし、Nm+1カウント周期で第1信号STAを遷移させる。第1カウンター193は、カウントデータCntMとしてカウント値Nmを出力する。Nmは所定カウント値であり、例えば予め設定されていてもよいし、或いはレジスター設定により設定されてもよい。
具体的には、第1カウンター193は、分周クロック信号CKEXの遷移タイミングでカウント値を0にリセットすると共に第1信号STAをローレベルからハイレベルに遷移させる。第1カウンター193は、分周クロック信号CKEXのパルス数をカウント値Nmまでカウントし、再び分周クロック信号CKEXの遷移タイミングでカウント値を0にリセットすると共に第1信号STAをローレベルからハイレベルに遷移させる。第1信号STAは、例えば分周クロック信号CKEXの1サイクル分だけハイレベルとなるが、そのサイクル数は任意であってよい。
第2カウンター194は、第1信号STAが遷移した後、クロック信号CLK’の遷移タイミングで第2信号STPを遷移させる。第2カウンター194は、第2信号STPが遷移してから次に第2信号STPが遷移するまでの期間において、クロック信号CLK’のパルス数をカウントし、そのカウント値NtをカウントデータCntTとして出力する。
具体的には、第2カウンター194は、第1信号STAがローレベルからハイレベルに遷移した後、クロック信号CLK’の2つ目の立ち下がりエッジで信号FlgMをローレベルからハイレベルに遷移させ、その次のクロック信号CLK’の立ち下がりエッジで信号FlgMをハイレベルからローレベルに遷移させる。信号FlgMは第2カウンター194の内部信号である。第2カウンター194は、信号FlgMがハイレベルのとき、クロック信号CLK’の立ち上がりエッジで第2信号STPをローレベルからハイレベルに遷移させる。
第2カウンター194は、第2信号STPをローレベルからハイレベルに遷移させるタイミングで、カウント値を0にリセットする。第2カウンター194は、次に第2信号STPをハイレベルに遷移させるタイミングまでクロック信号CLK’のパルス数をカウントし、そのときのカウント値NtをカウントデータCntTとして出力する。
時間デジタル変換回路120は、第1信号STAの遷移タイミングと第2信号の遷移タイミングの時間差を測定する。第1信号STAは周期的に遷移するので、その各遷移タイミングに対応して時間差が測定される。この時系列の時間差を、tp1、tp2とする。時間デジタル変換回路120は、時間差tp1、tp2を示す時間差情報TMDを出力する。
演算回路192は、下式(1)と(2)により分周クロック信号CKEXの周波数fmを求める。T0はクロック信号CLK’の周期であり、既知の値である。Tmは分周クロック信号CKEXの周期であり、その逆数が周波数fmとなる。なおクロック信号CLK’の周期T0を既知としたが、あくまで理想値として既知なのであって、実際には発振周波数のばらつき等によってT0は理想値と異なる。この点で実際のT0は未知であり、その未知のクロック信号CLK’の周波数に対する相対的な分周クロック信号CKEXの周波数比がfmとして測定されていると言える。
本実施形態によれば、カウンター回路191がクロック信号CLK’の周期T0を基準として分周クロック信号CKEXの周期Tmを測定するが、更に時間デジタル変換回路120が、周期T0より小さい分解能で時間差tp1、tp2を測定する。これにより、演算回路192は、周期T0より小さい分解能で分周クロック信号CKEXの周期Tmを演算でき、正確な分周クロック信号CKEXの周波数fmを求めることができる。
図9は、クロック信号生成回路110の第3詳細構成例である。クロック信号生成回路110は発振回路111と分周回路118とを含む。発振回路111は図5の発振回路117に相当する。
発振回路111は、デジタル信号の周波数調整信号FADにより発振周波数が制御されるDCXOである。DCXOはDigital Controlled Xtal Oscillatorの略である。発振回路111は、振動子XTALを発振させることで発振クロック信号OSCKを生成し、周波数調整信号FADに基づいて発振クロック信号OSCKの周波数を調整する。具体的には、発振回路111は駆動回路113と周波数調整回路114とを含む。
駆動回路113は、端子TX1、TX2を介して振動子XTALに電気的に接続され、振動子XTALを駆動することで発振させ、発振クロック信号OSCK出力する。
周波数調整回路114は、端子TX1又は端子TX2と駆動回路113を接続するノードに接続され、周波数調整信号FADに基づいて発振周波数を調整する。なお図9には、端子TX2と駆動回路113を接続するノードに周波数調整回路114が接続される場合を図示している。周波数調整回路114は、D/A変換回路112と可変容量キャパシターCVとを含む。D/A変換回路112は周波数調整信号FADをD/A変換し、そのD/A変換で得られた電圧DAQを可変容量キャパシターCVの一端に出力する。可変容量キャパシターCVの他端は、端子TX2と駆動回路113を接続するノードに接続される。可変容量キャパシターCVは、両端の電圧に応じて容量値が変化するキャパシターであり、例えばMOSキャパシター或いは可変容量ダイオードである。
分周回路118は発振クロック信号OSCKを分周し、その分周されたクロック信号を計時用クロック信号CLKとして出力する。時間デジタル変換回路120に入力されるクロック信号CLK’は計時用クロック信号CLKである。
本実施形態によれば、可変容量キャパシターCVの一端の電圧DAQが周波数調整信号FADに応じて変化するので、可変容量キャパシターCVの容量値が周波数調整信号FADに応じて変化する。これにより、振動子XTALを駆動する駆動回路113の容量負荷が変化するので、周波数調整信号FADに応じて発振クロック信号OSCKの周波数が変化する。これにより、周波数調整信号FADによる計時用クロック信号CLKの周波数調整が実現される。
なお、発振回路111の構成は図9に限定されない。例えば、周波数調整信号FADがデジタル信号である場合に、周波数調整回路114はキャパシターアレイであってもよい。キャパシターアレイは、周波数調整信号FADに基づくスイッチ切り替えによって容量値が可変に切り替わる可変容量回路である。キャパシターアレイの一端は、グランドに接続され、他端は、端子TX1又は端子TX2と駆動回路113を接続するノードに接続される。
或いは、周波数調整信号FADがアナログ信号である場合、発振回路111はVCOであってもよい。VCOはVoltage Controlled Oscillatorの略である。即ち、図9の発振回路111からD/A変換回路112を省略し、アナログ信号の周波数調整信号FADを可変容量キャパシターCVの一端に入力すればよい。
図10は、クロック信号生成回路110の第4詳細構成例である。クロック信号生成回路110は、発振回路115とフラクショナル−N型分周回路119とを含む。発振回路115は図5の発振回路117に相当する。発振回路115は図4で説明した通りであるため、その説明を省略する。
フラクショナル−N型分周回路119は、デジタル信号である周波数調整信号FADに基づいて、小数分周比で発振クロック信号OSCKを分周する。具体的には、フラクショナル−N型分周回路119は、分周回路FPDと分周比設定回路FPEとを含む。
分周比設定回路FPEは、周波数調整信号FADに基づいて小数の分周比を設定し、その分周比の情報を分周回路FPDに出力する。分周回路FPDは、分周比の情報によって指示される分周比で発振クロック信号OSCKを分周し、その分周クロック信号を計時用クロック信号CLKとして出力する。具体的には、分周比設定回路FPEは、整数分周比を時系列に変化させることで、時間平均として小数となる分周比を設定する。分周回路FPDは、整数分周比で発振クロック信号OSCKを分周するが、その整数分周比が時系列に変化するので、時間平均として小数分数比で発振クロック信号OSCKを分周することになる。分周比設定回路FPEは、例えば周波数調整信号FADをデルタシグマ変調することで小数分周比を生成するデルタシグマ変調回路である。なお、時間デジタル変換回路120には、発振クロック信号OSCKがクロック信号CLK’として入力される。
本実施形態によれば、フラクショナル−N型分周回路119の小数分周比が周波数調整信号FADに応じて変化する。これにより、周波数調整信号FADによる計時用クロック信号CLKの周波数調整が実現される。
4.第4構成例
図11は、回路装置100の第4構成例である。回路装置100は、クロック信号生成回路110とインターフェース回路130と計時回路145と処理回路150とメモリー160と分周回路175と周波数測定回路190と端子TI、TFとを含む。なお既に説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の説明を適宜に省略する。
図11は、回路装置100の第4構成例である。回路装置100は、クロック信号生成回路110とインターフェース回路130と計時回路145と処理回路150とメモリー160と分周回路175と周波数測定回路190と端子TI、TFとを含む。なお既に説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その構成要素の説明を適宜に省略する。
第4構成例では、インターフェース回路130は、計時回路145からの計時データRTDを出力信号としてリアルタイムクロック装置10の外部に出力する。周波数情報FRDは処理回路150に入力され、処理回路150は、周波数情報FRDに応じた周波数調整信号FADを生成する。クロック信号生成回路110は、周波数調整信号FADに基づいて計時用クロック信号CLKの周波数を調整する。処理回路150が周波数調整信号FADを生成する手法は、図5で説明した処理装置200が周波数調整信号FADを生成する手法と同様である。処理回路150はプロセッサーであり、プロセッサーは例えばマイクロコンピューター、CPUコア、又はDSPである。処理回路150を含む回路装置100は集積回路装置である。即ち、処理回路150及びメモリー160は、クロック信号生成回路110、計時回路145、周波数測定回路190、及びインターフェース回路130と共に1つの集積回路装置に設けられる。
メモリー160は、処理回路150が周波数情報FRDに基づいて周波数調整信号FADを生成するためのプログラムを、記憶する。処理回路150は、メモリー160に記憶されたプログラムを実行することで、周波数情報FRDに基づいて周波数調整信号FADを生成する。メモリー160は、不揮発性メモリー又はRAM等の半導体メモリーである。
インターフェース回路130は、リアルタイムクロック装置10の外部からメモリー160にアクセスするためのメモリーインターフェース131を、含む。メモリーインターフェース131は、インターフェース回路130がリアルタイムクロック装置10の外部から受信したプログラムをメモリー160に書き込む。またメモリーインターフェース131は、メモリー160に記憶された情報を読み出し、その情報をインターフェース回路130がリアルタイムクロック装置10の外部に送信してもよい。
本実施形態によれば、メモリーインターフェース131を介してメモリー160にユーザーが様々なプログラムを書き込むことが可能であり、そのプログラムによって、周波数情報FRDを用いた様々な信号処理を実現可能である。また、処理回路150を回路装置100に内蔵したことで、周波数情報FRDを用いた信号処理を行うための処理装置をリアルタイムクロック装置10の外部に設ける必要がなくなる。即ち、リアルタイムクロック装置10単体で、周波数情報FRDを用いた様々な信号処理を実現することが可能である。
5.第5構成例
図12は、GPS時刻信号を用いたリアルタイムクロック補正システムの構成例である。図12のシステムはGPS受信器14とリアルタイムクロック装置10と処理装置200とを含む。なお図12では、リアルタイムクロック装置10において回路装置100の内部構成と振動子XTALのみを図示する。また端子の図示を省略する。
図12は、GPS時刻信号を用いたリアルタイムクロック補正システムの構成例である。図12のシステムはGPS受信器14とリアルタイムクロック装置10と処理装置200とを含む。なお図12では、リアルタイムクロック装置10において回路装置100の内部構成と振動子XTALのみを図示する。また端子の図示を省略する。
GPS受信器14は、GPS衛星信号を受信し、1pps信号を外部信号EXINとしてリアルタイムクロック装置10に出力する。1ppsは時刻の基準となる信号であり、1Hzのパルス信号である。
周波数測定回路190は、外部信号EXINである1pps信号の周波数を、発振クロック信号OSCKを基準として測定し、周波数情報FRDを出力する。発振クロック信号OSCKの周波数をF0とし、1ppsの周波数をFrefとしたとき、周波数情報FRDはFref/F0を示す。1ppsの各遷移タイミングでFref/F0が測定され、その時系列のFref/F0を示す周波数情報FRDが出力される。インターフェース回路130は、周波数情報FRDを処理装置200に出力する。
処理装置200は、ローパスフィルターLPFSを含む。ローパスフィルターLPFSは、時系列のFref/F0を示す周波数情報FRDをローパスフィルター処理し、それにより得られた周波数調整信号FADを出力する。周波数調整信号FADは、ローパスフィルター処理により平滑化されたFref/F0を示すデータである。処理装置200は、周波数調整信号FADをリアルタイムクロック装置10に出力する。
インターフェース回路130は、受信した周波数調整信号FADをクロック信号生成回路110のフラクショナル−N型分周回路119に出力する。フラクショナル−N型分周回路119は、分周比Fref/F0で発振クロック信号OSCKを分周し、計時用クロック信号CLKを出力する。発振クロック信号OSCKの周波数はF0なので、計時用クロック信号CLKの周波数はFrefとなる。このようにして、計時用クロック信号CLKの周波数を1ppsの周波数Frefに周波数同期させ、その1ppsと同等な計時用クロック信号CLKによって計時回路145が計時を行うことができる。これにより、高精度なリアルタイムクロックを実現できる。
6.時間デジタル変換回路
図13〜図16を用いて時間デジタル変換回路120の詳細構成例を説明する。なお、図13〜図16の時間デジタル変換回路120を図3に適用する場合、第1信号STAは図3のTRGに対応する。また、時間デジタル変換回路120は、クロック信号CLK’に基づいて第2信号STPを出力する回路を更に含んでもよい。この回路は、例えば第1信号STAが遷移した後におけるクロック信号CLK’の遷移タイミングで遷移する第2信号STPを出力する。
図13〜図16を用いて時間デジタル変換回路120の詳細構成例を説明する。なお、図13〜図16の時間デジタル変換回路120を図3に適用する場合、第1信号STAは図3のTRGに対応する。また、時間デジタル変換回路120は、クロック信号CLK’に基づいて第2信号STPを出力する回路を更に含んでもよい。この回路は、例えば第1信号STAが遷移した後におけるクロック信号CLK’の遷移タイミングで遷移する第2信号STPを出力する。
図13は、時間デジタル変換回路120の第1詳細構成例である。時間デジタル変換回路120は、測定回路30と信号生成回路40と積分処理回路60とを含む。
信号生成回路40は、第1信号STAと第2信号STPとクロック信号CLK’とに基づいて、積分処理のための信号を生成する。第1詳細構成例では、時間測定の基準となる基準クロック信号としてクロック信号CLK’を用いる。信号生成回路40は、積分期間信号生成回路41、43と、極性切替信号生成回路42、44と、を含む。
積分期間信号生成回路41は、第1信号STAに基づいて信号SINT1を生成する。極性切替信号生成回路42は、信号SINT1及びクロック信号CLK’に基づいて信号SPH1、SPH2を生成する。積分期間信号生成回路43は、第2信号STPに基づいて信号SINT2を生成する。極性切替信号生成回路44は、信号SINT2及びクロック信号CLK’に基づいて信号SPH3、SPH4を生成する。信号SINT1、SINTは積分期間信号であり、信号SPH1、SPH2、SPH3、SPH4は積分極性切替信号である。
積分処理回路60は、信号SINT1、SPH1、SPH2、SINT2、SPH3、SPH4に基づく積分処理を行うことで、第1〜第4積分値である電圧QA1〜QA4を出力する。電圧QA1、QA2は、第1信号STAとクロック信号CLK’の遷移タイミングの時間差に対応した位相を示す。電圧QA3、QA4は、第2信号STPとクロック信号CLK’の遷移タイミングの時間差に対応した位相を示す。積分処理回路60は、積分回路61〜64を含む。
積分回路61は、信号SINT1、SPH1に基づいて第1積分処理を行う。積分回路62は、信号SINT1、SPH2に基づいて第2積分処理を行う。積分回路63は、信号SINT2、SPH3に基づいて第3積分処理を行う。積分回路64は、信号SINT2、SPH4に基づいて第4積分処理を行う。
測定回路30は、第1〜第4積分処理の結果である電圧QA1〜QA4の各々をA/D変換し、そのA/D変換値から時間差情報TMDを演算する。時間差情報TMDは、第1信号STAと第2信号STPの遷移タイミングの時間差を示す。
図14は、時間デジタル変換回路120の第1詳細構成例の動作を説明する波形図である。ここでは、第1信号STAの位相を示す電圧QA1、QA2を求める動作を例に説明する。
積分期間信号生成回路41は、第1信号STAの遷移タイミングで信号SINT1をローレベルからハイレベルに遷移させ、積分期間TP1において信号SINT1をハイレベルに維持した後、信号SINT1をローレベルにする。積分期間TP1の長さは、クロック信号CLK’の周期の4倍以上であればよく、クロック信号CLK’の周期の整数倍でなくてよい。
第1信号STAの位相の検出範囲RDETは、クロック信号CLK’の1周期に相当する。第1信号STAが遷移したとき、その遷移タイミングが属するクロック信号CLK’の周期が、検出範囲RDETとなる。
極性切替信号生成回路42は、積分期間TP1において、クロック信号CLK’に同期したタイミングで信号SPH1をローレベルからハイレベルに遷移させる。信号SPH1の遷移タイミングは、検出範囲RDETにおけるクロック信号CLK’の立ち上がりエッジからクロック数PCI後の立ち上がりエッジに同期する。クロック数PCIは任意に設定されてよい。図13では、PCI=6である。
信号SPH1の遷移タイミングを、位相の基準、即ち0度とみなしたとする。これは、第1信号STAの遷移タイミングがクロック信号CLK’の立ち上がりエッジに一致したとき、第1信号STAの位相を0度とみなすことに相当する。図14では、積分期間TP1の長さは、クロック信号CLK’の24周期に相当する。この積分期間TP1を位相360度とみなすと、クロック信号CLK’の1周期は位相15度に相当する。図14のクロック信号CLK’の各パルスには、信号SPH1の遷移タイミングを基準「0」として番号を付しており、番号が1だけ異なると位相が15度だけ異なる。
極性切替信号生成回路42は、積分期間TP1において、信号SPH1の遷移タイミングからクロック信号CLK’のクロック数NCK後に信号SPH2をローレベルからハイレベルに遷移させる。図14ではNCK=6であり、信号SPH1と信号SPH2の位相が90度だけ異なる。これは、位相が90度シフトした2つの積分値が得られることに相当する。
積分期間TP1は、信号SPH1の遷移タイミングにより期間TPP1と期間TPM1に区画される。積分回路61は、期間TPP1において第1極性で第1積分処理を行い、期間TPM1において、第1極性とは逆極性である第2極性で第1積分処理を行う。図14では、第1極性は正極性であり、第2極性は負極性である。積分回路61は、積分結果の電圧QA1を出力する。
積分期間TP1は、信号SPH2の遷移タイミングにより期間TPP2と期間TPM2に区画される。積分回路62は、期間TPP2において第1極性で第2積分処理を行い、期間TPM2において、第2極性で第2積分処理を行う。積分回路62は、積分結果の電圧QA2を出力する。
以上では、第1信号STAの位相を示す電圧QA1、QA2を求める動作を説明したが、第2信号STPの位相を示す電圧QA3、QA4も同様な動作によって求められる。
第1信号STAと第2信号STPの遷移タイミングの時間差をTDFとする。測定回路30は、TDF=TC×(QA3/AZ2−QA1/AZ1)により時間差TDFを求める。TCはクロック信号CLK’の周期であり、AZ1=QA2−QA1であり、AZ2=QA4−QA3である。AZ1、AZ2は時間差TDFの値に依らず一定である。図14において積分期間TP1は未知数であり、この未知数に起因するオフセットがQA1/AZ1、QA3/AZ2に発生する。しかし、QA1、QA3を求める際の積分期間TP1は共通であるため、QA1/AZ1のオフセットとQA3/AZ2のオフセットは同じ値となり、減算によりキャンセルされる。
図15は、時間デジタル変換回路120の第2詳細構成例である。時間デジタル変換回路120は、リングオシレーター71、81と測定回路91と基準クロックカウンター92と調整回路72、82とを含む。
第2構成例では、時間デジタル変換回路120は測定モードと調整モードを有する。測定モードは、時間差を測定するモードであり、調整モードは、リングオシレーター71、81の発振周波数を調整するモードである。
まず測定モードを説明する。リングオシレーター71は、第1信号STAの遷移タイミングで発振ループがイネーブルとなる。これによりリングオシレーター71が発振を開始し、クロック信号CLKSを生成する。リングオシレーター81は、第2信号STPの遷移タイミングで発振ループがイネーブルとなる。これによりリングオシレーター81が発振を開始し、クロック信号CLKFを生成する。クロック信号CLKSの周波数をf1とし、クロック信号CLKFの周波数をf2とする。f2はf1より高い。
測定回路91は、クロック信号CLKS及びクロック信号CLKFに基づいて時間差情報TMDを求める。時間差情報TMDは、第1信号STAと第2信号STPの遷移タイミングの時間差を示す。時間差情報TMDを求める手法は図16で後述する。
次に調整モードを説明する。第2詳細構成例では、リングオシレーター71、81の発振周波数の基準となる基準クロック信号としてクロック信号CLK’を用いる。基準クロックカウンター92はクロック信号CLK’のクロック数をカウントし、所与のクロック数をカウントする期間においてアクティブになるイネーブル信号ENAを出力する。
調整回路72は、イネーブル信号ENAがアクティブである期間においてクロック信号CLKSのクロック数をカウントする。調整回路72は、そのカウント値と第1ターゲット値の差分を積分し、その積分により得られた制御データFCSを出力する。第1ターゲット値は、リングオシレーター71の発振周波数を設定するための値である。リングオシレーター71は、制御データFCSに応じた発振周波数で発振する。例えば、リングオシレーター71の発振ループの負荷として可変容量回路が設けられ、その可変容量回路の容量値が制御データFCSにより制御される。このようにして、リングオシレーター71の発振周波数が調整される。
調整回路82は、イネーブル信号ENAがアクティブである期間においてクロック信号CLKFのクロック数をカウントする。調整回路72は、そのカウント値と第2ターゲット値の差分を積分し、その積分により得られた制御データFCFを出力する。第2ターゲット値は、リングオシレーター81の発振周波数を設定するための値である。リングオシレーター81は、制御データFCFに応じた発振周波数で発振する。例えば、リングオシレーター81の発振ループの負荷として可変容量回路が設けられ、その可変容量回路の容量値が制御データFCFにより制御される。このようにして、リングオシレーター81の発振周波数が調整される。
時間デジタル変換回路120が調整モードの後に測定モードに設定されたとき、調整モードで求められた制御データFCS、FCFがリングオシレーター71、81に入力される。これにより、調整モードで調整された発振周波数でリングオシレーター71、81が発振し、測定回路91が、正確な周波数のクロック信号CLKS、CLKFを用いて時間測定できる。
図16は、時間デジタル変換回路120の第2詳細構成例の動作を説明する波形図である。図16には測定モードにおける波形図を示す。
測定回路91は、クロック信号CLKSとクロック信号CLKFの位相を比較し、クロック信号CLKSの位相とクロック信号CLKFの位相が入れ替わったと判定したとき位相比較結果信号QPをハイレベルからローレベルにする。位相比較結果信号QPは測定回路91の内部信号である。
測定回路91は、クロック信号CLKSのクロック数をカウントする。このカウント値をCTSとする。また測定回路91は、クロック信号CLKFのクロック数をカウントする。このカウント値をCTFとする。
測定回路91は、位相比較結果信号QPの立ち下がりエッジにおけるカウント値CTS、CTFを取得する。このカウント値をN1、N2とする。クロック信号CLKSの周期をΔt1=1/f1とし、クロック信号CLKFの周期をΔt2=1/f2とすると、その差分が分解能Δt=|Δt1−Δt2|である。N3=N1−N2とすると、測定回路91は、第1信号STAと第2信号STPの遷移タイミングの時間差をN3×Δt1+N2×Δtにより求める。図16では、N1=5、N2=4、N3=1なので、時間差はΔt1+4×Δtとなる。
7.電子機器
図17に、リアルタイムクロック装置10を含む電子機器500の構成例を示す。電子機器500は、例えばネットワーク機器、車載機器、或いは計測機器である。ネットワーク機器又は車載機器において、リアルタイムクロック装置10はシステム内の時刻同期に用いられる。例えば複数のネットワーク機器によって構成される通信ネットワークにおいて、各ネットワーク機器が有するリアルタイムクロック装置の時刻を同期させることで、ネットワーク内で共通の時刻を用いることができる。或いは、計測機器において、リアルタイムクロック装置10は測定時刻の記録に用いられる。本実施形態のリアルタイムクロック装置10は高精度な時刻情報が得られるため、精密な時刻同期又は精密な測定時間の記録が可能である。
図17に、リアルタイムクロック装置10を含む電子機器500の構成例を示す。電子機器500は、例えばネットワーク機器、車載機器、或いは計測機器である。ネットワーク機器又は車載機器において、リアルタイムクロック装置10はシステム内の時刻同期に用いられる。例えば複数のネットワーク機器によって構成される通信ネットワークにおいて、各ネットワーク機器が有するリアルタイムクロック装置の時刻を同期させることで、ネットワーク内で共通の時刻を用いることができる。或いは、計測機器において、リアルタイムクロック装置10は測定時刻の記録に用いられる。本実施形態のリアルタイムクロック装置10は高精度な時刻情報が得られるため、精密な時刻同期又は精密な測定時間の記録が可能である。
図17に示すように、電子機器500は、リアルタイムクロック装置10と、リアルタイムクロック装置10からの出力信号に基づく処理を行う処理装置520と、を含む。出力信号は、例えば、計時データ、時間差情報、時間データ又は周波数情報である。処理装置520は、リアルタイムクロック装置10からの出力信号を用いた信号処理を行ってもよい。また電子機器500は、通信インターフェース510と、操作インターフェース530と、表示部540と、メモリー550とを含むことができる。なお電子機器500は図17の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
通信インターフェース510は、外部からデータを受信したり、外部にデータを送信する処理を行う。処理装置520は、電子機器500の制御処理や、通信インターフェース510を介して送受信されるデータの種々のデジタル処理などを行う。処理装置520の機能は、例えばマイクロコンピューターなどのプロセッサーにより実現できる。操作インターフェース530は、ユーザーが入力操作を行うためのものであり、操作ボタンやタッチパネルディスプレイなどにより実現できる。表示部540は、各種の情報を表示するものであり、液晶や有機ELなどのディスプレイにより実現できる。メモリー550は、データを記憶するものであり、その機能はRAMやROMなどの半導体メモリーにより実現できる。
以上に説明した本実施形態のリアルタイムクロック装置は、振動子とクロック信号生成回路と計時回路と外部信号入力端子と時間デジタル変換回路とを含む。クロック信号生成回路は、振動子を発振させて発振クロック信号を生成する発振回路を有し、発振クロック信号に基づく計時用クロック信号を出力する。計時回路は、計時用クロック信号に基づいて計時データを生成する。外部信号入力端子には、外部信号が入力される。時間デジタル変換回路は、外部信号入力端子から入力される外部信号に基づく第1信号の遷移タイミングと、発振クロック信号又は計時用クロック信号に基づく第2信号の遷移タイミングとの時間差を、計時回路の計時分解能より高い分解能で測定し、時間差に対応した時間差情報を求める。
本実施形態によれば、リアルタイムクロック装置が時間デジタル変換回路を含むことで、計時回路の計時分解能より高い分解能の時間差情報を取得できる。即ち、計時回路は計時用クロック信号を用いたカウント処理によって計時を行うが、このカウント処理の時間分解能に制限されることなく、時間差情報を取得できる。これにより、高精度なリアルタイムクロック装置を実現できる。
また本実施形態では、リアルタイムクロック装置は、計時データ及び時間差情報に基づく出力情報を出力するインターフェース回路を含んでもよい。
本実施形態によれば、リアルタイムクロック装置が、計時データ及び時間差情報に基づく出力情報を外部に出力できる。これにより、リアルタイムクロック装置の外部に設けられる処理装置が、高精度な時間を示す出力情報を利用できる。
また本実施形態では、リアルタイムクロック装置は時間データ出力回路を含んでもよい。時間データ出力回路は、計時データ及び時間差情報に基づいて、計時分解能より高い分解能の時間データを出力してもよい。インターフェース回路は、時間データを出力情報として出力してもよい。
本実施形態によれば、リアルタイムクロック装置が、計時分解能より高い分解能の時間データを外部に出力できる。これにより、リアルタイムクロック装置の外部に設けられる処理装置が、計時分解能より高い分解能の時間データを利用できる。
また本実施形態では、外部信号は、トリガー信号であってもよい。時間データ出力回路は、トリガー信号の遷移タイミングを示すタイムスタンプ情報として時間データを出力してもよい。
本実施形態によれば、リアルタイムクロック装置が、計時分解能より高い分解能のタイムスタンプ情報を外部に出力できる。これにより、リアルタイムクロック装置の外部に設けられる処理装置が、計時分解能より高い分解能のタイムスタンプ情報を利用できる。
また本実施形態では、リアルタイムクロック装置は周波数測定回路を含んでもよい。外部信号入力端子に、外部信号として外部クロック信号が入力されてもよい。周波数測定回路は、時間デジタル変換回路とカウンター回路と演算回路とを含んでもよい。カウンター回路は、外部クロック信号及び発振クロック信号、又は外部クロック信号及び計時用クロック信号に基づくカウント処理を行い、カウントデータを出力してもよい。演算回路は、時間差情報及びカウントデータに基づく演算を行うことで、外部クロック信号の周波数に対応した周波数情報を求めてもよい。
本実施形態によれば、リアルタイムクロック装置が周波数測定回路を含むことで、外部クロック信号の周波数情報を取得できる。このとき、周波数測定回路が、計時分解能より高い分解能で時間差を測定する時間デジタル変換回路を含むので、その時間差情報を用いることで高精度に周波数を測定できる。これにより、高精度なリアルタイムクロック装置を実現できる。例えば、その周波数情報に基づいて計時用クロック信号の周波数が調整されることで、高精度な計時が可能となる。
また本実施形態では、リアルタイムクロック装置は、計時データ及び周波数情報を出力情報として出力するインターフェース回路を含んでもよい。
本実施形態によれば、リアルタイムクロック装置が、計時データ及び周波数情報を外部に出力できる。これにより、リアルタイムクロック装置の外部に設けられる処理装置が、時間デジタル変換回路を含む周波数測定回路により測定された高精度な周波数情報を、利用できる。例えば、処理装置が、周波数情報に基づいて計時用クロック信号の周波数を調整できる。
また本実施形態では、クロック信号生成回路は、発振クロック信号又は発振クロック信号の分周クロック信号を計時用クロック信号として出力してもよい。
本実施形態によれば、計時回路が、発振クロック信号又は発振クロック信号の分周クロック信号に基づいて計時データを生成できる。
また本実施形態では、クロック信号生成回路は、インターフェース回路を介して入力される周波数調整信号に基づいて、計時用クロック信号の周波数を調整してもよい。
本実施形態によれば、リアルタイムクロック装置の外部からインターフェース回路を介して入力される周波数調整信号に基づいて、計時用クロック信号の周波数が調整される。これにより、計時用クロック信号の周波数を外部から補正することが可能となり、その補正された計時用クロック信号に基づいてリアルタイムクロック装置が高精度に計時できる。
また本実施形態では、クロック信号生成回路は、発振クロック信号又は発振クロック信号の分周クロック信号を計時用クロック信号として出力してもよい。発振回路は、周波数調整信号に基づいて発振クロック信号の周波数を調整してもよい。
本実施形態によれば、周波数調整信号に基づいて発振クロック信号の周波数が調整され、その発振クロック信号又は発振クロック信号の分周クロック信号が計時用クロック信号として出力される。これにより、周波数調整信号による計時用クロック信号の周波数調整が実現される。
また本実施形態では、クロック信号生成回路は、発振クロック信号を分周して分周クロック信号を計時用クロック信号として出力するフラクショナル−N型分周回路を含んでもよい。フラクショナル−N型分周回路は、周波数調整信号に基づいて分周比を調整してもよい。
本実施形態によれば、周波数調整信号に基づいてフラクショナル−N型分周回路の分周比が調整され、その分周比で発振クロック信号が分周され、その分周クロック信号が計時用クロック信号として出力される。これにより、周波数調整信号による計時用クロック信号の周波数調整が実現される。
また本実施形態では、クロック信号生成回路、計時回路、及び時間デジタル変換回路は、1つの半導体基板に設けられてもよい。
本実施形態によれば、クロック信号生成回路、計時回路、及び時間デジタル変換回路を別々のICとして構成した場合に比べて、測定対象となる信号の遅延又は波形変形等を抑制できるので、時間デジタル変換回路が正確な時間差を測定できる。
また本実施形態では、リアルタイムクロック装置は、時間デジタル変換回路を含む周波数測定回路と、処理回路と、を含んでもよい。周波数測定回路は、外部信号として入力される外部クロック信号の周波数に基づいて、計時用クロック信号の周波数に対応した周波数情報を求めてもよい。処理回路は、周波数情報に応じた周波数調整信号を生成してもよい。クロック信号生成回路は、周波数調整信号に基づいて、計時用クロック信号の周波数を調整してもよい。
本実施形態によれば、リアルタイムクロック装置が、計時用クロック信号の周波数を測定し、その周波数情報に基づいて計時用クロック信号の周波数を調整できる。また、処理回路を回路装置に内蔵したことで、周波数情報を用いた信号処理を行うための処理装置をリアルタイムクロック装置の外部に設ける必要がなくなる。即ち、リアルタイムクロック装置単体で計時用クロック信号の周波数を調整できる。
また本実施形態では、リアルタイムクロック装置は、処理回路が周波数調整信号を生成するためのプログラムを記憶するメモリーを含んでもよい。
本実施形態によれば、メモリーに記憶されたプログラムによって、処理回路が、周波数情報に基づいて周波数調整信号を生成できる。様々な信号処理を記述したプログラムをメモリーに記憶させることが可能であるため、周波数調整信号を生成する信号処理のアルゴリズムを、ユーザーが様々にカスタマイズ可能である。
また本実施形態の電子機器は、上記のいずれかに記載のリアルタイムクロック装置と、リアルタイムクロック装置からの出力信号に基づく処理を行う処理装置と、を含む。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また回路装置、リアルタイムクロック装置及び電子機器等の構成及び動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10…リアルタイムクロック装置、14…GPS受信器、30…測定回路、40…信号生成回路、41,43…積分期間信号生成回路、42,44…極性切替信号生成回路、60…積分処理回路、61〜64…積分回路、71,81…リングオシレーター、72,82…調整回路、80…計時回路、91…測定回路、92…基準クロックカウンター、100…回路装置、110…クロック信号生成回路、111,115,117…発振回路、112…D/A変換回路、113…駆動回路、114…周波数調整回路、118…分周回路、119…N型分周回路、120…時間デジタル変換回路、130…インターフェース回路、131…メモリーインターフェース、145…計時回路、146…時間データ出力回路、147…トリガーコントローラー、150…処理回路、160…メモリー、175…分周回路、190…周波数測定回路、191…カウンター回路、192…演算回路、193…第1カウンター、194…第2カウンター、200…処理装置、500…電子機器、510…通信インターフェース、520…処理装置、530…操作インターフェース、540…表示部、550…メモリー、CLK…計時用クロック信号、CntM,CntT…カウントデータ、DQ…出力情報、EXIN…外部信号、FAD…周波数調整信号、FNTD…時間データ、FRD…周波数情報、OSCK…発振クロック信号、RTD…計時データ、STA…第1信号、STP…第2信号、TFP…インターフェース端子、TIP…外部信号入力端子、TMD…時間差情報、XTAL…振動子
Claims (14)
- 振動子と、
前記振動子を発振させて発振クロック信号を生成する発振回路を有し、前記発振クロック信号に基づく計時用クロック信号を出力するクロック信号生成回路と、
前記計時用クロック信号に基づいて計時データを生成する計時回路と、
外部信号が入力される外部信号入力端子と、
前記外部信号入力端子から入力される前記外部信号に基づく第1信号の遷移タイミングと、前記発振クロック信号又は前記計時用クロック信号に基づく第2信号の遷移タイミングとの時間差を、前記計時回路の計時分解能より高い分解能で測定し、前記時間差に対応した時間差情報を求める時間デジタル変換回路と、
を含むことを特徴とするリアルタイムクロック装置。 - 請求項1に記載のリアルタイムクロック装置において、
前記計時データ及び前記時間差情報に基づく出力情報を出力するインターフェース回路を含むことを特徴とするリアルタイムクロック装置。 - 請求項2に記載のリアルタイムクロック装置において、
前記計時データ及び前記時間差情報に基づいて、前記計時分解能より高い分解能の時間データを出力する時間データ出力回路を含み、
前記インターフェース回路は、前記時間データを前記出力情報として出力することを特徴とするリアルタイムクロック装置。 - 請求項3に記載のリアルタイムクロック装置において、
前記外部信号は、トリガー信号であり、
前記時間データ出力回路は、前記トリガー信号の遷移タイミングを示すタイムスタンプ情報として前記時間データを出力することを特徴とするリアルタイムクロック装置。 - 請求項2に記載のリアルタイムクロック装置において、
前記時間デジタル変換回路を含む周波数測定回路を含み、
前記外部信号入力端子に、前記外部信号として外部クロック信号が入力され、
前記周波数測定回路は、
前記外部クロック信号及び前記発振クロック信号、又は前記外部クロック信号及び前記計時用クロック信号に基づくカウント処理を行い、カウントデータを出力するカウンター回路と、
前記時間差情報及び前記カウントデータに基づく演算を行うことで、前記外部クロック信号の周波数に対応した周波数情報を求める演算回路と、
を含むことを特徴とするリアルタイムクロック装置。 - 請求項5に記載のリアルタイムクロック装置において、
前記計時データ及び前記周波数情報を出力情報として出力するインターフェース回路を含むことを特徴とするリアルタイムクロック装置。 - 請求項5又は6に記載のリアルタイムクロック装置において、
前記クロック信号生成回路は、前記発振クロック信号又は前記発振クロック信号の分周クロック信号を前記計時用クロック信号として出力することを特徴とするリアルタイムクロック装置。 - 請求項5乃至7のいずれか一項に記載のリアルタイムクロック装置において、
前記クロック信号生成回路は、前記インターフェース回路を介して入力される周波数調整信号に基づいて、前記計時用クロック信号の周波数を調整することを特徴とするリアルタイムクロック装置。 - 請求項8に記載のリアルタイムクロック装置において、
前記クロック信号生成回路は、前記発振クロック信号又は前記発振クロック信号の分周クロック信号を前記計時用クロック信号として出力し、
前記発振回路は、前記周波数調整信号に基づいて前記発振クロック信号の周波数を調整することを特徴とするリアルタイムクロック装置。 - 請求項8に記載のリアルタイムクロック装置において、
前記クロック信号生成回路は、前記発振クロック信号を分周して分周クロック信号を前記計時用クロック信号として出力するフラクショナル−N型分周回路を含み、
前記フラクショナル−N型分周回路は、前記周波数調整信号に基づいて分周比を調整することを特徴とするリアルタイムクロック装置。 - 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のリアルタイムクロック装置において、
前記クロック信号生成回路、前記計時回路、及び前記時間デジタル変換回路は、1つの半導体基板に設けられることを特徴とするリアルタイムクロック装置。 - 請求項1に記載のリアルタイムクロック装置において、
前記時間デジタル変換回路を含む周波数測定回路と、
処理回路と、
を含み、
前記周波数測定回路は、前記外部信号として入力される外部クロック信号の周波数に基づいて、前記計時用クロック信号の周波数に対応した周波数情報を求め、
前記処理回路は、前記周波数情報に応じた周波数調整信号を生成し、
前記クロック信号生成回路は、前記周波数調整信号に基づいて、前記計時用クロック信号の周波数を調整することを特徴とするリアルタイムクロック装置。 - 請求項12に記載のリアルタイムクロック装置において、
前記処理回路が前記周波数調整信号を生成するためのプログラムを記憶するメモリーを含むことを特徴とするリアルタイムクロック装置。 - 請求項1乃至13のいずれか一項に記載のリアルタイムクロック装置と、
前記リアルタイムクロック装置からの出力信号に基づく処理を行う処理装置と、
を含むことを特徴とする電子機器。
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